JP2006132989A - pH測定装置及びpH測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 気体性の酸又はアルカリに由来するpH変化と、液体性の酸又はアルカリに由来するpH変化とを、一つの複合センサにより、分離して同時に計測すること。
【解決手段】 複数のpH電極と、ベースライン溶液の供給及び停止手段とを備えたpH測定装置であって;ベースライン溶液の流路内にpH電極(A)6及びpH電極(B)7が配置され、pH電極(A)6及びpH電極(B)7と液絡可能な位置に比較電極9が配置され、pH電極(A)6と試料11の間にはガス透過膜が配置され、pH電極(B)7と試料11の間にはガス透過膜が配置されず、ベースライン溶液の供給を停止している間に、pH電極(A)6ではガス透過膜を通過する酸又はアルカリに由来するベースライン溶液のpH変化が、pH電極(B)7では全ての酸又はアルカリに由来するベースライン溶液のpH変化が、それぞれ同時に測定されることを特徴とするpH測定装置とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のpH電極を用いることによって、ガス透過膜を通過する酸又はアルカリに由来するpH変化と、全ての酸又はアルカリに由来するpH変化とが、同時に測定されるpH測定装置に関する。また、それを用いたpH測定方法に関する。本発明のpH測定装置は、測定対象である生体試料などから分泌される酸又はアルカリの量を定量するのに適しており、医学、生理学、細胞生物学、さらには発酵、醸造、培養等のバイオ産業分野で好適に用いられる。
酸及びアルカリの中には、水に溶解した時、乳酸、リン酸、脂肪酸、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのようにその蒸気圧がほとんどゼロである(以下、このことを「液体性の」ということがある)ものと、炭酸ガス、硫化水素、アンモニアなどのように蒸気圧を有する(以下、このことを「気体性の」ということがある)ものがある。一般的に気体性の酸及びアルカリは分子量が小さく、かつイオンへの解離が不十分である。一方、液体性の酸及びアルカリは分子量が大きいか、分子量が小さくても塩化水素のようにイオンへの解離が大きいものである。生体中には炭酸ガスや硫化水素、アンモニアのような気体性の酸又はアルカリと、乳酸、脂肪酸、塩酸、炭酸水素ナトリウムのような液体性の酸又はアルカリが混在することが多い。さらに酢酸やギ酸のように低い値ではあるけれどもある程度の蒸気圧を有するものもある。
これまでに気体性の酸又はアルカリの測定にはガス透過膜とpH電極を組み合わせた、いわゆるSeveringhaus型のセンサが用いられてきた。これはガス透過性膜で覆われた室の中に測定対象ガスの溶解によってpHが変化するような内部溶液を満たし、その中にpH電極と比較電極を収納したものである。この型のガスセンサでは一般的にガス濃度はその検体と平衡にある気相の分圧として表示される。このSeveringhaus型ガスセンサの原理を応用して、この内部溶液を間歇的に流通及び停止させることによって検体中の気体性の酸又はアルカリの分圧を測定するガスセンサが開示されている(特許文献1)。
特許文献1に記載されたガスセンサは、少なくとも測定対象ガスと共役なイオンを含むキャリヤ溶液を流通させるための入口と出口を備えかつガス透過膜で外部と隔離されたガス交換室を有するガス交換部と、前記ガス交換室の前記入口に接続されキャリヤ溶液を前記ガス交換室に導く往路部と、前記ガス交換室の前記出口に接続されキャリヤ溶液を前記ガス交換室から外部に導く復路部と、前記往路部の内部に設置された参照用pH電極と前記ガス交換室の内部及び前記復路部の内部のいずれかに設置された測定用pH電極とを備えたガスセンサである。これによって、ゼロ点校正の自動化が容易であり、かつpH電極のベースラインドリフトや温度ドリフトも補償することができるとされている。
一方、測定対象試料が液体性と気体性の両方の酸やアルカリを含んでいる時、その両者を分離しないで、全体の酸分泌の速度を測定する方法と装置は公知である。そのようなケースの一例として細胞外酸性化の測定が挙げられる。細胞の活性の指標として細胞外酸性化の測定は重要である。細胞はグルコース、グルタミン酸、ピルビン酸、脂質等を代謝して、細胞の活動に必要なエネルギーの媒体であるATP(アデノシン三リン酸)を合成しているが、その結果として、乳酸や炭酸ガス等の酸性物質を細胞外に排出する。この過程をエネルギー代謝と呼んでいる。最も重要なグルコースの代謝においては、まずミトコンドリアの外の細胞質における解糖反応によりグルコースから乳酸への代謝が進み、さらにミトコンドリア内での呼吸反応により最終的に炭酸ガスと水に代謝される。この両方の過程でグルコース1分子から38分子のATPが合成される。代謝産物である乳酸と炭酸ガスはいずれも酸性物質であるので、細胞外酸性化の速度を測定することによって、細胞のエネルギー代謝の活発さを知ることができる。
