JP2006139623A - 文書処理装置 - Google Patents

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祐介 藤巻
Nobuaki Wake
伸明 和家
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Abstract

【課題】複数のユーザにより共有される文書を閲覧又は編集する際に、ユーザごとに独自の閲覧/編集環境を設定可能とする。
【解決手段】文書処理装置は、シリアライズ部320を備えており、XMLファイルから生成したDOMをシリアライズ部320によりシリアライズしてファイルに保存する。文書処理装置は、デシリアライズ部322も備えており、バイナリファイルを読み込んで、デシリアライズ部322によりバイナリデータをデシリアライズしてDOMを生成する機能を有する。このバイナリファイルは、XMLファイルのキャッシュとして利用される。すなわち、文書処理装置は、XMLファイルを読み込んでDOMを生成する代わりに、バイナリファイルを読み込んでDOMを生成する。
【選択図】図11

Description

本発明は、文書処理技術に関し、特に、マークアップ言語により記述された文書を処理する文書処理装置に関する。
XMLは、ネットワークなどを介して他者とデータを共有するのに適した形式として注目されており、XML文書を作成、表示、編集するためのアプリケーションが開発されている(たとえば、特許文献1参照)。XML文書は、文書型定義などにより定義されたボキャブラリ(タグセット)に基づいて作成されている。
特開2001−290804号公報
ボキャブラリは、任意に定義することが許されており、理論上、無限に多くのボキャブラリが存在しうる。これらのボキャブラリの全てに対応して専用の表示・編集環境を提供するのは現実的ではない。従来、専用の編集環境が用意されていないボキャブラリにより記述された文書を編集する場合、テキストデータにより構成された文書のソースを直接テキストエディタなどで編集していた。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、マークアップ言語により構造化されたデータを処理する際の、ユーザの利便性を向上させる技術を提供することにある。
本発明のある態様は、文書処理装置に関する。この文書処理装置は、XMLファイルからDOMを生成する手段と、前記DOMをバイナリデータとして保存する保存手段と、を備えることを特徴とする。
前記DOMからバイナリデータの構造体を生成する手段を更に備えてもよく、前記保存手段は、前記DOMに代えて前記バイナリデータの構造体を保存してもよい。
本発明の別の態様も、文書処理装置に関する。この文書処理装置は、XMLファイルから生成されたバイナリデータが保存されたファイルを取得する手段と、前記ファイルから前記バイナリデータを生成する手段と、を備えることを特徴とする。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、マークアップ言語により構造化されたデータを処理する際の、ユーザの利便性を向上させることができる。
(前提技術)
図1は、前提技術に係る文書処理装置100の構成を示す。文書処理装置100は、文書内のデータが階層構造を有する複数の構成要素に分類された構造化文書を処理するが、本前提技術では構造化文書の一例としてXML文書を処理する例について説明する。文書処理装置100は、主制御ユニット110、編集ユニット120、DOMユニット130、CSSユニット140、HTMLユニット150、SVGユニット160、及び変換部の一例であるVCユニット180を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
