JP2006148553A - 動画撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 CPUおよびクロック周波数を高速化することなく、コストアップすることなく、セキュリティ機能の実現を図ることができる動画撮影装置を提供する。
【解決手段】 レンズ1は入射した被写体像を撮像素子41内のセンサ4に結像し、水平走査回路3aは、TG(Timing Generator)2のタイミング信号に同期して画像データを読み込み、A/D(Analog/Digital)コンバータ5、信号処理部6、画像メモリ7を介して記録装置14に記録する。また、水平走査回路3aと同期して動作する水平走査回路3bは、上記の動作と同時に、A/Dコンバータ8、信号処理部9を介してMD(Message Digest)作成部10にMD作成用データを出力し、MAC(Message Authentication Code:メッセージ認証子)作成部11は秘密キーメモリ12から秘密キーを読み出し、MACを作成し、メモリ13を介して画像メモリ7内の画像データに書き込む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セキュリティ機能を持ったディジタル方式の動画撮影装置に関する。
従来、例えば、カメラのフィルムやメディアにアナログで記録された写真や音声は、裁判等において証明力のあるものとして用いられている。近年のディジタル技術の進歩により、画像や音声をディジタルデータとして記録する装置が普及している。このようなディジタル化によれば、コピーしても劣化しない、通信回線を使って素早く配布できる、さらに情報内容の加工・編集を容易に行えるという長所が得られる。しかし、加工・編集が容易であるということは、一方で情報内容を容易に改竄できるということであり、情報として証拠能力が疑われる余地が生まれる。したがって、ディジタルの画像や音声を証拠品として使えるようにするためには、何らかの方法によってディジタルデータの改竄を防止する機能を備えていることが必要である。このようなセキュリティ機能を有するカメラはディジタル証拠カメラと呼ばれている。
このディジタル証拠カメラを実現するために、一般に通信等で用いられている電子署名技術を応用することが考えられている。電子署名システムでは、対となる2つの鍵が用いられる。1つは、暗号化のための鍵で秘密鍵と呼ばれ、もう一方は復号化のための鍵で公開鍵と呼ばれる。ディジタルデータは秘密鍵を用いて暗号化され、公開鍵を用いて復号化される。秘密鍵から公開鍵を求めるには一方向性関数が用いられるが、この一方向性関数の性質により、逆に公開鍵から秘密鍵を求めることは数学的に非常に難しいものとなっている。秘密鍵は持ち主以外の人が絶対に使えないように厳重に管理される必要がある一方、公開鍵は誰でも使えるように一般に公開される。
ここで、上述したようなセキュリティ機能を持ったカメラシステムとして、例えば、特許文献1に記載されているディジタル証拠カメラシステム、複合化鍵取得・登録システム、及びディジタル画像編集システムが知られている。また、特許文献2に記載されている電子カメラが知られている。これらは、カメラ等撮像装置によって生成した電子データに改竄検知データ、電子署名を付加し、画像作成者の特定、および、画像データが改竄されたか否かを検知するものである。
特開平11−308564号公報 特開2000−152148号公報
しかしながら、上述したようなセキュリティ機能を持ったカメラシステムは、対象となる電子画像データが静止画像である場合は有効であるが、動画像を撮影するカメラシステムにおいて、特に、ハイビジョン撮影のように高解像度、高フレームレートを要求される場合、次のような問題があった。すなわち、セキュリティ検知用データを各フレームデータより取り出し、暗号化演算等を行なうために、高速な処理速度が要求され、高速CPU、専用LSI等を装備する必要が発生し、コストアップに繋がるという問題があった。また、クロック周波数を高くする必要が生じ、それに伴って、消費電力が増加する等の支障が発生し、フレーム毎に上記のような検知コードを付加するのが困難であるという問題があった。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、CPUおよびクロック周波数を高速化することなく、コストアップすることなく、セキュリティ機能の実現を図ることができる動画撮影装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、この発明では、以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、多線出力を有する撮像素子と、前記撮像素子から被写体を撮影したフレームデータを出力する出力手段と、前記フレームデータの一部をサンプリングデータとして前記撮像素子から同時に読み出す読み出し手段と、暗号化キーを記録しておく暗号化キー記録手段と、前記読み出し手段により読み出されたサンプリングデータから、前記暗号化キーを用いて、改竄検知用データを作成する改竄検知用データ作成手段とを設けたことを特徴とする。
