JP2006127167A - 印刷物の判別方法および判別装置 - Google Patents

印刷物の判別方法および判別装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 種類の異なる磁気センサを用いて、磁気インキの異なる磁気特性を判別する印刷物の判別方法及び判別装置を提供する。
【解決手段】固有な磁気特性のパラメータを検出する少なくとも二つの異なる磁気センサを備えた磁気測定部により、前記印刷物の少なくとも一つの情報パターンの磁気特性のパラメータを測定し、前記磁気測定部における各磁気特性のパラメータの測定を制御部で制御し、前記測定した少なくとも二つの異なる磁気特性のパラメータを記憶部に記憶し、前記測定した少なくとも二つの異なる磁気センサによる検出値の相関関係を示す各磁気特性のパラメータ間との差の値、比の値、和の値及び積の値の少なくとも一つの相関値を演算部で演算し、前記演算した相関値が、あらかじめ記憶した基準値の各パラメータ間との差の値、比の値、和の値及び積の値の少なくとも一つの相関値の許容範囲にあるか否かにより、その真偽を判別する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、印刷物の判定方法及び判別装置に係り、特に貴重印刷物やカード等の真正の判別に好適なものに関する。
近年、銀行券、有価証券などの貴重印刷物の偽造を判別するため、このような貴重印刷物の真偽をチェックする各種の技術が提案されている。その1つとして、印刷インキに用いた顔料が磁性を有する場合に、印刷物に施された印刷デザインに応じた磁気パターンが得られることに着目し、例えば磁気センサを用いて印刷物の印刷画像部をスキャンして磁気の有無や磁気パターン波形を検知して、基準波形に類似してないものを偽物として判別する方式がある。例えば、自販機やATMを始めとする紙幣処理装置は、この磁気センサを搭載して、得られた紙幣の磁気パターンや磁気の有無をもとに真偽判別や券種判別を行っている。
また、磁気インキに外部磁界を与えて磁束を保持させておき、その外部磁界を取り去った後で、該磁気インキの保磁力に応じてバイアス磁界を印加した磁気センサを用いて、目的とする磁性体が通過するときには、磁気センサからの出力がでないようにするという方法がある(例えば、特許文献1参照。)。この技術は、それ以前の磁気検出方法が紙幣に磁性を与え、その磁界を取り去ったあとの残留磁束密度により、真正な磁性体を用いていることを判別するものであるのに対して、紙幣に磁性を与え、その磁界を取り去った後で、適当なバイアス磁界を印加して磁気センサを用いて測定することによって、磁気インキが真正の場合は出力が出ないようにした判別方法である。
つまり、多くの従来の方法は、磁気インキを用いて印刷を行なった真正なる印刷物に対して1つの磁気センサを用いて測定を行うと、規定の位置において所定の磁気検知電圧が得られることから、真正品と偽造品を識別している。
特許3028380号公報
しかしながら、銀行券や有価証券の偽造をみると磁性材料の磁気特性のパラメータの1つにもとづいて偽造印刷物を作製して悪用する犯罪が発生している。現在、自販機やATMなどの紙幣処理装置に用いられている磁気センサには、例えばリング型磁気ヘッドやMRヘッドがある。しかし、どの磁気センサにおいても磁性材料の全ての特性を検知しているわけではない。このため、本物とは異なる磁性材料を適当な配合量でインキに混合した偽造券を、MRヘッド、リング型磁気ヘッドなどの現行の磁気センサを用いて真性をチェックした際に、偽造券が真券に類似した磁気波形を示したときには誤判別しかねないという問題があった。
また、流通する紙幣の中には、紙幣どうしの摩擦やATMなどの機械処理装置による摩擦でインキが摩耗して、新しい真券に比べて磁気材料の物理量が減少した真券も流通している。
