JP2006138691A - 漏洩電流検出方法及び漏洩電流検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電力供給システムに於ける漏洩電流検出方法及び漏洩電流検出装置に関し、ZCTの検出信号のみを用いて、抵抗性漏洩電流を迅速且つ精度良く検出する。
【解決手段】 電力供給システムの接地線に流れる電流を検出するZCTの検出信号のみを入力して、抵抗性漏洩電流を検出処理する漏洩電流検出方法及び漏洩電流検出装置であって、ZCTの検出信号を入力して、周波数情報を抽出し、この周波数情報に従った検出信号のn次の高調波成分についての振幅及び位相のパラメータを含む漏電波形パラメータを抽出する漏電波形パラメータ抽出部2と、漏電波形パラメータと出力パラメータとの誤差分を抽出する誤差抽出部4と、この誤差抽出部4による誤差分を零に近づけるように、出力パラメータを補正処理して漏電経路を含む漏電システム同定処理を行って、抵抗性漏洩電流を推定検出するシステム同定回路部3とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種の電気設備管理分野又は電気工事分野に於ける抵抗性漏電電流を検出する漏電電流検出方法及び漏洩電流検出装置に関する。
各種の電力供給システムに於ける電圧変換の為のトランスの結線構成としては、例えば、図40に示すΔΔ結線があり、VCA,VBC,VABは一次側のA相、B相、C相の相間電圧、IA,IB,ICは各相の電流、EU,EV,EWは各相の電圧、Eu,Ev,Ewは二次側の各相の電圧、Ia,Ib,Icは各相の電流、Vca,Vbc,Vabは相間電圧を示す。
一次側の電圧VCA,VBC,VABは、例えば、6.6kV、二次側の電圧Vca,Vbc,Vabは、例えば、200Vとした構成が一般的である。又図41は、YY結線の構成を示し、図40と同一符号は同一名称部分を示す。又図42は、YY結線の構成に於ける二次側の中性点引き出しの場合を示し、図40及び図41と同一符号は同一名称部分を示し、Vag,Vbg,Vcgは二次側の各相と中性点との間の電圧を示す。
又図43は、一次側をY接続、二次側をΔ接続としたYΔ結線の構成を示し、図40及び図42と同一符号は同一名称部分を示す。又図44は、図43と反対に、一次側をΔ接続、二次側をY接続とした場合を示す。又図45は、一次側と二次側とをV接続したVV結線の構成を示す。又二次側の接続構成として、単相3線式の構成があり、相間200Vと100Vとして給電することができる。又前述の接続構成以外に、千鳥結線、スコット結線、ウッドブリッジ結線、変形ウッドブリッジ結線等がある。又3相と単相との組み合わせ、2線式と3線式と4線式の組み合わせ等の構成がある。
前述の各接続構成に於いて、二次側の絶縁不良等による障害発生を防止する為に、非活線状態で絶縁抵抗測定を行う方式が一般的である。しかし、必ずしも活線状態の絶縁状態を反映するものではない。そこで、活線状態に於ける漏洩電流検出の各種の方式が提案されている。漏洩電流としては、対地間容量や各種コンデンサ接続による容量性漏洩電流と、漏洩抵抗による抵抗性漏洩電流とを含むもので、抵抗性漏洩電流を検出する従来の漏洩電流検出方式は、I0(零相電流)検出方式と、Igr(抵抗性漏洩電流)検出方式とに大別することができる。
I0検出方式は、中性点と大地との間を接続した接地線に流れる零相電流を検出するカレントトランス構成のZCTセンサを設けるか、又は任意の相と大地との間を接続した接地線に流れる電流を検出するカレントトランス構成のZCTセンサを設けて、漏洩電流を検出するものである。又Igr検出方式は、所定の周波数の信号を注入する注入トランスを設け、注入した信号を検出するIgr1方式と、ZCTセンサにより検出した零相電流に対して、基準電圧位相を用いて判定を行うIgr2方式とが知られている(例えば、特許文献1〜特許文献16参照)。
実公平6−105276号公報 特開平6−43196号公報 特開2001−242205号公報 特開平5−180885号公報 実開平6−57037号公報 特開2000−74979号公報 特開2002−131362号公報 特開2001−215247号公報 特開2001−165971号公報 特開平8−182179号公報 特開平8−182180号公報 特開平10−10184号公報 特開平10−78462号公報 特開平10−339757号公報 実開平7−29477号公報 特開2002−125313号公報
電力供給システムに於いては、前述のように、トランスの接続構成としては、各種の接続構成が適用されており、それらの何れの構成に於いても、絶縁不良や地絡等による漏洩電流が発生した場合、その漏洩電流を迅速に検出して、電力供給を遮断する等により、火災発生等を回避することが必要である。その為、前述のように、各種の手段が提案されている。しかし、従来の漏洩電流検出の検出手段に対して、無停電で漏洩電流検出装置の設置を可能とし、基準電圧の取り込み等を不要とすると共に、次の第一乃至第三の課題を解決することが必要である。
第一の課題は、抵抗性漏洩電流の検出の高精度化である。
従来のI0方式は、容量性漏洩電流と抵抗性漏洩電流のトータルを見ている為、正確な抵抗性漏洩電流の検出が困難であった。又従来のIgr1方式では、信号を注入する方式であって、実際の漏洩電流を検出しているものではないから、検出精度は低いものであった。又従来のIgr2方式では、基準電圧位相を外部から取り込む方式の為、接地相の僅かな劣化に伴う基準電圧位相のずれにより、正確な抵抗性漏洩電流の検出が困難であった。更に従来のIgr2方式では、大半が、容量性漏洩電流が平衡であるということを前提に設計されているものであるから、容量性漏洩電流が不平衡な環境や、負荷の変動に伴って容量性漏洩電流が不平衡になる環境等では、検出精度が悪化していた。
容量性漏洩電流の不平衡性の増大の背景としては、省エネルギー化の進展による各種装置のインバータ化がある。この各種装置のインバータ化により、各種装置からは高周波雑音成分の発生が増大する。そこで、装置メーカは雑音対策の為、装置と対地間に雑音防止用コンデンサを付加する。結果として、高周波電流は接地相に流れるから、容量性漏洩電流が増大すると共に、負荷の接続状態に伴う不平衡性が増大してきた。
第二の課題が、抵抗性漏洩電流検出の高速化である。
漏電を検出する場合、一般的に検出時限という時間的ガードを設けている。不用意に不要な漏電を通報しないようにする為、並びに必要な情報を確実に通報できるようにする為のものである。これらの時間的ガードは、顧客システムによって異なるから、検出装置としては、予め設定することにより最適化している。具体的な検出時限設定値としては、例えば、10秒/30秒/1分/3分/5分/10分等がある。例えば、検出時限を10秒に設定した場合には、連続して10秒間、漏洩電流が或る一定値を超えないと通報しないようにしている。又これらの検出時限精度は±10%程度となっている。この為、検出に必要な処理時間としては、例えば、検出時限設定が10秒の場合には、±1秒程度(幅で2秒以内)の高速な漏洩電流検出処理が必要となる。一般的に、対象の電路システムを拡大し、更に、高精度を追求すると、処理時間は増大する傾向にあり、これらの処理時間の高速化が第二の課題となる。
第三の課題が、単相/三相の自動切り替えである。
漏洩電流検出対象の電力供給システムは、単相や三相の構成があるが、その場合に、操作性を向上する為には、相切替えの操作を不要とする構成として、取り扱いを容易とすることが要望される。即ち、検出装置の簡便性の追求が第三の課題である。
本発明は、ZCTによる検出信号のみを用いて、前述の第一乃至第三の課題を解決することを目的とする。
本発明の漏洩電流検出方法は、電力供給システムに於ける接地線に流れる電流をZCTにより検出して抵抗性漏洩電流を検出する漏洩電流検出方法に於いて、ZCTの検出信号から前記電力供給システムの周波数情報を抽出し、この周波数情報を基に、ZCTの検出信号の基本波とそのn次高調波の成分の振幅及び位相のパラメータを含む漏電波形パラメータを抽出し、基本波とそのn次高調波の成分の振幅及び位相のパラメータを含む出力パラメータと漏電波形パラメータとの誤差を抽出し、この誤差が最小となるように前記出力パラメータの補正処理を行って漏電システムの同定を行い、この漏電システムの同定収束により、抵抗性漏洩電流を検出する過程を含むものである。
又基本波を除くk次及びn次高調波の成分のk次高調波成分をn倍し、n次高調波成分をk倍して差分を求め、基準位相に関係しない出力パラメータ及び漏電波形パラメータの位相パラメータを出力する過程を含むものである。
又漏電波形パラメータと出力パラメータとの差の振幅誤差と位相誤差とを、抵抗性成分と容量性成分とに分解して、漏電システム同定の係数補正を行う過程を含むものである。
