JP2006150299A - 寿命判定用ファンフィルタユニット及びそれを用いたフィルタ寿命判定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の寿命判定用ファンフィルタユニットは、室に実装されるフィルタの寿命を判定するための寿命判定用ファンフィルタユニットであって、前記ユニットは、気流の流入側に設けられたファン部と、気流の流出側に設けられたフィルタ部とからなり、前記フィルタ部は、サンプリング用フィルタパックを備え、前記ユニットの四側面を構成するフレーム本体の任意の側面から引き出して取り出し可能なように収容された複数個のカセットホルダからなり、個々のカセットホルダが備えるサンプリング用フィルタパックの気流通過面積の総和が前記フレーム本体によって画定された気流通過面積となるように複数個のカセットホルダが配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、前記フィルタは、例えば、縦740mm×横1470mm×奥行75mmと大きいため、フィルタ用固定枠から、前記フィルタを取り外して吸着剤の余寿命を測定することは困難であり、また、フィルタ1台を取り外して試験に供してしまうと、新品と交換する必要があり、経済性が悪いという問題があった。
また、クリーンルーム等の室に実装されたフィルタの上流側及び下流側の空気を定期的にサンプリングし、このサンプリングした空気中のガス濃度を測定し、このガス濃度からフィルタの余寿命を推測する方法もあった。この方法は、例えば、フィルタのガス除去効率が70%まで低下する場合におけるガス除去用フィルタの上流側の空気中のガス濃度と、フィルタの総運転時間の関係を示す検量線を予め求めておき、この検量線に基づいて、サンプリングした前記フィルタの上流側の空気中のガス濃度から、前記ガス濃度の場合のフィルタの総運転時間を求め、サンプリングした時の経過時間を、フィルタの総運転時間から引いて、ガス除去用フィルタの余寿命を推測していた。
また、フィルタの上流側及び下流側の空気中のガス濃度を定期的に測定してフィルタの余寿命を判定する方法においては、フィルタの設置雰囲気によって、サンプリングした空気中のガス濃度がばらつき、サンプリングした下流側の空気中のガス濃度が上昇傾向を示した場合は、フィルタを交換する必要があり、予め求めておいた検量線から推測したフィルタの余寿命と、実際のフィルタの交換時期がずれる場合があり、正確なフィルタの交換時期の判定ができないという問題があった。
そこで、本発明は、室に実装されたフィルタの寿命を正確に判定することができる寿命判定用ファンフィルタユニット及びそれを用いたフィルタ寿命判定方法を提供することを目的とする。
また、請求項2記載の寿命判定用ファンフィルタユニットは、請求項1記載の寿命判定用ファンフィルタユニットにおいて、前記サンプリング用フィルタパックの奥行寸法を、室に実装されるフィルタを構成するフィルタパックの奥行寸法と略同一にしたことを特徴とする。
また、請求項3記載の寿命判定用ファンフィルタユニットは、請求項1又は2記載の寿命判定用ファンフィルタユニットにおいて、気流の流入出方向に対する前記カセットホルダの積層段数を、室に実装されるフィルタの積層段数と等しくすることを特徴とする。
また、請求項4記載の寿命判定用ファンフィルタユニットは、請求項1乃至3のいずれかに記載の寿命判定用ファンフィルタユニットにおいて、寿命判定用ファンフィルタユニットを、室の上方に設けられた、フィルタ等を固定する固定枠に取り付ける取付部材を、前記フレーム本体に設けたことを特徴とする。
本発明のフィルタ寿命判定方法は、前記目的を達成するべく、請求項5記載の通り、室に実装されたフィルタに空気を供給する通路内に、請求項1乃至4のいずれかに記載の寿命判定用ファンフィルタユニットを設け、前記寿命判定用ファンフィルタユニットを用いて、前記フィルタの寿命を判定するフィルタ寿命判定方法であって、気流を通過させる前のサンプリング用フィルタパック又はフィルタパックを構成するろ材について加速試験を行い、前記サンプリング用フィルタパック又は前記フィルタパックを構成するろ材のガス除去効率が所定値まで低下するのに要した加速試験時間を測定し、この加速試験時間をT0とし、室に実装されたフィルタの使用開始時に、寿命判定用ファンフィルタユニットの使用を開始し、寿命判定用ファンフィルタユニットに流入させるファンの風量を調整して、前記フィルタを通過させる気流の風速とほぼ等しい風速となる気流を寿命判定用ファンフィルタユニットに通過させたnヶ月経過後に、一つのカセットホルダをフレーム本体から取り外して、このカセットホルダに収容されたサンプリング用フィルタパック又はフィルタパックを構成するろ材について前記加速試験を行い、前記サンプリング用フィルタパック又は前記フィルタパックを構成するろ材のガス除去効率が前記所定値まで低下するのに要した加速試験時間を測定し、この加速試験時間をTnとし、使用期間n(ヶ月)における残有効吸着剤率Z(%)を、加速試験時間Tnを使用開始前の加速試験時間T0で除した値(Tn/T0)で表し、複数の使用期間について前記加速試験を行って、各使用期間n(ヶ月)における残有効吸着剤率Z(%)をプロットして検量線を作成し、前記検量線から残有効吸着剤率Zが0となる使用期間を求めて、室に実装されたフィルタの交換時期を判定することを特徴とする。
