JP2006131211A - ステアリングコラム装置 - Google Patents

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Kenichi Sugiyama
健一 杉山
Shigeru Okita
滋 沖田
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Abstract

【課題】 運転者に最適な操作トルクで操作レバーを操作して、所定のコラムクランプ力が得られるようにしたステアリングコラム装置を提供する。
【解決手段】 可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dが、押圧頭部345の外径D1よりも、可動カム36の半径方向外側から開始しているため、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触位置は、押圧頭部345の外径D1の内側には無く、外径D1の外側だけとなる。従って、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触面に作用する応力が、接触面全体に均等に分散されるため、締付けロッド34を右側に引く軸方向の力(コラムクランプ力)が大きくなる。
【選択図】 図4

Description

本発明はステアリングコラム装置、特にテレスコピック機構またはチルティング機構の内の少なくとも一方を備えた車両のためのステアリングコラム装置に関する。
テレスコピック機構及びチルティング機構は、それぞれ運転者の体型及び好みにあわせて、最も運転しやすい位置にステアリングホィールの前後方向位置、及び、傾斜角度を調整するための機構である。ステアリングホィールの前後方向位置、及び、傾斜角度の調整時には、一旦、それぞれのためのコラムクランプ装置がアンクランプ状態にされ、その状態でステアリングホィールの前後方向位置、及び、傾斜角度を調整したのち、再度クランプ状態にされる。
ステアリングコラムをクランプするコラムクランプ装置では、操作レバーの操作力を大きなクランプ力に変換するための増力機構として、特許文献1に示すような固定カムと可動カムで構成される一対のカム機構を使用している。
図16は、従来のステアリングコラム装置のコラムクランプ装置を示す縦断面図である。図17は図16のQ部拡大断面図であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。図18は図17のDーD矢視図であって、可動カムの形状を示す側面図である。
図16に示すように、アッパー側車体取付けブラケット3の上部には、このアッパー側車体取付けブラケット3を車体6に取付けるための左右一対のフランジ部31A、31Bが形成されている。フランジ部31A、31Bと一体に形成され、上下方向に延在する左右の側板32A、32Bの内側面321A、321Bには、ディスタンスブラケット11の左右の側板12A、12Bが、テレスコ移動及びチルト移動可能に挟持されている。
ディスタンスブラケット11は、左右の側板12A、12Bの上端が、アウターコラム1の下面に溶接によって一体的に取付けられている。アウターコラム1の内周13には、摩擦係数の小さい材料で成形された円筒形状のブッシュ22が嵌合し、ブッシュ22の内周には、インナーコラム2が軸方向に摺動可能に嵌合している。
ディスタンスブラケット11には、テレスコ用長溝14A、14Bが、紙面に直交する方向に長く形成され、側板32A、32Bに形成したチルト用長溝33A、33Bと、テレスコ用長溝14A、14Bに、円形断面の締付けロッド34が、図16の右側から挿通されている。チルト用長溝33A、33Bは、図示しないチルト中心軸を中心とする円弧状に形成されている。
締付けロッド34の左端外周には、ワッシャ341、調整ナット342がこの順で外嵌され、ワッシャ341が側板32Aの外側面に当接し、調整ナット342の内径部に形成された雌ねじ343が、締付けロッド34の左端に形成された雄ねじ344にねじ込まれている。
締付けロッド34の右端外周には、固定カム35、可動カム36がこの順で外嵌され、可動カム36に形成された断面円形の座ぐり穴37に締付けロッド34の右端の押圧頭部345が嵌入し、座ぐり穴37の底面371に、押圧頭部345の左端面の座面345Aが当接している。固定カム35の左側外周に形成された小径部351には、チルト用長溝33Bの溝幅よりも若干幅の狭い平行二面の回り止め部3511が形成されている。
回り止め部3511はチルト用長溝33Bに嵌入して、固定カム35をアッパー側車体取付けブラケット3に対して回り止めする。従って、チルト位置調整時には、チルト用長溝33Bに沿って固定カム35が摺動し、締付けロッド34と共に、可動カム36、ディスタンスブラケット11、アウターコラム1が、チルト中心軸を中心としてチルト移動する。また、テレスコ位置調整時には、テレスコ用長溝14A、14Bに沿って、ディスタンスブラケット11、アウターコラム1がテレスコ移動する。
可動カム36には操作レバー361が一体的に形成され、この操作レバー361によって回動操作される可動カム36と、固定の固定カム35によって、カムロック機構が構成されている。
図18は図17のDーD矢視図であって、可動カム36のカム形状を示す。固定カム35と可動カム36は、外形が円筒状に形成され、その中心には、締付けロッド34の右端外周に外嵌する円形の貫通孔352、362が形成されている。
可動カム36の左側端面には、4個の山363A〜363Dと谷364A〜364Dが交互に等間隔に形成され、さらに、谷364A〜364Dと山363A〜363Dを滑らかに結ぶ傾斜面365A〜365Dが形成されている。また、固定カム35のカム形状の詳細な図示は省略するが、可動カム36の左側端面に対向する固定カム35の右側端面には、4個の山と谷が交互に、上記可動カム36の山363A〜363Dと谷364A〜364Dに対して相補的に形成され、さらに、谷と山を滑らかに結ぶ傾斜面が形成されている。
ディスタンスブラケット11のアンクランプ時には、可動カム36の山363A〜363Dは、固定カム35の谷に入り込み、可動カム36の谷364A〜364Dは、固定カム35の山に入り込んでいるため、固定カム35を左側に押す力を解除すると同時に、締付けロッド34を右側に引く力を解除することによって、側板32A、32Bを離間させ、ディスタンスブラケット11の締付けを解除している。
このアンクランプ状態で、運転者の体格や運転姿勢に応じて、図示しないステアリングホイールを握ってアウターコラム1をインナーコラム2に対して軸方向に摺動して所望のテレスコ位置に調整すると同時に、図示しないチルト中心軸を中心として所望のチルト位置に調整を行う。