主制御ユニット110は、プラグインのロードや、コマンド実行のフレームワークを提供する。編集ユニット120は、XML文書を編集するためのフレームワークを提供する。文書処理装置100における文書の表示及び編集機能は、プラグインにより実現されており、文書の種別に応じて必要なプラグインが主制御ユニット110又は編集ユニット120によりロードされる。主制御ユニット110又は編集ユニット120は、処理対象となるXML文書の名前空間を参照して、XML文書がいずれのボキャブラリにより記述されているかを判別し、そのボキャブラリに対応した表示又は編集用のプラグインをロードして表示や編集を実行させる。例えば、文書処理装置100には、HTML文書の表示及び編集を行うHTMLユニット150、SVG文書の表示及び編集を行うSVGユニット160など、ボキャブラリ(タグセット)ごとに表示系及び編集系がプラグインとして実装されており、HTML文書を編集するときはHTMLユニット150が、SVG文書を編集するときはSVGユニット160が、それぞれロードされる。後述するように、HTMLとSVGの双方の構成要素を含む複合文書が処理対象となっている場合は、HTMLユニット150とSVGユニット160の双方がロードされる。
このような構成によれば、ユーザは、必要な機能のみを選択してインストールし、後から適宜機能を追加又は削除することができるので、プログラムを格納するハードディスクなどの記録媒体の記憶領域を有効に活用することができ、また、プログラム実行時にも、メモリの浪費を防ぐことができる。また、機能拡張性に優れており、開発主体としても、プラグインの形で新たなボキャブラリに対応することが可能なので開発が容易となり、ユーザとしても、プラグインの追加により容易かつ低コストにて機能を追加することができる。
編集ユニット120は、ユーザインターフェースを介してユーザから編集指示のイベントを受け付け、そのイベントを適切なプラグインなどに通知するともに、イベントの再実行(リドゥ)又は実行の取消(アンドゥ)などの処理を制御する。
DOMユニット130は、DOM提供部132、DOM生成部134、及び出力部136を含み、XML文書をデータとして扱うときのアクセス方法を提供するために定められた文書オブジェクトモデル(Document Object Model:DOM)に準拠した機能を実現する。DOM提供部132は、編集ユニット120に定義されているインタフェースを満たすDOMの実装である。DOM生成部134は、XML文書からDOMツリーを生成する。後述するように、処理対象となるXML文書が、VCユニット180により他のボキャブラリにマッピングされる場合は、マッピング元のXML文書に対応するソースツリーと、マッピング先のXML文書に対応するデスティネーションツリーが生成される。出力部136は、例えば編集終了時に、DOMツリーをXML文書として出力する。
CSSユニット140は、CSS解析部142、CSS提供部144、及びレンダリング部146を含み、CSSに準拠した表示機能を提供する。CSS解析部142は、CSSの構文を解析するパーサの機能を有する。CSS提供部144は、CSSオブジェクトの実装であり、DOMツリーに対してCSSのカスケード処理を行う。レンダリング部146は、CSSのレンダリングエンジンであり、CSSを用いてレイアウトされるHTMLなどのボキャブラリで記述された文書の表示に用いられる。
HTMLユニット150は、HTMLにより記述された文書を表示又は編集する。SVGユニット160は、SVGにより記述された文書を表示又は編集する。これらの表示/編集系は、プラグインの形で実現されており、それぞれ、文書を表示する表示部(Canvas)156、166、編集指示を含むイベントを送受信する制御部(Editlet)152、162、編集コマンドを受けてDOMに対して編集を行う編集部(Zone)154、164を備える。制御部152又は162が外部からDOMツリーの編集コマンドを受け付けると、編集部154又は164がDOMツリーを変更し、表示部156又は166が表示を更新する。これらは、MVC(Model-View-Controller)と呼ばれるフレームワークに類似する構成をとっており、概ね、表示部156及び166が「View」に、制御部152及び162が「Controller」に、編集部154及び164とDOMの実体が「Model」に、それぞれ対応する。本前提技術の文書処理装置100では、XML文書をツリー表示形式で編集するだけでなく、それぞれのボキャブラリに応じた編集を可能とする。例えば、HTMLユニット150は、HTML文書をワードプロセッサに類似した方式で編集するためのユーザインターフェースを提供し、SVGユニット160は、SVG文書を画像描画ツールに類似した方式で編集するためのユーザインターフェースを提供する。
