JP4417384B2 - 文書処理装置および文書処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、文書処理技術に関し、特に、階層構造を有する構造化文書を処理する文書処理装置及び文書処理方法に関する。
XML(Extensible Markup Language)は、ネットワークなどを介して他者とデータを共有するのに適した形式として注目されており、XML文書を作成、表示、編集するためのアプリケーションが開発されている(たとえば、特許文献1参照)。XML文書は、文書型定義などにより定義されたボキャブラリ(タグセット)に基づいて作成されている。
XMLでは、一つの文書の中に複数のボキャブラリが混在することが許されるが、複数のボキャブラリに同一の要素名または属性名が存在する場合、文書内で要素名または属性名が衝突し、いずれのボキャブラリに属する要素型または属性型なのかを特定できない事態が生じる恐れがある。このような問題を解決するために、XMLでは「名前空間」という概念を導入し、文書内に含まれる要素型および属性型がいずれのボキャブラリに属するかを記述することになっている。
しかし、記述もれや誤記などにより名前空間を特定できない場合、文書を適切に処理することができなくなる。
特開2001−290804号公報
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、名前空間などの情報を識別できない構造化文書に対して適切な処理を行い、表示、編集を滞りなく遂行できる技術を提供することにある。
本発明のある態様は、文書処理装置に関する。この文書処理装置は、マークアップ言語により記述された文書に含まれる構成要素が属する名前空間を検出する名前空間検出部と、前記名前空間検出部において正確な名前空間が検出されなかった際に、複数の文書表示用ファイルを適用して表示を行い、それらの画面表示に対するユーザによる選択指示を受け付けることにより前記名前空間を特定する名前空間特定部と、を備え、前記名前空間検出部または前記名前空間特定部において特定された前記名前空間に基づき、前記文書を表示し、ユーザによる前記文書の編集を受け付けることを特徴とする。
マークアップ言語は、XMLの一形態、例えば、XHTML(Extensible HyperText Markup Language)、SVG(Scalable Vector Graphics)、MathML(Mathematical Markup Language)などであってもよく、SGML(Standard Generalized Markup Language)、HTML(HyperText Markup Language)などであってもよい。また、複数の文書表示用ファイルとは、XML文書などの構造化文書をXHTML文書に変換して表示するための定義を記述したファイルであってもよいし、SVG文書に変換して表示するファイル、MathML文書に変換して表示するファイルなどであってもよい。また、文書表示用ファイルは、XML文書などの構造化文書を表示するためのプラグインなどの実行形式のプログラムファイルであってもよく、例えば、XHTML文書を表示するためのプラグイン、SVG文書を表示するためのプラグイン、MathML文書を表示するためのプラグインなどであってもよい。
また、本文書処理装置は、前記名前空間特定部において、前記文書から所定の条件に基づいたキーワードを抽出し、それをもとに前記名前空間の候補の絞込みを行い、前記名前空間の候補に対応した前記複数の文書表示用ファイルを適用してもよく、前記キーワードと前記名前空間との対応関係に係る情報を記憶し、前記名前空間特定部が前記名前空間の候補の絞込みを行う際に参照される、名前空間情報格納部をさらに備えてもよい。ここでキーワードとは文書内に記述された要素名(タグ名)または属性名など、名前空間を推し量ることのできるものでよい。
前記名前空間情報格納部は、過去に処理した文書に含まれる構成要素が属する名前空間と、その文書に含まれるキーワードとの対応関係に係る情報を逐次記憶してもよい。
本発明の別の態様は、文書処理方法に関する。この文書処理方法は、マークアップ言語により記述された文書に含まれる構成要素が属する名前空間を検出するステップと、正確な名前空間が検出されなかった際に、複数の文書表示用ファイルを適用して表示を行うステップと、それらの画面表示に対するユーザによる選択指示を受け付けることにより前記名前空間を特定するステップと、を含み、検出または特定された前記名前空間に基づき、前記文書を表示し、ユーザによる前記文書の編集を受け付けることを特徴とする。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現をシステム、記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、構造化文書の適切な処理を支援する技術を提供することができる。
前提技術に係る文書処理装置の構成を示す図である。 処理対象となるXML文書の例を示す図である。 図2に示したXML文書をHTMLで記述された表にマッピングする例を示す図である。 図2に示したXML文書を図3に示した表にマッピングするための定義ファイルの例を示す図である。 図2に示したXML文書を図3に示した表にマッピングするための定義ファイルの例を示す図である。 図2に示した成績管理ボキャブラリで記述されたXML文書を、図3に示した対応によりHTMLにマッピングして表示した画面の例を示す図である。 ユーザが定義ファイルを生成するために、定義ファイル生成部がユーザに提示するグラフィカルユーザインターフェースの例を示す図である。 定義ファイル生成部により生成された画面レイアウトの他の例を示す図である。 文書処理装置によるXML文書の編集画面の一例を示す図である。 文書処理装置により編集されるXML文書の他の例を示す図である。 図9に示した文書を表示した画面の例を示す図である。 実施例に係る文書処理装置の構成を示す図である。 名前空間を特定する手順を示すフローチャートである。 文書表示候補を表示した画面の例を示す図である。 文書表示候補を表示した画面の別の例を示す図である。 タグ名と名前空間の対応付けを示すテーブルの構成例を示す図である。