ステアリングホイールのチルト位置調整及びテレスコ位置調整が終了し、操作レバー361を回動すると、図17に示すように、可動カム36の傾斜面365A〜365Dが、固定カム35の傾斜面に沿って移動し、固定カム35の山に可動カム36の山363A〜363Dが乗り上げる。
これによって、固定カム35を図17の左側に押すと同時に、座ぐり穴37の底面371、押圧頭部345を介して締付けロッド34を右側に引くことによって、側板32A、32Bを締付け、側板32A、32Bの内側面321A、321Bでディスタンスブラケット11の側板12A、12Bを締付ける。
図17に示すように、押圧頭部345の外径D1よりも、可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端366A〜366Dが、可動カム36の中心側に寄っている。従って、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山との接触面に作用する応力は、固定カム35及び可動カム36の中心側が大きく、半径方向外側が小さくなる。従って、可動カム36の中心側が左方向に、可動カム36の半径方向外側が右方向に変形し、可動カム36が全体として、左側に凸のすり鉢状に変形する。
その結果として、締付けロッド34を右側に引く軸方向の力(コラムクランプ力)が所定の大きさにならず、操作レバー361の操作トルクを大きくしないと、所定のコラムクランプ力が得られない不具合が生じていた。
特開2003−154944号公報
本発明は、運転者に最適な操作トルクで操作レバーを操作して、所定のコラムクランプ力が得られるようにしたステアリングコラム装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、ステアリングホイールが装着されるステアリングシャフトを回転自在に軸支するステアリングコラム、車体に固定可能な車体取付けブラケット、上記車体取付けブラケットに摺接し上記ステアリングコラムを支持するディスタンスブラケット、上記車体取付けブラケット及びディスタンスブラケットに挿通された締付けロッド、上記締付けロッドの一端に支承され上記車体取付けブラケットの一側面を上記ディスタンスブラケットの一側面に押圧する固定カム、上記締付けロッドの一端に上記固定カムに対向して操作レバーとともに回動可能に支承された可動カム、上記固定カムと可動カムの対向する面に各々設けられ、上記固定カムに対して可動カムを相対的に軸方向に押圧するカム面、上記締付けロッドの一端に形成され、上記可動カムの反カム面側の面を押圧する押圧頭部を備えたステアリングコラム装置において、上記固定カムまたは可動カムの少なくとも一方のカム面の山の半径方向内端が、上記押圧頭部の外径よりも半径方向外側に形成されていることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第2番目の発明は、第1番目の発明のステアリングコラム装置において、上記カム面の山の半径方向内端が、上記押圧頭部の外径の1.1倍から1.3倍の位置に形成されていることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第3番目の発明は、第1番目の発明のステアリングコラム装置において、上記固定カムまたは可動カムの少なくとも一方のカム面の山の半径方向外端の外径をD2、上記押圧頭部の外径をD1、上記固定カムまたは可動カムの少なくとも一方のカム面の山の半径方向内端から半径方向外端までの半径方向の長さをEとした時、E=(1/2〜2/3)・(D2・1/2−D1・1/2)であることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第4番目の発明は、第1番目の発明のステアリングコラム装置において、上記固定カムまたは可動カムの少なくとも一方の半径方向内端側の肉厚を半径方向外端側の肉厚よりも薄くしたことを特徴とするステアリングコラム装置である。
第5番目の発明は、第1番目の発明のステアリングコラム装置において、上記固定カムまたは可動カムの少なくとも一方のカム面の山が、半径方向内端から半径方向外端に向かうに従って、他方のカム面の山に接近する方向に傾斜していることを特徴とするステアリングコラム装置である。
本発明のステアリングコラム装置では、固定カムまたは可動カムの少なくとも一方のカム面の山の半径方向内端が、締付けロッドの押圧頭部の外径よりも半径方向外側に形成されているため、可動カムの山と固定カムの山との接触面に作用する応力が接触面全体に均等に分散され、結果として、締付けロッドを引く軸方向の力(コラムクランプ力)が大きくなるため、運転者に最適な操作トルクで操作レバーを操作して、所望のコラムクランプ力を得ることができる。
また、本発明のステアリングコラム装置では、コラムクランプ状態での固定カムまたは可動カムの少なくとも一方の半径方向内端側の弾性変形量が、コラムクランプ部の熱変位量よりも大きい。従って、温度変化によってコラムクランプ部に熱変位が生じても、弾性変形が熱変位量分だけ戻ることによって、熱変位によるコラムクランプ力の低下を緩和することができる。
* 第1の実施形態
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施形態を説明する。図1は本発明の第1の実施形態のステアリングコラム装置の全体正面図である。図2は図1のAーA線で切断した断面図であって、本発明の第1の実施形態のコラムクランプ装置を示す。図3は図2のP部拡大断面図であって、ディスタンスブラケットのアンクランプ状態を示す。図4は図2のP部拡大断面図であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。図5(1)は図4のBーB矢視図であって、可動カムのカム形状を示す側面図である。図5(2)は図4のCーC矢視図であって、固定カムのカム形状を示す側面図である。
図6は本発明の第1の実施形態のステアリングコラム装置と従来のステアリングコラム装置のコラムクランプ力のテスト結果を示す第1のグラフである。図7は本発明の第1の実施形態のステアリングコラム装置と従来のステアリングコラム装置のコラムクランプ力のテスト結果を示す第2のグラフである。
図1に示すように、中空円筒状のアウターコラム1内には、車体後方側(図1の右側)にステアリングホイール5を取付けた上部ステアリングシャフト41が回動可能に軸支されている。アウターコラム1の車体前方側(図1の左側)には、インナーコラム2が軸方向に摺動可能に嵌合している。アウターコラム1は、アッパー側車体取付けブラケット3によって車体6に取付けられている。
インナーコラム2の車体前方側には、ロアー側車体取付けブラケット7が車体6に取付けられ、インナーコラム2の車体前方側に固定されたチルト中心軸21が、ロアー側車体取付けブラケット7にチルト可能に軸支されている。
