JP2006127912A - ガス放電パネル及びそれを用いたガス放電パネル装置 - Google Patents

ガス放電パネル及びそれを用いたガス放電パネル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
背面基板側に誘電体層によって覆われた2電極が存在する場合に、無効電力発生の抑制と、誘電体層の反射率向上との両立が可能なガス放電パネル及びガス放電パネル装置を提供する。
【解決手段】
表示電極対が配された前面基板102と、誘電体層にデータ電極128及び補助電極141が配された背面基板103とが、対向した状態で配設されると共に、両基板間に放電ガスが充填されている放電空間が形成されているプラズマディスプレイパネル100であって、誘電体層には、第一誘電体層130と、第一誘電体層130よりも誘電率の高い第二誘電体層131が存在しており、データ電極128と補助電極141の間には、第一誘電体層130が形成されていると共に、第二誘電体層131が放電空間に近い位置で形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス放電パネル、及びガス放電パネル装置に関する。
コンピュータやテレビジョン等の表示デバイスのひとつにガス放電パネルがあげられる。その代表であり、近年、大型で薄型軽量化を実現することのできるデバイスとして注目されているのがプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という。)である。
PDPは、例えば前面基板及び背面基板が放電空間を挟んで並設され、上記基板の外縁同士が封着ガラスにより接合されてなる。放電空間側の上記前面基板上には、複数の表示電極対、誘電体層及び保護層が順次形成されており、また、放電空間側の上記背面基板上には、複数のデータ電極、誘電体層及びその壁面に蛍光体層が配された井桁状の隔壁が順次形成されている。
上記放電空間は、上記井桁状の隔壁によって仕切られており、個々の放電空間で放電が行われる。この放電に伴って生じる紫外線を蛍光体に照射して可視光に変換することによって、画像が表示される。
PDPは、上記ガス放電を交流電圧によって発生させるAC型と、上記ガス放電を直流電圧によって発生させるDC型とに大別され、その中でも特に、AC型は、コスト、発光効率及び寿命等の面でDC型より優れ、近年の主流となっている。
しかし、このようなPDPは、消費電力の省電力化に関しては、現時点では他の表示デバイスより優位にあるとは必ずしも言えず、このためPDPの開発においては消費電力を低減する様々な取り組みがなされている。その中に、書き込み放電の直前、または、画像表示に直接寄与する維持期間において行う維持放電時に、当該維持放電で使用する前面基板側に配された表示電極対と、背面板に配された書き込みを行うデータ電極、あるいは背面基板側に設けたデータ電極とは別の新たな電極(以下、「補助電極」という。)との間で、それぞれいわゆる対向放電あるいはプライミング放電と呼ばれる予備的放電を行い、発光開始電圧や駆動電圧を低減して消費電力を低減するPDPがある(例えば、特許文献1や特許文献2)。
この特許文献1に記載のPDPは、背面基板側に前記補助電極を、データ電極との間に誘電体層を介在させた状態で設け、パネル表示において、この補助電極と表示電極との間で上記対向放電を発生させる。
また、特許文献2に記載のPDPは、第1放電空間と第2放電空間とを有し、前記第1放電空間では画像表示の維持放電を、前記第2放電空間では前記プライミング放電を表示電極とデータ電極間で発生させる。
上記のように様々なPDPの構成が検討される中で、さらなる反射率の向上を図るために、PDPにおける誘電体層の材料及び構成に関する提案として、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、窒化ホウ素(BN)を充填材として添加するもの(例えば、特許文献3)などがある。
特開2000-194317号公報 特開2003-31131号公報 特開平9-231910号公報
ここで、PDPにおける消費電力の省電力化、すなわち発光効率の向上を図ろうとすれば画像表示の安定性や制御の容易性も考慮すると、特許文献1のように、データ電極と補助電極とを近接配置し、その周囲を誘電体層によって覆う構成とすると共に、特許文献2のようなプライミング放電を発生させ、さらに特許文献3のように、背面基板上の誘電体層にTiO2などの充填材を含有させて反射率を向上させ、前面方向へより多くの可視光を向かわせることが考えられる。
