JP2006126110A - 光磁気共鳴磁力計 - Google Patents
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Abstract
【課題】 常温では金属状態である吸収セルのセシウムが融け始めるまでの数秒〜数10秒間は通常の数倍の電力を印加し、その後この吸収セルの点灯状態に応じて徐々に電力を減少させて印加することによって吸収セルを確実に、無理をかけずに初期点灯させて信頼性を向上させる必要があった。
【解決手段】 吸収セルを加熱する高周波加熱コイルと磁力計の電源をオンした後数秒〜秒10秒間は通常の数倍の電力を発生して、その後、吸収セルの点灯状態に応じて徐々に電力が低下して一定値になる特性の高周波電力制御回路とを追加することによって、金属状態のセシウムを最初に大電力で融かして放電を開始させた後徐々に度合いを弱めて加熱することによって完全に気体状態のセシウムにし、温度的にも定常状態にして安定な放電状態になるようにし、信頼性を向上させるとともに、故障時に容易に交換できるようにして生産性や整備性が向上するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】 吸収セルを加熱する高周波加熱コイルと磁力計の電源をオンした後数秒〜秒10秒間は通常の数倍の電力を発生して、その後、吸収セルの点灯状態に応じて徐々に電力が低下して一定値になる特性の高周波電力制御回路とを追加することによって、金属状態のセシウムを最初に大電力で融かして放電を開始させた後徐々に度合いを弱めて加熱することによって完全に気体状態のセシウムにし、温度的にも定常状態にして安定な放電状態になるようにし、信頼性を向上させるとともに、故障時に容易に交換できるようにして生産性や整備性が向上するようにした。
【選択図】 図1
Description
この発明は信頼性や生産性を向上させた光磁気共鳴磁力計に関するものである。
電流を供給する電流源とこの電流源の電流によって光る補助光源とを従来の光磁気共鳴磁力計に追加することによってスペクトル放電ランプが点灯するまでの間、光をこれに照射するようにして低温、暗黒の環境下放電を開始するきっかけとなる光エネルギーをスペクトル放電ランプへ与えるようにして、低温、暗黒の環境下においてもスペクトル放電ランプを点灯させて磁力計の信頼性を向上させるとともに低価格にするようにしたものは既に開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
従来の光磁気共鳴磁力計におけるセシウムを用いた吸収セルは常温ではセシウムが金属状態で点灯しないため、ヒータによって加熱して気体状態にして初期点灯させていたが、ヒータを吸収セルの表面に密着させるために一体構造となり、ヒータか吸収セルのどちらか一方が壊れた場合でも両方とも交換しなければならないという不便があった。これを改善する方法として、吸収セルの近くに高周波加熱コイルを設け、吸収セルと分離された状態で高周波加熱する方法があるが、セシウムが金属から気体へと状態が変化していくので単純に高周波電力を印加するだけでは点灯できなかったり、電力が加わり過ぎて、吸収セルを傷めるという課題があった。
また、吸収セルは有寿命品であるため、その交換時期を見極めるのに、実機に組込まれた吸収セルを外して専用試験装置にかけ、定期的に診断しなければならないという不便があった。
また、吸収セルは有寿命品であるため、その交換時期を見極めるのに、実機に組込まれた吸収セルを外して専用試験装置にかけ、定期的に診断しなければならないという不便があった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、吸収セルを確実に、無理をかけずに初期点灯させて信頼性を向上させるとともに、故障時に容易に交換できるようにして生産性の向上や低価格化を目的としたものである。