インナーコラム2には、下部ステアリングシャフト42が回転可能に軸支され、下部ステアリングシャフト42は上部ステアリングシャフト41とスプライン係合し、上部ステアリングシャフト41の回転が下部ステアリングシャフト42に伝達される。
下部ステアリングシャフト42の左端は、上部自在継手71を介して中間シャフト72に連結され、中間シャフト72の左端は、下部自在継手73を介してピニオンシャフト74に連結されている。ピニオンシャフト74の左端はステアリングギヤ75に連結され、ステアリングホイール5の回転がステアリングギヤ75に伝達されて、車輪の操舵角を変えることができる。
図2に示すように、アッパー側車体取付けブラケット3の上部には、このアッパー側車体取付けブラケット3を車体6に取付けるための左右一対のフランジ部31A、31Bが形成されている。フランジ部31A、31Bと一体に形成され、上下方向に延在する左右の側板32A、32Bの内側面321A、321Bには、ディスタンスブラケット11の左右の側板12A、12Bが、テレスコ移動及びチルト移動可能に挟持されている。
ディスタンスブラケット11は、左右の側板12A、12Bの上端が、アウターコラム1の下面に溶接によって一体的に取付けられている。アウターコラム1の内周13には、摩擦係数の小さい材料で成形された円筒形状のブッシュ22が嵌合し、ブッシュ22の内周には、上記したインナーコラム2が軸方向に摺動可能に嵌合している。アウターコラム1をハイドロフォームで成形すれば、溶接無しで、ディスタンスブラケット11をアウターコラム1に一体的に成形することができるため、剛性が向上して好ましい。
アウターコラム1の内周13とインナーコラム2の外周23との間に、摩擦係数の小さいブッシュ22が介在しているため、インナーコラム2に対してアウターコラム1を軽い力で移動させることができる。
ディスタンスブラケット11には、軸方向(図2の紙面に直交する方向)に長いテレスコ用長溝14A、14Bが形成され、側板32A、32Bに形成したチルト用長溝33A、33Bと、テレスコ用長溝14A、14Bに、円形断面の締付けロッド34が、図2の右側から挿通されている。チルト用長溝33A、33Bは、チルト中心軸21を中心とする円弧状に形成されている。
図2に示すように、締付けロッド34の左端外周には、ワッシャ341、スラスト軸受346、調整ナット342がこの順で外嵌され、ワッシャ341が側板32Aの外側面に当接し、調整ナット342の内径部に形成された雌ねじ343が、締付けロッド34の左端に形成された雄ねじ344にねじ込まれると共に、雄ねじ344に調整ナット342を溶接やカシメ加工によって固着し、ワッシャ341を側板32Aの外側面に押圧している。
図2から図4に示すように、締付けロッド34の右端外周には、固定カム35、可動カム36がこの順で外嵌され、可動カム36に形成された断面円形の座ぐり穴37に、締付けロッド34の右端の押圧頭部345が嵌入し、座ぐり穴37の底面371に、押圧頭部345の左端面の座面345Aを当接させ、可動カム36に対して押圧頭部345を、カシメや溶接によって固着している。固定カム35の左側外周に形成された小径部351には、チルト用長溝33Bの溝幅よりも若干幅の狭い平行二面の回り止め部3511が形成されている。本発明の実施形態では、可動カム36の右端面には円形の座ぐり穴37が形成され、この座ぐり穴37に押圧頭部345を嵌入しているが、この座ぐり穴37を形成せず、可動カム36の右端面に押圧頭部345を直接当接するようにしてもよい。
回り止め部3511はチルト用長溝33Bに嵌入して、固定カム35をアッパー側車体取付けブラケット3に対して回り止めする。従って、チルト位置調整時には、チルト用長溝33Bに沿って固定カム35が摺動し、締付けロッド34と共に、可動カム36、ディスタンスブラケット11、アウターコラム1が、チルト中心軸21を中心としてチルト移動する。また、テレスコ位置調整時には、テレスコ用長溝14A、14Bに沿って、ディスタンスブラケット11、アウターコラム1がテレスコ移動する。
可動カム36には操作レバー361が一体的に形成され、この操作レバー361によって回動操作される可動カム36と、固定の固定カム35によって、カムロック機構が構成されている。なお、操作レバー361は、可動カム36とは別体で構成してもよい。また、ワッシャ341と調整ナット342との間のスラスト軸受346を廃止し、可動カム36と押圧頭部345との間にスラスト軸受346を介在させるようにしてもよい。この場合には、スラスト軸受346が可動カム36を押圧する押圧頭部となる。
図5(1)は図4のBーB矢視図であって、可動カム36のカム形状を示し、図5(2)は図4のCーC矢視図であって、固定カム35のカム形状を示す。固定カム35と可動カム36は、外形が円筒状に形成され、その中心には、締付けロッド34の右端外周に外嵌する円形の貫通孔352、362が形成されている。
可動カム36の左側端面には、4個の山363A〜363Dと谷364A〜364Dが交互に等間隔に形成され、さらに、谷364A〜364Dと山363A〜363Dを滑らかに結ぶ傾斜面365A〜365Dが形成されている。また可動カム36の左側端面に対向する固定カム35の右側端面には、4個の山353A〜353Dと谷354A〜354Dが交互に、上記可動カム36の山363A〜363Dと谷364A〜364Dに対して相補的に形成され、さらに、谷354A〜354Dと山353A〜353Dを滑らかに結ぶ傾斜面355A〜355Dが形成されている。傾斜面365A〜365D、355A〜355Dの形状としては、可動カム36及び固定カム35の円周方向で見て、線型、多段の線型、曲線、多段の連続した曲線等が採用可能である。
図4、図5(1)に示すように、可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dが、押圧頭部345の外径D1よりも半径方向外側から開始している。可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dの位置は、押圧頭部345の外径D1の1.1倍から1.3倍が好ましい。
図3はディスタンスブラケット11のアンクランプ状態を示し、この状態では、可動カム36の山363A〜363Dは、固定カム35の谷354A〜354Dに入り込み、可動カム36の谷364A〜364Dは、固定カム35の山353A〜353Dに入り込んでいる。従って、固定カム35を左側に押す力が解除されると同時に、締付けロッド34を右側に引く力が解除されるため、側板32A、32Bを離間させ、ディスタンスブラケット11の締付けを解除している。
