JP2006145231A - 表面形状測定方法及び表面形状測定装置 - Google Patents

表面形状測定方法及び表面形状測定装置 Download PDF

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JP2006145231A JP2004331863A JP2004331863A JP2006145231A JP 2006145231 A JP2006145231 A JP 2006145231A JP 2004331863 A JP2004331863 A JP 2004331863A JP 2004331863 A JP2004331863 A JP 2004331863A JP 2006145231 A JP2006145231 A JP 2006145231A
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Abstract

【課題】 反射像が歪んで見える反射歪みを定量的に測定することのできる表面形状測定方法及び表面形状測定装置を提供する。また、測定対象物の表面形状を短時間で精度良く測定することのできる表面形状測定方法及び表面形状測定装置を提供する。
【解決手段】 縞パターンを被測定面2A上全体に照射しガラス2の被測定面2Aで反射された変形縞パターンをCCDカメラ9で撮像しCCDカメラ9の各画素の視線が到達する格子グリッド4A上の各点を特定した。同様に基準ガラスの被測定面で反射された基準縞パターンをCCDカメラ9で撮像しCCDカメラ9の各画素の視線が到達する格子グリッド4A上の各点を特定した。ガラス2の被測定面2Aにて反射されるCCDカメラ9の各画素の視線と、基準ガラスの被測定面にて反射されるCCDカメラ9の各画素の視線とから各点の偏倚量を算出し、それに基づいてレンズパワーを算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表面形状測定方法及び表面形状測定装置に関するものである。
従来より、たとえば、自動車に搭載される反射表面を備えた各種ガラスの表面形状を測定する表面形状測定装置がある(例えば、特許文献1参照)。
この表面形状測定装置は、ガラスの表面上の任意の1点の座標位置を入力する位置入力手段を備え、この位置入力手段により入力された位置を出発点として幾何学的に測定対象物の表面形状を解析手段により求めるものである。
特開平11−257930号公報
ところで、一部または全部が曲面となったガラスにおいて、その曲面部に凹凸がある場合、該曲面部での反射像は歪んで見える。この結果、自動車に搭載されるガラスであれば、外観上良くないばかりか、たとえば、運転者から車外にある物体を見た場合、物体の形状が不自然なものに視認されてしまう虞がある。このように反射像が歪んで見える反射歪みの原因は、ガラスを成形する型における曲面部を部分が歪んでいる場合や、ガラスの熱膨張係数によって曲面部が歪むこと等に起因する。
上記特許文献1に記載の表面形状測定装置は、ガラスの表面形状を測定するものであるが、ガラスの曲面部での反射像が歪んで見える反射歪みを測定することはできない。
一般に、ガラスの上記反射歪みの測定は、作業者の目視による検査、つまり感応検査によって行われていた。従って、検査者によるばらつきが生じるため、正確な評価を行うことができなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、反射像が歪んで見える反射歪みを定量的に測定することのできる表面形状測定方法及び表面形状測定装置を提供することにある。また、他の目的は、測定対象物の表面形状を短時間で精度良く測定することのできる表面形状測定方法及び表面形状測定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、鏡面反射する表面を有する測定対象物の表面形状を測定する表面形状測定方法において、輝度が正弦波状に変化する格子縞が形成された格子板を有し、前記格子縞の縞パターンを前記表面全体に照射する縞パターン照射手段と、2次元に配置された複数の画素を有するCCDカメラとを、前記表面全体で反射される前記縞パターンを前記複数の画素で撮像するように配置し、前記鏡面反射する表面が平坦である基準対象物を置いた状態で、前記基準対象物の前記表面を前記CCDカメラで撮像し、前記CCDカメラの各画素の視線が前記表面で反射されて到達する前記格子縞上の各位置を特定する第1段階と、前記基準対象物に代えて前記測定対象物を置いた状態で、前記測定対象物の前記表面を前記CCDカメラで撮像し、前記CCDカメラの各画素の視線が前記表面で反射されて到達する前記格子縞上の各位置を特定する第2段階と、前記基準対象物を置いた状態での前記各画素の視線の反射角度と、前記測定対象物を置いた状態での前記各画素の視線の反射角度との差分から、前記各画素の視線が到達する前記測定対象物の前記表面上の各点でのレンズパワーを求める第3段階と、前記表面上の各点での前記レンズパワーの変化率を算出する第4段階と、を含むことを要旨とする。
これによれば、基準対象物を置いた状態でのCCDカメラの各画素の視線の反射角度と、測定対象物を置いた状態でのCCDカメラの各画素の視線の反射角度との差分は、測定対象物の表面形状の曲率によって変化する。測定対象物の表面形状の曲率は、その位置でのレンズパワーを反映する。従って、各位置でのレンズパワーを算出することで測定対象物の表面形状を求めることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の三次元形状測定方法において、前記第4段階で算出した前記表面上の前記各点でのレンズパワーの変化率を予め設定された許容変化率と比較する第5段階を、を含むことを要旨とする。
これによれば、測定対象物の表面上の各位置でのレンズパワーの変化率を算出することで、その曲面部の曲率の歪み度合いが分かる。そして、レンズパワーの変化率と、許容変化率とを比較し、その変化率が許容変化率以内であれば、曲面部の歪み度合いは小さく、曲面部は滑らかであると判断される。また、差分の変化率が許容変化率以上であれば、曲面部の歪み度合いは大きく、曲面部は滑らかでないと判断される。従って、測定対象物の表面形状の反射歪みを定量的に評価することができる。この結果、測定対象物の表面形状の反射歪みを、検査者による感応検査によるものではなく、正確に評価することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の三次元形状測定方法において、前記第3段階で、前記各画素の視線が到達する前記表面上の各点でのレンズパワーを求める際に、前記表面上の前記各点から微小幅の微小表面を考え、該各微小表面のレンズ作用の焦点距離の逆数であるレンズパワーを、前記各画素の視線に対する前記差分から求めることを要旨とする。
