JP2006131934A - 製鋼ダスト固形化物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶解炉等による鉄鋼生成過程で生じる鉄およびその酸化物を主成分とするダストを、成形型に入れ加圧成形して固形化する製鋼ダスト固形化物に於いて、供される原料ダストにできるだけ添加物を加えることなく、実用上十分な強度を持つ製鋼ダスト固形化物を安価に製造することができる製鋼ダスト固形化物、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】鉄鋼生成過程で生じる鉄およびその酸化物を主成分とする製鋼ダスト11を、成形型7に入れ加圧成形して固形化することにより、その固形化物である製鋼ダスト固形化物Bを製造する。原料として、製鋼ダスト11に、炭素を主成分とする粉体を添加したものを用い、この添加する粉体のかさ密度を0.65g/cm3 以上とする。
【選択図】図1
【解決手段】鉄鋼生成過程で生じる鉄およびその酸化物を主成分とする製鋼ダスト11を、成形型7に入れ加圧成形して固形化することにより、その固形化物である製鋼ダスト固形化物Bを製造する。原料として、製鋼ダスト11に、炭素を主成分とする粉体を添加したものを用い、この添加する粉体のかさ密度を0.65g/cm3 以上とする。
【選択図】図1
Description
この発明は、溶解炉等による鉄鋼生成過程で生じるダストを製鋼原料として再利用する製鋼ダスト固形化物およびその製造方法に関する。
鉄鋼生成過程、例えば溶解炉では、吹き上げられた微細粒子状の鉄および酸化鉄がダストとして集塵機で回収されている。このダスト( 以下「製鋼ダスト」と称す) は、鉄および酸化鉄を主成分とするため、再利用することが望ましい。しかしこの製鋼ダストは微細粉体であるため、そのまま溶解炉に投入すると、飛散しながら舞い上がり、その大半は集塵機に再び回収されてしまい、再利用効率が著しく低い。そのため、従来は埋め立て処分されることが多かったが、国内の製鋼ダストの発生量は年間数十万トンにも達しており、埋め立て処分では資源の有効利用の観点のみならず、不足する埋め立て地の問題や環境悪化の観点から見ても好ましくない。
このため、製鋼ダストの再利用について様々な方法が試みられている。例を挙げると、特許文献1には、直径2〜15mm程度のダストペレツトを作り、電炉に装入することで酸化鉄を溶銑中に回収する方法が例示されている。
特許文献2には、製鋼ダストをブリケットに成形するため熱可塑性プラスチックを添加する方法が、特許文献3には研削スラツジや製鋼ダストをブリケットに成形するために固形化補助剤を添加する方法がそれぞれ例示されている。
特開平11−152511号公報
特開平09−316512号公報
特開2002−194449号公報
特許文献2には、製鋼ダストをブリケットに成形するため熱可塑性プラスチックを添加する方法が、特許文献3には研削スラツジや製鋼ダストをブリケットに成形するために固形化補助剤を添加する方法がそれぞれ例示されている。
特許文献1のペレットを作る方法は、ペレット化する分、回収粉体より電炉へ装入する処理などのハンドリングは容易ではあるが、寸法的に比較的小さなベレットであるため、電炉への装入効率には問題がある。
特許文献2、特許文献3の添加物を入れる方法は、いずれも強固なブリケットを製造するために有効な手段であるが、プラスチックやバインダーとなる添加物を加えることからその工程は複雑となり、コストが高くなる欠点がある。また、添加物が環境負荷原因となることから好ましくない。
特許文献2、特許文献3の添加物を入れる方法は、いずれも強固なブリケットを製造するために有効な手段であるが、プラスチックやバインダーとなる添加物を加えることからその工程は複雑となり、コストが高くなる欠点がある。また、添加物が環境負荷原因となることから好ましくない。