このような偽造券を、摩耗した真券と混同せずに偽物として判別するためには、従来の磁気センサを単独で用いた方式でチェックするだけでは確実性に欠ける。それは、現在用いられているリング型磁気ヘッドやMRヘッドなどの一般的な磁気センサで貴重印刷物をスキャンして得られた出力波形は、僅かな磁界を印加して初期透磁率等の微分的な波形を検知しているだけなので、これらの出力波形のみを用いて磁気材料の違いを識別することは困難である。
たとえば、磁気インキをリング型磁気ヘッドやMRヘッドで測定しても、これらのセンサが磁気特性に関する1つのパラメータである初期透磁率にもとづいているために、異なる磁性材料を用いた磁気インキに対して、近似した検知電圧が得られてしまう。
また、透磁率以外の磁気特性として保磁力あるいは残留磁束密度を高精度に評価する方法もあるが、従来の測定装置はコストが高く大型であるため、ATMなどの紙幣処理装置には搭載できないという問題があった。
一方、前述した特許第3028380号は、紙幣に磁性を与え、その磁界を取り去った後で適当なバイアス磁界を印加して磁気センサを用いて測定することによって、磁気インキが真正の場合は出力が出ないようにした判別方法で、本物の印刷物に磁界を取り去ったあとの残留磁束密度が大きい材料を用いることに特徴がある。
しかしながら、残留磁束密度測定による真偽判別においても、磁気特性のパラメータの1つを測定しているに過ぎず、搭載された磁気センサを騙すために、該センサを用いて本物を検知したときの電圧波形を予測して偽造印刷物が作製される恐れがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、異なる領域に異なる磁性材料を含んだ印刷インキでそれぞれ印刷された印刷物のそれぞれの領域を、磁気特性に関する異なるパラメータをそれぞれ測定するための少なくとも2つの磁気センサを用いて、磁気インキの初期透磁率の割合、残留磁束密度などの異なるパラメータの値を知ることにより、入手が容易な磁性材料を用いた偽造券を、市中に出回って古くなった真券と混同せずに偽物として判別する方法を提供することを目的とする。
従来の磁気センサを単独で用いた方式でチェックするだけでは、磁気特性のパラメータの1つを測定しているに過ぎず、確実性に欠けるため、本発明の印刷物の判別方法は、基材上に、励磁磁界に対して固有な磁気特性を示す磁性材料を含むインキで形成された一つの情報パターンにより個別情報を付与した印刷物の判別方法であって、
前記印刷物に対し、固有な磁気特性のパラメータを検出する少なくとも二つの異なる磁気センサを備えた磁気測定部により、前記印刷物の少なくとも一情報パターンの磁気特性のパラメータを測定し、前記磁気測定部における各磁気特性のパラメータの測定を制御部で制御し、前記測定した少なくとも二つの異なる磁気特性のパラメータを記憶部に記憶し、前記測定した少なくとも二つの異なる磁気センサによる検出値の相関関係を示す各磁気特性のパラメータ間との差の値、比の値、和の値及び積の値の少なくとも一つの相関値を演算部で演算し、前記演算した相関値が、あらかじめ記憶した基準値の各パラメータ間との差の値、比の値、和の値及び積の値の少なくとも一つの相関値の許容範囲にあるか否かにより、前記磁性材料の磁気特性の相関値が示す個別情報を判別部で判別し、表示することにより、前記印刷物の前記磁性材料を特定し、その真偽を判別することを特徴とする。
また、本発明の印刷物の判別方法において、前記磁気特性のパラメータが、初期透磁率、残留磁束密度、保磁力のうちの少なくとも二つである。
本発明の印刷物の真偽判別装置は、基材上に、励磁磁界に対して固有な磁気特性を示す磁性材料を含むインキで形成された少なくとも一つの情報パターンにより個別情報を付与した印刷物の判別装置であって、
前記印刷物に対し、固有な磁気特性のパラメータを検出する少なくとも二つの異なる磁気センサで、前記印刷物の少なくとも一つの情報パターンの磁気特性のパラメータを測定する磁気測定部と、前記磁気測定部で測定された磁気特性のパラメータの入力を制御する制御部と、前記入力された磁気特性のパラメータを記憶する記憶部と、前記入力された磁気特性のパラメータの相関関係を示す各磁気特性のパラメータとの差の値、比の値、和の値及び積の値の少なくとも一つの相関値を演算する演算部と、前記演算した相関値が、あらかじめ記憶した基準値の各パラメータとの差の値、比の値、和の値及び積の値の少なくとも一つの相関値の許容範囲にあるか否かにより、前記磁気材料の磁気特性の相関値が示す個別情報を判別する判別部と、前記判別した個別情報を表示する表示部と、を備え、