VCユニット180は、マッピング部182、定義ファイル取得部184、及び定義ファイル生成部186を含み、あるボキャブラリにより記述された文書を、他のボキャブラリにマッピングすることにより、マッピング先のボキャブラリに対応した表示編集用プラグインで文書を表示又は編集するためのフレームワークを提供する。本前提技術では、この機能を、ボキャブラリコネクション(Vocabulary Connection:VC)と呼ぶ。定義ファイル取得部184は、マッピングの定義を記述したスクリプトファイルを取得する。この定義ファイルは、ノードごとに、ノード間の対応(コネクション)を記述する。このとき、各ノードの要素値や属性値の編集の可否を指定してもよい。また、ノードの要素値や属性値を用いた演算式を記述してもよい。これらの機能については、後で詳述する。マッピング部182は、定義ファイル取得部184が取得したスクリプトファイルを参照して、DOM生成部134にデスティネーションツリーを生成させ、ソースツリーとデスティネーションツリーの対応関係を管理する。定義ファイル生成部186は、ユーザが定義ファイルを生成するためのグラフィカルユーザインターフェースを提供する。
VCユニット180は、ソースツリーとデスティネーションツリーの間のコネクションを監視し、表示を担当するプラグインにより提供されるユーザインタフェースを介してユーザから編集指示を受け付けると、まずソースツリーの該当するノードを変更する。DOMユニット130が、ソースツリーが変更された旨のミューテーションイベントを発行すると、VCユニット180は、そのミューテーションイベントを受けて、ソースツリーの変更にデスティネーションツリーを同期させるべく、変更されたノードに対応するデスティネーションツリーのノードを変更する。デスティネーションツリーを表示/編集するプラグイン、例えばHTMLユニット150は、デスティネーションツリーが変更された旨のミューテーションイベントを受けて、変更されたデスティネーションツリーを参照して表示を更新する。このような構成により、少数のユーザにより利用されるローカルなボキャブラリにより記述された文書であっても、他のメジャーなボキャブラリに変換することで、文書を表示することができるとともに、編集環境が提供される。
文書処理装置100により文書を表示又は編集する動作について説明する。文書処理装置100が処理対象となる文書を読み込むと、DOM生成部134が、そのXML文書からDOMツリーを生成する。また、主制御ユニット110又は編集ユニット120は、名前空間を参照して文書を記述しているボキャブラリを判別する。そのボキャブラリに対応したプラグインが文書処理装置100にインストールされている場合は、そのプラグインをロードして、文書を表示/編集させる。プラグインがインストールされていない場合は、マッピングの定義ファイルが存在するか否かを確認する。定義ファイルが存在する場合、定義ファイル取得部184が定義ファイルを取得し、その定義に従って、デスティネーションツリーが生成され、マッピング先のボキャブラリに対応するプラグインにより文書が表示/編集される。複数のボキャブラリを含む複合文書である場合は、後述するように、それぞれのボキャブラリに対応したプラグインにより、文書の該当箇所がそれぞれ表示/編集される。定義ファイルが存在しない場合は、文書のソース又はツリー構造を表示し、その表示画面において編集が行われる。
図2は、処理対象となるXML文書の例を示す。このXML文書は、生徒の成績データを管理するために用いられる。XML文書のトップノードである構成要素「成績」は、配下に、生徒ごとに設けられた構成要素「生徒」を複数有する。構成要素「生徒」は、属性値「名前」と、子要素「国語」、「数学」、「理科」、「社会」を有する。属性値「名前」は、生徒の名前を格納する。構成要素「国語」、「数学」、「理科」、「社会」は、それぞれ、国語、数学、理科、社会の成績を格納する。例えば、名前が「A」である生徒の国語の成績は「90」、数学の成績は「50」、理科の成績は「75」、社会の成績は「60」である。以下、この文書で使用されているボキャブラリ(タグセット)を、「成績管理ボキャブラリ」と呼ぶ。
本前提技術の文書処理装置100は、成績管理ボキャブラリの表示/編集に対応したプラグインを有しないので、この文書をソース表示、ツリー表示以外の方法で表示するためには、前述したVC機能が用いられる。すなわち、成績管理ボキャブラリを、プラグインが用意された別のボキャブラリ、例えば、HTMLやSVGなどにマッピングするための定義ファイルを用意する必要がある。ユーザ自身が定義ファイルを作成するためのユーザインターフェースについては後述することにして、ここでは、既に定義ファイルが用意されているとして説明を進める。