しかしながら、データ電極と補助電極間に形成されるコンデンサ部分には、放電に寄与しない電荷が蓄積され、このコンデンサ部分に費やされる電力(以下、「無効電力」と記載する。)が発生する。さらに、上記方法で誘電体層に充填材を含有させると前記誘電体層の誘電率を上昇させる結果となり、誘電体層の下方に形成しているデータ電極と補助電極間の静電容量の上昇、すなわち無効電力の上昇を招き、消費電力の低下に繋がらない。
本発明は、このような問題を解決しようとなされたものであって、背面基板側に誘電体層によって覆われた2電極が存在する場合に、無効電力の上昇の抑制と、誘電体層の反射率向上との両立が可能なガス放電パネル及びガス放電パネル装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明では上記課題の解消のために以下の方法を採る。
複数の表示電極対が配された前面基板と、誘電体層が形成されると共に複数のデータ電極及び補助電極が配された背面基板とが、対向した状態で配設されると共に、両基板間に放電ガスが充填された放電空間が存在するガス放電パネルであって、前記誘電体層には、第一誘電体領域と、前記第一誘電体領域よりも誘電率の高い第二誘電体領域とが存在しており、前記データ電極と前記補助電極の間には、前記第一誘電体領域が形成されていると共に、前記第二誘電体領域が前記第一誘電体層よりも前記放電空間に近い位置に形成されている。
その中で、さらに以下のような構成にすることが望ましい。
前記第一誘電体領域は、立体交差した前記データ電極と前記補助電極とを被覆した状態で配設されている。前記第一誘電体領域には前記データ電極が配設され、前記第二誘電体領域には前記補助電極が配設されている。前記データ電極と前記補助電極が並設されている。
前記放電ガスは、Xeを10%以上の分圧で含んでなる。
少なくとも前記第一誘電体層よりも前記放電空間に近づいた位置に形成されている前記第二誘電体領域の厚みは、10μm以上40μm以下である。
前記第二誘電体領域に光散乱性添加物が含有されている。前記光散乱性添加物は、酸化チタン、酸化バリウム、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムで構成される群の中から選定される。
隣接する前記表示電極対の間には、遮光性の膜体が形成されている。
前記第二誘電体領域上において、隣接する前記データ電極間の領域には隔壁が配設されており、前記補助電極はストライプ状に配設されており、当該補助電極の短手方向における両端部には、前記隔壁と直交する複数の第一隔壁と第二隔壁とが交互に配設されている。
前記放電空間は、前記隔壁、前記第一隔壁、及び前記第二隔壁によって区分けされた主放電空間と副放電空間とからなり、前記副放電空間における前面基板側には前記遮光性の膜体が位置する。
上記内容のいずれかのガス放電パネルと、当該パネルにおいて画像表示駆動を行う駆動部とを備えている。前記駆動部は、フィールド内時分割表示方式で駆動するものであって、且つ、書き込み期間と維持期間とを有する方式で駆動し、維持期間内において、データ電極及び補助電極の少なくともいずれか一方に電圧パルスを印加する構成である。
本発明のガス放電パネル及びガス放電装置によれば、放電空間に近い第二誘電領域は比較的誘電率が高いので反射率も高くなり、蛍光体から発生する可視光の前面方向への光の取り出し効率が高められる。それと共に、補助電極とデータ電極間には誘電率の小さな第一誘電体層が形成されているので、無効電力は低く抑えられる。従って、誘電体層全体が高誘電率の場合と同等の発光効率を保ちながらも無効電力の上昇を抑制したガス放電パネルとそれを用いたガス放電パネル装置を実現できる。
データ電極と表示電極間における書き込み放電の前に、補助電極と表示電極あるいはデータ電極間とで副放電空間内で放電を行い、初期プラズマ粒子を発生させることにより、書き込み放電を安定化させ、暗室コントラストを低下させることなく画面表示の誤作動を大幅に低減できる。
そして、第二誘電体層に屈折率の高い光散乱性添加物を含有させることにより、光散乱性能が上昇し、発光効率も大幅に向上することとなる。当該光散乱性添加物として、少なくともTiO2、BaO、PbO、Al2O3、MgOなどから選定された金属酸化物粒子を使用することにより、安価で生産性の高いPDPを供給することができる。
