JP2006130454A - 光トラップ装置及び方法 - Google Patents

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JP2006130454A JP2004324329A JP2004324329A JP2006130454A JP 2006130454 A JP2006130454 A JP 2006130454A JP 2004324329 A JP2004324329 A JP 2004324329A JP 2004324329 A JP2004324329 A JP 2004324329A JP 2006130454 A JP2006130454 A JP 2006130454A
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Abstract

【課題】 作製が容易で、しかも簡便な構成により、微小物体の光トラップ、操作、及び操作後の微小物体位置の観察を可能とする光トラップ装置を提供する。
【解決手段】 光を射出する光源2と、この光源2から射出された光を伝搬させるコア12を有する光ファイバ10、コア12の先端に光を射出する光プローブが形成された光ファイバプローブ4、微小物体15を配置するための試料盤14、この試料盤14を光ファイバプローブ4に対して相対移動させる移動手段6を備えた光トラップ装置において、光ファイバプローブ4が円錐形状をなし、かつ、光ファイバ10を伝搬する伝搬光18の光軸に対する光ファイバプローブ4の一部の表面あるいは全面における法線20の傾斜角が伝搬光18の全反射角未満且つ0度より大きい角度となるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ナノ・ミクロンオーダの微小物体のマニピュレーション技術における光トラップ装置及びその方法に関わり、特にナノ・ミクロンオーダの微小物体の堆積による加工・組立技術に適用して好適なものである。
近年、微細試料を扱う理化学、工学分野における各種試験や分析工程において、試料中の微小物体(例えば、金属、誘電体微粒子、微生物や動植物細胞)の中から特定の微小物体を捕捉し、任意の場所へ移動、操作するために、光トラップ技術を使用することが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1には、光トラップ用の光束の光束幅を絞るための可変絞りを光路中に備えることにより、微細物体の捕捉・開放を上記可変絞りの絞り量を変化させることにより制御でき、光ピンセットによる微細物体の捕捉や移動等の操作を効率よく行うことができる微細物体の操作装置に関する技術が提案されている。
また特許文献2には、先端部に先球テーパ形状を成す構造とした光ファイバ、もしくはコアに分布型屈折率構造を有する光ファイバからの射出光を用いることにより、微小物体の光トラップを可能とする光ピンセットに関する技術が提案されている。
また、射出光の集光を可能とする構造を有する光ファイバプローブを備えることにより、近接場光による高分解能測定に加え、上記射出光(伝搬光)による広範囲測定を実現する光ファイバプローブ、光検出装置及び方法も研究されている。
この光トラップ技術は集光された光の光圧力によって微小物体を集光スポット位置近傍に捕捉するものである。この捕捉方法により、非接触で微小物体を一定位置に捕捉することができる。また、集光スポットを移動させることにより捕捉した微小物体を試料中の任意の位置に移動させることも可能である。
この光トラップ装置をなす光学系として一般的な構成は、例えば、特許文献1に記載されているような、対物レンズから射出された光を用いてトラップする構成である。例えば、誘電体微粒子を捕捉対象とした光トラップ装置の場合、微粒子に入射する屈折光からの光圧力の授受により微粒子がトラップされる。高NAの対物レンズから射出された光を用いることにより、強い光圧力を得ることができる。
しかしながら、対物レンズを用いた光学系は、構成が複雑である上、アライメント調整が難しい。また、高いNA(0.6以上)を有する対物レンズでは、一般にワーキングディスタンスが1mm以下となるが、直径が少なくとも数mm以上ある対物レンズを試料に近接させなければならず、試料を配置するスペースも、それに見合った大きいサイズとする必要がある。
数mm以上ある試料中から、数μm〜数nmサイズである目的の粒子を見つけ出すことは容易ではない。これらのことが、作業をより煩雑なものとする要因となっていた。
そこで、上記したような点も含め、対物レンズを用いた光学系による光トラップ装置の短所を回避する装置として、光ファイバの端面からの射出光を利用した光トラップ装置が特許文献2により提案されている。
特許文献2では、光を射出する光ファイバの端面に先球テーパ形状を形成すること、あるいは、コアに分布型屈折率構造を有する光ファイバを用いることにより、射出光を集光させ集光スポット近傍での微小物体の捕捉を可能としている。
