以下、第1の実施形態について、図を用いて説明する。第1の実施形態にかかる内視鏡装置1は、電子内視鏡10、接続部20、ビデオプロセッサ30、キーボード50、カードリーダー60、及びTVモニタ70を備える電子内視鏡装置である(図1参照)。
電子内視鏡10は、先端部に対物光学系(不図示)と撮像素子11などを内蔵し、被写体である体内などを撮像する。
電子内視鏡10は、CCDなどの撮像素子11、AGC(オートゲインコントローラ)12、映像信号処理IC13、第1CPU15、第1メモリ16、及びスイッチ19を有する(図2参照)。電子内視鏡10は、接続部20を介してビデオプロセッサ30と接続される。
撮像素子11において撮像により得られた信号は、AGC12を介して映像信号処理IC13に入力され、各種の信号処理が行われる。信号処理された映像信号は、ビデオプロセッサ30に出力される。映像信号処理IC13は、第1CPU15によって制御される。映像信号処理IC13と第1CPU15は、データの送受信のために、シリアル通信接続される。映像信号処理IC13は、垂直同期信号Vsyncを第1CPU15の割り込み端子(不図示)に出力する。映像信号処理IC13は、撮像素子11を駆動するCCD駆動信号を出力する。
第1CPU15は、ワンチップマイクロコンピュータであり、図示しないROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、SCI(シリアルコミュニケーションインターフェース)、I/Oポート(インプット/アウトプットポート)を有する。第1CPU15は、電子内視鏡10の各部を制御し、ビデオプロセッサ30の第2CPU31とシリアル通信する。
第1メモリ16は、電子内視鏡10の各部の設定値を記憶しておくための不揮発性メモリ(EEPROM等)で、第1CPU15と接続される。第1メモリ16は、電子内視鏡10の使用時間以外の記憶項目として、内視鏡名やシリアルナンバー、及び映像信号処理IC13のレジスタ設定値などを記憶する。
スイッチ19は、電子内視鏡10の映像信号方式をNTSCまたはPALに切り換えるためのディップスイッチで、第1CPU15と接続される。スイッチ19の接続状況に対応して、映像信号方式判別変数vnpの値が0(NTSCの場合)または1(PALの場合)に設定される。映像信号方式判別変数vnpの値は、第1CPU15のRAMに一時記憶される。
ビデオプロセッサ30は、第2CPU31、第2メモリ32、RTC(リアルタイムクロック)33、絞り制御回路35、光源36、絞り37、信号処理回路41、CRTC(CRTコントローラ)42、及びパネルスイッチ群43を有する(図3参照)。
ビデオプロセッサ30は、電子内視鏡10で撮像された被写体の画像信号を、TVモニタ70で観察可能な映像信号に変換する。また、ビデオプロセッサ30は、電子内視鏡10の先端部を介して被写体を照明する。光源36からの光は、ライトガイド18を介して先端部から被写体に照射される。
第2CPU31は、ワンチップマイクロコンピュータであり、図示しないROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、SCI(シリアルコミュニケーションインターフェース)、I/Oポート(インプット/アウトプットポート)を有する。第2CPU31は、ビデオプロセッサの各部を制御し、電子内視鏡10の第1CPU15とシリアル通信する。
信号処理回路41は、電子内視鏡10の映像信号処理IC13から出力される画像信号を、TVモニタ70に表示する信号に変換する。信号処理回路41は、画像信号のうち輝度信号を第2CPU31に出力する。第2CPU31は、輝度信号に基づいて、絞り制御回路35を制御し、絞り37の絞り具合を変え、光源36からライトガイド18を介して被写体に照射される光量を調整する(自動調光処理)。
電子内視鏡10の映像信号処理IC13から出力される垂直同期信号Vsyncは、信号処理回路41を介して第2CPU31に入力される。