このアンクランプ状態で、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイール5を握って、アウターコラム1をインナーコラム2に対して軸方向に摺動して、所望のテレスコ位置に調整すると同時に、チルト中心軸21を中心として所望のチルト位置に調整を行う。
ステアリングホイール5のチルト位置調整及びテレスコ位置調整が終了し、操作レバー361を回動すると、締付けロッド34、調整ナット342が操作レバー361と共に回動し、可動カム36の傾斜面365A〜365Dが、固定カム35の傾斜面355A〜355Dに沿って移動し、固定カム35の山353A〜353Dに可動カム36の山363A〜363Dが乗り上げる。
これによって、固定カム35を図2から図4の左側に押すと同時に、可動カム36が締付けロッド34を右側に引くことによって、側板32A、32Bを締付け、側板32A、32Bの内側面321A、321Bでディスタンスブラケット11の側板12A、12Bを締付ける。
可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dが、押圧頭部345の外径D1よりも、可動カム36の半径方向外側から開始しているため、図4に示すように、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触位置は、押圧頭部345の外径D1の内側には無く、押圧頭部345の外径D1の外側だけとなる。従って、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触面に作用する応力が、接触面全体に均等に分散されるため、締付けロッド34を右側に引く軸方向の力(コラムクランプ力)が大きくなる。
図6、図7は、本発明の第1の実施形態のステアリングコラム装置と従来のステアリングコラム装置のコラムクランプ力のテスト結果を示す第1のグラフ及び第2のグラフである。第1のグラフは、可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dの位置を、押圧頭部345の外径D1の1.3倍にした場合のテスト結果である。第2のグラフは、可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dの位置を、押圧頭部345の外径D1の1.1倍にした場合のテスト結果である。
図6、図7で、黒四角のグラフが本発明の第1の実施形態のステアリングコラム装置、白丸のグラフが従来のステアリングコラム装置である。図6の第1のグラフに示すように、押圧頭部345の外径D1の1.3倍にした場合には、操作レバー361を回転角度で18deg回転(カムのリフト量で3mmリフト)させた時、本発明の第1の実施形態のステアリングコラム装置のコラムクランプ力F1は、同じ回転角度だけ操作レバー361を回転させた時の従来のステアリングコラム装置のコラムクランプ力F3と比較して、約10%大きくなっている。
図7の第2のグラフに示すように、押圧頭部345の外径D1の1.1倍にした場合には、操作レバー361を回転角度で18deg回転(カムのリフト量で3mmリフト)させた時、本発明の第1の実施形態のステアリングコラム装置のコラムクランプ力F2は、同じ回転角度だけ操作レバー361を回転させた時の従来のステアリングコラム装置のコラムクランプ力F3と比較して、約4%大きくなっている。
上記実施形態では、可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dを、押圧頭部345の外径D1よりも、可動カム36の半径方向外側から開始しているが、固定カム35の山353A〜353Dの半径方向内端を、押圧頭部345の外径D1よりも、固定カム35の半径方向外側から開始してもよいし、可動カム36と固定カム35の両方の山の半径方向内端を、押圧頭部345の外径D1よりも、半径方向外側から開始するようにしてもよい。
* 第2の実施形態
次に本発明の第2の実施形態を説明する。図8は本発明の第2の実施形態のコラムクランプ装置を示し、図2のP部拡大断面図相当であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。以下の説明では、上記実施形態と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。第2の実施形態は、温度変化によるコラムクランプ部の熱変位によって、コラムクランプ力が低下する量を緩和するようにした実施例である。
図8に示すように、第2の実施形態のコラムクランプ装置では、可動カム36の山363A〜363D(図8では、山363D、363Bだけが見えている)の半径方向外端の外径をD2、押圧頭部345の外径をD1、可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367D(図8では、半径方向内端367B、367Dだけが見えている)から半径方向外端までの半径方向の長さをEとした時、
E=1/2・(D2・1/2−D1・1/2)
に設定している。
また、可動カム36の右端面(反カム面側)には、環状の肉抜き部368が形成され、固定カム35の左端面(反カム面側)にも、環状の肉抜き部356が形成されている。可動カム36側の環状の肉抜き部368は、環状に限定されるものではなく、可動カム36の山363A〜363Dの背面側だけを部分的に肉抜きしてもよい。また、固定カム35側の環状の肉抜き部356も、環状に限定されるものではなく、固定カム35の山353A〜353Dの背面側だけを部分的に肉抜きしてもよい。
従って、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触位置は、押圧頭部345の外径D1の内側には無く、押圧頭部345の外径D1の外側だけとなる。従って、第1の実施形態と同様に、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触面に作用する応力が、接触面全体に均等に分散されるため、締付けロッド34を右側に引く軸方向の力(コラムクランプ力)が大きくなる。
また、可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dが、押圧頭部345の外径D1から半径方向外側に離間し、肉抜き部368によって、可動カム36の半径方向内端側の肉厚T1が薄くなっている。従って、操作レバー361を回動して、固定カム35の山353A〜353Dに可動カム36の山363A〜363Dが乗り上げたコラムクランプ状態になると、可動カム36の半径方向内端側が容易に弾性変形する。
図15は、本発明の第2の実施形態のステアリングコラム装置と従来のステアリングコラム装置の、温度とコラムクランプ力との関係をテストした結果を示す第3のグラフである。第3のグラフは、横軸が温度(℃)、縦軸がコラムクランプ力(KN)を表している。黒丸のグラフが本発明の第2の実施形態のステアリングコラム装置、バツのグラフが従来のステアリングコラム装置である。
