JP2006144736A - バイオ燃料自動車システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼効率の改善による燃費の向上、高出力化、及び、排出ガスのクリーン化が可能となるバイオ燃料自動車システムを提供することを目的とする。また、NOx浄化性能を向上させることにより、内燃機関の更なるリーン燃焼の可能性を広げ、ひいては燃費の向上が可能となるバイオ燃料自動車システムを提供する。
【解決手段】エタノールを含有するバイオ燃料を改質して水素を含有する改質ガスとし、この改質ガスを燃料として利用する。また、エタノールを含有するバイオ燃料を、排出ガス中のNOx浄化剤として利用する。
【選択図】 図1
【解決手段】エタノールを含有するバイオ燃料を改質して水素を含有する改質ガスとし、この改質ガスを燃料として利用する。また、エタノールを含有するバイオ燃料を、排出ガス中のNOx浄化剤として利用する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、バイオ燃料自動車システムに関し、特に、燃焼効率の改善による燃費の向上、高出力化、及び、排出ガスのクリーン化が可能となるバイオ燃料自動車システムに関する。
近年、サトウキビ、とうもろこし、小麦等の植物資源からなるバイオマス原料は、過去の石油危機時代を背景にして、代替燃料としての利用が期待されている。また、再生可能なエネルギーであるバイオマス燃料(以下、バイオ燃料という)は、二酸化炭素(CO2)の発生量を抑制する効果があるうえ、廃棄物としてのバイオマスを有効利用できることから、地球温暖化対策の一つとして注目されている。特に、自動車産業においては、自動車燃料のオクタン価を向上させる効果を有する含酸素燃料(例えば、メチルターシャリーブチルエーテル:MTBE)の代替として、バイオマス由来のエタノールをガソリンに混合したエタノール混合ガソリンの普及が進んでいる(特許文献1参照)。
現在、エタノール混合ガソリン等の燃料は、単に、自動車の内燃機関用の燃料として用いられているのが通常である。しかしながら、アルコール類の結合解離エネルギーは389kJ/molであり、一般的なアルカン類の結合解離エネルギー410kJ/molよりも小さい(非特許文献1参照)。また、分子内に酸化剤となる酸素分子を含んでいることから、改質反応が起こり易い傾向にある。そこで、この改質し易く、水素が取り出し易い性質を利用して、エタノールを車上にて改質し、水素を含有する改質ガスを内燃機関や燃料電池に供給できれば、燃焼効率の改善による燃費の向上、高出力化、及び、排出ガスのクリーン化に貢献できるとともに、地球温暖化物質や有害大気汚染物質の削減にも寄与しうる。
また、近年においては、省エネルギー推進の観点から、自動車の燃費の向上が世界中で求められている。燃費を向上させる有効な技術としては、空気過剰燃焼であるいわゆるリーン燃焼が挙げられる。リーン燃焼は、実用化への移行が比較的容易な技術であることから、その期待も大きく、開発が進められている(特許文献2参照)。
しかしながら、リーン燃焼エンジンは、排出ガス中のNOX浄化が十分でないという課題を抱えている。より詳しくは、従来の理論空燃比付近での燃焼においては、三元触媒を用いることによって排出ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を同時に除去でき、高い浄化性能を発揮できたのに対して、リーン燃焼においては、三元触媒のみの使用ではNOxの浄化は不十分であり、一層の浄化性能の向上が求められている。
ところで、NOxの浄化反応のうち触媒を利用する方法は、還元剤を利用しない直接分解法と、還元剤を利用する方法とに大きく分類される。現在、還元剤を利用する方法としては、車上においてアンモニアや尿素水を還元剤として添加し、利用する方法が知られている(非特許文献2、特許文献3参照)。ここで、アンモニアとエタノールについて、ギブスの自由エネルギーを指標とする窒素酸化物(NO)の還元能を比較した図を図6に示す。図6に示すギブスの自由エネルギーは、熱化学データ(非特許文献3)に基づき、NOx浄化反応が、酸素共存下で、NOとアンモニア又はエタノールとのモル比が1対1で進行すると仮定した場合の理論計算値である。図6に示されるように、いずれの温度領域においても、エタノールはアンモニアよりもギブスの自由エネルギーの値が3.5倍程度低い。このため、エタノールのNO還元能はアンモニアよりも高く、自発的にNOと反応し易い。
そこで、エタノールのNOx還元能が非常に高い性質を利用して、内燃機関等から排出される排出ガスに対し、エタノールを直接添加することによりNOxを選択還元できれば、内燃機関の更なるリーン燃焼の可能性が広がる。ひいては燃費を向上させることができるとともに、有害大気汚染物質であるNOxの削減にも寄与しうる。
特開2004−285346号公報
特開平09−060543号公報
特開2004−197746号公報
「化学便覧基礎編」、改訂2版、丸善、1975年、276頁
「触媒」、第43巻、第4号、2001年、282頁
「Thermochemical Data of Pure Substances」、Ihsan Barin(Ed.)、1995年