又漏電波形パラメータと出力パラメータとの差分の極性が反転する場合は、漏電波形パラメータの係数補正の制御力を減少させ、同一極性が継続する場合は制御力を増大させる過程を含むものである。
複数種類の漏電システム同定を行い、それぞれの誤差が最小となる漏電システム同定結果を基に、抵抗性漏洩電流を検出する過程を含むものである。
本発明の漏洩電流検出装置は、電力供給システムに於ける接地線に流れる電流を検出するZCTの検出信号のみを入力して、抵抗性漏洩電流を検出処理する漏洩電流検出装置に於いて、ZCTの検出信号を入力して、この検出信号の周波数情報を抽出し、この周波数情報に従った検出信号のn次の高調波成分についての振幅及び位相のパラメータを含む漏電波形パラメータを抽出する漏電波形パラメータ抽出手段と、漏電波形パラメータと出力パラメータとの誤差分を抽出する誤差抽出手段と、この誤差抽出手段による誤差分を零に近づけるように、出力パラメータを補正処理して漏電経路を含む漏電システム同定処理を行って、抵抗性漏洩電流を推定検出するシステム同定手段とを備えている。
又漏電波形パラメータ抽出手段及びシステム同定手段は、基本波を除くk次及びn次高調波の成分のk次高調波成分をn倍した値と、n次高調波成分をk倍した値との差分を、基準位相に関係しない出力パラメータ及び漏電波形パラメータのそれぞれの位相パラメータとして出力する構成を有するものである。
又漏電波形パラメータと出力パラメータとを入力する誤差抽出手段を備え、この誤差抽出手段は、漏電波形パラメータと出力パラメータとの差の振幅誤差と位相誤差とを、抵抗性成分と容量性成分とに分解して、システム同定手段の係数補正として入力する構成を有するものである。
又システム同定手段は、漏電波形パラメータと出力パラメータとの差分の極性と、この極性の変化の有無との判定手段と、この判定手段により極性が反転した時に、漏電波形パラメータの係数補正の制御力を減少させ、極性が同一の継続時は、漏電波形パラメータの係数補正の制御力を増加させる係数補正手段とを有するものである。
又システム同定手段は、複数種類の電力供給システム対応の漏電システム同定を行う複数の同定部を有し、この複数の同定部の出力パラメータと漏電波形パラメータとの誤差が最小となる同定部による漏電システム同定結果を基に抵抗性漏洩電流を検出する手段を備えている。
電力供給システムの三相や単相等の構成情報、周波数情報及び基準位相情報を入力することなく、接地線に流れる電流を検出するZCTの検出信号のみを入力して、抵抗性漏洩電流を検出するものであるから、漏洩電流検出装置を設置する場合に、停電工事を必要としないものであり、又容量性漏洩電流が不平衡な環境及び負荷変動に伴う不平衡状態の変動があっても、漏電波形パラメータと出力パラメータとの誤差分の振幅誤差と位相誤差とを抵抗性成分と容量性成分とに分解して、漏電システム同定を行うことにより、抵抗性漏洩電流の検出精度を向上することが可能となる。又漏電波形パラメータと出力パラメータとの誤差分に応じて、係数補正の制御力を変更することにより、システム同定の収束の高速化を図ることができる。又複数種類の電力供給システム、例えば、三相と単相とに対する漏電システムの同定処理を行い、誤差が小さい方を抵抗性漏洩電流検出の電力供給システムと判定することにより、相切替えの操作を不要とすることができる。
本発明の漏洩電流検出方法は、図1を参照すると、電力供給システムに於ける接地線に流れる電流をZCT1により検出して抵抗性漏洩電流を検出する漏洩電流検出方法に於いて、ZCT1の検出信号を漏電波形パラメータ抽出部2に入力して、電力供給システムの周波数情報を抽出し、この周波数情報を基に、ZCTの検出信号の基本波とそのn次高調波の成分の振幅及び位相のパラメータを含む漏電波形パラメータを抽出し、基本波とそのn次高調波の成分の振幅及び位相のパラメータを含む出力パラメータと漏電波形パラメータとの誤差を、誤差抽出部4により抽出し、この誤差が最小となるように、システム同定回路部3により、その出力パラメータの補正処理を行って漏電システムの同定を行い、この漏電システムの同定収束により、抵抗性漏洩電流を検出する過程を含むものである。
本発明の漏洩電流検出装置は、電力供給システムに於ける接地線に流れる電流を検出するZCTの検出信号のみを入力して、抵抗性漏洩電流を検出処理する漏洩電流検出装置に於いて、ZCT1の検出信号を入力して、この検出信号の周波数情報を抽出し、この周波数情報に従った検出信号のn次の高調波成分についての振幅及び位相のパラメータを含む漏電波形パラメータを抽出する漏電波形パラメータ抽出手段(漏電波形パラメータ抽出部2)と、漏電波形パラメータと出力パラメータとの誤差分を抽出する誤差抽出手段(誤差抽出部4)と、この誤差抽出手段による誤差分を零に近づけるように、出力パラメータを補正処理して漏電経路を含む漏電システム同定処理を行って、抵抗性漏洩電流を推定検出するシステム同定手段(システム同定回路部3)とを備えている。
図1は、本発明の原理説明図であり、1は単一又は複数のZCTセンサZCT1〜ZCTmを有するZCT部、2は振幅と位相情報等の漏電波形パラメータを抽出する漏電波形パラメータ抽出手段としての漏電波形パラメータ抽出部、3はシステム同定手段としてのシステム同定回路部、4はシステム同定過程に於ける漏電波形パラメータと出力パラメータとの誤差分を抽出する誤差抽出手段としての誤差抽出部、5は各種設定/表示制御部を示す。ZCT部1のZCT1〜ZCTmは、電力供給システムのm個のトランス対応の接地線に流れる電流をそれぞれ検出できるように設けた公知の構成を有するものである。このZCT部1の検出信号は漏電波形パラメータ抽出部2に入力され、ZCT部1の検出信号に含まれているn次高調波の振幅/位相/周波数情報を求めて、漏洩電流のシステム同定に必要な漏電波形パラメータ(基本波とそのn次高調波の振幅及び位相のパラメータ)を抽出する。ZCT部1がm個のZCT1〜ZCTmを含む場合は、漏電波形パラメータ抽出部2は、時分割処理により、ZCT対応の検出信号に従った漏電波形パラメータを抽出する手段を含むものである。
又システム同定回路部3は、例えば、三相と単相等の複数種類の電力供給システムに対応した漏電システム同定を行う構成を含み、ZCT部1のZCT1〜ZCTmにより検出した信号が、複数種類の何れの電力供給システムかを判定し、ZCT1〜ZCTm対応の実際の漏洩電流経路を含む漏洩電流システムを、ZCT1〜ZCTm対応に時分割処理により模擬するもので、漏電波形パラメータと、システム同定回路部3により同定した出力パラメータとが一致(誤差抽出部4による抽出出力が零)するように、誤差分をシステム同定回路部3にフィードバックして補正することを繰り返し、収束させることによってシステム同定を行い、同定した漏電システムによる抵抗性漏洩電流を検出し、且つ、システム同定に於ける誤差分を基に、電力供給システムの例えば単相か三相かを判定する。又各種設定/表示制御部5は、抵抗性漏洩電流の検出出力に対する閾値の設定、検出出力の閾値を超えた継続時間の設定等の設定を行うものである。その設定に対応して、抵抗性漏洩電流Igr出力/注意/警戒等の検出信号を出力する。
図2は、本発明を適用した警報システムの説明図であり、工場、オフィスビル、学校、病院等の電力需用家13の受電設備(キュービクル)11に警報検出伝送装置12を設け、この警報検出伝送装置12に於いて、異常検出として漏電検出を行った場合に、この検出信号を、例えば、100Vの電灯線(電力線搬送)又は通信線経由で警備室又は事務所15の警報受信通報装置14に伝送し、自動的或いは警備員により、電話網等を介して監視センタ16に漏電発生通知を送出する。警備員による場合は、ファクシミリ装置FAX又は電話等により監視センタ16に漏電発生通知を送出することもできる。監視センタ16に於いては、緊急出動車17等により保守要員等を急行させて、異常発生箇所の修復を図ることができる。
図3は,ZCT接続説明図であり、例えば、ΔΔ結線のトランスの二次側のa,b,c相の中のb相を接地線により接地し、その接地線に流れる電流を検出する為のカレントトランス構成のZCTを設けた場合を示す。三相の電力供給システムとしては、トランスの二次側がΔ結線の場合、このように、b相接地の構成が一般的である。又ra,rb,rcは、対地間等価抵抗、ca,cb,ccは、対地間等価容量を示す。正常時は、対地間等価抵抗ra,rb,rcは大きい値を示し、従って、抵抗性漏洩電流は無視できる程度の小さい値となる。又対地間等価容量ca,cb,ccは、図示を省略している力率改善用コンデンサ等を含むもので、更に、インバータ機器等による高調波成分が多いことにより、容量性漏洩電流は比較的大きい値を示すことになる。そして、各相の抵抗性漏洩電流のベクトル合成した電流と、各相の容量性漏洩電流のベクトル合成した電流とのベクトル和の電流が接地線に流れるので、これをZCTにより検出する。このZCTの検出信号を漏洩電流検出装置に入力することにより、漏電経路を模擬する漏電システム同定を行って、高精度且つ迅速に、抵抗性漏洩電流を推定検出する。