この発明によれば、出力手段が撮像素子から被写体を撮影したフレームデータを出力するのと同時に、読み出し手段が、該フレームデータの一部をサンプリングデータとして読み出しを行い、改竄検知用データ作成手段が、暗号化キー記録手段に記録された暗号化キーによって、該サンプリングデータから改竄防止用データの作成を、フレームデータの出力と並行して行う。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の動画撮像装置であって、画像作成者を識別する画像作成者識別情報を記憶する画像作成者識別情報記憶手段と、前記画像作成者識別情報記憶手段に基づいて、前記フレームデータに前記改竄検知用データと前記画像作成者識別情報とを埋め込む画像データ処理手段とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、改竄検知用データ作成手段が、MAC、改竄検知用データを作成するとともに、画像作成者を識別する画像作成者識別情報を作成し、フレームデータの中に埋め込む。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2のいずれかの項に記載の動画撮影装置であって、前記読み出し手段が前記フレームデータからサンプリングデータとして読み出す位置を必要に応じて変更することを特徴とする。
この発明によれば、読み出し手段がフレームデータからサンプリングデータを読み出す位置を変更することにより、改竄防止データ作成に用いられるサンプリングデータの位置を解明することが困難となる。したがって、改竄防止データが突き止められ、データが改竄される恐れが少なくなる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の動画撮影装置であって、前記読み出し手段が前記フレームデータからサンプリングデータとして読み出す位置を必要に応じてフレーム毎に変更することを特徴とする。
この発明によれば、読み出し手段がフレームデータからサンプリングデータを読み出す位置をフレーム毎に変更することにより、改竄防止データ作成に用いられるサンプリングデータの位置を解明することがより困難となる。したがって、改竄防止データが突き止められ、データが改竄される恐れが、フレーム毎にサンプリングデータとして読み出し位置を変更しない場合より少なくなる。
請求項1に係る発明によれば、多線出力を有する撮像素子を用いることにより、撮影したフレームデータの出力と並行して、改竄検知用データが作成されるので、動画撮影装置のように改竄検知用データの処理時間が問題となる用途にも支障なく改竄検知用データを作成することができる効果がある。また、高速で高コストのCPUを用いることなく、改竄検知用データをフレームデータに埋め込むことができるので、装置全体としてのコストダウンを図ることができる効果がある。
請求項2に係る発明によれば、改竄検知用データの中にさらに画像作成者を識別する画像作成者識別情報を埋め込むので、データのセキュリティを画像を作成した個人別に確保することができる効果がある。
請求項3または請求項4に係る発明によれば、読み出し手段がフレームデータからサンプリングデータを読み出す位置をその都度変更することにより、該サンプリングデータの読み出し位置を検出することを困難とし、フレームデータに埋め込まれた改竄防止データを解読できないようにすることにより、データのセキュリティをより高めることができる効果がある。
以下、図面を参照し、この発明の第1の実施形態について説明する。
