JP2006132410A - 過給機付内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】過給機付内燃機関において、過給圧を速やかに上昇させることができる技術を提供する。
【解決手段】内燃機関の定常運転時に、過給圧可変機構は、比較的低い過給圧にて運転される低過給圧領域と、該低過給圧領域よりも高い過給圧にて運転される高過給圧領域と、の夫々の過給圧領域に対応して作動し、可変動弁機構は、低過給圧領域と高過給圧領域との夫々に対応した開弁特性を備える過給機付内燃機関において、加速運転時には、過給圧変更機構は高過給圧領域に対応した作動をし、可変動弁機構は、過給圧が所定過給圧になるまでは低過給圧領域に対応した開弁特性とし、過給圧が所定過給圧よりも高くなった場合には、高過給圧領域に対応した開弁特性とする。
【選択図】図13

Description

本発明は、過給機付内燃機関に関する。
過給機付内燃機関においては、機関出力が過剰に上昇しないように、過給機の排気タービンよりも上流側と下流側とを接続する連通路および連通路を開閉するウェストゲート弁を備え、過給圧が上昇したときにウェストゲート弁を開弁することにより排気タービンを通過する排気の流量を減少させ、過給圧が過剰に上昇しないようにしている。
また、内燃機関の低回転運転領域のように排気量が少ないときでも、ノズルベーンを閉方向に回動させると、排気の流速を高め排気タービンの回転速度及び回転力を増加させることができる可変容量型ターボチャージャが開発されている。ノズルベーンの回動量を調整することにより、コンプレッサーホイールの回転速度及び回転力が増加し、吸入空気の密度を高め、燃焼室の充填効率を向上させることができる。
ところで、過給機付内燃機関では、定常時にウェストゲート弁若しくはノズルベーンを開くような運転領域であっても、加速時には該ウェストゲート弁若しくはノズルベーンを閉じるようにしている。これらウェストゲート弁若しくはノズルベーンを閉じることにより、排気タービンに供給される排気の量が増加されるとともに排気タービンの回転数が増加され、過給圧が速やかに上昇するので、車両の加速性能を向上することができる。
また、内燃機関の運転状態(例えば、吸入空気量、若しくは過給圧)に応じて吸・排気弁の開閉弁時期を変更する可変動弁機構を備えた内燃機関が開発されている。この可変動弁機構を備えた過給機付内燃機関では、定常運転時においては、例えば目標過給圧が比較的低いときの運転領域(以下、低過給圧領域という。)と目標過給圧が比較的高いときの運転領域(以下、高過給圧領域という。)との2つの領域に分け、夫々の領域で予め設定されたマップに従い吸排気弁の開閉弁時期が調整される。
ここで、ウェストゲート弁開制御時は通常過給圧制御時よりも吸気バルブの開閉タイミングを進角させることにより、排気バルブとのオーバーラップ量を増加させて、低速域におけるエンジントルクの向上を図る技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−343273号公報 特公平6−74747号公報 特開平9−125994号公報 特開2000−329871号公報 特開平3−233134号公報 特開平11−36906号公報 特開平2−207138号公報 実公平3−18665号公報 特開平8−61074号公報
しかし、加速時には、過給圧と吸排気弁の開閉時期とが適正な関係になければ、排気タービンよりも上流の排気の圧力が上昇することにより内部EGR量が増加してしまい、気筒内温度の上昇によるノックの発生、排気温度の上昇による過熱、過給圧のオーバーシュート等が起こり得る。これにより、加速過渡時の過給圧の上昇が緩慢となったり、ドライ
バビリティが悪化したりして、過給圧を速やかに上昇させることが困難となるおそれがある。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、過給機付内燃機関において、過給圧を速やかに上昇させることができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために本発明による過給機付内燃機関は、以下の手段を採用した。すなわち、
過給機の排気タービンの回転数を変更可能な過給圧可変機構と、
内燃機関の吸気弁若しくは排気弁の少なくとも一方の開弁特性を変更可能な可変動弁機構と、
を備え、
内燃機関の定常運転時には、前記過給圧可変機構は、比較的低い過給圧にて運転される低過給圧領域と、該低過給圧領域よりも高い過給圧にて運転される高過給圧領域と、の夫々の過給圧領域に対応して作動し、前記可変動弁機構は、前記低過給圧領域と高過給圧領域との夫々に対応した開弁特性を備える過給機付内燃機関において、
内燃機関の加速運転時には、前記過給圧変更機構は高過給圧領域に対応した作動をし、前記可変動弁機構は、過給圧が所定過給圧になるまでは低過給圧領域に対応した開弁特性とし、過給圧が前記所定過給圧よりも高くなった場合には、高過給圧領域に対応した開弁特性とすることを特徴とする。
ここで、過給圧可変機構は、排気タービンに供給する排気の単位時間あたりの量若しくは排気タービンに供給する排気の速度を調整することにより、過給圧を調整する。そして、定常運転時においては、比較的低い過給圧を必要とする運転領域(以下、低過給圧領域ともいう。)と、比較的高い過給圧を必要とする運転領域(以下、高過給圧領域ともいう。)と、に分けて過給圧の制御が行われる。この低過給圧領域とは、例えば、定常運転時において所定回転数における機関発生トルクが所定トルク以下の運転領域であり、高過給圧領域とは、例えば、定常運転時において所定回転数における機関発生トルクが所定トルクよりも大きい運転領域である。