第2CPU31は、キーボード50のキー、及びパネルスイッチ群43のスイッチが操作された時に、それに対応する処理を行う。
第2CPU31は、RTC33から日時を読み出し、CRTC42を介してTVモニタ70に表示する。第2CPU31は、患者名、年齢、性別、医師名などの各種文字情報を、CRTC42を介してTVモニタ70に表示する。
第2CPU31は、内視鏡装置1を取り扱う操作者名が入力されていない場合は、電子内視鏡10により得られた画像を正常に表示せず、操作者名を入力する旨を表示する。ここで、「画像を正常に表示せず」とは、正常な画像が重ね合わされた文字表示により邪魔されている場合を含む。
第2CPU31は、ビデオプロセッサ30に接続された電子内視鏡10ごとに且つ操作者ごとに分けて、使用時間、接続回数、及び引継回数を計測する。接続回数は、電子内視鏡10がビデオプロセッサ30に取り付けられた回数である。使用時間は、電子内視鏡10がビデオプロセッサ30に取り付けられ且つ電子内視鏡10の電源がオン状態にされた使用状態の累積時間である。引継回数は、使用状態において操作者が別の操作者に引き継ぎされた回数である。
第2メモリ32は、ビデオプロセッサ30の各部の設定値を記憶しておくための不揮発性メモリ(EEPROM等)で、第2CPU31と接続される。
第2メモリ32は、接続された電子内視鏡10の使用時間(使用時間記憶値)、接続回数(接続回数記憶値)、引継回数(引継回数記憶値)、シリアルナンバー、操作者名、及び内視鏡名を記憶する。電子内視鏡ごと且つ操作者名ごとに、第2メモリ32の異なる番地(記憶領域)に使用時間記憶値などが書き込みされる。ビデオプロセッサ30に装着される電子内視鏡の使用時間記憶値などを、第2メモリ32に書き込む番地は、操作者変数po及び内視鏡個別変数psで特定される。電子内視鏡10のシリアルナンバー、及び内視鏡名は、第2CPU31によって、第1メモリ16から読み出される。電子内視鏡10の操作者名は、カードリーダー60から読み出しされる。シリアルナンバー、及び内視鏡名に対応して、内視鏡個別変数psの値が設定される。操作者名に対応して、操作者変数poの値が設定される。ビデオプロセッサ30に過去に装着された電子内視鏡10の使用時間記憶値などは、第2メモリ32の操作者変数po及び内視鏡個別変数psの値に対応する番地(記憶領域)に記憶される。
電子内視鏡10の使用時間記録値は、記憶時間変数tに対応して変化し、操作者変数po及び内視鏡個別変数psごとに分けて記録される。接続回数記録値は、接続回数変数cに対応して変化し、操作者変数po及び内視鏡個別変数psごとに分けて記録される。引継回数記録値は、引継回数変数vhに対応して変化し、操作者変数po及び内視鏡個別変数psごとに分けて記録される。
第2CPU31のRAMは、信号処理回路41を介し映像信号処理IC13から出力される垂直同期信号Vsyncの回数に基づいて、電子内視鏡10の使用時間を計測するための記憶時間変数t、及び第1、第2カウンタvc1、vc2を一時記憶する。第1、第2カウンタvc1、vc2は、記憶時間変数tを計測するための変数である。垂直同期信号Vsyncは、映像信号方式がNTSCの場合、1/60秒ごとに一回出力され(垂直同期周波数が60Hz)、映像信号方式がPALの場合、1/50秒ごとに1回出力される(垂直同期周波数が50Hz)。
従って、第1の実施形態では、電子内視鏡10における映像信号処理のために使用される装置である映像信号処理IC13から出力される垂直同期信号を使って、電子内視鏡10の使用時間を計測することが可能になる。
第1カウンタvc1の値は、第1初期値以上第1パラメータP1以下の整数で、垂直同期信号Vsyncが出力される度に第1の一定値だけ加算される。第1カウンタvc1の値が第1パラメータP1以上になった時、第1カウンタvc1の値は第1の初期値にされ、第2カウンタvc2の値は第2の一定値だけ加算される。第2カウンタvc2の値は、第2初期値以上第2パラメータP2以下の整数である。第2カウンタvc2の値が第2パラメータP2以上になった時、第2カウンタvc2の値は第2初期値にされ、電子内視鏡10の使用時間に相当する記憶時間変数tの値が第3の一定値だけ加算される。
