ところで、電子機器や情報機器は小型化に多機能化にと進歩が著しく、その為操作も複雑になっている。ビデオカメラも例外ではなく、動画撮影の他に静止画の撮影、または編集などの作業もビデオカメラ本体で行う事が出来るようになっている。ビデオカメラの記録媒体の種類も従来のテープに記録するものから光ディスクに記録するビデオカメラも登場し、ますます機能が増えている。
一方、機器本体の小型化も進み、メニュー項目等の情報が表示される表示画面も小さくなっている。そのため、一度に多くの表示をすることができないので、機能を実行するためのメニュー項目を階層構成にして表示し、目的のメニュー項目を選択・実行することにより目的の機能を実行するようになっている。しかし、目的のメニュー項目が階層奥深くに配置されてしまっている場合もある。この場合、階層奥深くのメニュー項目を選択・実行するためには、階層を順を追って選択していき奥深くのメニュー項目まで辿り着く必要があり、目的のメニュー項目に辿り着き、実行するまでにはかなりのキー操作が発生する事となり、使い勝手が悪くなっている。
例えば、光ディスクを記録媒体としたビデオカメラの録画待機時に撮影・記録した動画や静止画の画像情報(以下、シーン)の中から1つのシーンを削除する場合を例として上げると、まず削除と言う編集作業を行う為に通常の録画待機状態の画面から編集用の画面へ移行する必要がある。そして編集用のメニュー画面を表示させ、表示されているメニュー項目中から「削除」の項目を選択し、選択した削除機能を実行する。削除機能が実行されると、シーンの削除をするためのシーンの代表である縮小画を一覧表示する削除シーン選択画面に移行する。表示されているシーンの縮小画の中から削除したいシーンを選択し、さらに削除を実行するとシーンが削除される。この例でのキー操作は、
1.編集用の画面へ移行させるキー操作
2.編集用の画面から編集用のメニュー画面へ移行させるキー操作
3.編集用のメニュー画面のメニュー項目から「削除」の項目を選択するキー操作
4.選択した削除機能を実行するキー操作
この後、画面表示は削除シーン選択画面に移行する
5.削除シーン選択画面から削除したいシーンを選択するキー操作、
6.選択されたシーンの削除を実行するキー操作
と最低でも6回のキー操作が必要である。
尚、上記では、編集用のメニュー画面に削除のためのメニュー項目がある場合で説明したが、削除の項目が階層深くにある場合には削除を選択するまでにさらにキー操作が増えることになる。
また、光ディスクを記録媒体としてこの光ディスクにシーンを記録するビデオカメラが登場しているが、この光ディスク記録のビデオカメラは、テープのビデオカメラとは異なりシーンの再生の為に巻き戻しの必要が無く、撮影したシーンを素早く再生することができる。そこで、上手に撮れていない場合などは、その場で上手に撮れなかった不要なシーンを削除して再び撮影をすることが行えるようになっている。またここで、不要なシーンが複数ある場合には削除のための操作を繰り返すことで行っている。しかしながら、キー操作の操作性の面では、上述したシーンを削除する操作を繰り返す場合には、複数回のキー操作を常に繰り返し行う事となり、操作性が悪く使い勝手が悪いという問題があった。
なお、上記特許文献1記載の従来技術では、一連のキー操作を記憶させる為には、操作記憶モードで登録したい一連のキー操作を予め入力しておかなければならないため、一連のキー操作を登録するという手間が掛かる点で操作性が悪いという問題がある。また、一連のキー入力情報を全て記憶する必要があるので、記憶部の記憶容量も大きくしなければならずコストアップになるという問題もあった。
本発明の目的は、ユーザーがメニュー項目で選択した機能を実行した場合、実行された機能に対応して予め付与した情報として機能名を含む識別子(以下、ID)を記憶しておき、その後機能再現キーが押下された場合には、記憶されているIDを読み出し、IDに対応する機能を実行する事で、予め一連のキー操作を記憶させておく必要がなくなり、1回のキー操作で直近の機能を再現することが可能な機能の再現機能を有する撮像装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本第1の発明は、各種情報を表示するための表示手段と、前記表示手段に表示された情報を選択するための選択キーと、前記選択キーにより選択された情報から任意の機能を実行するための実行キーとを備えた撮像装置において、前記任意の機能に対応して付与してある情報を記憶するための記憶手段と、前記記憶手段に記憶してある情報から前記任意の機能を実行するための機能再現キーを設け、前記実行キーが押下された場合に前記任意の機能を実行するとともに前記任意の機能に対応して予め付与してある情報を前記記憶手段に記憶し、前記機能再現キーが押下された場合には前記記憶手段に記憶されている情報を元に直近の任意の機能を実行することを特徴とする。