これによれば、基準対象物を置いた状態でのCCDカメラの各画素の視線の反射角度と、測定対象物を置いた状態でのCCDカメラの各画素の視線の反射角度との差分、即ち、前記各画素の視線に対する前記差分から、各画素の視線が測定対象物の表面に到達する前記表面上の各点でのレンズパワーを求めるということは、次のことを意味する。つまり、前記表面上の各点から微小幅の微小表面を考えた場合、その微小表面の湾曲に応じたレンズ作用により、前記差分の角度だけ屈折(反射)が生じたことになる。このため、前記差分の角度だけ屈折を生じさせるその微小表面のレンズ作用の焦点距離の逆数、つまり、各点から微小幅の各微小表面でのレンズパワーを、前記差分から求めることになる。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の少なくともいずれか1つに記載の表面形状測定方法において、前記第1段階では、前記格子縞の縞パターンを前記基準対象物の表面全体に照射し、前記表面で反射されその表面形状に応じて前記縞パターンが変化した基準縞パターンを前記CCDカメラで撮像し、前記CCDカメラの各画素における前記基準縞パターンの輝度値から前記各画素における前記正弦波の位相値を求め、前記各画素の位相値に基づき、前記各画素の視線が到達する前記格子縞上の各位置を求め、前記第2段階では、前記格子縞の縞パターンを前記測定対象物の各表面全体に照射し、前記表面で反射されその表面形状に応じて前記縞パターンが変化した変形縞パターンを前記CCDカメラで撮像し、前記CCDカメラの各画素における前記変形縞パターンの輝度値から前記各画素における前記正弦波の位相値を求め、前記各画素の位相値に基づき、前記各画素の視線が到達する前記格子縞上の各位置を求めることを要旨とする。
これによれば、基準対象物及び測定対象物において、位相シフト法またはリサージュ法を用いることで、その表面のCCDカメラの各画素に対する各位置が特定される。この結果、測定対象物の表面の位置が正確に求まるので、表面の反射歪みを精度良く測定することができる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の表面形状測定方法において、前記第1段階では、さらに、前記格子縞を縦方向に配置した状態で、前記格子縞の位相を横方向に同ピッチずつずらして少なくとも3枚の縦の基準縞パターンを前記CCDカメラにより撮像し、該3枚の縦の基準縞パターンを使って位相シフト法を行う縦縞の位相シフトと、前記格子縞を横方向に配置した状態で、前記格子縞の位相を縦方向に同ピッチずつずらして少なくとも3枚の横の基準縞パターンを前記CCDカメラにより撮像し、該3枚の横の基準縞パターンを使って位相シフト法を行う横縞の位相シフトと、を行い、前記第2段階では、さらに、前記格子縞を縦方向に配置した状態で、前記格子縞の位相を横方向に同ピッチずつずらして少なくとも3枚の縦の変形縞パターンを前記CCDカメラにより撮像し、該3枚の縦の変形縞パターンを使って位相シフト法を行う縦縞の位相シフトと、前記格子縞を横方向に配置した状態で、前記格子縞の位相を縦方向に同ピッチずつずらして少なくとも3枚の横の変形縞パターンを前記CCDカメラにより撮像し、該3枚の横の変形縞パターンを使って位相シフト法を行う横縞の位相シフトと、を行うことを要旨とする。
これによれば、位相シフト法により各格子間の位置を正確に求められるので、表面の反射歪みをさらに精度良く測定することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の表面形状測定方法において、前記基準対象物を置いた状態での前記視線の反射角度と、前記測定対象物を置いた状態での前記各画素の視線の反射角度との差分を前記測定対象物上の前記表面上の全面に渡って積分する第6段階と、を行うことを要旨とする。
これによれば、測定対象物の表面形状が変化すれば、その表面上での反射角度が変化する。そして、測定対象物の表面形状が大きく変化すると、基準対象物を置いた状態でのCCDカメラの視線の反射角度と、測定対象物を置いた状態でのCCDカメラの視線の反射角度との差分は大きくなる。一方、測定対象物の表面形状が小さく変化すると、基準対象物を置いた状態でのCCDカメラの視線の反射角度と、測定対象物を置いた状態でのCCDカメラの視線の反射角度との差分は小さくなる。従って、測定対象物の表面上の各位置での反射角度を求め、それを前記測定対象物上の前記表面上の全面に渡って積分することで、測定対象物の表面形状を求めることができる。
請求項7に係る発明は、鏡面反射する表面を有する測定対象物の表面形状を測定する表面形状測定装置において、輝度が正弦波状に変化する格子縞が形成された格子板および光源を有し、該光源の点灯により前記格子縞の縞パターンを前記表面全体に照射する縞パターン照射手段と、2次元に配置された複数の画素を有し、前記表面全体で反射される前記縞パターンを撮像するCCDカメラと、前記鏡面反射する表面が平坦である基準対象物を置いた状態で、前記基準対象物の前記表面を前記CCDカメラで撮像し、前記CCDカメラの各画素の視線が到達する前記格子縞上の各位置を特定し、前記基準対象物に代えて前記測定対象物を置いた状態で、前記測定対象物の前記表面を前記CCDカメラで撮像し、前記CCDカメラの各画素の視線が到達する前記格子縞上の各位置を特定し、前記基準対象物を置いた状態での前記視線の反射角度と、前記測定対象物を置いた状態での前記各画素の視線の反射角度との差分から、隣接する2つの画素の視線がそれぞれ前記測定対象物上の前記表面で反射する2点間の部分でのレンズパワーを求め、前記レンズパワーの変化率を算出し、前記レンズパワーの変化率を予め設定された許容変化率と比較する演算処理手段と、を備えたことを要旨とする。
これによれば、基準対象物を置いた状態でのCCDカメラの各画素の視線の反射角度と、測定対象物を置いた状態でのCCDカメラの各画素の視線の反射角度との差分は、測定対象物の表面形状の曲率によって変化する。測定対象物の表面形状の曲率は、その位置でのレンズパワーを反映する。従って、各位置でのレンズパワーを算出することで測定対象