図4は、図1に示す本発明の構成を、図3に示す構成に適用した漏電検出システムを示し、例として、a,b,c相の三相の中のb相を接地線により接地し、その接地線に流れる電流を検出できるようにZCTを設けた構成に於いて、c相に地絡障害が発生した場合を示す。従って、c相は、抵抗性漏洩電流Igrが流れる対地間等価抵抗と、容量性漏洩電流Igcが流れる対地間等価容量とが接続され、a相は、対地間等価抵抗は無視できる大きさであるから、図示を省略し、容量性漏洩電流Igcが流れる対地間等価容量のみを図示している。又接地線に流れる電流を検出するZCTからの信号を入力する漏洩電流検出装置は、図1に示すように、ZCTに接続された漏電波形パラメータ抽出部2と、システム同定回路部3と、誤差抽出部4と、各種設定/表示制御部5とを含む構成を有し、システム同定回路部3は、誤差抽出部4からの誤差分のフィードバックにより、その誤差分が零に近づくように補正処理して、漏洩経路を含む漏電システム同定を行って、抵抗性漏洩電流Igrを検出する。
又単一のZCTを漏洩電流検出装置に接続した場合を示すが、図1に示すように、複数の電力供給システム対応のZCTを接続することも可能である。又ZCTに近い位置に漏洩電流検出装置を配置した場合を示すが、この漏洩電流検出装置を遠隔地に配置し、ZCTとは各種の伝送方式で知られているネットワークを介して接続することも可能である。又有線ネットワークのみでなく、無線ネットワークを介して接続することも可能である。それぞれのネットワークを介してZCTからの信号を伝送する場合、ZCT対応のアドレス付け等により、伝送方式に従ったフォーマットに従って漏洩電流検出装置に伝送し、漏洩電流検出装置は、それぞれのZCTを識別して、ZCT対応の電力供給システムの抵抗性漏洩電流を検出することもできる。
図5は、単相の場合の抵抗性漏洩電流が2、容量性漏洩電流が2の比率の場合の漏洩電流波形をシミュレーションにより求めた場合を示し、50Hzの3サイクル分であるが、高調波成分が多く、基本周波数の正弦波からは大きく歪んだ波形となる。
図6は、漏洩電流スペクトラムの説明図であり、横軸は周波数[Hz]、縦軸はパワー[dBm]を示し、50Hzの配電地域に於ける0〜500Hzについてのスペクトラムを示す。即ち、50Hzの整数倍の高調波成分が含まれていることが判る。なお、電力供給システムの構成によっては、三次高調波成分が五次高調波成分や七次高調波成分に比較して著しく少ない場合がある。例えば、トランスの二次巻線がΔ結線の場合、三次高調波成分は各相とも同相となり、Δ結線内を巡回する電流となる場合がある。
図7は、一次、三次、五次、七次の高調波成分のスペクトラムについて、地絡パターンの種別対応の一例を示すもので、(a)(‘0200)は、単相で容量性漏洩電流のみの場合、(b)(’1200)は、単相で容量性漏洩電流に抵抗性漏洩電流が加わった場合、(c)(‘0202)は、3相3線式で容量性漏洩電流のみの場合、(d)(’1202)は、3相3線式のa相で抵抗性漏洩電流が加わった場合、(e)(‘0212)は、3相3線式で容量性漏洩電流がa相、c相で発生し、且つc相で抵抗性漏洩電流が発生した場合をそれぞれ示している。又縦軸は、合成パワーを1.0に正規化した一次/三次/五次/七次の高調波のパワーを示している。即ち、各種漏電パターンにより漏洩電流波形が微妙に異なり、且つ、スペクトラムが微妙に異なった形となっている。従って、ZCTからの信号に含まれるn次高調波成分のパワーのパターンにより、抵抗性漏洩電流が含まれているか否かを判定することもできる。
図8は、三次と五次と七次との高調波成分の正規化振幅分布の説明図であり、図7に於ける漏電パターンと同一の漏電パターンについて、三次、五次、七次の高調波成分のパワーを1.0に正規化した場合の振幅分布を示すものである。
図9は、n次高調波成分の合成波形説明図であり、n次高調波成分が大なる場合と小なる場合との漏電波形例を示している。3相3線式に於けるb相接地の場合、容量性漏洩電流がa相,c相の両方で発生し、且つ抵抗性漏洩電流もa相,c相の両方で発生し、一方(左側)は、n次高調波成分が極めて大で、大きく波形が歪んでいる場合を示し、他方(右側)は、n次高調波成分が比較的小さく、波形はあまり歪んでいない場合を示している。この一方の波形と他方の波形とを比較すると、両者は大きく相違する波形となっているが、抵抗性漏洩電流については同じ値の場合を示している。又前述の図6は、実フィールドでの実測波形であるが、n次高調波のレベルは、基本波からすると、約18dB程度低下した波形となっている。
図10は、五次高調波を正規化した時の三次及び七次高調波の振幅分布説明図であり、例えば、五次の高調波のレベルを1.0に正規化した場合に於いて、三次と七次とのパワー値を二次元グラフで示すもので、想定される各種の漏電パターンをプロットしたものであるが、漏電パターンにより、三次と七次との振幅座標位置が特定できることを示している。前述の図9に示す一方と他方との波形についてのシミュレーションも同一の結果が得られた。n次高調波のパワーであるが、漏電の量が同じでも、合成パワー値は、漏電システム毎で大きく異なっている。然しながら、パワーを正規化した切り口で見ると、同一の劣化パターンとなっている。従って、安定した漏電検出を行う為には、何らかの正規化手段が有効であることが判る。
図11は、本発明の実施例の説明図であり、1はZCT部、2は漏電波形パラメータ抽出部、3はシステム同定回路部、4は誤差抽出部、5は各種設定/表示制御部、21はフィルタ部、22はデータ取込部、23は基準値抽出部、24は周波数情報抽出部、25はI0検出部、31は三相電圧発生部、32は単相電圧発生部、33は三相同定部、34は単相同定部、35はIgr算出/選定部、36はIgr判定/タイマ監視部を示す。各部の演算処理機能は、プロセッサの演算処理機能によって実現することも可能である。
漏電波形パラメータ抽出部2のフィルタ部21は、ZCT部1のZCT1〜ZCTm対応の終端回路部と、時分割的に処理する為の選択回路SELと、ゲイン切替部GSWと、ローパスフィルタLPFとを有し、ZCT部1の各ZCT1〜ZCTmは、終端回路1〜終端回路mにより所定のインピーダンスで終端され、電圧値として選択回路SELに入力する。選択回路SELは、漏洩電流検出対象のZCTを選択するもので、例えば、3個のZCTの選択を行う場合には、例えば、0.6秒単位で順次選択することができる。又1個のZCTの場合には、選択回路SELは省略或いは固定的な選択状態とすることができる。又選択回路SELによる選択情報をIgr判定/タイマ監視部36からのIgr出力と共に出力して、ZCT1〜ZCTmの何れによるものであるかを識別可能とすることもできる。即ち、電力供給システムの情報と共に、Igr出力の注意/警報を出力することができる。
又ゲイン切替部GSWは、選択回路SELにより選択されたZCTの出力信号に対する増幅ゲインを切替える可変利得増幅器に相当する。ZCTの出力信号は、例えば、50mA〜800mA程度の広い範囲に相当するものとなるから、所定のダイナミックレンジを確保する為に、選択回路SELにより順次選択されたZCTの出力信号に対する増幅ゲインを切替える。選択回路SELとゲイン切替部GSWとは、データ取込部22のアナログ制御部により制御される。
このデータ取込部22は、AD変換器A/Dと、オフセット除去回路Offsetと、バッファBUFFと、アナログ制御部とを含む構成を有し、又周波数情報抽出部24は、キャリア発生部CRR0と、復調部DEMOと、ローパスフィルタLPF0と、複素共役回路と、周波数変換部と、キャリア発生部CRRnとを含む構成を有する。又I0検出部25は、パワー算出部PWRと判定部とを含む構成を有し、基準値抽出部23は、復調部DEM1〜DEMnと、ローパスフィルタLPF1〜LPFnと、振幅位相補正回路と、振幅/位相差抽出回路とを含む構成を有する。
データ取込み部22のオフセット除去回路Offsetは、AD変換器A/Dにより変換されたZCT1〜ZCTm対応のディジタル信号に、それぞれ直流オフセット成分が含まれているから、この直流オフセット成分を算出し、直流オフセット成分が零となるように処理して、バッファBUFFに一旦蓄積する。それにより、ディジタル演算処理による抵抗性漏洩電流検出精度を一層向上することができる。そして、バッファBUFFから読出して、アナログ制御部と、基準値抽出部23の復調部DEM1〜DEMnと、周波数情報抽出部25の復調部DEM0とに入力する。