これまでに細胞外酸性化の計測に関しては多くの報告があるが、その大半は、Molecular Devices社の「Microphysiometer」を用いたものである。これはLAPS(Light Addressable Potentiometric Sensor)と呼ばれる一種のpH電極を検出器とし、培養細胞近傍の培養液のpH変化を測定するものである(特許文献2、非特許文献1)。この方法における一例では、細胞が接着した基盤に対面してpH電極が配置され、その間隙に弱いpH緩衝能を有する培養液を流したり止めたりして、溶液の流通を止めた直後のpH変化の速度から、細胞外酸性化の速度を求める。培養細胞からは気体性の酸である炭酸ガス、液体性の酸である乳酸、及び液体性のアルカリである炭酸水素イオン等が分泌される。この細胞外酸性化測定システムにおいては検出器として1本のpH電極のみを使用しているために、気体性と液体性の酸及びアルカリの総和のみしか測定できない。
以上のように、従来の技術においても、気体性の酸又はアルカリの分泌速度のみを測定することは可能であった。また、気体性の酸又はアルカリと、液体性の酸又はアルカリの総和の分泌速度を計測することも可能であった。しかし、気体性の酸又はアルカリと、液体性の酸又はアルカリの分泌速度を分離して同時に測定することは不可能であった。
特開2001−289811号公報 特許第2993982号公報 J. W. Parce外9名、「Detection of Cell-Affecting Agents with a Silicon Biosensor」、サイエンス、1989年10月、第246巻、p.243−247
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、気体性の酸又はアルカリに由来するpH変化と、液体性の酸又はアルカリに由来するpH変化とを、一つの複合センサにより、分離して同時に計測することを目的とするものである。
上記課題は、複数のpH電極と、ベースライン溶液の供給及び停止手段とを備えたpH測定装置であって;
前記ベースライン溶液の流路内にpH電極(A)及びpH電極(B)が配置され、
pH電極(A)及びpH電極(B)と液絡可能な位置に比較電極が配置され、
pH電極(A)と測定対象の間にはガス透過膜が配置され、
pH電極(B)と測定対象の間にはガス透過膜が配置されず、
前記ベースライン溶液の供給を停止している間に、pH電極(A)では前記ガス透過膜を通過する酸又はアルカリに由来する前記ベースライン溶液のpH変化が、pH電極(B)では全ての酸又はアルカリに由来する前記ベースライン溶液のpH変化が、それぞれ同時に測定されることを特徴とするpH測定装置を提供することによって解決される。
前記pH測定装置において、pH電極(A)がガス透過膜からなるチューブに覆われ、該チューブの内部をベースライン溶液が流通することが好適な実施態様である。pH電極(A)及びpH電極(B)が内蔵された測定室を備え、該測定室がベースライン溶液の流入口及び流出口、並びに測定対象が接触する測定窓を有することも好適な実施態様であり、特に前記測定室が2つの測定窓を有し、一方の測定窓はガス透過膜で覆われてその内側にpH電極(A)が配置され、他方の測定窓はガス透過膜で覆われずにその内側にpH電極(B)が配置されてなることが好適である。また、pH電極(A)及びpH電極(B)がいずれも一枚の半導体基板上に形成されてなることも好適な実施態様である。
前記pH測定装置において、pH電極(A)からpH電極(B)までの経路長が、ガス透過膜からpH電極(A)までの距離の5倍以上であることが好適である。前記ベースライン溶液の流路内の、pH電極(A)及びpH電極(B)よりも上流の位置に比較電極が配置されてなることも好適である。前記比較電極が、参照用pH電極と擬似比較電極との組み合わせから構成されてなるものであることも好適である。また、前記ベースライン溶液のpH緩衝能が10〜500μM/pHであることも好適である。
また上記課題は、ベースライン溶液の流路内にpH電極(A)及びpH電極(B)を配置し、pH電極(A)及びpH電極(B)と液絡可能な位置に比較電極を配置し、pH電極(A)及びpH電極(B)の周囲に同一組成のベースライン溶液を流通させて置換した後にベースライン溶液の流通を停止させ、pH電極(A)では測定対象から生じたガス透過膜を通過する酸又はアルカリに由来するpH変化を、pH電極(B)では測定対象から生じた全ての酸又はアルカリに由来するpH変化を、それぞれ同時に測定することを特徴とするpH測定方法を提供することによっても解決される。このようなpH測定方法によって、生体組織から分泌される酸又はアルカリを定量する分泌物定量方法も、本発明の好適な実施態様であり、このとき炭酸ガス量と乳酸量とをそれぞれ定量することが特に好適である。
本発明のpH測定装置によれば、気体性の酸又はアルカリに由来するpH変化と、液体性の酸又はアルカリに由来するpH変化とを、一つの複合センサにより、分離して同時に計測することができる。これにより、例えば、生体から分泌される細胞の解糖活性と呼吸活性のそれぞれに対応する乳酸量と炭酸ガス量とをそれぞれ定量することも可能であり、細胞のエネルギー代謝に関するより詳細な情報を得ることができる。