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、燃焼効率の改善による燃費の向上、高出力化、及び、排出ガスのクリーン化が可能となるバイオ燃料自動車システムを提供することを目的とする。また、NOx浄化性能を向上させることにより、内燃機関の更なるリーン燃焼の可能性を広げ、ひいては燃費の向上が可能となるバイオ燃料自動車システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、エタノールを含有するバイオ燃料を改質して水素を含有する改質ガスとし、この改質ガスを燃料として利用することにより、燃焼効率の改善による燃費の向上、高出力化、及び、排出ガスのクリーン化が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。また、エタノールを含有するバイオ燃料を、排出ガス中のNOx浄化剤として利用することにより、内燃機関の更なるリーン燃焼の可能性が広がり、燃費の向上が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) バイオ燃料を車上で改質して利用するバイオ燃料自動車システムであって、前記バイオ燃料を改質反応させて、水素を含有する改質ガスを得る改質手段と、前記改質ガスを動力源に供給する改質ガス供給手段と、を備え、前記バイオ燃料は、エタノールを含有するバイオ燃料自動車システム。
(1)に係るバイオ燃料自動車システムは、エタノールを含有するバイオ燃料を改質して、水素を含有する改質ガスを得た後、この水素を含有する改質ガスを燃料として利用するシステムである。本発明は、エタノールが改質し易く、簡便に水素を取り出せるという性質を有効に利用したものである。本発明では、バイオ燃料から簡便に水素を取り出すことができるため、車上においてバイオ燃料を改質して、水素を含有する改質ガスを製造することが可能である。このため、内燃機関や燃料電池等の動力源に対する、水素エネルギーの供給方法が多様化できる。従って、燃費の改善、高出力化、及び、排出ガスのクリーン化が可能となり、ひいては地球温暖化物質や有害大気汚染物質の削減にも寄与できる。車上において燃料から改質ガスを製造して利用するシステムについては、これまでのところ十分に確立されてはおらず、本発明は、次世代のバイオ燃料自動車システムの基本コンセプトといえる。
また、本発明によれば、次のような効果も得られる。第一に、燃料の改質反応が容易であるため、空間速度を小さくでき、改質反応装置をコンパクト化できる。第二に、改質反応装置のコンパクト化の実現に伴って、触媒に使用する高価な貴金属の量を低減でき、低コスト化が期待できる。第三に、改質反応装置のコンパクト化により、従来に比べて改質反応の起動時間を短縮することができるうえ、改質反応の起動時の消費エネルギーを低減できる。第四に、従来に比べて改質反応装置の操作性が向上し、良好な負荷応答性が得られる。
(2) 前記動力源は内燃機関であり、この内燃機関から排出される排出ガス中に前記バイオ燃料を供給し、前記排出ガス中に含まれるNOXを浄化する排出ガス浄化手段をさらに備える(1)記載のバイオ燃料自動車システム。
(2)に係るバイオ燃料自動車システムは、動力源として内燃機関を用い、この内燃機関から排出される排出ガス中に含まれるNOxの浄化に、エタノールを含有するバイオ燃料を直接利用するものである。本発明は、エタノールが有する高いNOx浄化性能を有効に利用したものであり、現実的に利用が可能な自動車用燃料を用いて、効率良くNOxを浄化することができる。従って、更なるリーン燃焼エンジンの可能性が広がり、自動車の燃費の向上による省エネルギー化が推進できるだけでなく、NOx等の有害大気汚染物質の削減にも寄与するものと考えられる。リーン燃焼エンジンの排出ガスの浄化方法については、これまでのところ十分に確立されてはおらず、本発明は、次世代のバイオ燃料自動車システムの基本コンセプトといえる。
また、本発明によれば、次のような効果が得られる。第一に、NOx浄化性能が飛躍的に向上するため、より低温でNOx浄化反応を進行させることができ、NOx浄化反応器の起動時間を短縮できる。第二に、還元触媒の活性が向上するため、排出ガス処理装置をコンパクト化できる。第三に、排出ガス処理装置のコンパクト化の実現に伴って、使用する触媒量を減らすことができ、低コスト化が期待できる。
(3) 前記排出ガス浄化手段は、前記バイオ燃料に分離濃縮処理を施した後、前記排出ガス中に供給するものである(2)記載のバイオ燃料自動車システム。
(3)に係るバイオ燃料自動車システムは、バイオ燃料に分離濃縮処理を施した後、排出ガス中に供給してNOxの浄化に利用するものである。より詳しくは、エタノールを含有するバイオ燃料に分離濃縮処理を施して、エタノール又はエタノールリッチな成分を得た後、これらを排出ガス中に供給してNOxの浄化に利用するものである。本発明は、バイオ燃料中のエタノールの含有量が低い場合に有効であり、かかる場合であっても、高濃度のエタノールを排出ガス中に供給できるため、エタノールが有する高いNOx浄化性能
を十分に生かすことができる。
を十分に生かすことができる。
(4) 前記内燃機関は、水素添加エンジン又は水素エンジンである(2)又は(3)記載のバイオ燃料自動車システム。
(4)に係るバイオ燃料自動車システムの動力源は、水素添加エンジン又は水素エンジンである。ここで、水素添加エンジンとは、水素をガソリンに添加して燃焼させるエンジンであり、水素エンジンとは、水素をガソリンの代わりに燃焼させるエンジンである。これらのエンジンは、二酸化炭素等の排出が抑制できるという利点を有するため、本発明の目的に合致したものであり、本発明の動力源として用いることによってその利点をさらに生かすことができる。
(5) 前記バイオ燃料中のエタノールの含有量は、3質量%以上100質量%以下である(1)から(4)いずれか記載のバイオ燃料自動車システム。