図3は、図2に示したXML文書をHTMLで記述された表にマッピングする例を示す。図3の例では、成績管理ボキャブラリの「生徒」ノードを、HTMLにおける表(「TABLE」ノード)の行(「TR」ノード)に対応づけ、各行の第1列には属性値「名前」を、第2列には「国語」ノードの要素値を、第3列には「数学」ノードの要素値を、第4列には「理科」ノードの要素値を、第5列には「社会」ノードの要素値を、それぞれ対応付ける。これにより、図2に示したXML文書を、HTMLの表形式で表示することができる。また、これらの属性値及び要素値は、編集可能であることが指定されており、ユーザがHTMLによる表示画面上で、HTMLユニット150の編集機能により、これらの値を編集することができる。第6列には、国語、数学、理科、社会の成績の加重平均を算出する演算式が指定されており、生徒の成績の平均点が表示される。このように、定義ファイルに演算式を指定可能とすることにより、より柔軟な表示が可能となり、編集時のユーザの利便性を向上させることができる。なお、第6列は、編集不可であることが指定されており、平均点のみを個別に編集することができないようにしている。このように、マッピング定義において、編集の可否を指定可能とすることにより、ユーザの誤操作を防ぐことができる。
図4は、図2に示したXML文書を図3に示した表にマッピングするための定義ファイルの例を示す。この定義ファイルは、定義ファイル用に定義されたスクリプト言語により記述される。定義ファイルには、コマンドの定義と、表示のテンプレートが記述されている。図4の例では、コマンドとして、「生徒の追加」と「生徒の削除」が定義されており、それぞれ、ソースツリーにノード「生徒」を挿入する操作と、ソースツリーからノード「生徒」を削除する操作が対応付けられている。また、テンプレートとして、表の第1行に「名前」、「国語」などの見出しが表示され、第2行以降に、ノード「生徒」の内容が表示されることが記述されている。ノード「生徒」の内容を表示するテンプレート中、「text-of」と記述された項は「編集可能」であることを意味し、「value-of」と記述された項は「編集不可能」であることを意味する。また、ノード「生徒」の内容を表示する行のうち、第6列には、「(src:国語 + src:数学 + src:理科 + src:社会) div 4」という計算式が記述されており、生徒の成績の平均が表示されることを意味する。
図5は、図2に示した成績管理ボキャブラリで記述されたXML文書を、図3に示した対応によりHTMLにマッピングして表示した画面の例を示す。表200の各行には、左から、各生徒の名前、国語の成績、数学の成績、理科の成績、社会の成績、及び平均点が表示されている。ユーザは、この画面上で、XML文書を編集することができる。たとえば、第2行第3列の値を「70」に変更すると、このノードに対応するソースツリーの要素値、すなわち、生徒「B」の数学の成績が「70」に変更される。このとき、VCユニット180は、デスティネーションツリーをソースツリーに追従させるべく、デスティネーションツリーの該当箇所を変更し、HTMLユニット150が、変更されたデスティネーションツリーに基づいて表示を更新する。したがって、画面上の表においても、生徒「B」の数学の成績が「70」に変更され、更に、平均点が「55」に変更される。
図5に示した画面には、図4に示した定義ファイルに定義されたように、「生徒の追加」及び「生徒の削除」のコマンドがメニューに表示される。ユーザがこれらのコマンドを選択すると、ソースツリーにおいて、ノード「生徒」が追加又は削除される。このように、本前提技術の文書処理装置100では、階層構造の末端の構成要素の要素値を編集するのみではなく、階層構造を編集することも可能である。このようなツリー構造の編集機能は、コマンドの形でユーザに提供されてもよい。また、例えば、表の行を追加又は削除するコマンドが、ノード「生徒」を追加又は削除する操作に対応づけられてもよい。また、他のボキャブラリを埋め込むコマンドがユーザに提供されてもよい。この表を入力用テンプレートとして、穴埋め形式で新たな生徒の成績データを追加することもできる。以上のように、VC機能により、HTMLユニット150の表示/編集機能を利用しつつ、成績管理ボキャブラリで記述された文書を編集することが可能となる。