この発明の目的は、溶解炉等による鉄鋼生成過程で生じる鉄およびその酸化物を主成分とするダストを、成形型に入れ加圧成形して固形化する製鋼ダスト固形化物において、供される原料ダストにできるだけ添加物を加えることなく、実用上十分な強度を持つ製鋼ダスト固形化物を安価に製造することのできる製鋼ダスト固形化物、およびその製造方法を提供することである。
この発明の製鋼ダスト固形化物は、鉄鋼生成過程で生じる鉄およびその酸化物を主成分とするダストを、成形型に入れて加圧成形した固形化物であって、原料として、前記ダストに、炭素を主成分とする粉体を添加したものを用い、この添加する粉体のかさ密度が0.65g/cm3 以上であることを特徴とする。前記炭素を主成分とする粉体は、炭素粉体であっても、またグラファイトであっても良い。
この発明の製鋼ダスト固形化物の製造方法は、この発明の上記製鋼ダスト固形化物を製造する方法である。この方法は、鉄鋼生成過程で生じる鉄およびその酸化物を主成分とするダストを、成形型に入れ加圧成形して固形化することにより、その固形化物である製鋼ダスト固形化物を製造する方法であって、前記成形型に入れる原料として、前記ダストに炭素を主成分とする粉体を添加したものを用い、この添加する粉体のかさ密度を0.65g/cm3 以上とすることを特徴とする。前記炭素を主成分とする粉体は、炭素粉体であっても、グラファイトであっても良い。
炭素粉体等の炭素材料を添加した製鋼ダストの固形化物を電炉等のリサイクルに使用することは、電炉の熱効率を向上させるために極めて重要である。これは添加された炭素粉体が製鋼ダストの還元を行いつつ自己燃焼して発熱するため、外部からのエネルギー投入を削減でき、炉の熱効率が大きく改善されるためである。従って炭素粉体を添加した製鋼ダスト固形化物は製鋼ダストのリサイクルに有効な手段と成り得る。
しかしながら製鋼ダスト固形化物の成形において炭素粉体等を添加することは、製鋼ダスト固形化物の強度低下等を引き起こす場合がある。その対策として、バインダーを使用することは、製鋼ダスト固形化物の強度を強化するうえで効果的であるが、プラスチック等のバインダーを添加すると、上記のようなコスト面や環境負荷原因面から好ましくない。
そこで、本発明者は炭素を主成分とする粉体の添加された製鋼ダストについて、様々な調査、実験検証を進めた結果、添加する粉体のかさ密度を0.65g/cm3 以上とすることにより、特にバインダー等の強化剤を使用しなくても、実用上十分な強度の製鋼ダスト固形化物が得られることを見い出した。炭素を主成分とする粉体は、純粋な炭素粉体に限らず、グラファイトであっても良い。
この発明の製鋼ダスト固形化物は、鉄鋼生成過程で生じる鉄およびその酸化物を主成分とするダストを、成形型に入れて加圧成形した固形化物であって、原料として、前記ダストに、炭素を主成分とする粉体を添加したものを用い、この添加する粉体のかさ密度を0.65g/cm3 以上としたため、供される原料ダストにできるだけ添加物を加えることなく、実用上十分な強度を持つ製鋼ダスト固形化物とでき、また安価に製造することができる。
この発明の製鋼ダスト固形化物の製造方法は、鉄鋼生成過程で生じる鉄およびその酸化物を主成分とするダストを、成形型に入れ加圧成形して固形化することにより、その固形化物である製鋼ダスト固形化物を製造する方法であって、成形型に入れる原料として、前記ダストに炭素を主成分とする粉体を添加したものを用い、この添加する粉体のかさ密度を0.65g/cm3 以上としたため、供される原料ダストにできるだけ添加物を加えることなく、実用上十分な強度を持つ製鋼ダスト固形化物を安価に製造することができる。
