JP2006142267A - 嫌気性処理槽及び嫌気性処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ラニュール汚泥の流出量を抑えることができる嫌気性処理槽および嫌気性処理装置を提供する。
【解決手段】 嫌気性処理槽3は、グラニュール汚泥によって被処理水を嫌気性処理する嫌気性処理槽であり、グラニュール汚泥を内部に収容し、導入される被処理水をグラニュール汚泥で嫌気性処理させる反応槽7と、反応槽7内で処理された処理水が反応槽7から排出される際に処理水を濾過する濾過体17と、を備えている。この濾過体17は、複数の繊維状体を束ねてなる繊維状体束73を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】 嫌気性処理槽3は、グラニュール汚泥によって被処理水を嫌気性処理する嫌気性処理槽であり、グラニュール汚泥を内部に収容し、導入される被処理水をグラニュール汚泥で嫌気性処理させる反応槽7と、反応槽7内で処理された処理水が反応槽7から排出される際に処理水を濾過する濾過体17と、を備えている。この濾過体17は、複数の繊維状体を束ねてなる繊維状体束73を有している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、グラニュール汚泥によって被処理水の嫌気性処理を行う嫌気性処理槽及び嫌気性処理装置に関する。
従来、このような分野の技術として、UASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket:上向流式スラッジブランケット式)処理装置やEGSB(Expanded Granular Sludge Bed:膨張粒状スラッジベッド式)処理装置が知られており、このような装置として、特許文献1に開示された嫌気性処理装置101がある。図8に示す嫌気性処理装置101では、反応槽107内にグラニュール汚泥Sが収容されており、廃水導入部105から反応槽107内に導入された廃水は、このグラニュール汚泥Sで嫌気性処理され、処理水排出部109から排出される。反応槽107は、廃水を上向きに流動させる上向流部111を備えており、上向流部111の上部には処理水とグラニュール汚泥と発生したガスとを分離する三相分離部113が設けられている。
反応槽107下部で廃水を処理するグラニュール汚泥Sは、発生するガスが付着し、上向流とガスリフト作用とによって上昇する。上昇したグラニュール汚泥はガス衝突部121に衝突し衝撃でガスと分離され再び沈降する。分離されたガスはガス捕集部123に捕集され、ガス排出管125から排出される。一方、処理水はガス衝突部123とガス捕集部123との間を通り処理水排出部109から排出される。このようにして三相分離部では、ガス、グラニュール汚泥、及び処理水を分離する三相分離がなされる。
特開平11―128979号公報
しかしながら、この嫌気性処理装置では、グラニュール汚泥の分離として重力沈降を利用しているので、上昇したグラニュール汚泥の一部が処理水排出部109まで達してしまうことは避けられず、処理水に混入してグラニュール汚泥が反応槽外へ少しずつ流出してしまう。このようなグラニュール汚泥の流出量が多くなると、反応槽107内のグラニュール汚泥の減少により処理効率が低下する問題や、処理水の性状が悪化するという問題が発生する。
そこで、本発明は、グラニュール汚泥の流出量を抑えることができる嫌気性処理槽および嫌気性処理装置を提供することを目的とする。
本発明の嫌気性処理槽は、グラニュール汚泥によって被処理水を嫌気性処理する嫌気性処理槽であって、グラニュール汚泥を内部に収容し、導入される被処理水をグラニュール汚泥で嫌気性処理させる反応槽と、反応槽内で処理された処理水が反応槽から排出される際に処理水を濾過する濾過体と、を備え、濾過体は、複数の繊維状体を束ねてなる繊維状体束を有することを特徴とする。