すなわち、低過給領域においては、排気タービンに供給する排気の量が比較的少なくてよく、若しくは、排気の速度が比較的遅くてよいため、過給圧可変機構は排気タービンに供給される排気の量が少なくなるような、若しくは排気の速度が遅くなるような調整を行う。一方、高過給領域においては、排気タービンに供給する排気の量は比較的多くなければならず、若しくは、排気の速度が比較的速くなくてはならないので、過給圧可変機構は、排気タービンに供給される排気の量が多くなるような、若しくは排気の速度が速くなるような調整を行う。なお、高過給圧領域は、内燃機関に要求されるトルクの発生量が比較的大きな運転領域である。また、加速運転時においては、現時点での運転領域が低過給圧領域であったとしても、過給圧可変機構は高過給圧に対応した設定とすることにより排気タービンの回転数を上昇させ、過給圧の速やかな上昇を図ることができる。
また、可変動弁機構は、吸・排気弁の少なくとも一方の開弁時期、閉弁時期、リフト量、作用角を調整することにより、内燃機関の気筒内に吸入される新気量、EGR量、残留ガス量(内部EGR量)、ポンプ損失等を調整し、内燃機関の運転状態を変更する。この可変動弁機構は、定常運転時においては、低過給圧領域および高過給圧領域の夫々で異なる設定がなされる。
そして、本発明では、加速運転時において実際の過給圧が所定過給圧よりも低い場合には、過給圧変更機構が高過給圧領域に対応した設定となっても、可変動弁機構では低過給
圧領域に対応した設定のままとする。一方、所定過給圧以上となった場合には、可変動弁機構では低過給圧領域であっても高過給圧に対応した設定とする。低過給圧領域では、ノックが発生する可能性が低いため、内部EGR量を増加させて排気温度を上昇させることができる。そこで、ノックが発生する可能性の低い所定過給圧までは可変動弁機構を低過給圧領域に対応した設定とすることで、内部EGR量を増加させ、過給圧の上昇を促進させることができ、以てドライバビリティを向上させることができる。
一方、過渡時に過給圧可変機構が高過給圧設定とされたときに、可変動弁機構も高過給圧設定とすることにより、内部EGR量を減少させることができる。これにより、過給圧の上昇に伴うノックの発生を抑制することができる。そこで、前記所定過給圧よりも実際の過給圧が高くなった場合には、可変動弁機構を高過給圧設定としてノックの発生を抑制する。
このように、実際の過給圧が所定過給圧になるまでは可変動弁機構を低過給圧設定とし、所定過給圧よりも実際の過給圧が高くなった後に可変動弁機構を高過給圧設定とすることにより、速やかな過給圧の上昇とノックの発生の抑制との両立を図ることができる。
また、上記課題を達成するために本発明による過給機付内燃機関は、以下の手段を採用してもよい。すなわち、
過給機の排気タービンの回転数を内燃機関の運転状態に応じて変更可能な過給圧可変機構と、
内燃機関の吸気弁若しくは排気弁の少なくとも一方の開弁特性を変更可能な可変動弁機構と、
を備え、
内燃機関の定常運転時には、前記過給圧可変機構は、比較的低い過給圧にて運転される低過給圧領域と、該低過給圧領域よりも高い過給圧にて運転される高過給圧領域と、の夫々の過給圧領域に対応して作動し、前記可変動弁機構は、前記低過給圧領域と高過給圧領域との夫々に対応した開弁特性を備える過給機付内燃機関において、
内燃機関の加速運転時には、前記過給圧変更機構は高過給圧領域に対応した作動をし、前記可変動弁機構は前記低過給圧領域において吸入空気が吸気系から排気系へ吹き抜けるように前記吸気弁若しくは排気弁の少なくとも一方の作用角および/またはオーバーラップ量を設定することを特徴としてもよい。
ここで、可変動弁機構は、吸・排気弁の少なくとも一方の作用角およびオーバーラップ量を調整することにより、内燃機関の気筒内に吸入される新気量、EGR量、残留ガス量(内部EGR量)、ポンプ損失等を調整し、内燃機関の運転状態を変更する。この可変動弁機構は、定常運転時においては、前記低過給圧領域および高過給圧領域の夫々で異なる設定がなされる。
そして、本発明では、加速運転時において、過給圧変更機構は高過給圧領域に対応した設定となり、可変動弁機構は吸入空気が吹き抜けるように前記吸気弁若しくは排気弁の少なくとも一方の作用角およびオーバーラップ量を設定する。
すなわち、加速運転時において過給圧変更機構により排気の量が増加されたときに、内燃機関の気筒内へ吸入された空気が排気系にそのまま流出する(吹き抜ける)ように、可変動弁機構は吸気弁若しくは排気弁の少なくとも一方の作用角およびオーバーラップ量を大きくする。
このように吸入空気が吹き抜けることにより、気筒内に供給される新気量が多くなるので、気筒内での燃焼状態が良くなり、過給圧を速やかに上昇させることができる。
また、本発明においては、燃料の主噴射後の膨張行程若しくは排気行程に副次的な燃料噴射を行うことができる。
ここで、副次的な燃料噴射により気筒内に供給された燃料は、主噴射による燃焼ガスの温度で燃焼することとなる。しかし、主噴射によりすでにピストンが押し下げられているので、副噴射による燃焼ガスはピストンを押し下げる仕事をほとんどせず、温度の高いまま排出される。そのため、排気タービンに供給されるエネルギが大きくなり、過給圧を速やかに上昇させることができる。これにより、ドライバビリティを向上させることができる。
本発明に係る過給機付内燃機関では、過渡時において、排気弁若しくは吸気弁の少なくとも一方の開閉弁時期を低過給圧設定とすることにより、排気タービンに供給される排気の量を増加させ、過給圧を速やかに上昇させることができる。
以下、本発明に係る過給機付内燃機関の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る過給機付内燃機関を適用する内燃機関とその吸・排気系および過給機の概略構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。