第1の実施形態において、第1〜第3の一定値は、いずれも1であり、第1、第2初期値はいずれも0である。
第1パラメータP1の値は、映像信号方式に対応して設定される。第1の実施形態においては、映像信号方式がNTSCの場合は、第1パラメータP1の値は60に、PALの場合は、50に設定される。第1の実施形態においては、第2パラメータP2の値は360に設定される。
従って、映像信号方式がNTSCの場合、第1カウンタvc1の値が60以上になった時に0にされ、第2カウンタvc2の値が1だけ増やされる。映像信号方式がPALの場合、第1カウンタvc1の値が50以上になった時に0にされ、第2カウンタvc2の値が1だけ増やされる。すなわち第2カウンタvc2の値は、1秒ごとに1だけ増える。第2カウンタvc2の値が360以上になった場合は、第2カウンタvc2の値は0にされ、電子内視鏡10の記憶時間変数tの値が1だけ増やされる。記憶時間変数tの値は0以上の整数で、6分ごとに1だけ増える。従って、実際の使用時間は、6×t分で表される。
第2CPU31のRAMは、電子内視鏡10がビデオプロセッサ30との接続回数を計測するための接続回数変数cを一時記憶する。接続回数変数cは整数で、電子内視鏡10がビデオプロセッサ30と接続される度に1だけ加算される。
第2CPU31のRAMは、現在内視鏡装置1を操作する操作者名を特定する変数である操作者変数poを一時記憶する。操作者変数poは、0以上の整数で、仮の操作者に対応する操作者変数poは0に設定される。仮の操作者とは、カードリーダー60からの入力など、正式に操作者名が入力されていない場合に、一時的に特定された操作者名である。カードリーダー60からの入力など、正式に入力された操作者名ごとに、1以上の異なる値が割り当てられる。
第2CPU31のRAMは、現在ビデオプロセッサ30に装着されている電子内視鏡10を特定する変数である内視鏡個別変数psを一時記憶する。内視鏡個別変数psは、1以上の整数で、ビデオプロセッサ30に接続される電子内視鏡ごとに異なる値が割り当てられる。
第2CPU31のRAMは、第2メモリ32の記憶領域内において操作者名を書き込みする配列として内視鏡操作者名配列vtを一時記憶する。
第2CPU31のRAMは、内視鏡操作者の引継回数を示す変数である引継回数変数vhを一時記憶する。引継回数変数vhは整数で、電子内視鏡10がビデオプロセッサ30に装着されて、内視鏡装置1の電源がオン状態にされた後に、操作者が変更された場合に、変更後の操作者の操作者変数poに対応する引継回数変数vhが1だけ加算される。
第2CPU31のRAMは、内視鏡操作者名がカードリーダー60等を介して入力されているかを示す変数である操作者名入力確認変数vpを一時記憶する。電子内視鏡10の操作者名が既に入力されている場合は、操作者名入力確認変数vpの値は1に設定され、未だ入力されていない場合は、操作者名入力確認変数vpの値は0に設定される。
カードリーダー60は、内視鏡装置1を操作する操作者名に関する情報を入力するために用いられる。カードリーダー60は、ビデオプロセッサ30の第2CPU31と接続される。第2CPU31は、カードリーダー60を介して内視鏡装置1を操作する操作者名に関する情報を読み取り、これに基づいて操作者変数poの値を設定する。
図4のフローチャートを用いて、第1の実施形態における割り込み処理として実行される使用時間記憶処理の手順を説明する。割り込み処理は、第2CPU31による内視鏡接続確認処理(図6のステップS53、図7参照)において電子内視鏡10の接続が確認された後に開始される(図7のステップS71参照)。内視鏡接続確認処理において、電子内視鏡10がビデオプロセッサ30に接続されたことが確認されると、電子内視鏡10のデータ読み込み処理(図7のステップS62)の他、第1、第2カウンタvc1、vc2の値が0にされ(図7のステップS65)、使用時間計測の割り込み処理が可能な状態にされる(図7のステップS71)。割り込み処理は、信号処理回路41からの垂直同期信号Vsyncの出力に対応して、1フィールド毎に一回(映像信号方式がNTSCの場合は1/60秒に一回、PALの場合は1/50秒に一回)実行される。