この嫌気性処理槽では、反応槽内の処理水は、濾過体の繊維状体束を通過する際に混入したグラニュール汚泥等の固形物と分離され、反応槽外へ排出される。繊維状体束を有する濾過体では、束ねられた繊維状体同士の小さな隙間を、処理水が固形物と分離しつつ通過することで、処理水と固形物とが分離されるので、ほとんどの大きな固形物の通過を阻止することができる。従って、この嫌気性処理装置では、上記濾過体により、効率よく処理水の濾過が行われ、処理水中に混入して反応槽外に流出してしまうグラニュール汚泥の量を抑えることができる。
また、繊維状体束は、複数の繊維状体を束ねてなる内側束部と、内側束部を包囲し、内側束部を構成する繊維状体よりも太さが太い複数の繊維状体を束ねてなる外側束部とを有してもよい。この場合、内側束部よりも外側束部の繊維状体を太くすることで、外側束部の濾過の目が粗くなり、外側束部が目詰まりしてしまうまでの濾過時間を長くすることができる。よって、内側束部の濾過能力がほとんど使用されないうちに外側束部が目詰まりしてしまうことを抑制することができる。
また、繊維状体束の内部には、外部に連通する中空部が設けられてもよい。この繊維状体束が処理水中に浸漬された場合には、中空部内にも処理水が接触することになる。よって、この濾過体の濾過面積が増大し、処理水を更に効率よく濾過することができる。
本発明の嫌気性処理装置は、上記何れかの嫌気性処理槽と、嫌気性処理槽の濾過体を逆洗処理する逆洗手段と、を備えたことを特徴とする。
この嫌気性処理装置では、逆洗処理によって、濾過体を目詰まりさせるグラニュール汚泥等の固形物を反応槽内の処理水側へ戻し、濾過体の濾過能力を回復させることができる。このとき、戻されたグラニュール汚泥は逆洗の衝撃で細かく破砕され、グラニュール汚泥に内包されていたガスや表面に付着していたガスを放出して、沈降性が良くなる。また、繊維状体束を有する濾過体は透過流速(繊維状体束の断面を通過する処理水の速度)が大きいので、濾過面積を比較的小さく設計することができる。よって、逆洗時の濾過体における流速が大きくなり、濾過体に付着したグラニュール汚泥をより強く吹き飛ばすことができる。よって、グラニュール汚泥の破砕効率が高く、グラニュール汚泥とガスとの分離効率も高くなる。
また、逆洗手段は、反応槽における嫌気性処理で発生したガスを用いて濾過体の逆洗処理を行うことが好ましい。逆洗処理の際は、濾過体を逆洗するための流体が、濾過体を通過して反応槽内に送り込まれることになる。ところが、この場合、逆洗するための流体として、嫌気性処理で発生したガス(例えば、メタンガスと二酸化炭素の混合ガス)が使用されれば、このガスは酸素を含まないので、反応槽内に送り込まれても反応槽内の嫌気性反応が阻害されず、嫌気性反応の反応効率を維持することができる。
本発明によれば、嫌気性処理槽および嫌気性処理装置において、グラニュール汚泥の流出量を抑えることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る嫌気性処理装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1に示す嫌気性処理装置1は、有機物を含有する廃水を、嫌気性菌を含むグラニュール汚泥を用いて嫌気性処理する装置である。嫌気性処理装置1で処理される廃水は、まず、ラインL1を通じて酸生成槽3に導入される。酸生成槽3は、槽内に酸生成菌を保持しており、導入される廃水中の有機物を酸生成菌の働きで分解して低級脂肪酸を生成する。そして、酸生成槽3で処理された後の廃水は、ラインL2を通じて上向流式嫌気性処理槽5に送られる。
嫌気性処理槽5は、メタン菌等の嫌気性菌を含むグラニュール汚泥を収容する反応槽7を備えている。ラインL2から送られてきた廃水は、反応槽7の底部に設けられたディストリビュータ9によって反応槽7内部に導入される。導入された廃水は、反応槽7内を上昇しつつグラニュール汚泥中の嫌気性菌によって嫌気性処理され、廃水中の低級脂肪酸がメタンガスや二酸化炭素に分解される。これらの嫌気性処理により発生した発生ガスは、反応槽7内を浮上し、反応槽7の上部に連結されたラインL3を通じて、回収ガスとしてガスホルダ11に一時貯留される。