(5)に係るバイオ燃料自動車システムでは、バイオ燃料中のエタノール含有量は3質量%以上100質量%以下である。即ち、本発明で用いるバイオ燃料は、エタノールそのものであってよい。エタノールの含有量が3質量%未満である場合には、十分な量の水素を取り出すことができないうえ、高いNOx浄化性能を発揮することができない。
(6) 前記改質反応は、水蒸気改質法、部分酸化法、及び、これらを組み合わせたオートサーマル改質法よりなる群から選ばれる少なくとも一種の反応である(1)から(5)いずれか記載のバイオ燃料自動車システム。
(6)のバイオ燃料自動車システムで行われるバイオ燃料の改質反応は、水蒸気改質法、部分酸化法、及び、これらを組み合わせたオートサーマル改質法よりなる群から選ばれる少なくとも一種の反応である。これらの改質反応はいずれも水素を生成する反応であるため、バイオ燃料はこれらの改質反応によって水素を含む改質ガスに改質され、動力源や排出ガス浄化手段に利用できる。従って、これらの改質反応を利用することにより、本発明に係るバイオ燃料自動車システムが有する燃費の改善、高出力化、及び、排出ガスのクリーン化といった効果を十分に発揮することができる。
(7) 前記改質手段、改質ガス供給手段、及び、排出ガス浄化手段が連続的に行われる(1)から(6)いずれか記載のバイオ燃料自動車システム。
(7)のバイオ燃料自動車システムでは、改質手段、改質ガス供給手段、及び、排出ガス浄化手段が連続的に行われる。連続的に行った場合であっても、水素収率やNOX浄化率が低減することもなく、安定して燃料の改質やNOXの浄化を行うことができる。従って、本発明によれば、燃費の改善、高出力化、及び、排出ガスのクリーン化が可能なバイオ燃料自動車システムを提供できる。
本発明によれば、燃焼効率の改善による燃費の向上、高出力化、及び、排出ガスのクリーン化が可能となるバイオ燃料自動車システムを提供することができる。ひいては、カーボンニュートラルの実現が可能なバイオ燃料自動車システムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<バイオ燃料自動車システム>
従来のバイオ燃料自動車システムの概略構成図を図7に示す。また、本実施形態に係るバイオ燃料自動車システムの代表的な概略構成図を図1に示す。従来のバイオ燃料自動車システムにおいては、バイオ燃料は直接、内燃機関の燃料として用いられ、排出ガスは三元触媒等によって排出ガス処理系で処理される。これに対して、本実施形態に係るバイオ燃料自動車システムでは、先ず、バイオ燃料は燃料改質系により改質され、水素を含有する改質ガスに変換された後、内燃機関に供給される。また、燃料添加系から適宜添加される炭化水素燃料とともに、バイオ燃料を排出ガス中に供給して、NOXを還元、浄化するNOX浄化系及び排出ガス処理系が備えられている。さらには、バイオ燃料中のエタノールを分離して濃縮し、得られたエタノール又はエタノールリッチな成分を、NOX浄化系に供給する分離濃縮系が備えられている。
従来のバイオ燃料自動車システムの概略構成図を図7に示す。また、本実施形態に係るバイオ燃料自動車システムの代表的な概略構成図を図1に示す。従来のバイオ燃料自動車システムにおいては、バイオ燃料は直接、内燃機関の燃料として用いられ、排出ガスは三元触媒等によって排出ガス処理系で処理される。これに対して、本実施形態に係るバイオ燃料自動車システムでは、先ず、バイオ燃料は燃料改質系により改質され、水素を含有する改質ガスに変換された後、内燃機関に供給される。また、燃料添加系から適宜添加される炭化水素燃料とともに、バイオ燃料を排出ガス中に供給して、NOXを還元、浄化するNOX浄化系及び排出ガス処理系が備えられている。さらには、バイオ燃料中のエタノールを分離して濃縮し、得られたエタノール又はエタノールリッチな成分を、NOX浄化系に供給する分離濃縮系が備えられている。
<バイオ燃料>
本実施形態で用いられるバイオ燃料は、エタノールを含有する。例えば、エタノールを含有する自動車燃料が挙げられ、より具体的には、ガソリン、ディーゼル燃料、天然ガス、炭化水素ガス、バイオディーゼル等の炭化水素類にエタノールを混合したものが挙げられる。炭化水素類としては、アルカン類、アルケン類、アルキン類、芳香族化合物、アルコール類、アルデヒド類等が含まれる。本実施形態においては、エタノールの含有率が3質量%以上100質量%以下のバイオ燃料を用いることが好ましい。即ち、エタノールそのものであってもよい。
本実施形態で用いられるバイオ燃料は、エタノールを含有する。例えば、エタノールを含有する自動車燃料が挙げられ、より具体的には、ガソリン、ディーゼル燃料、天然ガス、炭化水素ガス、バイオディーゼル等の炭化水素類にエタノールを混合したものが挙げられる。炭化水素類としては、アルカン類、アルケン類、アルキン類、芳香族化合物、アルコール類、アルデヒド類等が含まれる。本実施形態においては、エタノールの含有率が3質量%以上100質量%以下のバイオ燃料を用いることが好ましい。即ち、エタノールそのものであってもよい。
<内燃機関>
本実施形態に係るバイオ燃料自動車システムでは、燃料改質系により改質された、水素を含有する改質ガスが内燃機関に供給される。内燃機関としては、水素とバイオ燃料を燃料としてエネルギーを得るものであれば、特に限定されず、水素添加エンジン、水素エンジン等が具体例として挙げられる。また、内燃機関の代わりに燃料電池を動力源として用いることもできる。ただし、燃料電池はNOX等の排出ガスを排出しないため、燃料電池を動力源として用いた場合には、上記のNOX浄化系及び排出ガス処理系は不要である。