内燃機関1には、吸気管2および排気管3が接続されている。
前記吸気管2の途中には、排気のエネルギを駆動源として作動するターボチャージャ4のコンプレッサハウジング4aが設けられている。また、コンプレッサハウジング4aよりも下流の吸気管2には、該吸気管2内を流通する吸気の流量を調節する吸気スロットル弁5が設けられている。吸気スロットル弁5は、電動アクチュエータにより開閉される。また、吸気スロットル弁5よりも下流の吸気管2には、該吸気管2内の圧力を検出する圧力センサ14が取り付けられている。コンプレッサハウジング4aよりも上流の吸気管2には、該吸気管2内を流通する吸気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ15が設けられている。このエアフローメータ15により、内燃機関1の吸入空気量が測定される。
一方、排気管3の途中には、前記ターボチャージャ4のタービンハウジング4bが設けられている。タービンハウジング4bには、排気のエネルギにより回転される排気タービン4cが備わる。
また、タービンハウジング4bよりも上流側の排気管3と、下流側の排気管3と、を接続する連通路6が設けられている。この連通路6には、該連通路6内を流通する排気の流量を調整するウェストゲート弁7が設けられている。ウェストゲート弁7は、該ウェストゲート弁7を開閉するダイアフラム8に接続されている。
なお、本実施例では、前記ターボチャージャ4に可変容量型ターボチャージャを採用する。
図2は、可変容量型ターボチャージャの構成を示す断面図である。図2(A)はノズルベーン51が開いている場合を示し、図2(B)はノズルベーン51が閉じている場合を示している。
可変容量型ターボチャージャは、図に示すように、タービンハウジング4b内の排気タービン4cの周囲に複数のノズルベーン51を備えて構成されている。このノズルベーン51は、アクチュエータ52により開閉される。
このノズルベーン51を閉じ側へ回動させると、隣接するノズルベーン51間の間隙が狭くなり、ノズルベーン51間の流路が閉じられることになる。
一方、ノズルベーン51を開き側へ回動すると、隣接するノズルベーン51間の間隙が広くなり、ノズルベーン51間の流路が開かれることになる。
このように構成された可変容量型ターボチャージャでは、アクチュエータ52によってノズルベーン51の回動方向と回動量とを調整することにより、ノズルベーン51間の流路の向き、及びノズルベーン51間の間隙を変更することが可能となる。即ち、ノズルベーン51の回動方向と回動量とを制御することにより、排気タービン4cに吹き付けられる排気の方向、流速、量が調節されることになる。
例えば、内燃機関1からの排気の量が少ない場合は、ノズルベーン51を閉じるべくアクチュエータ52を動作させることにより、排気タービン4cに吹き付けられる排気の流速が高まり、少ない排気の量でも排気タービン4cの回転速度及び回転力を高めることが可能となる。すなわち、加速運転時において、排気の量が少ない場合には、ノズルベーン51を閉じることにより、速やかに過給圧を上昇させることができる。
一方、内燃機関1からの排気の量が十分に多い場合は、ノズルベーン51を開くべくアクチュエータ52を動作させることにより、排気タービン4cに吹き付けられる排気の流速の過剰な上昇が制御され、排気タービン4cの回転速度及び回転力の過剰な上昇を抑制することが可能となる。すなわち、過給圧が高くなった場合には、ノズルベーン51を開くことにより、過給圧の過剰な上昇を抑制することができる。
また、本実施例では、内燃機関1は可変動弁機構を備えている。
ここで、図3および図4は、本実施例による可変動弁機構の概略構成図である。図3は縦断面図、図4は上面視である。
内燃機関1においては、吸気弁20の開閉動作は吸気側カム21によって行われる。この吸気側カム21は吸気側カムシャフト22に取り付けられ、更に吸気側カムシャフト22の端部には吸気側プーリ23が設けられている。更に、吸気側カムシャフト22と吸気側プーリ23との相対的な回転位相を変更可能とする可変回転位相機構(以下、「吸気側VVT」という)24が設けられている。この吸気側VVT24は、ECU10からの指令に従って吸気側カムシャフト22と吸気側プーリ23との相対的な回転位相を制御する。更に、吸気側カムシャフト22の回転角を検出する吸気側カム角センサ25が設けられ、吸気側カム角センサ25とECU10が電気的に接続されている。
また、排気弁26の開閉動作は排気側カム27によって行われる。この排気側カム27は排気側カムシャフト28に取り付けられ、更に排気側カムシャフト28の端部には排気側プーリ29が設けられている。更に、排気側カムシャフト28と排気側プーリ29との相対的な回転位相を変更可能とする可変回転位相機構(以下、「排気側VVT」という)30が設けられている。この排気側VVT30は、ECU10からの指令に従って排気側カムシャフト28と排気側プーリ29との相対的な回転位相を制御する。更に、排気側カムシャフト28の回転角を検出する排気側カム角センサ31が設けられ、排気側カム角センサ31とECU10が電気的に接続されている。
そして、吸気側カムシャフト22と排気側カムシャフト28の回転駆動は、クランクシ
ャフト32の駆動力によって行われる。具体的には、クランクシャフト32に設けられたクランク側プーリ33、吸気側プーリ23、排気側プーリ29にはタイミングベルト34が掛けられている。