以下、図面を使用して本発明をより具体的に説明する。図1は、測定室と測定窓を有する、本発明のpH測定装置の一例の複合センサ部分の模式図である。図2は、比較電極が参照用pH電極と擬似比較電極との組み合わせから構成されてなる、本発明のpH測定装置の一例の複合センサ部分の模式図である。図3は、測定室を有さない、本発明のpH測定装置の一例の複合センサ部分の模式図である。図4は、測定室の全体が細長い環状体で形成されてなる、本発明のpH測定装置の一例の複合センサ部分の模式図である。図1〜4はいずれも本発明のpH測定装置の複合センサ部分のみを示しているものである。本発明のpH測定装置は、前記複合センサ部分以外に、ベースライン溶液の供給及び停止手段、各電極に接続される電気配線、データ処理手段などを有しているが、ここでは図示を省略している。
まず、図1を参照しながら、本発明のpH測定装置の基本的な構成について説明する。図1は本発明のpH測定装置の一例の複合センサ部分を示したものである。センサボディ1は前室2と測定室3とからなり、ベースライン溶液の流入口4と流出口5を有している。測定室3の内部にはpH電極(A)6及びpH電極(B)7が収納されており、pH電極(A)6はガス透過膜からなるチューブ8によって取り囲まれている。さらに比較電極9がpH電極(A)6及びpH電極(B)7と液絡可能な位置(この場合は前室2の内部)に設置されている。センサボディ1のpH電極(A)6及びpH電極(B)7の両電極付近に測定窓10が設けられ、ここに測定対象である試料11が密着される。
流入口4から入ったベースライン溶液の一部は、pH電極(A)6の周囲を置換しながらチューブ8の内部を流れ、流出口5から排出される。また、流入口4から入ったベースライン溶液の残余の部分は、pH電極(B)7の周囲を置換しながらチューブ8の外側を流れ、流出口5から排出される。ベースライン溶液の供給を停止している間に、試料11から発生しガス透過膜を通過した酸又はアルカリが、拡散によってpH電極(A)6に到達する。またこのとき、試料11から発生した全ての酸又はアルカリが、拡散によってpH電極(B)7に到達する。
試料11から液体性の酸LHと気体性の酸GHが分泌される場合を例として、図1に記載された複合センサにより、それぞれの酸によるベースライン溶液の酸性化AとAを求める方法について述べる。図1の複合センサの測定窓10に試料11を密着させて、ベースライン溶液を流通させる。センサボディ1の内部が新鮮なベースライン溶液で十分置換された時点で、pH電極(B)7及びpH電極(A)6の比較電極9に対する電位差を読みとり、それぞれVT0(mV)及びVG0(mV)とする。次にベースライン溶液の送液を止めて、所定時間t後の両者の出力をVTt(mV)及びVGt(mV)とする。
簡単のために、両電極ともpH感度は等しくS(mV/pH)であるとすると、ガス透過膜からなるチューブ8の外側の溶液のpH変化ΔpHは、下記式(1)で示される。
ΔpH=(VTt−VT0)/S (1)
また、チューブ8の内側の溶液のpH変化ΔpHは、下記式(2)で示される。
ΔpH=(VGt−VG0)/S (2)
チューブ8は気体性の酸GHは透過させるが、液体性の酸LHは透過させないので、ΔpHは気体性の酸GHのみによるベースライン溶液の酸性化を示している。一方チューブ8の外側のベースライン溶液にはGHとLHの両者を合わせた全部の酸が溶解できるので、ΔpHは全部の酸による酸性化を表している。すなわち、下記式(3)及び(4)が成り立つ。
ΔpH=A (3)
ΔpH=AG+L (4)
ここで、AG+LはLHとGHの両方による酸性化である。近似的にAG+LはAとAの和に等しい、すなわち酸性化に加成性が成り立つとすると、式(4)は下記式(5)に書き直すことができる。
ΔpH=A+A (5)
pH電極(A)6及びpH電極(B)7は共通のベースライン溶液によって置換されているので、時間tにおいて、気体性の酸がガス透過性膜の内外で十分平衡状態に達していると仮定すれば、式(3)のAと式(5)のAは等しいとみなされる。このとき、式(3)と式(5)から液体性の酸による酸性化は下記式(6)で示される。
=ΔpH−ΔpH (6)
以上のように、式(3)及び式(6)からAとAをそれぞれ分離して求めることができる。なお、pH電極(A)6及びpH電極(B)7の周囲が異なるベースライン溶液で置換されている場合は、例え同一濃度の気体性の酸が溶解してもその酸性化の程度は異なるので、上記式(6)によって液体性の酸による酸性化を分離することはできない。このことから、pH電極(A)6及びpH電極(B)7の周囲を共通のベースライン溶液で置換するという本発明の工夫の重要性が理解できる。