物の表面形状を求めることができる。また、測定対象物の表面上の各位置でのレンズパワーの変化率を算出することで、その曲面部の曲率の歪み度合いが分かる。
そして、レンズパワーの変化率と、許容変化率とを比較し、その変化率が許容変化率以内であれば、曲面部の歪み度合いは小さく、曲面部は滑らかであると判断される。また、差分の変化率が許容変化率以上であれば、曲面部の歪み度合いは大きく、曲面部は滑らかでないと判断される。このようにすることで、測定対象物の表面形状の反射歪みを定量的に評価することができる表面形状測定装置を実現することができる。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の表面形状測定装置において、前記各画素の視線に対する前記差分を前記測定対象物上の前記表面上の全面に渡って積分する演算処理手段を備えたことを要旨とする。
これによれば、測定対象物の表面形状が変化すれば、その表面上での反射角度が変化する。そして、測定対象物の表面形状が大きく変化すると、基準対象物を置いた状態でのCCDカメラの視線の反射角度と、測定対象物を置いた状態でのCCDカメラの視線の反射角度との差分は大きくなる。一方、測定対象物の表面形状が小さく変化すると、基準対象物を置いた状態でのCCDカメラの視線の反射角度と、測定対象物を置いた状態でのCCDカメラの視線の反射角度との差分は小さくなる。従って、測定対象物の表面上の各位置での反射角度を求めることで、測定対象物の表面形状を求めることができる。
以上説明したように、本発明によれば、測定対象物の表面形状の歪み度合いを定量測定することができる。
以下、本発明の表面形状測定方法及び表面形状測定装置の一実施形態について説明する。尚、以下の説明では、測定対象物として、たとえば、板状のガラスである自動車のリヤガラスの反射歪みの測定方法について説明する。
(装置の構成)
図1は、表面形状測定装置1の全体構成を説明するための図である。図1に示すように、ガラス2は、鏡面反射する被測定面2Aを備え、その両側端2sに湾曲形状の曲面部を有するガラスである。ガラス2は、被測定面2AがY方向に向くように測定対象物支持体3によって支持固定されるようになっている。この測定対象物支持体3は、ガラス2に代えて鏡面反射する表面が平坦である、即ち、曲面部を有しない板状のガラス(以下、「基準ガラス」という)Gに取り付け代えることができるようになっている(図9参照)。
また、表面形状測定装置1は、図1に示すように、縞パターン照射手段としてのパターン照射ユニット20、格子縞特定十字レーザ出力装置8、CCDカメラ9及び演算処理手段としてのコンピュータ10を備えている。
パターン照射ユニット20は、格子グリッド4Aを備えた格子縞フィルム4がバックライト5を備えた支持体6に支持されている。そして、図2(a)に示すように、バックライト5の点灯により格子グリッド4Aの縞パターンをガラス2の表面上の全面としての被測定面2A上全面に照射するようになっている。また、パターン照射ユニット20は、ガラス2に代えて基準ガラスGを測定対象物支持体3に取り付けた場合では、図2(b)に示すように、バックライト5の点灯により格子グリッド4Aの縞パターンを基準ガラスGの表面上の全面としての被測定面GA上全面に照射するようになっている。
図1に示すように、CCDカメラ9は、その各画素の視線が測定対象物支持体3を向く
ようにして配置されている。そして、ガラス2を測定対象物支持体3に取り付けた場合では、同ガラス2の被測定面2A全体で反射される変形縞パターンを撮像する。また、CCDカメラ9は、ガラス2に代えて基準ガラスGを測定対象物支持体3に取り付けた場合では、基準ガラスGの被測定面GA上全面で反射される基本縞パターンを撮像する(図9参照)。尚、CCDカメラ9は、たとえば、2次元に配置された画素数(走査方向に1392ピクセル、副走査方向に1040ピクセル)を有するカメラである。
格子縞フィルム4は、後記する公知の位相シフト法を用いることによって、CCDカメラ9の各画素の視線がガラス2の被測定面2Aで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置(点)が、基準ガラスGの被測定面GAで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置(点)と比較してどのくらい偏倚したかを特定する際に使用されるものである。
詳しくは、図1に示すように、格子縞フィルム4は、縦方向(Z軸方向)に延設された複数の格子グリッド4Aが横方向(Y軸方向)に等ピッチに配列したものであって、そのグリッドピッチは、たとえば、32mmである。また、この格子縞フィルム4は、図示しない回転駆動機構に支持され、該回転駆動機構によりX軸周りにYZ平面内で90°回転させることで格子グリッド4Aの向きを横方向(Y軸方向)に切り換えて配列させることが可能となっている。そして、格子グリッド4Aの縞パターンは、格子グリッド4Aを縦方向(Z軸方向)に沿って配列した場合では、図3(a)に示すように、輝度の強度値が横方向(Y軸方向)に正弦波状に周期的に変化する縦縞状の縞パターン30である。また、その縞パターンは、格子縞フィルム4を回転させ格子グリッド4Aを横方向(Y軸方向)に沿って配列した場合では、図4に示すように、輝度の強度値が縦方向(Z軸方向)に正弦波状に周期的に変化する横縞状の縞パターン50である。
そして、基準ガラスGを測定対象物支持体3に取り付けた状態では、格子グリッド4Aを縦方向(Z軸方向)に延設されるように配列し、その様子をCCDカメラ9によって撮像する。そして、後記する位相シフト法を使用して格子グリッド4Aを横方向(Y軸方向)にπ/4ずつずらしながら各々CCDカメラ9にて撮像する。また、格子グリッド4Aを横方向(Y軸方向)に延設されるように配列し、その様子をCCDカメラ9によって撮
像する。そして、同様にして、格子グリッド4Aを縦方向(Z軸方向)にπ/4ずつずらしながら各々CCDカメラ9にて撮像する。そして、コンピュータ10によって、基準ガラスGの被測定面GAにて反射されるCCDカメラ9の各画素の視線が特定される。