符号の説明
20 文書処理装置、22 主制御ユニット、24 編集ユニット、30 DOMユニット、32 DOM提供部、34 DOM生成部、36 出力部、40 CSSユニット、42 CSS解析部、44 CSS提供部、46 レンダリング部、50 HTMLユニット、52,62 制御部、54,64 編集部、56,66 表示部、60 SVGユニット、72 文書取得部、74 名前空間URI取得部、76 定義ファイル名生成部、80 VCユニット、82 マッピング部、84 定義ファイル取得部、86 定義ファイル生成部、300 文書処理装置、310 名前空間検出部、312 名前空間特定部、314 候補画面表示部、316 名前空間情報格納部。
以下、本発明の前提となる技術の説明を行った上で、本実施例の詳細を説明する。
(前提技術)
図1は、前提技術に係る文書処理装置20の構成を示す。文書処理装置20は、文書内のデータが階層構造を有する複数の構成要素に分類された構造化文書を処理するが、本前提技術では構造化文書の一例としてXML文書を処理する例について説明する。文書処理装置20は、主制御ユニット22、編集ユニット24、DOMユニット30、CSSユニット40、HTMLユニット50、SVGユニット60、及び変換部の一例であるVCユニット80を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
主制御ユニット22は、プラグインのロードや、コマンド実行のフレームワークを提供する。編集ユニット24は、XML文書を編集するためのフレームワークを提供する。文書処理装置20における文書の表示及び編集機能は、プラグインにより実現されており、文書の種別に応じて必要なプラグインが主制御ユニット22又は編集ユニット24によりロードされる。主制御ユニット22又は編集ユニット24は、処理対象となるXML文書の名前空間を参照して、XML文書がいずれのボキャブラリにより記述されているかを判別し、そのボキャブラリに対応した表示又は編集用のプラグインをロードして表示や編集を実行させる。例えば、文書処理装置20には、HTML文書の表示及び編集を行うHTMLユニット50、SVG文書の表示及び編集を行うSVGユニット60など、ボキャブラリ(タグセット)ごとに表示系及び編集系がプラグインとして実装されており、HTML文書を編集するときはHTMLユニット50が、SVG文書を編集するときはSVGユニット60が、それぞれロードされる。後述するように、HTMLとSVGの双方の構成要素を含む複合文書が処理対象となっている場合は、HTMLユニット50とSVGユニット60の双方がロードされる。
このような構成によれば、ユーザは、必要な機能のみを選択してインストールし、後から適宜機能を追加又は削除することができるので、プログラムを格納するハードディスクなどの記録媒体の記憶領域を有効に活用することができ、また、プログラム実行時にも、メモリの浪費を防ぐことができる。また、機能拡張性に優れており、開発主体としても、プラグインの形で新たなボキャブラリに対応することが可能なので開発が容易となり、ユーザとしても、プラグインの追加により容易かつ低コストにて機能を追加することができる。
編集ユニット24は、ユーザインターフェースを介してユーザから編集指示のイベントを受け付け、そのイベントを適切なプラグインなどに通知するともに、イベントの再実行(リドゥ)又は実行の取消(アンドゥ)などの処理を制御する。
DOMユニット30は、DOM提供部32、DOM生成部34、及び出力部36を含み、XML文書をデータとして扱うときのアクセス方法を提供するために定められた文書オブジェクトモデル(Document Object Model:DOM)に準拠した機能を実現する。DOM提供部32は、編集ユニット24に定義されているインタフェースを満たすDOMの実装である。DOM生成部34は、XML文書からDOMツリーを生成する。後述するように、処理対象となるXML文書が、VCユニット80により他のボキャブラリにマッピングされる場合は、マッピング元のXML文書に対応するソースツリーと、マッピング先のXML文書に対応するデスティネーションツリーが生成される。出力部36は、例えば編集終了時に、DOMツリーをXML文書として出力する。
CSSユニット40は、CSS解析部42、CSS提供部44、及びレンダリング部46を含み、CSSに準拠した表示機能を提供する。CSS解析部42は、CSSの構文を解析するパーサの機能を有する。CSS提供部44は、CSSオブジェクトの実装であり、DOMツリーに対してCSSのカスケード処理を行う。レンダリング部46は、CSSのレンダリングエンジンであり、CSSを用いてレイアウトされるHTMLなどのボキャブラリで記述された文書の表示に用いられる。