特開2001−062792公報 特開平09−043434号公報
しかしながら、先端に先球テーパ形状を形成した光ファイバでは、先端部が球形状をなすことでレンズ効果を得ることができるが作製が困難である。また、分布型屈折率構造を有するファイバを用いた装置においても同様に、作製時の屈折率分布の制御が難しく、所望の集光性能を得ることが難しい。
さらに、光トラップ装置においては、操作後の微小物体の位置を確認することが必要になるが、一般に用いられている光学顕微鏡観察では昨今の操作対象の微細化に伴い分解能が不足しつつある。
特に、操作対象となる微小物体がナノオーダである場合には、位置を確認できない問題が生じていた。
そこで、本発明は、上記した点を鑑みてなされたものであり、作製が容易で、しかも簡便な構成により、微小物体の光トラップ、操作、及び操作後の微小物体位置の観察を可能とする光トラップ装置と、その方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、光を射出する光源と、該光源から射出された光を伝搬させるコアを有する光ファイバと、前記コアの先端に光を射出する光プローブが形成された光ファイバプローブと、微小物体を配置するための試料盤と、該試料盤を前記光ファイバプローブに対して相対移動させる移動手段と、を備えた光トラップ装置において、前記光ファイバプローブが円錐形状を成し、且つ、前記光ファイバを伝搬する伝搬光の光軸に対する前記光ファイバプローブの一部の表面あるいは全面における法線の傾斜角が、前記伝搬光の全反射角未満で且つ0度より大きい光トラップ装置を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記光プローブから前記試料盤に射出された光を検出する検出手段を備えている請求項1記載の光トラップ装置を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記射出された光による光スポットの大きさが所望の値となるように、前記光源から射出される光の波長を制御する波長制御手段をさらに備える請求項1記載の光トラップ装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、光源から光を射出し、円錐形状をなし、且つ、光ファイバを伝搬する伝搬光の光軸に対する光プローブの一部の表面あるいは全面における法線の傾斜角が、伝搬光の全反射角未満に形成されている光ファイバプローブのコアに上記射出された光を伝搬させ、前記コアを伝搬した伝搬光に基づくスポットが試料盤上に配置された微小物体の近傍に形成されるように、前記光ファイバプローブを被測定面に対して近接離間する方向へ相対移動させることにより前記微小物体を捕捉して、前記光ファイバプローブを前記試料盤に対して水平方向に相対移動させることにより、前記微小物体を前記試料盤に対して相対移動させる光トラップ方法を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記光源から出射される光の波長を、前記光スポットの大きさに基づいて決定された波長に制御する請求項4記載の光トラップ方法を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、光を射出する光源と、該光源から射出された光を伝搬させるコアを有する光ファイバと、前記コア先端に光を射出する光プローブが形成され、該光プローブが遮光性被覆層で被覆された光ファイバプローブと、微小物体を配置するための試料盤と、該試料盤を前記光ファイバプローブに対して相対移動させる移動手段と、を備えた光トラップ装置において、前記光ファイバプローブが円錐形状を成し、且つ、前記光ファイバを伝搬する伝搬光の光軸に対する前記光ファイバプローブの一部の表面あるいは全面における法線の傾斜角が、前記伝搬光の全反射角未満で且つ0度より大きい光トラップ装置を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記光ファイバプローブから前記試料盤に射出された光を検出する検出手段を備えている請求項6記載の光トラップ装置を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記遮光性被覆層の光透過率を最大値、あるいはその近傍の値とする波長になるように、前記光源から射出される光の波長を制御する波長制御手段をさらに備える請求項6記載の光トラップ装置を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記遮光性被覆層の材質が、金である請求項6記載の光トラップ装置を特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、光源から光を射出し、円錐形状をなし、