本発明によるPDPと、スキャン電極駆動部と、サステイン電極駆動部と、データ電極駆動部と、補助電極駆動部とを少なくとも具備することにより、誤作動の少ない画像と、発光効率が高く、消費電力の小さなプラズマ表示装置を供給することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(構成)
図1は本実施の形態におけるPDPの主要部斜視図であり、図2は、図1のXZ断面図である。本実施の形態におけるPDP100は、図1に示される前面パネル102と背面パネル103が対向して接着密閉されてなるが、後述の駆動回路が加わることにより、画像表示可能な形態、即ち、プラズマディスプレイ表示装置となる。
(1)前面パネル102
前面パネル102は、前面基板104と、ブラックストライプ114と、対をなす表示電極対、即ち、スキャン電極120a及びサステイン電極120bと、誘電体層122と、保護層124とからなる。
前面基板104は、高歪点ガラスあるいはソーダライムガラスからなり、その上に、複数対の透明なITOの透明電極110a、110bが、Y方向に延びるストライプ状に形成されている。さらに、透明電極110a、110b上には、Y方向に延びるAgのバス電極112a、112bが形成されており、透明電極110aとバス電極112a、又は透明電極110bとバス電極112bによってそれぞれスキャン電極120a及びサステイン電極120bが形成され、これらスキャン電極120aとサステイン電極120bによって表示電極対が構成されている。このように、抵抗値が高いITO膜上に、Agなどの金属膜であるバス電極112a、112bが形成されることで、スキャン電極120a、サステイン電極120bの抵抗が低減される。なお、透明電極110a、110bの材料には酸化スズ(SnO)あるいは酸化亜鉛(ZnO)など、バス電極120a、120bの材料にはAg、アルミニウム(Al)などからなる膜、またはクロム(Cr)/銅(Cu)/クロム(Cr)の積層膜なども適用可能である。
図1のように、複数対配設されているスキャン電極120aとサステイン電極120bによって形成される間隙には2種類のものがある。まず一方は、スキャン電極120aとサステイン電極120bとによって形成されると共に、維持放電が行われる放電間隙160である。もう一方は、隣り合う一組の表示電極対同士の間隙であり、当該間隙にはブラックストライプ114が配設されている。
そして、上記電極群を覆うようにして透明な誘電体層122が、Pb-B系の低融点ガラスペーストをマスクスクリーン印刷して焼成して形成されている。さらに、この誘電体層122を覆うように、MgOを主成分とする保護膜124が電子ビーム蒸着法によって、形成されている。
(2)背面パネル103
背面パネル103には、背面基板126と、データ電極128及び補助電極と、第一誘電体層130及び第二誘電体層131と、井桁状の隔壁135とが形成され、さらに隔壁135によって囲繞される空間のうち、後述する主放電空間に臨む隔壁135の側壁及び誘電体層表面に蛍光体層150が形成されている。
背面基板126は、高歪点ガラスあるいはソーダライムガラスからなり、その上に、データを書き込む複数のデータ電極128がX方向に延び、Y方向に並設されている。これらのデータ電極128を覆うようにして、第一誘電体層130が、スクリーン印刷法によって背面基板126上に形成されている。
第一誘電体層130上には、補助電極141がAgペーストをスクリーン印刷してY方向に延びて、X方向に並設、つまり、データ電極128と略直交する状態で配設されている。この補助電極141を覆うようにして第一誘電体層130上に、第二誘電体層131が形成されている。これら第一誘電体層130、第二誘電体層131、及びデータ電極128、補助電極141の詳細な配設状態に関しては後述する。
第一誘電体層130は、主にPb-B系の低融点ガラスからなり、データ電極128を放電空間147(図2参照)と補助電極141から絶縁すると共に、第二誘電体層131を通じて放電空間147内に必要な電荷を保持する。第二誘電体層131は光散乱性能を有する添加物を含有するPb-B系の低融点ガラスからなり、第二誘電体層131の誘電率ε2の値は、第一誘電体層130の誘電率ε1の値よりも大きく、蛍光体層150から背面パネル103側に放射された可視光を前面パネル102側に反射させ、発光効率を高めると共に補助電極141を放電空間147から絶縁している。