また、前記サンプリング用フィルタパックの奥行寸法を、室に実装されるフィルタを構成するフィルタパックの奥行寸法と略同一とし、室に実装されたフィルタにより近い状態のサンプリング用フィルタパックの測定を行うことができ、サンプリング用フィルタを測定した結果から、室に実装されるフィルタの寿命を正確に判定することができる。
また、室に実装するフィルタとして、例えば、活性炭を吸着剤として用いたフィルタと、イオン交換樹脂等を吸着剤として用いたフィルタを二段積層して用いる場合がある。このような場合に、寿命判定用ファンフィルタユニットのカセットホルダの積層段数を、室に実装されるフィルタの積層段数と等しくすることにより、室に実装された一段目のフィルタ寿命を判定する場合は、一段目のカセットホルダのサンプリング用フィルタパックを測定し、室に実装された二段目のフィルタ寿命を判定する場合は、二段目のカセットホルダのサンプリング用フィルタパックについて測定することにより、室に実装されたフィルタにより近い状態のサンプリング用フィルタパックの測定を行うことができ、この測定結果から、室に実装されるフィルタの寿命を正確に判定することができる。
また、取付部材によって、フィルタ等を固定する固定枠に、寿命判定用ファンフィルタユニットを取り付けた場合は、室に実装するフィルタを設置する環境雰囲気中に、前記ユニットを簡単に取り付けることができる。
本発明のフィルタ寿命判定方法によれば、室に実装されるフィルタにより近い環境雰囲気に置かれた寿命判定用ファンフィルタユニットを用いて、前記フィルタの使用開始時に使用を開始した前記ユニットのサンプリング用フィルタパック又はフィルタパックを構成するろ材について、加速試験を行うことができ、この加速試験を複数回行って、各使用期間と残有効吸着剤率の検量線を作成し、この検量線から残有効吸着剤率が0となる使用期間を求めて、フィルタの正確な寿命の判定を行うことができ、室に実装されたフィルタの正確な交換時期の情報を得ることができる。
寿命判定用ファンフィルタユニット1のフレーム本体2には、図5の要部拡大図に示すとおり、断面コ字形状の取付部材9が設けられ、寿命判定用ファンフィルタユニット1が取付部材9によって、固定枠11にボルトで固定されている。尚、固定枠11は、フィルタを載置するための固定枠に限らず、配電盤を固定するための固定枠や、フィルタ取り付け作業時に使用する通路固定用の固定枠であってもよい。この取付部材9によって、寿命判定用ファンフィルタユニット1を取り付けるための別部材を設けることなく、従来使用されている固定枠を使用して、室に実装されるフィルタ15及び16に気流を供給する通路内に、寿命判定用ファンフィルタユニット1を設置することができる。
また、図5には、ファンフィルタユニット13を設けたタイプのクリーンルームに寿命判定用ファンフィルタユニット1を設置した例を示しているが、フィルタ用固定枠11にガス除去用のフィルタを設け、循環通路18にシロッコファン等を設けて空気を循環させるようにした、加圧タイプのクリーンルームに本発明の寿命判定用ファンフィルタユニットを設置してもよい。また、本発明の寿命判定用ファンフィルタユニット1は、天井の全面から空気を吹き出すタイプのクリーンルームの空気の通路内に設置してもよく、天井の一部の面から空気を吹き出すタイプのクリーンルームの空気の通路内に設置してもよい。
まず、気流を通過させる前の寿命判定用ファンフィルタユニットから、一つのカセットホルダを取り外して、サンプリング用フィルタパック又はフィルタパックを構成するろ材の加速試験を行う。加速試験は、通常の使用環境下における数千倍以上の高濃度の有機ガス又はアルカリガスを含有した気流を、通常の使用環境下における風速の数倍程度の風速で、サンプリング用フィルタパックに通過させて行う。そして、サンプリング用フィルタパックのガス除去効率が、所定値まで低下するのに要した加速試験時間を測定し、この値をT0とする。例えば、20ppmの高濃度のアンモニアガスを含有した気流を、3cm/secで、サンプリング用フィルタパック又はフィルタパックを構成する濾材に通過させて加速試験を行う。