また、内視鏡接続確認処理の前に行われる第2CPU31による初期設定処理(図6のステップS52参照)において、スイッチの状態に応じて映像信号方式判別変数vnpの値が設定される。スイッチが、映像信号方式についてNTSCを選択する状態の場合は、映像信号方式判別変数vnpの値は0に設定され、映像信号方式についてPALを選択する状態の場合は、映像信号方式判別変数vnpの値は1に設定される。
ステップS11で、割り込み処理が開始されると、ステップS12で、第1カウンタvc1の値が1だけ加算される。ステップS13で、電子内視鏡10の映像信号方式がNTSC、PALのいずれに設定されているかが判断される。具体的には、映像信号方式判別変数vnpの値を調べることによって判断される。
vnp=0である場合、すなわち映像信号方式がNTSCである場合は、ステップS14で、第1カウンタvc1の値が60以上であるか否かが判断される。第1カウンタvc1の値が60以上である場合は、ステップS15で、使用時間記憶メイン処理が行われ、ステップS18で、割り込み処理が終了する。使用時間記憶メイン処理の詳細手順については、図5のフローチャートで説明する。第1カウンタvc1の値が60以上でない場合は、ステップS18で割り込み処理が終了する。
vnp=1である場合、すなわち映像信号方式がPALである場合は、ステップS16で、第1カウンタvc1の値が50以上であるか否かが判断される。第1カウンタvc1の値が50以上である場合は、ステップS17で、使用時間記憶メイン処理が行われ、ステップS18で、割り込み処理が終了する。第1カウンタvc1の値が50以上でない場合は、ステップS18で割り込み処理が終了する。
次に、図5のフローチャートを用いて、使用時間記憶メイン処理の詳細を説明する。図4のステップS15、S17の手順に進められると、ステップS31で、第1カウンタvc1の値が0にされ、第2カウンタvc2の値が1だけ加算される。
ステップS32で、第2カウンタvc2の値が360以上か否かが判断される。第2カウンタvc2の値が360以上の場合は、ステップS33で、第2カウンタvc2の値が0にされる。ステップS34で、記憶時間変数tの値を第2メモリ32から読み出しした操作者変数po及び内視鏡個別変数psに対応した使用時間記録値に設定し、記憶時間変数tの値を1だけ加算し、加算した記憶時間変数t値を操作者変数po及び内視鏡個別変数psに対応した使用時間記録の値として第2メモリ32に記憶し、使用時間記憶メイン処理が終了する。ステップS32の判断で、第2カウンタvc2の値が360以上でない場合は、使用時間記憶メイン処理が終了する。
なお、第2メモリ32からの操作者変数po及び内視鏡個別変数psに対応した使用時間記録値の読み出しは、内視鏡及びその操作者が確定した段階で一度実行して記憶時間変数tの値に設定しておいた場合は、ステップS34の処理において毎回行う必要がない。
図6〜図8のフローチャートを用いて、ビデオプロセッサ30の第2CPU31が実行するメインプログラム全体の手順を説明する。ステップS51で、第2CPU31のメインプログラムの処理が開始されると、ステップS52で、第2CPU31の初期設定処理が行われる。初期設定処理は、第2CPU31の各レジスタの設定、周辺ICの各レジスタの設定、さらに各種変数の設定などが行われる。映像信号方式判別変数vnpの値は、内視鏡装置の映像信号方式の設定状態に合わせて設定される。
ステップS53で、内視鏡接続確認処理が行われる。具体的には、電子内視鏡10が接続部20を介して、ビデオプロセッサ30に接続されたか、または取り外しされたかを調べる。内視鏡接続確認処理の詳細については、図7のフローチャートで後述する。