第1の発明による光磁気共鳴磁力計は、量子遷移を起こすゼーマンサブレベルを有するセシウムを内蔵した吸収セルと、上記吸収セルに光を照射するセシウムランプと、入射光を電気信号に変換する光検知器と、上記セシウムランプの光を上記吸収セルに導くとともに上記吸収セルを透過した光を上記光検知器に導く光学系と、上記セシウムランプと吸収セルを点灯させるための高周波電源と、上記光検知器からの電気信号を増幅する増幅器と、上記吸収セルに磁気共鳴を生じせしめるために上記増幅器で増幅した電気信号を磁界に変換して印加するための上記吸収セルの近傍に設けたコイルとから構成される光磁気共鳴磁力計において、上記吸収セルの近傍に設けて上記吸収セル内のセシウムを高周波加熱して固体から気体状態にするための高周波加熱コイルと、上記セシウムが融け始めるまでの数秒〜数10秒間は上記高周波加熱コイルに定常電力の3〜5倍の電力を供給する高周波電力制御回路とを設けたものである。
第2の発明による光磁気共鳴磁力計は、量子遷移を起こすゼーマンサブレベルを有するセシウムを内蔵した吸収セルと、上記吸収セルに光を照射するセシウムランプと、入射光を電気信号に変換する光検知器と、上記セシウムランプの光を上記吸収セルに導くとともに上記吸収セルを透過した光を上記光検知器に導く光学系と、上記セシウムランプと吸収セルを点灯させるための高周波電源と、上記光検知器からの電気信号を増幅する増幅器と、上記吸収セルに磁気共鳴を生じせしめるために上記増幅器で増幅した電気信号を磁界に変換して印加するための上記吸収セルの近傍に設けたコイルとから構成される光磁気共鳴磁力計において、上記吸収セルの近傍に設けて上記吸収セル内のセシウムを高周波加熱して固体から気体状態にするための高周波加熱コイルと、上記光検知器の出力から変調光信号を除去する変調光信号除去フィルタと、上記セシウムが融け始めるまでの数秒〜数10秒間は上記高周波加熱コイルに定常電力の3〜5倍の電力を印加し、その後上記変調光信号除去フィルタの出力に応じて上記高周波加熱コイルへの印加電圧を変化させる光モニタ高周波電力制御回路とを設けたものである。
第3の発明による光磁気共鳴磁力計は、量子遷移を起こすゼーマンサブレベルを有するセシウムを内蔵した吸収セルと、上記吸収セルに光を照射するセシウムランプと、上記吸収セルを透過した光を電気信号に変換する光検知器と、上記セシウムランプの光を上記吸収セルに導くとともに上記吸収セルを透過した光を上記光検知器に導く光学系と、上記セシウムランプと吸収セルをそれぞれ点灯させるための第1、第2の高周波電源と、上記光検知器からの電気信号を増幅する増幅器と、上記吸収セルに磁気共鳴を生じせしめるために上記増幅器で増幅した電気信号を磁界に変換して印加するための上記吸収セルの近傍に設けたコイルとから構成される光磁気共鳴磁力計において、上記吸収セルの近傍に設けて上記吸収セル内のセシウムを高周波加熱で固体から気体状態にするための高周波加熱コイルと、上記光検知器の出力から変調光信号を除去する変調光信号除去フィルタと、上記セシウムが融け始めるまでの数秒〜数10秒間は上記高周波加熱コイルに定常電力の3〜5倍の電力を印加し、その後上記変調光信号除去フィルタの出力に応じて上記加熱コイルへの印加電圧を変化させる光モニタ高周波電力制御回路と、第2の高周波電源のDC入力電流を計測することによって上記吸収セルの高周波入力電力をモニタする吸収セル入力電流モニタ回路と、相関計算や吸収セルの良否判別をするマイクロプロセッサと、上記マイクロプロセッサで演算される相関値を記憶する不揮発メモリと、を設けて、上記マイクロプロセッサは、動作開始一定の時刻後の上記吸収セルの光強度と上記第2の高周波電源のDC入力電流を計測して両者の積を相関値として算出するとともに初回動作時に算出した相関値を上記不揮発メモリに基準相関値として記憶し、算出した相関値と上記不揮発メモリに記憶された基準相関値と比較して、比較結果に基づいて上記吸収セルが劣化したと判断して報知するようにしたものである。
第1の発明によれば、高周波加熱コイル、高周波電力制御回路によって、最初の数秒〜10数秒間は通常の数倍の電力を空間的に離れた位置から吸収セルに印加して金属状態のセシウムを先ず融かし、その後徐々に、印加電力を減少させて放電を安定させながら吸収セルを加熱しているので吸収セルを確実に無理をかけずに初期点灯させることができ、信頼性が向上するとともに、ヒータの場合のように吸収セルと一体構造にしなくて済むので、故障時に容易に交換することができる。