また、ガラス2を測定対象物支持体3に取り付けた状態では、格子グリッド4Aを縦方向(Z軸方向)に延設されるように配列し、その様子をCCDカメラ9によって撮像する。そして、位相シフト法法を使用して格子グリッド4Aを横方向(Y軸方向)にπ/4ずつずらしながら各々CCDカメラ9にて撮像する。また、格子グリッド4Aを横方向(Y軸方向)に延設されるように配列し、その様子をCCDカメラ9によって撮像する。そして、同様にして、格子グリッド4Aを縦方向(Z軸方向)にπ/4ずつずらしながら各々CCDカメラ9にて撮像する。コンピュータ10によって、ガラス2の被測定面2Aにて反射されるCCDカメラ9の各画素の視線が特定される。
そして、基準ガラスGを測定対象物支持体3に取り付けた状態とガラス2を測定対象物支持体3に取り付けた状態とのそれぞれの各画素に対する視線を比較することで、ガラス2の被測定面2Aにて反射されるCCDカメラ9の各画素の視線が、基準ガラスGの被測定面GAにて反射された場合と比較してどのくらい偏倚したかが特定される。
格子縞特定十字レーザ出力装置8は、レーザ光LR2が支持体6に向かって出射される
ように配置されている。格子縞特定十字レーザ出力装置8は、CCDカメラ9から見て被
測定面2A上にて反射された変形縞パターンを構成する複数の縞のうちの特定の1本の縦縞が、元の縞パターン30のうちどの縞に相当するものなのかを特定するためのものである。つまり、ガラス2の被測定面2Aにて反射されるCCDカメラ9の各画素の視線と、基準ガラスGの被測定面GAにて反射されるCCDカメラ9の各画素の視線との偏倚を求める際、前記したように、格子グリッド4Aの縞パターンをガラス2の被測定面2A全体に照射する。このとき、たとえば、その被測定面2A上に反射された変形縞パターン40(図3(b)参照)の所定の1本の縦縞が、格子縞フィルム4を介して出射された元の縞パターン30のうちのどの格子グリッド4Aによる縞であるのかを特定することができない。このため、ガラス2上のCCDカメラ9の各画素の視線に対する格子グリッド4A上の位置を特定することができない。そこで、格子縞フィルム4上の格子グリッド4Aが縦方向(Z軸方向)に沿って配列された場合では、格子縞特定十字レーザ出力装置8から予めその位置が特定されている縦方向(Z軸方向)に沿った縦縞特定用のライン状(線状)のレーザ光LR2を出射する。そして、被測定面2A上に映り込んだレーザ光LR2の反射光SをCCDカメラ9により撮像する。このようにすることで、被測定面2A上に投影された変形縞パターン40の複数の縞のうちの特定の1本の縦縞が、元の縞パターン30のうちどの縞に相当するものなのかを特定することが可能となる。
また、格子グリッド4Aが横方向(Y軸方向)に沿って配列された場合では、格子縞特定十字レーザ出力装置8から予めその位置が特定されている横方向(Y軸方向)に沿った横縞特定用のライン状(線状)を成すレーザ光LR2を出射し、被測定面2A上に映り込
んだレーザ光LR2の反射光SをCCDカメラ9により撮像する。そして、被測定面2A
上に映り込んだレーザ光LR2の反射光SをCCDカメラ9により撮像する。このように
することで、測定対象物支持体3にガラス2を取り付けた場合では、被測定面2A上に投影された変形縞パターン40の複数の縞のうちの特定の1本の横縞が、元の縞パターン30のうちどの縞に相当するものなのかが特定される。
また、測定対象物支持体3に基準ガラスGを取り付けた場合では、前記と同様にすることで、被測定面GA上に投影された基準縞パターンの複数の縞のうちの特定の1本の横縞が、元の縞パターン30のうちどの縞に相当するものなのかを特定する。
コンピュータ10には、CCDカメラ9により撮像されたガラス2の被測定面2Aを反射してCCDカメラ9の各画素の視線が被測定面2Aで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置に関する位置データが入力され、その位置データを記憶されるようになっている。また、コンピュータ10には、CCDカメラ9により撮像された基準ガラスGの被測定面GAを反射してCCDカメラ9の各画素の視線が被測定面GAで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置に関する基準位置データが入力され、その基準位置データを記憶されるようになっている。
そして、コンピュータ10は、基準ガラスGを測定対象物支持体3に取り付けた状態での各画素の視線の反射角度R1と、ガラス2を測定対象物支持体3に取り付けた状態での
各画素の視線の反射角度R2との差分、即ち各画素の視線に対する差分(=R2−R1)か
ら各画素の視線が到達するガラス2の被測定面2A上の各点でのレンズパワーを算出する(図10参照)。
具体的には、前記差分(=R2−R1)は、基準ガラスGを測定対象物支持体3に取り付けた状態での各画素の視線が格子グリッド4A上に到達する各位置と、ガラス2を測定対象物支持体3に取り付けた状態での各画素の視線が格子グリッド4A上に到達する各位置との差に対応する。たとえば、図10においては、ガラス2上の位置Pi+1で反射した格
子グリッド4A上の点Ai+1と、基準ガラスG上の位置Pi+1で反射した格子グリッド4A上の点Ci+1との差である。
また、前記した基準ガラスGを測定対象物支持体3に取り付けた状態での各画素の視線が格子グリッド4A上に到達する各位置と、ガラス2を測定対象物支持体3に取り付けた状態での各画素の視線が格子グリッド4A上に到達する各位置との差は、その各視線がガラス2にて屈折した場合の位置の差に対応する。たとえば、図10においては、ガラス2上の位置Pi+1で屈折した格子グリッド4A上の点Bi+1と、基準ガラスG上の位置Pi+1
で屈折した格子グリッド4A上の点Di+1との偏倚量Mである。
そして、偏倚量Mは、その各画素の各視線が到達するガラス2の被測定面2A上の各位置でのレンズパワーに対応した値である。つまり、偏倚量Mは、ガラス2の被測定面2Aが大きく湾曲している場合、即ちその曲率が大きい場合、反射角度R1と反射角度R2との差分は大きくなる。この場合、偏倚量Mも大きくなる。一方、ガラス2の被測定面2Aが小さい場合、即ち、その曲率が小さい場合、反射角度R1と反射角度R2との差分は小さくなる。この場合、偏倚量Mも小さくなる。
そして、コンピュータ10は、前記基準位置データ及び位置データから各位置での偏倚量Mに基づいて、各位置でのレンズパワーを算出する。また、コンピュータ10は、求めた各点でのレンズパワーの変化率を算出する。レンズパワーの変化率は、被測定面2A上の隣接する2位置間の歪み度合いを反映した値である。そして、コンピュータ10は、さらに、算出されたレンズパワーの変化率を予め設定された許容変化率と比較する。そして、その結果をモニタ11に出力する。
(測定方法)