図15に示すテストは、ステアリングコラム装置を恒温槽に入れ、温度が70℃の時にコラムクランプ力を2.7KNに設定し、一定の時間をかけて0℃まで温度を降下させた時のコラムクランプ力を測定した。コラムクランプ力は、締め付けロッド34の左端外周のスラスト軸受346と調整ナット342との間に、ドーナツ状のロードセルを装着して測定した。
図15に示すように、温度を0℃まで降下させた時、第2の実施形態のステアリングコラム装置のコラムクランプ力は、従来のステアリングコラム装置のコラムクランプ力と比較して、約10%大きくなっている。第2の実施形態のステアリングコラム装置は、従来のステアリングコラム装置と比較して、コラムクランプ状態での可動カム36の半径方向内端側の弾性変形量が、コラムクランプ部の熱変位量よりも大きい。従って、温度変化によってコラムクランプ部に熱変位が生じても、弾性変形が熱変位量分だけ戻ることによって、コラムクランプ力の低下を緩和することができる。
第2の実施形態では、可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dから半径方向外端までの半径方向の長さEを、E=1/2・(D2・1/2−D1・1/2)に設定しているが、E=(1/2〜2/3)・(D2・1/2−D1・1/2)の範囲にあればよい。
* 第3の実施形態
次に本発明の第3の実施形態を説明する。図9は本発明の第3の実施形態のコラムクランプ装置を示し、図2のP部拡大断面図相当であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。以下の説明では、上記実施形態と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。第3の実施形態は、第2の実施形態の変形例であって、固定カムの側の山の半径方向の長さを短くして、コラムクランプ状態での固定カムの半径方向内端側の弾性変形量を、コラムクランプ部の熱変位量よりも大きくしている。それによって、温度変化によるコラムクランプ部の熱変位によって、コラムクランプ力が低下する量を緩和するようにした実施例である。
すなわち、図9に示すように、第3の実施形態のコラムクランプ装置では、固定カム35の山353A〜353Dの半径方向外端の外径をD2、押圧頭部345の外径をD1、固定カム35の山353A〜353Dの半径方向内端から半径方向外端までの半径方向の長さをEとした時、
E=1/2・(D2・1/2−D1・1/2)
に設定している。
また、可動カム36の右端面(反カム面側)には、環状の肉抜き部368が形成され、固定カム35の左端面(反カム面側)にも、環状の肉抜き部356が形成されている。
従って、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触位置は、押圧頭部345の外径D1の内側には無く、押圧頭部345の外径D1の外側だけとなる。従って、第2の実施形態と同様に、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触面に作用する応力が、接触面全体に均等に分散されるため、締付けロッド34を右側に引く軸方向の力(コラムクランプ力)が大きくなる。
また、固定カム35の山353A〜353Dの半径方向内端が、押圧頭部345の外径D1から半径方向外側に離間し、肉抜き部356によって、固定カム35の半径方向内端側の肉厚T2が薄くなっている。従って、操作レバー361を回動して、固定カム35の山353A〜353Dに可動カム36の山363A〜363Dが乗り上げたコラムクランプ状態になると、固定カム35の半径方向内端側が容易に弾性変形する。
従って、第3の実施形態のステアリングコラム装置においても、従来のステアリングコラム装置と比較して、コラムクランプ状態での固定カム35の半径方向内端側の弾性変形量が、コラムクランプ部の熱変位量よりも大きい。従って、温度変化によってコラムクランプ部に熱変位が生じても、弾性変形が熱変位量分だけ戻ることによって、コラムクランプ力の低下を緩和することができる。
* 第4の実施形態
次に本発明の第4の実施形態を説明する。図10は本発明の第4の実施形態のコラムクランプ装置を示し、図2のP部拡大断面図相当であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。以下の説明では、上記実施形態と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。第4の実施形態は、第2の実施形態の変形例であって、固定カム35と可動カム36の両方の山の半径方向の長さを短くして、温度変化によるコラムクランプ部の熱変位によって、コラムクランプ力が低下する量を緩和するようにした実施例である。
すなわち、図10に示すように、第4の実施形態のコラムクランプ装置では、可動カム36の山363A〜363D、及び、固定カム35の山353A〜353Dの半径方向外端の外径をD2、押圧頭部345の外径をD1、可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dから半径方向外端までの半径方向の長さ、及び、固定カム35の山353A〜353Dの半径方向内端から半径方向外端までの半径方向の長さをEとした時、
E=1/2・(D2・1/2−D1・1/2)
に設定している。
また、可動カム36の右端面(反カム面側)には、環状の肉抜き部368が形成され、固定カム35の左端面(反カム面側)にも、環状の肉抜き部356が形成されている。
従って、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触位置は、押圧頭部345の外径D1の内側には無く、押圧頭部345の外径D1の外側だけとなる。従って、第2の実施形態と同様に、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触面に作用する応力が、接触面全体に均等に分散されるため、締付けロッド34を右側に引く軸方向の力(コラムクランプ力)が大きくなる。
また、可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dが、押圧頭部345の外径D1から半径方向外側に離間し、肉抜き部368によって、可動カム36の半径方向内端側の肉厚T1が薄くなっている。さらに、固定カム35の山353A〜353Dの半径方向内端が、押圧頭部345の外径D1から半径方向外側に離間し、肉抜き部356によって、固定カム35の半径方向内端側の肉厚T2が薄くなっている。従って、操作レバー361を回動して、固定カム35の山353A〜353Dに可動カム36の山363A〜363Dが乗り上げたコラムクランプ状態になると、可動カム36の半径方向内端側、及び、固定カム35の半径方向内端側が容易に弾性変形する。