前記印刷物の前記磁性材料を特定し、その真偽を判別することを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも2つの磁気センサを用いて、磁気インキの異なる2つの磁気特性を得て、その割合を知ることによって、1種類の磁気特性と類似した材料を用いた単純な偽造印刷物を、市中に出回って古くなった真券と混同せずに偽物として判別するための印刷物の判別方法及び判別装置を提供するものである。
具体的には、磁気特性における異なるパラメータにもとづく少なくとも2つの磁気センサを用いて磁気インキの初期透磁率の割合、残留磁束密度などの異なる複数のパラメータの値を知ることによって、入手が容易な磁性材料を用いた偽造券を、市中に出回って古くなった真券と混同せずに偽物として判別することが可能となる。
本実施の形態の印刷物の判別方法は、印刷物に用いられた磁性材料自体がもつ磁気特性に関する少なくとも2種類のパラメータの測定を行い、得られたこれらの出力値と、その間に存在する差、比、和、積などの相関関係を示す少なくとも2つの値を得て磁気インキに用いられている磁性材料の違いを特定する印刷物の判別方法である。
磁性材料がもつ磁気特性に関するパラメータとしては、初期透磁率、残留磁束密度、保磁力等があげられる。さらに、磁気特性におけるパラメータではないが周波数応答性、磁気配向性などの特性も組み合わせて用いてもよい。
本発明の実施の形態について、図1を参照にして説明する。図1に、軟磁性材料3を用いたインキA、硬磁性材料4を用いたインキB、半-硬磁性材料5を用いたインキCの3つの磁気インキをサンプルとして、初期透磁率を検出するセンサA1及び残留磁束密度を検出するセンサB2の2種類の磁気センサを用いて測定した結果を示す。
センサA1を用いて測定して検知電圧の波形を得た結果、インキA、インキB及びインキCにおいて中レベル(各種の磁性材料を磁気センサで測定したときの検知電圧を、便宜上、高、中、低にレベル分けした)であり、同様に、センサB2を用いて測定した結果は、インキAが低レベル、インキBが高レベル、インキCが中レベルであった。センサA1とセンサB2の相関値(ここでは、差を演算したがこれに限らず、比、和、積等何らかの相関関係を示す値を求めてもよい)を演算した結果、インキAが(+)、インキBが(−)、インキCがほぼゼロ(僅かに+)であった。このように、磁気センサによって磁性材料を測定する場合、センサの種類によって検知レベルが異なる。
次に、図2を用いて、初期透磁率の検知電圧を測定することにより、真偽判別を行う方法について説明する。用いた磁気センサは、初期透磁率を検出するセンサA1及び残留磁束密度を検出するセンサB2の2種類の磁気センサである。
図2(a)のインキAは軟磁性材料を用いた真正品のサンプル、及び、図2(b)の市販磁性材料を用いたインキCは真正品とは異なる他の磁性材料のサンプルを示しており、図2(c)はインキCの磁性強度調整サンプル品を示している。センサB2を用いた場合には、図2(a)に示された真正品のサンプルに比べて図2(b)に示された真正品とは異なる他の磁性材料のサンプルの検知レベルが高くなる理由から、図2(b)が真正品とは異なる他の磁性材料として排除される。このことに対抗して、図 2(c)に示された磁性強度調整サンプル品は、磁性強度の調整を行い、センサB2をだまそうとしたものである。しかしながら、センサB2をだますために磁性強度を低くしてしまったために、今度は、センサA1を用いた場合に得られる出力レベルが低下する。これにより、図2(c)に示された磁性強度調整サンプル品の場合も磁性強度調整サンプル品として排除することができる。つまり、真正品に用いた磁性材料と真正品とは異なる他の磁性材料のサンプルに使用した磁性材料が異なり、又、磁性強度調整サンプルでは磁性強度を調整しており、2種類のセンサA1、センサB1を用いて測定することにより、確実に真偽を判別できる。