第二誘電体層131上には、図1に示すように井桁状の隔壁135が形成されている。この隔壁135は、X方向に延びてY方向に並設されている複数の隔壁136と、Y方向に延びてX方向に並設されている複数の隔壁138、140よりなる。隔壁136は、第二誘電体層131上において、データ電極128間に立設されている。この隔壁138間には、同方向に延びる隔壁140が、図2に示すように、補助電極141を挟む位置となるように、隔壁138と略一定間隔で第二誘電体層131上に立設されている。
上述のとおり、第二誘電体層131には光散乱性能を有する添加物が含有されているが、これらの添加物を隔壁に含有させることでも同様の効果を得ることができ、両者とも用いるとさらに効果が高くなる。なお、光散乱性能を有する添加物とは、入射光の一部を入射光の方向及びその正反射方向以外の方向に反射あるいは透過させる能力を有する物質により構成された添加物、すなわち入射光の全部を正反射あるいは透過させない物質により構成された添加物である。例えば、高温での耐久性を考慮して、TiO2、BaO、PbO、Al2O3、MgO等の金属酸化物が好ましい。
(3)放電空間147
前面パネル102と背面パネル103とが不図示の封着材によって封着されることで、井桁状の隔壁135によって区画分けされる放電空間147がマトリクス状に複数形成される。さらに、放電空間147は、隔壁140によって主放電空間149、副放電空間148に区分けされる。副放電空間148を形成する際の隔壁138、140との間隔は、前面パネルに設けられているブラックストライプ114によって覆われるのに適応した大きさである。当該ブラックストライプ114により、副放電空間148の可視光が前方に漏れることが防止される。図2に示すように、主放電空間149には周囲を囲む隔壁に蛍光体層150が形成され、副放電空間148は、補助電極141が敷設されている領域上に形成されている。そして、各主放電空間149の形成要素である隔壁136、138、140の内側面と第二誘電体層131の表面にはこれら5つの面を覆うように蛍光体層150が形成されていて、この蛍光体層150の色が各主放電空間149ごとにY方向に沿って赤、青、緑の順に並ぶようにそれぞれ色分けされている。なお、副放電空間148を形成するために主放電空間149を区分けする隔壁140の高さは、隔壁138の高さより若干低く設定されていることが望ましい。また、色の並びは必ずしも前記赤、青、緑である必要はなく、他の組み合わせでも同様の効果が得られる。
このようにして構成されたPDP100の放電空間内は高真空に排気された後、ネオン(Ne)と10%以上の分圧にしたキセノン(Xe)を主成分とする混合ガスが放電ガスとして充填されてPDPが作製される。なお、放電ガスの主成分やその分圧値に関しては、上記に限定するものではなく、他の構成であっても構わない。
(表示駆動部の構成)
次に、上記PDP100の各電極に接続される駆動回路について、図4、図5を用いて説明する。図4は、PDP表示装置80における駆動回路302を示すブロック図であり、図5はPDP表示装置80において、書き込み期間及び維持期間にスキャン電極120a、サステイン電極120b、データ電極128、補助電極141に電圧が印加されるタイミングを示すタイミングチャートである。
図4に示すように、表示駆動部302は、データ検出部310、サブフィールド変換部320、表示制御部338、サステインドライバ350、スキャンドライバ360、データドライバ370及び補助電極141の駆動部となるパルスジェネレータ375から構成されている。
データ検出部310は、外部から受け取った映像データから、1画面毎の画像データに基づいて、当該画面の各1画素を構成する3原色の各色成分に対応するセルの階調値を検出し、サブフィールド変換部320に順次転送する。
ここで、1画面毎の検出は、映像データに含まれる垂直同期信号を基準として実施することが可能である。
サブフィールド変換部320は、サブフィールドメモリ321を内蔵し、データ検出部310から転送されてくる画像データをPDP100に階調表示させるための各サブフィールドにおけるセルの点灯/消灯を示す2値のデータの集合であるサブフィールドデータに変換してサブフィールドメモリ321に格納する。