本実施形態に係るバイオ燃料自動車システムでは、燃料改質系により改質された、水素を含有する改質ガスが内燃機関に供給される。内燃機関としては、水素とバイオ燃料を燃料としてエネルギーを得るものであれば、特に限定されず、水素添加エンジン、水素エンジン等が具体例として挙げられる。また、内燃機関の代わりに燃料電池を動力源として用いることもできる。ただし、燃料電池はNOX等の排出ガスを排出しないため、燃料電池を動力源として用いた場合には、上記のNOX浄化系及び排出ガス処理系は不要である。
<燃料改質系>
本実施形態に係るバイオ燃料自動車システムにおける燃料改質系の概略構成図を図2に示す。図2に示されるように、バイオ燃料は、バックグラウンドガス、空気、及び、酸素/窒素富化空気、水蒸気と混合され、ストップバルブ、フローコントロールバルブ等を介してフローメータを備えたガス流量制御系(図示せず)に導入される。次いで、導入された混合ガスは改質反応装置に導入され、水素を含有する改質ガスに改質される。生成した改質ガスは、ガスクロマトグラフィー等の分析系でその成分が分析された後、水素分離回収装置に送られ、水素が回収される。
本実施形態に係るバイオ燃料自動車システムにおける燃料改質系の概略構成図を図2に示す。図2に示されるように、バイオ燃料は、バックグラウンドガス、空気、及び、酸素/窒素富化空気、水蒸気と混合され、ストップバルブ、フローコントロールバルブ等を介してフローメータを備えたガス流量制御系(図示せず)に導入される。次いで、導入された混合ガスは改質反応装置に導入され、水素を含有する改質ガスに改質される。生成した改質ガスは、ガスクロマトグラフィー等の分析系でその成分が分析された後、水素分離回収装置に送られ、水素が回収される。
なお、空気から酸素/窒素富化空気を得る気体分離系で用いられる気体分離膜としては、特に制限はなく、従来公知のものが使用できる。このような気体分離膜としては、例えばポリイミド中空糸、ポリジメチルシロキサン平膜等が挙げられる。本実施形態における燃料改質系で生成する水素以外の廃ガスは、廃ガス処理系(図示せず)にて処理される。本実施形態に係る燃料改質反応においては、水素含有ガスの他に、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、及び、炭化水素類が生成する。
<改質剤>
本実施形態に係るバイオ燃料自動車システムにおいて、エタノールを含有するバイオ燃料を改質する際に用いられる改質剤としては、空気、酸素、窒素、酸素富化空気、窒素富化空気、水、及び、二酸化炭素から選ばれた少なくとも一種を挙げることができる。ここで、水としては、純水の他、雨水、水道水、一次処理済み排水等を使用することも可能である。また、酸素富化空気とは、酸素リッチな空気を意味し、具体的には、好ましい酸素濃度は、体積%で25%以上100%未満の範囲内、更に好ましくは30%以上60%以下、最も好ましくは40%付近を中心とした35%以上45%以下の範囲内である。なお、酸素濃度が高くなると、気体分離膜に対する負荷が大きくなり、トータルのエネルギー効率が低くなるため好ましくない。本実施形態においては、水蒸気雰囲気下にて、空気、酸素、窒素、酸素富化空気、窒素富化空気のいずれかの存在下で改質反応を行うことが好ましい。
本実施形態に係るバイオ燃料自動車システムにおいて、エタノールを含有するバイオ燃料を改質する際に用いられる改質剤としては、空気、酸素、窒素、酸素富化空気、窒素富化空気、水、及び、二酸化炭素から選ばれた少なくとも一種を挙げることができる。ここで、水としては、純水の他、雨水、水道水、一次処理済み排水等を使用することも可能である。また、酸素富化空気とは、酸素リッチな空気を意味し、具体的には、好ましい酸素濃度は、体積%で25%以上100%未満の範囲内、更に好ましくは30%以上60%以下、最も好ましくは40%付近を中心とした35%以上45%以下の範囲内である。なお、酸素濃度が高くなると、気体分離膜に対する負荷が大きくなり、トータルのエネルギー効率が低くなるため好ましくない。本実施形態においては、水蒸気雰囲気下にて、空気、酸素、窒素、酸素富化空気、窒素富化空気のいずれかの存在下で改質反応を行うことが好ましい。
<NOX浄化系>
本発明に係るバイオ燃料自動車システムにおけるNOX浄化系の概略構成図を図3に示す。図3に示されるように、一酸化窒素、二酸化炭素、及び、水素は、バックグラウンドガスである窒素/酸素ガスと混合され、ストップバルブ、フローコントロールバルブ等を介してフローメータを備えたガス流量制御系(図示せず)に導入される。次いで、導入された混合ガスに水と炭化水素が添加され、NOx浄化反応器に導入される。NOx浄化反応器では、NOxが選択還元され、脱NOxガスが生成する。生成したガスはNOx計、FT−IR、及び、ガスクロマトグラフィー等の分析系でその成分が分析された後、ガス回収系に送られ、脱NOxガスが回収される。このとき、脱NOxガス以外の廃ガスは廃ガス処理系(図示せず)で処理される。
本発明に係るバイオ燃料自動車システムにおけるNOX浄化系の概略構成図を図3に示す。図3に示されるように、一酸化窒素、二酸化炭素、及び、水素は、バックグラウンドガスである窒素/酸素ガスと混合され、ストップバルブ、フローコントロールバルブ等を介してフローメータを備えたガス流量制御系(図示せず)に導入される。次いで、導入された混合ガスに水と炭化水素が添加され、NOx浄化反応器に導入される。NOx浄化反応器では、NOxが選択還元され、脱NOxガスが生成する。生成したガスはNOx計、FT−IR、及び、ガスクロマトグラフィー等の分析系でその成分が分析された後、ガス回収系に送られ、脱NOxガスが回収される。このとき、脱NOxガス以外の廃ガスは廃ガス処理系(図示せず)で処理される。
<排出ガス>