これにより、予めユーザーが登録したいキー操作を操作登録モードに入れて順次キー操作をすることにより記憶させるという手間を要する事無く機能を記憶することが出来、その記憶された機能はボタン1つで直近の機能を再現することが出来るので、操作性が向上する。また、機能に対応した情報として付与した識別子(ID)で機能を記憶することで操作手順全てを記憶するためのメモリ領域を確保する必要が無くメモリ領域の増加を抑えることができる。
さらに、請求項1記載の機能の再現機能を有する撮像装置において、前記任意の機能に対応して予め付与してある情報には少なくとも機能名を含み、前記記憶手段に記憶された場合は前記表示手段に前記機能名を表示することを特徴とする。これにより、機能名も記憶されているので表示手段で操作名を確認することが出来るので、ユーザーの操作時の勘違いを抑制することが出来る。
第2の発明は、各種情報を表示するための表示手段と、前記表示手段に表示された情報を選択するための選択キーと、前記選択キーにより選択された情報から任意の機能を実行するための実行キーとを備えた撮像装置において、前記任意の機能に対応して予め付与してある情報を記憶するための記憶手段と、前記選択キーにより選択された情報から任意の機能を実行するとともに前記任意の機能に対応して予め付与してある情報を前記記憶手段に記憶するための機能登録キーと、前記記憶手段に記憶してある情報から前記任意の機能を実行するための機能再現キーを設け、前記実行キーが押下された場合は前記任意の機能を実行し、前記機能登録キーが押下された場合には前記任意の機能を実行するとともに前記任意の機能に対応して予め付与してある情報を前記記憶手段に記憶し、前記機能再現キーが押下された場合には前記記憶手段に記憶されている情報を元に直近の任意の機能を実行することを特徴とする。これにより機能登録キーを押下した場合は機能に対応した識別子(ID)を記憶し、実行キーを押下した場合は機能に対応した識別子(ID)を上書きしないように出来る。このため、後で再現したい機能を機能登録キーを押下して実行と共に記憶しておけば、直近に再現不要な機能を実行しても、機能再現キーの1回の押下により希望の機能が再現可能となり、操作性が向上する。
本発明によれば、撮像装置において、ユーザーがメニュー項目で選択した機能を実行した場合、実行された機能に対応して予め付与した情報として機能名を含む識別子(以下、ID)を記憶しておき、その後機能再現キーが押下された場合には、記憶されているIDを読み出し、IDに対応する機能を実行する事で、予め一連のキー操作を記憶させておく必要がなくなり、1回のキー操作で直近の機能を再現することが可能となる。そのため、操作性が向上する。さらに、記憶されている機能名も表示装置に表示することが出来るので、ユーザーの操作時の勘違いを抑制することが出来る。また、IDに対応した機能を直接起動することが出来るので、ユーザーが行った一連のキー操作を順次記憶する必要が無いので、メモリ領域の増加を抑えることができる。
図1、図2、図3、図6、図7、図8、図9、図10、図11、図12を用いて本発明を撮像装置の一例であるビデオカメラで用いた場合の一実施例を説明する。
まず、本発明によるビデオカメラにおける構成及び動作を図1を用いて説明する。図1は本発明を用いた例であるビデオカメラの構成図である。図1において、101は撮像装置、102はデジタル映像処理部、103は記録処理部、104はキー操作部、105は操作実行キー(決定キー)、106は機能再現キー、107は制御部、108は記憶部、109はID記憶部、110は記録媒体、111はメニュー等の画面生成部、112は再生処理部、113は映像信号データ処理部、114は表示装置である。
