JP2006135426A - 路車間通信システム及びその基地局及び指向性可変アンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】基地局アンテナとしてのより簡易な指向性制御を可能として、駐車区画の遠近にかかわらず、より安定したデータ通信を実現することのできる路車間通信システム及びその基地局及び同システムの基地局アンテナとして特に望ましい指向性可変アンテナを提供する。
【解決手段】基地局には、指向性可変アンテナ11aとして、複数のアンテナ素子111が水平方向に配列された水平方向アレイ111a〜111pがさらに垂直方向に複数段配設された平面アレイアンテナ110が設けられる。この平面アレイアンテナ110の水平方向アレイ111a〜111pの各給電路にはスイッチング素子112a〜112pが設けられており、そのオン/オフ制御を通じて、指向性可変アンテナ11aから発せられるビームの垂直方向のビーム幅が可変とされる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、例えば公共の駐車場や道路等に固定的に設置された基地局と車両に設けられた端末局との間で無線によるデータ通信を行なう路車間通信システム及びその基地局及び同システムの基地局に採用して有益な指向性可変アンテナに関する。
従来、この種の路車間通信システムとしては、例えば特許文献1に記載のシステムが知られている。図22に、この特許文献1に記載のシステムも含めて、従来一般に知られているシステムの一例を示す。
同図22に示されるように、この路車間通信システムでは、駐車場38の例えば中央に支柱が設けられ、該支柱の上端に基地局20が設置されている。そして、この基地局20には、有指向性アンテナからなる基地局アンテナ21が備えられている。また、駐車場38には駐車区画38a〜38lが区画形成されており、同図22では、該駐車区画のいくつかに車両42a〜42eが停車している状態を示している。そして、これらの車両42a〜42eにはそれぞれ、その車室内に、上記基地局20との通信を通じて各種データをダウンロード等するための端末局(図22では図示略)が搭載されている。ここで例えば、駐車区画38fに停車している車両42eと基地局20との間で通信を行なう場合には、基地局20においてこの車両42eの確認のもとに上記基地局アンテナ21の指向性を駐車区画38fに合わせ、車両42eに搭載されている端末局との間で所定の認証等を行った上で、コンピュータ27からの指令に基づき基地局アンテナ21から車両42eに向けて当該要求データがミリ波帯の電波Dとして送信される。
図23は、こうした路車間通信システムで用いられる基地局20の構成、及び上記端末局を備える車両の構造の一例を模式的に示したものである。同図23に示されるように、基地局20には、上述した基地局アンテナ21に加え、この基地局アンテナ21を通じての無線通信を制御する通信装置22、同基地局アンテナ21の指向角度を通信の対象とする車両42に向けるべくこれを駆動する駆動装置23、車両42の進入や同車両42が入庫した駐車区画等を検出する車両センサ25、この車両センサ25による検出情報を適宜に処理する信号処理装置26等を備えている。そして、この処理信号や上記通信装置22を通じた認証情報等がコンピュータ27に与えられ、該コンピュータ27を通じて上記駆動装置23による基地局アンテナ21の角度制御や通信装置22を介してのデータの授受等が行われる。一方、車両42は、例えば無指向性アンテナからなる基地局41と、該端末局アンテナ41を介して基地局20とのデータ通信を行なう端末局40と、基地局20から配信されたデータを記憶保持する記憶装置43とを基本的に備えている。そして、同システムの運用に際しては、車両42に搭乗しているユーザによる上記端末局40の操作を通じて所望とするデータのダウンロード要求が発せられることにより、基地局20との間での認証処理(ID認証)等が行われ、その結果、登録されたユーザであることが確認されることを条件に基地局20側からのダウンロードが開始される。このダウンロードは、基地局20側のコンピュータ27から通信装置22及び基地局アンテナ21を介して行われ、端末局アンテナ41を介して端末局40に受信されたデータが逐次上記記憶装置43に記憶保持される。
特開2003−264499号公報
ところで、こうした路車間通信システムにあっては上述のように、基地局アンテナ21には通常、そのアンテナ利得向上のために有指向性のアンテナが採用される。ただし、このような有指向性アンテナのビーム幅は一般に、広すぎるとアンテナ利得が低下し、また逆に、狭すぎるとその照射範囲も狭くなるために、指向角度の設定が難しくなる。すなわち、ある指向角度を有する基地局アンテナ21を用いた場合、基地局20から距離的に遠い駐車区画に対しては、上記ビーム幅が広すぎることから、それに伴って当該駐車区画での電界強度は低下する。また逆に、基地局20から距離的に近い駐車区画に対しては、上記ビーム幅が狭すぎることから、電界強度は高く維持されるものの、上記駆動装置23を通じた指向角度の制御が難しくなる。
なお、上記基地局アンテナ21としては、例えばフェーズドアレイアンテナ等、指向性を電子的に可変とするアンテナを採用することも可能であり、このようなアンテナを採用することによって上述した問題も解消されるようにはなる。しかし、このようなアンテナは高価である上に、その指向性の制御自体が複雑且つ煩雑であり、実用に際してはなお課題を残すものとなっている。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、基地局アンテナとしてのより簡易な指向性制御を可能として、駐車区画の遠近にかかわらず、より安定したデータ通信を実現することのできる路車間通信システム及びその基地局及び同システムの基地局アンテナとして特に望ましい指向性可変アンテナを提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の路車間通信システムあるいは請求項9に記載の路車間通信システムの基地局では、特定の位置に設置された基地局から有指向性のアンテナを介して複数の駐車区画に対するスポットセルを選択的に形成しつつ、それら駐車区画に駐車中の車両に搭載されている端末局との間で無線通信を行う路車間通信システムあるいはその基地局として、垂直方向のビーム幅を変更可能な基地局アンテナを備えるとともに、該アンテナの垂直方向のビーム幅の変更を通じて前記各駐車区画に対する選択的なスポットセル形成に際しての指向性を制御するようにした。
路車間通信システムにあっては、基地局アンテナと複数の駐車区画の各々との位置的な関係上、上記アンテナの垂直方向のビーム幅のみを可変とすることで、基地局、正確にはそのアンテナとそれら各駐車区画との遠近にかかわらず、上記スポットセルの形状を適正化、すなわちスポットセルとして十分な大きさを有しながらも隣接する駐車区画に電波が漏洩することのない、いわば同一径で且つ、ほぼ真円に近いスポットセル形状とすることが可能となる。したがって、路車間通信システムあるいはその基地局としての上記構成によれば、基地局アンテナとして前述したフェーズドアレイアンテナ等を採用せずとも、該基地局アンテナとしての最低限の指向性可変機能を利用して、複数の駐車区画の各々に対するスポットセル形状の適正化を図ることができるようになり、ひいては適正なアンテナ利得を維持することができるようにもなる。
また、路車間通信システムあるいはその基地局としての上記構成において、請求項2に記載の路車間通信システムあるいは請求項10に記載の路車間通信システムの基地局では、前記垂直方向のビーム幅を変更可能なアンテナを、複数のアンテナ素子が水平方向に配列された水平方向アレイがさらに垂直方向に複数段配設された平面アレイアンテナとして構成し、前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択によって前記垂直方向のビーム幅を可変とすることとした。
上記基地局アンテナとしてこのような構成のアンテナを採用することで、上記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御のみを通じて、同アンテナから前記複数の駐車区画の各々を見た垂直方向の角度幅に垂直方向のビーム幅を容易、且つ的確に追従させることができるようになる。
また、このような構成においてさらに、請求項3に記載の路車間通信システムあるいは請求項11に記載の路車間通信システムの基地局では、前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択を、それら水平方向アレイの各給電路に設けられたスイッチング素子のオン/オフ制御として行うこととした。
このような構成により、上記基地局アンテナとしての垂直方向のビーム幅を可変とする指向性制御を極めて簡易に、しかも安価に実現することができるようになる。
また、上記請求項2または3に記載の路車間通信システム、あるいは請求項10または11に記載の路車間通信システムの基地局において、請求項4に記載の路車間通信システムあるいは請求項12に記載の路車間通信システムの基地局では、前記複数の駐車区画の各々に対応して、前記アンテナの回転角、及び同アンテナを基準として天頂から前記各駐車区画を見下ろした角度である天頂角、及び同アンテナから発せられるビームのビーム幅に対応した前記有効素子数の値がそれぞれ関連付けされた書き換え可能な情報テーブル(対応表)を有し、通信対象となる駐車区画が選択される都度、この情報テーブルに書き込まれている回転角及び天頂角及び有効素子数の値に基づいて前記アンテナの方向及び必要とされるビーム幅を制御する制御手段を基地局に備える構成とした。