次に、本実施の形態で用いる複数種類の磁気センサについて説明する。磁気特性のパラメータには、例えば初期透磁率、残留磁束密度、保磁力等があげられ、さらに、磁気特性におけるパラメータではないが周波数応答性、磁気配向性などの磁気に関する特性も加えることができる。
磁気センサは、これらの中の何れかを検出することで検知電圧を出力するものと考えられる。
本実施の形態による判別方法は、磁気特性のパラメータや磁気特性におけるパラメータではないが周波数応答性、磁気配向性などを測定できる、異なる磁気センサを用いて測定することによって、1つでは判別できない材料を判別するものである。
本実施の形態においては、第1のセンサとして初期透磁率を検出する磁気センサ、第2のセンサとして残留磁束密度を検出する磁気センサを用いる場合を説明する。ここでは、例えば図3、図4、図5に示すようなセンサを用いてもよい。
図3に示されたセンサA1が一般的なリング型磁気ヘッド6を有するセンサで、センサB2が磁石7とリング型磁気ヘッド6を有するセンサである。センサA1は磁性材料と相対的に移動した際に初期透磁率を測定し、センサB2は先行する磁石7により磁性材料に着磁を行い、後追いのリング型磁気ヘッド6により残留磁束密度の大きさを測定する。
図4に示されたセンサA1が一般的なリング型磁気ヘッドを有するセンサで、センサB2が磁石と磁気薄膜素子10を有するセンサである。磁気薄膜素子10としては、磁気抵抗素子や磁気インピーダンス素子などを用いてもよいが、種類を限定するものではない。センサA1は磁性材料と相対的に移動した際に初期透磁率を測定し、センサB2は先行する磁石7により磁性材料8に着磁を行い、後追いの磁気薄膜素子10により残留磁束密度の大きさを測定する。
図5は、初期透磁率と残留磁束密度の2つの検知要素を、1個のリング型磁気ヘッドを有するセンサで測定するものである。測定は、残留磁束密度、初期透磁率の順に行う。最初に、残留磁束密度を測定する際に、先行する磁石7により磁性材料8に着磁を行い、後追いのリング型磁気ヘッド6を有するセンサに磁性材料8が到着したときに残留磁束密度の大きさを測定する。次に、初期透磁率を測定する際に、直流バイアス磁界発生回路によってリング型磁気ヘッド6を有するセンサに交番磁界を印加して、透磁率にもとづく磁束変化を測定する。
なお、第1の磁気センサ及び第2の磁気センサとして、先述した残留磁束密度が検出できる磁気センサや初期透磁率が検出できるセンサ以外でも、例えば、磁気特性における他のパラメータである保磁力や、磁気特性におけるパラメータではないが周波数応答性、磁気配向性などの磁気に関する特性が得られる組み合わせのものであれば用いることができることは自明である。
以下本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施例1) 図6、7、8は本発明における印刷物の真偽判別装置の一実施例を示したものである。
図6の構成図及び図7のフローチャートを用いて装置の説明をする。装置は、磁気測定部15、制御部16、記憶部17、位置検知部18、演算部19、表示部20及び搬送部27から構成されている。
搬送部27は、真偽判別を行うために印刷物9を搬送するものである。
磁気測定部15は、異なる2つの磁気センサとして、1つは図3に示すセンサAで一般的なリング型磁気ヘッド6を用い、もう1つは図3に示すセンサBで磁石7とリング型磁気ヘッド6によって構成した磁気センサを用いて、磁気パラメータの値を測定する。
制御部16は、磁気測定部15により得られた2つのパラメータの測定値をアンプ21により増幅し、AD変換22によりAD変換を行って、2つの結果を記憶部17に記憶する。
位置検知部18は、印刷物の位置を検出する装置で、印刷物9に印刷された磁気インキの位置が正確に特定できるものである。