アナログ制御部は、選択回路SELにより選択したZCTからの信号レベルに対して、バッファBUFFに入力された信号レベルが所定範囲の下限値より低い時、ゲイン切替部GSWのゲインを上昇させ、反対に、所定範囲の上限を超える時、ゲイン切替部GSWのゲインを低下させるように、ゲインの切替えの制御を行う。なお、バッファBUFFに入力される信号レベルが常に所定の範囲内の場合には、ゲイン切替部GSWのゲインを予め設定した値として、自動ゲイン切替えの制御構成を省略することも可能である。又AD変換器A/Dのダイナミックレンジが広い場合も同様である。
図12は、図11に於ける周波数情報抽出部24のキャリア発生部CRR0及び復調部DEM0〜DEMnの説明図であり、周波数情報抽出部24のキャリア発生部CRR0は、ZCTからの信号の基本波の周波数が未知であるが、電力供給システムに於ける基本周波数は、一般的には、50Hz又は60Hzであるから、例えば、その中間の55Hzの周波数のキャリア発生を行う為のデータをROM(リードオンリメモリ)に格納した構成とすることができる。この場合のROM格納データは、半径1.0の55Hzで、ベクトル回転することを示す(cos(2π55(Hz)t)−jsin(2π55(Hz)t))とすることができる。
又周波数情報抽出部24の復調部DEM0及び基準値抽出部23の復調部DEM0〜DEMnは、入力信号に、基本波とその高調波との次数をnとして、cos(nω)を乗算してリアルパートの復調出力(DEM出力)を得る乗算器と、−sin(nω)を乗算して、イマジナリパートの復調出力(DEM出力)を得る乗算器とを含み、周波数情報抽出部24に於いては、バッファBUFFからの信号が復調部DEM0に対するDEM入力となり、キャリア発生部CRR0からのキャリアcos(2π55(Hz)t)−jsin(2π55(Hz)t)のcos(2π55(Hz)t)と、sin(2π55(Hz)t)とを、点線矢印で示す経路により、それぞれの乗算器に入力し、復調出力信号を、アナログ制御部と、ローパスフィルタLPF0を介して複素共役回路と、I0検出部25のパワー算出部PWRとに入力する。
又基準値抽出部23の復調部DEM1〜DEMnについては、バッファBUFFからの信号がそれぞれのDEM入力となり、周波数情報抽出部24のキャリア発生部CRRnからの次数対応のキャリア(後述のように、抽出した電源周波数に同期した一次を含むn次高調波信号;cos(nω)、−sin(nω))を復調用として乗算器に入力する。それにより、n次高調波信号対応の復調出力信号は、同期検波と同様に、ZCTの検出信号に含まれているn次高調波成分を示し、それぞれローパスフィルタLPF1〜LPFnを介して振幅位相補正回路に入力する。
図13は、周波数情報抽出部22のローパスフィルタLPF0及び基準値抽出部23のローパスフィルタLPF1〜LPFnの構成の一例を示すものであり、単位時間の遅延回路Tと、入力信号及び遅延回路Tを介した信号に係数ω0〜ωkをそれぞれ乗算する乗算器と、加算器Σとを含み、トランスバーサル型のFIRフィルタの構成を適用した場合を示す。例えば、周波数情報抽出部24のローパスフィルタLPF0は、55Hz近辺以外の不要な成分は除去したい為、帯域幅として55Hz±25Hz程度とすることになる。他のローパスフィルタLPF1〜LPFnも同様にn次高調波対応の帯域として、カットオフ周波数をn次高調波周波数に対して例えば±25Hz程度に設定し、不要な高調波信号は除去する。周波数情報抽出部24に於けるキャリア発生部CRR0と、復調部DEM0と、ローパスフィルタLPF0とにより、30Hz〜80Hz間の周波数の抽出を可能とすることができる。従って、50Hz/60Hzの周波数同期が確立する前でも、漏電信号の抽出を可能としている。
図14は、I0検出部25の説明図であり、パワー算出部PWRと判定回路とを含み、ローパスフィルタLPF0を介した復調信号を入力し、パワー算出部PWRにより、その復調信号を二乗してパワーを求め、判定回路の演算部により、パワーと、予め設定した値REFとの差を求め、極性判定部に於いて、極性が負であれば、漏電電流有り(I0DEC=1)と判定し、極性が正であれば、漏電電流無し(I0DEC=0)と判定して、検出信号I0DECを出力し、Igr判定/タイマ監視部36のLPF逆正規化部に入力する。この場合、漏電電流無しの検出信号I0DECの場合は、警報送出等の誤動作を防止する為に、Igr判定/タイマ監視部36以降の抵抗性漏洩電流検出処理は行わない構成とする。
図15は、周波数情報抽出部24に於ける複素共役回路と周波数変換部との説明図であり、周波数情報抽出部24の複素共役回路は、単位時間Tの遅延回路と乗算器とを含む複素共役回路と、ローパスフィルタLPFとを有し、前述のローパスフィルタLPF0の出力信号を複素共役抽出入力として、乗算器と遅延回路とに入力する。この場合、AD変換器A/Dにより変換されたサンプリング間隔の信号を、バッファBUFFを介して、更に、復調部DEM0、ローパスフィルタLPF0を介して複素共役回路に対して、複素共役抽出入力して示すように入力する。この時間差を有する信号を、それぞれ、LPF01,LPF02とすると、複素共役抽出出力Yは、
Y=LPF02×(LPF01)* ・・・(1)
と表すことができる。なお、*印は複素共役演算を示す。
ローパスフィルタLPFにより不要帯域の信号を除去した複素共役抽出出力Yは、AD変換器A/Dに入力された信号の周波数が55Hzより高い場合、反時計方向にシフトするベクトルとなり、反対に、55Hzより低い場合、時計方向にシフトするベクトルとなる。このベクトル信号を点線矢印で示す周波数情報抽出入力として、周波数変換部に入力する。この周波数変換部は、周波数情報抽出回路61とキャリア発生部(CRRn)62とを含み、周波数情報抽出回路61は、ベクトル情報→Δθ変換回路63とΔθ+55Hz加算MOD回路64とを含む構成を有する。
取り込んだ漏洩電流の周波数をfAC、任意の復調周波数をfDEM、取り込んだ漏洩電流の周波数と任意の復調周波数との偏差をΔfとすると、
AC=fDEM+Δf ・・・(2)
となる。
任意に定めた復調周波数fDEMと前処理で求めたΔfとの2つの周波数情報により、複数の復調の為の周波数を生成する。一次の周波数fDEM1、三次の周波数fDEM3、五次の周波数fDEM5、七次の周波数fDEM7とした時、次式により求められる。
DEM1=fDEM+Δf
DEM3=3×(fDEM+Δf)
DEM5=5×(fDEM+Δf)
DEM7=7×(fDEM+Δf)
従って、n次高調波の周波数についての一般式は、
DEMn=n×(fDEM+Δf) ・・・(3)
と表すことができる。
又複素共役回路からの複素共役抽出出力を周波数情報抽出入力として、周波数変換部の周波数情報抽出回路61に入力し、複素ベクトル情報(X+jY)を、ベクトル情報→Δθ変換回路に入力し、tan−1関数を用いて、角度情報Δθ(Δfの周波数情報に比例)に変換する。そして、キャリア発生部CRR0で発生させた55Hzの角度情報に加算(周波数加算)し、毎サンプル毎の回転角度情報を求め(±180度mod加算)、キャリア発生部CRRnからのキャリアにより、所望の周波数情報抽出出力(CRRnの回転ベクトル信号=(cos(nωt)−jsin(nωt)))を得ることができる。
なお、この周波数情報抽出回路61は、前述の構成以外に各種の構成により実現可能であり、例えば、複素共役信号(x+jy)をアドレス変換(例えば、上位x+下位y)とし、変換したアドレスによりROMをアクセスして、所望の周波数(51.1Hz/60.3Hz等)を得ることができる。又は、複素共役回路の出力を、半径1.0のベクトル情報に変換し、イマジナリ成分のみを用いて、ROMのアドレスとし、所望の周波数情報に変換することも可能である。又は、PLL回路(位相同期回路)を用いて直接的に周波数抽出を行う構成とすることも可能である。
図16は、基準値抽出部23の振幅位相補正回路の説明図であり、ZCT部1からの処理構成に於ける各種の振幅特性/位相特性はフラットでなくなっている。このように、振幅位相特性がフラットでないと、漏洩電流の検出誤差につながるから、これを補正することにより、検出精度を向上することができる。この補正手段は、各種存在するが、例えば、図示のように、予めROMに補正値(eの冪乗数を(jcθ)として示すAe(jcθ))を格納し、この補正値を乗算器に入力して補正する場合を示している。この補正値は、既知の抵抗性漏洩電流を入力し、ローパスフィルタLPF1〜LPFnの出力について、入力した抵抗性漏洩電流に対応した値との誤差分を求めて、これを補正値として予めROMに格納することができる。或いは、後述の位相差抽出手段を適用することも可能である。