図6は、ユーザが定義ファイルを生成するために、定義ファイル生成部186がユーザに提示するグラフィカルユーザインターフェースの例を示す。画面左側の領域202には、マッピング元のXML文書がツリー表示されている。画面右側の領域204には、マッピング先のXML文書の画面レイアウトが示されている。この画面レイアウトは、HTMLユニット150により編集可能となっており、ユーザは、画面右側の領域204において、文書を表示するための画面レイアウトを作成する。そして、例えば、マウスなどのポインティングデバイスにより、画面左側の領域202に表示されたマッピング元のXML文書のノードを、画面右側の領域204に表示されたHTMLによる画面レイアウト中へドラッグ&ドロップ操作を行うことにより、マッピング元のノードと、マッピング先のノードとのコネクションが指定される。例えば、要素「生徒」の子要素である「数学」を、HTML画面の表200の第1行第3列にドロップすると、「数学」ノードと、3列目の「TD」ノードの間にコネクションが張られる。各ノードには、編集の可否が指定できるようになっている。また、表示画面中には、演算式を埋め込むこともできる。画面の編集が終わると、定義ファイル生成部186は、画面レイアウトとノード間のコネクションを記述した定義ファイルを生成する。
XHTML、MathML、SVGなどの主要なボキャブラリに対応したビューワやエディタは既に開発されているが、図2に示した文書のようなオリジナルなボキャブラリで記述された文書に対応したビューワやエディタを開発するのは現実的でない。しかし、上記のように、他のボキャブラリにマッピングするための定義ファイルを作成すれば、ビューワやエディタを開発しなくても、VC機能を利用して、オリジナルなボキャブラリで記述された文書を表示・編集することができる。
図7は、定義ファイル生成部186により生成された画面レイアウトの他の例を示す。図7の例では、成績管理ボキャブラリで記述されたXML文書を表示するための画面に、表200と、円グラフ206が作成されている。この円グラフ206は、SVGにより記述される。後述するように、本前提技術の文書処理装置100は、一つのXML文書内に複数のボキャブラリを含む複合文書を処理することができるので、この例のように、HTMLで記述された表200と、SVGで記述された円グラフ206とを、一つの画面上に表示することができる。
図8は、文書処理装置100によるXML文書の編集画面の一例を示す。図8の例では、一つの画面が複数に分割されており、それぞれの領域において、処理対象となるXML文書を異なる複数の表示形式により表示している。領域210には、文書のソースが表示されており、領域212には、文書のツリー構造が表示されており、領域214には、図5に示したHTMLにより記述された表が表示されている。これらのいずれの画面上においても、文書の編集が可能であり、いずれかの画面上でユーザが編集を行うと、ソースツリーが変更され、それぞれの画面の表示を担当するプラグインが、ソースツリーの変更を反映すべく画面を更新する。具体的には、ソースツリーの変更を通知するミューテーションイベントのリスナーとして、それぞれの編集画面の表示を担当するプラグインの表示部を登録しておき、いずれかのプラグイン又はVCユニット180によりソースツリーが変更されたときに、編集画面を表示中の全ての表示部が、発行されたミューテーションイベントを受け取って画面を更新する。このとき、プラグインがVC機能により表示を行っている場合は、VCユニット180がソースツリーの変更に追従してデスティネーションツリーを変更した後、変更されたデスティネーションツリーを参照してプラグインの表示部が画面を更新する。
例えば、ソース表示及びツリー表示を、専用のプラグインにより実現している場合は、ソース表示用プラグインとツリー表示用プラグインは、デスティネーションツリーを用いず、直接ソースツリーを参照して表示を行う。この場合、いずれかの画面において編集が行われると、ソース表示用プラグインとツリー表示用プラグインは、変更されたソースツリーを参照して画面を更新し、領域214の画面を担当しているHTMLユニット150は、ソースツリーの変更に追従して変更されたデスティネーションツリーを参照して画面を更新する。