演算部19は、記憶部17に記憶されている2つのパラメータ間において減算を行なって、磁性材料の特定を行なうとともに、それが規定位置にあるかによって印刷物9の真偽判別を行なう。
表示部20は、印刷物の真偽判別の結果を表示する。
図8は、図6及び図7の真偽判別装置を用いて、印刷物を測定した結果を示している。2つのサンプルは、基材11の1箇所に軟磁性材料3のインキを用いて印刷を行なった真正な印刷物及び市販磁性材料を用いた偽造印刷物を示しており、これを図6の構成の装置によって測定した結果を次に示す。Aセンサ1による検知電圧をAD変換(アナログ・デジタル変換)した結果、真正な印刷物において出力値が204(検知電圧を0〜255の段階に変換した値)、市販磁性材料を用いた偽造印刷物において232であった。
次に、Bセンサ2による検知電圧をAD変換した結果、真正な印刷物において出力値が25、市販磁性材料を用いた偽造印刷物において226であった。判別のための演算として、Aセンサ1の出力値からBセンサ2の出力値を減算した値を求めた結果、真正な印刷物が179並びに市販磁性材料を用いた偽造印刷物が6であった。このことから、例えば、90以上を真正として2値化処理を行なった場合に真正品と偽造品を確実に判別することができた。
(実施例2) 図9、10、11は本発明における印刷物の真偽判別装置の一実施例を示したものである。
図9の構成図及び図10のフローチャートを用いて装置の説明をする。装置は、磁気測定部15、制御部16、記憶部17、位置検知部18、演算部19、表示部20及び搬送部27から構成されている。
搬送部27は、真偽判別を行うために印刷物9を搬送するものである。
磁気測定部15は、異なる2つの磁気センサとして、1つは図3に示すセンサAの一般的なリング型磁気ヘッド6を用い、もう1つは図3に示すセンサBの磁気薄膜素子10を用いて、磁気パラメータの値を測定した。なお、磁気薄膜素子10はTMFセンサ(商品名)を用いた。
制御部16は、磁気測定部15により得られた2つのパラメータの測定値を、アンプ21により増幅し、センサAの測定値は整流器23によりに整流処理を行い、特徴点演算器24により特徴点を算出した。また、センサBの測定値は整流処理を行わず、特徴点演算器24により特徴点を算出した。なお、特徴点演算器24は、2つのセンサにより印刷物上をスキャンしたときに、印刷物が一定移動するごとに最大値を順次演算し、これを特徴点のデータとした。
記憶部17は、特徴点の結果を記憶する。
位置検知部18は、印刷物の位置を検出する装置で、印刷物9に印刷された磁気インキの走査位置が正確に特定できるものである。
演算部19は、記憶部17に記憶されている2つのパラメータ間において除算を行なって、スキャン全域に渡って磁気材料の特定を行なうとともに、規定位置に規定の磁気材料があるかによって印刷物9の真偽判別を行なう。
表示部は、印刷物の真偽判別の結果を表示する。
図11は、図9及び図10の真偽判別装置を用いて、印刷物を測定した結果を示している。2つのサンプルのうち1つは、基材11の2箇所に軟磁性材料3と半-硬磁性材料5を用いて印刷を行なった真正な印刷物であり、もう1つは、市販磁性材料12だけを用いた偽造印刷物である。これらを、図9に示す真偽判別装置によって測定した結果を次に示す。Aセンサ1による検知電圧の生波形を整流し整流波形を得て、それから、一定区間の最大値を演算して(センサの移動距離4mmを1区間として最大値を順次、演算した)、特徴値を得た。次に、Bセンサ2による検知電圧の生波形から一定区間の最大値を演算して、特徴値を得た。判別のための演算として、Aセンサ1の特徴値からBセンサ2の特徴値を除算した結果、特に、軟磁性材料3の部分で真正な印刷物と市販磁性材料を用いた偽造印刷物の間において結果が大きく異なった。このことから、真正品と偽造品を確実に判別することができた。
(実施例3) 図12、13、14は本発明におけるカードの真偽判別装置の一実施例を示したものである。
図12の構成図及び図13のフローチャートを用いて装置の説明をする。装置は、磁気測定部15、制御部16、記憶部17、位置検知部18、演算部19、表示部20及び搬送部27から構成されている。