次に、上記のように構成された表面形状測定装置1を用いたガラス2の被測定面2A上の表面形状測定方法について説明する。この表面形状測定方法は、ガラス2全体の反射歪みを定量的に測定してガラス2の評価を行うためのものである。
この表面形状測定方法は、以下の段階を含む。
(1)基準ガラスGを測定対象物支持体3に取り付けた状態で、基準ガラスGの被測定面GAをCCDカメラ9で撮像し、CCDカメラ9の各画素の視線が被測定面GA上全面で反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置を特定する第1段階。
(2)基準ガラスGに代えてガラス2を測定対象物支持体3に取り付けた状態で、ガラス2の被測定面2AをCCDカメラ9で撮像し、CCDカメラ9の各画素の視線が前記表面上の全面で反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置を特定する第2段階。
(3)基準ガラスGを測定対象物支持体3に取り付けた状態での各画素の視線の反射角度R1と、ガラス2を測定対象物支持体3に取り付けた状態での各画素の視線の反射角度
R2との差分から、各画素の視線が到達するガラス2の被測定面2A上の各点でのレンズ
パワーを求める第3段階。
(4)被測定面2A上の各点でのレンズパワーの変化率を算出する第4段階。
(5)第4段階で求めた上記各点でのレンズパワーの変化率を予め設定された許容変化率と比較する第5段階。
上記第1段階では、先ず、図9に示すように、基準ガラスGを測定対象物支持体3に取り付ける。そしてその状態で、基準ガラスGの被測定面GAをCCDカメラ9で撮像して、CCDカメラ9の各画素の視線が被測定面GAで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置を特定する。本実施形態では、格子グリッド4Aの縞パターンを基準ガラスGの被測定面GA全体に照射し、被測定面GAで反射されその被測定面GAの表面形状に応じた基準縞パターンをCCDカメラ9で撮像することで、CCDカメラ9の各画素の視線
が到達する格子グリッド4A上の各位置を特定する。このとき、基準ガラスGは、その被測定面GA上が平坦であるので、基準縞パターンは、元の縞パターンに対して歪みがない縞パターンである。そして、CCDカメラ9の各画素における基準縞パターンの輝度値から各画素における正弦波の位相値を求め、各画素の位相値に基づき、各画素の視線上にある格子グリッド4A上の各位置を求める。
より具体的には、基準ガラスGを測定対象物支持体3に支持固定した状態で、バックライト5をオフにする。そして、格子縞特定十字レーザ出力装置8をオンさせ、縦方向(Z軸方向)のライン状(線状)のレーザ光LR2を格子縞フィルム4上に照射する(図5(
a)参照)。すると、縦方向のレーザ光LR2が格子縞フィルム4に反射され、その反射
光Sが縦の基準線Qk1として基準ガラスGの被測定面GA上に映り込む(図5(b)参照)。そして、その様子をCCDカメラ9で撮像する。図5(c)は、CCDカメラ9にて撮像された画像である。CCDカメラ9は、撮像した縦方向のレーザ光LR2の反射像を
コンピュータ10に出力する。
次に、格子縞特定十字レーザ出力装置8をオフにさせ、バックライト5を点灯させる。そして、格子グリッド4Aを縦方向(Z軸方向)に配置した状態で、縦縞状の縞パターン30の位相を横方向にπ/2ずつ、即ち、0、π/2、π、3π/2ずらして、それぞれにおいてCCDカメラ9によって4種類の基準縞パターンを撮像し、該4枚の縦の基準縞パターンを使って位相シフト法を行う(縦縞の位相シフト)。そして、その各基準縞パターンに対する各画像データを基準位置データとしてコンピュータ10に出力する。
位相シフト法によれば、位相値Qは、次の式により求められる。
Figure 2006145231
ここで、I0(x,z)、I1(x,z)、I2(x,z)、I3(x,z)は、それぞれ縞パターンの位相を0、π/2、π、3π/2ずらしたときの被測定面GA上の任意の点(x,z)の基準縞パターンの輝度値Ii(x,z)(i=0〜3)である。
そして、コンピュータ10は、上式(1)に従って、被測定面GA上の各画素の視線に対する位相値Qを算出し、縦の基準線Qk1として、各画素間の差分を算出して位相差を求める。このとき、隣り合う点に位相飛びがある場合には、位相を繋ぎ合わせるための補正を行う。また、位相シフト法による計算を行う前処理として、得られた4枚の画像にそれぞれ4次のスプライン補間処理を施して移動平均演算を行う。このようにすることで、基準ガラスGを介してCCDカメラ9の各画素の視線が被測定面GAで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置(X座標値)が求められる。
続いて、バックライト5をオフにし、格子縞特定十字レーザ出力装置8をオンさせ、横方向(Y軸方向)のライン状(線状)のレーザ光LR2を格子縞フィルム4上に照射する
。すると、横方向のレーザ光LR2が格子縞フィルム4に反射され、その反射光Sが横の
基準線Qk2として基準ガラスGの被測定面GA上に映り込む(図6(a)参照)。そして、その様子をCCDカメラ9で撮像する。図6(b)は、CCDカメラ9にて撮像された画像である。CCDカメラ9は、撮像した横方向のレーザ光LR2の反射像をコンピュー
タ10に出力する。
次に、格子縞特定十字レーザ出力装置8をオフにさせ、バックライト5を点灯させる。そして、格子グリッド4Aを横方向(X軸方向)に配置した状態で、横縞状の基準縞パタ
ーンの位相を縦方向にπ/2ずつ、即ち、0、π/2、π、3π/2ずらして、それぞれにおいてCCDカメラ9によって4種類の基準縞パターンを撮像し、該4枚の横の基準縞パターンを使って位相シフト法を行う(横縞の位相シフト)。そして、その各基準縞パターンに対する各画像データをコンピュータ10に出力する。そして、コンピュータ10は、被測定面GA上の各画素の視線に対する位相値Qを算出し、横の基準線Qk2として、各画素間の差分を算出して位相差を求める。
このとき、隣り合う点に位相飛びがある場合には、位相を繋ぎ合わせるための補正を行う。また、位相シフト法による計算を行う前処理として、得られた4枚の画像にそれぞれ4次のスプライン補間処理を施して移動平均演算を行う。このようにすることで、基準ガラスGを介してCCDカメラ9の各画素の視線が被測定面GAで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置(Y座標値)が求められる。