この発明の製鋼ダスト固形化物の製造方法は、鉄鋼生成過程で生じる鉄およびその酸化物を主成分とするダストを、成形型に入れ加圧成形して固形化することにより、その固形化物である製鋼ダスト固形化物を製造する方法であって、成形型に入れる原料として、前記ダストに炭素を主成分とする粉体を添加したものを用い、この添加する粉体のかさ密度を0.65g/cm3 以上としたため、供される原料ダストにできるだけ添加物を加えることなく、実用上十分な強度を持つ製鋼ダスト固形化物を安価に製造することができる。
この発明の一実施形態を図1ないし図3と共に説明する。図1において、溶解炉1で生じた製鋼ダストは、排気ガスと共に排気ダクト2から集塵機3に導入され、排気ガス中の製鋼ダスト11が集塵機3で集塵されて粉体となって排出される。この製鋼ダスト11は、鉄およびその酸化物を主成分とするものである。集塵機3から排出された製鋼ダスト11は、図示しない搬送手段により製鋼ダスト固形化物製造装置4におけるホッパ5に投入される。上記搬送手段による搬送過程で、製鋼ダスト11の適宜の前処理、例えば水切りや造粒等の処理を施しても良い。
ホッパ5は、製鋼ダスト収容部5Aと、炭素粉体収容部5Bとを有していて、製鋼ダスト11は、製鋼ダスト収容部5Aに投入される。炭素粉体収容部5Bには、製鋼ダスト11の搬送経路とは別の経路から、炭素を主成分とする粉体(図示せず)が投入される。
ホッパ5は、製鋼ダスト収容部5の製鋼ダスト11と炭素粉体収容部5Bの炭素主成分粉体とを設定割合となるように混合する混合手段19を有している。混合手段19は、例えば混合攪拌室とスクリューコンベヤまたは攪拌翼などで構成される。
ホッパ5は、製鋼ダスト収容部5の製鋼ダスト11と炭素粉体収容部5Bの炭素主成分粉体とを設定割合となるように混合する混合手段19を有している。混合手段19は、例えば混合攪拌室とスクリューコンベヤまたは攪拌翼などで構成される。
また、ホッパ5は分配供給手段(図示せず)を有していて、製鋼ダスト11に炭素主成分粉体を添加した原料粉体が、製鋼ダスト固形化物製造装置4の複数並設された固形化機構部6に分配して投入される。固形化機構部6は、製鋼ダスト11をブリケット状の製鋼ダスト固形化物(以下「ブリケット」と称す)Bに固形化する機構であり、成形型7を備える。
ホッパ5または固形化機構部6には、ホッパ5から供給される製鋼ダスト11を成形型7内に強制的に充填する強制充填機構30が設けられている。
ホッパ5または固形化機構部6には、ホッパ5から供給される製鋼ダスト11を成形型7内に強制的に充填する強制充填機構30が設けられている。
固形化機構部6は、図2に拡大して示すように、前記ホッパ5から投入される製鋼ダスト11を加圧成形する成形型7と、この成形型7に加圧成形のための圧力を付与する加圧手段8と、所定の圧力となるように前記加圧手段8を加圧制御する加圧制御手段(図示せず)とを有する。
成形型7は、縦向きのシリンダ室状であって、製鋼ダスト11を横断面形状が円形の柱状体(つまり円柱状体)に成形可能な形状とされている。成形型7は、具体的には、円筒状のダイ7aと、このダイ7aの下端開口に挿入されたプランジャ状の蓋体12Aとで構成される。蓋体12Aは、駆動源を有する蓋開閉機構(図示せず)によって開閉させられる。蓋体12Aは、成形型7内に入らずに、一端で密封するものであっても良い。
加圧手段8は、成形型7内に上方から進入して成形型7内の製鋼ダスト11を加圧する昇降自在なプランジャ12と、このプランジャ12を昇降駆動する加圧装置13とからなる。加圧装置13は、例えば油圧シリンダからなり、その駆動が加圧装置制御手段(図示せず)によって制御される。加圧装置制御手段は、前記加圧装置13へ圧油を供給する油圧回路15の切替え弁16や、ポンプ17のモータ18等を制御する。加圧装置13は、油圧シリンダの他に、モータとその回転を直線運動に変換するボールねじ等の回転・直線運動変換機構(いずれも図示せず)であっても良い。