図1は本実施形態における動画撮影装置の構成を示すブロック図である。この図において、動画撮影装置は、レンズ1と、TG(Timing Generator)2と、水平走査回路3a、3bおよびセンサ4からなる撮像素子41と、A/D(Analog/Digital)コンバータ5(出力手段)と、信号処理部6(出力手段)と、画像メモリ7と、A/Dコンバータ8(読み出し手段)と、信号処理部9(読み出し手段)と、MD(Message Digest)作成部10(改竄検知用データ作成手段)と、MAC(Message Authentication Code:メッセージ認証子)作成部11(改竄検知用データ作成手段)と、秘密キーメモリ12(暗号化キー記録手段)と、メモリ13と、記録装置14とから構成される。
秘密キーメモリ12は、後述する公開キーとペアをなし、暗号化/復号化処理を行う際に必要となる秘密キーを記憶する。記録装置14は、例えば、ハードディスクによって構成され、後述する画像ファイルを記録する。
レンズ1は入射した被写体像を撮像素子41に結像する。撮像素子41は多線同時読み出し機能を有しており、結像された画像を内部のセンサ4によって撮像し、水平走査回路3aおよび水平走査回路3bは、TG2によって生成されたタイミング信号に同期して、撮像された画像データを同時に読み込み、通常の動画像データであるフレームデータと改竄検知用に用いられるMD作成用のデータとをそれぞれ、並行して同時に出力する。A/D(Analog/Digital)コンバータ5は、水平走査回路3aから出力されたフレームデータをA/D変換し、信号処理部6に出力する。信号処理部6は入力したディジタル信号に予め定められた信号処理を施し、画像メモリ7に出力する。
一方、A/Dコンバータ8は、水平走査回路3bから出力されたMD作成用のデータをA/D変換し、信号処理部9に出力する。信号処理部9は入力したディジタル信号に予め定められた信号処理を施し、MD作成部10に出力する。MD作成部10は入力したデータにハッシュ関数等の予め定められた関数を適用し、MDを作成し、MAC作成部11に出力する。尚、あるディジタルデータからMDを作成する方法は公知のものであり、ハッシュ関数は元のディジタルデータが少しでも異なると、値が大きく変化するという性質を持っている。
MAC作成部11は、秘密キーメモリ12から前述した秘密キーを読み出し、該秘密キーを用いてMDを暗号化し、前述したMAC(改竄検知用データ)を作成し、メモリ13に格納する。メモリ13に格納されたMACは、画像メモリ7に格納されたフレームデータに埋め込まれる。
尚、フレームデータは30コマ/秒あるいは60コマ/秒といった高速なレートにて作成されるため、画像メモリ7のデータはオーバーフローしないように、記録装置14に順次書き込まれる。記録装置14は、図2に示すようなメモリマップを有しており、各フレームデータの前にMACが追加され、画像データ全体の先頭に画像ヘッダ情報が付け加えられた構造をなしている。
以上のように構成された動画撮影装置において、TG2によって、水平走査回路3aを撮像エリアの画素を走査してフレームデータを取り出すのと並行して、水平走査回路3bによって、MD作成用データを取り出される。これにより、フレームデータを、A/Dコンバータ5、信号処理部6を用いた処理によって画像メモリ7に書き込む処理と並行して、サンプリングされたMD作成データから、A/Dコンバータ8、信号処理部9、MD作成部10、MAC作成部11、秘密キーメモリ12を用いた処理によってMACが作成されて、メモリ13に格納され、該MACが画像メモリ7に格納されたフレームデータに埋め込まれる。該フレームデータは、上述したように、記録装置14に記録される。
そして、上記のような画像ファイルが記録装置14から、取外し可能な記録媒体30に記憶された後に改竄されたか否かを検知するために、改竄検知装置300が用いられる。改竄検知装置300は、図3に示すように、復号化部31と、MD作成部32と、公開キーメモリ33と、比較一致判定部34とから構成される。
改竄検査装置300に装着された記録媒体30に記憶されている画像ファイルから、各フレームデータと、MACと、画像ヘッダ情報とに分離され、MACは復号化部31に入力され、画像データはMD作成部32に入力される。 尚、この画像データには、画像データそのものの他に、画像データのフォーマットを示す情報としてJPEGやTIFF(登録商標)等のヘッダ情報を含めてもよい。
復号化部31は公開キーメモリ33に予め記憶されている公開キーを用いてMACを復号化することによりMD1を生成する。この公開キーと前述した秘密キーとは、暗号化/復号化処理においてペアとなるキーである。一方、MD作成部32は入力された画像データからハッシュ関数等の予め定められた関数を用いてMD2を生成する。比較一致判定部34は、MD1とMD2とを比較して両者が一致しなかった場合、画像ファイルが第三者により改竄されたと判定する。