反応槽7の内部では、上記の発生ガスの作用及びディストリビュータ9によって上向流が発生しており、導入された廃水は、反応槽7の下部に沈殿したグラニュール汚泥に接触しつつ嫌気性処理されながら、徐々に上方に進んでいくことになる。そして、沈殿したグラニュール汚泥で形成される汚泥床13の上方には、上澄み部15が形成されており、この上澄み部15に濾過体17が浸漬されている。濾過体17は、ラインL4に連結されており、上澄み部15の濾過体17付近に到達した処理水は、液面とラインLとの水頭差Hによってこの濾過体17を通過し、ラインL4を通じて排出される。このとき、上澄み部15の処理水は、発生ガスの付着によって浮上してきたグラニュール汚泥等の固形物を少量含んでいるが、濾過体17の濾過作用によって、固形物がほとんど取り除かれた処理水がラインL4から排出されることになる。
ラインL4から排出された処理水は、処理水槽19に送られて一時貯留される。処理水槽19内において処理水から分離されたガスは、ラインL7を通じてガスホルダ11に送られる。なお、このガスをガスホルダ11に送る前に脱硫処理してもよい。貯留された処理水の一部は、酸生成菌等の嫌気性菌の返送や酸生成槽3の中和等のために、ラインL5を通じて酸生成槽3に戻される。そして、貯留された処理水の残部が、ラインL6を通じ最終的な処理水として嫌気性処理装置1の外部へ排出される。
ここで、上述の濾過体17について更に詳細に説明する。図2、図3及び図4に示すように、濾過体17は、複数本の中空状又は中実状の繊維状体71を同一方向に向けて束ねてなる繊維状体束73を有している。そして、これらの繊維状体71は、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスルホン、又はフッ素樹脂等で管状に形成される結束帯75,77によって結束されている。濾過体17の一端には、凹状のキャップ79が被せられており、キャップ79内には、繊維状体束73を通過した処理水が収集されるようになっている。このキャップ79には、ラインL4(図1参照)に接続されるノズル81が設けられている。
繊維状体71としては、例えばナイロン、塩化ビニル、テフロン(登録商標)等の合成繊維や、セラミック繊維、炭素繊維、金属製ワイヤ等を用いることができる。なお、この繊維状体束73は2箇所を結束する必要はなく、例えば、長さの短い硬質の繊維状体を用いる場合には、結束帯75のみで結束されてもよい。また、繊維状体束73は、針金やバンド状の金属や合成繊維などを巻き付けることで結束されてもよく、エポキシ樹脂等の接着剤を繊維状体71に塗布して結束してもよい。また、繊維状体束73の直径は、通常10〜1000mm、好ましくは25〜600mmである。10〜1000mmの範囲を外れると、製作が困難となったり、製作コストが大きくなるという不具合が生じる。また、繊維状体束73は円形断面を有しているが、繊維状体束は、四角形、六角形等の多角形又は楕円形の断面を有する形状としてもよい。
なお、繊維状体71の長さは、好ましくは1500mm以下の長さである。1500mmを超えると、後述する逆洗処理において、効果的な逆洗が繊維状体束73に均一に行えなくなり、逆洗による透過流速の回復率が低くなる傾向がある。また、各繊維状体71の直径は、通常は0.1〜5mm、好ましくは0.25〜3mmである。上記範囲を外れると、濾過体17が閉塞したり、汚泥の流出頻度が増す傾向がある。また、ここで用いる濾過部材としては、繊維織布、不織布又は撚糸等のように、繊維が同一方向に延びていない物を用いることもできるが、洗浄が容易という観点から、上記の繊維状体束73のように束ねられた繊維状体71が同一方向に延びているものが好ましい。
次に、濾過体17の取付け位置について説明する。USAB法での反応時間は、通常2〜20時間程度であるので、反応槽7内において、処理水の滞留時間が2〜20時間、又はそれよりも大きい滞留時間に相当する位置に設置することが好ましく、通常は、約2〜25時間に相当する位置に設置される。処理水の滞留時間が2〜20時間に満たない位置に濾過体17を設置すると、処理が完了していない処理水がラインL4から排出される傾向にある。逆に、滞留時間が大きい位置に濾過体17を設置すると、反応槽7の高さを過大にする必要があるので好ましくない。また、濾過体17は、反応槽7の処理水の液面との水頭差が40kPa以下となるように配置することが好ましい。水頭差が40kPaを超える場合、繊維状体71間が閉塞し易くなり、透過流速が急速に低下する傾向がある。なお、ここでは、水頭差を利用した濾過に限らず、ポンプ等を利用して濾過体17による濾過を行ってもよい。