この構成の製鋼ダスト固形化物製造装置4(図1)を用いてブリケット(製鋼ダスト固形化物)Bを製造する方法、およびその製造されたブリケットBの利用方法を説明する。溶解炉1で生じて集塵機3から粉体となって排出された製鋼ダスト11は、ホッパ5に投入される。この粉体の製鋼ダスト11は鉄およびその酸化物を主成分とするものである。ホッパ5に投入された製鋼ダスト11は、ホッパ5で炭素を主成分とする粉体が添加された後、固形化機構部6の成形型7内に供給される。添加される炭素主成分粉体は、かさ密度が0.65g/cm3 以上のものとする。
固形化機構部6においては、ホッパ5から成形型7に、炭素主成分粉体の添加された所定量の製鋼ダスト11が投入され、その後に加圧装置13の駆動でプランジャ12が成形型7内に進入する。この状態で成形型7内の製鋼ダスト11に所定の圧力が加えられる。この場合に、加圧断面積(つまりプランジャ12の断面積)x(mm2 )に対する成形圧力P(MPa)は、設定範囲となるように付与される。
このようにして製造されたブリケットBは、図3に示すように外形が円柱体状となる。また、このブリケットBは、直径Dが30〜100mmであり、直径Dに対する高さHの比(H/D)は30〜150%とするのが好ましい。
このようにして製造されたブリケットBは、図3に示すように外形が円柱体状となる。また、このブリケットBは、直径Dが30〜100mmであり、直径Dに対する高さHの比(H/D)は30〜150%とするのが好ましい。
図1において、固形化機構部6で固形化されたブリケットBは回収容器(図示せず)に集められて、溶解炉1の原料投入時に、他の原料と共に溶解炉1に投入され、製鋼原料として再利用される。溶解炉1に投入される原料は、例えば主原料が高炉より得られた溶銑であり、この他に鉄くず、生石灰などが副原料として用いられる。
この実施形態のブリケットBの製造方法によると、製鋼ダスト11に、炭素を主成分とする粉体を添加したものを用い、この添加する粉体のかさ密度を0.65g/cm3 以上とするため、バインダー等を添加することなく実用上十分な強度を持つブリケットを製造することができる。また、添加する炭素主成分粉体は、リサイクルにおける炉の熱効率の改善においても好ましい。これらの理由を説明する。
電炉等のリサイクルに使用する製鋼ダスト11のブリケットBに炭素粉体等の炭素材料を添加することは、電炉の熱効率を向上させるために極めて重要である。これは添加された炭素粉体が製鋼ダスト11の還元を行いつつ自己燃焼して発熱するため、外部からのエネルギー投入を削減でき、炉の熱効率が大きく改善されるためである。従って炭素粉体を添加したブリケットBは製鋼ダスト11のリサイクルに有効な手段と成り得る。
ブリケットBの固形化において、バインダー等の成形体強度を向上させる添加剤を使用しない場合、ブリケットBの固形化の作用は、加圧成形時に引き起こされる粉体粒子の再配列や接触による付着力によって発現する。基本的には粉体の付着力は粉体間の接触面積が大きいほど高くなるので、成形圧力を上げることによって粉体間の接触面積を増加させれば、ブリケット強度は向上する。
しかしながら、粉体粒子は液体のように自由にその位置を変えることが出来ず、また粉体同士や粉体と成形金型面の間で摩擦力が生じるため、圧縮成形時に粉体の再配列による密充填効果が不十分で大きな空隙体積を内包したり、摩擦損失によって成形圧力が不均一となり成形体内部に大きな密度差が生じたりすることで、必ずしも成形圧力が強度向上に繋がらない。さらに成形体内部の空隙中の残留空気や密度差は、成形圧力が開放される脱型時に成形圧力方向に垂直な方向に層状の亀裂が生じるいわゆるラミネーションが、より低い成形圧力領域で発生する大きな原因ともなる。
上記は一般的な粉体の成形における課題であるが、炭素粉体等の炭素を主成分とする材料が混合される場合にはさらに大きな問題が生じる可能性がある。炭素粉体は表面の活性が低く、そのため上記付着力が弱い。また微細化されたカーボンはかさ密度が小さく、その結果、炭素粉体が混合された製鋼ダスト原料が成形金型に充填された時点で、大きな空隙体積を有することになる。