図17は、基準値抽出部23の振幅/位相差抽出回路の中の振幅抽出回路の説明図であり、71,74,81,82,85はパワーを求める自乗回路、72,76,83,87は1/a回路、73,75,84,86は平方根回路、77,78,79,80は乗算器である。ローパスフィルタLPF1〜LPFn対応の振幅位相補正回路の出力信号をLPF(1)〜LPF(n)として示し、一次の信号LPF(1)に対しては、自乗回路71によりパワーを示す信号SynLPFPを出力し、更に、平方根回路73と1/a回路74と乗算回路77と、自乗回路74と平方根回路75とによる演算処理により、一次の振幅正規化信号LPFN(1)を出力し、更に1/a回路76と乗算回路78とを含めた演算処理により、一次の信号LPFE(1)を出力する。
又一次の高調波信号LPF(1)を除くn次高調波信号LPF(k)〜LPF(n)を自乗回路81,82により自乗してパワーを求め、合成して平方根回路84と1/a回路83と乗算回路79と自乗回路85と平方根回路86とによる演算処理により、振幅正規化信号LPFN(n)を出力し、更に、1/a回路87と乗算回路80とを含む演算処理により、信号LPFE(n)を出力する。
漏電のシステム同定で重要な漏電波形パラメータとは何かについて説明する。漏電波形は図5〜図9に示すように極めて複雑な波形となるが、電源周波数を基にした繰り返し波形であることは明確である。抵抗性漏洩電流検出には、基準の電圧位相が極めて重要であるが、A/D変換器に入力された漏電波形のみからは基準位相の特定は不可能である。実際問題、基準位相を特定できたと仮定した場合の漏電システム同定は極めて容易であるが、実際的でない。この為、漏電システム同定では、基準位相に依存しないアルゴリズムの創出が不可欠である。データ取込部22のA/D変換器に取り込まれた信号から漏電システム同定に基本となる漏電波形パラメータは何か、基準位相に振り回されないパラメータは何か、と言う問いに対して、一つの回答が自己相関系列である。
入力信号をf(t)とした場合の自己相関系列A(τ)は、A(τ)=Σ(f(t)×(f(t+τ))*)(なお、*は複素共役演算を示す)となり、例えば、抵抗性漏電、容量性漏電、複合性漏電(抵抗性漏電と容量性漏電発生時)の自己相関系列は、図18の(A),(B),(C)に示すようになる。即ち、それぞれ漏電条件毎に異なった自己相関系列となるが、その自己相関系列は、抽出信号f(t)の切り出し位相によらず一定の値となる。従って、自己相関系列を使用してシステム同定を行えば、基準位相によらないシステム同定が可能である。
問題は波形の自己相関演算の積分期間であるが、電源周波数の1周期であることが望ましい。A/D変換により抽出した波形では、1周期分の切り出しはサンプリングの量子化からも困難であるが、入力された信号に同期をとって、復調回路DEMnで復調し、ローパスフィルタLPFnにより不要帯域を除去したベースバンド信号であれば、1周期分の積分は極めて容易であり正確に実現可能である。
自己相関系列演算は、極めて演算量が多く、この演算を導入すると、処理量が飛躍的に増大する。一方、自己相関系列は入力波形のパワースペクトラムを代表していることはよく知られている。実際問題、パワースペクトラムの場合には、位相の変化の影響を受けない。現にローパスフィルタLPFnのベクトル信号に任意の位相回転を施しても、位相回転を施す前の自己相関系列と位相回転を施した後での自己相関系列は一致している。これは、自己相関演算そのものが、複素共役ベクトルを演算しており、位相成分が消えることによる。従って、ローパスフィルタLPFnの出力のパワーをみれば、自己相関演算を行わなくてもよいことを示している。
即ち、基準値抽出部23のローパスフィルタLPFnの出力に、各n次の高調波ベクトル信号を、半径1.0の複素共役ベクトルとして乗算して、位相に無関係な信号とし、これを漏電システム同定用の基準信号とする。同時に、システム同定回路部3内のEQL出力にも同様な位相正規化回路を導入して、位相に依存しない出力を得て、これをシステム同定回路部3の出力とし、誤差抽出部4により基準値との誤差を求め、この誤差が最小となるように漏電システムの同定を実施していく。これにより、演算量の飛躍的減少が可能となる。
図19は、基準値抽出部23(図11参照)に於ける振幅/位相差抽出回路の位相差抽出回路の説明図であり、図17の振幅抽出回路の出力のn次とk次とのLPFE(n),LPFE(k)とを入力し、それぞれ角度抽出部により位相角θを、tan−1関数を用いて求め、n次側はk/2を乗算し、k次側はn/2を乗算して差を求め、その差出力をモジュロ回路MODにより例えば180度のモジュロ演算を行って、sin,cos関数の信号PHLPAとして出力する。なお、n,kを分子とした分母の2は、他の任意の整数とすることができる。
取り込んだ漏電波形に関しては、波形の切り出し位相が不定である為、切り出し位相に依存しない漏電波形のパラメータ抽出が必要である。特に、基準位相と切り出し位相のずれであるが、これは、n次高調波の場合、基準位相が10度ずれると、第五次高調波では50度、第七次高調波では70度の位相回転が起きることになる。逆に言えば、五次の角度を7倍し、七次の角度を5倍して差をとれば、基準位相とのずれの角度は消滅することとなる。従って、基準位相によらない安定した漏電波形パラメータ抽出とすることができる。
又電力線の基本波は、位相が変化しないとしても、高調波成分に関しては、三相のb相接地の場合のa相/c相とも、負荷が電力の供給を受けた後、負荷内部で歪みが発生し、この歪みは、負荷と電力線間に構成されている雑音除去フィルタにより減衰し、又位相回転されて電力線に戻る。一方、高圧トランスの二次側も一次側も基本的にパッシブ回路で接続されている為、最終的に需要家の総トータルの歪みが高圧側に電圧効果となって現れ、且つこの結果が二次側に歪みとなって現れることとなる。従って、a相/c相とも安定した歪みが観測されることとなるが、a相とc相では負荷の状況が異なる為、最終的に微妙に位相が異なって来る。この為、位相差情報は、少なくとも、一次の信号は用いずに、n次高調波の信号のみから位相差信号を抽出することが、高精度漏電検出のキーポイントになることとなる。
例えば、前述のように、一次高調波の基準位相がa度ずれていた場合に、三次高調波の基準位相は3a度、五次高調波の基準位相は5a度、七次高調波の基準位相は7a度、n次高調波の基準位相はna度ずれることになるから、各n次高調波の複数倍の位相差信号を算出して差を求めることにより、基準位相に無関係な位相差信号を抽出することができる。具体的には、以下に示すようになる。
一次の波形位相をθ1+a、五次の波形位相をθ5+5a、七次の波形位相をθ7+7a、とすると、
(七次−五次)−(一次の2倍)は、
=(θ7+7a)−(θ5+5a)−2(θ1+a)
=(θ7−θ5−2θ1)+(7a−5a−2a)
=(θ7−θ5−2θ1)
となり、基準位相aが消える。
同様に、(五次−一次の5倍)は、
=(θ5+5a)−5(θ1+a)
=(θ5−5θ1)+(5a−5a)
=(θ5−5θ1)
以下同様にして高次高調波についても算出できるもので、
(七次−一次の7倍)は、
=(θ7+7a)−7(θ1+a)
=(θ7−7θ1)+(7a−7a)
=(θ7−7θ1)
となって、基準位相aを消去した値が得られる。
又トランスがΔ結線の場合、三次高調波は同相となり、Δ結線内を循環することによって、三次高調波成分は少なくなる。そこで、図19に於いては、n=7、k=5として、n=3の三次高調波成分を用いない構成とすることができる。このように、漏電波形の切り出し位相が基準位相不定の状態で切り出しても、複数の高調波の位相差を算出することで、基準位相に無関係な漏電波形パラメータを抽出できることが判る。
今まで、基準位相は外部より取り込まなければ、その基準位相を基に抵抗性漏洩電流の検出が常識的に不可能だったものが、外部からの基準位相取込みなしに、正確に、基準位相に相当する情報を得ることができる。又従来は外部より基準位相を取り込んでいた為に、接地線状態が劣化した場合には、そのまま、取込みの基準位相のずれにつながり、正確な漏洩電流の検出が不可能だったものが、ZCTのみによる実際の検出信号を用いて、抵抗性漏洩電流の検出処理を実行できるから、接地線の接地抵抗等の劣化に関係なく、正確な抵抗性漏洩電流を検出できることができる。
なお、三次の高調波を含まない一次、五次、七次の3種の高調波から3種の式をたてることができるが、数学的にはこの内の2式が決定されれば残りの1式が決定される為、情報として意味を持つのは、2式のみである。この場合の一次の位相(θ1+a)の倍数を大きくとると、位相回転量が増大し、漏電波形パラメータとしては使い勝手が悪くなる。この為、この倍数はできるだけ2倍程度に抑えることが望ましい。