このような濾過体17を備えた嫌気性処理槽5においては、反応槽7の濾過体17付近の処理水が、処理水液面との水頭差により濾過体17を通じてラインL4に排出される。このとき、処理水は、束ねられた繊維状体71同士の小さな隙間を通過する一方、上澄み部15まで上昇したグラニュール汚泥等の固形物は、この隙間を通過できずに繊維状体束73に捕らえられる。このように、繊維状体71の隙間よりも大きな固形物の通過を濾過体17によって阻止することができる。その結果、SS(懸濁物質)、COD(化学的酸素要求量)、BOD(生物化学的酸素要求量)等の含有量が少ない良好な性状の処理水を得ることができる。また、反応槽7からのグラニュール汚泥の流出を抑えることができ、反応槽7内におけるグラニュール汚泥量の減少を抑えることができるので、嫌気性処理の効率を維持することができる。
また、透過膜を用いたグラニュール汚泥の公知の分離方法によれば、透過流速が0.3〜0.8m3/m2/日であるのに対して、上記濾過体17では25〜120m3/m2/日と、大きい透過流速が得られるので、繊維状体束73の断面積を小さく設計することが可能である。しかも、濾過体17の構造が簡単であるので、反応槽7の小型化に寄与することができ、嫌気性処理槽5の小型化を図ることができる。例えば、従来の一般的な反応槽の高さが15m前後であるのに対して、反応槽7は10m前後の高さにすることができる。また、濾過体17の構造が簡単であり、高価な透過膜を用いる必要がないので、嫌気性処理槽5の製作コストを低減することができる。
このような嫌気性処理装置1の運転を継続していると、濾過体17に捕らえられる固形物が蓄積し濾過能力が低下してくるので、嫌気性処理装置1には、濾過体17の逆洗処理を行うためのラインが設けられている。すなわち、嫌気性処理装置1は、濾過体17の逆洗手段として、ガスホルダ11とラインL4とを接続する逆洗ラインL11、処理水槽19とラインL4とを接続する逆洗ラインL12、及びバルブV1,V2,V3を備えている。逆洗処理の際には、バルブV1及びバルブV3が閉じられ、バルブV2が開かれる。そして、ブロアB1を駆動し、ラインL11及びラインL4を通じて、ガスホルダ11に貯留されている回収ガスを濾過体17に向かって逆流させる。こうして、逆流する回収ガスの圧力を受けて、繊維状体71の隙間に詰まった固形物及び繊維状体束73の周囲に付着した固形物が反応槽7の処理水中に押し戻されることで、繊維状体束73から引き離され、濾過体17の濾過能力が回復することになる。
逆洗処理の際の回収ガスの圧力は、濾過体17にかかる反応槽7内の処理水の水圧よりも高ければよく、通常、10〜100kPaに設定される。また、逆洗処理の頻度は、濾過時間2〜150分毎とするのが好ましい。2分毎よりも頻繁に行えば、処理水の回収率が低下する。また、濾過時間150分を超えれば、透過流速が低下する傾向にある。一回当たりの逆洗時間は、2〜200秒が好ましい。逆洗時間が2秒未満であれば、十分な濾過体17の逆洗が行われず濾過能力が十分に回復しない。逆洗時間が200秒を超えても、濾過能力の回復度合いがあまり変わらない傾向がある。逆洗処理は、濾過体17の目詰まりが生じた時点で行ってもよく、濾過処理と逆洗処理とを一定時間ずつ交互に行うようにしてもよい。
上述したように、繊維状体束73は大きい透過流速を有しているので、断面積を小さく設計することができる。従って、この逆洗処理の際、繊維状体束73の断面におけるガスの流速は大きく、繊維状体71の隙間に詰まった固形物及び繊維状体束73の周囲に付着した固形物は、強い力で反応槽7内に吹き飛ばされることになる。固形物中のグラニュール汚泥は、強く吹き飛ばされた際に破砕され、包含していた気泡や付着していた気泡を放出する。そして、気泡を放出したグラニュール汚泥は、沈降して再び汚泥床13に戻ることになる。このように、嫌気性処理装置1における嫌気性処理槽5では、濾過体17の逆洗時にグラニュール汚泥の脱気が達成され、浮上したグラニュール汚泥を汚泥床13に沈降させることができる。また、濾過体17の繊維状体束73は、繊維状体71が同一方向に向けて束ねられてなるので、上記逆洗処理によって固形物が繊維状体束73から取れやすい。