そして、コンピュータ10により、基準ガラスGを介してCCDカメラ9の各画素の視線が被測定面GAで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置が特定される。
上記第2段階では、図1に示すように、基準ガラスGに代えてガラス2を測定対象物支持体3に取り付ける。そして、その状態で、ガラス2の被測定面2AをCCDカメラ9で撮像し、CCDカメラ9の各画素の視線が被測定面2A上全面で反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置を特定する。
より具体的には、前記第1段階と同様にして、縦方向(Z軸方向)のライン状(線状)のレーザ光LR2を格子縞フィルム4上に照射する(図7(a)参照)。すると、縦方向
のレーザ光LR2が格子縞フィルム4に反射され、その反射光Sが縦の基準線Q1としてガラス2の被測定面2A上に映り込む(図7(b)参照)。そして、その様子をCCDカメラ9で撮像する。図7(c)は、CCDカメラ9にて撮像された画像である。CCDカメラ9は、撮像した縦方向のレーザ光LR2の反射像をコンピュータ10に出力する。また
、前記と同様に、縦縞の位相シフトを行い、その各基準縞パターンに対する各画像データを位置データとしてコンピュータ10に出力する。
すると、コンピュータ10は、被測定面2A上の各画素の視線に対する位相値Qを算出し、縦の基準線Q1として、各画素間の差分を算出して位相差を求める。このようにする
ことで、ガラス2を介してCCDカメラ9の各画素の視線が被測定面2Aで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置(X座標値)が求められる。
続いて、前記第1段階と同様にして、横方向(Y軸方向)のライン状(線状)のレーザ光LR2を格子縞フィルム4上に照射する(図8(a)参照)。すると、横方向のレーザ
光LR2が格子縞フィルム4に反射され、その反射光Sが横の基準線Q2としてガラス2
の被測定面2A上に映り込む(図8(b)参照)。そして、その様子をCCDカメラ9で撮像する。CCDカメラ9は、撮像した横方向のレーザ光LR2の反射像をコンピュータ
10に出力する。また、前記と同様に、横縞の位相シフトを行い、その各基準縞パターンに対する各画像データを位置データとしてコンピュータ10に出力する。
すると、コンピュータ10は、被測定面2A上の各画素の視線に対する位相値Qを算出し、横の基準線Q2として、各画素間の差分を算出して位相差を求める。このようにする
ことで、ガラス2を介してCCDカメラ9の各画素の視線が被測定面2Aで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置(Y座標値)が求められる。
以上のようにすることで、ガラス2を介してCCDカメラ9の各画素の視線が被測定面2Aで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置が特定される。
上記第3段階では、コンピュータ10は、基準ガラスGを測定対象物支持体3に取り付
けた状態での各画素の視線の反射角度R1と、ガラス2を測定対象物支持体3に取り付け
た状態での各画素の視線の反射角度R2との差分(=R2−R1)から、各画素の視線が被
測定面2Aで反射されて到達するガラス2の被測定面2A上の各点でのレンズパワーを求める。本実施形態では、前記したように、前記基準位置データ及び位置データから各位置での偏倚量Mに基づいて、各位置でのレンズパワーを算出する。
以下、その詳細を図10及び図11に従って説明する。尚、説明の便宜上、図10及び図11に示すように、ガラス2上の所定の位置Piに対するCCDカメラ9の視線Giと、次の隣接した画素に対応した位置Pi+1に対する視線Gi+1とのなす角をZ1とする。また
、CCDカメラ9と位置Piとの間の距離をL1とし、また、前記位置Piと格子縞フィル
ム4との間の距離をL2とする。そして、隣接する2つの画素の視線Gi,Gi+1が、それ
ぞれガラス2上の被測定面2Aで反射する2点間の微小幅Kの微小表面を考え、該各微小表面のレンズ作用の焦点距離の逆数であるレンズパワーDを、前記各画素の視線に対する前記差分から求める。
さらに、図10及び図11に示すように、点線で示された視線は、基準ガラスGが測定対象物支持体3に取り付けられた状態での位置Piで反射した視線である。各点Ai,Ai+1,Ci,Bi,Bi+1,Diは、それぞれ、CCDカメラ9にて撮像された位置データ及び
基準位置データに基づいてコンピュータ10によって算出される。
図10に示すように、基準ガラスG上の位置Pi+1に対する点Ci+1とガラス2上の位置Pi+1に対する点Ai+1とは一致していない。この差分は、基準ガラスGを測定対象物支持体3に取り付けた状態での位置Piに対する画素の視線の反射角度R1と、ガラス2を測定対象物支持体3に取り付けた状態での位置Piに対する画素の視線の反射角度R2との差分(R2−R1)に相当する。そこで、コンピュータ10は、各点Ai,Ai+1,Ci,Bi,Bi+1,Diに基づいて偏倚量M(=Bi+1−Di+1)の変化率、即ち、レンズパワーDを算出する。
図11(a),(b)に示すように、位置Pi+1にて屈折された光は、そのガラス2の
曲率,即ち、レンズパワーDによって角度Z2だけ変化してCCDカメラ9に入射される。まず、微小幅Kは、なす角Z1を使って以下のように表わされる。
Figure 2006145231
また、角度Z2と偏倚量M(=Bi+1−Di+1)とは、以下の式の関係が成立する。
Figure 2006145231
ここで、偏倚量M(=Bi+1−Di+1)は、以下のように変形される。
Figure 2006145231
従って、点Biと点Di+1との偏倚(=Di+1−Bi)は、以下のようになる。
Figure 2006145231
従って、角度Z2は、点Biと該点Biに隣接する次の点Bi+1を使って以下のように表
わされる。
Figure 2006145231
一方、位置Pi+1でのレンズ作用による焦点距離をfとすると、以下の式が成立する。
Figure 2006145231
前記微小幅Kは「0」ではないので、上式(7)は次式のようになる。
Figure 2006145231
ここで、レンズパワーDは、各微小表面のレンズ作用の焦点距離fの逆数に比例する。また、焦点距離fの逆数は、上式(8)で表わされる。以上により、位置Pi+1でのレン