路車間通信システムあるいはその基地局としてのこのような構成によれば、通信対象となる駐車区画の選択に基づく同通信システムとしての指向性制御の自動化も容易となる。また、上記情報テーブル(対応表)を書き換え可能なテーブルとしておくことで、それら登録内容に対する初期設定後の必要に応じた変更等も容易となる。なお、ここでいう制御手段には、制御装置をはじめ、該制御装置からの指令に基づいて上記アンテナの回転角及び天頂角を機械的に可変とする駆動装置等も含まれる。
一方、上記請求項1に記載の路車間通信システムあるいは請求項9に記載の路車間通信システムの基地局において、請求項5に記載の路車間通信システムあるいは請求項13に記載の路車間通信システムの基地局では、前記垂直方向のビーム幅を変更可能なアンテナを、複数のアンテナ素子が水平方向に配列された水平方向アレイがさらに垂直方向に複数段配設された平面アレイアンテナとして構成し、前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択及び給電位相の変更によって前記垂直方向のビーム幅及び前記アンテナを基準として天頂から前記各駐車区画を見下ろした角度であるビーム天頂角を可変とすることとした。
上記基地局アンテナとしてこのような構成のアンテナを採用することで、上記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御のみを通じて、同アンテナから前記複数の駐車区画の各々を見た垂直方向の角度幅に垂直方向のビーム幅を容易、且つ的確に追従させることができるとともに、それら駐車区画の各々に対するビーム天頂角自体をも変更することができるようになる。
また、このような構成においてさらに、請求項6に記載の路車間通信システムあるいは請求項14に記載の路車間通信システムの基地局では、前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択を、それら水平方向アレイの各給電路に設けられたスイッチング素子のオン/オフ制御として行い、同水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた給電位相の変更を、それら水平方向アレイの給電路に設けられた位相器による給電位相の制御として行うこととした。
このような構成により、上記基地局アンテナとしての垂直方向のビーム幅、及びビーム天頂角を可変とする指向性制御を極めて簡易に、しかも安価に実現することができるようになる。
さらに、このような構成において、請求項7に記載の路車間通信システムあるいは請求項15に記載の路車間通信システムの基地局では、前記位相器による給電位相の制御が、前記平面アレイアンテナの開口面の垂線方向を天頂角90度とするとき、所望とされるビーム天頂角θ[度]に対し、前記平面アレイアンテナを構成する各水平方向アレイ間の距離をd[m]、同アンテナから発せられるビームの波長をλ[m]として、前記各水平方向アレイ間の位相差δ[度]を、その天頂側から

δ=−(360/λ)×d×sin{π(θ−90)/180}

に設定する制御、もしくはそれに準ずる制御として行われることとした。
このような構成により、例えば平面アレイアンテナの開口面の垂線方向を水平に固定した状態でも、駐車区画の各々において所望とされる天頂角に対応したビーム天頂角θ[度]が得られるようになる。なお、上記の式は、上記の前提に基づく一例にすぎず、平面アレイアンテナの開口面の垂線方向の角度が変化すれば、あるいは天頂角の基準とする角度定義を変更すれば、それに応じて上記の式も変化する。要は、上記の式、もしくはそれに準ずる制御として上記位相器による給電位相の制御が行われる構成であればよい。
また、上記請求項5〜7のいずれかに記載の路車間通信システム、あるいは請求項13〜15のいずれかに記載の路車間通信システムの基地局において、請求項8に記載の路車間通信システムあるいは請求項16に記載の路車間通信システムの基地局では、前記複数の駐車区画の各々に対応して、前記アンテナの回転角、及び同アンテナから発せられるビームのビーム天頂角に対応した前記給電位相の制御量、及び同ビームのビーム幅に対応した前記有効素子数の値がそれぞれ関連付けされた書き換え可能な情報テーブル(対応表)を有し、通信対象となる駐車区画が選択される都度、この情報テーブルに書き込まれている回転角及び給電位相の制御量及び有効素子数の値に基づいて前記アンテナ並びにビームの方向及び必要とされるビーム幅を制御する制御手段を基地局に備える構成とした。
路車間通信システムあるいはその基地局としてのこのような構成によれば、基地局アンテナとして特に上記請求項5あるいは請求項13に記載の構成を有するアンテナ、すなわち垂直方向のビーム幅及びビーム天頂角が共に可変であるアンテナを採用する場合に、上記通信対象となる駐車区画の選択に基づく同通信システムとしての指向性制御を自動化する上での利便性の向上が図られるようになる。そしてここでも、上記情報テーブル(対応表)を書き換え可能なテーブルとしておくことで、それら登録内容に対する初期設定後の必要に応じた変更等も容易となる。なお、ここでいう制御手段には、制御装置をはじめ、該制御装置からの指令に基づいて上記アンテナの回転角を機械的に可変とする駆動装置等も含まれる。
他方、請求項17に記載の指向性可変アンテナでは、複数のアンテナ素子が水平方向に配列された水平方向アレイがさらに垂直方向に複数段配設された平面アレイアンテナとして構成されるとともに、前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択によって垂直方向のビーム幅が可変とされる構成とした。
指向性可変アンテナとしてのこのような構成によれば、例えば上述した路車間通信システム等、有指向性の1つのアンテナを介して複数の通信領域に対するスポットセルを選択的に形成するような場合に、上記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御のみを通じて、同アンテナからそれら複数の通信領域の各々を見た垂直方向の角度幅に垂直方向のビーム幅を容易、且つ的確に追従させることができるようになる。したがって、フェーズドアレイアンテナ等、複雑且つ高価なアンテナを採用せずとも、該アンテナとしての最低限の指向性可変機能を利用して、複数の通信領域の各々に対するスポットセル形状の適正化を図ることができるようになり、ひいては適正なアンテナ利得を維持することができるようにもなる。
また、このような構成においてさらに、請求項18に記載の指向性可変アンテナでは、前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択が、それら水平方向アレイの各給電路に設けられたスイッチング素子のオン/オフ制御として行われるようにした。
このような構成により、当該指向性可変アンテナとしての垂直方向のビーム幅を可変とする指向性制御を極めて簡易に、しかも安価に実現することができるようになる。
また一方、請求項19に記載の指向性可変アンテナでは、複数のアンテナ素子が水平方向に配列された水平方向アレイがさらに垂直方向に複数段配設された平面アレイアンテナとして構成されるとともに、前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択及び給電位相の変更によって垂直方向のビーム幅及びビーム天頂角が可変とされる構成とした。
指向性可変アンテナとしてのこのような構成によっても、例えば上述した路車間通信システム等、有指向性の1つのアンテナを介して複数の通信領域に対するスポットセルを選択的に形成するような場合に、上記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御のみを通じて、同アンテナから前記複数の通信領域の各々を見た垂直方向の角度幅に垂直方向のビーム幅を容易、且つ的確に追従させることができるとともに、それら通信領域の各々に対するビーム天頂角自体をも変更することができるようになる。したがってこの場合も、フェーズドアレイアンテナ等、複雑且つ高価なアンテナを採用せずとも、該アンテナとしての最低限の指向性可変機能を利用して、複数の通信領域の各々に対するスポットセル形状の適正化を図ることができるようになり、ひいては適正なアンテナ利得を維持することができるようになる。
また、このような構成においてさらに、請求項20に記載の指向性可変アンテナでは、前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択が、それら水平方向アレイの各給電路に設けられたスイッチング素子のオン/オフ制御として行われ、同水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた給電位相の変更が、それら水平方向アレイの給電路に設けられた位相器による給電位相の制御として行われるようにした。
このような構成により、当該指向性可変アンテナとしての垂直方向のビーム幅、及びビーム天頂角を可変とする指向性制御を極めて簡易に、しかも安価に実現することができるようになる。
さらに、このような構成において、請求項21に記載の指向性可変アンテナでは、前記位相器による給電位相の制御が、前記平面アレイアンテナの開口面の垂線方向を天頂角90度とするとき、所望とされるビーム天頂角θ[度]に対し、前記平面アレイアンテナを構成する各水平方向アレイ間の距離をd[m]、同アンテナから発せられるビームの波長をλ[m]として、前記各水平方向アレイ間の位相差δ[度]を、その天頂側から

δ=−(360/λ)×d×sin{π(θ−90)/180}

に設定する制御、もしくはそれに準ずる制御として行われることとした。