従って、第4の実施形態のステアリングコラム装置においても、従来のステアリングコラム装置と比較して、コラムクランプ状態での、可動カム36の半径方向内端側の弾性変形量と固定カム35の半径方向内端側の弾性変形量の合計が、コラムクランプ部の熱変位量よりも大きい。従って、温度変化によってコラムクランプ部に熱変位が生じても、弾性変形が熱変位量分だけ戻ることによって、コラムクランプ力の低下を緩和することができる。
* 第5の実施形態
次に本発明の第5の実施形態を説明する。図11は本発明の第5の実施形態のコラムクランプ装置を示し、図2のP部拡大断面図相当であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。以下の説明では、上記実施形態と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。第5の実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、可動カム36の半径方向内端側の肉厚を半径方向外端側の肉厚よりも薄くして、温度変化によるコラムクランプ部の熱変位によって、コラムクランプ力が低下する量を緩和するようにした実施例である。
すなわち、図11に示すように、第5の実施形態のコラムクランプ装置では、第1の実施形態と同様に、可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dが、押圧頭部345の外径D1よりも半径方向外側から開始している。可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dの位置は、押圧頭部345の外径D1の1.1倍に設定されている。
また、可動カム36の右端面(反カム面側)には、半径方向内端側に環状の肉抜き部369が形成されているため、可動カム36の肉厚は、半径方向内端側の肉厚が半径方向外端側の肉厚よりも薄く設定されている。
従って、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触位置は、押圧頭部345の外径D1の内側には無く、押圧頭部345の外径D1の外側だけとなるため、第1の実施形態と同様に、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触面に作用する応力が、接触面全体に均等に分散されるため、締付けロッド34を右側に引く軸方向の力(コラムクランプ力)が大きくなる。
また、可動カム36の半径方向内端側の肉厚が半径方向外端側の肉厚よりも薄く設定されている。従って、操作レバー361を回動して、固定カム35の山353A〜353Dに可動カム36の山363A〜363Dが乗り上げたコラムクランプ状態になると、可動カム36の半径方向内端側が容易に弾性変形する。
従って、第5の実施形態のステアリングコラム装置においても、従来のステアリングコラム装置と比較して、コラムクランプ状態での、可動カム36の半径方向内端側の弾性変形量が、コラムクランプ部の熱変位量よりも大きい。従って、温度変化によってコラムクランプ部に熱変位が生じても、弾性変形が熱変位量分だけ戻ることによって、コラムクランプ力の低下を緩和することができる。
* 第6の実施形態
次に本発明の第6の実施形態を説明する。図12は本発明の第6の実施形態のコラムクランプ装置を示し、図2のP部拡大断面図相当であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。以下の説明では、上記実施形態と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。第6の実施形態は、第5の実施形態の変形例であって、固定カム35の半径方向内端側の肉厚を半径方向外端側の肉厚よりも薄くして、温度変化によるコラムクランプ部の熱変位によって、コラムクランプ力が低下する量を緩和するようにした実施例である。
すなわち、図12に示すように、第6の実施形態のコラムクランプ装置では、第5の実施形態と同様に、可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dが、押圧頭部345の外径D1よりも半径方向外側から開始している。可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dの位置は、押圧頭部345の外径D1の1.1倍に設定されている。
また、固定カム35の左端面(反カム面側)には、半径方向内端側に環状の肉抜き部357が形成されているため、固定カム35の肉厚は、半径方向内端側の肉厚が半径方向外端側の肉厚よりも薄く設定されている。
従って、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触位置は、押圧頭部345の外径D1の内側には無く、押圧頭部345の外径D1の外側だけとなる。従って、第5の実施形態と同様に、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触面に作用する応力が、接触面全体に均等に分散されるため、締付けロッド34を右側に引く軸方向の力(コラムクランプ力)が大きくなる。
また、固定カム35の半径方向内端側の肉厚が半径方向外端側の肉厚よりも薄く設定されている。従って、操作レバー361を回動して、固定カム35の山353A〜353Dに可動カム36の山363A〜363Dが乗り上げたコラムクランプ状態になると、固定カム35の半径方向内端側が容易に弾性変形する。
従って、第6の実施形態のステアリングコラム装置においても、従来のステアリングコラム装置と比較して、コラムクランプ状態での、固定カム35の半径方向内端側の弾性変形量が、コラムクランプ部の熱変位量よりも大きい。従って、温度変化によってコラムクランプ部に熱変位が生じても、弾性変形が熱変位量分だけ戻ることによって、コラムクランプ力の低下を緩和することができる。
* 第7の実施形態
次に本発明の第7の実施形態を説明する。図13は本発明の第7の実施形態のコラムクランプ装置を示し、図2のP部拡大断面図相当であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。以下の説明では、上記実施形態と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。第7の実施形態は、第5の実施形態及び第6の実施形態の変形例であって、固定カム35と可動カム36の両方の半径方向内端側の肉厚を、半径方向外端側の肉厚よりも薄くして、温度変化によるコラムクランプ部の熱変位によって、コラムクランプ力が低下する量を緩和するようにした実施例である。