ステップS54で、電子内視鏡10との通信処理が行われる。具体的には、電子内視鏡10と、ビデオプロセッサ30との間でコマンドのやりとりが行われる。ステップS55で、キーボード50のキー入力に対応した処理が行われる。ステップS56で、パネルスイッチ群43のスイッチ入力に対応した処理が行われる。例えば、光源36のランプの点灯や、TVモニタ70に表示された画像の明るさ(参照値)の変更等の処理である。
ステップS57で、操作者名の入力処理が行われる。操作者名の入力処理の詳細については、図8のフローチャートで後述する。ステップS53〜S57の処理は繰り返し行われる。
図6のステップS53における内視鏡接続確認処理の詳細を説明する(図7参照)。ステップS61で、ビデオプロセッサ30に、新たに電子内視鏡10が接続されたか否かが判断される。ステップS61の判断で、新たに電子内視鏡10が接続された場合には、ステップS62で、電子内視鏡10からシリアルナンバーや内視鏡名などのデータが読み出しされる。
ステップS63で、読み出しされたシリアルナンバーから、その電子内視鏡10がビデオプロセッサ30の第2メモリ32の記憶領域に登録されているか否かが判断される。未だ登録されていない場合は、ステップS64で、登録する電子内視鏡10のシリアルナンバーと内視鏡が第2メモリ32の記憶領域の「内視鏡」の項目に書き込みされる。既に登録されている場合は、ステップS65に進められる。
ステップS65で、第2メモリ32の記憶領域の「内視鏡」を特定するための内視鏡個別変数psに、現在接続されている電子内視鏡10に対応する番号が設定される(表1参照)。また、ステップS65で、第1、第2カウンタvc1、vc2の値が初期値0にされる。
ステップS66で、操作者名入力確認変数vpの値が1か否か、すなわち、電子内視鏡10の操作者名が入力されているか否かが判断される。
ステップS66の判断で、操作者名が既に入力されており、操作者名入力確認変数vpの値が1である場合は、ステップS67で、入力されている電子内視鏡10の操作者名が、第2メモリ32の記憶領域の現在の「内視鏡」の項目に登録されているかが(表1参照)、内視鏡操作者名配列vtを用いて判断される。即ち、内視鏡操作者名配列vtに記憶されている一連の文字コードと全く同じ一連の文字コードが現在の「内視鏡」の項目の「操作者名」の項目に登録されているかを調べる。
ステップS67の判断で、入力されている電子内視鏡10の操作者名が、未だ第2メモリ32の記憶領域の現在の「内視鏡」の項目に登録されてない場合は、ステップS68で、第2メモリ32の記憶領域の現在の「内視鏡」の項目の操作者名の項目にその名前が登録される。ステップS69で、その操作者名の項目の「使用時間」、「接続回数」、「引継回数」の値がそれぞれ0に設定される。
ステップS67の判断で、入力されている電子内視鏡10の操作者名が、既に第2メモリ32の記憶領域の現在の「内視鏡」の項目に登録されている場合は、ステップS70に進められる。
ステップ70で、第2メモリ32の記憶領域の現在の「内視鏡」の「操作者名」を特定する操作者変数poに、現在接続されている電子内視鏡10を操作する操作者名に対応する番号が設定される(表1参照)。
ステップS71で、接続回数変数cの値を第2メモリ32から読み出しした操作者変数po及び内視鏡個別変数psに対応した接続回数記録値に設定し、接続回数変数cの値を1だけ加算し、加算した接続回数変数cを操作者変数po及び内視鏡個別変数psに対応した接続回数記録値として第2メモリ32に記憶する。さらに、図5に示す割り込み処理が行われて、使用時間が計測されるように、第2CPU31のレジスタが割り込み可に設定され、内視鏡接続確認処理が終了される。