内燃機関から排出される排出ガス成分としては、窒素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水、一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化ニ窒素、炭化水素類が挙げられる。炭化水素類としては、アルカン類、アルケン類、アルキン類、芳香族類、多環芳香族類、アルコール類、アルデヒド類等が挙げられる。
内燃機関から排出される排出ガス成分としては、窒素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水、一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化ニ窒素、炭化水素類が挙げられる。炭化水素類としては、アルカン類、アルケン類、アルキン類、芳香族類、多環芳香族類、アルコール類、アルデヒド類等が挙げられる。
<燃料改質方法及びNOx浄化>
本実施形態に係るバイオ燃料自動車システムでは、バイオ燃料の改質及びNOx浄化は、触媒、低温プラズマ、及び、低温プラズマ−触媒複合系から選ばれた少なくとも1種を用いた方法により行われる。ここで、触媒とは、金属酸化物系、ゼオライト系、金属担持系、貴金属担持系等の触媒を意味する。また、低温プラズマとは、電子、イオン、及び、中性分子が熱平衡状態にないプラズマを意味し、この低温プラズマを利用した低温プラズマ反応器においては、電子温度は8、000℃〜80、000℃に達するものの、ガス温度はほぼ室温に抑えることができるという利点を有する。低温プラズマ反応器としては、特に制限はなく、例えば、パルスコロナ型、無声放電型、パックドベット型等の従来公知のものが使用できる。
本実施形態に係るバイオ燃料自動車システムでは、バイオ燃料の改質及びNOx浄化は、触媒、低温プラズマ、及び、低温プラズマ−触媒複合系から選ばれた少なくとも1種を用いた方法により行われる。ここで、触媒とは、金属酸化物系、ゼオライト系、金属担持系、貴金属担持系等の触媒を意味する。また、低温プラズマとは、電子、イオン、及び、中性分子が熱平衡状態にないプラズマを意味し、この低温プラズマを利用した低温プラズマ反応器においては、電子温度は8、000℃〜80、000℃に達するものの、ガス温度はほぼ室温に抑えることができるという利点を有する。低温プラズマ反応器としては、特に制限はなく、例えば、パルスコロナ型、無声放電型、パックドベット型等の従来公知のものが使用できる。
バイオ燃料の改質反応は、水蒸気改質法、部分酸化法、及び、これらを組み合わせたオートサーマル改質法から選ばれる少なくとも1種の反応であることが好ましい。ここで、水蒸気改質法とは、炭化水素類を水蒸気で改質して、水素と一酸化炭素を生成する反応をいう。また、部分酸化法とは、炭化水素類を酸素で改質して、水素と一酸化炭素を生成する反応をいう。オートサーマル法は、水蒸気改質法と部分酸化法を組み合わせたものであり、酸素及び水蒸気の両者が酸化剤として作用する。具体的には、空気中の酸素は部分酸化反応及び水蒸気改質反応を促進し、水蒸気は水蒸気改質反応を促進する。このため、自動車燃料をオートサーマル改質する場合には、改質反応中に存在する酸素量及び水蒸気量を制御することが重要である。
燃料の改質反応及びNOx浄化反応はいずれも、室温〜1200℃程度までの温度領域で実施することができる。燃料の改質反応においては、生成物の蒸気圧により、改質されたガス中の水素濃度を調整することができる。また、NOx浄化反応においては、NOx浄化剤の添加量によって、排出ガス中のNOx排出量を制御することができる。
改質反応装置及びNOx浄化反応器としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することが可能である。例えば、固定床流通式反応器、バッチ式反応器等が挙げられる。燃料改質及びNOx浄化は、バッチ式でも行うことができるが、連続式の方が燃料改質及びNOx浄化を安定に行え、水素収率やNOx浄化率も低下し難いことから、より好ましく採用される。
水素を含有する改質ガスを改質反応装置に導入する際には、反応装置に直接導入してもよいが、空気等のバックグラウンドガス中に気化させた後に導入する方法が好ましい。また、エタノール含有バイオ燃料、又は、分離濃縮がなされたエタノール含有バイオ燃料をNOx浄化装置に導入する際も同様に、直接導入してもよいが、空気等のバックグラウンドガスに気化させた後に導入する方法が好ましい。なお、これらの反応圧力は特に制限されるものではないが、好ましくは常圧1気圧である。
<分離濃縮系>
本実施形態に係るバイオ燃料自動車システムでは、エタノール混合ガソリン等のエタノールリッチでない燃料を使用する際には、分離濃縮系において、エタノールの含有量に応じてバイオ燃料が分離・濃縮され、エタノール又はエタノールリッチな成分がNOX浄化系に供給される。エタノールの濃縮膜や分離カラムとしては、特に制限されず、従来公知のものが利用できる。濃縮膜としては、例えば、ナノろ過膜や逆浸透膜等が挙げられる。分離カラムとしては、例えば、分子ふるいカラムや極性カラム等が挙げられる。