まず、記録時及び再生時について説明する。記録時、撮影装置101で撮影された映像信号はデジタル映像処理部102にてデジタル変換及び各種信号処理及び符号化され、映像データ(シーン)として記録処理部103を介して管理情報とともに記録媒体110に記憶される。再生時は、記録媒体110に記録されている管理情報を元にメニュー等の画面生成部111及び映像信号データ処理部113を介して表示装置114に表示された縮小画の一覧から、目的の映像データ(シーン)の縮小画をキー操作部104により選択及び再生の操作を行うと、記録媒体110から対応する映像データ(シーン)を読み出し、再生処理部112及び映像信号データ処理部113を介してアナログの映像信号として表示装置114にて表示する。
次に、本発明に係わる機能の再現時について説明する。ここでは、記憶されている映像データ(シーン)を削除する場合で説明する。
ユーザーは、撮影・記録が終了すると、キー操作部104のキー操作により、1)録画待機状態の画面から編集モード用の画面への移行、2)編集モード用のメニュー画面への移行、3)表示装置114に表示されているメニュー項目中から「削除」の項目を選択するとともに削除機能に対応したID及び機能名「シーン削除」をID記憶部109に記憶、4)選択した「削除」を実行するために操作実行キー105を押下すると削除機能が実行され削除シーン選択画面に移行する。その後、5)表示装置114に表示されているシーンの縮小画中から削除したいシーンを選択し、6)操作実行キー105を押下すると映像データ(シーン)が削除されるとともに録画待機状態の画面に戻る。ここで、記憶した機能名「シーン削除」を表示装置114に表示させる。
その後、ユーザーが映像データ(シーン)の削除を行いたくなった場合は、直近の機能である「シーン削除」の機能名が表示装置114に表示されているので、この表示を確認し、機能再現キー106を押下すると、ID記憶部109に記憶されているIDを読み出しIDに対応する削除機能を実行することにより削除シーン選択画面に移行する。その後は上記と同様に表示装置114に表示されているシーンの中から削除したいシーンを選択し、操作実行キー105を押下すると映像データ(シーン)が削除される。
このように、映像データ(シーン)を削除する場合、削除シーン選択画面を表示させるまでに、少なくとも4回のキー操作が必要であったものが、操作実行キー106押下の1回のキー操作で直近の機能を再現できるので、操作性が向上できる。また、予め一連のキー操作を記憶させておく必要もない。また、ユーザーが行った一連のキー操作を順次記憶する必要が無いので、メモリ領域の増加を抑えることができる。さらに、表示装置114に記憶されている機能名も表示することが出来るので、ユーザーの操作時の勘違いを抑制することが出来る。
次に、本発明による直近の機能を再現する処理の流れを図2、図3を用いて説明する。図2は機能を記憶するまでの処理の流れを示したフローチャート、図3は記憶された機能を再実行するまでの処理の流れを示したフローチャートである。
図2を用いて機能を記憶する処理の流れを説明する。ここでは、記憶されている映像データ(シーン)を削除する場合で説明する。ユーザーが、撮影・記録終了後、キー操作部104により行われた録画待機状態の画面から編集モード用の画面への移行のためのキー操作があると(ステップS201)、ステップS202にてステップS201での操作に対応するIDが付与されているかどうかの判別が行われる。このキー操作の場合には、IDが確認されないのでステップS201での操作が完了されていないと見なされステップS201に戻り次のキー操作を待つ。編集モード用のメニュー画面への移行のためのキー操作の場合も同様に、付与されたIDがないので、ステップS201に戻る。次に表示装置114に表示されている編集モード用のメニュー画面のメニュー項目中から「削除」の項目を選択した場合は、ステップS202にてIDが付与されていると判断されるので、操作完了と見なしステップS203にて操作実行キー105のキー操作が行われるのを待つ。ステップS203にて操作実行キー105のキー操作を確認するとステップS204にて動作モード及び表示状態の情報を含むID及び機能名「シーン削除」がID記憶部109に記憶されると共に操作による削除機能が実行され、ステップS205で削除シーン選択画面が表示され削除機能実行処理は終了する。その後、ステップS206で表示装置114に表示されているシーンの中から削除したいシーンを選択し、ステップS207で操作実行キー105を押下すると映像データ(シーン)の削除が実行される。その後、ステップS208で、録画待機状態の画面に戻ると共にID記憶部109に記憶されている機能名「シーン削除」を表示装置114に表示する。