このようにして、クランクシャフト32の駆動力によって吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト28が回転駆動されて、以て吸気側カム21および排気側カム27によって、吸気弁20および排気弁26の開閉動作が行われる。
なお、内燃機関1においては、クランクポジションセンサ13と吸気側カム角センサ25、排気側カム角センサ31とからの信号に基づいて、クランク角と吸排気弁20、26のカム角との関係が適正な関係となるべく、吸気側VVT24および排気側VVT30によって、吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト28の回転位相がフィードバック制御される。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
また、ECU10には、運転者がアクセルペダル11を踏み込んだ量に応じた電気信号を出力し、機関負荷状態を検出可能なアクセル開度センサ12、機関回転数を検出するクランクポジションセンサ13の他、各種センサが電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU10に入力されるようになっている。
一方、ECU10には、吸気スロットル弁5が電気配線を介して接続されており、該ECU10により吸気スロットル弁5が制御される。
ここで、本実施例においては、内燃機関1が定常運転状態であるとき、すなわち、機関回転数と機関発生トルクとが略一定であるときには、該機関回転数および機関発生トルクに基づいてノズルベーン51の開度が決定される。また、吸気弁20の開弁時期をクランクアングルに対して進角させる量(以下、吸気側VVT24の進角量という。)および排気弁26の開弁時期をクランクアングルに対して進角させる量(以下、排気側VVT30の進角量という。)は、機関回転数および内燃機関1の吸入空気量に基づいて決定される。なお、吸気側VVT24の進角量および排気側VVT30の進角量を併せて以下、「VVT進角量」ともいう。
例えば、図5は、機関回転数と機関発生トルクとノズルベーン51の開閉状態との関係を示した図である。横軸は機関回転数、縦軸は機関発生トルクである。境界線Aよりも機関発生トルクが大きい場合にはノズルベーン51は閉じられ、境界線A以下の場合にはノズルベーン51が開かれる。以下、機関発生トルクが境界線Aよりも大きい運転領域を「VNT閉領域」といい、機関発生トルクが境界線A以下の運転領域を「VNT開領域」という。すなわち、VNT閉領域においては、機関発生トルクを大きくするためにノズルベーン51は閉じられ、一方、VNT開領域においては、機関発生トルクを小さくするためにノズルベーン51は開かれる。
ここで、本実施例におけるVNT閉領域は、高い過給圧が要求される運転領域であり、本発明における高過給圧領域に相当する。また、本実施例におけるVNT開領域は、低い過給圧しか要求されない運転領域であり、本発明における低過給圧領域に相当する。
次に、図6は、過渡運転時における機関回転数および機関発生トルクの状態を示した図である。内燃機関1の運転状態がA0からB0に移行する際、内燃機関1は、A0、A1、A2、B1、B0の運転状態を順に経る。
従来では、内燃機関1が過渡運転状態にあるとき、すなわち、機関回転数若しくは機関発生トルクが変化する場合には、過給圧を速やかに上昇させるため、内燃機関1の運転状態がVNT開領域(A0からA1の間)であっても、ノズルベーン51が閉じられていた。これにより、排気タービン4cよりも上流の背圧が上昇する。ここで、図7は、ノズルベーン51の開度(VNT開度)と背圧との関係を示した図である。このように、ノズルベーン51が閉じられると背圧が上昇するが、背圧の上昇に従い吸入空気量が減少し、内部EGR量が増加する。
一方、吸気側VVT24および排気側VVT30の進角量は、機関回転数および吸入空気量に基づいて決定されるので、ノズルベーン51を閉じることにより吸入空気量が変化していたとしても、実際の機関回転数と吸入空気量とに基づいて該進角量が決定される。ここで、図8は、内燃機関1の吸入空気量とVVT進角量と機関回転数との関係を示した図である。ここでいうVVT進角量は、吸排気弁のオーバーラップ量としてもよい。
また、図9は、ノズルベーン51の開度(VNT開度)と内部EGR量との関係を示した図である。このように、ノズルベーン51の開度が小さくなるほど内部EGR量が増加するので、過渡運転時においては吸入空気量が定常運転時と同じ場合であっても、内部EGR量が多くなる。そのため、過渡運転時においては、ノッキングの発生、排気温度の上昇による過熱、過給圧のオーバーシュートが起こり得る。
ここで、図10は、ノズルベーン51の開閉状態(VNT開度)、および過渡運転時の実際の吸入空気量と、マップ上得られる吸入空気量との推移を示したタイムチャートである。「VNT開度」における実線は、加速運転時におけるノズルベーン51の開閉状態を示し、破線は、図6から求まるノズルベーン51の開閉状態を示している。「吸入空気量」の推移において、実際の吸入空気量を実線で示し、マップ上得られる吸入空気量を破線で示している。また、実際の吸入空気量とは、図6におけるA0からA1の間の加速に伴いノズルベーン51が閉じ側へ回動されたことにより過給圧が上昇して内燃機関1の吸入空気量が急激に増加したときの吸入空気量を示し、マップ上得られる吸入空気量とは、VNT開領域において定常時に得られる内燃機関1の吸入空気量を示している。そして、図10において斜線で示した部分が内部EGRの増加分に相当する。
このように、加速運転時にVNT開領域において、内部EGR量が過剰となり、ノッキング、排気温度上昇による排気系部材の過熱、過給圧のオーバーシュート等が起こり得る。