本実施形態に係るバイオ燃料自動車システムでは、エタノール混合ガソリン等のエタノールリッチでない燃料を使用する際には、分離濃縮系において、エタノールの含有量に応じてバイオ燃料が分離・濃縮され、エタノール又はエタノールリッチな成分がNOX浄化系に供給される。エタノールの濃縮膜や分離カラムとしては、特に制限されず、従来公知のものが利用できる。濃縮膜としては、例えば、ナノろ過膜や逆浸透膜等が挙げられる。分離カラムとしては、例えば、分子ふるいカラムや極性カラム等が挙げられる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1として、図1〜図3に示されるバイオ燃料自動車システムにより、バイオ燃料の改質反応及びNOx浄化反応を行った。改質反応装置では、触媒としてRh/Al2O3を用い、NOx浄化反応器では、触媒としてAg/Al2O3を用いた。また、バイオ燃料としては、エタノールを用いた。
実施例1として、図1〜図3に示されるバイオ燃料自動車システムにより、バイオ燃料の改質反応及びNOx浄化反応を行った。改質反応装置では、触媒としてRh/Al2O3を用い、NOx浄化反応器では、触媒としてAg/Al2O3を用いた。また、バイオ燃料としては、エタノールを用いた。
[γAl2O3の調整]
用意したγAl2O3(住友化学社製AKP−G015)約100gを1000mL容積のビーカ内で、300mLの超純水に懸濁した。得られた懸濁溶液に、テフロン(登録商標)製スターラーピースを入れ、ホットプレート付きマグネティックスターラーで数分間、室温で静かに攪拌した。攪拌後、水を除去して上記の操作を3回繰り返した。その後、得られたγAl2O3に、ゴミが入らないように覆いをして80℃で一晩かけて真空乾燥を行い、水を留去した。乾燥後、保存容器に移し替え、使用時までデシケーター内で保存した。
用意したγAl2O3(住友化学社製AKP−G015)約100gを1000mL容積のビーカ内で、300mLの超純水に懸濁した。得られた懸濁溶液に、テフロン(登録商標)製スターラーピースを入れ、ホットプレート付きマグネティックスターラーで数分間、室温で静かに攪拌した。攪拌後、水を除去して上記の操作を3回繰り返した。その後、得られたγAl2O3に、ゴミが入らないように覆いをして80℃で一晩かけて真空乾燥を行い、水を留去した。乾燥後、保存容器に移し替え、使用時までデシケーター内で保存した。
[燃料改質触媒Rh/Al2O3の調整(含浸法)]
乾燥したγAl2O3の粉末を25g秤量した。これに対し、ロジウム(Rh)金属として質量分率で5%となるように、硝酸ロジウム[Rh(NO3)3]を秤量した。
乾燥したγAl2O3の粉末を25g秤量した。これに対し、ロジウム(Rh)金属として質量分率で5%となるように、硝酸ロジウム[Rh(NO3)3]を秤量した。
〔触媒担持〕
1000mL容積のビーカ内に、硝酸ロジウム[Rh(NO3)3]、350mLの超純水を入れて攪拌するとともに熱を加え、60℃に設定した。この1000mL容積のビーカ内に、γAl2O3の粉末を60℃の温度が保てるようゆっくりと少量ずつ加えた。γAl2O3の粉末を加えた後、60℃で1時間攪拌した。その後、スラリーから水分を留去し、100℃のオーブンに12時間入れ、乾固させた。乾固した触媒を600℃の電気炉に4時間入れ、焼成した。
1000mL容積のビーカ内に、硝酸ロジウム[Rh(NO3)3]、350mLの超純水を入れて攪拌するとともに熱を加え、60℃に設定した。この1000mL容積のビーカ内に、γAl2O3の粉末を60℃の温度が保てるようゆっくりと少量ずつ加えた。γAl2O3の粉末を加えた後、60℃で1時間攪拌した。その後、スラリーから水分を留去し、100℃のオーブンに12時間入れ、乾固させた。乾固した触媒を600℃の電気炉に4時間入れ、焼成した。
[NOx浄化触媒Ag/Al2O3の調整(含浸法)]
乾燥したγAl2O3の粉末を25g秤量した。これに対し、銀(Ag)金属として質量分率で2%となるように硝酸銀[AgNO3]を秤量した。
乾燥したγAl2O3の粉末を25g秤量した。これに対し、銀(Ag)金属として質量分率で2%となるように硝酸銀[AgNO3]を秤量した。
〔触媒担持〕
1000mL容積のビーカ内に、硝酸銀[AgNO3]、350mLの超純水を入れて攪拌するとともに熱を加え、60℃に設定した。この1000mL容積のビーカ内に、γAl2O3の粉末を60℃の温度を保てるようゆっくりと少量ずつ加えた。γAl2O3の粉末を加えた後、60℃で1時間攪拌した。その後、スラリーから水分を留去し、100℃のオーブンに12時間入れ、乾固させた。乾固した触媒を600℃の電気炉に4時間入れ、焼成した。
1000mL容積のビーカ内に、硝酸銀[AgNO3]、350mLの超純水を入れて攪拌するとともに熱を加え、60℃に設定した。この1000mL容積のビーカ内に、γAl2O3の粉末を60℃の温度を保てるようゆっくりと少量ずつ加えた。γAl2O3の粉末を加えた後、60℃で1時間攪拌した。その後、スラリーから水分を留去し、100℃のオーブンに12時間入れ、乾固させた。乾固した触媒を600℃の電気炉に4時間入れ、焼成した。
[バイオ燃料改質反応条件]
本実施例では、バイオ燃料の改質として部分酸化反応を行った。具体的な反応条件は以下の通りであった。触媒に対するGHSV(Gas hourly space velocity=一時間当たりの反応ガスの空間速度)は、10000h−1〜100000h−1の範囲内で行った。バックグラウンドガスとして空気を用い、空気(Air)と燃料(Fuel)の質量比A/F比は、1〜30の範囲内で行った。改質反応の温度は、400℃〜1000℃の範囲内で行った。有機化合物の定量分析は、検出器としてFID(水素炎イオン化検出器)を備えたGC(GL Science社製GC−390B、Unipack S)を用いて行った。また、水素の定量分析は、検出器としてTCD(熱伝導度検出器)を備えたGC(Shimadzu社製GC−390B、MS−5A)を用いて行った。