かつ、上記光ファイバを伝搬する伝搬光の光軸に対する光プローブの一部の表面あるいは全面における法線の傾斜角が、前記伝搬光の全反射角未満且つ0度より大きい角度に形成されて成る光ファイバプローブのコアに前記射出された光を伝搬させ、前記コアを伝搬した伝搬光に基づくスポットが前記試料盤上に配置された微小物体の近傍に形成されるように、前記光ファイバプローブを被測定面に対して近接離間する方向へ相対移動させることにより、前記微小物体を捕捉して、前記光ファイバプローブを前記試料盤に対して水平方向に相対移動させることにより、前記微小物体を前記試料盤に対して相対移動させる光トラップ方法を特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、波長制御手段により制御された光の波長を、遮光性被覆層の光透過率を最大値、あるいはその近傍の値とする波長とする請求項10記載の光トラップ方法を特徴とする。
本発明によれば、テーパ構造で射出光の集光スポット形成が可能な光ファイバプローブを用いるようにしたことで、作製が容易でしかも簡便な構成により、微小物体の光トラップ操作を可能とする光トラップ装置を提供することができるようになる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明による光ファイバプローブを含んでいる光トラップ装置の第1の実施形態を示す概略図である。図2は図1に示した光ファイバプローブの突出部の形状について説明する拡大図である。
図1及び図2を参照して、本実施の形態の光トラップ装置である光検出装置の概要、及び操作過程を説明する。
図1に示す光検出装置1は、例えば液中に分散している微粒子の数nm〜数百μmの範囲にわたる操作、移動を行うマニピュレーション装置等に適用される。
この図1に示す光検出装置1は、光を射出する光源2と、この光源2から射出された光の光路中に配置された偏光ビームスプリッタ3と、この偏光ビームスプリッタ3を透過した光の光路中に配置された1/4波長板8を通過した光を集光して、試料盤14上に配置された分散液16中における微粒子15に照射する光ファイバプローブ4と、試料盤14からの戻り光を検出する光検出器5とを備えている。
光源2は図示してない電源装置を介して受給した駆動電源に基づき光を発振する。出力制御部7では、微粒子の操作時と、後述する光学像検出時の出力切り換えを行う。
次に、微粒子の捕捉方法について説明する。光源2から発振した光は図示してないレンズでコリメートされ、偏光ビームスプリッタ3、1/4波長板8を透過し、図示してない集光レンズを経て、先端を純水(分散液)16に浸された光ファイバプローブ4に入射する。
光ファイバプローブ4の突出部11から射出された光により、媒質中に分散している微粒子15を捕捉する。微粒子15の材質は例えば、シリカ、金、概寸法の例としては直径数十nm〜数μmである。
捕捉の際には、突出部11から射出された光の集光位置、すなわち光強度が最も高くなる位置を微粒子15の中心に配置するように、光ファイバプローブ4を試料盤14に対して近接離間させる方向に移動させる。この際に必要となる光ファイバプローブ4の先端と、集光位置間の距離の情報については、予め実験等にて取得しておく。
上記移動は光ファイバプローブ4に装着されたプローブ制御部6により行う。
プローブ制御部6は、例えば3軸アクチュエータ等により構成され、光ファイバプローブ4を試料盤14に対して近接離間させる方向及び水平方向に移動させることができる。
なお、プローブ制御部6は、光ファイバプローブ4を試料盤14に対して近接離間する方向に移動させる代わりに、試料盤14を光ファイバプローブ4に近接離間する方向へ移動させても良い。
次に、光ファイバプローブ4の構成について説明する。
光ファイバプローブ4は、光導波部10と、突出部11とを備えている。光導波部10は、コア12の周囲にクラッド13が設けられた光ファイバにて構成される。
コア12及びクラッド13は、それぞれ二酸化シリコン系ガラスからなり、ゲルマニウム、リン等を添加することにより、コア12よりもクラッド13の屈折率が低くなるように組織制御されている。
突出部11は光導波部10の一端においてクラッド13から突出させたコア部分9にて構成されている。この突出させたコア部分9は、図1に示すように先端に至るまで徐々に先細りになるような勾配が設けられている円錐形状となっている。因みに、この円錐形状は、化学エッチングなどにより容易に作製できる。
図1における光ファイバプローブ4の拡大図を図2に示す。図2に基づき、光ファイバプローブ4の突出部11の形状について説明する。コア12内を伝搬する光18(以下、伝搬光)は、光ファイバプローブ4に達した後、突出部11を介して光ファイバプローブ4外に射出される。
本実施の形態では、光ファイバプローブ4の表面、つまり突出コア部分9の表面は、円錐テーパ形状であり、このコア部分9の表面の法線20と伝搬光の光軸21とのなす角θ(以下、傾斜角θ)が伝搬光18における全反射角未満且つ0度より大きい角度となるような形状としている。