HTMLユニット50は、HTMLにより記述された文書を表示又は編集する。SVGユニット60は、SVGにより記述された文書を表示又は編集する。これらの表示/編集系は、プラグインの形で実現されており、それぞれ、文書を表示する表示部(Canvas)56、66、編集指示を含むイベントを送受信する制御部(Editlet)52、62、編集コマンドを受けてDOMに対して編集を行う編集部(Zone)54、64を備える。制御部52又は62が外部からDOMツリーの編集コマンドを受け付けると、編集部54又は64がDOMツリーを変更し、表示部56又は66が表示を更新する。これらは、MVC(Model-View-Controller)と呼ばれるフレームワークに類似する構成をとっており、概ね、表示部56及び66が「View」に、制御部52及び62が「Controller」に、編集部54及び64とDOMの実体が「Model」に、それぞれ対応する。本前提技術の文書処理装置20では、XML文書をツリー表示形式で編集するだけでなく、それぞれのボキャブラリに応じた編集を可能とする。例えば、HTMLユニット50は、HTML文書をワードプロセッサに類似した方式で編集するためのユーザインターフェースを提供し、SVGユニット60は、SVG文書を画像描画ツールに類似した方式で編集するためのユーザインターフェースを提供する。
VCユニット80は、マッピング部82、定義ファイル取得部84、及び定義ファイル生成部86を含み、あるボキャブラリにより記述された文書を、他のボキャブラリにマッピングすることにより、マッピング先のボキャブラリに対応した表示編集用プラグインで文書を表示又は編集するためのフレームワークを提供する。本前提技術では、この機能を、ボキャブラリコネクション(Vocabulary Connection:VC)と呼ぶ。定義ファイル取得部84は、マッピングの定義を記述したスクリプトファイルを取得する。この定義ファイルは、ノードごとに、ノード間の対応(コネクション)を記述する。このとき、各ノードの要素値や属性値の編集の可否を指定してもよい。また、ノードの要素値や属性値を用いた演算式を記述してもよい。これらの機能については、後で詳述する。マッピング部82は、定義ファイル取得部84が取得したスクリプトファイルを参照して、DOM生成部34にデスティネーションツリーを生成させ、ソースツリーとデスティネーションツリーの対応関係を管理する。定義ファイル生成部86は、ユーザが定義ファイルを生成するためのグラフィカルユーザインターフェースを提供する。
VCユニット80は、ソースツリーとデスティネーションツリーの間のコネクションを監視し、表示を担当するプラグインにより提供されるユーザインタフェースを介してユーザから編集指示を受け付けると、まずソースツリーの該当するノードを変更する。DOMユニット30が、ソースツリーが変更された旨のミューテーションイベントを発行すると、VCユニット80は、そのミューテーションイベントを受けて、ソースツリーの変更にデスティネーションツリーを同期させるべく、変更されたノードに対応するデスティネーションツリーのノードを変更する。デスティネーションツリーを表示/編集するプラグイン、例えばHTMLユニット50は、デスティネーションツリーが変更された旨のミューテーションイベントを受けて、変更されたデスティネーションツリーを参照して表示を更新する。このような構成により、少数のユーザにより利用されるローカルなボキャブラリにより記述された文書であっても、他のメジャーなボキャブラリに変換することで、文書を表示することができるとともに、編集環境が提供される。
文書処理装置20により文書を表示又は編集する動作について説明する。文書処理装置20が処理対象となる文書を読み込むと、DOM生成部34が、そのXML文書からDOMツリーを生成する。また、主制御ユニット22又は編集ユニット24は、名前空間を参照して文書を記述しているボキャブラリを判別する。そのボキャブラリに対応したプラグインが文書処理装置20にインストールされている場合は、そのプラグインをロードして、文書を表示/編集させる。プラグインがインストールされていない場合は、マッピングの定義ファイルが存在するか否かを確認する。定義ファイルが存在する場合、定義ファイル取得部84が定義ファイルを取得し、その定義に従って、デスティネーションツリーが生成され、マッピング先のボキャブラリに対応するプラグインにより文書が表示/編集される。複数のボキャブラリを含む複合文書である場合は、後述するように、それぞれのボキャブラリに対応したプラグインにより、文書の該当箇所がそれぞれ表示/編集される。定義ファイルが存在しない場合は、文書のソース又はツリー構造を表示し、その表示画面において編集が行われる。
図2は、処理対象となるXML文書の例を示す。このXML文書は、生徒の成績データを管理するために用いられる。XML文書のトップノードである構成要素「成績」は、配下に、生徒ごとに設けられた構成要素「生徒」を複数有する。構成要素「生徒」は、属性値「名前」と、子要素「国語」、「数学」、「理科」、「社会」を有する。属性値「名前」は、生徒の名前を格納する。構成要素「国語」、「数学」、「理科」、「社会」は、それぞれ、国語、数学、理科、社会の成績を格納する。例えば、名前が「A」である生徒の国語の成績は「90」、数学の成績は「50」、理科の成績は「75」、社会の成績は「60」である。以下、この文書で使用されているボキャブラリ(タグセット)を、「成績管理ボキャブラリ」と呼ぶ。
本前提技術の文書処理装置20は、成績管理ボキャブラリの表示/編集に対応したプラグインを有しないので、この文書をソース表示、ツリー表示以外の方法で表示するためには、前述したVC機能が用いられる。すなわち、成績管理ボキャブラリを、プラグインが用意された別のボキャブラリ、例えば、HTMLやSVGなどにマッピングするための定義ファイルを用意する必要がある。ユーザ自身が定義ファイルを作成するためのユーザインターフェースについては後述することにして、ここでは、既に定義ファイルが用意されているとして説明を進める。