すなわち、図13に示すように、第7の実施形態のコラムクランプ装置では、第5の実施形態と同様に、可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dが、押圧頭部345の外径D1よりも、可動カム36の半径方向外側から開始している。可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dの位置は、押圧頭部345の外径D1の1.1倍に設定されている。
また、可動カム36の右端面(反カム面側)には、半径方向内端側に環状の肉抜き部369が形成されているため、可動カム36の肉厚は、半径方向内端側の肉厚が半径方向外端側の肉厚よりも薄く設定されている。さらに、固定カム35の左端面(反カム面側)にも、半径方向内端側に環状の肉抜き部357が形成されているため、固定カム35の肉厚も、半径方向内端側の肉厚が半径方向外端側の肉厚よりも薄く設定されている。
従って、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触位置は、押圧頭部345の外径D1の内側には無く、押圧頭部345の外径D1の外側だけとなる。従って、第5の実施形態と同様に、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触面に作用する応力が、接触面全体に均等に分散されるため、締付けロッド34を右側に引く軸方向の力(コラムクランプ力)が大きくなる。
また、可動カム36の半径方向内端側の肉厚が半径方向外端側の肉厚よりも薄く設定されると共に、固定カム35の半径方向内端側の肉厚も半径方向外端側の肉厚よりも薄く設定されている。従って、操作レバー361を回動して、固定カム35の山353A〜353Dに可動カム36の山363A〜363Dが乗り上げたコラムクランプ状態になると、可動カム36の半径方向内端側及び固定カム35の半径方向内端側が容易に弾性変形する。
従って、第7の実施形態のステアリングコラム装置においても、従来のステアリングコラム装置と比較して、コラムクランプ状態での、可動カム36の半径方向内端側の弾性変形量と固定カム35の半径方向内端側の弾性変形量の合計が、コラムクランプ部の熱変位量よりも大きい。従って、温度変化によってコラムクランプ部に熱変位が生じても、弾性変形が熱変位量分だけ戻ることによって、コラムクランプ力の低下を緩和することができる。
* 第8の実施形態
次に本発明の第8の実施形態を説明する。図14は本発明の第8の実施形態のコラムクランプ装置を示し、図2のP部拡大断面図相当であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。以下の説明では、上記実施形態と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。第8の実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、固定カム及び可動カムのカム面の山を、半径方向内端から半径方向外端に向かうに従って、他方のカム面の山に接近する方向に傾斜させて、温度変化によるコラムクランプ部の熱変位によって、コラムクランプ力が低下する量を緩和するようにした実施例である。
すなわち、図14に示すように、第8の実施形態のコラムクランプ装置では、第1の実施形態と同様に、可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dが、押圧頭部345の外径D1よりも半径方向外側から開始している。可動カム36の山363A〜363Dの半径方向内端367A〜367Dの位置は、押圧頭部345の外径D1の1.1倍に設定されている。
また、可動カム36の山363A〜363Dは、半径方向内端367A〜367Dから半径方向外端に向かうに従って、固定カム35に接近する方向(図14の左方)に傾斜している。また、固定カム35の山353A〜353Dは、半径方向内端から半径方向外端に向かうに従って、可動カム36に接近する方向(図14の右方)に傾斜している。
従って、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触位置は、押圧頭部345の外径D1の内側には無く、可動カム36及び固定カム35の半径方向外端近傍だけとなる。従って、第1の実施形態と同様に、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触面に作用する応力が、接触面全体に均等に分散されるため、締付けロッド34を右側に引く軸方向の力(コラムクランプ力)が大きくなる。
また、可動カム36の山363A〜363Dと固定カム35の山353A〜353Dとの接触位置が、半径方向外端近傍だけで、半径方向内端側には隙間が形成されている。従って、操作レバー361を回動して、固定カム35の山353A〜353Dに可動カム36の山363A〜363Dが乗り上げたコラムクランプ状態になると、半径方向内端側の隙間分だけ、可動カム36と固定カム35の半径方向内端側が容易に弾性変形する。
従って、第8の実施形態のステアリングコラム装置においても、従来のステアリングコラム装置と比較して、コラムクランプ状態での、固定カム35の半径方向内端側の弾性変形量と可動カム36の半径方向内端側の弾性変形量の合計が、コラムクランプ部の熱変位量よりも大きい。従って、温度変化によってコラムクランプ部に熱変位が生じても、弾性変形が熱変位量分だけ戻ることによって、コラムクランプ力の低下を緩和することができる。
第8の実施形態で、可動カム36の山363A〜363D、または、固定カム35の山353A〜353Dのどちらか一方を、半径方向内端から半径方向外端に向かうに従って、対向するカム面の山に接近する方向に傾斜させてもよい。
上記実施形態では、固定カム35に対する可動カム36の回転で、テレスコ位置とチルト位置の両方のクランプ/アンクランプを行うステアリングコラム装置に適用した例を示したが、テレスコ位置またはチルト位置のどちらか一方のクランプ/アンクランプを行うステアリングコラム装置に適用してもよい。
また、上記実施形態では、可動カム36と操作レバー361が一体的に形成されたステアリングコラム装置に適用した例を示したが、可動カム36と操作レバー361を別体で構成し、結合手段によって可動カム36と操作レバー361を結合してもよい。