次に、本発明のpH測定装置における各構成要素について説明する。まずpH電極(A)6及びpH電極(B)7としては、ガラス電極、金属酸化物/金属電極、ISFET(Ion Sensitive Field Effect Transistor:イオン感応性電界効果トランジスタ)、LAPS(Light Addressable Potentiometric Sensor)等、これまでに知られている各種のものが用いられる。中でも、ISFET、LAPSなどの半導体センサは微小化が可能で、かつ応答速度が速いという特長を有しているので、本発明で使用するpH電極として好適である。光の照射を要せず、装置が簡略化できる点も考慮すれば、ISFETが特に好適に使用される。このとき、pH電極(A)6とpH電極(B)7とは、実質的に同じpH感度、温度特性及びドリフト特性を有するものが使用されることが好ましい。それによって、pH電極(A)6とpH電極(B)7のそれぞれに対して、個別に校正パラメータ(pH感度、温度補正係数、ドリフト補正係数等)を設定する必要がなくなり、パラメータ設定操作を簡略化できる。
比較電極9としては、従来の飽和かんこう電極、銀/塩化銀電極等を内部電極とする液絡式の比較電極などが用いられる。このとき、液絡部を有する容器に一定濃度の塩素イオンを含有する内部溶液が充填された従来タイプの液絡式比較電極を使用することもできるが、ベースライン溶液が常に一定濃度の塩素イオンを含有するものである場合は、裸の銀/塩化銀電極をベースライン溶液の流路内に直接配置したものを使用することもでき、これによって装置を簡略化することができる。比較電極9の配置場所は、pH電極(A)6及びpH電極(B)7と液絡可能な位置であればどこでもかまわない。しかしながら、ベースライン溶液の流路内の、pH電極(A)6及びpH電極(B)7よりも上流の位置に比較電極9が配置されることが好ましい。これによって、比較電極9の周囲が常に新鮮なベースラインによって満たされ、試料による液絡部の汚染等が避けられるからである。図1の例では、常に新鮮なベースラインによって満たされる前室2の中が、比較電極9を設置する場所として好適である。
さらに、比較電極が、参照用pH電極と擬似比較電極との組み合わせから構成されてなるものであることも好適である。この場合のpH測定装置の一例の複合センサ部分を示したものが図2である。図2の例においては、前室2の内部に、図1における比較電極9の変わりに、参照用pH電極12と擬似比較電極13とが配置されている。この場合、pH電極(A)6と擬似比較電極13との電位差(Va)、pH電極(B)7と擬似比較電極13との電位差(Vb)、参照用pH電極12と擬似比較電極13との電位差(Vr)をそれぞれ測定する。このとき、Va−Vrが、図1の例の場合のpH電極(A)6と比較電極9との電位差に相当し、Vb−Vrが、図1の例の場合のpH電極(B)7と比較電極9との電位差に相当するので、前述の要領でベースライン溶液の酸性化などを算出することができる。このように、参照用pH電極12とpH電極(A)6及びpH電極(B)7との差動出力を読むことによって、ベースライン溶液の酸性化以外のノイズ、例えば、誘導ノイズ、温度ノイズ、流動ノイズなどを相殺し、より精度の高い測定を行うことが可能である。このような差動型pH測定の方法は、特開2001−289811号公報(特許文献1)に詳細に開示されている。
特に、pH電極(A)6及びpH電極(B)7としてISFETを用いる場合は、比較電極9の代わりに参照用pH電極12であるISFETと疑似比較電極13とを使用することが好ましい。この場合、参照用pH電極12用のISFETとしてはpH電極(A)6及びpH電極(B)7として使用されるISFETと実質的に同じpH感度、温度特性、ドリフト特性を有するものを用いることが望ましい。また、疑似比較電極13としては白金、銀、金等の貴金属電極や炭素電極等を用いることができる。
ガス透過膜としては、シリコーンゴム等のガス透過性に優れた均質膜、もしくはポリテトラフロロエチレンやポリプロピレン等の疎水性樹脂の多孔質膜が好適である。図1においてはガス透過膜としてチューブ8が例示されているが、その形態は特に限定されない。pH電極(A)6と測定対象の間にガス透過膜が配置され、pH電極(B)7と測定対象の間にガス透過膜が配置されず、測定対象から発生した酸又はアルカリのうち、気体性の酸又はアルカリのみが選択的にpH電極(A)6に到達するような配置にすればよい。例えば、図1において、pH電極(A)6を囲むチューブ8を配置する代わりに、pH電極(A)6とpH電極(B)7の間を平膜状のガス透過膜で仕切っても良い。また、pH電極(A)6を収納する流路を設け、その上に平膜状のガス透過膜を貼り付けてもよい。