搬送部27は、真偽判別を行うためにカード13を搬送するものである。
磁気測定部15は異なる2つの磁気センサとして、1つは図3に示すセンサAの一般的なリング型磁気ヘッド6を用い、もう1つは図3に示すセンサBの磁石7とリング型磁気ヘッド6によって構成した磁気センサを用いて、磁気パラメータの値を測定するものである。
制御部16は、磁気測定部15により得られた2つのパラメータの測定値を増幅し、AD変換を行って、2つの結果を記憶部17に記憶する。
位置検知部18は印刷物の位置を検出する装置で、カード13に印刷された磁気インキの走査位置が正確に特定できるものである。
演算部19は、記憶部17に記憶されているスキャン結果をもとに、測定エリア内の各部分の磁気材料を特定して、その結果をもとに「1」及び「0」の2値化データを認識することができる。たとえば、カードの測定エリア内を測定したときに、得られた結果が、「軟磁性材料」、「硬磁性材料」、「軟磁性材料」の順であったときは、2進数において「101」が得られ、この値を、カードの固有情報として用いることができる。
表示部20は、カードの真偽判別の結果を表示する
図14は、図12及び図13の真偽判別装置を用いて、カード13を測定した結果を示している。2つのカードのうち1つは、真正カードのサンプルであり、基材13の測定エリアに、軟磁性材料3及び半-硬磁性材料5の2種類のインキを用いて、チェックサムやハッシュ関数のデータをバーコードとして印刷しておき、見た目には等間隔なバーであるが、軟磁性材料3の部分が「1」、及び、半-硬磁性材料5の部分が「0」として、容易に書き換えが行なえないようにした。真正のカードに、チェックサムやハッシュ関数のデータを印刷しておく目的は、カード発行時に磁気ストライプ14に書き込まれた個別情報とチェックサムやハッシュ関数のデータを関連付けしておき、例えば、磁気ストライプ14のカード番号が書き換えられた場合に、チェックサムやハッシュ関数との関連付けが異なることによって、カード13を無効とするためである。
一方、もう1つのカードは、偽造カードのサンプルであり、市販磁性材料だけを用いて印刷したものである。
図12の真偽判別装置により真正カード及び偽造カードを測定した結果を説明する。図14をみると、Aセンサ1による検知電圧は、真正カード及び偽造カードの両方において高レベルを示し、Bセンサ2による検知電圧は、真正カードでは軟磁性材料3の部分が低レベル、且つ、半-硬磁性材料5の部分が高レベルになり、一方、偽造カードでは1種類の磁性材料を用いているため、全ての部分において高レベルになった。
磁気材料を判別するための演算として、Aセンサ1の値からBセンサ2の値を減算した。この減算値をAD変換することにより、8ビット(0〜255の間)のディジタル値に変換し、さらに、得られたディジタル値と予め設定した磁気材料を判別するための閾値として、「90」を比較演算し、演算結果が90に満たない部分は軟磁性材料、並びに、90以上の部分は半-硬磁性材料であると特定できる。この方法を用いて、真正カードの測定エリアを測定した結果、印刷されたバーの配列に相対して「01010101」の2値化データが認識でき、カードの固有情報が得られた。さらに、これを16進数に変換すると、真正カードは「55」のチェックサムやハッシュ値のデータとして用いることができる。
一方、偽造カードは「00」の16進数のデータが検知されたことにより、このカードが偽造であることを判別することが可能であった。
また、真正カードの磁気ストライプに記載されているカード番号などのデータを磁気ヘッドにより書き込んで偽造した場合は、チェックサムやハッシュ値のデータが「55」ではなくなるため、このカードが無効であることが判別することが可能である。