ソース表示及びツリー表示は、VC機能を利用して実現することもできる。すなわち、ソース、ツリー構造をHTMLによりレイアウトし、そのHTMLにXML文書をマッピングして、HTMLユニット150により表示してもよい。この場合、ソース形式、ツリー形式、表形式の3つのデスティネーションツリーが生成されることになる。いずれかの画面において編集が行われると、VCユニット180は、ソースツリーを変更した後、ソース形式、ツリー形式、表形式の3つのデスティネーションツリーをそれぞれ変更し、HTMLユニット150は、それらのデスティネーションツリーを参照して、3つの画面を更新する。
このように、一つの画面上に複数の表示形式で文書を表示することにより、ユーザの利便性を向上させることができる。例えば、ユーザは、ソース表示又はツリー表示により文書の階層構造を把握しつつ、表200などを用いて視覚的に分かりやすい形式で文書を表示し、編集することができる。上記の例では、一つの画面を分割して複数の表示形式による画面を同時に表示したが、一つの画面に一つの表示形式による画面を表示し、表示形式をユーザの指示により切り替え可能としてもよい。この場合、主制御ユニット110が、ユーザから表示形式の切り替え要求を受け付け、各プラグインに指示して表示を切り替える。
図9は、文書処理装置100により編集されるXML文書の他の例を示す。図9に示したXML文書では、SVG文書の「foreignObject」タグの中にXHTML文書が埋め込まれており、さらに、XHTML文書の中にMathMLで記述された数式が入っている。このような場合、編集ユニット120が、名前空間を参照して、適切な表示系に描画作業を振り分ける。図9の例では、編集ユニット120は、まず、SVGユニット160に四角形を描画させ、つづいて、HTMLユニット150にXHTML文書を描画させる。さらに、図示しないMathMLユニットに、数式を描画させる。こうして、複数のボキャブラリを包含する複合文書が適切に表示される。表示結果を図10に示す。
文書編集中、カーソル(キャリッジ)の位置に応じて、表示されるメニューを切り替えてもよい。すなわち、カーソルが、SVG文書が表示された領域内に存在するときは、SVGユニット160が提供するメニュー、又はSVG文書をマッピングするための定義ファイルに定義されたコマンドを表示し、カーソルが、XHTML文書が表示された領域内に存在するときは、HTMLユニット150が提供するメニュー、又はXHTML文書をマッピングするための定義ファイルに定義されたコマンドを表示する。これにより、編集位置に応じて適切なユーザインターフェースを提供することができる。
複合文書において、あるボキャブラリに対応する適切なプラグイン又はマッピング定義ファイルがなかった場合は、そのボキャブラリにより記述された部分は、ソース表示又はツリー表示されてもよい。従来、ある文書に他の文書を埋め込んだ複合文書を開くとき、埋め込まれた文書を表示するアプリケーションがインストールされていないと、その内容を表示することができなかったが、本前提技術では、表示用のアプリケーションが存在しなくても、テキストデータにより構成されたXML文書をソース表示又はツリー表示することにより内容を把握することができる。これは、テキストベースであるXMLなどの文書ならではの特徴といえる。
データがテキストベースで記述されることの他の利点として、例えば、複合文書中の、あるボキャブラリにより記述される部分において、同一文書内の他のボキャブラリで記述された部分のデータを参照してもよい。また、文書内で検索を実行する時に、SVGなどの図に埋め込まれた文字列も検索対象とすることができる。
あるボキャブラリにより記述された文書内に、他のボキャブラリのタグを用いてもよい。このXML文書は、妥当(valid)ではないが、整形式(well-formed)であれば、有効なXML文書として処理可能である。この場合、挿入された他のボキャブラリのタグは、定義ファイルによりマッピングされてもよい。例えば、XHTML文書中に、「重要」、「最重要」などのタグを使用し、これらのタグで囲まれた部分を強調表示してもよいし、重要度の順にソートして表示してもよい。