このような構成により、例えば平面アレイアンテナの開口面の垂線方向を水平に固定した状態でも、通信領域の各々において所望とされる天頂角に対応したビーム天頂角θ[度]が得られるようになる。なおここでも、上記の式は、上記の前提に基づく一例にすぎず、平面アレイアンテナの開口面の垂線方向の角度が変化すれば、あるいは天頂角の基準とする角度定義を変更すれば、それに応じて上記の式も変化する。要は、上記の式、もしくはそれに準ずる制御として上記位相器による給電位相の制御が行われる構成であればよい。
(第1の実施の形態)
図1〜図9に、この発明にかかる路車間通信システム及びその基地局及び指向性可変アンテナについてその一実施の形態を示す。なお、この実施の形態にかかる路車間通信システムも、その基本的な構成は、先の図22に例示した路車間通信システムに準じたものとなっている。ただし、この実施の形態の路車間通信システムでは、基地局に設けられる有指向性のアンテナとして、以下に詳述するような指向性可変アンテナを採用することで、簡易ながらも、駐車区画の遠近にかかわらず、より安定したデータ通信を実現するようにしている。
はじめに、図1を参照して、基地局のアンテナである上記指向性可変アンテナの指向性設定態様についてその概要を説明する。
この図1において、図1(a)は、この指向性可変アンテナによる指向性設定態様を側面図として、また図1(b)は、同指向性設定態様を平面図として、それぞれ従来の基地局アンテナによる指向性(破線)との対比のもとに模式的に示したものである。
すなわち、これら図1(a)及び(b)に破線にて示すように、従来の基地局アンテナによれば、複数の駐車区画、例えば駐車区画A1〜A3の各々に対し全て一定の角度幅(指向性)をもって基地局10からビーム(電波)D2が照射される。このため前述のように、基地局10から距離的に遠い駐車区画A3に対してはビーム幅が広くなりすぎ、それに伴って当該駐車区画での電界強度も低下する。しかもこの駐車区画A3に形成されるスポットセルは、図1(b)からも明らかなように、隣接する駐車区画A2にまで延出されるかたちで形成されるため、送信データがこの隣接する駐車区画A2に漏洩する懸念もある。一方、基地局10から距離的に近い駐車区画A1に対してはビーム幅が狭くなりすぎ、それに伴って電界強度は向上するものの、その照射範囲が狭くなるため、同駐車区画A1に対するビームの照射角度の制御が難しくなる。
これに対し、この実施の形態において採用する上記指向性可変アンテナでは、同図1(a)及び(b)に実線にて示すように、上記駐車区画A1〜A3の各々に対し、その垂直方向のビーム幅がそれぞれ変更される態様をもって基地局10からビーム(電波)D1が照射される。このため、図1(b)からも明らかなように、基地局10とそれら各駐車区画A1〜A3との遠近にかかわらず、上記スポットセルの形状を適正化することができるようになる。すなわち、スポットセルとして十分な大きさを有しながらも、隣接する駐車区画に電波が漏洩することのない、いわば同一径で且つ、ほぼ真円に近い均一なスポットセルSC1〜SC3を得ることができるようになる。
次に、こうして垂直方向のビーム幅を選択的に変更可能とする上記指向性可変アンテナの構成について図2を用いて詳述する。
同図2に示されるように、この指向性可変アンテナ11aは、複数(この例では16個)のアンテナ素子111が水平方向Hに配列された水平方向アレイ111a〜111pがさらに垂直方向Vに複数段(この例では16段)配設された平面アレイアンテナ110として構成されている。そして、この平面アレイアンテナ110の給電路には、上記各水平方向アレイ111a〜111pへの給電をオン/オフ制御するスイッチング素子112a〜112pが設けられ、これらスイッチング素子112a〜112pを介して電源113に接続されている。したがって、例えばスイッチング素子112aのみがオンとされる場合には、水平方向アレイ111aへの給電のみが行われ、平面アレイアンテナ110としてこの水平方向アレイ111aのみが能動となる。同様に、スイッチング素子112b〜112pがオンとされる場合には、水平方向アレイ111b〜111pへの給電が選択的に行われ、同平面アレイアンテナ110としてこれら水平方向アレイ111b〜111pが能動となる。このように、この平面アレイアンテナ110では、これら水平方向アレイ111a〜111pへのスイッチング素子112a〜112pによる選択的な給電を通じて、同平面アレイアンテナ110から照射されるビーム(電波)の垂直方向Vの幅が制御されるようにしている。なお、上記スイッチング素子112a〜112pのオン/オフ制御は、以下に説明する制御装置を通じて行われる。また、以下において、「有効素子数」とはスイッチング素子112a〜112pのオン制御を通じて実際に給電される水平方向アレイ111a〜111pの数を指す。ちなみに、同図2に示す例では、有効素子数が「10」である場合の給電状態を示している。なお、設置条件によって有効素子数の下限が存在する場合は、常にオンとなるスイッチを省略する校正としてもよい。
次に、この実施の形態にかかる基地局の構成について図3を参照して詳述する。
図3(a)に示されるように、この実施の形態の基地局10aは、大きくは、上記指向性可変アンテナ11aに加え、
・上記アンテナ11aを通じての無線通信を実行する通信装置12。
・上記アンテナ11aの回転角及び同アンテナを基準として天頂から前記各駐車区画を見下ろした角度である天頂角の設定を行う駆動装置13a。
・上記アンテナ11aの指向性制御をはじめ、これら通信装置12や駆動装置13aの動作を制御する制御装置14a。
・例えば赤外線センサや電波センサ、カメラ、圧力センサ等からなって車両42(図1)の進入や同車両42が入庫した駐車区画等を検出する車両センサ15。
等々を備えて構成されている。
ここで、上記通信装置12は、上記アンテナ11aを通じての無線通信に際し、基地局外部の施設等に設置されているコンピュータ17に対して通信処理の開始を指示した後、該コンピュータ17からの指令のもとに、上記車両42(図1)に搭載されている端末局40との間でのデータの授受を実行する部分である。そして、このデータの授受に際し、上記コンピュータ17から転送されるダウンロードメニューやユーザからの要求データ等の送信データについてはこれを、ミリ波帯の信号に変調した上で、上記アンテナ11aを介して上記端末局40に送信する。他方、上記端末局40から同アンテナ11aを介して同じくミリ波帯の信号として受信されるユーザによるデータ要求やユーザID等の情報については復調処理を行い、この復調した情報を上記コンピュータ17に転送する。なお、この通信装置12では、通信待機状態にあるなど、使用可能な状態にあるとき、その旨を示す状態信号を以下に説明する制御装置14aに対して出力する。またこの通信装置12は、制御装置14aから後述する位置記号の送信指示があった場合には、これを該当する端末局に送信するとともに、端末局からこの位置記号の受信確認通知があれば、その旨を同制御装置14aに転送する機能を併せ有している。
また、上記駆動装置13aは、その構成を図3(b)に模式的に示すように、アクチュエータ131及びアクチュエータ132を備えており、次に説明する制御装置14aからの指令に基づきこれらアクチュエータ131及び132を駆動して上記アンテナ11aの回転角φ及び天頂角θをそれぞれ可変設定する部分である。すなわちこの実施の形態にあっては、該駆動装置13aによるアンテナ11aのこれら回転角φ及び天頂角θの設定に基づいて、先の図1に例示したような駐車区画の選択、換言すれば、通信対象とする車両42(正確にはこれに搭載された端末局40)の選択が行われる。
そして、上記制御装置14aは、上記車両センサ15による上記車両42の進入や同車両42が入庫した駐車区画等の検出に基づいて通信対象とする駐車区画の選択を行い、該選択した駐車区画に対応して、上記通信装置12が使用可能な状態であることを条件に、指向性可変アンテナ11aや駆動装置13aに対する上述した制御を実行する部分である。すなわちこの制御として、基本的には上記選択した駐車区画に対応して、
(イ)指向性可変アンテナ11aの有効素子数を求め、上述したスイッチング素子112a〜112pのオン/オフ制御を通じて垂直方向のビーム幅を可変とする制御。
(ロ)駆動装置13aの上述したアクチュエータ131及び132を通じて指向性可変アンテナ11aの回転角及び天頂角を可変とする制御。
をそれぞれ実行する。なおこの実施の形態において、制御装置14aによるこうした制御は、先のコンピュータ17との協働のもとに、具体的には、次のような態様をもって実行される。
図4は、基地局10aの高さが例えば「5m」、車両42の高さが例えば「1m」、上記駐車区画A1〜A3(図1(b))の大きさが例えば「2.5m×5m」とした場合に、上記コンピュータ17を通じて演算される基地局10aからの距離とそれに見合った同基地局10aから見た上記ビーム(電波)D1の角度幅との関係を示したものである。上記均一なスポットセル形状を得る上でこれらの関係には一定の相関があり、図4(a)に示されるように、基地局10aからの距離が近くなればなるほど、同基地局10aから見たビームD1の角度幅は大きくなり、同基地局10aからの距離が遠くなればなるほど、基地局10aから見たビームD1の角度幅は小さくなる。そして、図4(a)中にマーク「◆」にて示した点は、それぞれ上述した駐車区画A1〜A3に対応して、上記均一なスポットセル形状SC1〜SC3を得ることのできるこうした距離とビームD1の角度幅との関係を示しており、その演算の結果は図4(b)にテーブルとして示す関係となる。すなわち、同演算結果によれば、
・基地局10aから距離的に最も近い駐車区画A1に対しては上記ビームD1の角度幅を「17.9°」とする。
・基地局10aから距離的に中間にある駐車区画A2に対しては上記ビームD1の角度幅を「10.9°」とする。