一方、図11は、本実施例によるノズルベーン51の開閉状態(VNT開度)と、吸入空気量と、VVT進角量と、の推移を示したタイムチャートである。「VNT開度」における実線は、加速運転時におけるノズルベーン51の開閉状態を示し、破線は、図6から求まるノズルベーン51の開閉状態を示している。「VVT進角量」において、実線は、本実施例による場合を示し、破線は、従来技術による場合を示している。ここで、従来では図8に示すように、吸入空気量が比較的少ない場合には、吸入空気量の増加と供にVVT進角量を大きくしていたので、A0からA1の間に吸入空気量が増加するとVVT進角量が大きくされていた。
一方、本実施例においては、過渡運転時において、内燃機関1の運転状態が例えVNT開領域であったとしても、ノズルベーン51の開度に応じたVVT進角量とする。すなわち、加速時におけるVVT進角量の設定を、VVT閉領域のときの設定としている。このときのVVT進角量は、VVT閉領域において設定される値を予め実験等により求めておいたマップであって、機関回転数と吸入空気量とVVT進角量との関係を示したマップに
機関回転数および吸入空気量を代入して求められる。
このように、ノズルベーン51の開度に応じて吸気側VVT24および排気側VVT30の進角量を設定することにより、内部EGR量を減少させることができ、ノッキングの発生を抑制することができる。
次に、本実施例による吸気側VVT24および排気側VVT30の進角量制御のフローについて説明する。
図12は、本実施例によるVVT進角量制御のフローチャートである。本フローは、所定の時間毎に実行させる。
ステップS101では、ECU10は、機関回転数およびアクセル開度を読み込む。機関回転数はクランクポジションセンサ13の出力信号に基づいて得られ、アクセル開度はアクセル開度センサ12の出力信号に基づいて得られる。
ステップS102では、ECU10は、過給圧制御作動領域であるか否か判定する。過給圧制御作動領域とは、過給圧を速やかに上昇させるために加速時にノズルベーン51を閉じる運転領域をいう。ここでは、アクセル開度が比較的小さく、かつ機関回転数が比較的低い運転領域であるか否か判定される。この過給圧制御作動領域は、ノズルベーン51を閉じることにより過給圧が速やかに上昇する領域として予め実験等により求めて設定しておいても良い。
ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS106へ進む。
ステップS103では、ECU10は、ステップS101で読み込まれた機関回転数およびアクセル開度により内燃機関1が定常運転されていたとしたときに、VNT開領域であるか否か判定する。すなわち、図6の例だと、A0からA1の間であるか否か判定する。
ステップS103で肯定判定がなされた場合にはステップS104へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS106へ進む。
ステップS104では、ECU10は、ノズルベーン51の開度を算出する。ノズルベーン51の開度はECU10により制御されているため、ECU10はノズルベーン51の制御履歴から該ノズルベーン51の開度を算出する。
ステップS105では、ECU10は、過給圧制御時のVVT進角量制御を行う。エアフローメータ15の出力信号から実際の吸入空気量が算出され、ノズルベーン51の開度に応じた吸気側VVT24および排気側VVT30の進角量が算出される。具体的には、実際の吸入空気量と機関回転数とノズルベーン51の開度とVVTの進角量との関係を予め実験等により求めマップ化しておき、このマップに実際の吸入空気量と機関回転数とノズルベーン51の開度を代入してVVT進角量を得る。
また、内部EGR量が変化すると気筒内での燃焼状態も変化するので、最適な点火時期を算出する。この点火時期は、予め実験等により求めてマップ化しておく。
ステップS106では、ECU10は、通常運転時のVVT進角量制御を行う。通常運転時のVVT進角量とは、実際の吸入空気量と機関回転数との関係をマップ化したものから得られるVVT進角量である。このときには、実際のノズルベーン51の開度にはよらずにVVT進角量が決定される。また、ステップS105と同様に、最適な点火時期も算出する。
このようにして、加速運転時において、ノズルベーン51の開度に応じたVVT進角量に設定することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、加速運転時においてVNT開領域であってもVNT開度(閉開度)に応じたVVT進角量を設定することにより、内部EGR量が過剰となるのを抑制することができる。これにより、過給圧を速やかに上昇させドライバビリティを良好なものとすることができる。また、ノッキングの発生、排気系部材の過熱等を抑制することが可能となる。
なお、本実施例においては、ノズルベーン51の開度を変更することにより過給圧の調整を行う例について説明したが、本実施例および以下の実施例ではウェストゲート弁7の開度を変更することにより過給圧の調整を行うようにしてもよい。
本実施例においては、前記実施例1と異なり、所定過給圧に達するまでは通常制御のVVT進角量に設定する。
その他のハードウェアについては、実施例1と同じなので説明を省略する。
ここで、図13は、本実施例によるノズルベーン51の開閉状態(VNT開度)と、吸入空気量と、VVT進角量と、の推移を示したタイムチャートである。「VNT開度」における実線は、加速運転時におけるノズルベーン51の開閉状態を示し、破線は、図6から求まるノズルベーン51の開閉状態を示している。「VVT進角量」において、実線は、本実施例による場合、破線は、従来技術による場合を示している。