pH電極(A)6からpH電極(B)7までの経路長が、ガス透過膜からpH電極(A)6までの距離よりも十分大きいことが望ましい。そうすることによって、ベースライン溶液の停止時間内において、気体性の酸又はアルカリがガス透過膜を通ってpH電極(A)6に到達するまでの間に、液体性の酸又はアルカリがpH電極(B)7にのみ到達してその影響がpH電極(A)6に及ばないようにすることができる。このことが、気体性の酸又はアルカリと、液体性の酸又はアルカリとを分離して定量するためには重要である。具体的には、pH電極(A)6からpH電極(B)7までの経路長が、ガス透過膜からpH電極(A)6までの距離の5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがより好ましく、15倍以上であることがさらに好ましい。図1の例では、前記経路長は、pH電極(B)7からチューブ8の上端14を経てpH電極(A)6に到達するまでの距離と、pH電極(B)7からチューブ8の下端15を経てpH電極(A)6に到達するまでの距離との内で、短いほうの距離ということになる。またこのとき、ガス透過膜からpH電極(A)6までの距離は、チューブ8の内径の半分程度ということになる。
図1の例に示されているように、pH電極(A)6及びpH電極(B)7が内蔵された測定室3を備えていることが好ましい。測定室3の中に測定対象である試料を浮遊させたり懸濁させたりして測定することも可能であるので、生体組織片や微生物など、様々な試料に対応することができる。また、測定室3が、測定対象である試料が接触する測定窓10を有することも好ましい。この場合、測定窓10に試料11を接触させるだけで測定することが可能なので、身体の一部を接触させてそこからの分泌物を測定することも可能である。生体組織からの分泌物の量は、通常微量であるために、微量の酸又はアルカリによって十分にpHが変動することが好ましく、応答速度を早くして測定時間を短縮するためには、測定室3の容量は小さいほうが好ましい。具体的には容量は1000μL以下であることが好ましく、100μL以下であることがより好ましい。一方、複数の電極を一枚の半導体基板上に形成するような場合には、測定室3の容量の下限値を0.1μL程度にすることもできるが、ベースライン溶液の流通性などを考慮すれば、通常1μL以上である。また、測定窓10の面積が広い方が、測定時間を短縮できて好ましい。図1の例に示されているように、pH電極(A)6及びpH電極(B)7が内蔵された測定室3の上流側に前室2が設けられていることが好ましく、そこに比較電極9を配置することが好適である。
図3に示した実施態様は、測定室3を有さず、ガス透過膜からなるチューブ8によって取り囲まれているpH電極(A)6と、チューブ8の外側に配置されているpH電極(B)7とを筒状の試料11で囲んで測定する装置である。これは、切り出し血管のように管状体である試料を用いる場合のみならず、管状体の内壁に細胞を接着培養したような試料を用いる場合に好適である。
図4に示した実施態様では、測定室3は全体が細長い環状体からなるセンサボディ1の内側に形成されており、長手方向に同じ向きに2つの測定窓16,17が設けられている。測定窓16の付近においてガス透過膜からなるゴム製のチューブ8がセンサボディ1を覆っていて、測定窓16のみがガス透過膜で覆われた状態になっている。測定窓16の内側にはpH電極(A)6が配置されていて、測定窓17の内側にはpH電極(B)7が配置されていて、測定対象である試料11が両方の測定窓16,17に接触する形で測定が行われる。ベースライン溶液は、流入口4から導入され流出口5から排出される。比較電極9は、pH電極(A)6及びpH電極(B)7よりも上流側に配置されることが好適であるが、pH電極(A)6とpH電極(B)7との位置関係は、いずれが上流側に配置されても構わない。このとき、前述のようにpH電極(A)6からpH電極(B)7までの経路長が、ガス透過膜からpH電極(A)6までの距離よりも十分大きければ、両電極の間にガス透過膜がなくても気体性の酸又はアルカリと、液体性の酸又はアルカリとを分離して定量することができる。図4に示した実施態様では、測定室内の容量を小さくすることも容易であり、この点からも好適である。特に、身体の一部を接触させてそこからの分泌物を測定するような場合に、短時間での測定が容易であり好ましい実施態様である。
また、pH電極(A)6及びpH電極(B)7がいずれもISFET、LAPSなどの半導体センサからなる場合には、これらが一枚の半導体基板上に形成されてなることも好適である。こうすることによって、非常に小型のpH測定装置を生産性良く製造することが可能である。このとき、比較電極9、参照用pH電極12、あるいは疑似比較電極13についても同様に一枚の半導体基板上に形成されることが好適である。これらの各種電極を1枚の半導体基板上に形成して配線を施すことは、通常の半導体製造プロセスを採用することによって可能である。これらの電極がベースライン溶液の流路内に配置されるように流路を形成する。流路の形成方法としては、例えば、流路パターンをエッチングしたガラスを半導体基板に重ねて接着する方法などが採用される。pH電極(A)6と測定対象との間に、ガス透過膜を配置する方法としては、pH電極(A)6をガス透過膜で覆う方法や、pH電極(A)6付近に配置された測定窓をガス透過膜で覆う方法など、前述の各種方法が採用できる。