次に、本実施形態における撮像素子41の詳細について説明する。本実施形態における撮像素子41においては、撮像素子41内のセンサ4の走査等の手順に工夫をして、フレームデータ領域からサンプリングデータとして読み出す位置を変更することにより、セキュリティの向上を図っている。
本実施形態における撮像素子41は、図4のようなX−Yアドレス型の固体撮像素子であり、マトリクス状に配備された画素P11〜P88からなるセンサ4と、画素P11〜P88が発生する光電変換信号の読出しを制御する垂直走査回路1〜4と、読み出された光電変換信号を順次後段へと送出するための水平走査回路1〜4と、水平走査回路1〜4を制御する画素選択手段PSと、垂直走査回路1〜4の走査を制御する垂直走査制御回路VSとから構成される。尚、水平走査回路1〜4は、適宜、撮像素子41における水平走査回路3aまたは3bの機能をなすように選択される。
各画素には、垂直走査回路1〜4からの垂直選択線V11〜V81,V12〜V82と、水平走査回路へ信号を読み出すための垂直信号線H1〜H8が接続される。各画素における垂直選択線は、特定の垂直走査回路によって制御されるように接続される一方、垂直信号線は列毎の画素間にて共有され、全ての水平走査回路へと接続される。また、画素選択手段と水平走査回路1〜4はそれぞれ、信号線PS1、PS2、PS3、PS4によって接続される。
垂直および水平方向に2×2の隣接する画素単位によって画素群が形成され、画素群を形成する4つの画素はそれぞれ異なる垂直走査回路によって光電変換信号の読出しが制御されるように垂直選択線が接続され、図5に示す、読出しシーケンスによって光電変換信号が読み出される。尚、図5における垂直選択線の記号は、図4においてそれぞれ垂直選択パルス名として示してある。
垂直走査回路1〜4は画素P11〜P88にて発生する光電変換信号の読み出しの制御を行なう。垂直走査制御回路から、図示しないスタート・パルスが送られると、垂直走査回路1はV11, 垂直走査回路2はV21、垂直走査回路3はタイミングを少し遅らせた状態にて V31、垂直走査回路4は同じくタイミングを少し遅らせた状態にてV41をハイレベルにする。1ラインの水平読み出し期間を過ぎると、垂直走査制御回路よりさらにパルスが送られ、垂直走査回路1〜4は下位画素群を選択できるように、それぞれV12、V22、V32、V42の垂直選択パルスをハイレベルにする。以降、最下画素群に到達するまでこの処理を繰り返す。
水平ブランキング期間中に垂直選択パルス(V11〜V82)がハイレベルになると、各画素内の光電変換信号を垂直信号線H1〜H8へと送出する為、図示しないスイッチを導通させる。これにより、各画素の光電変換信号は、予め定められた各水平走査回路へと送出され、水平走査回路内のコンデンサ等に信号が一旦蓄積される。その後、この蓄積された光電変換信号は、水平有効信号期間内に画素選択手段により指示されたタイミングによって読み出される。
画素選択手段は、水平走査回路1において、図5に示すように、順次、垂直信号線H1、H3、H5、H7を選択するようにハイレベルのパルスを送ることにより、水平走査回路1内に蓄積された画素P11、P13、P15、P17の光電変換信号が順次出力1に読み出される。画素選択手段は、水平走査回路3においても同様に、垂直信号線H1、H3、H5、H7を選択するようにハイレベルのパルスを送り、水平走査回路3内の画素P21、P23、P25、P27の光電変換信号が出力3として、順次、読み出される。同様に、水平走査回路2、4においては、垂直信号線H2、H4、H6、H8を選択できるようにハイレベルのパルスを送信し、図5に示すように、出力2、4の出力信号を獲得する。
次に、各画素の読み出しについて説明する。
例えば、図4における画素群Aの画素のうち、画素P11は垂直走査回路1からの垂直選択パルスV11によって制御され、画素内において蓄積された光電変換信号は、垂直信号線H1を経て水平走査回路1へと送出され、水平有効期間に光電変換信号P11−n(n≧1の整数:フレーム番号を示す)として出力1から読み出される。同様に、画素P12は垂直走査回路2からの垂直選択パルスV21によって制御され、垂直信号線H2を経て水平走査回路2へと送出され、水平有効期間に光電変換信号P12−n(n≧1の整数:フレーム番号を示す)として出力2から読み出される。画素P21は垂直走査回路3からの垂直選択パルスV31によって制御され、垂直信号線H1を経て水平走査回路3へと送出され、水平有効期間に光電変換信号P21−n(n≧1の整数:フレーム番号を示す)として出力3から読み出される。画素P22は垂直走査回路4からの垂直選択パルスV41によって制御され、各画素内で蓄積された光電変換信号は、垂直信号線H2を経て水平走査回路4へと送出され、水平有効期間に光電変換信号P22−n(n≧1の整数:フレーム番号を示す)として出力4から読み出される。