通常は、成形作業によって空隙はその体積を小さくし、残留空気もある程度排出されるが、炭素粉体が混合された製鋼ダスト原料の場合は、金型充填時点での空隙体積が大きいばかりでなく、成形開始後に比較的早期にその空隙に含まれる残留空気が閉じ込められて排出され難くなる特性がある。その結果として、残留空気ごと圧縮されたブリケットは特に成形方向に大きなスプリングバックが生じ、低圧成形領域からラミネーションが生じてしまう。
成形圧力によって成形体内部の空隙や成形密度差を小さくするため、バインダー添加によって粉体粒子の流動性や金型充填性を改善すること、およびバインダーの接着強度を利用してブリケット強度を強化することは効果的ではあるが、本件ではあくまでバインダーを使用しない簡便かつ安価な方法を追求するものである。供される原料粉体にできるだけ手を加えることなく実用上十分なブリケツト強度を得る必要がある。
そこで、炭素を主成分とする粉体等が添加された製鋼ダストについて、様々な調査、実験検証を進めた結果、添加するカーボンのかさ密度を完全乾燥状態で0.65g/cm3 以上とすることにより、特にバインダー等の強化剤を使用しなくても、実用上十分なブリケットBの強度が得られることを明らかにしたものである。
本発明者は、製鋼ダストの成形性を調査するため、図4に示す円筒状のダイ21Aおよび蓋体となる下プランジャ21Cからなる金型である成形型21、および加圧用のプランジャ21Bを用いて、以下のような製鋼ダストの固形化実験を行った。なお、図4におけるダイ21A、下プランジャ21C、および加圧用のプランジャ21Bは、上記固形化機構部6(図2)におけるダイ7a、蓋体12A、およびプランジャ12と同等な部材である。
使用した製鋼ダスト11は電炉から排出されたものであり、かさ密度が1.4〜1.8g/cm3 である。この製鋼ダスト11に、かさ密度の異なるカーボンを重量比で4:1の割合で混合して固形化実験を行った。なお含水量は5〜8%の間である。
表1は径サイズがφ70、径に対する高さの比が80%の円柱形ブリケツトBを、成形圧力を変えて製作し、完全乾燥状態のブリケット見掛け密度、およびブリケットBの落下強度試験の結果を示している。 比較例として、製鋼ダストのみの粉体サンプルの結果も示す。
混合した炭素粉体(カーボン)のかさ密度によって成形性に明らかな違いが認められ、炭素粉体のかさ密度が0.65g/cm3 未満の炭素粉体を混合した製鋼ダスト11では、 全ての成形圧力範囲でラミネーションが発生し保形できなかった。0.65g/cm3 のカーボンを混合した製鋼ダストでは25〜75MPaの間で保形した。0.75g/cm3 以上の炭素粉体を混合した製鋼ダストでは、10〜150MPaの間で保形可能であり、これは製鋼ダスト11のみの粉体サンプルと同じ成形可能範囲である。また製鋼ダスト11のみの粉体サンプルと0.75g/cm3 以上の炭素粉体を混合した製鋼ダストの混合サンプルは、ほぼ同等のブリケット強度であった。
炭素粉体のかさ密度は、粉体の形態や粒度等によって変わるが、かさ密度が大きいということは、それだけ空隙が少ないということであり、特にラミネーションの大きな原因となる残留空気が残り難く、結果として保形向上に寄与するものと考える。ブリケットBの強度は、同一条件の製鋼ダスト単体のブリケットBに対して、炭素粉体が添加されることによって全体的な粉体同士の付着力が減少することから低下する懸念があるが、ブリケットB自体の見掛け密度が炭素粉体添加量分小さくなるため、落下強度という観点からは大きく低下することはない。表1からもわかるとおり、炭素粉体なしの製鋼ダスト11ブリケットBとほぼ同程度の落下強度が得られた。