図10に示した編集画面において、ユーザにより文書が編集されると、編集された部分を担当するプラグイン又はVCユニット180がソースツリーを変更する。ソースツリーには、ノードごとにミューテーションイベントのリスナーを登録できるようになっており、通常は、各ノードが属するボキャブラリに対応したプラグインの表示部又はVCユニット180がリスナーとして登録される。DOM提供部132は、ソースツリーが変更されると、変更されたノードから上位の階層へたどって、登録されたリスナーがあれば、そのリスナーへミューテーションイベントを発行する。例えば、図9に示した文書において、<html>ノードの下位のノードが変更された場合、<html>ノードにリスナーとして登録されたHTMLユニット150にミューテーションイベントが通知されるとともに、その上位の<svg>ノードにリスナーとして登録されたSVGユニット160にもミューテーションイベントが通知される。このとき、HTMLユニット150は、変更されたソースツリーを参照して表示を更新する。SVGユニット160は、自身のボキャブラリに属するノードが変更されていないので、ミューテーションイベントを無視してもよい。
編集の内容によっては、HTMLユニット150による表示の更新に伴って、全体のレイアウトが変わる可能性がある。この場合は、画面のレイアウトを管理する構成、例えば最上位のノードの表示を担当するプラグインにより、プラグインごとの表示領域のレイアウトが更新される。例えば、HTMLユニット150による表示領域が以前より大きくなった場合、HTMLユニット150は、まず自身の担当する部分を描画して、表示領域の大きさを決定する。そして、画面のレイアウトを管理する構成に、変更後の表示領域の大きさを通知し、レイアウトの更新を依頼する。画面のレイアウトを管理する構成は、通知を受けて、プラグインごとの表示領域を再レイアウトする。こうして、編集された部分の表示が適切に更新されるとともに、画面全体のレイアウトが更新される。
(実施の形態)
実施の形態では、XMLデータを読み込んだときに文書処理装置において生成されるバイナリデータを保存する技術を提案する。
図11は、本実施の形態の技術を説明するための図である。文書処理装置100がXMLファイルを読み込んだとき、XMLファイルに他のファイルをインクルードしたり、文字コードを変換するなど必要な前処理を行った後、XMLパーサがファイルの内容をパースして正当性をチェックし、さらに、バリデーションチェックによりXMLの妥当性が確認される。これらのチェックが終了すると、DOM生成部134によりDOMが生成される。
本実施の形態では、文書処理装置100は、シリアライズ部320を備えており、シリアライズ部320によりDOMをシリアライズしてファイルに保存する。シリアライズ部320は、例えば、JAVA(登録商標)のシリアライズ機能を用いてDOMをシリアライズしてもよい。文書処理装置100は、デシリアライズ部322も備えており、バイナリファイルを読み込んで、デシリアライズ部322によりバイナリデータをデシリアライズしてDOMを生成する機能を有する。
このバイナリファイルは、XMLファイルのキャッシュとして利用されてもよい。すなわち、XMLファイルを読み込んでDOMを生成する代わりに、バイナリファイルを読み込んでDOMを生成してもよい。これにより、いったんバイナリファイルを生成して保存しておけば、次回以降、パースなどの前処理を省略し、バイナリファイルを読み込んで直接DOMを生成することができるので、DOMを生成するまでの処理時間を短縮することができる。文書処理装置100は、DOMをバイナリデータとしてそのまま保存してもよい。すなわち、メモリイメージをそのままコピーしてもよい。これにより、さらに高速にDOMを生成することができる。この場合、シリアライズ部320及びデシリアライズ部322を設けなくてもよい。
また、XMLファイルは、テキストデータから構成されるので、テキストエディタなどで開くことにより内容を見ることができるという特徴がある。これに対して、本実施の形態のバイナリファイルのみを保存し、第三者に配布するようにすれば、テキストデータよりは内容の機密性が高まる。また、第三者による内容の改変の防止にもつながる。秘匿性を向上させるために、バイナリデータをスクランブルしたり暗号化したりしてもよい。
XMLファイルの内容を秘匿するために、XMLファイルを暗号化するという技術もあるが、この技術によれば、XMLファイルを開くときに復号化しなければならず、その後に、前処理、パース、バリデーションチェックなどを実行するので、ファイルを開くまでに時間を要する。本実施の形態の技術によれば、バイナリファイルをデシリアライズすればDOMが生成されるので、内容を秘匿しつつ、処理速度も速いという効果が得られる。