本実施の形態による2種類の磁気センサを用いた磁性材料の測定方法における検出原理の説明図である。 本実施の形態による初期透磁率の検知電圧を測定することにより真偽判別を行う方法を用いることで、磁性強度調整サンプル品を判別することが可能であることを示す説明図である。 本実施の形態による初期透磁率と残留磁束密度の測定方法で用いる磁気センサの例を示す図である。 本実施の形態による初期透磁率と磁気薄膜素子の測定方法で用いる磁気センサの例を示す図である。 本実施の形態による初期透磁率と残留磁束密度の測定方法で用いる磁気センサの例を示す図である。 実施例1の印刷物の真偽判別装置の構成図を示す。 実施例1のフローチャートを示す図である。 実施例1による2つのセンサによる検知電圧の測定方法を用いて真偽判別を行った例を示す図である。 実施例2の印刷物の真偽判別装置の構成図を示す。 実施例2のフローチャートを示す図である。 実施例2による2つのセンサによる波形形状の測定方法を用いて真偽判別を行った例を示す図である。 実施例3のカードの真偽判別装置の構成図を示す。 実施例2のフローチャートを示す図である。 実施例3による2つのセンサによるカードの検知電圧の測定方法を用いて真偽判別を行った例を示す図である。
符号の説明
1 Aセンサ
2 Bセンサ
3 軟磁性材料
4 硬磁性材料
5 半-硬磁材料
6 リング型磁気ヘッド
7 磁石
8 磁性材料
9 印刷物
10 磁気薄膜素子
11 基材
12 市販磁性材料
13 カード
14 磁気ストライプ
15 磁気測定部
16 制御部
17 記憶部
18 位置検知部
19 演算部
20 表示部
21 アンプ
22 AD変換
23 整流器
24 特徴値演算器
25 減算器
26 2値化処理器
27 搬送部

Claims (3)

  1. 基材上に、励磁磁界に対して固有な磁気特性を示す磁性材料を含むインキで形成された一つの情報パターンにより個別情報を付与した印刷物の判別方法であって、
    前記印刷物に対し、固有な磁気特性のパラメータを検出する少なくとも二つの異なる磁気センサを備えた磁気測定部により、前記印刷物の少なくとも一つの情報パターンの磁気特性のパラメータを測定し、前記磁気測定部における各磁気特性のパラメータの測定を制御部で制御し、前記測定した少なくとも二つの異なる磁気特性のパラメータを記憶部に記憶し、前記測定した少なくとも二つの異なる磁気センサによる検出値の相関関係を示す各磁気特性のパラメータ間との差の値、比の値、和の値及び積の値の少なくとも一つの相関値を演算部で演算し、前記演算した相関値が、あらかじめ記憶した基準値の各パラメータ間との差の値、比の値、和の値及び積の値の少なくとも一つの相関値の許容範囲にあるか否かにより、前記磁性材料の磁気特性の相関値が示す個別情報を判別部で判別し、表示することにより、前記印刷物の前記磁性材料を特定し、その真偽を判別することを特徴とする印刷物の判別方法。
  2. 前記磁気特性のパラメータが、初期透磁率、残留磁束密度、保磁力のうちの少なくとも二つである請求項1記載の印刷物の判別方法。
  3. 基材上に、励磁磁界に対して固有な磁気特性を示す磁性材料を含むインキで形成された少なくとも一つの情報パターンにより個別情報を付与した印刷物の判別装置であって、
    前記印刷物に対し、固有な磁気特性のパラメータを検出する少なくとも二つの異なる磁気センサで、前記印刷物の少なくとも一つの情報パターンの磁気特性のパラメータを測定する磁気測定部と、前記磁気測定部で測定された磁気特性のパラメータの入力を制御する制御部と、前記入力された磁気特性のパラメータを記憶する記憶部と、前記入力された磁気特性のパラメータの相関関係を示す各磁気特性のパラメータとの差の値、比の値、和の値及び積の値の少なくとも一つの相関値を演算する演算部と、前記演算した相関値が、あらかじめ記憶した基準値の各パラメータとの差の値、比の値、和の値及び積の値の少なくとも一つの相関値の許容範囲にあるか否かにより、前記磁気材料の磁気特性の相関値が示す個別情報を判別する判別部と、前記判別した個別情報を表示する表示部と、を備え、
    前記印刷物の前記磁性材料を特定し、その真偽を判別することを特徴とする印刷物の判別装置。
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