・基地局10aから距離的に最も遠い駐車区画A3に対しては上記ビームD1の角度幅を「6.1°」とする。
といった関係が得られ、それら各駐車区画A1〜A3に対して上記ビームD1の角度幅をそれぞれこうした関係に設定することによって、理論上は、それら各駐車区画A1〜A3において先の図1に例示したような均一なスポットセルSC1〜SC3が得られることとなる。
そこで、上記コンピュータ17は次に、上記指向性可変アンテナ11a(図2)においてこうした関係に近似した関係を実現することのできる「有効素子数」を、その「3dBビーム幅」との関係から求めることとなる。
図5は、上記指向性可変アンテナ11aのこのような「有効素子数」と「3dBビーム幅」との関係を示したものであり、コンピュータ17では、図4(b)に示した演算結果(ビームD1の角度幅)をこの「3dBビーム幅」に関連付け、その中からそれぞれ最も近い角度(ビーム幅)に対応する「有効素子数」を図5(a)の関係から求める。ちなみにこの図5(a)においては、同図中にマーク「◆」にて示した点が、この実施の形態において採用する指向性可変アンテナ11a(図2)にて設定可能な「有効素子数」とそれら有効素子数に対応する「3dBビーム幅」との関係を示している。このため、この実施の形態においては、図5(b)に例示する態様で、すなわち
・駐車区画A1に対するビームD1の角度幅「17.9°」については、これに最も近い3dBビーム幅「17.0°」から有効素子数「6素子」を求める。
・駐車区画A2に対するビームD1の角度幅「10.9°」については、これに最も近い3dBビーム幅「10.2°」から有効素子数「10素子」を求める。
・駐車区画A3に対するビームD1の角度幅「6.1°」については、これに最も近い3dBビーム幅「6.3°」から有効素子数「16素子」を求める。
といった態様で、上記駐車区画A1〜A3に対応する「有効素子数」が求められることとなる。
図6は、上記駆動装置13aを通じて可変設定すべき上述した回転角φ及び天頂角θも含めて、例えば上記駐車区画A1〜A3にそれぞれ対応してコンピュータ17を通じて演算され、関連付けられた上記アンテナ11aの制御情報について、その情報テーブル(対応表)を例示したものである。ちなみにこの図6において、図6(a)は、上記各駐車区画A1〜A3に対応してそれぞれ制御すべきアンテナ角度(回転角φ及び天頂角θ)とビーム幅(ビームD1の角度幅)との関係を示しており、図6(b)は、同駐車区画A1〜A3に対応してそれぞれ制御すべきアンテナ角度(回転角φ及び天頂角θ)と有効素子数との関係を示している。
すなわちこの実施の形態にあって、上記コンピュータ17は、指向性可変アンテナ11aの指向性制御情報(ビーム幅、有効素子数)に関しては、先の図4に示した関係から、中間テーブルとして図6(a)に例示する情報テーブルをまず求めた後、次に先の図5に示した関係から、最終テーブルとして図6(b)に例示する情報テーブルを求める。そして、この最終テーブルとして求められた図6(b)に例示するテーブルが上記制御装置14aに転送されて、該制御装置14a内の記憶装置に記憶保持される。このように、上記情報テーブル(対応表)が制御装置14aに記憶保持されていることで、上記通信対象となる駐車区画の選択に基づく上記(イ)及び(ロ)として示した指向性可変アンテナ11aの指向性制御及び角度制御の自動化が可能となる。しかも、この情報テーブルについてはこれを書き換え可能なテーブルとしておくことで、それら登録内容に対する初期設定後の必要に応じた変更等も容易となる。
なお、この実施の形態において、上記コンピュータ17には、音楽データ等をはじめとする各種サービスデータの他、端末局40(図1)に対して上記ダウンロードメニューを表示するためのデータ等も併せて格納されており、それらデータの上記通信装置12を介した通信処理の開始指示等は、上記制御装置14aを通じて発せられる。また、端末局40から通信装置12を介してコンピュータ17に転送される上記ユーザIDは、該コンピュータ17を通じてその認証処理が行われる。
図7〜図9は、こうした構成を有する基地局10aと端末局40との間で行われる無線通信(路車間通信)に際して上記制御装置14a、コンピュータ17、及び端末局40が実行する処理をそれぞれフローチャートとして示したものであり、以下、これら図7〜図9を併せ参照して、当該路車間通信システムとしての動作例について説明する。
まず図7は、基地局10aを構成する上記制御装置14aによって実行される処理について、その処理手順を示したものである。
この制御装置14aによる処理は、上記車両センサ15によって車両42の入庫、例えば上記駐車区画A1〜A3のいずれかに対する車両42の入庫が検出されることに基づいて開始される(ステップS1001)。そして、この車両42の入庫が検出されると、ステップS1002の処理として、通信装置12から送出される上記状態信号に基づいて該通信装置12が使用可能な状態にあるか否かが判断される。このとき、通信装置12が例えば他の駐車区画の車両(端末局)との通信中であるなど、使用可能な状態になければ、ステップS1003の処理として、上記入庫した車両の待機を促しつつ、その出庫の有無を監視し、同車両の出庫が検出された場合には、上記ステップS1001の処理に戻って、次に車両の入庫が検出されるまで待機する。他方、上記ステップS1002の処理において、少なくとも上記車両の出庫以前に、通信装置12が待機状態にあるなど、使用可能な状態にあることが判断された場合、該制御装置14aは、以下のステップS1004〜ステップS1007にかかる処理を順次実行する。
すなわち、上記内部の記憶装置に記憶保持されている情報テーブル(図6(b))を参照して、まずは車両42の入庫が検出された駐車区画に対する指向性可変アンテナ11aのアンテナ角度(回転角φ及び天頂角θ)及び有効素子数を求める(ステップS1004)。続いて、この求めたアンテナ角度(回転角φ及び天頂角θ)に基づき上記駆動装置13aを制御する。すなわち、上記アクチュエータ131の操作を通じて上記アンテナ11aの回転角φを設定するとともに、上記アクチュエータ132の操作を通じて同アンテナ11aの天頂角θを設定する(ステップS1005)。また、同じく上記求めた有効素子数に基づき上記スイッチング素子112a〜112pをオン/オフ制御して、上記アンテナ11aの有効素子数、すなわち照射すべきビームの垂直方向のビーム幅を設定する(ステップS1006)。なお、これらステップS1005及びステップS1006にかかる処理は、同時に行っても、あるいは逆順にて行ってもよい。そしてその後、当該車両が入庫した駐車区画の位置記号(駐車区画A1〜A3に対応する図6(b)の情報テーブル中の記号「A1」〜「A3」)を上記通信装置12を介して同車両の端末局に送信して、その応答を待つ(ステップS1007)。
こうして端末局に位置記号を送信した後は、ステップS1008の処理として、端末局からの受信確認通知の有無を判断し、端末局から上記位置記号を受信した旨の確認通知があれば、次のステップS1009の処理として、上記コンピュータ17に対し、当該端末局との通信処理を開始させるべく指示を出す。なお、端末局に上記位置記号を送信した後、所定の時間を経ても当該端末局からの受信確認通知が得られなかった場合は、「タイムアウト」として、同端末局との通信を終了する(ステップS1010)。
制御装置14aによるこのような処理を通じて、通信対象とする駐車区画(正確には、そこに入庫した車両の端末局)が特定され、その上で可能であれば、この特定された通信対象とコンピュータ17との間での、上記通信装置12を介してのデータの授受が開始される。
次に、上記コンピュータ17によって実行される処理について、図8を参照して説明する。
このコンピュータ17による処理は、上記制御装置14aから上記通信処理の開始指示があることに基づいて開始される(ステップS201)。そして、制御装置14aから該開始指示があると、まずはステップS202の処理として、上記通信装置12を介して「ダウンロードメニュー」を上記特定された端末局に対して送信する。この「ダウンロードメニュー」とは、上述した音楽データ等をはじめとする各種サービスデータのリストであり、端末局では後に説明するように、該「ダウンロードメニュー」を受信すると、これをディスプレイに表示するなどして、ユーザにダウンロードの意思の有無、並びに所望するデータの選択を促す。
こうして「ダウンロードメニュー」を送信した後は、ステップS203及びステップS204の処理として、当該端末局から所定時間内にデータのダウンロード要求があるか否かを判断する。そして、所定時間内にデータのダウンロード要求があれば、次のステップS205の処理として、ユーザIDの認証を行い、該所定時間内にダウンロード要求がなければ、「タイムアウト」として、同端末局との通信を終了する。
ここで、上記ダウンロード要求があった場合、上記ステップS205でのユーザIDの認証処理としては、例えば端末局に対して「ユーザID」や「パスワード」の入力を求めるなどの方法でその登録情報を取得し、該取得した情報とコンピュータ17にあらかじめ登録されている情報との照合を行う。そしてその結果、ステップS206の処理として、該ユーザIDの認証に成功した旨が判断される場合には、ステップS207の処理として、上記ダウンロード要求があったデータを通信装置12を介して当該端末局に送信する。他方、上記ステップS206において、上記ユーザIDの認証に失敗した旨が判断される場合には、不正アクセスとして、当該端末局との通信を直ちに終了する。