ズパワーDは、次式で求められる。
Figure 2006145231
同様な計算をガラス2の被測定面2A上の各位置について行うことで、ガラス2の被測定面2A上の形状(曲率)を定量的に求めることができる。
上記第4段階では、コンピュータ10は、被測定面2A上全体に渡って各位置でのレンズパワーDの変化率を算出する。
上記第5段階では、求めた各位置でのレンズパワーDの変化率を予め設定された許容変化率と比較する。この許容変化率は、たとえば、検査者が直接コンピュータ10に入力した所望の値であってもよい。そして、コンピュータ10は、各位置でのレンズパワーDの変化率が許容変化率以内であると判断した場合、ガラス2の被測定面2A上の各位置での反射歪みは小さく曲面部は滑らかであると判断される。一方、各位置でのレンズパワーDの変化率が許容変化率以上であると判断した場合、ガラス2の被測定面2A上の各位置での反射歪みは大きく、曲面部は滑らかでないと判断される。そして、その判断結果がモニタ11に出力される。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1) 本実施形態では、格子縞状の縞パターンを被測定面2A上全体に照射し、ガラス2の被測定面2Aで反射された変形縞パターンをCCDカメラ9で撮像し、前記CCDカメラ9の各画素の視線が被測定面2Aで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置を特定した。また、平坦である基準ガラスGの被測定面GAで反射された基準縞パターンをCCDカメラ9で撮像し、CCDカメラ9の各画素の視線が被測定面GAで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置を特定した。そして、ガラス2の被測定面2Aにて反射されるCCDカメラ9の各画素の視線と、基準ガラスGの被測定面GAにて反射されるCCDカメラ9の各画素の視線とから各位置の偏倚量Mを算出するようにした。また、偏倚量Mから各位置におけるレンズパワーDを算出し、算出されたレンズパワーDの変化率を予め設定された許容変化率と比較し、その比較結果をモニタ11に出力するようにした。
これにより、ガラス2の表面形状の反射歪みを定量的に評価することができる。この結果、ガラス2の表面形状の反射歪みを、検査者による感応検査によるものではなく、正確に評価することができる。
(2) 本実施形態では、位相シフト法によりCCDカメラ9の各画素における正弦波の位相値を求める際に、格子縞フィルム4を横方向(Y軸方向)に縞パターンの位相のπ/2ずつずらして、それぞれにおいてCCDカメラ9によって反射パターンを撮像するようにした。その後、格子縞フィルム4を90°回転させた後、縦縞状の縞パターンをガラス2の被測定面2A上に投影し、格子縞フィルム4を縦方向(Z軸方向)に縞パターンの位相のπ/2ずつずらして、それぞれにおいてCCDカメラ9によって4種類の反射パターンを撮像するようにした。そして、その各反射パターンの反射像に基づいて各種演算処理を行うことで、CCDカメラ9の各画素の視線が被測定面2Aで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置を特定するようにした。従って、格子縞フィルム4やバックライト5またはCCDカメラ9の汚れ等に起因する濃度ムラ等による誤差が無くなるので、CCDカメラ9の各画素の視線が被測定面2Aで反射されて到達する格子グリッド4A上の各位置を精度良く、かつ短時間に特定することができる。
尚、発明の実施形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
○上記実施形態では、基準ガラスGの被測定面GAに反射されるCCDカメラ9の各画素の視線及びガラス2の被測定面2Aにて反射されるCCDカメラ9の各画素の視線の特定は、位相シフト法を用いて行った。これを、位相シフト法ではなく、リサージュ法を用いることで、各ガラス2及び基準ガラスGにて反射される各視線を特定するようにしてもよい。このようにすることで、上記実施形態と同様に、反射歪みを精度良く測定することができる。
○上記実施形態では、各位置の偏倚量Mに基づいて各位置におけるレンズパワーDを算出し、算出されたレンズパワーDの変化率を予め設定された許容変化率と比較することでガラス2の反射歪みを測定するようにした。これを、そうではなく、算出されたレンズパワーDの変化率をガラス2の被測定面2A上全面に渡って積分しその結果をモニタ11に出力するようにする(第6段階)。このようにすることで、ガラス2の表面形状を非接触で短時間に測定する表面形状測定装置を実現することができる。
本発明の表面形状測定装置の全体構成を説明するための図。 (a)と(b)はそれぞれ表面形状測定装置の概略を説明するための図。 (a)は輝度の強度値が横方向に正弦波状に周期的に変化する縦の縞パターンを示す図、(b)はガラス上に反射された反射パターンを示す図。 輝度の強度値が縦方向に正弦波状に周期的に変化する横の縞パターンを示す図。 (a)は格子縞特定十字レーザ出力装置からの縦方向のライン状のレーザ光を格子縞フィルムに照射したときの図、(b)はそのレーザ光が基準ガラス上に反射されたときの図、(c)はその様子をCCDカメラで撮像したときの画像を示す図。 (a)は、格子縞特定十字レーザ出力装置からの縦方向のライン状のレーザ光が基準ガラス上に反射されたときの図であり、(b)は、その様子をCCDカメラで撮像したときの画像を示す図。 (a)は格子縞特定十字レーザ出力装置からの縦方向のライン状のレーザ光を格子縞フィルムに照射したときの図、(b)はそのレーザ光がガラス上に反射されたときの図、(c)はその様子をCCDカメラで撮像したときの画像を示す図。 (a)は格子縞特定十字レーザ出力装置からの横方向のライン状のレーザ光がガラス上に反射されたときの図、(b)はその様子をCCDカメラで撮像したときの画像を示す図。 基準ガラスのCCDカメラの各画素に対するグリッド板上の位置を特定する方法を説明するための図。 本発明の表面形状測定方法を説明するための図。 (a),(b)はそれぞれ本発明の表面形状測定方法を説明するための図。
符号の説明
2A…鏡面反射する表面としての被測定面、2…測定対象物としてのガラス、4…格子板としての格子縞フィルム、9…CCDカメラ、D…レンズパワー、Qk1…縦の基準線
、Qk2…横の基準線、10…演算処理手段としてのコンピュータ、8…縞特定用レーザ