また、逆洗処理では、ガスホルダ11からの回収ガス(嫌気性反応で発生したメタンガス、二酸化炭素等)を使用しているので、嫌気性処理で発生してしまうガスを有効活用することができる。また、逆洗処理にこのガスを用いれば、逆洗処理によって反応槽7内に酸素が入ってしまうことがなく、反応槽7内の嫌気性反応を阻害することがない。なお、逆洗処理に使用するガスは、酸素を含まないガスであればガスホルダ11の回収ガスに限らず、市販の窒素ガス、炭酸ガス、メタンガス等の不活性ガスや非酸化性ガスを使用してもよい。
また、逆洗処理は、ガスと液体との混合流体により行ってもよい。例えば、逆洗処理として、図1に示すバルブV1を閉じ、バルブV2,V3を開けた状態で、ブロアB1とポンプP1とを駆動させて、ガスホルダ11からの回収ガスと処理水槽19からの処理水との混合流体を濾過体17に供給してもよい。
(実施例)
本発明の内容を実施例を用いてより具体的に説明する。嫌気性グラニュール状汚泥が投入された直径0.5m、槽有効高さ10m、有効容積2m3の反応槽7を有する嫌気性処理装置1に、有機性廃水をCODcr負荷20kg−CODcr/m3/日の速度で供給して運転を行った。このとき、濾過体17は、処理水の滞留時間が6時間に相当する位置で、且つ水面から15cm下の位置に設置した。繊維状体71として長さ20cm、直径0.7mmのナイロン製釣糸を用い、これを多数束ねて直径10cmの繊維状体束73とした。運転中は、濾過体17による濾過処理10分と、逆洗処理0.5分とを交互に繰り返した。濾過速度は、50m3/m2/日であった。逆洗処理の際には、ガスホルダ11で回収されたメタンガスを、圧力100kPaで濾過体17に供給した。
本発明の内容を実施例を用いてより具体的に説明する。嫌気性グラニュール状汚泥が投入された直径0.5m、槽有効高さ10m、有効容積2m3の反応槽7を有する嫌気性処理装置1に、有機性廃水をCODcr負荷20kg−CODcr/m3/日の速度で供給して運転を行った。このとき、濾過体17は、処理水の滞留時間が6時間に相当する位置で、且つ水面から15cm下の位置に設置した。繊維状体71として長さ20cm、直径0.7mmのナイロン製釣糸を用い、これを多数束ねて直径10cmの繊維状体束73とした。運転中は、濾過体17による濾過処理10分と、逆洗処理0.5分とを交互に繰り返した。濾過速度は、50m3/m2/日であった。逆洗処理の際には、ガスホルダ11で回収されたメタンガスを、圧力100kPaで濾過体17に供給した。
以上の条件で3ヶ月間の連続運転を行ったところ、反応槽7内の液面に浮上する汚泥の蓄積は見られず、また、濾過体17を通過して流出するグラニュール汚泥などの固形物もなく、反応槽7内のグラニュール汚泥の濃度はほぼ一定に維持され、良好な運転が可能であった。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。嫌気性処理槽5における濾過体としては、図5及び図6に示す濾過体40を用いてもよい。この濾過体40の繊維状体束43の中心部には、繊維状体71の延在方向に延び外部に連通する中空部46が設けられている。この中空部46内には、中空部46内の壁面に沿う多孔性の円柱面を有する円筒状支持部41が配置されている。この円筒状支持部41としては、例えば、金網を材料とするもの、或いはスリット状の隙間を有する金属製又はプラスチック製の円筒状部材を用いることができる。この濾過体40では、円筒状支持部41の中空部分45に処理水が入り込み、その支持部41の孔を介して繊維状体束73の中空部46にも処理水が接触することになる。このように、この濾過体41は大きい濾過面積を有することになるので、処理水を更に効率よく濾過することができる。