また、上記ステップS207の処理として、要求されたデータの送信を開始した後は、ステップS208及びステップS209の処理として、所定時間内に当該端末局から上記送信したデータについての受信完了通知があったか否かを監視する。そして、所定時間内にこのデータ受信完了通知があった場合には、上記データの送信が正常に完了されたとして、次に上記制御装置14aから通信処理の開始指示があるまで待機する。他方、所定時間内にこの受信完了通知が得られなかった場合には、「タイムアウト」として、当該端末局との通信を一旦終了する。
次に、上記端末局40(図1)において実行される処理について、図9を参照して説明する。
この端末局40による処理は、基地局10aの制御装置14aから通信装置12を介して、上述した位置記号(「A1」〜「A3」)が受信されることに基づいて開始される(ステップS301)。こうして位置記号が受信されると、端末局40ではまず、ステップS302の処理としてその受信確認を基地局10aに送信(通知)し、ステップS303の処理として、上記「ダウンロードメニュー」の受信を待つ。
その後、「ダウンロードメニュー」が受信されると、ステップS304の処理として、これをディスプレイに表示するなどして、ユーザにダウンロードの意思の有無、並びに所望するデータの選択を促す。そして、次のステップS305及びステップS306の処理を通じて、所定時間内にユーザによるダウンロード要求があったか否かを監視しつつ、該所定時間内にダウンロード要求があった場合には、ステップS307の処理として、まずはその旨を基地局10aに送信する。そしてさらに、ステップS308の処理として、その要求データを示す情報と上述したユーザIDを同じく基地局10aに送信する。なお、ユーザIDも含めたこれら情報の送信には、上述のように、ユーザによる端末局の所定の操作が促されることとなる。他方、上記ステップS305及びステップS306の処理において、所定時間内にユーザによるダウンロード要求が発せられなかったと判断される場合には、「タイムアウト」として、基地局10aとの通信を終了する。
また、上記ステップS308の処理を通じて上記要求データを示す情報とユーザIDとを基地局10aに送信した場合には、次にステップS309及びステップS310の処理を通じて、上記要求したデータの所定時間内での受信が完了したか否かが判断される。ここで、同要求したデータの所定時間内での受信が完了した旨が判断される場合には、次のステップS311の処理として、その受信確認が基地局10aに送信(通知)され、逆に該所定時間内に要求データの受信が完了されなかった旨が判断される場合には、ここでも「タイムアウト」として、基地局10aとの通信を一旦終了する。
以上説明したように、この実施の形態にかかる路車間通信システム及びその基地局及び指向性可変アンテナによれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(1)基地局10aに備える有指向性のアンテナとして、図2に示したような水平方向アレイ111a〜111pの各給電路に設けられたスイッチング素子112a〜112pのオン/オフ制御により、垂直方向Vのビーム幅を可変とする指向性可変アンテナ11aを採用した。これにより、車両42が駐車区画A1〜A3のいずれに入庫した場合であれ、該ビーム幅を容易且つ的確に追従させることが可能となり、それら全ての駐車区画に対して適正な形状を有するスポットセルSC1〜SC3を形成することができるようになる。すなわち、高価なフェーズドアレイアンテナ等を採用せずとも、それら全ての駐車区画において適正なアンテナ利得を確保することができるようになり、基地局アンテナに要求される指向性特性を極めて簡易に、しかも安価に実現することができるようになる。
(2)制御装置14a内の記憶装置に、上記駐車区画A1〜A3の各々に対応して上記指向性可変アンテナ11aのアンテナ角度(回転角φ及び天頂角θ)及び有効素子数が関連付けされた情報テーブル(対応表)を制御情報として記憶保持しておくこととした。これにより、通信対象となる駐車区画A1〜A3が選択される都度、それら関連付けされた情報に基づいて上記アンテナ11aのアンテナ角度や垂直方向のビーム幅についての一義的な制御が可能となり、路車間通信システムに採用する基地局アンテナとしての指向性制御の自動化も容易となる。
(3)また、上記情報テーブル自体の情報量は少なくて済むことから、制御装置14a内に備える記憶装置としても、記憶容量の小さい安価な記憶装置を採用することができるようになる。
(4)しかも、上記情報テーブルを、コンピュータ17により書き換え可能なテーブルとしたことで、それら登録内容に対する所期設定後の必要に応じた変更等も容易である。
(5)上記アンテナ11aのアンテナ角度を設定する駆動装置13aとして、回転角φを設定するアクチュエータ131と天頂角θを設定するアクチュエータ132を採用することとしたが、該アンテナ11a自体、垂直方向のビーム幅の変更が容易であるため、特に基地局10aから距離的に近い駐車区画に対するアンテナ角度の設定も容易である。
(第2の実施の形態)
次に、この発明にかかる路車間通信システム及びその基地局及び指向性可変アンテナの第2の実施の形態について、図10〜図15を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。また、図10〜図12において、先の図2及び図3に示した要素と同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示しており、それら各要素についての重複する説明は割愛する。
まず、図10に示されるように、この実施の形態の基地局に備えられる指向性可変アンテナ11bも、基本的には、先の図2に示した指向性可変アンテナ11aに準じた構成となっている。すなわち、この指向性可変アンテナ11bも、前述した平面アレイアンテナ110として構成されており、水平方向アレイ111a〜111pへのスイッチング素子112a〜112pによる選択的な給電を通じて、同アンテナ11bから照射されるビーム(電波)の垂直方向Vの幅が制御されるようにしている。ただし、この実施の形態において採用する指向性可変アンテナ11bには、先の水平方向アレイ111a〜111pへの給電路に、上記スイッチング素子112a〜112pと直列に位相器114が設けられており、この位相器114による水平方向アレイ111a〜111pへの給電位相の制御を通じて前述した天頂角θの設定を行うようにしている。
次いで、この位相器114の機能について、図11を併せ参照してさらに詳述する。
同図11は、上記水平方向アレイ111a〜111pへの給電位相の制御を行う位相器114の内部構成を模式的に示したものである。同図11に示されるように、この位相器114は、その内部に、上記水平方向アレイ111a〜111pへの給電位相を制御する位相制御器114a〜114pを備えている。そして、以下に説明する制御装置14bからの指令に基づき、これら位相制御器114a〜114pの移相量を可変制御することによって、上記アンテナ11bから照射されるビームの天頂角θを可変設定する。
すなわち、上記位相制御器114a〜114pによって水平方向アレイ111a〜111pへの給電位相をそれぞれ一定量(一定角度)だけ移相させたとすると、該移相量に応じて指向性可変アンテナ11bから照射されるビームの照射角度は垂直方向に変化する。そこで、例えば水平方向アレイ111aへの給電位相を基準として、他の水平方向アレイ111b〜111pへの給電位相をそれぞれ位相差δ[度]だけ遅らせることとすれば、水平方向アレイ111pへの給電位相は、上記基準とした給電位相から15δ[度]だけ遅れるようになる。そして、このような移相量の制御を通じて、各水平方向アレイ111a〜111pから照射されるビームの天頂角も、該移相量に応じた角度だけ変化することとなる。なおこの実施の形態において、上記各水平方向アレイ111a〜111pそれぞれのアレイ間距離はd[m]に設定されている。
次に、この実施の形態にかかる基地局の構成について図12を参照して詳述する。
図12(a)に示されるように、この実施の形態の基地局10bも、基本的には、上記指向性可変アンテナ11bに加え、
・上記アンテナ11bを通じての無線通信を実行する通信装置12。
・上記アンテナ11bの回転角の設定を行う駆動装置13b。
・上記アンテナ11bの指向性、並びに天頂角制御をはじめ、これら通信装置12や駆動装置13bの動作を制御する制御装置14b。
・例えば赤外線センサや電波センサ、カメラ、圧力センサ等からなって車両42(図1)の進入や同車両42が入庫した駐車区画(図1)等を検出する車両センサ15。
等々を備えて構成されている。
ここで、上記通信装置12は、先の第1の実施の形態において採用しているものと同一の機能を有する装置である。
また、上記駆動装置13bは、その構成を図12(b)に模式的に示すように、基本的にはアクチュエータ131のみを備え、次に説明する制御装置14bからの指令に基づき該アクチュエータ131を駆動して上記アンテナ11bの回転角φを可変設定する部分である。なおこの実施の形態において、基地局10bから各駐車区画A1〜A3(図1)を見下ろす角度である天頂角θが、指向性可変アンテナ11bに設けられている位相器114を通じて制御されることは上述の通りである。
そして、上記制御装置14bは、上記車両センサ15による上記車両42の進入や同車両42が入庫した駐車区画等の検出に基づいて通信対象とする駐車区画の選択を行い、該選択した駐車区画に対応して、上記通信装置12が使用可能な状態であることを条件に、指向性可変アンテナ11bや駆動装置13bに対する上述した制御を実行する部分である。そしてここでは、この制御として基本的に、上記選択した駐車区画に対応して、
(イ)指向性可変アンテナ11bの前述した有効素子数を求め、前記スイッチング素子112a〜112pのオン/オフ制御を通じて垂直方向のビーム幅を可変とする制御。
(ロ’)駆動装置13bの上述したアクチュエータ131を通じて同指向性可変アンテナ11bの回転角を可変とする制御。