本実施例では、バイオ燃料の改質として部分酸化反応を行った。具体的な反応条件は以下の通りであった。触媒に対するGHSV(Gas hourly space velocity=一時間当たりの反応ガスの空間速度)は、10000h−1〜100000h−1の範囲内で行った。バックグラウンドガスとして空気を用い、空気(Air)と燃料(Fuel)の質量比A/F比は、1〜30の範囲内で行った。改質反応の温度は、400℃〜1000℃の範囲内で行った。有機化合物の定量分析は、検出器としてFID(水素炎イオン化検出器)を備えたGC(GL Science社製GC−390B、Unipack S)を用いて行った。また、水素の定量分析は、検出器としてTCD(熱伝導度検出器)を備えたGC(Shimadzu社製GC−390B、MS−5A)を用いて行った。
[NOx浄化反応条件]
触媒に対するGHSV(Gas hourly space velocity=一時間当たりの反応ガスの空間速度)は10000h−1〜100000h−1の範囲内で行った。一酸化窒素、酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び、水素を、流量を制御してガス流路に導入した。同時に気化系に、水及び炭化水素を導入して反応ガスを調製した。ガス流速は、0.5mL/min〜10mL/minの範囲内で行った。一酸化窒素(NO)濃度は、500ppm〜2000ppm、炭化水素の濃度は、500ppm〜8000ppm、水の濃度は、0%〜10%の範囲内で行った。定量分析は、一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)については、NOx測定計(HORIBA社製MEXA−9100D)を用いて行った。水分については、露天計を用いて行った。炭化水素については、検出器としてFID(水素炎イオン化検出器)を備えたGC(GL Science社製GC−390B、Unipack S)を用いて行った。水素については、検出器としてTCD(熱伝導度検出器)を備えたGC(Shimadzu社製GC−390B、MS−5A)、及び、水素センサーを用いて行った。一酸化炭素(CO)と二酸化炭素(CO2)については、TCDを備えたGC(Shimadzu社製GC−390B、MS−5A、Unibeads C)を用いて行った。
触媒に対するGHSV(Gas hourly space velocity=一時間当たりの反応ガスの空間速度)は10000h−1〜100000h−1の範囲内で行った。一酸化窒素、酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び、水素を、流量を制御してガス流路に導入した。同時に気化系に、水及び炭化水素を導入して反応ガスを調製した。ガス流速は、0.5mL/min〜10mL/minの範囲内で行った。一酸化窒素(NO)濃度は、500ppm〜2000ppm、炭化水素の濃度は、500ppm〜8000ppm、水の濃度は、0%〜10%の範囲内で行った。定量分析は、一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)については、NOx測定計(HORIBA社製MEXA−9100D)を用いて行った。水分については、露天計を用いて行った。炭化水素については、検出器としてFID(水素炎イオン化検出器)を備えたGC(GL Science社製GC−390B、Unipack S)を用いて行った。水素については、検出器としてTCD(熱伝導度検出器)を備えたGC(Shimadzu社製GC−390B、MS−5A)、及び、水素センサーを用いて行った。一酸化炭素(CO)と二酸化炭素(CO2)については、TCDを備えたGC(Shimadzu社製GC−390B、MS−5A、Unibeads C)を用いて行った。
<比較例1:ディーゼル燃料の改質>
比較例1として、一般的な自動車用燃料であるディーゼル燃料の改質反応を行った。燃料種が異なる点を除いて、実施例1と同様の改質反応装置、触媒を用い、改質反応の条件も同様にして改質反応を実施した。
比較例1として、一般的な自動車用燃料であるディーゼル燃料の改質反応を行った。燃料種が異なる点を除いて、実施例1と同様の改質反応装置、触媒を用い、改質反応の条件も同様にして改質反応を実施した。
実施例1及び比較例1により、燃料の改質反応を行った結果を図4に示す。図4は、燃料の改質反応において、水素収率に及ぼす反応温度の影響を検討した結果である。実施例1及び比較例1においては、燃料の部分酸化反応を行ったため、水素収率の理論値は100%より小さい値となる。比較例1では、反応温度650℃〜830℃における水素収率は5%〜45%程度であった。一方、実施例1では、反応温度650℃〜830℃における水素収率は45%〜70%程度であった。この結果は、全く同様の改質条件下において、エタノールの方がより低温で改質反応が進行するとともに、効率良く改質を行えることを示唆している。例えば、改質温度650℃における水素収率について、実施例1と比較例1とを比較すると、エタノールを燃料とした実施例1の方が水素収率が約9倍大きいことが確認できる。従って、エタノールを含有するバイオ燃料から水素を含有する改質ガスを得ることで、従来よりも効率良く水素を得ることができるとともに、低温においても改質反応が容易に進行することから、改質反応にエタノール含有燃料を用いることの有用性が示された。
<比較例2:NOx浄化>
比較例2として、炭化水素(プロパン)によるNOx浄化を行った。NOx浄化に用いる還元剤の種類が異なる点を除いて、実施例1と同様のNOx浄化反応器、触媒を用い、NOx浄化の条件も同様にして浄化反応を実施した。