これにより、光ファイバプローブ4に入射した伝搬光18の大部分が屈折光として光ファイバプローブ4の外部に射出され、射出された光は、光ファイバプローブ4の先端から数百nm〜数μm程度離れた位置で集光し、高い光強度を有する光スポットを形成することになる。
光ファイバプローブ4の先端から離れた位置で集光し、高い光強度を有する光スポットを形成する現象は、傾斜角θが伝搬光18における全反射角未満且つ0度より大きい角度である場合の固有の現象である。
従来の傾斜角θが全反射角以上に形成されていた光ファイバプローブにおいては、光強度が光ファイバプローブの先端部近傍で最も高く、光ファイバプローブ先端から離れるにつれて光強度は急速に低下し、光強度の低い光スポットしか形成し得ないものであった。
これに対して、本実施の形態のように、傾斜角θが全反射角未満となるように形成すれば、光ファイバプローブ4の先端から数百nm〜数μm程度離れた位置で集光し、高い光強度を有する光スポットを形成することができるようになる。
次に、本実施の形態の光検出装置1を利用した微粒子の位置の光学像観察方法について説明する。
図1に示した出力制御部7により、光源2から光学像検出時用に出力を調整した上で光を発振する。ここで、出力制御部7により切り換えが行われる出力値は、微粒子操作(捕捉)時には数mW〜数百mW、光学像検出時には数十μm〜数百μm程度とする。光学像検出時には、上記の微弱光による光スポットを試料盤14上に発生させることで、微粒子を捕捉せずに像検出を行う。
発振された光は、上述した微粒子を捕捉する際と同様、偏光ビームスプリッタ3を透過し、1/4波長板8へ入射される。1/4波長板8を通過した光は円偏光となり、光ファイバプローブ4のコア12を透過して突出部11から試料盤14へ射出される。
上記射出された光は試料盤14で反射して光ファイバプローブ4へ戻る。この光は再び1/4波長板8を通過し、光源2から射出された光の偏光方向と異なる直線偏光となり、再び偏光ビームスプリッタ3に入射する。
この入射光は、1/4波長板8を透過する過程で偏光方向が異なっているため、偏光ビームスプリッタ3で反射され、光検出器5へ導かれる。
なお、先に説明した素粒子を捕捉する場合の光学系においては、偏光ビームスプリッタ3の代替として通常のビームスプリッタを用いても良い。
光検出器5は、試料盤14からの戻り光を受光して光電変換することにより、輝度信号を生成できる。先に示したプローブ制御部6により、光ファイバプローブ4を試料盤14に対して水平方向に走査させながら、輝度信号を生成することで、上記走査範囲の輝度信号画像が得られる。
この光検出器5により生成された輝度信号を基に作成した画像は、図示してない表示装置上に表示される。ユーザは、図示してない表示装置上に表示される画像に基づき、試料盤14上の光学像を観察することができる。この際に光学像から微粒子の位置も確認できる。
また、この光学像観察時には、光波長変換部17における、光源2から射出される光の波長の切り換えにより、先に述べた光スポットのスポット径を変化させることができる。
図3は伝搬光の波長を変化させた際の集光位置における光スポット径の推移を示した図であり、この図3には伝搬光の波長を変化させた際の集光位置における光スポット径の推移例が示されている。実際には必要な観察分解能に合わせて、図3を基に光源2から射出される光波長を選択する。
図3においては、スポット幅はサブミクロンオーダであるため、従来の光学顕微鏡による観察と比較し高分解能な観察ができる。上述の構成、及び操作方法により、微粒子の操作、試料面の光学像観察が可能になる。
図4は本発明による光ファイバプローブを含んでいる光トラップ装置の第2の実施形態を示す概略図である。図4を参照して、第2の実施形態の光トラップ装置における概要及び操作過程を説明する。
この図示す光トラップ装置である光検出装置30は、光ファイバプローブ4が遮光性被覆層19で被覆されている点が、図1に示した光検出装置1と異なるものとされる。
このようなに構成される光検出装置30においても光ファイバプローブ4を備えることにより、試料盤14の近接場光学像観察を可能としている。
また、光波長変換部17により、遮光性被覆層19に合わせた光波長の射出光を光源2から射出することにより、エネルギロスの少ない微粒子の捕捉ができる。微粒子の捕捉方法については、光源2からの射出光の光波長を下記条件に基づいて制御することを除けば、第1の実施の形態において説明した内容と同一である。
微粒子捕捉時の光源2からの射出光波長に関して、遮光性被覆層19の複素屈折率の分散特性を考慮し、光透過率を最大値、あるいはその近傍の値とする波長を選択することで、光ファイバプローブ4から射出される光の光強度を向上させることができる。制御は先に示した光波長変換部17により行う。