(ハ)同じく指向性可変アンテナ11bに必要とされる天頂角θから上記各水平方向アレイ111a〜111p間の位相差δを求め、上記位相器114に対する該位相差δの設定を通じて上記天頂角θを可変とする制御。
をそれぞれ実行する。このうち、上記(イ)及び(ロ’)の制御は、先の第1の実施の形態の制御装置14aによる制御と同等、もしくはそれに準じた制御であるため、ここでの重複する説明は割愛することとし、ここでは上記(ハ)の制御として、コンピュータ17との協働のもとに実行される制御について特に詳述する。
上記位相器114による給電位相の制御、すなわち上記位相差δ[度]の設定は、例えば上記平面アレイアンテナ110の開口面の垂線方向を天頂角90度(θ=90度)とするとき、上記所望とされるビーム天頂角θ[度]に対して次式(1)の態様をもって行われる。

δ=−(360/λ)×d×sin{π×(θ−90)/180} …(1)

ここで、「d」は、上述のように平面アレイアンテナ110を構成する各水平方向アレイ111a〜111p間の距離[m]であり、また「λ」は、上記アンテナ11bから発せられるビームの波長[m]である。また、平面アレイアンテナ110の開口面の垂線方向を天頂角90度としているのは、すなわち式(1)中で「θ−90」という演算を行っているのは、位相差δが「0度」の場合において指向性可変アンテナ11bから照射されるビームの方向を基地局10bから仮想的に無限遠に存在する駐車区画に設定しているためである。これにより、理論上は、駐車区画の遠近にかかわらず、上記指向性可変アンテナ11bを通じた、より効率のよい指向性制御が可能となる。なお、最も効率のよい指向性制御を行うには、平面アレイアンテナ110の開口面の垂線方向を、基地局20から最も遠い駐車区画の方向に向く天頂角に設定することが望ましい。これにより、基地局20から最も遠い駐車区画に対して、アンテナ利得を最も大きくすることができる。
図13は、前述のように基地局10bの高さが例えば「5m」、車両42の高さが例えば「1m」、駐車区画A1〜A3(図1(b))の大きさが例えば「2.5m×5m」とした場合に、上述の前提のもとに定まる水平方向アレイ111a〜111p間の位相差δ[度]とビーム天頂角θ[度]との関係について示したものである。なおここでは、上記式(1)において、平面アレイアンテナ110を構成する各水平方向アレイ111a〜111p間の距離d[m]が「d=0.5[mm]」であり、また上記アンテナ11bから発せられるビームの波長λ[m]が「λ=1[mm]」であるとしている。この図13からも明らかなように、この実施の形態では、ビーム天頂角θが90度であるときに水平方向アレイ111a〜111p間の位相差δが「0度」となるようにしており、ビーム天頂角θが大きくなるに従って上記位相差δもその絶対値が大きくなる。そして、上記コンピュータ17では、選択された駐車区画に必要とされるビーム天頂角θに対応する上記位相差δをこの図13に示される態様で演算し、先の図6(b)に例示した情報テーブル(対応表)に対応して、例えば図14に示すような情報テーブルを生成する。すなわち、
・基地局10bから距離的に最も近い駐車区画A1に対しては、その必要とされる天頂角θ(θ=156.2度)に対応して、上記位相差δを「−164.6度」とする。
・基地局10bから距離的に中間にある駐車区画A2に対しては、その必要とされる天頂角θ(θ=135.3度)に対応して、上記位相差δを「−128.0度」とする。
・基地局10bから距離的に最も遠い駐車区画A3に対しては、その必要とされる天頂角θ(θ=122.1度)に対応して、上記位相差δを「−95.7度」とする。
といった態様で、上記駐車区画A1〜A3の各々に対応する「位相差δ」を設定する。そして、こうして生成された情報テーブル(対応表)が、最終テーブルとして上記制御装置14bに転送されて、該制御装置14b内の記憶装置に記憶保持される。このため、この実施の形態においても、上記通信対象となる駐車区画の選択に基づく上記(イ)、(ロ’)及び(ハ)として示した指向性可変アンテナ11bの指向性制御及び角度制御の自動化が可能となる。そしてここでも、この情報テーブル(対応表)についてはこれを書き換え可能なテーブルとしておくことで、それら登録内容(設定内容)に対する初期設定後の必要に応じた変更等も容易となる。
図15は、基地局10bに設けられたこのような制御装置14bを通じて実行される処理についてその処理手順をフローチャートとして示したものであり、以下、この図15を併せ参照して、当該路車間通信システムとしての動作例について説明する。なお、その他の部分での動作、すなわち上記コンピュータ17及び端末局40(図1)での動作は先の図8及び図9に示した第1の実施の形態での動作と同様であり、ここでは、上記制御装置14bの動作(処理態様)をもって、当該路車間通信システムの動作例とする。
図15に示されるように、この制御装置14bによる処理も、上記車両センサ15によって車両42の入庫、例えば上記駐車区画A1〜A3のいずれかに対する車両42の入庫が検出されることに基づいて開始される(ステップS1101)。そして、この車両42の入庫が検出されると、ステップS1102の処理として、通信装置12から送出される前記状態信号に基づいて該通信装置12が使用可能な状態にあるか否かが判断される。このとき、通信装置12が例えば他の駐車区画の車両(端末局)との通信中であるなど、使用可能な状態になければ、ステップS1103の処理として、上記入庫した車両の待機を促しつつ、その出庫の有無を監視し、同車両の出庫が検出された場合には、上記ステップS1101の処理に戻って、次に車両の入庫が検出されるまで待機する。他方、上記ステップS1102の処理において、少なくとも上記車両の出庫以前に、通信装置12が待機状態にあるなど、使用可能な状態にあることが判断された場合、該制御装置14aは、以下のステップS1104〜ステップS1108にかかる処理を順次実行する。
すなわち、上記内部の記憶装置に記憶保持されている情報テーブル(図14)を参照して、まずは車両42の入庫が検出された駐車区画に対する指向性可変アンテナ11aのアンテナ回転角φ、有効素子数及び素子間(水平方向アレイ間)の位相差δを求める(ステップS1104)。続いて、この求めたアンテナ回転角φに基づき上記駆動装置13aを制御する。すなわち、上記アクチュエータ131の操作を通じて上記アンテナ11bの回転角φを設定する(ステップS1105)。また、同じく上記求めた有効素子数に基づき上記スイッチング素子112a〜112pをオン/オフ制御して、上記アンテナ11aの有効素子数、すなわち照射すべきビームの垂直方向のビーム幅を設定する(ステップS1106)。そしてさらに、上記求めた位相差δに基づき上記位相器114による各水平方向アレイ111a〜111pの給電位相(移相量)を制御して、上記アンテナ11bから発せられるビームの天頂角θを設定する(ステップS1107)。なお、これらステップS1105〜ステップS1107にかかる処理は、同時に行っても、あるいは任意の順序にて行ってもよい。そしてその後、当該車両が入庫した駐車区画の位置記号(駐車区画A1〜A3に対応する図14の情報テーブル中の記号「A1」〜「A3」)を上記通信装置12を介して同車両の端末局に送信して、その応答を待つ(ステップS1108)。
こうして端末局に位置記号を送信した後は、ステップS1109の処理として、端末局からの受信確認通知の有無を判断し、端末局から上記位置記号を受信した旨の確認通知があれば、次のステップS1110の処理として、上記コンピュータ17に対し、当該端末局との通信処理を開始させるべく指示を出す。なお、端末局に上記位置記号を送信した後、所定の時間を経ても当該端末局からの受信確認通知が得られなかった場合は、「タイムアウト」として、同端末局との通信を終了する(ステップS1111)。
制御装置14bによるこのような処理を通じて、通信対象とする駐車区画(正確には、そこに入庫した車両の端末局)が特定され、その上で可能であれば、この特定された通信対象とコンピュータ17との間で、上記通信装置12を介しての前述した態様でのデータの授受が開始されることとなる。
以上説明したように、この第2の実施の形態にかかる路車間通信及びその基地局及び指向性可変アンテナによっても、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(5)の効果と同等、もしくはそれに準じた効果を得ることができるとともに、新たに次のような効果が得られるようにもなる。
(6)指向性可変アンテナ11bの指向角度のうち、天頂角θについてはこれを水平方向アレイ111a〜111pへの給電位相を制御することによって可変設定することとした。これにより、天頂角設定用のアクチュエータが不要となり、同指向性可変アンテナ11bから発せられるビームの天頂角設定を安価に、しかも極めて簡易に実現することができるようになる。
(7)また、上記指向性可変アンテナ11bのビーム天頂角θはいわば電子的に設定されることから、該ビーム天頂角θの設定がより迅速に行われるようになり、ひいては基地局10bと端末局40との間での無線通信がより迅速に開始されるようにもなる。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、例えば以下のような形態として実施することもできる。
・特に第2の実施の形態においては、上記式(1)に基づき水平方向アレイ111a〜111p間の位相差δ[度]を求めてビーム天頂角θを設定することとした。しかし、この式(1)自体、平面アレイアンテナ110の開口面の垂線方向を天頂角90度(θ=90度)とする前提に基づく一例にすぎず、こうした前提が変更されれば、あるいはビーム天頂角θの基準とする角度の定義が変更されれば、それに応じて同式(1)も変化する。要は、この式(1)、もしくはそれに準ずるかたちで上記給電位相の制御、すなわち上記位相差δの演算が行われるものであればよい。