図3は、図2に示したXML文書をHTMLで記述された表にマッピングする例を示す。図3の例では、成績管理ボキャブラリの「生徒」ノードを、HTMLにおける表(「TABLE」ノード)の行(「TR」ノード)に対応づけ、各行の第1列には属性値「名前」を、第2列には「国語」ノードの要素値を、第3列には「数学」ノードの要素値を、第4列には「理科」ノードの要素値を、第5列には「社会」ノードの要素値を、それぞれ対応付ける。これにより、図2に示したXML文書を、HTMLの表形式で表示することができる。また、これらの属性値及び要素値は、編集可能であることが指定されており、ユーザがHTMLによる表示画面上で、HTMLユニット50の編集機能により、これらの値を編集することができる。第6列には、国語、数学、理科、社会の成績の加重平均を算出する演算式が指定されており、生徒の成績の平均点が表示される。このように、定義ファイルに演算式を指定可能とすることにより、より柔軟な表示が可能となり、編集時のユーザの利便性を向上させることができる。なお、第6列は、編集不可であることが指定されており、平均点のみを個別に編集することができないようにしている。このように、マッピング定義において、編集の可否を指定可能とすることにより、ユーザの誤操作を防ぐことができる。
図4(a)及び図4(b)は、図2に示したXML文書を図3に示した表にマッピングするための定義ファイルの例を示す。この定義ファイルは、定義ファイル用に定義されたスクリプト言語により記述される。定義ファイルには、コマンドの定義と、表示のテンプレートが記述されている。図4(a)(b)の例では、コマンドとして、「生徒の追加」と「生徒の削除」が定義されており、それぞれ、ソースツリーにノード「生徒」を挿入する操作と、ソースツリーからノード「生徒」を削除する操作が対応付けられている。また、テンプレートとして、表の第1行に「名前」、「国語」などの見出しが表示され、第2行以降に、ノード「生徒」の内容が表示されることが記述されている。ノード「生徒」の内容を表示するテンプレート中、「text-of」と記述された項は「編集可能」であることを意味し、「value-of」と記述された項は「編集不可能」であることを意味する。また、ノード「生徒」の内容を表示する行のうち、第6列には、「(src:国語 + src:数学 + src:理科 + src:社会) div 4」という計算式が記述されており、生徒の成績の平均が表示されることを意味する。
図5は、図2に示した成績管理ボキャブラリで記述されたXML文書を、図3に示した対応によりHTMLにマッピングして表示した画面の例を示す。表90の各行には、左から、各生徒の名前、国語の成績、数学の成績、理科の成績、社会の成績、及び平均点が表示されている。ユーザは、この画面上で、XML文書を編集することができる。たとえば、第2行第3列の値を「70」に変更すると、このノードに対応するソースツリーの要素値、すなわち、生徒「B」の数学の成績が「70」に変更される。このとき、VCユニット80は、デスティネーションツリーをソースツリーに追従させるべく、デスティネーションツリーの該当箇所を変更し、HTMLユニット50が、変更されたデスティネーションツリーに基づいて表示を更新する。したがって、画面上の表においても、生徒「B」の数学の成績が「70」に変更され、更に、平均点が「55」に変更される。
図5に示した画面には、図4(a)(b)に示した定義ファイルに定義されたように、「生徒の追加」及び「生徒の削除」のコマンドがメニューに表示される。ユーザがこれらのコマンドを選択すると、ソースツリーにおいて、ノード「生徒」が追加又は削除される。このように、本前提技術の文書処理装置20では、階層構造の末端の構成要素の要素値を編集するのみではなく、階層構造を編集することも可能である。このようなツリー構造の編集機能は、コマンドの形でユーザに提供されてもよい。また、例えば、表の行を追加又は削除するコマンドが、ノード「生徒」を追加又は削除する操作に対応づけられてもよい。また、他のボキャブラリを埋め込むコマンドがユーザに提供されてもよい。この表を入力用テンプレートとして、穴埋め形式で新たな生徒の成績データを追加することもできる。以上のように、VC機能により、HTMLユニット50の表示/編集機能を利用しつつ、成績管理ボキャブラリで記述された文書を編集することが可能となる。
図6は、ユーザが定義ファイルを生成するために、定義ファイル生成部86がユーザに提示するグラフィカルユーザインタフェースの例を示す。画面左側の領域91には、マッピング元のXML文書がツリー表示されている。画面右側の領域92には、マッピング先のXML文書の画面レイアウトが示されている。この画面レイアウトは、HTMLユニット50により編集可能となっており、ユーザは、画面右側の領域92において、文書を表示するための画面レイアウトを作成する。そして、例えば、マウスなどのポインティングデバイスにより、画面左側の領域91に表示されたマッピング元のXML文書のノードを、画面右側の領域92に表示されたHTMLによる画面レイアウト中へドラッグ&ドロップ操作を行うことにより、マッピング元のノードと、マッピング先のノードとのコネクションが指定される。例えば、要素「生徒」の子要素である「数学」を、HTML画面の表90の第1行第3列にドロップすると、「数学」ノードと、3列目の「TD」ノードの間にコネクションが張られる。各ノードには、編集の可否が指定できるようになっている。また、表示画面中には、演算式を埋め込むこともできる。画面の編集が終わると、定義ファイル生成部86は、画面レイアウトとノード間のコネクションを記述した定義ファイルを生成する。
XHTML、MathML、SVGなどの主要なボキャブラリに対応したビューワやエディタは既に開発されているが、図2に示した文書のようなオリジナルなボキャブラリで記述された文書に対応したビューワやエディタを開発するのは現実的でない。しかし、上記のように、他のボキャブラリにマッピングするための定義ファイルを作成すれば、ビューワやエディタを開発しなくても、VC機能を利用して、オリジナルなボキャブラリで記述された文書を表示・編集することができる。