比較例2として、炭化水素(プロパン)によるNOx浄化を行った。NOx浄化に用いる還元剤の種類が異なる点を除いて、実施例1と同様のNOx浄化反応器、触媒を用い、NOx浄化の条件も同様にして浄化反応を実施した。
実施例1及び比較例2により、NOx浄化反応を行った結果を図5に示す。図5は、NOx浄化反応において、NOx浄化率に及ぼす反応温度の影響を検討した結果である。図5に示されるように、実施例1及び比較例2のいずれにおいても、反応温度に対して最適値となるNOx浄化率が認められた。比較例2においては、反応温度450℃〜500℃付近で最大活性を示し、最大活性条件下ではNOX浄化率は30%であった。一方、実施例1においては、反応温度250℃〜450℃の間で最大活性を示し、最大活性条件下ではほぼ100%のNOx浄化率を得ることができた。また、実施例1では、200℃〜300℃の低温度領域でも高いNOx浄化率が得られたことから、NOx浄化反応器の起動時間が一般手法に比べて短いことが示された。従って、内燃機関から排出される排出ガス中のNOxの浄化に対して、エタノールを還元剤として直接使用することで、NOx選択還元触媒の活性の向上と浄化反応の低温化を達成できたことから、本発明の有用性が示された。
Claims (7)
- バイオ燃料を車上で改質して利用するバイオ燃料自動車システムであって、
前記バイオ燃料を改質反応させて、水素を含有する改質ガスを得る改質手段と、
前記改質ガスを動力源に供給する改質ガス供給手段と、を備え、
前記バイオ燃料は、エタノールを含有するバイオ燃料自動車システム。 - 前記動力源は内燃機関であり、この内燃機関から排出される排出ガス中に前記バイオ燃料を供給し、前記排出ガス中に含まれるNOXを浄化する排出ガス浄化手段をさらに備える請求項1記載のバイオ燃料自動車システム。
- 前記排出ガス浄化手段は、前記バイオ燃料に分離濃縮処理を施した後、前記排出ガス中に供給するものである請求項2記載のバイオ燃料自動車システム。
- 前記内燃機関は、水素添加エンジン又は水素エンジンである請求項2又は3記載のバイオ燃料自動車システム。
- 前記バイオ燃料中のエタノールの含有量は、3質量%以上100質量%以下である請求項1から4いずれか記載のバイオ燃料自動車システム。
- 前記改質反応は、水蒸気改質法、部分酸化法、及び、これらを組み合わせたオートサーマル改質法よりなる群から選ばれる少なくとも一種の反応である請求項1から5いずれか記載のバイオ燃料自動車システム。
- 前記改質手段、改質ガス供給手段、及び、排出ガス浄化手段が連続的に行われる請求項1から6いずれか記載のバイオ燃料自動車システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004338741A JP2006144736A (ja) | 2004-11-24 | 2004-11-24 | バイオ燃料自動車システム |
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JP2004338741A JP2006144736A (ja) | 2004-11-24 | 2004-11-24 | バイオ燃料自動車システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008016070A1 (fr) | 2006-08-04 | 2008-02-07 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Moteur à combustion interne |
FR2913349A1 (fr) * | 2007-03-08 | 2008-09-12 | Peugeot Citroen Automobiles Sa | Procede de traitement des gaz de combustion d'un moteur de type diesel |
JP2015206358A (ja) * | 2014-04-17 | 2015-11-19 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 排気中の窒素酸化物を低減するためのシステムおよび方法 |
-
2004
- 2004-11-24 JP JP2004338741A patent/JP2006144736A/ja active Pending
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WO2008125767A2 (fr) * | 2007-03-08 | 2008-10-23 | Peugeot Citroën Automobiles SA | Procede de traitement des gaz de combustion d'un moteur de type diesel |
WO2008125767A3 (fr) * | 2007-03-08 | 2008-12-18 | Peugeot Citroen Automobiles Sa | Procede de traitement des gaz de combustion d'un moteur de type diesel |
JP2015206358A (ja) * | 2014-04-17 | 2015-11-19 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 排気中の窒素酸化物を低減するためのシステムおよび方法 |
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