図6に示すように、気流を通過させる前のサンプリング用フィルタパックについて加速試験を行った場合に、例えば、ガス除去効率が80%まで低下するのに要した加速試験時間が7時間であった場合は、T0=7となる。
図6に示すように、使用を開始してから、例えば、3カ月が経過した後、一つのカセットホルダを取り外して、このカセットホルダに備えられたサンプリング用フィルタパックについて加速試験を行う。このサンプリング用フィルタパックのガス除去効率が80%まで低下するのに要した加速試験時間が6.5時間であった場合は、T1=6.5となる。
そして、使用期間n(ヶ月)における残有効吸着剤率Z(%)を、加速試験時間Tnを使用開始前の加速試験時間T0で除した値(Tn/T0)で算出する。例えば、3ヶ月経過後の残有効吸着剤率(%)は、6.5/7=93%となる。
尚、カセットホルダから加速試験を行うサンプリング用フィルタパックを取り外した後、新たなサンプリング用フィルタパックをカセットホルダに装着し、再び、前記カセットホルダをフレーム本体に収容しておく。
2 フレーム本体
3 ファン
4 ファン部
5 風量調整用つまみ
6 サンプリング用フィルタパック
7 カセットホルダ
7a 取っ手
8 フィルタ部
9 取付部材
10 多孔板
11 固定枠
12 清浄空間
13 ファンフィルタユニット
14 ファン
15 フィルタ
16 フィルタ
17 排気通路
18 循環通路
Claims (5)
- 室に実装されるフィルタの寿命を判定するための寿命判定用ファンフィルタユニットであって、前記ユニットは、気流の流入側に設けられたファン部と、気流の流出側に設けられたフィルタ部とからなり、前記フィルタ部は、サンプリング用フィルタパックを備え、前記ユニットの四側面を構成するフレーム本体の任意の側面から引き出して取り出し可能なように収容された複数個のカセットホルダからなり、個々のカセットホルダが備えるサンプリング用フィルタパックの気流通過面積の総和が前記フレーム本体によって画定された気流通過面積となるように複数個のカセットホルダが配置されていることを特徴とする寿命判定用ファンフィルタユニット。
- 前記サンプリング用フィルタパックの奥行寸法を、室に実装されるフィルタを構成するフィルタパックの奥行寸法と略同一にしたことを特徴とする請求項1記載の寿命判定用ファンフィルタユニット。
- 気流の流入出方向に対する前記カセットホルダの積層段数を、室に実装されるフィルタの積層段数と等しくすることを特徴とする請求項1又は2記載の寿命判定用ファンフィルタユニット。
- 寿命判定用ファンフィルタユニットを、室の上方に設けられた、フィルタ等を固定する固定枠に取り付けるための取付部材を、前記フレーム本体に設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の寿命判定用ファンフィルタユニット。
- 室に実装されたフィルタに空気を供給する通路内に、請求項1乃至4のいずれかに記載の寿命判定用ファンフィルタユニットを設け、前記寿命判定用ファンフィルタユニットを用いて、前記フィルタの寿命を判定するフィルタ寿命判定方法であって、気流を通過させる前のサンプリング用フィルタパック又はフィルタパックを構成するろ材について加速試験を行い、前記サンプリング用フィルタパック又は前記フィルタパックを構成するろ材のガス除去効率が所定値まで低下するのに要した加速試験時間を測定し、この加速試験時間をT0とし、室に実装されたフィルタの使用開始時に、寿命判定用ファンフィルタユニットの使用を開始し、寿命判定用ファンフィルタユニットに流入させるファンの風量を調整して、前記フィルタを通過させる気流の風速とほぼ等しい風速となる気流を寿命判定用ファンフィルタユニットに通過させたnヶ月経過後に、一つのカセットホルダをフレーム本体から取り外して、このカセットホルダに収容されたサンプリング用フィルタパック又はフィルタパックを構成するろ材について前記加速試験を行い、前記サンプリング用フィルタパック又は前記フィルタパックを構成するろ材のガス除去効率が前記所定値まで低下するのに要した加速試験時間を測定し、この加速試験時間をTnとし、使用期間n(ヶ月)における残有効吸着剤率Z(%)を、加速試験時間Tnを使用開始前の加速試験時間T0で除した値(Tn/T0)で表し、複数の使用期間についての前記加速試験を行って、各使用期間n(ヶ月)における残有効吸着剤率Z(%)をプロットして検量線を作成し、前記検量線から残有効吸着剤率Zが0となる使用期間を求めて、室に実装されたフィルタの交換時期を判定することを特徴とするフィルタ寿命判定方法。
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