そして、サブフィールド変換部320は、表示制御部338からトリガ信号を受信し、このトリガ信号の受信に同期させて、サブフィールドデータを各サブフィールド単位でサステインドライバ350及びスキャンドライバ360に出力する。
表示制御部338は、スキャン電極120a、サステイン電極120b、データ電極128及び補助電極141のそれぞれに対し、図5に示す電圧パルスを印加するように制御する機能を有する。
より具体的には、表示制御部338は、上記映像データと同期して同期信号(例えば、水平同期信号(Hsync)、垂直同期信号(Vsync))を受信し、各サブフィールドにおいて、図5に示すパルス出力が設定されている時期となったとき、当該パルスが設定されている電極に対応するサステインドライバ350、スキャンドライバ360、データドライバ370またはパルスジェネレータ375にトリガ信号を出力する。
この表示制御部338によるパルスジェネレータ375及びスキャンドライバ360へのトリガ信号出力は、書き込み期間の先頭においてプライミング放電を実施するために行われるものである。
ここで、表示制御部338は、図5の破線が示すように、維持期間において、スキャン電極120bの電圧パルスに同期して、データ電極128に電圧を印加するタイミングを指示するトリガ信号を、データドライバ370に出力してもよく、また、図示していないが、破線に示された電圧をデータ電極128に印加する代わりに、これと同様の電圧パルスを補助電極141に印加するタイミングを指示するトリガ信号を、パルスジェネレータ375に出力してもよい。
サステインドライバ350は、公知のドライバIC回路が用いられており、PDP100における前面板90に設けられた複数のサステイン電極120aに接続されている。
サステインドライバ350は、入力されたトリガ信号に基づいて、全放電セルにおいて、安定した初期化放電、維持放電および消去放電を行うことができるように各サブフィールドの初期化期間、維持期間において複数のサステイン電極120aに対して初期化パルス、書き込みパルス(約+70V)、0Vと+150V以上+350V以下の範囲内で設定された所定の電圧(好ましくは+180V)との間で変化する維持パルスをサステイン電極120bに印加する。
スキャンドライバ360は、公知のドライバIC回路が用いられており、PDP100における前面板90に設けられたスキャン電極120aの個々と接続されている。
スキャンドライバ360は、入力されたトリガ信号に基づいて、全放電セルにおいて、安定した初期化放電、書き込み放電および維持放電を行うことが出来るように各サブフィールドの初期化期間、書き込み期間および維持期間において複数のスキャン電極120bに対して各々初期化パルス、書き込みパルス(約+70V)、0Vと+150V以上+350V以下の範囲内で設定された所定の電圧(好ましくは+180V)との間で変化する維持パルスを印加する。
このうち、書き込みパルスにおいては、サブフィールド変換部320から受け取るサブフィールドデータに基づいて、スキャン電極120aへの電圧の印加が選択的に実施される。
データドライバ370は、公知のドライバIC回路が用いられており、PDP100における背面板103に設けられた複数のデータ電極128に接続されている。
また、データドライバ370は、入力されたトリガ信号に基づいて、各サブフィールドの書き込み期間に複数のデータ電極128に対し、0Vを初期電圧とし、+60V以上+80V以下の範囲内で設定された所定の電圧(好ましくは+70V)をピークとする書き込みパルスを印加する。
パルスジェネレータ375は、表示制御部338から受け取るトリガ信号をトリガとして、0Vを初期電圧とし、60V以上、80V以下の範囲内で設定された所定の電圧(好ましくは+70V)をピークとするパルス電圧を補助電極141に印加する。
(誘電体層における補助電極141の配設状態とその特質)
以下では、本実施の形態における補助電極141の配設位置に関して、図3を用いて説明する。図3は、第一誘電体層130、第二誘電体層131、データ電極128、補助電極141の位置を示す図1におけるYZ断面図である。