・上記各実施の形態においては、前提として、基地局の高さが「5m」、車両(端末局)の高さが「1m」、駐車区画の大きさが「2.5m×5m」であるとして、先の図6、あるいは図14に例示した情報テーブル(対応表)を求めることとした。このため、こうした前提が変化すれば、それら情報テーブル(対応表)の内容も自ずと変化する。参考までに、基地局の高さが例えば「3m」であった場合、及び「7m」であった場合における基地局からの距離と基地局から駐車区画をみたビームの角度幅との関係を先の図4(a)に対応する図としてそれぞれ図16(a)及び図19(a)に示す。これらの場合には、同図16(b)、あるいは図19(a)に示す関係をもって駐車区画A1〜A3の各々に対応するビームの角度幅が決定されることになる。その結果、情報テーブル(対応表)としても、上記第1の実施の形態に関してはそれぞれ図17あるいは図20に例示する態様にて同テーブルが生成されることとなり、同様に上記第2の実施の形態に関しては図18あるいは図21に例示する態様にて同テーブルが生成されることとなる。なお、図17、あるいは図18に例示する情報テーブルにおいては、駐車区画A3に対応して必要とされる有効素子数が「18」となっているが、そもそも上記各実施の形態において例示した平面アレイアンテナ110自体、これを構成するアンテナ素子の素子数(16個×16段)は一例にすぎない。すなわち、上記平面アレイアンテナには、上記前提に応じてその要求を満たし得る素子数を任意に設定することができる。
・上述のように、基地局の高さ等の前提が変化すれば、基地局からの距離と基地局から駐車区画をみたビームの角度幅(ビーム幅)との関係は変化するが、基地局アンテナとして用いられるアンテナ自体が変更されることがなければ、上記スイッチング素子112a〜112pの制御情報である有効素子数と3dBビーム幅との関係(図5)は変化しない。逆に、基地局アンテナとして用いられるアンテナ自体が変更されることがあれば、こうした有効素子数と3dBビーム幅との関係も、通常は変化する。ただしその場合であれ、その変化する内容に応じてそれらの対応関係を書き換えることにより、上記基地局からの距離と基地局から駐車区画をみたビームの角度幅(ビーム幅)との関係についてはこれをそのまま維持することが可能となる。いずれにせよ、上記高さ等の前提も含めて、たとえ基地局としての環境が変化する場合であれ、それに応じて上記情報テーブル(対応表)を書き換えることで、上記各実施の形態に準じた多くの効果を得ることはできる。
・上記各実施の形態においては、上記スイッチング素子112a〜112pの制御情報として、先の図5に示したような有効素子数と3dBビーム幅との関係を用いることとしたが、同制御情報としては他にも例えば、有効素子数と半値角との関係等を用いることもできる。
・上記各実施の形態においては、アンテナの垂直方向のビーム幅を制御するにあたり、まずは上記基地局からの距離と基地局から駐車区画をみたビームの角度幅(ビーム幅)との関係を求め、それからさらに上記スイッチング素子112a〜112pの制御情報として有効素子数と3dBビーム幅(あるいは半値角)との関係を求めることとした。しかし要は、どのようなかたちであれ、駐車区画の各々と上記スイッチング素子112a〜112pの制御情報とが関連付けされた情報テーブル(対応表)が用意されさえすれば、上記各実施の形態に準じた効果を得ることはできる。
・また、各水平方向アレイ111a〜111pに対する給電態様の制御としては、上記スイッチング素子112a〜112pのオン/オフ制御に限らず、それら水平方向アレイ111a〜111pに対する給電レベルを可変とする制御を行うようにしてもよい。これによっても、上記アンテナ11aあるいは11bの垂直方向のビーム幅を可変とすることはできる。
(a)及び(b)は、この発明にかかる路車間通信システムにおいて採用する指向性可変アンテナの指向性設定態様を概念的に示す側面図及び平面図。 この発明にかかる指向性可変アンテナの第1の実施の形態についてその構成を模式的に示すブロック図。 (a)は、この発明にかかる路車間通信システムの基地局の第1の実施の形態についてその構成を模式的に示すブロック図。(b)は、同実施の形態に採用されるアンテナの駆動装置についてその駆動構造を模式的に示す側面図。 (a)は、同実施の形態の基地局が地上から5mの高さにあることを前提に、基地局からの距離と基地局から見たビームの角度幅との関係を示すグラフ。(b)は、同関係について3つの駐車区画を例にとったビームの角度幅との対応情報を示す図。 (a)は、図2に例示した指向性可変アンテナの有効素子数と3dBビーム幅との関係を示すグラフ。(b)は、同アンテナの図4(b)に例示したビームの角度幅と有効素子数との対応情報を示す図。 (a)及び(b)は、この発明にかかる路車間通信システム及びその基地局の第1の実施の形態において採用される情報テーブル(対応表)の一例を示す図。 同実施の形態において、基地局の制御装置により実行される処理についてその処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態において、基地局に接続されたコンピュータを通じて実行される処理についてその処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態において、端末局により実行される処理についてその処理手順を示すフローチャート。 この発明にかかる指向性可変アンテナの第2の実施の形態についてその構成を模式的に示すブロック図。 同実施の形態の指向性可変アンテナに採用される位相器の内部構成を主に示すブロック図。 (a)は、この発明にかかる路車間通信システムの基地局の第2の実施の形態についてその構成を模式的に示すブロック図。(b)は、同実施の形態に採用されるアンテナの駆動装置についてその駆動構造を模式的に示す側面図。 図10に例示した指向性可変アンテナのビーム天頂角θと位相器に設定される位相差δとの関係を示すグラフ。 この発明にかかる路車間通信システム及びその基地局の第2の実施の形態において採用される情報テーブル(対応表)の一例を示す図。 同実施の形態において、基地局の制御装置により実行される処理についてその処理手順を示すフローチャート。 (a)は、上記各実施の形態の基地局が地上から3mの高さにあることを前提に、基地局からの距離と基地局から見たビームの角度幅との関係を示すグラフ。(b)は、同関係について3つの駐車区画を例にとったビームの角度幅との対応情報を示す図。 この発明にかかる路車間通信システム及びその基地局の第1の実施の形態において採用される情報テーブル(対応表)の変形例として、図16の前提に対応した情報テーブルの一例を示す図。 この発明にかかる路車間通信システム及びその基地局の第2の実施の形態において採用される情報テーブル(対応表)の変形例として、同じく図16の前提に対応した情報テーブルの一例を示す図。 (a)は、上記各実施の形態の基地局が地上から7mの高さにあることを前提に、基地局からの距離と基地局から見たビームの角度幅との関係を示すグラフ。(b)は、同関係について3つの駐車区画を例にとったビームの角度幅との対応情報を示す図。 この発明にかかる路車間通信システム及びその基地局の第1の実施の形態において採用される情報テーブル(対応表)の他の変形例として、図19の前提に対応した情報テーブルの一例を示す図。 この発明にかかる路車間通信システム及びその基地局の第2の実施の形態において採用される情報テーブル(対応表)の他の変形例として、図19の前提に対応した情報テーブルの一例を示す図。 従来の路車間通信システムの一例について、その概要を示す斜視図。 従来の路車間通信システムについて、その構成を模式的に示すブロック図。
符号の説明
10、10a、10b、20…基地局、11、21…基地局アンテナ(有指向性アンテナ)、11a、11b…指向性可変アンテナ、12、22…通信装置、13a、13b、23…駆動装置、14a、14b…制御装置、15、25…車両センサ、26…信号処理装置、17、27…コンピュータ、38…駐車場、38a〜38l…駐車区画、40…端末局、41…端末局アンテナ(無指向性アンテナ)、42、42a〜42e…車両、43…記憶装置、110…平面アレイアンテナ、111…アンテナ素子、111a〜111p…水平方向アレイ、112a〜112p…スイッチング素子、113…電源、114…位相器、114a〜114p…位相制御器、131…アクチュエータ(回転角φ設定用)、132…アクチュエータ(天頂角θ設定用)。

Claims (21)

  1. 特定の位置に設置された基地局から有指向性のアンテナを介して複数の駐車区画に対するスポットセルを選択的に形成しつつ、それら駐車区画に駐車中の車両に搭載されている端末局との間で無線通信を行う路車間通信システムにおいて、
    前記基地局のアンテナとして垂直方向のビーム幅を変更可能なアンテナを備え、該アンテナの垂直方向のビーム幅の変更を通じて前記各駐車区画に対する選択的なスポットセル形成に際しての指向性を制御する
    ことを特徴とする路車間通信システム。
  2. 前記垂直方向のビーム幅を変更可能なアンテナは、複数のアンテナ素子が水平方向に配列された水平方向アレイがさらに垂直方向に複数段配設された平面アレイアンテナとして構成されてなり、前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択によって前記垂直方向のビーム幅が可変とされる
    請求項1に記載の路車間通信システム。