図7は、定義ファイル生成部86により生成された画面レイアウトの他の例を示す。図7の例では、成績管理ボキャブラリで記述されたXML文書を表示するための画面に、表90と、円グラフ93が作成されている。この円グラフ93は、SVGにより記述される。後述するように、本前提技術の文書処理装置20は、一つのXML文書内に複数のボキャブラリを含む複合文書を処理することができるので、この例のように、HTMLで記述された表90と、SVGで記述された円グラフ93とを、一つの画面上に表示することができる。
図8は、文書処理装置20によるXML文書の編集画面の一例を示す。図8の例では、一つの画面が複数に分割されており、それぞれの領域において、処理対象となるXML文書を異なる複数の表示形式により表示している。領域94には、文書のソースが表示されており、領域95には、文書のツリー構造が表示されており、領域96には、図5に示したHTMLにより記述された表が表示されている。これらのいずれの画面上においても、文書の編集が可能であり、いずれかの画面上でユーザが編集を行うと、ソースツリーが変更され、それぞれの画面の表示を担当するプラグインが、ソースツリーの変更を反映すべく画面を更新する。具体的には、ソースツリーの変更を通知するミューテーションイベントのリスナーとして、それぞれの編集画面の表示を担当するプラグインの表示部を登録しておき、いずれかのプラグイン又はVCユニット80によりソースツリーが変更されたときに、編集画面を表示中の全ての表示部が、発行されたミューテーションイベントを受け取って画面を更新する。このとき、プラグインがVC機能により表示を行っている場合は、VCユニット80がソースツリーの変更に追従してデスティネーションツリーを変更した後、変更されたデスティネーションツリーを参照してプラグインの表示部が画面を更新する。
例えば、ソース表示及びツリー表示を、専用のプラグインにより実現している場合は、ソース表示用プラグインとツリー表示用プラグインは、デスティネーションツリーを用いず、直接ソースツリーを参照して表示を行う。この場合、いずれかの画面において編集が行われると、ソース表示用プラグインとツリー表示用プラグインは、変更されたソースツリーを参照して画面を更新し、領域96の画面を担当しているHTMLユニット50は、ソースツリーの変更に追従して変更されたデスティネーションツリーを参照して画面を更新する。
ソース表示及びツリー表示は、VC機能を利用して実現することもできる。すなわち、ソース、ツリー構造をHTMLによりレイアウトし、そのHTMLにXML文書をマッピングして、HTMLユニット50により表示してもよい。この場合、ソース形式、ツリー形式、表形式の3つのデスティネーションツリーが生成されることになる。いずれかの画面において編集が行われると、VCユニット80は、ソースツリーを変更した後、ソース形式、ツリー形式、表形式の3つのデスティネーションツリーをそれぞれ変更し、HTMLユニット50は、それらのデスティネーションツリーを参照して、3つの画面を更新する。
このように、一つの画面上に複数の表示形式で文書を表示することにより、ユーザの利便性を向上させることができる。例えば、ユーザは、ソース表示又はツリー表示により文書の階層構造を把握しつつ、表90などを用いて視覚的に分かりやすい形式で文書を表示し、編集することができる。上記の例では、一つの画面を分割して複数の表示形式による画面を同時に表示したが、一つの画面に一つの表示形式による画面を表示し、表示形式をユーザの指示により切り替え可能としてもよい。この場合、主制御ユニット22が、ユーザから表示形式の切り替え要求を受け付け、各プラグインに指示して表示を切り替える。
図9は、文書処理装置20により編集されるXML文書の他の例を示す。図9に示したXML文書では、SVG文書の「foreignObject」タグの中にXHTML文書が埋め込まれており、さらに、XHTML文書の中にMathMLで記述された数式が入っている。このような場合、編集ユニット24が、名前空間を参照して、適切な表示系に描画作業を振り分ける。図9の例では、編集ユニット24は、まず、SVGユニット60に四角形を描画させ、つづいて、HTMLユニット50にXHTML文書を描画させる。さらに、図示しないMathMLユニットに、数式を描画させる。こうして、複数のボキャブラリを包含する複合文書が適切に表示される。表示結果を図10に示す。
文書編集中、カーソル(キャリッジ)の位置に応じて、表示されるメニューを切り替えてもよい。すなわち、カーソルが、SVG文書が表示された領域内に存在するときは、SVGユニット60が提供するメニュー、又はSVG文書をマッピングするための定義ファイルに定義されたコマンドを表示し、カーソルが、XHTML文書が表示された領域内に存在するときは、HTMLユニット50が提供するメニュー、又はXHTML文書をマッピングするための定義ファイルに定義されたコマンドを表示する。これにより、編集位置に応じて適切なユーザインターフェースを提供することができる。
複合文書において、あるボキャブラリに対応する適切なプラグイン又はマッピング定義ファイルがなかった場合は、そのボキャブラリにより記述された部分は、ソース表示又はツリー表示されてもよい。従来、ある文書に他の文書を埋め込んだ複合文書を開くとき、埋め込まれた文書を表示するアプリケーションがインストールされていないと、その内容を表示することができなかったが、本前提技術では、表示用のアプリケーションが存在しなくても、テキストデータにより構成されたXML文書をソース表示又はツリー表示することにより内容を把握することができる。これは、テキストベースであるXMLなどの文書ならではの特徴といえる。