本実施例においては、過渡運転時において、所定過給圧に達するまでは吸気側VVT24および排気側VVT30の進角量を通常の進角量、すなわち仮に定常運転がなされているとしたときに機関回転数および吸入空気量から設定される進角量とする。そして、所定過給圧よりも実際の過給圧が高くなった場合には、実施例1と同様にしてノズルベーン51の開度に応じたVVT進角量とする。
このようにすると、まず、所定過給圧に達するまでは、内部EGRが増加するため、排気温度が上昇し、排気タービン4cに供給されるエネルギが増加するので、過給圧が速やかに上昇する。しかし、過給圧がまだ低いためノッキングの発生がほとんどない。一方、実際の過給圧が所定過給圧よりも高くなった場合には、ノズルベーン51の開度に応じてVVT進角量を設定することにより、内部EGR量を減少させることができ、ノッキングの発生等を抑制することができる。ここで、前記「所定過給圧」は、過渡運転時において、VVT進角量を通常の進角量とした場合であってもノッキングが発生しない過給圧の上限とすることができ、予め実験等により求めておく。
次に、本実施例による吸気側VVT24および排気側VVT30の進角量制御のフローについて説明する。
図14は、本実施例によるVVT進角量制御のフローチャートである。本フローは、所定の時間毎に実行させる。なお、前記フローと同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS201では、ECU10は、実過給圧を読み込む。実過給圧は、圧力センサ14の出力信号から得る。
ステップS202では、ECU10は、実過給圧が所定過給圧よりも小さいか否か判定する。この所定過給圧は、過渡時にノッキングが発生するおそれのある過給圧であり、前記したものと同じである。
ステップS202で肯定判定がなされた場合にはステップS203へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS104へ進む。
ステップS203では、ECU10は、過給圧制御時のVVT進角量制御を行う。本ステップでは、前記ステップS105で説明したVVT進角量制御と異なり、ノズルベーン開領域において仮に定常運転がなされていたとしたときのVVT進角量を算出する。すなわち、通常運転時のVVT進角量が算出される。
具体的には、ノズルベーン開領域における実際の吸入空気量と機関回転数とVVT進角量との関係を予め実験等により求めマップ化しておき、このマップに実際の吸入空気量と機関回転数とを代入してVVT進角量を得る。また、ステップS105と同様に、最適な点火時期を算出する。
このようにして、過渡運転時において所定過給圧に達するまではノズルベーン開領域における通常のVVT進角量に設定し、所定過給圧に達した後はノズルベーン51の開度(すなわち、ノズルベーン51が閉じ側へ回動したときの開度)に応じたVVT進角量に設定することができる。これにより、所定過給圧に達するまでは、内部EGR量の増加により過給圧の上昇を促進させることができ、所定過給圧に達した後は、ノッキングの発生を抑制することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、加速運転時において所定過給圧に達するまでは通常のVVT進角量に設定し、所定過給圧に達した後にはVNT開領域であってもVNT開度(閉開度)に応じたVVT進角量を設定することにより、内部EGR量が過剰となるのを抑制することができる。これにより、過給圧を速やかに上昇させドライバビリティを良好なものとすることができる。また、ノッキングの発生、排気系部材の過熱等を抑制することが可能となる。
本実施例においては、吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト28の作用角を変更可能な作用角可変機構を備えている点で実施例1と相違する。作用角可変機構は、例えば特開2001−263015号公報記載の機構を用いることができる。
その他のハードウェアについては、実施例1と同じなので説明を省略する。
ここで、作用角可変機構を備えた従来の内燃機関においては、機関回転数と、内燃機関1の吸入空気量と、吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト28の作用角(以下、単にカムシャフトの作用角という。)と、の関係を示した制御マップ(図15参照。)に、機関回転数および吸入空気量を代入してカムシャフトの作用角を得ている。すなわち、機関回転数および内燃機関1の吸入空気量に基づいてカムシャフトの作用角が決定される。そして、図6におけるA0からA1の間は、低負荷状態であり吸入空気量が少ないため、ノズルベーン51が開かれた状態で設定された作用角が適用される。
しかし、加速運転時においてA0からA1の間は、過給圧を上昇させるためにノズルベーン51は閉じ側へ回動されるため、背圧が上昇する。
ここで、図16は、カムシャフトの作用角と吸入空気量と機関回転数との関係を示した図である。「低回転」では、カムシャフトの作用角が大きくなると背圧が大きくなり、内部EGRが吸気管2に吹き返される。そして、吸気行程では吹き返された内部EGRがシリンダ内に吸入された後に新気が吸入されるので、吸入空気量が少なくなっている。そして、A0からA1の間において、カムシャフトの作用角をノズルベーン51が開かれているときと同じとしてしまうと、筒内のガス交換が良好に行なわれなくなり吸入空気量が減少してしまうので、加速が緩慢となる。
一方、本実施例では、加速運転時においてノズルベーン51の開度に応じてカムシャフトの作用角を設定する。