データ電極128は背面基板126上に配設され、データ電極128を覆うようにして第一誘電体層130が形成されている。さらに、補助電極141はデータ電極128と直交するように第一誘電体層130上に配設され、補助電極141を覆うようにして第二誘電体層131が形成されている。つまり、図2に示すように、データ電極128は背面基板126と第一誘電体層130との界面上に位置し、補助電極141は第一誘電体層130と第二誘電体層131との界面上に位置している。
ところで、上述のように、第二誘電体層131に光散乱性能を有する添加物を含有させることにより誘電率が増加する効果は以下の(式1)から理解される。
(式1)
η=√(εμ)
(式1)に示されているように屈折率ηは比誘電率εと透磁率μの積の平方根である。εの値が大きくなることによってηの値も大きくなる。屈折率が大きくなると散乱性能が増加することにより反射率も増加するので、εの値が大きいほど反射率が大きくなる関係がある。従って、第一誘電体層130よりも誘電率の大きな第二誘電体層131では反射率が大きく、第一誘電体層の材料のみで誘電体層を形成するよりも発光効率を上げることができる。また、誘電体層が二層構造となっており、上記の位置にデータ電極128と補助電極141が配設されている。それにより、データ電極128と補助電極141の電極間においてコンデンサ部分が形成され、電荷が蓄えられ、当該コンデンサ部分での無効電力の発生を招いてしまう。しかし、本実施形態の構成においては、当該部分に充填されている第一誘電体層130の誘電率を低く抑えているので、データ電極128と補助電極141の電極間における無効電力の上昇を抑制することとなる。結果、第一誘電体層130と第二誘電体層131からなる誘電体によって、本実施形態のPDPは、発光効率の向上が図られると共に無効電力上昇の抑制効果も有することとなる。
特に、データ電極128と補助電極141間での静電容量を最小にして無効電力を最小にするためには、2つの電極間距離をより大きくすることが望ましい。この点から、データ電極128と補助電極141の配設位置は上記のとおり、図3で示す位置が好適である。こうすることで、小さな誘電率ε1を有する第一誘電体層130において、データ電極128と補助電極141の電極間距離は最大となる。つまり、データ電極128と補助電極141において蓄えられる電荷量を大幅に削減し、無効電力の低減にも大きく貢献する。ただし、データ電極128と補助電極141の配設位置は上述位置に限定するものではなく、当該2電極間における静電容量の減少、及び前面パネル102への発光効率の向上に繋がるものであれば適宜変更可能である。
なお、第二誘電体層131は入射光を反射するために必要な厚さを有することが好ましく、同時に放電により誘電体層が破壊されない程度の厚さを有する必要がある。このような入射光を反射するのに十分な厚みとしては、第二誘電体層131の材料に依存するが、概ね10μm以上であり、上記放電により誘電体層が破壊されない程度の厚みは概ね5μm以上である。これらのことから第二誘電体層131の厚みは概ね10μm以上であることが望ましい。さらに、第二誘電体層131の厚みが厚すぎる場合、データ電極128や補助電極141から放電空間147までの距離が長くなってしまい、蓄積される壁電荷が小さくなってしまうことが危惧されると共に製造工程の簡略化、コストの低減等を考慮して40μm以下であることが望ましい。
(誘電体層部分の形成方法)
なお、上記第一誘電体層130と第二誘電体層131の形成方法は以下のとおりである。先ず、Agペーストをスクリーン印刷して形成されたデータ電極128が配設された背面基板126上に、Pb-B系の低融点ガラスペーストをダイ塗布方式の塗布法あるいはマスクスクリーン印刷法によって第一誘電体層130を形成する。その上に、Agペーストをスクリーン印刷して形成された補助電極141が配設され、同様に第二誘電体層131を塗布し、焼成することで形成される。
(本実施の形態における優位性)
上記配設状態とし、第二誘電体層131に充填材を含有させることで第一誘電体130の誘電率ε1よりも誘電率ε2が大きくなるので、書き込み放電後の電荷が従来の場合よりも十分に維持されるようになる。そのため、Xe分圧を10%以上にした場合でも、十分な電荷を維持することができるようになる。
(変形例1)
ここでは、本実施の形態の変形例について図6を用いて説明する。図6は、本変形例における第一誘電体層130、第二誘電体層131、及びデータ電極128と補助電極141aの配設状態を示す本実施の形態に係るPDPのYZ断面図である。なお、本変形例に関しては、上述した実施の形態と基本的には同じ構成とし、異なるのは補助電極141aの配設状態だけである。