データがテキストベースで記述されることの他の利点として、例えば、複合文書中の、あるボキャブラリにより記述される部分において、同一文書内の他のボキャブラリで記述された部分のデータを参照してもよい。また、文書内で検索を実行する時に、SVGなどの図に埋め込まれた文字列も検索対象とすることができる。
あるボキャブラリにより記述された文書内に、他のボキャブラリのタグを用いてもよい。このXML文書は、妥当(valid)ではないが、整形式(well-formed)であれば、有効なXML文書として処理可能である。この場合、挿入された他のボキャブラリのタグは、定義ファイルによりマッピングされてもよい。例えば、XHTML文書中に、「重要」、「最重要」などのタグを使用し、これらのタグで囲まれた部分を強調表示してもよいし、重要度の順にソートして表示してもよい。
図10に示した編集画面において、ユーザにより文書が編集されると、編集された部分を担当するプラグイン又はVCユニット80がソースツリーを変更する。ソースツリーには、ノードごとにミューテーションイベントのリスナーを登録できるようになっており、通常は、各ノードが属するボキャブラリに対応したプラグインの表示部又はVCユニット80がリスナーとして登録される。DOM提供部32は、ソースツリーが変更されると、変更されたノードから上位の階層へたどって、登録されたリスナーがあれば、そのリスナーへミューテーションイベントを発行する。例えば、図9に示した文書において、<html>ノードの下位のノードが変更された場合、<html>ノードにリスナーとして登録されたHTMLユニット50にミューテーションイベントが通知されるとともに、その上位の<svg>ノードにリスナーとして登録されたSVGユニット60にもミューテーションイベントが通知される。このとき、HTMLユニット50は、変更されたソースツリーを参照して表示を更新する。SVGユニット60は、自身のボキャブラリに属するノードが変更されていないので、ミューテーションイベントを無視してもよい。
編集の内容によっては、HTMLユニット50による表示の更新に伴って、全体のレイアウトが変わる可能性がある。この場合は、画面のレイアウトを管理する構成、例えば最上位のノードの表示を担当するプラグインにより、プラグインごとの表示領域のレイアウトが更新される。例えば、HTMLユニット50による表示領域が以前より大きくなった場合、HTMLユニット50は、まず自身の担当する部分を描画して、表示領域の大きさを決定する。そして、画面のレイアウトを管理する構成に、変更後の表示領域の大きさを通知し、レイアウトの更新を依頼する。画面のレイアウトを管理する構成は、通知を受けて、プラグインごとの表示領域を再レイアウトする。こうして、編集された部分の表示が適切に更新されるとともに、画面全体のレイアウトが更新される。
以上の前提技術をもとに、以下実施の形態の詳細について説明する。
(実施の形態)
本発明の実施の形態における文書処理装置は、上述の前提技術を基礎として構成されており、前提技術における文書処理装置は基本的に本実施の形態の文書処理装置の一部に含まれるものとする。また本実施の形態では、構造化文書の一例としてXMLで構造化された文書ファイルを処理する例について説明する。
図11は、本実施の形態に係る文書処理装置300を示す。本図において図1と同一の符号を付した構成は、図1で説明した構成と同一または同様の機能を有する。本実施の形態に係る文書処理装置300において図1に記載のない構成として、主制御ユニット110は、名前空間検出部310と名前空間特定部312とを備え、名前空間情報格納部316に接続されている。名前空間特定部312は候補画面表示部314を備えている。名前空間検出部310は、処理対象となるXML文書を読込み、名前空間を識別するための情報、例えば名前空間URIが記述されている行を検出する。名前空間を識別するための情報が検出されなかった場合、または検出された名前URIが誤りであった場合など、正確な名前空間が識別できなかったとき、名前空間特定部312は、その旨の信号を名前空間検出部310より受け取り、名前空間候補の絞込みおよび特定を行う。候補画面表示部314は、候補となった名前空間のそれぞれに対し、そのボキャブラリに対応したプラグインをロードして表示を行うとともに、それらの表示のいずれを選択するかの指示をユーザより受け付ける。名前空間情報格納部316には、名前空間を導出するためのキーとなる文字列、例えば文書内部に記述されている要素名(タグ名)や属性名などと、名前空間との対応関係を表す情報をあらかじめ格納しておく。対応関係を表す情報については後述するが、例えば、タグ名「html」に対して、名前空間URI「http://www.w3.org/1999/xhtml」を対応付けたテーブルなどである。
図12は名前空間特定部312において、名前空間の候補を絞り込み、最終的に名前空間を特定する手順を示すフローチャートである。まず、名前空間検出部310より、処理対象のXML文書中に正確な名前空間を識別できなかった旨の信号を受け取ると(S10)、XML文書中に記載されているタグ名の抽出を行う(S20)。ここでの抽出はタグ名以外に属性名でもよい。以後、それらのキーワードを代表して、タグ名を用いて説明を行う。抽出されたタグ名をもとに、名前空間情報格納部316を参照し、後述するような所定の手法により名前空間の検索を行う(S30)。検索は、抽出された全てのタグ名に対して行ってもよい。検出された名前空間候補に基づき、そのボキャブラリに対応したプラグインをロードし(S40)、それぞれの表示形式で表示を行う(S50)。名前空間候補は、例えば前述の名前空間の検索において確率が判明した場合に、確率の上位3つを名前空間候補とするなど、所定の規則に従い絞込みを行ってもよい。その後、それらの表示に対するユーザからの選択指示を受け取り(S60)、ユーザが選択した表示形式のプラグインに対応した名前空間を、適切な名前空間として特定する(S70)。S30にて唯一の名前空間が検出されたときも、同様にプラグインをロードし表示を行うことにより、ユーザが最終確認できるようにしてもよい。