ステップS66の判断で、電子内視鏡10の操作者名が未だ入力されておらず操作者名入力確認変数vpの値が1でないと判断された場合は、ステップS72で、電子内視鏡10の操作者名の入力を促す文字表示がTVモニタ70上に行われる。この文字表示が電子内視鏡10の撮像により得られた画像の上に邪魔するような形で行われると、操作者名の入力が必要であるとの認識がされやすい。
ステップS73で、「操作者名」を特定する操作者変数poを0に設定する。操作者変数poが0であることは、一時的な操作者名の入力で、仮の操作者名であることを意味する(表1中の“操作者 0”がこれに相当する)。その後、ステップS71に進められる。
ステップS61の判断で、新たに電子内視鏡10が接続されたと判断されない場合は、ステップS74で、ビデオプロセッサ30から電子内視鏡10が取り外しされたか否かが判断される。取り外しされた場合は、ステップS75で、使用時間の計測を行わないように、第2CPU31の割り込み処理が禁止の状態にされる。取り外しされていない場合は、内視鏡接続確認処理が終了される。即ち、電子内視鏡10が新たに接続もされず、取り外しもしない場合は、図7の内視鏡接続確認処理では、実質的に何も行われずに終了される。
図6のステップS57における操作者名の入力処理の詳細を説明する(図8参照)。ステップS81で、新たに操作者名が入力されたか否かが判断される。第1の実施形態では、カードリーダー60から操作者名が入力され、操作者名書き込み用割り込み処理が開始され、入力データが一時的に保存され、該当の割り込み確認フラグがオン状態にされる。ステップS81では、その割り込み確認フラグがオン状態であるか否かが判断される。
ステップS81の判断で、割り込み確認フラグがオン状態、すなわち新たに操作者名が入力された場合は、ステップS82で、既に操作者名が入力済みか否か、すなわち、電子内視鏡10の操作者名が入力されているか否かが判断される。電子内視鏡10の操作者名が既に入力されている場合は、操作者名入力確認変数vpの値は1に設定されており、未だ入力されていない場合は、操作者名入力確認変数vpの値は0に設定されている。
ステップS81の判断で、割り込み確認フラグがオン状態でない、すなわち新たに操作者名が入力されていない場合は、ステップS98で、割り込み確認フラグをクリアされ(オフ状態として)、操作者名の入力処理が終了される。
ステップS82の判断で、操作者名入力確認変数vpの値が0である場合は、ステップS83で、操作者名入力確認変数vpの値が1にされ、操作者名が入力されたとされる。ステップS84で、TVモニタ70上に表示された操作者名入力を促す文字表示が消去される。これにより、電子内視鏡10の撮像により得られた画像を正常に観察することが可能になる。
ステップS85で、現在、電子内視鏡10がビデオプロセッサ30に接続されているか否かが判断される。ステップS85の判断で、接続されている場合は、ステップS86で、入力された電子内視鏡10の操作者名が、第2メモリ32の記憶領域の現在の「内視鏡」の項目に登録されているか否かが判断される。
ステップS86の判断で、登録されていない場合は、ステップS87で、入力された内視鏡操作者名が、第2メモリ32の記憶領域の現在の「内視鏡」の項目に登録される。ステップS88で、その操作者名の項目の「使用時間」、「接続回数」、「引継回数」の値がそれぞれ0に設定される。ステップS86の判断で、登録されている場合は、ステップS89に進められる。
ステップS89で、第2メモリ32の記憶領域の現在の「内視鏡」の「操作者名」を特定する操作者変数poに、現在接続されている電子内視鏡10を操作する操作者名に対応する番号が設定され(表1参照)、第2カウンタvc2の値が0にされる。その後ステップS98で割り込み確認フラグがクリアされ(オフ状態として)、操作者名の入力処理が終了される。
ステップS85の判断で、未だ電子内視鏡10がビデオプロセッサ30に接続されていない場合は、ステップS90で、入力された「操作者名」が内視鏡操作者名配列vtに保存される。その後ステップS98で割り込み確認フラグがクリアされて(オフ状態として)、操作者名の入力処理が終了される。