また、画素群Aと同様に、画素P13、P14、P23、P24は画素群Bを構成し、画素P15、P16、P25、P26は画素群Cを構成し、画素P17、P18、P27、P28は画素群Dを構成している。
尚、ここで、水平走査回路1〜4は上述した画素群A〜Dの各画素を含め、全ての画素P11〜P88に接続している。また、各水平走査回路は水平読み出し期間に該当画素から読み出された光電変換信号を読み込み、画素選択手段からのパルスによって該当する画素を選択し、出力するようになっている。すなわち、前述した画素選択手段からの画素選択パルスにより、図5に示した1ライン分の出力1〜4の出力信号を得ることができる。ここでは出力1は光電変換信号P11-1、P13-1、P15-1、P17-1で、出力2は光電変換信号P12-1、P14-1、P16-1、P18-1で、出力3は光電変換信号P21-1、P23-1、P25-1、P27-1で、出力4は光電変換信号P22-1、P24-1、P26-1、P28-1となる。
そして、1ラインの水平読み出しが終了すると、垂直走査制御回路により画素群をシフトする為のパルスが垂直走査回路1〜4に送られ、その結果、画素群EのP31、P32、P41、P42が水平読み出し期間の次のラインの先頭画素群として選択される。このラインにおいては、出力1は光電変換信号P31-1、P33-1、P35-1、P37-1で、出力2は光電変換信号P32-1、P34-1、P36-1、P38-1で、出力3は光電変換信号P41-1、P43-1、P45-1、P47-1で、出力4は光電変換信号P42-1、P44-1、P46-1、P48-1となる。
これ以降、同様の処理が繰り返され、図5に示した出力1〜4の垂直読み出し期間(1フレーム)の出力信号が得られる。ここでは1フレーム(8×8)の画素を読み出すのに4ライン分の時間において読み出しを行っている。
尚、画素からの光電変換信号を垂直信号線へ送出する際、例えば、画素P11とP21とを同一水平ブランキング期間中に読み出す際には、図5のA部で示すように、水平ブランキング期間中に水平制御パルスV11、31の読出しタイミングをずらして、垂直信号線へと光電変換信号を送出すれば、異なる画素からの光電変換信号が同時に垂直信号線内を伝達し、信号がぶつかるような不具合を発生することがなくなる。ここで、異なる水平走査回路に対して同タイミングで光電変換信号を送出するために、垂直信号線を複数本備えてもよいことは言うまでもない。
ここで、出力1〜4が得られるが、全て(4つ)の信号出力により、全画素領域が読み込まれることになる。ここで、出力1〜4のそれぞれを小フレーム画像と呼ぶことにするが、例えば、出力1だけを出力すれば、全画素信号から1つおきに間引いた間引き映像となる。すなわち、この間引き映像は、縦横を同じ割合にて間引いた1/4サイズの画像となっている。
次に、上記による出力信号を利用する方法について説明する。
図6は本実施形態における動画撮影装置の映像出力信号の系統を示す図である。この図において、映像出力信号の系統は、レンズ1と、撮像素子41と、信号処理部6、9と、MD作成部10およびMAC作成部11ならびに秘密キーメモリ12からなるセキュリティ処理部と、出力信号変換部51とから構成される。
この動画撮影装置において、図6に示すように映像出力信号は、出力1〜4全てを用いる。出力1〜4は信号処理部6、9において、γ特性、ゲイン調整等の処理が施された後、映像出力変換部51において1フレーム単位でバッファリングされる。映像出力変換部51は、映像出力信号を出力する。この時、例えば、出力1〜4の信号の内どれかの信号を用いてセキュリティ用のサンプルデータとして利用することができる。
このとき、出力1では、画素P11、P13、P15、P17・・・の値、出力2では、画素P12、P14、P16、P18・・・の値、出力3では、画素P21、P23、P25、P27・・・の値、出力4では、画素P22、P23、P25、P27・・・の値が出力される。
本実施形態によれば、動画像ファイルを記録装置14に書き込む処理と同時に並行して、改竄検知用データであるMDデータおよびMACを生成、付与してフレームデータに付加して記録装置14に書き込むことができる。したがって、高いクロック周波数のCPUを用いることなく、動画像のフレーム毎のセキュリティ機能の実現を可能にすることができる。