名前空間候補の絞込みに用いられるキーワードは、例えば処理対象となるXML文書のファイル名に含まれる拡張子などでもよく、タグ名、属性名などとの組み合わせでもよい。
また、S30においてタグ名に対応した名前空間が検出されなかった場合は、XML文書のソースやツリー構造を、候補画面表示部314にて表示するようにしてもよい。その際、名前空間が検出されない旨の表示をユーザに対して行ってもよく、ユーザが名前空間URIを挿入するなどXML文書を直接修正できるようにしてもよい。
図13および図14は、候補画面表示部314にて文書表示候補を表示した画面の例を示している。図13は、同時に候補となる全てのプラグインを適用し、350に第1の候補、352に第2の候補、354に第3の候補、というように横に並べて表示させた場合である。候補となるプラグインの数が多い場合は、スクロールバー356でスクロールできるようにしてもよい。図14は、候補となる画面を一つずつ表示していく場合である。まずは第1候補の名前空間についてプラグインを適用し360に表示し、ユーザが次候補ボタン362をクリックすると、第2候補の名前空間についてプラグインを適用し360に表示を行う、といった具合に、ユーザの指示に従いプラグインを適用していく。どちらの場合においても、ユーザは、適切なプラグインを適用した画面上でダブルクリックしたり、決定ボタン364を押すなどして選択を行う。
以上の構成により、名前空間を識別する情報の記載がなかったり、誤記があったりしたXML文書を処理したときでも、自動的に名前空間の絞込みを行いユーザに提示できるため、ユーザが文書中、名前空間のない箇所を捜索したり、名前空間の検索などを自ら行ったりする手間をかけることなく、文書処理を続行させることができる。従って処理にかかる時間的コストが軽減される。さらに本実施の形態は、このようなXML文書を読込んだときに発生しがちなシステムダウンを回避する措置としても位置づけられ、ユーザは実際に目で確認して復旧処理を完了させることができるため、理解し易く、親しみやすい文書処理装置となる。
本実施の形態の前提技術では、XML文書のボキャブラリに対応した定義ファイルに基づき、VC機能を用いてXML文書をHTMLやSVGなどにマッピングすることによって、マッピング先のプラグインを利用して文書の表示、編集を可能とした。
図12ではXML文書内で名前空間を推定できるタグ名から名前空間候補を選定し、それぞれのボキャブラリに対応したプラグインによって文書の表示を行ったが、XML文書中に定義ファイルが宣言されている場合は、それを利用してマッピングを行い、文書の表示、編集を行うことができる。そして、当該文書が複合文書であり、他に名前空間を識別できないボキャブラリが存在するときは、前述のごとくその部分のタグ名から名前空間候補を選定し、表示を行うことによって、ユーザに選択させてもよい。
名前空間を検索する手法としては、ルールベースの手法または、SVMやベイズの定理などの確率的手法を用いてもよい。図15は名前空間情報格納部316において格納されるテーブルの簡単な例として、ルールベースによる検索で参照される第1層のタグ名と名前空間との対応付けを示すテーブルの構成例400を示す。このテーブルは、タグ名欄400a、名前空間欄400bより構成されている。例えば、処理対象となるXML文書から「html」なる第1層タグ名が抽出された場合、当該文書の名前空間URIは「http://www.w3.org/1999/xhtml」である可能性が高い。同じように、「svg」が抽出されれば「http://www.w3.org/2000/svg」が、「math」が抽出されれば「http://www.w3.org/1999/Math/MathML」が、名前空間URIである可能性が高い。ユーザまたはシステム構築者は、このようなテーブルをあらかじめ作成し、名前空間情報格納部316に格納する。このようなルールベースの検索手法は、XHTML文書などのように、広く知られた名前空間に属する場合は計算コストの見地からも有効である。検索の確度をあげるために、第1層および第2層など、複数層のタグ名から複合的に検索してもよい。
一方、確率的手法では、例えばXHTML文書ではタグ名「p」や「div」が頻出し、MathML文書であればタグ名「mi」や「mo」が頻出するため、タグ名の出現回数に基づき確率計算を行うことができる。確率的手法を用いた名前空間の検索には、あらかじめ名前空間の判明している文書を教師データとして読込ませ、名前空間情報格納部316にそれらの文書の名前空間とその文書内に出現するタグ名およびその出現回数などを記憶させておく。これらの処理はそれぞれ、名前空間検出部310および、名前空間特定部312におけるタグ名抽出機能を利用することができ、それぞれが名前空間情報格納部316にデータ送出を行うことにより実現できる。名前空間を識別できないXML文書を処理する際は、名前空間特定部312において当該文書より抽出されたタグ名と、教師データより抽出され、名前空間情報格納部316に記憶されたタグ名とを照合し、照合先のタグ名が属する名前空間を参照しながら所定の計算を行うことにより、名前空間候補とそれらの確率を取得することができる。タグ名の階層が浅いほど確率に重みを持たせるなどの規則を導入し、確率の精度をあげてもよい。