本発明のpH測定装置に用いられるベースライン溶液には、送液中には、電極の周辺をベースライン溶液のpHに保ち、ベースライン溶液の送液を停止した後は、試料から放出される酸やアルカリによってできる限り大きくpHが変化することが求められる。そのためにはベースライン溶液のpH緩衝能が強すぎても弱すぎても不都合であり、10〜500μM/pHの緩衝能であることが好ましい。pH緩衝能が強すぎる場合には、測定感度が鈍くなるおそれがあり、好適には500μM/pH以下であり、より好適には250μM/pH以下である。特に感度を重視する場合には100μM/pH以下であることがさらに好ましい。市販の緩衝液は1000μM/pHを超えるものがほとんどであり、それに比べて弱い緩衝能を有するベースライン溶液とすることが好ましい。本発明のpH測定装置では、微量の酸やアルカリを定量する場合が多いために、感度が重要視されるからである。一方、pH緩衝能が弱すぎる場合には、測定される電位のベースラインがふらつくおそれがあり、好適には10μM/pH以上であり、より好適には13μM/pH以上である。
ベースライン溶液に、測定対象の気体性の酸やアルカリに対する共役イオンを含有させておいてもかまわない。例えば、測定対象に炭酸ガスが含まれている場合は炭酸水素イオンを、アンモニアが含まれている場合はアンモニウムイオンを含有させておいてもかまわない。こうすることにより、気体性の酸やアルカリに対する感度を向上させることができる(Severinghaus型ガスセンサの原理)場合がある。しかしながら、この場合には測定可能な下限濃度が上昇する場合が多いので、測定対象から発生する酸やアルカリの量が少ない場合などには、好ましくない場合がある。また試料が細胞や切り出し臓器、あるいは生体表面のように栄養や酸素を必要とするものである場合は、ベースライン溶液にグルコース等の栄養分と酸素を含有させておくことが好ましい。
ベースライン溶液を供給する手段は特に限定されず、各種のポンプなどを使用することができる。ベースライン溶液を停止させるには、流路のバルブを閉じたり、ポンプの運転を停止したりする手法が採用される。所定の時間、ベースライン溶液を供給して電極の周辺をベースライン溶液で置換してから、送液を停止し、pH変化の測定を開始する。検出される電位の安定性を考慮すると、ベースライン溶液で置換する時間は1秒以上であることが好ましく、10秒以上であることがより好ましい。一方、全測定に要する時間を短縮するためには、置換する時間は10分以下であることが好ましく、3分以下であることがより好ましい。また、送液を停止してからpHの変化を測定する時間は、測定対象や測定装置によっても相違するが、pH電極(A)の周囲のベースライン溶液中に、ガス透過膜を通過した酸又はアルカリが到達できるまでの時間とする必要がある。測定精度を向上させるためには、最終的な平衡濃度が推定可能になる濃度に到達するまで測定することが好ましい。測定時間は好適には1秒以上であることが好ましく、10秒以上であることがより好ましい。一方、測定時間が長すぎると、特に身体の一部を接触させて測定するような場合には、測定対象者の負担が大きくなり好ましくない。したがって、好適には20分以下であり、より好適には5分以下である。本発明のpH測定装置は、比較的短時間での測定が可能である。ベースライン溶液の供給及び停止のタイミング、電極からの取得データの処理などは、コンピュータを用いて自動的に行うことも可能である。
本発明のpH測定装置で測定対象とされる酸又はアルカリとしては、水に溶解可能な酸又はアルカリであれば特に限定されない。ガス透過膜の透過性によって、pH電極(B)のみで検出されるものと、pH電極(A)及びpH電極(B)の両方で検出されるものとに分けられる。pH電極(A)及びpH電極(B)の両方で検出される酸及びアルカリとしては、分子量が低く、かつイオンへの解離が不十分なものである。具体的には、分子量が70以下であり、かつ25℃における酸解離定数(Ka)又は塩基解離定数(Kb)が10−6以下であるような化合物である。代表的には、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素などである。また、メチルアミン、メチルメルカプタン、ギ酸、酢酸なども装置の構成や測定条件によっては対象となる。一方、pH電極(B)のみで検出される酸及びアルカリとしては、分子量が高いか、あるいはイオンへの解離が十分なものである。具体的には、塩酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、乳酸、ピルビン酸、炭素数が3以上の脂肪酸などである。なかでも、細胞のエネルギー代謝の状況を調べるために、代謝産物である乳酸と炭酸ガスとをそれぞれ定量することが特に好ましい。
本発明の装置の測定対象となる試料としては、気体性の酸又はアルカリと、液体性の酸又はアルカリの両方を溶出あるいは分泌するものがあげられる。生きている生物の生体組織から分泌される酸又はアルカリを直接定量しても良いし、生物から採取した生体組織から分泌される酸又はアルカリを定量しても良い。具体的な試料の形態としては、例えば、細胞、微生物、生体組織、切りだし臓器等があげられる。試料が細胞や微生物の場合は、それらを測定室の中に懸濁させておいてもよいし、平板表面に接着培養してそれを測定窓に密着させて試料としてもよい。測定対象が生体組織、例えば人の表皮の場合は、試料のところに表皮をもってきて、それを測定窓に密着させる方法が適切である。