この試験結果によると、製鋼ダストに炭素粉体を重量比4:1の割合で添加した際に、固形化したブリケットBを得るには、 添加炭素粉体の密度が、完全乾燥状態で0.65g/cm3 であればよく、炭素粉体の密度が0.75g/cm3 であれば、製鋼ダスト11のみの粉体サンプルと同等の実用上のブリケット強度を得ることができる。
試験では電炉から排出された製鋼ダストを用いてブリケットBの製造を行ったが、この発明で用いる製鋼ダスト11は、鉄鋼生成過程で生じる鉄およびその酸化物を主成分とするダストであれば良く、転炉や高炉、その他製鋼工程で生じるものが使用できる。また炭素を主成分とする粉体としては、実施例で示した炭素粉体以外に、グラファイトや微粉炭等が使用できる。
固形化機構部6の給粉部分については、含水量によっては製鋼ダスト11の充填性(成形型7への流し込み特性) に問題があるため、ある程度強制力のある前記強制充填装置30を設けることが望ましい。
特に成形型方向には制約はなく、強制充填装置30として、成形型7の方向が縦向きの場合には、給粉機やスクリューによる押し込み等の機構が使用でき、成形型方向が横向きの場合にはスクリューによる押し込み等の機構が使用できる。
特に成形型方向には制約はなく、強制充填装置30として、成形型7の方向が縦向きの場合には、給粉機やスクリューによる押し込み等の機構が使用でき、成形型方向が横向きの場合にはスクリューによる押し込み等の機構が使用できる。
4…製鋼ダスト固形化物製造装置
5…ホッパ
6…固形化機構部
7…成形型
8…加圧手段
10…加圧制御手段
11…製鋼ダスト
12…プランジャ
19…混合手段
30…強制充填機構
B…ブリケット(製鋼ダスト固形化物)
5…ホッパ
6…固形化機構部
7…成形型
8…加圧手段
10…加圧制御手段
11…製鋼ダスト
12…プランジャ
19…混合手段
30…強制充填機構
B…ブリケット(製鋼ダスト固形化物)
Claims (4)
- 鉄鋼生成過程で生じる鉄およびその酸化物を主成分とするダストを、成形型に入れて加圧成形した固形化物である製鋼ダスト固形化物であって、
原料として、前記ダストに、炭素を主成分とする粉体を添加したものを用い、この添加する粉体のかさ密度が0.65g/cm3 以上であることを特徴とする製鋼ダスト固形化物。 - 請求項1において、炭素を主成分とする粉体が、炭素粉体またはグラファイトである製鋼ダスト固形化物。
- 鉄鋼生成過程で生じる鉄およびその酸化物を主成分とするダストを、成形型に入れ加圧成形して固形化することにより、その固形化物である製鋼ダスト固形化物を製造する方法であって、
前記成形型に入れる原料として、前記ダストに炭素を主成分とする粉体を添加したものを用い、この添加する粉体のかさ密度が0.65g/cm3 以上であることを特徴とする製鋼ダスト固形化物の製造方法。 - 請求項3において、炭素を主成分とする粉体が、炭素粉体またはグラファイトである製鋼ダスト固形化物の製造方法。
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JP2004320581A JP2006131934A (ja) | 2004-11-04 | 2004-11-04 | 製鋼ダスト固形化物およびその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018044214A (ja) * | 2016-09-15 | 2018-03-22 | 新日鐵住金株式会社 | 成形体の強度推定方法および成形物の製造方法 |
-
2004
- 2004-11-04 JP JP2004320581A patent/JP2006131934A/ja active Pending
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