  3. 前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択が、それら水平方向アレイの各給電路に設けられたスイッチング素子のオン/オフ制御として行われる
    請求項2に記載の路車間通信システム。
  4. 前記基地局は、前記複数の駐車区画の各々に対応して、前記アンテナの回転角、及び同アンテナを基準として天頂から前記各駐車区画を見下ろした角度である天頂角、及び同アンテナから発せられるビームのビーム幅に対応した前記有効素子数の値がそれぞれ関連付けされた書き換え可能な情報テーブルを有し、通信対象となる駐車区画が選択される都度、この情報テーブルに書き込まれている回転角及び天頂角及び有効素子数の値に基づいて前記アンテナの方向及び必要とされるビーム幅を制御する制御手段を備えてなる
    請求項2または3に記載の路車間通信システム。
  5. 前記垂直方向のビーム幅を変更可能なアンテナは、複数のアンテナ素子が水平方向に配列された水平方向アレイがさらに垂直方向に複数段配設された平面アレイアンテナとして構成されてなり、前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択及び給電位相の変更によって前記垂直方向のビーム幅及び前記アンテナを基準として天頂から前記各駐車区画を見下ろした角度であるビーム天頂角が可変とされる
    請求項1に記載の路車間通信システム。
  6. 前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択が、それら水平方向アレイの各給電路に設けられたスイッチング素子のオン/オフ制御として行われ、同水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた給電位相の変更が、それら水平方向アレイの給電路に設けられた位相器による給電位相の制御として行われる
    請求項5に記載の路車間通信システム。
  7. 前記位相器による給電位相の制御は、前記平面アレイアンテナの開口面の垂線方向を天頂角90度とするとき、所望とされるビーム天頂角θ[度]に対し、前記平面アレイアンテナを構成する各水平方向アレイ間の距離をd[m]、同アンテナから発せられるビームの波長をλ[m]として、前記各水平方向アレイ間の位相差δ[度]を、その天頂側から

    δ=−(360/λ)×d×sin{π(θ−90)/180}

    に設定する制御、もしくはそれに準ずる制御として行われる
    請求項6に記載の路車間通信システム。
  8. 前記基地局は、前記複数の駐車区画の各々に対応して、前記アンテナの回転角、及び同アンテナから発せられるビームのビーム天頂角に対応した前記給電位相の制御量、及び同ビームのビーム幅に対応した前記有効素子数の値がそれぞれ関連付けされた書き換え可能な情報テーブルを有し、通信対象となる駐車区画が選択される都度、該情報テーブルに書き込まれている回転角及び給電位相の制御量及び有効素子数の値に基づいて前記アンテナ並びにビームの方向及び必要とされるビーム幅を制御する制御手段を備えてなる
    請求項5〜7のいずれか一項に記載の路車間通信システム。
  9. 特定の位置に設置された有指向性のアンテナを介して複数の駐車区画に対するスポットセルを選択的に形成しつつ、それら駐車区画に駐車中の車両に搭載されている端末局との間で無線通信を行う路車間通信システムの基地局において、
    前記アンテナとして垂直方向のビーム幅を変更可能なアンテナと、このアンテナの垂直方向のビーム幅の変更を通じて前記各駐車区画に対する選択的なスポットセル形成に際しての指向性を制御する制御手段とを備える
    ことを特徴とする路車間通信システムの基地局。
  10. 前記垂直方向のビーム幅を変更可能なアンテナは、複数のアンテナ素子が水平方向に配列された水平方向アレイがさらに垂直方向に複数段配設された平面アレイアンテナとして構成されてなり、前記制御手段は、前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択によって前記垂直方向のビーム幅を可変とするものである
    請求項9に記載の路車間通信システムの基地局。
  11. 前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択が、それら水平方向アレイの各給電路に設けられたスイッチング素子のオン/オフ制御として行われる
    請求項10に記載の路車間通信システムの基地局。
  12. 前記制御手段は、前記複数の駐車区画の各々に対応して、前記アンテナの回転角、及び同アンテナを基準として天頂から前記各駐車区画を見下ろした角度である天頂角、及び同アンテナから発せられるビームのビーム幅に対応した前記有効素子数の値がそれぞれ関連付けされた書き換え可能な情報テーブルを有し、通信対象となる駐車区画が選択される都度、この情報テーブルに書き込まれている回転角及び天頂角及び有効素子数の値に基づいて前記アンテナの方向及び必要とされるビーム幅を制御するものである
    請求項10または11に記載の路車間通信システムの基地局。
  13. 前記垂直方向のビーム幅を変更可能なアンテナは、複数のアンテナ素子が水平方向に配列された水平方向アレイがさらに垂直方向に複数段配設された平面アレイアンテナとして構成されてなり、前記制御手段は、前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択及び給電位相の変更によって前記垂直方向のビーム幅及び前記アンテナを基準として天頂から前記各駐車区画を見下ろした角度であるビーム天頂角を可変とするものである
    請求項9に記載の路車間通信システムの基地局。
  14. 前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択が、それら水平方向アレイの各給電路に設けられたスイッチング素子のオン/オフ制御として行われ、同水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた給電位相の変更が、それら水平方向アレイの給電路に設けられた位相器による給電位相の制御として行われる
    請求項13に記載の路車間通信システムの基地局。
  15. 前記位相器による給電位相の制御は、前記平面アレイアンテナの開口面の垂線方向を天頂角90度とするとき、所望とされるビーム天頂角θ[度]に対し、前記平面アレイアンテナを構成する各水平方向アレイ間の距離をd[m]、同アンテナから発せられるビームの波長をλ[m]として、前記各水平方向アレイ間の位相差δ[度]を、その天頂側から

    δ=−(360/λ)×d×sin{π(θ−90)/180}

    に設定する制御、もしくはそれに準ずる制御として行われる
    請求項14に記載の路車間通信システムの基地局。
  16. 前記制御手段は、前記複数の駐車区画の各々に対応して、前記アンテナの回転角、及び同アンテナから発せられるビームのビーム天頂角に対応した前記給電位相の制御量、及び同ビームのビーム幅に対応した前記有効素子数の値がそれぞれ関連付けされた書き換え可能な情報テーブルを有し、通信対象となる駐車区画が選択される都度、該情報テーブルに書き込まれている回転角及び給電位相の制御量及び有効素子数の値に基づいて前記アンテナ並びにビームの方向及び必要とされるビーム幅を制御するものである
    請求項13〜15のいずれか一項に記載の路車間通信システムの基地局。
  17. 複数のアンテナ素子が水平方向に配列された水平方向アレイがさらに垂直方向に複数段配設された平面アレイアンテナとして構成されてなり、前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択によって垂直方向のビーム幅が可変とされる指向性可変アンテナ。
  18. 前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択が、それら水平方向アレイの各給電路に設けられたスイッチング素子のオン/オフ制御として行われる
    請求項17に記載の指向性可変アンテナ。
  19. 複数のアンテナ素子が水平方向に配列された水平方向アレイがさらに垂直方向に複数段配設された平面アレイアンテナとして構成されてなり、前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択及び給電位相の変更によって垂直方向のビーム幅及び当該アンテナを基準として天頂から通信対象を見下ろした角度であるビーム天頂角が可変とされる指向性可変アンテナ。
  20. 前記水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた有効素子数の選択が、それら水平方向アレイの各給電路に設けられたスイッチング素子のオン/オフ制御として行われ、同水平方向アレイの各々に対する給電態様の制御を通じた給電位相の変更が、それら水平方向アレイの給電路に設けられた位相器による給電位相の制御として行われる
    請求項19に記載の指向性可変アンテナ。
  21. 前記位相器による給電位相の制御が、前記平面アレイアンテナの開口面の垂線方向を天頂角90度とするとき、所望とされるビーム天頂角θ[度]に対し、前記平面アレイアンテナを構成する各水平方向アレイ間の距離をd[m]、同アンテナから発せられるビームの波長をλ[m]として、前記各水平方向アレイ間の位相差δ[度]を、その天頂側から

    δ=−(360/λ)×d×sin{π(θ−90)/180}

    に設定する制御、もしくはそれに準ずる制御として行われる
    請求項20に記載の指向性可変アンテナ。
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