従来、ハイビジョン撮影、あるいはそれ以上の超高精細動画像の撮影においては、処理時間の問題より、フレームデータにおいて、改竄検知用データ、あるいは、電子署名の生成、付与が困難であったため、本発明は有効である。
また、本実施形態によれば、選択する信号の選び方によって、サンプルデータとしての、読み出す位置を変更することができる。これにより、セキュリティに関わるデータの解読を困難にし、セキュリティのレベルを向上させることができる。
また、本実施形態によれば、セキュリティ用のサンプルデータは撮像素子41からフレームデータと同時に出力されているので、高速に処理できる。すなわち、セキュリティ用の演算処理をいち早く開始することができるとともに、一旦メモリに格納されたフレームデータより、サンプルデータを選択し読み込む処理を省くことができるので、処理時間を短縮することに繋げることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態による動画撮影装置の構成(図7)は図1と類似しているが、MAC作成部25が秘密キーメモリ27から秘密キーを読み出すと共に、著作者IDメモリ26から、例えば、該動画の撮影者を特定する著作者IDを読み出して、MACを作成してメモリ28に格納し、該MACを、A/Dコンバータ19および信号処理部20によって処理されて画像メモリ21に書き込まれたフレームデータに埋め込むところが異なる。
以下、図に従ってこの実施形態における回路の構成を説明する。
図7において、動画撮影装置は、レンズ15と、TG16と、水平走査回路17a、17bおよびセンサ18からなる撮像素子42と、A/Dコンバータ19(出力手段)と、信号処理部20(出力手段)と、画像メモリ21と、A/Dコンバータ22(読み出し手段)と、信号処理部23(読み出し手段)と、MD作成部24(改竄検知用データ作成手段)と、MAC作成部25(改竄検知用データ作成手段)と、著作者IDメモリ26(画像作成者識別情報記憶手段)と、秘密キーメモリ27(暗号化キー記録手段)と、メモリ28と、記録装置29とから構成される。尚、レンズ15、TG16、撮像素子41、水平走査回路17a、17b、センサ18、A/Dコンバータ19、22、信号処理部20、23、画像メモリ21、MD作成部24、MAC作成部25、秘密キーメモリ27、メモリ28、記録装置29は、それぞれ、第1の実施形態における動画撮影装置のレンズ1、TG2、撮像素子42、水平走査回路3a、3b、センサ4、A/Dコンバータ5、8、信号処理部6、9、画像メモリ7、MD作成部10、MAC作成部11、秘密キーメモリ12、メモリ13、記録装置14に対応する。
次に、本実施形態における動画撮影装置の動作を説明する。
本実施形態における動画撮影装置の動作は、第1の実施形態における動画撮影装置の動作と類似しているので、主に、相違点に着目して動作を説明する。
先ず、撮像素子42内において、センサ18から水平走査回路17aによって取り出されたフレームデータは、第1の実施形態と同様に、A/Dコンバータ19および信号処理部20によって、予め定められた処理がなされた後、画像メモリ21に格納される。
一方、センサ18から水平走査回路17bによって取り出されたMD作成用データも、第1の実施形態と同様に、A/Dコンバータ22および信号処理部23ならびにMD作成部24によってMDが作成される。MAC作成部25において、作成されたMDをそのまま用いてMACを作成してもよいが、本実施形態においては、動画撮影装置が複数の人によって使用されることを想定し、秘密キーメモリ27に記憶されている秘密キーに加えて、図8に示すように、著作者IDメモリ26に記憶されている著作者IDをも付加してMACを作成する。尚、上述した著作者IDは、例えば、パスワードの入力をユーザに求め、該パスワードから導き出される。
そして、作成されたMACは、メモリ28に格納される。メモリ28に格納されたMACは、画像メモリ21に格納されたフレームデータに埋め込まれる。MACを画像メモリ21に格納されたフレームデータに埋め込む方法として、例えば、図9に示すように、MACデータの各ビットから1ビットづつ取り出し、画像メモリ21内の飛び飛びの位置にある画素データのLSB(Least Significant Bit)に格納する方法が採られている。このとき、画素データのLSBにMACデータの各ビットを格納しているので、該ビットのデータが“0”であるか、“1”であるかによる画素データへの影響は殆どなく、目で見ても、MAC(電子署名)の各ビットが画素データに埋め込まれたことを判別することはできない。尚、MACの各ビットを格納する画素データの選び方として、一定間隔にある画素を取り出したり、画面の端に近い箇所から重点的に選び出す方法がある。