測定の目的は特に限定されないが、生体試料などから分泌される酸又はアルカリの量を定量するのに適しており、医学、生理学、細胞生物学、さらには発酵、醸造、培養等のバイオ産業分野で好適に用いられる。人の皮膚から分泌される酸又はアルカリを定量することは、本発明の好適な実施態様である。この場合、身体を傷つけることなく表皮細胞のエネルギー代謝の状況を調べることが簡単にできる。代謝異常などの皮膚の疾患を診断するための装置としてのみならず、美容のために皮膚の状況を判断する装置としても好適に使用される。特に、美容目的の場合には、短時間で簡易に測定できることが極めて重要なので、本発明の装置が好適に使用される。
実施例1
図3に記載されているpH測定装置を用いて試験を行った。pH電極(A)6及びpH電極(B)7は、いずれも幅0.45mm、厚み0.2mm、露出部の長さ1.5mmのISFETである。比較電極9は直径0.5mm、長さ3mmの銀線の表面を塩化銀でコーティングしたもの(銀/塩化銀線)である。チューブ8は内径0.5mm、外径0.54mm、長さ15mmのシリコーンチューブである。pH電極(A)6からpH電極(B)7までの経路長は15mmであり、シリコーンチューブの内壁からpH電極(A)6までの距離は0.2mm程度である。
試料11として、内径3mm、長さ50mmのガラス管の内壁にヒト臍帯動脈の内皮細胞を接着培養したものを用いた。ベースライン溶液としては、溶液1L中にD−グルコース2.7g、食塩8.18g、塩化カリウム0.38g、塩化マグネシウム6水和物0.186g、N−(2−ヒドロキシエチルピペラジン)−N’−(2−エタンスルフォン酸)0.024gを溶かした後、微量の炭酸水素ナトリウムを加えてpHを7.4に調整した溶液を用いた。このベースライン溶液の緩衝能βは200μM/pHであった。すなわちこのベースライン溶液に塩酸を200μMになるように加えるとpHが6.4になった。このガラス管の中をベースライン溶液で十分置換した後、ベースライン溶液の送液を停止した。図5に送液停止後10分間におけるΔpHとΔpHの変化を示した。送液停止後10分でのΔpHは−0.376、ΔpHは−0.225であった。
これより、気体性の酸(炭酸ガス)による酸性化Aと液体性の酸(主として乳酸)による酸性化Aは、
=ΔpH=−0.225
=ΔpH−ΔpH=−0.376−(−0.225)=−0.151
となる。これから気体性の酸と液体性の酸の分泌濃度CとCは、
=β|A|=45μM
=β|A|=30μM
であった。すなわちこの細胞では10分間での気体性の酸(炭酸ガス)の分泌濃度は塩酸換算で45μM、液体性の酸のそれは30μMであった。なお、ここで算出された分泌濃度はあくまでも塩酸換算値である。塩酸換算値45μMの炭酸ガスとは「pHの変動に関して45μMの塩酸と同一の効果を有する炭酸ガスの濃度」という意味である。炭酸ガスは塩酸に比べて格段に弱酸であるから、45μMの塩酸と同一の効果を有する炭酸ガスの濃度は45μMより相当高い濃度となる。
実施例2
図1に記載されているpH測定装置を用いて試験を行った。測定室3の内容積は約50μLである。pH電極(A)6及びpH電極(B)7は、いずれも幅0.45mm、厚み0.2mm、露出部の長さ1.5mmのISFETである。比較電極9は直径0.5mm、長さ3mmの銀線の表面を塩化銀でコーティングしたものである。チューブ8は内径0.5mm、外径0.54mm、長さ15mmのシリコーンチューブである。pH電極(A)6からpH電極(B)7までの経路長は15mmであり、シリコーンチューブの内壁からpH電極(A)6までの距離は0.2mm程度である。
健常人の外腕部表皮に図1のセンサの窓を密着させ、実施例1と同一のベースライン溶液を3mL/分の流速で1分間流通させた後、送液を停止した、図6に送液停止後10分間のΔpHとΔpHの経時変化を示した。送液停止後10分でのΔpH,ΔpHはそれぞれ−1.519及び−0.720であった。これより実施例1と同様にして、CとCを求めると、次のようになった。
=144μM
=160μM
すなわち、当該表皮からの気体性の酸(炭酸ガス)の10分間での分泌濃度は、塩酸換算で144μM、液体性の酸(主として乳酸)のそれは160μMであった。
実施例3
図4に記載されている細径管タイプのpH測定装置を用いて試験を行った。測定室3は、内径1.5mm、長さ50mmのポリテトラフロロエチレン管であり、その内容積は約50μLである。pH電極(A)6及びpH電極(B)7は、いずれも幅0.45mm、厚み0.2mm、露出部の長さ1.5mmのISFETである。比較電極9は直径0.5mm、長さ3mmの銀線の表面を塩化銀でコーティングしたものである。チューブ8は内径0.5mm、外径0.54mm、長さ15mmのシリコーンチューブである。pH電極(A)6からpH電極(B)7までの距離は15mmであり、シリコーンチューブの内壁からpH電極(A)6までの距離は0.1mm程度である。