図5は光透過率分布を示した図である。
一般に光透過率分布は、図5に示すように凸形状をなしている。ここで、光透過率を最大値の近傍の値とする波長とは、光透過率が最大値T0の1/2の値(T1)を採る際の波長をλ11、λ12とした場合の、波長λ11以上λ12以下の波長帯(図5における斜線部)に収まる波長のことをいう。例えば、金(Au)の場合には、480〜700nm程度の波長帯に収まる波長の光を選択することが望ましい。
次に、試料盤14の近接場光学像観察の構成及び動作を説明する。
光源2から射出された直線偏光成分を有する光は、偏光ビームスプリッタ3を透過し、1/4波長板8により偏光成分を制御された上で、光ファイバプローブ4へ入射される。光ファイバプローブ4に入射された光は、そのままコア12内を伝搬され、光ファイバプローブ4の遮光性被覆層19に入射される。このとき、遮光性被覆層19の射出端側にエバネッセント波としての近接場光が滲出する。近接場光が滲出している状態で、プローブ制御部6により、光ファイバプローブ4を試料盤14に対し近接する方向に移動させる。
このとき、光ファイバプローブ4の先端と試料盤14との距離が、光源2から射出される光の波長λの1/4以下となる場合において、光ファイバプローブ4から滲出した近接場光が試料盤14上に照射され、試料盤14上には近接場光による微小な光スポットが形成される。光スポットを形成した近接場光は、遮光性被覆層19を透過してコア12を経て光検出器5に導かれる。
光検出器5は、試料盤14からの戻り光を受光し光電変換することにより、輝度信号を生成できる。先に示したプローブ制御部6により、光ファイバプローブ4を試料盤14に対して水平方向に走査させながら、輝度信号を生成することで、上記走査範囲の輝度信号画像が得られる。
この光検出器5により生成された輝度信号を基に作成した画像は、図示してない表示装置上に表示される。ユーザは、図示してない表示装置上に表示される画像に基づき、試料盤14上の光学像を観察することができる。この際に光学像から微粒子の位置も確認できる。
このようにして、試料盤14の近接場光学像観察を行うと、先の第1の実施形態に示した方法と比較して、より高分解能な像観察ができるため、操作対象物寸法が微小な場合、特に数nm〜数十nmオーダの場合に適した構成であると言える。
ここで、遮光性被覆層19は、如何なる材質であってもよいが、表面プラズモンによる近接場光の増強効果が得られること、及び化学的安定性に優れていることからAu薄膜とすることが望ましい。Au薄膜の場合、光源2から射出される波長を選択することで、近接場光の増強効果が得られ、結果として近接場光発生効率、及びS/N比の向上を図ることができる。
一般に近接場光増強効果が顕著に現れる波長としては、例えば、Auにおいては500〜600nm程度である。
上述したように、本実施の形態の光検出装置1(30)によれば、試料に照射された光を検出できる構成をさらに備えることにより、微小物体の光トラップ、操作後の微小物体位置の観察を可能とする光トラップ装置を提供することができる。
また、光ファイバプローブに入射する光の波長を制御する波長制御手段を備え、光スポット径を変化させることで、適切な測定分解能での微小物体位置の観察を可能とする光トラップ装置を提供することができる。
さらに、光ファイバプローブに入射する光の波長の制御、及び試料に照射された光の検出を行うことにより、微小物体の光トラップ、操作後の微小物体位置の高分解能観察を可能とする光トラップ方法を提供することが可能である。
テーパ構造で射出光の集光スポット形成、及び近接場光発生が可能な光ファイバプローブを用いることにより、作製容易かつ簡便な構成での、微小物体の光トラップ、操作、操作後の微小物体位置の高分解能観察を可能とする光トラップ装置を提供することができる。
さらに、本実施の形態によれば、光ファイバプローブに入射する光の波長を制御する波長制御手段を備え、遮光膜透過率の高い光波長を用いることにより、遮光膜による光損失の少ない光トラップ装置を提供することができる。
さらに、光ファイバプローブの遮光膜を金(Au)とすることで、微小物体の光トラップ、操作、操作後の微小物体位置の高S/N、高分解能観察を可能とする光トラップ装置を提供することができる。
さらにまた、光ファイバプローブに入射する光の波長を、遮光膜透過率の高い光波長とすることで、遮光膜による光損失の少ない光トラップ方法を提供することができる。
本発明による光ファイバプローブを含んでいる光トラップ装置の第1の実施形態を示す概略図である。 図1に示した光ファイバプローブの突出部の形状について説明する拡大図である。 伝搬光の波長を変化させた際の、集光位置における光スポット径の推移を示す図である。 本発明による光ファイバプローブを含んでいる光トラップ装置の第2の実施形態を示す概略図である。 光透過率分布をグラフで示す図である。
符号の説明