図20は、位相誤差説明図であり、横軸は角度(0〜90度)、縦軸は位相角度差を示し、五次と七次との高調波を用いた場合についてのものであり、漏電波形の位相θ1が、0度、30度、60度、90度の時のシステム同定回路部3に於ける推定位相が0〜90度の場合の角度差を示し、この角度差が零となった状態が、漏電波形の位相θ1とシステム同定回路部3の推定位相とが一致したことを示すことになる。
又システム同定回路部3(図11参照)は、三相電圧発生部31と、単相電圧発生部32と、三相同定部33と、単相同定部34と、Igr算出/選定部35と、Igr判定/タイマ監視部36とを含み、三相同定部33と単相同定部34とは、それぞれEQLn部(漏洩電流模擬回路)と、振幅/位相差算出回路と、EQL係数補正回路とを含む構成を有する。又Igr算出/選定部35は、相判定部と、Igr算出部と、Igr選択部とを含む構成を有し、又Igr判定/タイマ監視部36は、LPF逆正規化部と、Igr判定部と、タイマ監視部とを含む構成を有し、又誤差抽出部4は、誤差算出部と、エラー合成部と、エラー分解部とを含む構成を有し、又各種設定/表示制御部5は、Igr判定/タイマ監視部36のIgr判定部とタイマ監視部とに設定制御する各種設定表示制御部を含む構成を有するものである。
図21は、基準電圧発生部の説明図であり、基準電圧を発生する三相電圧発生部31について、それぞれ120度位相差のa,b,c相の三相に於けるb相接地の場合に適用する場合を示し、120度の位相差のa相とc相との一次の基準電圧VGa(1),VGc(1)〜n次の基準電圧VGa(n),VGc(n)を発生させるROMにより構成した場合を示す。又単相電圧発生部32も同様なROMの構成で実現できるものであるが、単相電圧発生部32の場合は、a相とc相との位相差を180度とした基準電圧を発生させる構成とする。又一次〜n次のa相、b相、c相の三相基準電圧VGa(1)〜VGc(1)〜VGa(n)〜VGc(n)の場合、a相の基準電圧位相を0度とすると、一次の電圧位相は、(4)〜(6)式で示すものとなり、n次の電圧位相は、(7)〜(9)式に示すものとなる。
Figure 2006138691
図22は、EQL部の説明図であり、三相同定部33と単相同定部34とのEQLn(漏洩電流模擬回路)部を示す。なお、三相同定部33に三相電圧発生部31から入力するa相の基準電圧VGa(1)とc相の基準電圧VGc(1)とは120度の位相差を有するものであるが、単相同定部34に単相電圧発生部32から入力するa相の基準電圧VGa(1)とc相の基準電圧VGc(1)とは、前述のように、180度の位相差を有するものである。又次数対応の抵抗性と容量性とのパラメータEQLRa(1),EQLRc(1),EQLCa(1),EQLCc(1)、EQLRa(k),EQLRc(k),EQLCa(k),EQLCc(k)〜EQLRa(n),EQLRc(n),EQLCa(n),EQLCc(n)を入力する。
一次対応の構成は、基準電圧VGa(1),VGc(1)に対してそれぞれパラメータEQLRa(1),EQLRc(1),EQLCa(1),EQLCc(1)を乗算して加算(Σ)して、一次のパラメータEQL(1)を出力する。又k次及びn次に対しては、抵抗性のパラメータEQLRa(k),EQLRc(k)に対して1/k及び1/nを乗算し、又c相については、それぞれeの(jθ)乗を乗算してθ度の位相回転を与えて加算(Σ)することにより、パラメータEQL(k),EQL(n)を出力する。
n次高調波の電圧源をV、各相と対地間に存在する負荷のインピーダンスをZ、ZCTに流れる電流をIとすると、I=V/Zとなる。一方、負荷インピーダンスZは、各相と対地間に存在している容量性負荷と、抵抗性負荷との並列接続であるが、周波数をω、容量をC、抵抗をrとすると、容量性負荷に流れる電流Icは、
Ic=V/(1/jωC)=jωCV ・・・(10)
又抵抗性負荷に流れる電流Irは、
Ir=V/r ・・・(11)
となる。従って、最終的にZCTに流れる電流Iは、
I=V(1/r+jωC) ・・・(12)
となる。実際には、電圧Vがn次高調波基準電圧源の電圧である為、又各相(a/b/c相)が存在する為、これら全ての合成ベクトルとなる。
抽出目標である抵抗性漏洩電流を得る為には、取り込んだ零相電流成分から、抵抗性漏洩電流成分と容量性漏洩電流成分とに分離して、抵抗性漏洩電流成分を測定する必要がある。又、容量性漏洩電流は、抵抗性漏洩電流の90度進んだ位相である。
実際に漏電システムの中で構築される容量性負荷及び抵抗性負荷は、システム同定の容易さの観点から、インピーダンスではなく、アドミッタンスで定義する。アドミッタンスのベクトルと基準となるn次高調波基準電圧源との乗算を行い、合成することで、ZCTから入力された零相電流を推定する。EQLの等化係数パラメータとして、各相(PH=a,b,c)毎に、
EQL(PH)=EQLR(PH)+jEQLC(PH) ・・・(13)
と表すことができる。
又EQL補正の手段は、モデム等に適用されている自動等化技術を応用することができる。即ち、基準値と推定値のエラー信号を位相正規化信号の複素共役で演算し、更に振幅補正の逆数を乗算し、或る一定の制御力を乗算した後、抵抗性成分に関しては、過去の抵抗性成分に、エラーと基準電圧の複素共役を乗算(基準電圧とエラーの相関をなくすように作用)し、抵抗性成分について、最小二乗法を用いてシステム同定補正することができる。
又容量性成分については、
Figure 2006138691
に示すものとなる。又抵抗性成分については、基準電圧発生部からの基準電圧の次数に応じて1/nに低下する為、1/nの定数を乗算して対応することができる。又容量性成分については、次数の増加に伴う振幅の低下に対して、インピーダンスの低下により相殺されるので、そのままとする。
EQLの詳細補正アルゴリズムを次の(15)〜(17)式を基に説明する。
Figure 2006138691
然しながら、推定した零相電流は、あくまでも基準電圧発生部からのn次高調波基準電圧を基にしている。一方、実際にZCTに接続された漏電システムの基準電圧位相及び振幅は、基準位相及び振幅とは異なるものであり、この振幅差/位相差を補正する必要がある。この為、三相同定部33及び単相同定部34に、それぞれ振幅/位相差算出回路を設けている。
図23は、前述の振幅/位相差算出回路の一部の振幅抽出回路を示し、図24は、位相差抽出回路を示す。図23に於いては、図22に示すEQL部からの一次、k次〜n次の出力EQL(1),EQL(k)〜EQL(n)を入力し、図17の振幅抽出回路と同様な演算処理により、EQL(1),EQLN(1),EQLE(n),EQLN(n),AMPI(n)を出力する。このAMPI(n)は、EQLのループゲイン補正用のn次高調波の合成パワーに相当したパラメータである。
図24は、誤差抽出部の説明図であり、図19に示す位相差抽出部と同様な構成を有するものであるが、図23に示す振幅抽出回路からのn次とk次との高調波に対応したEQLE(n),EQLE(k)を入力して、位相差のパラメータPHEQAを出力する。
図25は、誤差抽出部4の一部を構成する誤差算出部を示し、振幅誤差抽出部と位相誤差抽出部とを含み、振幅誤差抽出部には、図17に示す振幅抽出回路からのLPFN(n)と図23に示す振幅抽出回路からのAMP(n)(AMPI(n)の逆数)を入力し、差分に相当する振幅の誤差AE(n)を出力する。又位相誤差抽出回路には、図19に示す位相抽出回路からのPHLPAと図24に示す位相差抽出部からのPHEQAとを入力し、複素共役演算により、位相誤差分としてのPDEAと、−1の加算,EQLEの(1)の乗算,αの乗算によるエラー信号Eとを出力する。
即ち、抽出した漏電波形パラメータとシステム同定回路部で抽出したパラメータとが一致するように、例えば、モデムの技術分野で適用されている最大傾斜法、最小二乗法のアルゴリズムを用いて、システム同定を行うことができるもので、具体的には、振幅はそれぞれの振幅AMP(n)とLPFN(n)との差信号AE(n)を抽出し、位相差に関しては、PHEQAと、PHLPAとの複素共役演算で位相差信号PDEAを算出し、且つ−1を加算し、EQLE(1)を乗算し、係数αを乗算して、エラー信号Eとして出力する。
これらの振幅/位相エラー信号は、例えば、三相では、a相/c相、更に、抵抗性漏洩電流、容量性漏洩電流、と複雑な合成に相当するものであり、単純な直交系とはならない為、エラーの分解を極めて正確に行う必要がある。振幅エラーに関しては、さほど敏感ではないので、モデムで使用しているデータ信号とエラー信号との相関をとる手法で、振幅エラーを各相のエラー信号に分離することができる。一番重要なのは、位相エラー信号の分離である。