図4に示した細径管タイプのセンサを健常人の手のひらに密着させ、生理食塩液(緩衝能βは20μM/pH)を0.5mL/分の流速で1分間流通させた後、送液を停止した。図7に送液停止後5分間のΔpHとΔpHの経時変化を示した。送液停止後5分でのΔpH及びΔpHはそれぞれ−1.451及び−0.714であった。これより実施例1と同様にして、CとCを求めると、次のようになった。
=14μM
=15μM
すなわち、当該表皮からの気体性の酸(炭酸ガス)の10分間での分泌濃度は、塩酸換算で14μM、液体性の酸(主として乳酸)のそれは15μMであった。
実施例1〜3のいずれにおいてもCとCは同じオーダーであり、分泌酸は液体性と気体性の両方から構成されていることが明瞭である。
測定室と測定窓を有する、本発明のpH測定装置の一例の複合センサ部分の模式図である。 比較電極が参照用pH電極と擬似比較電極との組み合わせから構成されてなる、本発明のpH測定装置の一例の複合センサ部分の模式図である。 測定室を有さない、本発明のpH測定装置の一例の複合センサ部分の模式図である。 測定室の全体が細長い環状体で形成されてなる、本発明のpH測定装置の一例の複合センサ部分の模式図である。 実施例1において、送液停止後10分間のΔpHとΔpHの変化を示したグラフである。 実施例2において、送液停止後10分間のΔpHとΔpHの変化を示したグラフである。 実施例3において、送液停止後5分間のΔpHとΔpHの変化を示したグラフである。
符号の説明
1 センサボディ
2 前室
3 測定室
4 ベースライン溶液の流入口
5 ベースライン溶液の流出口
6 pH電極(A)
7 pH電極(B)
8 チューブ
9 比較電極
10,16,17 測定窓
11 試料
12 参照用pH電極
13 擬似比較電極
14 チューブの上端
15 チューブの下端

Claims (12)

  1. 複数のpH電極と、ベースライン溶液の供給及び停止手段とを備えたpH測定装置であって;
    前記ベースライン溶液の流路内にpH電極(A)及びpH電極(B)が配置され、
    pH電極(A)及びpH電極(B)と液絡可能な位置に比較電極が配置され、
    pH電極(A)と測定対象の間にはガス透過膜が配置され、
    pH電極(B)と測定対象の間にはガス透過膜が配置されず、
    前記ベースライン溶液の供給を停止している間に、pH電極(A)では前記ガス透過膜を通過する酸又はアルカリに由来する前記ベースライン溶液のpH変化が、pH電極(B)では全ての酸又はアルカリに由来する前記ベースライン溶液のpH変化が、それぞれ同時に測定されることを特徴とするpH測定装置。
  2. pH電極(A)がガス透過膜からなるチューブに覆われ、該チューブの内部をベースライン溶液が流通する請求項1記載のpH測定装置。
  3. pH電極(A)及びpH電極(B)が内蔵された測定室を備え、該測定室がベースライン溶液の流入口及び流出口、並びに測定対象が接触する測定窓を有する請求項1又は2記載のpH測定装置。
  4. 前記測定室が2つの測定窓を有し、一方の測定窓はガス透過膜で覆われてその内側にpH電極(A)が配置され、他方の測定窓はガス透過膜で覆われずにその内側にpH電極(B)が配置されてなる請求項3記載のpH測定装置。
  5. pH電極(A)及びpH電極(B)がいずれも一枚の半導体基板上に形成されてなる請求項1記載のpH測定装置。
  6. pH電極(A)からpH電極(B)までの経路長が、ガス透過膜からpH電極(A)までの距離の5倍以上である請求項1〜5のいずれか記載のpH測定装置。
  7. 前記ベースライン溶液の流路内の、pH電極(A)及びpH電極(B)よりも上流の位置に比較電極が配置されてなる請求項1記載のpH測定装置。
  8. 前記比較電極が、参照用pH電極と擬似比較電極との組み合わせから構成されてなるものである請求項7記載のpH測定装置。
  9. 前記ベースライン溶液のpH緩衝能が10〜500μM/pHである請求項1〜8のいずれか記載のpH測定装置。
  10. ベースライン溶液の流路内にpH電極(A)及びpH電極(B)を配置し、pH電極(A)及びpH電極(B)と液絡可能な位置に比較電極を配置し、pH電極(A)及びpH電極(B)の周囲に同一組成のベースライン溶液を流通させて置換した後にベースライン溶液の流通を停止させ、pH電極(A)では測定対象から生じたガス透過膜を通過する酸又はアルカリに由来するpH変化を、pH電極(B)では測定対象から生じた全ての酸又はアルカリに由来するpH変化を、それぞれ同時に測定することを特徴とするpH測定方法。
  11. 請求項10記載のpH測定方法によって、生体組織から分泌される酸又はアルカリを定量する分泌物定量方法。
  12. 炭酸ガス量と乳酸量とをそれぞれ定量する請求項11記載の分泌物定量方法。
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