本変形例においては、背面基板126上にデータ電極128と補助電極141a がX方向に伸び、Y方向に交互に並設されている。複数対のデータ電極128と補助電極141a を覆うようにして背面基板126上に第一誘電体層130が形成され、さらに第二誘電体層131が第一誘電体層130上に積層されている。
データ電極128と補助電極141aとの間、及びこれら2つの電極128、141a を覆うようにして第一誘電体層130が形成され、その上に誘電率の高い第二誘電体層131が放電空間を臨むようにして形成されているので、本変形例におけるPDPは、発光効率の上昇効果と共に無効電力の上昇抑制効果も有することとなる。それとともに、放電空間を臨む第二誘電体層131に関しては、光散乱性能が高いので、発光効率の向上に繋げることができる。
(変形例2)
ここでは、本実施の形態の変形例について図7を用いて説明する。図7は、本変形例における第一誘電体層130、第二誘電体層131、及びデータ電極128と補助電極141bの配設状態を示す本実施の形態に係るPDPのYZ断面図である。なお、本変形例に関しては、上述した実施の形態、及び変形例1と基本的には同じ構成とし、異なるのは補助電極141bの配設状態だけである。
本変形例においては、背面基板126上にデータ電極128がX方向に伸び、Y方向に並設されている。複数のデータ電極128を覆うようにして背面基板126上に第一誘電体層130が形成される。さらに、第一誘電体層130上には、補助電極141bがX方向に伸び、Y方向に併設されている。ただし、補助電極141bの配設位置は、図6に示すように、Z方向において重ならないように複数のデータ電極128間に存在するようにしている。これら補助電極141bを覆うようにして第二誘電体層131が第一誘電体層130上に積層されている。
本変形例においても、データ電極128と補助電極141bの間には、第一誘電体層130が形成されており、誘電率の高い第二誘電体層131が放電空間を臨んでいるので、上記同様に本変形例におけるPDPは、発光効率の上昇効果と共に無効電力の上昇抑制効果も有する。
(その他の事項)
(1)本実施の形態に係る誘電体層は、2層のみの構成に限定されるのではなく、幾層になっていても構わない。ただし、データ電極128と補助電極141の間には誘電率の低い層が形成され、誘電率の高い層が放電空間に臨む構成とする。
(2)本実施の形態に係る誘電体層は、誘電率の異なる2つの層によって形成することだけに限定するものではなく、例えば誘電体層の中に異なる誘電率の領域が存在するような構成としても構わない。ただし、データ電極128と補助電極141の間には誘電率の低い領域が存在する構成とする。
(3)誘電体の層厚は、本実施の形態に限定するものではなく、発光効率の向上、及び消費電力の低減に繋がるものであれば構わない。
(4)本実施の形態は、PDP以外のガス放電パネル及びガス放電パネル装置にも適用可能である。
本発明に係るガス放電パネル、及びそれを用いたガス放電パネル表示装置は、消費電力を低減すると共に、発光効率が高く、アドレス不良やクロストークなどを減少して良質な画面を得ることができるので、各種装置の表示装置として有用である。
本実施の形態に係るPDPの分解斜視図である。 本実施の形態に係るPDPのXZ断面図である。 第一誘電体層、第二誘電体層、データ電極、補助電極の位置を示す図1におけるYZ断面図である。 PDP表示装置における表示方法を示すブロック図である。 書き込み期間及び維持期間でのスキャン電極、サステイン電極、データ電極、補助電極の電圧印加のタイミングチャートである。 変形例1における第一誘電体層、第二誘電体層、及びデータ電極と補助電極の配設状態を示す本実施の形態に係るPDPのYZ断面図である。 変形例2における第一誘電体層、第二誘電体層、及びデータ電極と補助電極の配設状態を示す本実施の形態に係るPDPのYZ断面図である。
符号の説明
100 本実施の形態に係るPDP
102 前面パネル
103 背面パネル
110a 、110b 透明電極
120a スキャン電極
120b サステイン電極
128 データ電極
130 第一誘電体層
131 第二誘電体層
141 補助電極
147 放電空間
148 副放電空間
149 主放電空間