図26は、漏洩電流ベクトルの説明図であり、a相、b相、c相の中のb相を接地した電力供給システムに於いて、a相を基準として、(a)は、c相の位相を+15度回転した場合、(b)は、c相の位相を回転しない場合、(c)はc相の位相を−15度回転した場合のベクトルを示すものであり、I0は漏洩電流、Ra,Rcはa相とc相との抵抗性漏洩電流、Ca,Ccはa相とc相との容量性漏洩電流を示す。a相とc相との抵抗性漏洩電流の合成ベクトルRと、a相とc相との容量性漏洩電流の合成ベクトルCとをベクトル合成した漏洩電流I0について、c相の位相のシフトにより、変化することが判る。この変化に対応した成分をフィードバックすることにより、位相エラー信号と振幅エラー信号とを共に零に収束させることが可能となる。
図27は、エラーベクトルの説明図であり、エラーEを抵抗性Erと容量性Ecとの合成ベクトルとして示し、このエラーEの位相をθEとして、90度を超えて180度以下、90度以下、270度を超えて360度以下、180度を超えて270度以下の場合を、それぞれpart1〜part4として示す。又漏洩電流I0の抵抗性の成分Rと容量性の成分Cとの位相をθR,θCとすると、part1〜part4対応のエラーEの抵抗性の成分ΔRを以下の演算処理により求めることができる。
Figure 2006138691
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図28及び図29は、誤差抽出部4(図11参照)のエラー分解部の一部を構成する振幅エラー分解部の説明図であり、三相のb相接地の場合のa相、c相に対する構成を示すもので、図25に示す振幅誤差抽出回路からの一次〜n次の振幅エラーAE(1)〜AE(n)と、図23に示す振幅抽出回路からの振幅を示すAMPI(n)とを入力し、又基準電圧発生部からの各相対応の基準電圧、a相についてはVGa(1)〜VGa(n)を入力し、c相についてはVGc(1)〜VGc(n)と、位相回転させるe(jθ)(eのjθ乗を示す)を入力し、複素共役演算によるリアルパートrを加算(Σ)して、抵抗性の振幅エラーAERa,AERcを出力し、イマジナリパートiを加算(Σ)して、容量性の振幅エラーAECa,AECcを出力する。
又図29の振幅エラー分解部は、k次とn次との振幅エラーAE(k),AE(n)とを入力して乗算した値をaとすると、判定部は、a<0の場合、b=1、a≧0の場合、b=0の判定出力信号bと、振幅エラーAE(k)とAE(n)との差分とを乗算して信号AEPHを出力する。即ち、振幅エラーの相関性が大きい同相成分を加算してフィードバック補正に使用されるが、AE(k)とAE(n)との極性が異なる場合、逆相関の関係を示し、加算(Σ)処理により、振幅エラー成分が小さくなる。これに対して、判定部により、極性が異なる逆相関の状態の場合は、AE(k)とAE(n)との差分をAEPHとして、EQL係数補正回路にフィードバックする。又極性が同一の場合は、相関有りと判定してAEPH=0とする。
図30は、位相エラー分解部の説明図であり、b相接地の場合に、a相、c相のそれぞれの抵抗性と容量性とのパラメータRa,Rc,Ca,Ccに分解してフィードバックする必要がある。前述の図27のエラーベクトルに基づいた数式に従った演算処理により、ΔRb,ΔCb,ΔRa,ΔRc,ΔCa,ΔCcに分解して出力する。例えば、図27のエラーベクトルEについて、E=Er+Ecとし、Rの位相をθ、Cの位相をθとし、ベクトルEr,Ecの大きさをそれぞれΔR,ΔCとすると、
E=ΔRejθ+ΔCejθ
と表すことができ、これをリアルパートとイマジナリパートとに分離して演算処理することにより求めることができる。
図31は、誤差抽出部4(図11参照)のエラー合成部の説明図であり、三相のa相、c相について示し、Σは加算器を示す。前述の振幅エラー分解部(図28参照)と位相エラー分解部(図29参照)とからのAERa,AERc,AECa,AECcと、ΔRa,ΔCa,ΔRc,ΔCcを入力して、合成したエラーERa,ECa,ERc,ECcを出力する。この合成したエラーを三相同定部33及び単相同定部34に入力して漏電システムの同定を行うものである。
図32及び図33は、三相同定部33(図11参照)のEQL係数補正回路の説明図であり、単相同定部34のEQL係数補正回路も同様な構成を有するものである。又111,112は条件判定部、113は加算器、114はリミッタ(LM)、115は単位時間の遅延回路(T)、116は係数発生回路(ROM)、117は乗算器、118は加算器、119はリミッタ(LM)、120は単位時間の遅延回路(T)を示し、各相対応に同様な構成を有するものである。
エラー合成部(図31参照)からのERa,ECa,ERc,ECcを入力し、条件判定部111は、入力inputが0より大きい正極性の時に、出力OutEを+1,負極性の時に、出力OutEを−1とする。又条件判定部112は、入力inputが前回と極性が同一の時に、制御値ContAdjを+1、極性が反転した時に、−2を出力する。この制御値ContAdjは、加算器113とリミッタ114と遅延回路115とにより累算処理され、リミッタ114による制限範囲内で変化する。係数発生回路116は、
リミッタ114の出力をアドレスとして、乗算器に入力する係数を格納したROM構成とすることができるもので、読出した係数を条件判定部111の出力OutEに乗算し、加算器118とリミッタ119と遅延回路120とからなる構成により累算処理して、EQLRa,EQLCa,EQLRc,EQLCcを出力する。
この場合、ループゲインが1.0未満で安定系を構成している場合に、エラーの相関があると、エラーの極性がプラスかマイナスかの一定値を維持する状態となる。そこで、エラーの極性が変化する場合には、ループゲインが1.0を超えたと判断し、制御力を例えば半減し、エラーの極性が継続して同じ場合は、エラーの相関性があって、フィードバックは有効であると判断し、制御力を例えば√2倍する。図32に於いては、条件判定部112と係数発生部116とを含むルートの処理によって、前述の制御力の変更を行うものである。それにより、漏電パターンに従って振幅エラーの大きさが変化する場合でも、係数発生回路116を含むEQL係数の非線形フィードバック構成によって、安定且つ高速で収束可能となる。
又図33に示すEQL係数補正回路は、位相エラー信号AEPHを入力し、係数αを乗算し、加算器とモジュロ回路MODとリミッタLMと遅延回路Tとによる積分機能によって積分し、積分値をリミッタLMにより制限し、COS/SINのベクトル変換によって位相補正信号e(jθ)を出力する。
図34は、EQL係数収束特性説明図であり、(A),(B)の縦軸はEQL係数、横軸は補正回数を示し、又(A)は、a相とc相とに容量性漏電があり、且つc相に抵抗性漏電がある場合、(B)は、単相で抵抗性と容量性の両方に漏電ある場合を示している。何れの場合も、約6回程度の補正回数で収束していることが判る。EQL係数は、(A)に於いては、Ra及びCaは、0からではなく、約1から出発し、又(B)に於いては、Rcは、約0.5から出発して収束の高速化が可能であることを示している。
図35は、Igr算出/選定部35の説明図であり、121は三相処理部、122は単相処理部、123,124は中央値フィルタ、125はセレクタ(SEL)を示す。前述のEQL係数補正回路からの抵抗性漏洩電流の値を示すEQLRa,EQLRb,EQLRcを入力し、三相処理部121に於いては、それらの位相が異なるから、基準電圧VGb(1),VGc(1)をEQLRb,EQLRcにそれぞれ乗算し、リアルパートrとイマジナリパートiに分離し、リアルパートは加算して自乗する。又イマジナリパートも加算して自乗する。それらを加算して、中央値フィルタ123に入力する。又単相処理部122に於いては、RQLRaを自乗してパワーを求め、中央値フィルタ124に入力する。セレクタ125は、三相か単相かの相判定信号に従って選択動作し、抵抗性漏洩電流Igrを出力する。
図36は、中央値フィルタの説明図であり、サンプリング周期の遅延回路Tにより遅延した三相処理部121又は単相処理部122の出力Md(0),Md(1),Md(2)を比較判定部に入力し、Md(0),Md(1),Md(2)の中の中央値を出力する。その中央値フィルタの出力をセレクタ125(図35参照)に入力する。それにより、雑音による異常値を除いて動作の安定化を図ることができる。