1、30 光トラップ装置、2 光源、4 光ファイバプローブ、5 光検出器、6 プローブ制御部(移動手段)、10 光導波部(光ファイバ)、11a 突出部の表面、12 コア、13 クラッド、14 試料盤、17 波長制御手段、18 伝搬光、19 遮光性被覆層、20 法線

Claims (11)

  1. 光を射出する光源と、該光源から射出された光を伝搬させるコアを有する光ファイバと、前記コアの先端に光を射出する光プローブが形成された光ファイバプローブと、微小物体を配置するための試料盤と、該試料盤を前記光ファイバプローブに対して相対移動させる移動手段と、を備えた光トラップ装置において、前記光ファイバプローブが円錐形状を成し、且つ、前記光ファイバを伝搬する伝搬光の光軸に対する前記光ファイバプローブの一部の表面あるいは全面における法線の傾斜角が、前記伝搬光の全反射角未満で、且つ0度より大きいことを特徴とする光トラップ装置。
  2. 前記光プローブから前記試料盤に射出された光を検出する検出手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の光トラップ装置。
  3. 前記射出された光による光スポットの大きさが所望の値となるように、前記光源から射出される光の波長を制御する波長制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の光トラップ装置。
  4. 光源から光を射出し、円錐形状をなし、且つ、光ファイバを伝搬する伝搬光の光軸に対する光プローブの一部の表面あるいは全面における法線の傾斜角が、伝搬光の全反射角未満に形成されている光ファイバプローブのコアに上記射出された光を伝搬させ、前記コアを伝搬した伝搬光に基づくスポットが試料盤上に配置された微小物体の近傍に形成されるように、前記光ファイバプローブを被測定面に対して近接離間する方向へ相対移動させることにより前記微小物体を捕捉して、前記光ファイバプローブを前記試料盤に対して水平方向に相対移動させることにより、前記微小物体を前記試料盤に対して相対移動させることを特徴とする光トラップ方法。
  5. 前記光源から出射される光の波長を、前記光スポットの大きさに基づいて決定された波長に制御することを特徴とする請求項4記載の光トラップ方法。
  6. 光を射出する光源と、該光源から射出された光を伝搬させるコアを有する光ファイバと、前記コア先端に光を射出する光プローブが形成され、該光プローブが遮光性被覆層で被覆された光ファイバプローブと、微小物体を配置するための試料盤と、該試料盤を前記光ファイバプローブに対して相対移動させる移動手段と、を備えた光トラップ装置において、前記光ファイバプローブが円錐形状を成し、且つ、前記光ファイバを伝搬する伝搬光の光軸に対する前記光ファイバプローブの一部の表面あるいは全面における法線の傾斜角が、前記伝搬光の全反射角未満で、且つ0度より大きいことを特徴とする光トラップ装置。
  7. 前記光ファイバプローブから前記試料盤に射出された光を検出する検出手段を備えていることを特徴とする請求項6記載の光トラップ装置。
  8. 前記遮光性被覆層の光透過率を最大値、あるいはその近傍の値とする波長になるように、前記光源から射出される光の波長を制御する波長制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項6記載の光トラップ装置。
  9. 前記遮光性被覆層の材質が、金であることを特徴とする請求項6記載の光トラップ装置。
  10. 光源から光を射出し、円錐形状をなし、かつ、上記光ファイバを伝搬する伝搬光の光軸に対する光プローブの一部の表面あるいは全面における法線の傾斜角が、前記伝搬光の全反射角未満且つ0度より大きい角度に形成されて成る光ファイバプローブのコアに前記射出された光を伝搬させ、前記コアを伝搬した伝搬光に基づくスポットが前記試料盤上に配置された微小物体の近傍に形成されるように、前記光ファイバプローブを被測定面に対して近接離間する方向へ相対移動させることにより、前記微小物体を捕捉して、前記光ファイバプローブを前記試料盤に対して水平方向に相対移動させることにより、前記微小物体を前記試料盤に対して相対移動させることを特徴とする光トラップ方法。
  11. 波長制御手段により制御された光の波長を、遮光性被覆層の光透過率を最大値、あるいはその近傍の値とする波長とすることを特徴とする請求項10記載の光トラップ方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008006765A1 (en) * 2006-07-12 2008-01-17 Universita' Degli Studi Di Pavia Method and optical device for trapping a particle

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