XMLファイルの改変を防止するために、XMLファイルに署名をつけるという技術も存在するが、この場合、テキストエディタにより内容を見ることができる。本実施の形態の技術によれば、バイナリ化するのでテキストデータよりは機密性が高く、しかも、デシリアライズしなければファイルを開けないので、容易には改竄できないという効果が得られる。
本実施の形態の技術は、特に、定義ファイルの内容を秘匿し、第三者の改竄を防止するために適している。定義ファイルもXMLファイルであるから、上述の方法によりシリアライズしてバイナリファイルとすることができる。独自に開発したボキャブラリを処理可能な定義ファイルや、独自の機能を有する定義ファイルを開発したベンダーが、その定義ファイルを配布する場合、定義ファイルの内容を秘匿し、改竄を防止するために、本実施の形態の技術を用いてバイナリファイルとして配布してもよい。文書処理装置100で定義ファイルを利用するとき、デシリアライズ部322によりデシリアライズして定義ファイルの内容をDOM化し、VCD−DOMを生成する。この場合、定義ファイルの内容をソース表示する機能を禁止し、定義ファイルの内容を秘匿するようにしてもよい。
定義ファイルをバイナリ化する場合、定義ファイルから生成されるVCD−DOMをシリアライズしてもよいし、VCD−DOMから生成されるコネクタファクトリーツリーをシリアライズしてもよい。コネクタファクトリーツリーは、VCD(定義ファイル)のテンプレートに記述されたコネクタを生成する主体となるオブジェクトである。また、XML文書ファイルをバイナリ化する場合、DOMツリーから生成されるビューオブジェクトをシリアライズしてもよい。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、XML文書を処理する例について説明したが、本実施の形態の文書処理装置100は、他のマークアップ言語、例えば、SGML、HTMLなどで記述された文書も同様に処理可能である。
前提技術に係る文書処理装置の構成を示す図である。 文書処理装置により編集されるXML文書の例を示す図である。 図2に示したXML文書をHTMLで記述された表にマッピングする例を示す図である。 図2に示したXML文書を図3に示した表にマッピングするための定義ファイルの例を示す図である。 図2に示したXML文書を、図3に示した対応によりHTMLにマッピングして表示した画面の例を示す図である。 ユーザが定義ファイルを生成するために、定義ファイル生成部がユーザに提示するグラフィカルユーザインターフェースの例を示す図である。 定義ファイル生成部により生成された画面レイアウトの他の例を示す図である。 文書処理装置によるXML文書の編集画面の一例を示す図である。 文書処理装置により編集されるXML文書の他の例を示す図である。 図9に示した文書を表示した画面の例を示す図である。 実施の形態の技術を説明するための図である。
符号の説明
100 文書処理装置、110 主制御ユニット、120 編集ユニット、130 DOMユニット、132 DOM提供部、 134 DOM生成部、136 出力部、140 CSSユニット、150 HTMLユニット、160 SVGユニット、180 VCユニット、182 マッピング部、184 定義ファイル取得部、186 定義ファイル生成部、320 シリアライズ部、322 デシリアライズ部。

Claims (3)

  1. XMLファイルからDOMを生成する手段と、
    前記DOMをバイナリデータとして保存する保存手段と、
    を備えることを特徴とする文書処理装置。
  2. 前記DOMからバイナリデータの構造体を生成する手段を更に備え、
    前記保存手段は、前記DOMに代えて前記バイナリデータの構造体を保存することを特徴とする請求項1に記載の文書処理装置。
  3. XMLファイルから生成されたバイナリデータが保存されたファイルを取得する手段と、
    前記ファイルから前記バイナリデータを生成する手段と、
    を備えることを特徴とする文書処理装置。
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