尚、ステップS204にてID及び機能名を記憶するときに、すでにID記憶部109にID及び機能名が記憶されている場合は、すでに存在しているID及び機能名に新しいID及び機能名が上書きされる。
ここで、このIDは全ての操作やメニュー項目に付与するのではなく、ユーザーが操作実行キー105を押した時に機能を実行することの出来る機能項目に予め付与している。このような構成とすることで、全ての機能にIDを付与しないので、管理するIDの個数を軽減することが出来る。
次に、図3、図9を参照して記憶されたIDが機能再現キー106にて呼び出され機能が実行されるまでの処理の流れを説明する。図9は表示装置114に実行不可の表示がされた表示例である。上記ステップS208において表示装置114に表示された機能名が所望の機能「シーン削除」である場合、ステップS301にて機能再現キー106のキー操作が行われると、ステップS302でID記憶部109から制御部107によりIDが呼び出される。ステップS302にて呼び出されたIDはステップS303で動作モード(動画モード/静止画モード)の確認が行われる。ステップS303ではID記憶部109に記憶されているIDの動作モードと現在の本ビデオカメラの動作モードとを比較する。ステップS303で動作モードが異なり機能が再現できない、「NG」と判断されると、ステップS307で機能再現キー106のキー操作が無効化され機能は再現されないと共に表示装置114にその旨を表示する。例えば、動画モードの時に静止画の画質を変更する機能の再現を行おうとしたときは、図9のように表示装置114に「このモードでは機能を実行することが出来ません。」等のメッセージを表示する。このメッセージは例であり、このコメントの内容に限定されるものではない。
ステップS303で動作モードの比較により機能の実行が可能「OK」と判断されるとステップS304へ進む。シーン削除機能の場合は動画モードでも静止画モードでも機能の実行が可能であるので、ステップS304で本ビデオカメラのメニュー画面の表示モードの状態の確認が行われる。ステップS302で呼び出されたIDからカメラ設定モード用のメニュー画面表示なのか、編集モード用のメニュー画面表示なのかの情報を得て、現在のカメラの表示モードの状態と比較し機能が実行できるかの判断を行う。ステップS304にて表示モードの状態が同じで機能の実行が可能「OK」と判断されると、ステップS305に進む。表示モードの状態が異なり機能の実行が不可能「NG」と判断されるとステップS308へ進む。
ステップS304にて表示モードの状態が編集モード用のメニュー画面表示になっている場合には、シーン削除機能が実行可能と判断されるのでステップS305でIDに対応した機能が実行される。ステップS306で機能再現キー106のキー操作により記憶されたIDに対応した機能である削除シーン選択画面が表示され削除機能実行処理は終了する。以降は、上述ステップS206及びS207と同様な処理により、映像データ(シーン)の削除が実行される。
ステップS304にて表示モードの状態がカメラ設定モード用のメニュー画面表示になっている場合には、シーン削除機能の実行が不可能と判断されるので、ステップS11で機能が実行できる状態の表示モードに変更するための判別を行う。ステップS308にて現在のカメラの状態がカメラ設定モードと判断されると、記録されているIDのカメラのメニュー画面の表示モードの状態は編集モードなので、現在のカメラの表示モードの状態をステップS312にて編集モードへ変更し、ステップS313にて制御部107により記憶されたIDに対応した機能が実行される。ステップS314で機能再現キー106のキー操作により記憶されたIDに対応した機能である削除シーン選択画面が表示され削除機能実行処理は終了する。以降は、上述ステップS206及びS207と同様な処理により、映像データ(シーン)の削除が実行される。
また、ステップS308にて現在のカメラの表示モードの状態が編集モードと判断され、記憶されているIDのカメラの表示モードの状態がカメラモードであるときは、現在のカメラの表示モードの状態をステップS309にてカメラモードへ変更し、ステップS310にて制御部107により記憶されたIDに対応した機能が実行される。ステップS311で機能の実行処理が終了する。