ここで、図17は、過渡時におけるノズルベーン51の開閉状態(VNT開度)と、吸入空気量と、の推移を示したタイムチャートである。「VNT開度」における実線は、加速運転時におけるノズルベーン51の開閉状態を示し、破線は、図6から求まるノズルベーン51の開閉状態を示している。また、「吸入空気量」における実線は本実施例によるもの、破線は従来の内燃機関によるものを示している。
過渡時においては、ノズルベーン51が閉じ側へ回動されるため、本実施例においてはそのときのノズルベーン51の開度に応じてカムシャフトの作用角が設定される。ここで、本実施例においては、吸入空気量と、ノズルベーン51の開度と、カムシャフトの作用角と、の関係は予め実験等により求めてマップ化しておく。このようにすることで、A0からA1の間の吸入空気量は図17に示すように増加する。
次に、本実施例によるカムシャフトの作用角制御のフローについて説明する。
図18は、本実施例によるカムシャフトの作用角制御のフローチャートである。本フローは、所定の時間毎に実行させる。なお、前記フローと同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付し説明を省略する。
ステップS301においては、ECU10は、過給圧制御時のカムシャフトの作用角制御を行う。本ステップにおいては、エアフローメータ15の出力信号から実際の吸入空気量が算出され、ノズルベーン51の開度に応じたカムシャフトの作用角が算出される。具体的には、実際の吸入空気量と機関回転数とノズルベーン51の開度とカムシャフトの作用角との関係を予め実験等により求めマップ化しておき、このマップに実際の吸入空気量と機関回転数とノズルベーン51の開度を代入してカムシャフトの作用角を得る。また、ステップS105と同様にして、VVT進角量も算出する。さらに、最適な点火時期を算出する。この点火時期は、予め実験等により求めてマップ化しておく。
ステップS302では、ECU10は、通常運転時のカムシャフト作用角制御を行う。通常運転時のカムシャフト作用角制御とは、実際の吸入空気量と機関回転数との関係をマップ化したものから得られるカムシャフトの作用角である。このときには、実際のノズルベーン51の開度にはよらずにカムシャフトの作用角が決定される。ステップS106と同様にして、VVT進角量も算出する。さらに、最適な点火時期も算出する。
このようにして、過渡運転時において、ノズルベーン51の開度に応じてカムシャフトの作用角を設定することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、加速運転時においてVNT開領域であってもVNT開度(閉開度)に応じたカムシャフトの作用角を設定することにより、内燃機関1の吸入空気量を増加させることができる。これにより、過給圧を速やかに上昇させドライバビリティを良好なものとすることができる。
本実施例では、加速運転時でのVNT開領域において、吸入空気が排気系へ吹き抜けるまでカムシャフトの作用角を大きくする点において実施例3と相違する。
その他のハードウェアについては、実施例1と同じなので説明を省略する。
なお、本実施例においては、以下のように、加速時において、吸入空気が吹き抜けるようにカムシャフトの作用角およびVVT進角量を設定し、さらに内燃機関1の気筒内への主噴射の後の膨張行程中若しくは排気行程中に再度燃料を噴射する副噴射を併用する。
ここで、図19は、過渡時におけるノズルベーン51の開閉状態(VNT開度)と、吸入空気量と、の推移を示したタイムチャートである。「VNT開度」における実線は、加速運転時におけるノズルベーン51の開閉状態を示し、破線は、図6から求まるノズルベーン51の開閉状態を示している。また、「吸入空気量」における実線は本実施例によるもの、破線は従来の内燃機関によるものを示している。
吸入空気の吹き抜けが発生することにより、吸気管2へ吹き返した内部EGRが排気管へ3ほとんど流されるので、気筒内の新気量を増加させることができる。
また、併せて副噴射を行うことにより、排気タービンに供給されるエネルギが増加し、過給圧の上昇がより促進されてドライバビリティがより良好になる。
次に、吸入空気が吹き抜けるようにカムシャフトの作用角およびVVT進角量を設定し、さらに副噴射を併用した場合のカムシャフトの作用角制御のフローについて説明する。
図20は、吸入空気が吹き抜けるようにカムシャフトの作用角およびVVT進角量を設定し、さらに副噴射を併用した場合のカムシャフトの作用角制御のフローチャートである。本フローは、所定の時間毎に実行させる。なお、前記フローと同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付し説明を省略する。
ステップS401においては、ECU10は、過給圧制御時のカムシャフトの作用角制御を行う。本ステップにおいては、エアフローメータ15の出力信号から実際の吸入空気量が算出され、ノズルベーン51の開度に応じたカムシャフトの作用角が算出される。具体的には、実際の吸入空気量と機関回転数とノズルベーン51の開度とカムシャフトの作用角との関係を予め実験等により求めマップ化しておき、このマップに実際の吸入空気量と機関回転数とノズルベーン51の開度を代入してカムシャフトの作用角を得る。また、ステップS105と同様にして、VVT進角量も算出する。本ステップで算出されるカムシャフトの作用角およびVVT進角量は、内燃機関1の気筒内に吸入された空気が吹き抜ける値とし、過剰な内部EGRを気筒内から排出するために要する値とする。さらに、最適な点火時期を算出する。この点火時期は、予め実験等により求めてマップ化しておく。
ステップS402では、ECU10は、主噴射量および副噴射の量を算出する。主噴射量は、加速時に要求されるトルクを発生させるために必要となる燃料量であり、また、副噴射量は、過給圧を十分に上昇させるために必要となる燃料量である。これらは、機関回転数および吸入空気量との関係から予め実験等により求めマップ化しておく。