そして、第1の実施形態と同様に、MACが埋め込まれたフレームデータは30コマ/秒あるいは60コマ/秒といった高速なレートにて作成されるため、画像メモリ21のデータはオーバーフローしないように、記録装置29に順次書き込まれる。記録装置29は、図2に示すようなメモリマップを有しており、各フレームデータの前にMACが追加され、画像データ全体の先頭に画像ヘッダ情報が付け加えられた構造をなしている。
そして、上記のような画像ファイルが記録装置29から、取外し可能な記録媒体30に記憶された後に改竄されたか否かを検知するために、改竄検知装置300が用いられる。尚、改竄検知装置300は、第1の実施形態における改竄検知装置300と比して、構成は類似しているが、動作が一部異なる。
改竄検査装置300に装着された記録媒体30に記憶されている画像ファイルから、各フレームデータと、画像ヘッダ情報とが取り出され、各フレームデータのLSBからMACが復元されて復号化部31に入力される。また、フレームデータはMD作成部32にも同時に入力される。
復号化部31は公開キーメモリ33に予め記憶されている公開キーを用いてMACを復号化することによりMD1を生成する。この公開キーと前述した秘密キーとは、暗号化/復号化処理においてペアとなるキーである。一方、MD作成部32は入力された画像データからハッシュ関数等の予め定められた関数を用いてMD2を生成する。比較一致判定部34は、MD1とMD2とを比較して両者が一致しなかった場合、画像ファイルが第三者により改竄されたと判定する。尚、図8に示すように、MDと著作者IDとからMACを作成した場合、該MACを復号化すると、MDと著作者IDとが生成されるので、該著作者IDによって電子署名を確認することができる。
尚、本実施形態における動画撮影装置の映像出力信号の系統内の構成要素は、第1の実施形態における動画撮影装置の映像出力信号の系統内の構成要素に比して、以下の点が異なる。すなわち、第1の実施形態においては、MD作成部10およびMAC作成部11ならびに秘密キーメモリ12によってセキュリティ処理部が構成されるのに対し、MD作成部24、MAC作成部25、著作者IDメモリ26および秘密キーメモリ27によってセキュリティ処理部が構成される。
本実施形態によれば、画像作成者を特定する著作者IDを加えてMACを作成するので、撮影装置が複数の人によって使用される場合にもセキュリティを確保することができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態による動画撮影装置の構成は、第1実施形態および第2の実施形態による動画撮影装置の動作をより具体的にしたものとなる。図10に示す動画撮影装置の映像出力信号の系統は、図6に示す動画撮影装置の映像出力信号の系統にセキュリティデータ選択部52およびスイッチ回路53を追加した構成になっている。
以下、図に従ってこの実施形態について説明する。
セキュリティデータ選択部52においては、例えば乱数を発生させ、その乱数値により、垂直ブランキングの期間中に以下のように、出力信号の選択を行い、スイッチ回路53制御し、信号処理部6、9もしくは20、23に出力する。
出力信号=1 (0 <= 乱数値 <0.25)
出力信号=2 (0.25 <= 乱数値 <0.5)
出力信号=3 (0.5 <= 乱数値 <0.75)
出力信号=4 (0.75 <= 乱数値 <1)
ここで、乱数は0以上1以下である。
例えば、出力信号が1の場合、出力1のスイッチをオンにし、出力2,3,4をオフにする。この時、出力信号1のみがセキュリティ処理部にて処理される。出力信号が2の場合、出力2のスイッチをオンにし、出力1,3,4をオフにする。この時、出力信号2のみがセキュリティ処理部にて処理される。出力信号が3の場合、出力3のスイッチをオンにし、出力1,2,4をオフにする。この時、出力信号3のみがセキュリティ処理部にて処理される。出力信号が4の場合、出力4のスイッチをオンにし、出力1,2,3をオフにする。この時、出力信号4のみがセキュリティ処理部にて処理される。