名前空間を識別する記載があるXML文書を処理した際に、それらを教師データとして名前空間情報格納部316に逐次記憶させてもよい。これにより、ある文書処理装置を使用するユーザの処理内容の傾向に応じた、名前空間情報が蓄積されるとともに、非現実的な対応付けは候補としないなどの措置を行うことができ、名前空間の候補を効率よく絞り込むことができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
実施の形態では、XML文書を処理する例について説明したが、本実施例の文書処理装置300は、他のマークアップ言語、例えば、SGML、HTMLなどで記述された文書も同様に処理可能である。
また、名前空間特定部312では、名前空間候補を絞り込むことなく、インストールすることのできる全てのプラグインをまず適用し、処理対象となる文書のボキャブラリと合致して表示することのできる全ての画面を、候補画面表示部314に表示させてもよい。その後は上述の手法と同様、ユーザからの画面表示選択の指示を受け付けることにより、名前空間を特定してもよい。これにより、名前空間候補の絞込みに対する計算コストが軽減されるため、プラグインの総数が少ない場合などに有効である。同様に、読み出すことのできる、前提技術に基づく定義ファイルを全て適用し、表示することのできる全ての画面一覧より、ユーザからの選択指示を受け付けてもよい。この場合は、あらかじめ、定義ファイルの格納場所を処理内容などに応じて変えておき、定義ファイルを適用させる前に、ユーザによってその参照場所を指定できるようにしてもよい。これにより、適用する定義ファイルの絞込みを行ったのと同様の効果が得られ、名前空間が識別できず、定義ファイルについても宣言がないようなXML文書でも、効率的に表示、編集が可能となる。前提技術に基づく定義ファイルの他にも、XSLT(Extensible Stylesheet Language Transformations)やその他のXML表示用スクリプトを適用してみて、表示が行えるようであれば、変換先のボキャブラリに対応した名前空間であると判断することができ、その名前空間に対応したプラグインによって、処理対象であるXML文書の表示、編集が可能となる。
本発明は、構造化文書を処理する文書処理装置に利用することができる。

Claims (6)

  1. 特定の名前空間に属する構成要素を含む文書を表示し、ユーザによる編集を受け付ける1以上の処理系と、
    マークアップ言語により記述された文書に含まれる構成要素が属する名前空間を検出する名前空間検出部と、
    前記名前空間検出部において前記構成要素が属する名前空間が検出されなかった際に、前記1以上の処理系により前記構成要素を含む文書を表示させ、それらの画面表示の中からユーザによる選択指示を受け付け、選択された処理系に対応する名前空間を前記構成要素が属する名前空間として特定する名前空間特定部と、
    を備え、
    前記名前空間検出部または前記名前空間特定部において特定された前記名前空間に対応した処理系により、前記文書を表示し、ユーザによる前記文書の編集を受け付けることを特徴とする文書処理装置。
  2. 前記名前空間とそれに対応するキーワードとの対応関係に係る情報を記憶する名前空間情報格納部をさらに備え、
    前記名前空間特定部は、前記文書から前記キーワードを抽出し、それをもとに前記名前空間情報格納部を検索して前記名前空間の候補を選定し、前記名前空間の候補に対応した処理系に前記文書を表示させることを特徴とする請求項1に記載の文書処理装置。
  3. 前記キーワードは、前記構成要素の要素名または属性名であることを特徴とする請求項2に記載の文書処理装置。
  4. 前記名前空間情報格納部は、過去に処理した文書に含まれる構成要素が属する名前空間と、その文書に含まれるキーワードとの対応関係に係る情報を逐次記憶していくことを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の文書処理装置。
  5. コンピュータに備えられた名前空間検出部が、マークアップ言語により記述された文書に含まれる構成要素が属する名前空間を検出するステップと、
    コンピュータに備えられた名前空間特定部が、前記構成要素が属する名前空間が検出されなかった際に、特定の名前空間に属する構成要素を含む文書を表示し、ユーザによる編集を受け付ける1以上の処理系により前記構成要素を含む文書を表示させるステップと、
    前記名前空間特定部が、それらの画面表示の中からユーザによる選択指示を受け付け、選択された処理系に対応する名前空間を前記構成要素が属する名前空間として特定するステップと、
    を含み、
    検出または特定された前記名前空間に対応した処理系により、前記文書を表示し、ユーザによる前記文書の編集を受け付けることを特徴とする文書処理方法。
  6. マークアップ言語により記述された文書に含まれる構成要素が属する名前空間を検出する機能と、
    前記構成要素が属する名前空間が検出されなかった際に、特定の名前空間に属する構成要素を含む文書を表示し、ユーザによる編集を受け付ける1以上の処理系により前記構成要素を含む文書を表示させる機能と、
    それらの画面表示の中からユーザによる選択指示を受け付け、選択された処理系に対応する名前空間を前記構成要素が属する名前空間として特定する機能と、
    検出または特定された前記名前空間に対応した処理系により、前記文書を表示し、ユーザによる前記文書の編集を受け付ける機能と、
    をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
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