このようにして、過給圧を速やかに上昇させて加速を速やかに行うことにより、ドライバビリティをより良好なものとすることができる。
以上説明したように、本実施例によれば、加速運転時においてVNT開領域であってもVNT開度(閉開度)に応じたカムシャフトの作用角を設定し、さらに吸気が排気系へ吹き抜けるようにして、内燃機関1の吸入空気量を増加させることができる。また、副噴射を併用することにより、過給圧をより速やかに上昇させドライバビリティを良好なものとすることができる。
実施例に係る過給機付内燃機関を適用する内燃機関とその吸・排気系および過給機の概略構成を示す図である。 可変容量型ターボチャージャの構成を示す断面図である。図2(A)はノズルベーンが開いている場合を示し、図2(B)はノズルベーンが閉じている場合を示している。 実施例による可変動弁機構の概略構成図(縦断面図)である。 実施例による可変動弁機構の概略構成図(上面視)である。 機関回転数と機関発生トルクとノズルベーンの開閉状態との関係を示した図である。 過渡運転時における機関回転数および機関発生トルクの状態を示した図である。 ノズルベーンの開度(VNT開度)と背圧との関係を示した図である。 内燃機関の吸入空気量とVVT進角量と機関回転数との関係を示した図である。 ノズルベーンの開度(VNT開度)と内部EGR量との関係を示した図である。 ノズルベーンの開閉状態(VNT開度)、および過渡運転時の実際の吸入空気量と、マップ上得られる吸入空気量との推移を示したタイムチャートである。 実施例1によるノズルベーンの開閉状態(VNT開度)と、吸入空気量と、VVT進角量と、の推移を示したタイムチャートである。 実施例1によるVVT進角量制御のフローチャートである。 実施例2によるノズルベーンの開閉状態(VNT開度)と、吸入空気量と、VVT進角量と、の推移を示したタイムチャートである。 実施例2によるVVT進角量制御のフローチャートである。 機関回転数と内燃機関の吸入空気量とカムシャフトの作用角との関係を示した制御マップである。 カムシャフトの作用角と吸入空気量と機関回転数との関係を示した図である。 過渡時におけるノズルベーンの開閉状態(VNT開度)と、吸入空気量と、の推移を示したタイムチャートである。 実施例3によるカムシャフトの作用角制御のフローチャートである。 過渡時におけるノズルベーンの開閉状態(VNT開度)と、吸入空気量と、の推移を示したタイムチャートである。 吸入空気が吹き抜けるようにカムシャフトの作用角およびVVT進角量を設定し、さらに副噴射を併用した場合のカムシャフトの作用角制御のフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 吸気管
3 排気管
4 ターボチャージャ
4a コンプレッサハウジング
4b タービンハウジング
4c 排気タービン
5 吸気スロットル弁
6 連通路
7 ウェストゲート弁
8 ダイアフラム
10 ECU
11 アクセルペダル
12 アクセル開度センサ
13 クランクポジションセンサ
14 圧力センサ
15 エアフローメータ
20 吸気弁
21 吸気側カム
22 吸気側カムシャフト
23 吸気側プーリ
24 可変回転位相機構(吸気側VVT)
25 吸気側カム角センサ
26 排気弁
27 排気側カム
28 排気側カムシャフト
29 排気側プーリ
30 可変回転位相機構(排気側VVT)
31 排気側カム角センサ
32 クランクシャフト
33 クランク側プーリ
34 タイミングベルト
51 ノズルベーン
52 アクチュエータ

Claims (3)

  1. 過給機の排気タービンの回転数を変更可能な過給圧可変機構と、
    内燃機関の吸気弁若しくは排気弁の少なくとも一方の開弁特性を変更可能な可変動弁機構と、
    を備え、
    内燃機関の定常運転時には、前記過給圧可変機構は、比較的低い過給圧にて運転される低過給圧領域と、該低過給圧領域よりも高い過給圧にて運転される高過給圧領域と、の夫々の過給圧領域に対応して作動し、前記可変動弁機構は、前記低過給圧領域と高過給圧領域との夫々に対応した開弁特性を備える過給機付内燃機関において、
    内燃機関の加速運転時には、前記過給圧変更機構は高過給圧領域に対応した作動をし、前記可変動弁機構は、過給圧が所定過給圧になるまでは低過給圧領域に対応した開弁特性とし、過給圧が前記所定過給圧よりも高くなった場合には、高過給圧領域に対応した開弁特性とすることを特徴とする過給機付内燃機関。
  2. 過給機の排気タービンの回転数を内燃機関の運転状態に応じて変更可能な過給圧可変機構と、
    内燃機関の吸気弁若しくは排気弁の少なくとも一方の開弁特性を変更可能な可変動弁機構と、
    を備え、
    内燃機関の定常運転時には、前記過給圧可変機構は、比較的低い過給圧にて運転される低過給圧領域と、該低過給圧領域よりも高い過給圧にて運転される高過給圧領域と、の夫々の過給圧領域に対応して作動し、前記可変動弁機構は、前記低過給圧領域と高過給圧領域との夫々に対応した開弁特性を備える過給機付内燃機関において、
    内燃機関の加速運転時には、前記過給圧変更機構は高過給圧領域に対応した作動をし、前記可変動弁機構は前記低過給圧領域において吸入空気が吸気系から排気系へ吹き抜けるように前記吸気弁若しくは排気弁の少なくとも一方の作用角および/またはオーバーラップ量を設定することを特徴とする過給機付内燃機関。
  3. 燃料の主噴射後の膨張行程若しくは排気行程に副次的な燃料噴射を行うことを特徴とする請求項2に記載の過給機付内燃機関。
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