以上のようにすることにより、本実施形態においては、フレーム毎にサンプリングデータとしての出力信号が切り替わり、その結果読み出す位置を変化させる事ができる。これにより、セキュリティに関わるデータの解読を困難にし、セキュリティのレベルをさらに向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での設計変更も含まれる。
本発明の第1、3の実施形態における動画撮影装置の構成を示すブロック図である。 本発明の各実施形態における記録装置14のメモリマップを示す図である。 同実施形態における改竄検知装置300の構成を示すブロック図である。 同実施形態における撮像素子41または42の構成を示すブロック図である。 同実施形態における撮像素子41または42の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第1〜2の実施形態における動画撮影装置の映像出力信号の系統を示す図である。 本発明の第2〜3の実施形態における動画撮影装置の構成を示すブロック図である。 同実施形態においてMD(Message Digest)と著作者IDとからMAC(Message Authentication Code:メッセージ認証子)を作成する概念を示す図である。 同実施形態においてMACを画像メモリ21に格納する概念を示す図である。 本発明の第3の実施形態における動画撮影装置の映像出力信号の系統を示す図である。
符号の説明
1、15・・・レンズ、2、16・・・TG(Timing Generator)、3a、3b、17a、17b・・・水平走査回路、4、18・・・センサ、5、19・・・A/D(Analog/Digital)コンバータ(出力手段)、6、20・・・信号処理部(出力手段)、7、21・・・画像メモリ(出力手段)、8、22・・・A/Dコンバータ(読み出し手段)、9、23・・・信号処理部(読み出し手段)、10、24・・・MD(Message Digest)作成部(改竄検知用データ作成手段)、11、25・・・MAC(Message Authentication Code:メッセージ認証子)作成部(改竄検知用データ作成手段)、12、27・・・秘密キーメモリ(暗号化キー記録手段)、13、28・・・メモリ、14、29・・・記録装置、26・・・著作者IDメモリ(画像作成者識別情報記憶手段)、30・・・記録媒体、31・・・復号化部、32・・・MD作成部、33・・・公開キーメモリ、34・・・比較一致判定部、41、42・・・撮像素子、51・・・出力信号変換部、52・・・セキュリティデータ選択部、53・・・スイッチ回路、300・・・改竄検知装置

Claims (4)

  1. 多線出力を有する撮像素子と、
    前記撮像素子から被写体を撮影したフレームデータを出力する出力手段と、
    前記フレームデータの一部をサンプリングデータとして前記撮像素子から同時に読み出す読み出し手段と、
    暗号化キーを記録しておく暗号化キー記録手段と、
    前記読み出し手段により読み出されたサンプリングデータから、前記暗号化キーを用いて、改竄検知用データを作成する改竄検知用データ作成手段と、
    を設けたことを特徴とする動画撮像装置。
  2. 画像作成者を識別する画像作成者識別情報を記憶する画像作成者識別情報記憶手段と、
    前記画像作成者識別情報記憶手段に基づいて、前記フレームデータに前記改竄検知用データと前記画像作成者識別情報とを埋め込む画像データ処理手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の動画撮像装置。
  3. 前記読み出し手段が前記フレームデータからサンプリングデータとして読み出す位置を必要に応じて変更することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかの項に記載の動画撮影装置。
  4. 前記読み出し手段が前記フレームデータからサンプリングデータとして読み出す位置を必要に応じてフレーム毎に変更することを特徴とする請求項3に記載の動画撮影装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022102508A1 (ja) * 2020-11-12 2022-05-19 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 撮像素子、撮像方法、撮像装置および画像処理システム

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