Claims (13)

  1. 複数の表示電極対が配された前面基板と、誘電体層が形成されると共に複数のデータ電極及び補助電極が配された背面基板とが、対向した状態で配設されると共に、両基板間に放電ガスが充填された放電空間が存在するガス放電パネルであって、
    前記誘電体層には、第一誘電体領域と、前記第一誘電体領域よりも誘電率の高い第二誘電体領域とが存在しており、
    前記データ電極と前記補助電極の間には、前記第一誘電体領域が形成されていると共に、前記第二誘電体領域が前記第一誘電体層よりも前記放電空間に近い位置に形成されている
    ことを特徴とするガス放電パネル。
  2. 前記第一誘電体領域は、立体交差した前記データ電極と前記補助電極とを被覆した状態で配設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス放電パネル。
  3. 前記第一誘電体領域には前記データ電極が配設され、
    前記第二誘電体領域には前記補助電極が配設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス放電パネル。
  4. 前記データ電極と前記補助電極が並設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス放電パネル。
  5. 前記放電ガスは、Xeを10%以上の分圧で含んでなる
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のガス放電パネル。
  6. 少なくとも前記第一誘電体層よりも前記放電空間に近づいた位置に形成されている前記第二誘電体領域の厚みは、10μm以上40μm以下である
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のガス放電パネル。
  7. 前記第二誘電体領域に光散乱性添加物が含有されている
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のガス放電パネル。
  8. 前記光散乱性添加物は、酸化チタン、酸化バリウム、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムで構成される群の中から選定される
    ことを特徴とする請求項7に記載のガス放電パネル。
  9. 隣接する前記表示電極対の間には、遮光性の膜体が形成されている
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のガス放電パネル。
  10. 前記第二誘電体領域上において、隣接する前記データ電極間の領域には隔壁が配設されており、
    前記補助電極はストライプ状に配設されており、当該補助電極の短手方向における両端部には、前記隔壁と直交する複数の第一隔壁と第二隔壁とが交互に配設されている
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のガス放電パネル。
  11. 前記放電空間は、前記隔壁、前記第一隔壁、及び前記第二隔壁によって区分けされた主放電空間と副放電空間とからなり、
    前記副放電空間における前面基板側には前記遮光性の膜体が位置する
    ことを特徴とする請求項10に記載のガス放電パネル。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載されているガス放電パネルと、当該パネルにおいて画像表示駆動を行う駆動部とを備えている
    ことを特徴とするガス放電パネル装置。
  13. 前記駆動部は、フィールド内時分割表示方式で駆動するものであって、且つ、書き込み期間と維持期間とを有する方式で駆動し、維持期間内において、データ電極及び補助電極の少なくともいずれか一方に電圧パルスを印加する構成である
    ことを特徴とする請求項12に記載のガス放電パネル装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009170418A (ja) * 2008-01-16 2009-07-30 Samsung Sdi Co Ltd 下板誘電体層及びプラズマディスプレイパネル

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