光源としての格子縞特定十字レーザ出力装置、20…パターン照射ユニット。

Claims (8)

  1. 鏡面反射する表面を有する測定対象物の表面形状を測定する表面形状測定方法において、
    輝度が正弦波状に変化する格子縞が形成された格子板を有し、前記格子縞の縞パターンを前記表面全体に照射する縞パターン照射手段と、2次元に配置された複数の画素を有するCCDカメラとを、前記表面全体で反射される前記縞パターンを前記複数の画素で撮像するように配置し、
    前記鏡面反射する表面が平坦である基準対象物を置いた状態で、前記基準対象物の前記表面を前記CCDカメラで撮像し、前記CCDカメラの各画素の視線が前記表面で反射されて到達する前記格子縞上の各位置を特定する第1段階と、
    前記基準対象物に代えて前記測定対象物を置いた状態で、前記測定対象物の前記表面を前記CCDカメラで撮像し、前記CCDカメラの各画素の視線が前記表面で反射されて到達する前記格子縞上の各位置を特定する第2段階と、
    前記基準対象物を置いた状態での前記各画素の視線の反射角度と、前記測定対象物を置いた状態での前記各画素の視線の反射角度との差分から、前記各画素の視線が到達する前記測定対象物の前記表面上の各点でのレンズパワーを求める第3段階と、
    前記表面上の各点での前記レンズパワーの変化率を算出する第4段階と、を含むことを特徴とする表面形状測定方法。
  2. 請求項1に記載の表面形状測定方法において、
    前記第4段階で算出した前記表面上の前記各点でのレンズパワーの変化率を予め設定された許容変化率と比較する第5段階を、を含むことを特徴とする表面形状測定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の表面形状測定方法において、
    前記第3段階で、前記各画素の視線が到達する前記表面上の各点でのレンズパワーを求める際に、前記表面上の前記各点から微小幅の微小表面を考え、該各微小表面のレンズ作用の焦点距離の逆数であるレンズパワーを、前記各画素の視線に対する前記差分から求めることを特徴とする表面形状測定方法。
  4. 請求項1〜3の少なくともいずれか1つに記載の表面形状測定方法において、
    前記第1段階では、
    前記格子縞の縞パターンを前記基準対象物の表面全体に照射し、前記表面で反射されその表面形状に応じて前記縞パターンが変化した基準縞パターンを前記CCDカメラで撮像し、
    前記CCDカメラの各画素における前記基準縞パターンの輝度値から前記各画素における前記正弦波の位相値を求め、
    前記各画素の位相値に基づき、前記各画素の視線が到達する前記格子縞上の各位置を求め、
    前記第2段階では、
    前記格子縞の縞パターンを前記測定対象物の各表面全体に照射し、前記表面で反射されその表面形状に応じて前記縞パターンが変化した変形縞パターンを前記CCDカメラで撮像し、
    前記CCDカメラの各画素における前記変形縞パターンの輝度値から前記各画素における前記正弦波の位相値を求め、
    前記各画素の位相値に基づき、前記各画素の視線が到達する前記格子縞上の各位置を求めることを特徴とする表面形状測定方法。
  5. 請求項4に記載の表面形状測定方法において、
    前記第1段階では、前記格子縞を縦方向に配置した状態で、前記格子縞の位相を横方向に同ピッチずつずらして少なくとも3枚の縦の基準縞パターンを前記CCDカメラにより
    撮像し、該3枚の縦の基準縞パターンを使って位相シフト法を行う縦縞の位相シフトと、
    前記格子縞を横方向に配置した状態で、前記格子縞の位相を縦方向に同ピッチずつずらして少なくとも3枚の横の基準縞パターンを前記CCDカメラにより撮像し、該3枚の横の基準縞パターンを使って位相シフト法を行う横縞の位相シフトと、を行い、
    前記第2段階では、前記格子縞を縦方向に配置した状態で、前記格子縞の位相を横方向に同ピッチずつずらして少なくとも3枚の縦の変形縞パターンを前記CCDカメラにより撮像し、該3枚の縦の変形縞パターンを使って位相シフト法を行う縦縞の位相シフトと、
    前記格子縞を横方向に配置した状態で、前記格子縞の位相を縦方向に同ピッチずつずらして少なくとも3枚の横の変形縞パターンを前記CCDカメラにより撮像し、該3枚の横の変形縞パターンを使って位相シフト法を行う横縞の位相シフトと、
    を行うことを特徴とする表面形状測定方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の表面形状測定方法において、
    前記基準対象物を置いた状態での前記視線の反射角度と、前記測定対象物を置いた状態での前記各画素の視線の反射角度との差分を前記測定対象物上の前記表面上の全面に渡って積分する第6段階と、
    を行うことを特徴とする表面形状測定方法。
  7. 鏡面反射する表面を有する測定対象物の表面形状を測定する表面形状測定装置において、
    輝度が正弦波状に変化する格子縞が形成された格子板および光源を有し、該光源の点灯により前記格子縞の縞パターンを前記表面全体に照射する縞パターン照射手段と、
    2次元に配置された複数の画素を有し、前記表面全体で反射される前記縞パターンを撮像するCCDカメラと、
    前記鏡面反射する表面が平坦である基準対象物を置いた状態で、前記基準対象物の前記表面を前記CCDカメラで撮像し、前記CCDカメラの各画素の視線が到達する前記格子縞上の各位置を特定し、前記基準対象物に代えて前記測定対象物を置いた状態で、前記測定対象物の前記表面を前記CCDカメラで撮像し、前記CCDカメラの各画素の視線が到達する前記格子縞上の各位置を特定し、前記基準対象物を置いた状態での前記視線の反射角度と、前記測定対象物を置いた状態での前記各画素の視線の反射角度との差分から、隣接する2つの画素の視線がそれぞれ前記測定対象物上の前記表面で反射する2点間の部分でのレンズパワーを求め、前記レンズパワーの変化率を算出し、前記レンズパワーの変化率を予め設定された許容変化率と比較する演算処理手段と、
    を備えたことを特徴とする表面形状測定装置。
  8. 請求項7に記載の表面形状測定装置において、
    前記各画素の視線に対する前記差分を前記測定対象物上の前記表面上の全面に渡って積分する演算処理手段を備えたことを特徴とする表面形状測定装置。
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