ステップS82の判断で、操作者名入力確認変数vpの値が0でない場合は、ステップS91で、入力された操作者名が、既に入力されている操作者名と同じか否かが判断される。ステップS91の判断で、同じでない、すなわち別の操作者である場合は、ステップS92で、現在、電子内視鏡10がビデオプロセッサ30に接続されているか否かが判断される。ステップS92の判断で、接続されている場合は、ステップS93で、入力された電子内視鏡10の操作者名が、第2メモリ32の記憶領域の現在の「内視鏡」の項目に登録されているか否かが判断される。
ステップS93の判断で、登録されていない場合は、ステップS94で、入力された内視鏡操作者名が、第2メモリ32の記憶領域の現在の「内視鏡」の項目に登録される。ステップS95で、その操作者名の項目の「使用時間」、「接続回数」、「引継回数」の値がそれぞれ0に設定される(表1参照)。ステップS93の判断で、登録されている場合は、ステップS94、ステップS95をとばしてステップS96に進められる。
ステップS96で、第2メモリ32の記憶領域の現在の「内視鏡」の「操作者名」を特定する操作者変数poに、現在接続されている電子内視鏡10を操作する操作者名に対応する番号が設定され(表1参照)、第2カウンタvc2の値が0にされる。また、引継回数変数vhの値を第2メモリ32から読み出しした操作者変数po及び内視鏡個別変数psに対応した引継回数記録値に設定し、引継回数変数vhの値を1だけ加算し、加算した引継回数変数vhを操作者変数po及び内視鏡個別変数psに対応した引継回数記録値として第2メモリ32に記憶する。その後ステップS98で割り込み確認フラグがクリアされて(オフ状態として)、操作者名の入力処理が終了される。
ステップS92の判断で、未だ電子内視鏡10がビデオプロセッサ30に接続されていない場合は、ステップS97で、入力された「操作者名」が内視鏡操作者名配列vtに保存される。その後ステップS98で割り込み確認フラグがクリアされて(オフ状態として)、操作者名の入力処理が終了される。
ステップS91の判断で、入力された操作者名が、既に入力されている操作者名と同じである、すなわち別の操作者でない場合は、ステップS98で割り込み確認フラグがクリアされて(オフ状態として)、操作者の入力処理が終了される。
第1の実施形態においては、ビデオプロセッサ30に接続される電子内視鏡10ごと、及び操作者ごとに使用時間(使用時間記憶値)、接続回数(接続回数記憶値)、及び引継回数(引継回数記憶値)を得ることができる(表1参照)。
これにより、電子内視鏡ごと、操作者ごとの内視鏡装置1の使用状況を詳しく把握することが可能になる。使用状況の詳細を知ることにより、使用状態に応じた内視鏡装置の開発(例えば、耐久性の向上した内視鏡など)への有効なフィードバック、及び内視鏡の使用方法への改善が可能になる。例えば、表1において電子内視鏡1がビデオプロセッサ30に接続されて操作者11が内視鏡装置1を扱う場合の使用時間は48(×6分)(=288分)で、接続回数は21回で、引継回数は1回であることが分かる。
第1の実施形態では、ビデオプロセッサ30の第2CPU31が、使用時間(使用時間記憶値)、接続回数(接続回数記憶値)、及び引継回数(引継回数記憶値)を計測する形態を説明したが、第2の実施形態として、電子内視鏡10の第1CPU15がこれらを計測する形態であってもよい。第2の実施形態においては、第1CPU15は、操作者ごとに分けて、使用時間、接続回数、及び引継回数を計測する。この場合、第1メモリ16とは別に、使用時間、接続回数、及び引継回数を記憶するメモリを設ける。
なお、第1、第2の実施形態ともに、使用時間の計測を、垂直同期信号Vsyncの出力回数に基づいて行うとしたが、別途インターバルタイマーなどのタイマー素子などを付加してこれらで使用時間計測を行っても良い。
また、第1、第2の実施形態ともに、1つの制御手段(CPU)が使用時間、接続回数、及び引継回数を計測するとしたが、それぞれ別々の制御手段が計測を行っても良い。