図37は、相判定部の説明図であり、Igr算出/選定部35(図11参照)に於ける相判定部を示し、131,132は合成処理部、133は加算器、134は相選定部、135は多数決回路、136は加算器(Σ)、137は加算器、138は判定部を示す。合成処理部131,132は、振幅エラーAE(1)〜AE(n)と位相エラーPDEA,PDEBとをそれぞれ自乗して合成(Σ)し、加算器123に於いて差分a1を求め、相選定部134に於いて,a1≧0の場合、単相選定a2=0とし、a1<0の場合、三相選定a2=1として出力する。多数決回路135は、相選定部134の出力a2を単位時間の遅延回路Tを介して加算器136により加算し、加算器137に於いて係数a3との差分a4を求め、判定部138に於いて、a4≧0の場合は三相判定、a4<0の場合は単相判定の相判定出力をIgr選択部(図11参照)に入力する。
図38は、Igr判定/タイマ監視部の説明図であり、141,142,146,147は加算器、143はIGR判定部、144はタイマ監視部、145は設定部、148,149は連続時間監視部を示す。I0検出部25の判定部(図11参照)からの漏洩電流の有無を示す検出信号I0DECと、Igr算出/選定部35のIgr選択部からのIgr判定出力と、基準値抽出部23の振幅/位相差抽出部の振幅抽出回路(図17参照)からのSynLPFPとが入力され、漏洩電流無しの場合は、I0DEC=0であるから、乗算器142の出力信号も0となり、Igr判定処理は行わない。それにより、検出誤動作を防止する。又漏洩電流有りの場合は、I0DEC=1となり、乗算器141の出力はIGR判定部143に入力され、設定部145の注意閾値を加算器146に、又警戒閾値を加算器147にそれぞれ入力し、設定時限に従って、連続時間監視部148に於いて注意閾値を超えた連続時間の有無を監視し、連続時間監視部149に於いて警戒閾値を超えた連続時間の有無を判定し、それぞれ連続時間が、設定時限を超えた時に、注意信号又は警戒信号を出力する。
図39は、本発明と従来例との対比説明図であり、従来のI0方式と、Igr方式1と、Igr方式2と、本発明とについて、設置、精度、総合について比較したものであり、丸印と三角印とにより優劣を示す。本発明は、Igr方式に属するとしても、付帯設備不要、無停電設置可能、基準電圧取り込み不要、感電事故小、設置スペース小、単相/三相自動切替えはシステム同定により可能、容量性漏電の平衡、不平衡に対応、負荷変動に対応、接地相劣化に対応、その他としての高速化が可能であり、総ての項目に対して有利であることが判る。
本発明の原理説明図である。 警報システムの説明図である。 ZCTの接続説明図である。 漏電検出システムの説明図である。 単相の漏洩電流のシミュレーション波形説明図である。 漏洩電流スペクトラムの説明図である。 スペクトラムのパターン説明図である。 正規化振幅分布説明図である。 n次高調波成分の合成波形説明図である。 n次高調波振幅分布説明図である。 本発明の実施例の説明図である。 キャリア発生部及び復調部の説明図である。 ローパスフィルタの説明図である。 I0検出部の説明図である。 複素共役回路と周波数変換部との説明図である。 振幅位相補正回路の説明図である。 振幅抽出回路の説明図である。 自己相関演算結果の説明図である。 位相差抽出回路の説明図である。 位相誤差説明図である。 基準電圧発生部の説明図である。 EQL部の説明図である。 振幅抽出回路の説明図である。 位相抽出部の説明図である。 誤差算出部の説明図である。 漏洩電流ベクトルの説明図である。 エラーベクトルの説明図である。 振幅エラー分解部の説明図である。 振幅エラー分解部の説明図である。 位相エラー分解部の説明図である。 エラー合成部の説明図である。 EQL係数補正回路の説明図である。 EQL係数補正回路の説明図である。 EQL係数収束特性説明図である。 Igr算出/選定部の説明図である。 中央値フィルタの説明図である。 相判定部の説明図である。 Igr判定/タイマ監視部の説明図である。 本発明と従来例との対比説明図である。 ΔΔ結線の説明図である。 YY結線の説明図である。 YY結線(中性点引き出し)の説明図である。 YΔ結線の説明図である。 ΔY結線の説明図である。 VV結線の説明図である。
符号の説明
1 ZCT部
2 漏電波形パラメータ抽出部
3 システム同定回路部
4 誤差抽出部
5 各種設定/表示制御部
21 フィルタ部
22 データ取込み部
23 基準値抽出部
24 周波数情報抽出部
25 I0検出部
31 三相電圧発生部
32 単相電圧発生部
33 三相同定部
34 単相同定部
35 Igr算出/選定部
36 Igr判定/タイマ監視部

Claims (10)

  1. 電力供給システムに於ける接地線に流れる電流をZCTにより検出して抵抗性漏洩電流を検出する漏洩電流検出方法に於いて、
    前記ZCTの検出信号から前記電力供給システムの周波数情報を抽出し、該周波数情報を基に前記ZCTの検出信号の基本波とそのn次高調波の成分の振幅及び位相のパラメータを含む漏電波形パラメータを抽出し、基本波とそのn次高調波の成分の振幅及び位相のパラメータを含む出力パラメータと前記漏電波形パラメータとの誤差を抽出し、該誤差が最小となるように前記出力パラメータの補正処理を行って漏電システムの同定を行い、該漏電システムの同定収束により、抵抗性漏洩電流を検出する過程を含む
    ことを特徴とする漏洩電流検出方法。
  2. 基本波を除くk次及びn次高調波の成分のk次高調波成分をn倍し、n次高調波成分をk倍して差分を求め、基準位相に関係しない前記出力パラメータ及び前記漏電波形パラメータの前記位相パラメータを出力する過程を含むことを特徴とする請求項1記載の漏洩電流検出方法。
  3. 前記漏電波形パラメータと前記出力パラメータとの差の振幅誤差と位相誤差とを、抵抗性成分と容量性成分とに分解して、漏電システム同定の係数補正を行う過程を含むことを特徴とする請求項1記載の漏洩電流検出方法。
  4. 前記漏電波形パラメータと前記出力パラメータとの差分の極性が反転する場合は、前記漏電波形パラメータの係数補正の制御力を減少させ、同一極性が継続する場合は前記制御力を増大させる過程を含むことを特徴とする請求項1又は請求項3記載の漏洩電流検出方法。
  5. 複数種類の前記漏電システム同定を行い、それぞれの誤差が最小となる漏電システム同定結果を基に、抵抗性漏洩電流を検出する過程を含むことを特徴とする請求項1記載の漏洩電流検出方法。
  6. 電力供給システムに於ける接地線に流れる電流を検出するZCTの検出信号のみを入力して、抵抗性漏洩電流を検出処理する漏洩電流検出装置に於いて、
    前記ZCTの検出信号を入力して該検出信号の周波数情報を抽出し、該周波数情報に従った前記検出信号のn次の高調波成分についての振幅及び位相のパラメータを含む漏電波形パラメータを抽出する漏電波形パラメータ抽出手段と、
    前記漏電波形パラメータと出力パラメータとの誤差分を抽出する誤差抽出手段と、
    該誤差抽出手段による誤差分を零に近づけるように前記出力パラメータを補正処理して漏電経路を含む漏電システム同定処理を行って、抵抗性漏洩電流を推定検出するシステム同定手段と
    を備えたことを特徴とする漏洩電流検出装置。
  7. 前記漏電波形パラメータ抽出手段及び前記システム同定手段は、基本波を除くk次及びn次高調波の成分のk次高調波成分をn倍した値と、n次高調波成分をk倍した値との差分を、基準位相に関係しない前記出力パラメータ及び前記漏電波形パラメータの前記位相パラメータとして出力する構成を有することを特徴とする請求項6記載の漏洩電流検出装置。
  8. 前記漏電波形パラメータと前記出力パラメータとを入力する誤差抽出手段を備え、該誤差抽出手段は、前記漏電波形パラメータと前記出力パラメータとの差の振幅誤差と位相誤差とを、抵抗性成分と容量性成分とに分解して、前記システム同定手段の係数補正として入力する構成を有することを特徴とする請求項6記載の漏洩電流検出装置。
  9. 前記システム同定手段は、前記漏電波形パラメータと前記出力パラメータとの差分の極性と該極性の変化の有無との判定手段と、該判定手段により前記極性が反転した時に前記漏電波形パラメータの係数補正の制御力を減少させ、極性が同一の継続時は前記漏電波形パラメータの係数補正の制御力を増加させる係数補正手段とを有することを特徴とする請求項6記載の漏洩電流検出装置。
  10. 前記システム同定手段は、複数種類の電力供給システム対応の漏電システム同定を行う複数の同定部を有し、該複数の同定部の出力パラメータと前記漏電波形パラメータとの誤差が最小となる同定部による漏電システム同定結果を基に抵抗性漏洩電流を検出する手段を備えたことを特徴とする請求項6記載の漏洩電流検出装置。
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