また、濾過体として、図7に示す濾過体51を用いてもよい。この濾過体51の繊維状体束53は、中心部に細い繊維状体54を束ねてなる内側束部55と、その周囲を包囲するように形成され、繊維状体54よりも径が太い繊維状体56を束ねてなる外側束部57を備えている。この濾過体51では、まず外側束部57により粗い濾過が行われ、外側束部55を通り抜けた処理水について内側束部55で細かい濾過がされることになる。内側束部55よりも、外側束部57の濾過の目が粗いので、外側束部57が目詰まりしてしまうまでの濾過時間を長くすることができる。よって、内側束部55の濾過能力がほとんど利用されないうちに外側束部57の目詰まりによって濾過能力を失ってしまうことを抑制でき、濾過体51全体の濾過能力を有効に用いることができる。
1…嫌気性処理装置、5…嫌気性処理槽、7…反応槽、11…ガスホルダ、17,41,51…濾過体、46…中空部、54…細い繊維状体、56…太い繊維状体、55…内側束部、57…外側束部、71…繊維状体、73,43,53…繊維状体束、L11,L12…逆洗ライン(逆洗手段)、V1,V2,V3…バルブ(逆洗手段)。
Claims (5)
- グラニュール汚泥によって被処理水を嫌気性処理する嫌気性処理槽であって、
前記グラニュール汚泥を内部に収容し、導入される前記被処理水を前記グラニュール汚泥で嫌気性処理させる反応槽と、
前記反応槽内で処理された処理水が前記反応槽から排出される際に前記処理水を濾過する濾過体と、を備え、
前記濾過体は、複数の繊維状体を束ねてなる繊維状体束を有することを特徴とする嫌気性処理槽。 - 前記繊維状体束は、
複数の繊維状体を束ねてなる内側束部と、
前記内側束部を包囲し、前記内側束部を構成する繊維状体よりも太さが太い複数の繊維状体を束ねてなる外側束部とを有することを特徴とする請求項1に記載の嫌気性処理槽。 - 前記繊維状体束の内部には、外部に連通する中空部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の嫌気性処理槽。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の嫌気性処理槽と、
前記嫌気性処理槽の前記濾過体を逆洗処理する逆洗手段と、を備えたことを特徴とする嫌気性処理装置。 - 前記逆洗手段は、
前記反応槽における嫌気性処理で発生したガスを用いて前記濾過体の逆洗処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の嫌気性処理装置。
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JP2004339458A JP2006142267A (ja) | 2004-11-24 | 2004-11-24 | 嫌気性処理槽及び嫌気性処理装置 |
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JP2011206630A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Asahi Group Holdings Ltd | 処理槽の上蓋部に設けられる排水機構の構造、処理槽の上蓋部の構造、及び、処理槽 |
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- 2004-11-24 JP JP2004339458A patent/JP2006142267A/ja active Pending
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JP2011206630A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Asahi Group Holdings Ltd | 処理槽の上蓋部に設けられる排水機構の構造、処理槽の上蓋部の構造、及び、処理槽 |
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