以上、図1、図2、図3、図9を用いて機能に対応したIDがID記憶部9に記憶され、機能再現キー6によって機能が再現実行するまでの流れを示した。このような構成とすることで、操作の記憶モードに一度入る事が無くとも、ユーザーが行った機能を記憶しておき、機能再現キー106の1回のキー操作にて記憶されている機能を実行することが出来る。
ここで、本発明による機能再現キー106を用いない場合と用いた場合との操作及び処理の流れの違いを説明する。図11は機能再現キー106を用いないで削除機能を実行した場合の例の処理の流れを示したフローチャート、図12は機能再現キー106を用いて削除機能を実行した場合の例の流れを示したフローチャートである。
まず、図11を用いて、機能再現キー106を用いないで削除機能を実行した場合の例のキー操作及び処理の流れを説明する。ユーザーが、撮影・記録終了後、映像データ(シーン)の削除を行う為にステップS1101で録画待機状態の画面から編集モード用の画面への移行のためのキー操作(ボタン押下)が行われると、編集モード用の画面に移行する。ステップS1102にて編集モード用のメニュー画面への移行のためのキー操作(ボタン押下)が行われると、編集モード用のメニュー画面が表示される。ステップS1103で表示された編集モード用のメニュー画面のメニュー項目中から「削除」の項目を選択する。削除の項目を選択したらステップS1104で操作実行キー105を押下して削除機能を実行する。このとき表示装置114に削除シーン選択画面が表示されるので、ステップS1105にて削除するシーンを選択する。そして、ステップS1106にて操作実行キー105を押下して選択したシーンの削除を実行する。このように、本実施例の例では削除機能を実行するまでにキー操作がステップS1101からS1104までの4回発生している。
これに対し、本発明による機能再現キー106を用いた場合を、図12を用いて説明する。まずステップS1201で機能再現キー106を押下すると、ID記憶部109に記憶してあるIDを元に削除機能が実行され削除シーン選択画面まで一気に移行する。そしてステップS1202にて削除シーンを選択してステップS1203で操作実行キー105を押下してシーンの削除を実行する。このように機能再現キー106を用いると削除機能を実行するまでのキー操をステップS1201の1回に軽減することが出来、操作性が向上する。また、予め一連のキー操作を記憶しておく手間も不要であり、使い勝手が良い。また、IDに対応した機能を直接起動することが出来るので、ユーザーが行った一連のキー操作を順次記憶する必要が無いので、操作を記憶する為の確保するメモリ領域の増加を抑えることができる。
尚、図11のステップS1103では削除機能は1回のキー操作で選択されたことになっているが、カーソル等を移動して削除機能を選択する表示構成になっている場合には、さらにキー操作の回数が軽減される。
ここで、図6の表を用いて予め付与されているIDの構成について詳細な一実施例を述べる。IDは、機能に対応して機能名と本ビデオカメラの状態を表す情報と機能を表す情報と登録ナンバーで構成されている。本ビデオカメラの状態とは、動画撮影モードや静止画撮影モード等の動作モードや、撮影する動画の画質などを変更することの出来るカメラ設定用モード用のメニュー表示(以下カメラモードメニューとする)や、編集・再生などの設定できる編集用モード用のメニュー表示(以下編集モードメニューとする)等を指す。また、機能名は表示装置114に表示するための情報である。ここで、モードの項目としては動画撮影モードの情報を「M」及び静止画撮影モードの情報を「P」を、メニューの項目としてはカメラモードメニューの情報を「C」及び編集モードメニューの情報を「E」としている。例えば、映像データ(シーン)の削除機能の場合は、モードの項目としては動画撮影モードと静止画撮影モードの両モードで実行出来る機能なので「MP」、メニュー項目としては、編集モードメニューから実行出来る機能なので「E」、シーン削除を表す登録ナンバーとした「015」が付与されている。これを組み合わせて、シーン削除の場合はIDを「MPE015」として、操作実行キー105が押下された場合ID記憶部109に記憶しておき、機能再現キー106が押下された場合この「MPE015」のIDを元にシーンの削除機能を再現する。尚、動画撮影モードのカメラメニュー動画画質変更のIDは「MC001」、静止画撮影モードのカメラメニュー静止画質変更のIDは「PC002」となっている。