本発明の第1の実施形態のステアリングコラム装置の全体正面図である。 図1のAーA線で切断した断面図であって、本発明の第1の実施形態のコラムクランプ装置を示す。 図2のP部拡大断面図であって、ディスタンスブラケットのアンクランプ状態を示す。 図2のP部拡大断面図であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。 図4のBーB矢視図であって、可動カムの形状を示す側面図である。 図4のCーC矢視図であって、固定カムの形状を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態のステアリングコラム装置と従来のステアリングコラム装置のコラムクランプ力のテスト結果を示す第1のグラフである。 本発明の第1の実施形態のステアリングコラム装置と従来のステアリングコラム装置のコラムクランプ力のテスト結果を示す第2のグラフである。 本発明の第2の実施形態のコラムクランプ装置を示し、図2のP部拡大断面図相当であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。 本発明の第3の実施形態のコラムクランプ装置を示し、図2のP部拡大断面図相当であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。 本発明の第4の実施形態のコラムクランプ装置を示し、図2のP部拡大断面図相当であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。 本発明の第5の実施形態のコラムクランプ装置を示し、図2のP部拡大断面図相当であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。 本発明の第6の実施形態のコラムクランプ装置を示し、図2のP部拡大断面図相当であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。 本発明の第7の実施形態のコラムクランプ装置を示し、図2のP部拡大断面図相当であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。 本発明の第8の実施形態のコラムクランプ装置を示し、図2のP部拡大断面図相当であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。 本発明の第2の実施形態のステアリングコラム装置と従来のステアリングコラム装置の、温度とコラムクランプ力との関係をテストした結果を示す第3のグラフである。 従来のステアリングコラム装置のコラムクランプ装置を示し、図1のAーA線断面図相当である。 図16のQ部拡大断面図であって、ディスタンスブラケットのクランプ状態を示す。 図17のDーD矢視図であって、可動カムの形状を示す側面図である。
符号の説明
1 アウターコラム
11 ディスタンスブラケット
12A、12B 側板
13 内周
14A、14B テレスコ用長溝
2 インナーコラム
21 チルト中心軸
22 ブッシュ
23 外周
3 アッパー側車体取付けブラケット
31A、31B フランジ部
32A、32B 側板
321A、321B 内側面
33A、33B チルト用長溝
34 締付けロッド
341 ワッシャ
342 調整ナット
343 雌ねじ
344 雄ねじ
345 押圧頭部
345A 座面
346 スラスト軸受
35 固定カム
351 小径部
3511 回り止め部
352 貫通孔
353A、353B、353C、353D 山
354A、354B、354C、354D 谷
355A、355B、355C、355D 傾斜面
356 肉抜き部
357 肉抜き部
36 可動カム
361 操作レバー
362 貫通孔
363A、363B、363C、363D 山
364A、364B、364C、364D 谷
365A、365B、365C、365D 傾斜面
366A、366B、366C、366D 山の半径方向内端
367A、367B、367C、367D 山の半径方向内端
368 肉抜き部
369 肉抜き部
37 座ぐり穴
371 底面
41 上部ステアリングシャフト
42 下部ステアリングシャフト
5 ステアリングホイール
6 車体
7 ロアー側車体取付けブラケット
71 上部自在継手
72 中間シャフト
73 下部自在継手
74 ピニオンシャフト
75 ステアリングギヤ

Claims (5)

  1. ステアリングホイールが装着されるステアリングシャフトを回転自在に軸支するステアリングコラム、
    車体に固定可能な車体取付けブラケット、
    上記車体取付けブラケットに摺接し上記ステアリングコラムを支持するディスタンスブラケット、
    上記車体取付けブラケット及びディスタンスブラケットに挿通された締付けロッド、
    上記締付けロッドの一端に支承され上記車体取付けブラケットの一側面を上記ディスタンスブラケットの一側面に押圧する固定カム、
    上記締付けロッドの一端に上記固定カムに対向して操作レバーとともに回動可能に支承された可動カム、
    上記固定カムと可動カムの対向する面に各々設けられ、上記固定カムに対して可動カムを相対的に軸方向に押圧するカム面、
    上記締付けロッドの一端に形成され、上記可動カムの反カム面側の面を押圧する押圧頭部を備えたステアリングコラム装置において、
    上記固定カムまたは可動カムの少なくとも一方のカム面の山の半径方向内端が、上記押圧頭部の外径よりも半径方向外側に形成されていること
    を特徴とするステアリングコラム装置。
  2. 請求項1に記載されたステアリングコラム装置において、
    上記カム面の山の半径方向内端が、上記押圧頭部の外径の1.1倍から1.3倍の位置に形成されていること
    を特徴とするステアリングコラム装置。
  3. 請求項1に記載されたステアリングコラム装置において、
    上記固定カムまたは可動カムの少なくとも一方のカム面の山の半径方向外端の外径をD2、上記押圧頭部の外径をD1、上記固定カムまたは可動カムの少なくとも一方のカム面の山の半径方向内端から半径方向外端までの半径方向の長さをEとした時、
    E=(1/2〜2/3)・(D2・1/2−D1・1/2)
    であること
    を特徴とするステアリングコラム装置。
  4. 請求項1に記載されたステアリングコラム装置において、
    上記固定カムまたは可動カムの少なくとも一方の半径方向内端側の肉厚を半径方向外端側の肉厚よりも薄くしたこと
    を特徴とするステアリングコラム装置。
  5. 請求項1に記載されたステアリングコラム装置において、
    上記固定カムまたは可動カムの少なくとも一方のカム面の山が、半径方向内端から半径方向外端に向かうに従って、他方のカム面の山に接近する方向に傾斜していること
    を特徴とするステアリングコラム装置。
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