このように、IDの情報として機能だけではなく動作モード、表示の状態の情報を同時に記憶している。これにより、上記図3で説明したように、動作モードの違いや表示の状態の違いがあった場合でも、再現したい機能を再現したり、注意表示をしたり出来、使い勝手がよくなる。
尚、IDの情報として機能の情報だけでも構わないし、他の情報を含んでも構わない。
次に、図7と図8及び図9を用いて記憶されたIDの機能名が表示装置114に表示される一実施例を示す。図7はカメラスルー画の状態(録画待機状態)に表示装置114に表示される表示例、図8ははカメラ設定モード用のメニュー表示として表示装置114に表示される表示例、図9は録画待機状態に表示装置114に実行不可の表示がされた表示例である。図7、図8、図9において、701は記録モード、702はカメラの動作状態(記録中または記録待機常態)、記録時間および記録残量時間、703は記録媒体の種類と画質モード、704は日付と時刻、705はID記憶部109に記憶されている機能名、801はメニュータイトル、802はメニュー項目、803は使用キー表示、804はID記憶部109に記憶されている機能名、901は記録モード、902はカメラの動作状態(記録中または記録待機常態)、記録時間および記録残量時間、904は記録媒体の種類と画質モード、905は日付と時刻、906は静止画画質変更の機能がID記憶部109に記憶されているときの機能名、903は実行不可の表示である。これらは、記憶されたIDの機能名が表示装置114に表示される一実施例の図であり、表示装置114の空いているスペースを利用し記憶されたIDの機能名を表示する。このような構成とすることで記憶された機能が何であるかを確認することが出来ユーザーの勘違いを抑制することが出来る。また、図9のように実行付加の表示903として「このモードでは機能を実行することが出来ません。」等のメッセージを表示することにより、ユーザーに注意を喚起することが出来る。
ここで、図10を用いて機能再現キーをビデオカメラに設置した場合の外観を説明する。図10は機能再現キーを設置したビデオカメラの実施例の概略図である。図10において、1001はレンズ部、1002はEVF(Electric View Finder)、1003は表示部、1004〜1007はキー操作ボタン、1008は機能再現キー、1009は操作実行(決定)キー、1010はバッテリーパック、1011はジョイスティックである。1004〜1007の操作に使用するボタンの中に、機能再現キー1008を配置することにより、他のボタンとの操作性を損なう事が無く機能再現キー1008を使用することが出来る。すなわち、ユーザーは操作実行キー1009を押下して実行した機能を、表示部1003に表示されている機能名を確認し、機能再現キー1008を押下することにより、直近の機能を再現でき、操作性が向上する。
また、実施例1では複数のモードを通して1つのIDを記憶するようにしているが、モードごとに記憶しても構わない。その場合は、ID記憶部109にモードごとに複数のIDを記憶できる構成とし、表示装置114にモードごとに直近に記憶された機能名を表示し、機能再現キー106の押下により直近の機能を再現することが出来る。この場合ステップS303の操作は省くことが可能である。
実施例1では記憶されるIDは操作・機能実行が行われると上書きされてしまう構成となっていたが、上書きされないような構成としても良く、本発明によるビデオカメラにおける第2の実施例を図4、図5を用いて説明する。
図4は操作を記憶させるために登録キーを設けた第2の実施例の場合のビデオカメラの構成図、図5は操作を記憶させるための第2の実施例の処理の流れを示したフローチャート図である。尚、実施例1と同等な部分の説明はここでは省略する。
図4において、401は撮像装置、402はデジタル映像処理部、403は記録処理部、404はキー操作部、405は操作実行キー、406は機能再現キー、407は機能登録キー、408は制御部、409は記憶部、410はID記憶部、411は記録媒体、412はメニュー等の画面生成部、413は再生処理部、414は映像信号データ処理部、415は表示装置である。キー操作部404には、選択した機能を実行するための操作実行キー405と、機能を再現するための機能再現キー406と、選択した機能を実行するとともにID記憶部410に機能に対応したIDを記憶するための機能登録キー407とを設ける。実施例1との違いは、機能登録キー407の追加と、操作実行キー405押下時はIDを記憶しないことである。後で再現したい機能は機能登録キー407の押下により機能実行と共にIDを記録し、再現不要な機能は操作実行キー405の押下により機能実行をすることにより、直近に再現不要の機能を実行した後でも、機能再現キー406の1回の押下により希望の機能が再現可能となり、操作性が向上する。
図5において、キー操作部404により行われた操作は図2のステップS201、S202と同様に、ステップS501とステップS502にて操作完了を判断される。ステップS502で操作完了と見なされるとステップS503にて操作実行キー405か機能登録キー407のキー操作が行われるのを待つ。ステップS503にて機能登録キー407にて操作が決定された場合は、ステップS504に移行し、IDを制御部408によりID記憶部410に記憶するとともに機能が実行され、ステップS505で機能実行処理は終了する。削除機能を例とすると、ここで削除シーン選択画面が表示され削除機能実行処理が終了することとなる。ステップS503にて操作実行キー405にて操作が決定されると、ステップS506に移行しIDを記憶することなく制御部408により操作が実行され、ステップS507で機能実行処理が終了する。削除機能を例とすると、ここで削除シーン選択画面が表示され削除機能実行処理は終了する。実施例1では操作実行キーのキー操作が行われると自動的にIDがID記憶部410に記憶されたが、ここではIDを記憶する時に機能登録キー407のキー操作を行うことによって初めてID記憶部410にIDが記憶される構成となっている。機能再現キー406によっての機能再現の流れ等は実施例1と変わらないのでここでは省略する。
このような機能登録キー407を設けても上述の構成とすることで、IDは常に上書きされこともなくユーザーが必要に応じて操作した機能を記憶させることを可能にすることが出来る。
以上、本発明の実施例をビデオカメラにて示したが、上記の構成または形態に限定される物ではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な構成が考えられる。
また、今回使用したIDの構成または書式はあくまで例であり、それぞれのカメラの状態やメニュー項目等を識別出来るような構成であれば、IDはこの例の構成に限定される物ではない。
図7、図8、図9においての表示内容や表示位置はあくまで例であり、この表示内容や表示位置が限定されるものではない。
図3においてのステップS303とステップS304の状態判断は、ビデオカメラの操作や機能の構成により判断の順序を変更、ビデオカメラの機能や構成を増減させた場合等、判断の項目を増減させる等をしてもよい。あくまで、ステップS303とステップS304では、現在のビデオカメラの状態を判断し、記憶されたIDの操作が実行できない場合は実行しない。または、現在の状態で実行出来る場合は機能を実行し、このままの状態では実行出来ずビデオカメラの状態の変更が必要な場合は実行出来るように現在のビデオカメラのモード等状態を変更することで、記憶されたIDの操作を実行するための判断、状態の変更を行う為の判断を行う箇所である。ビデオカメラの状態の判断や、比較の順序・項目はこの手順・項目に限定されるものではなく、常に実行出来る機能の場合はこの判断項目が無くても良い。
図10のキー配置や機能再現キー1008以外のボタンの個数などは、あくまで例であり、個数や配置場所が限定されるものではない。しかし、機能再現キー1008は通常の操作に使うボタンの近くに配置するほうが操作性を損なう事が無く、解り易く好ましい。
また、本発明での機能再現キー1008の個数は1個などキーの個数が限定されるものではなく複数個あってもよい。そのときは記憶することの出来るIDはキーの個数分だけあり、記憶することの出来るIDの個数が超過した場合は、古いIDから順に上書きするような構成としても良い。
以上の実施例は撮像装置に限らず、機能を実行する為にメニュー等のキー操作を有する電子機器でも利用は可能である。しかしながら、ビデオカメラのように画面や釦の制限がある装置に適用する方が、より好適である。