第2の発明によれば、高周波加熱コイル、変調光信号除去フィルタ、光モニタ高周波電力制御回路によって、最初の数秒〜10数秒間は通常の数倍の電力を空間的に離れた位置から吸収セルに印加して金属状態のセシウムを先ず融かし、その後徐々に、吸収セルの発光強度の増加に伴って印加電力を減少させて放電を安定させながら吸収セルを加熱しているので吸収セルをさらに確実に無理をかけずに初期点灯させることができて信頼性が向上するとともに、ヒータの場合のように吸収セルと一体構造にしなくて済むので、故障時に容易に交換することができる。
第3の発明によれば、高周波加熱コイル、変調光信号除去フィルタ、光モニタ高周波電力制御回路によって、最初の数秒〜10数秒間は通常の数倍の電力を空間的に離れた位置から吸収セルに印加して金属状態のセシウムを先ず融かし、その後徐々に、吸収セルの発光強度の増加に伴って印加電力を減少させて放電を安定させながら吸収セルを加熱するので確実に無理をかけずに吸収セルを初期点灯させることができて信頼性が向上するとともに、変調光信号除去フィルタ、吸収セル入力電力モニタ回路、タイマ、マイクロプロセッサ、不揮発性メモリで、吸収セルの高周波入力電力と光強度の積を相関値として算出し、これを不揮発性メモリに記憶させた磁力計初回動作時の相関値と比較してある値以下なっていないか判別することによってを吸収セルが劣化していないか自動的に識別して報知するので、交換時期を見極めるのに、実機に組込まれた吸収セルを外して専用装置にかけて定期的に診断しなければならないという不便がなくなり、整備性を向上させることができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施例1を示す構成図であり、1はセシウムランプ、2、3はそれぞれ第1、第2のレンズ、4は吸収セル、5はRFコイル、6は円偏光板、7は光検知器、9は位相器、10はRF増幅器、11、12は第1、第2の高周波電源、13は高周波加熱コイル、14は高周波電力制御回路、H0は周囲磁界、SSは磁力計の出力である。
図1はこの発明の実施例1を示す構成図であり、1はセシウムランプ、2、3はそれぞれ第1、第2のレンズ、4は吸収セル、5はRFコイル、6は円偏光板、7は光検知器、9は位相器、10はRF増幅器、11、12は第1、第2の高周波電源、13は高周波加熱コイル、14は高周波電力制御回路、H0は周囲磁界、SSは磁力計の出力である。
自己発振型光磁気共鳴磁力計においては、周囲磁界H0に対応するゼーマンサブレベル間隔に相当する角周波数ω0で自己発振する。この角周波数ω0はアルカリ金属としてセシウム原子を用いた場合、磁界1nT当り約3Hzのスケールファクタで地球の各地域において周囲磁界H0の大きさに応じて100KHz〜200KHzで発振している。従って、この発振周波数ω0を磁力計出力SSとして計測すれば、周囲磁界H0を正確に計測することができる。
自己発振型光磁気共鳴磁力計は極めて高感度で微少な磁界変動を高精度に測定できる他、磁界の絶対量を計測できる、連続測定できる等の特徴を有しているが、吸収セル4の媒質であるセシウムは常温では金属状態であるため、加熱して気体状態にさせる必要がある。
この発明は吸収セル4を初期点灯する際に金属状態になっているセシウムを高周波用電源と高周波加熱コイル13によって気体状態にして吸収セル4の点灯を容易にし、信頼性や生産性を向上させた光磁気共鳴磁力計に関するものである。
この発明の実施例1の光磁気共鳴磁力計の動作について説明する。
第1の高周波電源11、第2の高周波電源12によって、それぞれ、セシウムランプ1と吸収セル4に高周波電力が供給されて点灯され、セシウムランプ1で発生する光を第1のレンズで平行にして、さらに、円偏光板6によって円偏向に変換した光を吸収セル4に投射すると、吸収セル4中のセシウムがゼーマンサブレベルにおいて偏分布するが、この状態のときに、周囲磁界に比例したゼーマンサブレベル間隔に対応する周波数で振動する高周波磁界をRFコイル5を介して吸収セル4に印加すると誘導遷移が発生して原子群が基底状態のゼーマンサブレベルにランダムに分布する初期状態に戻る動作が連続して起こる。
第1の高周波電源11、第2の高周波電源12によって、それぞれ、セシウムランプ1と吸収セル4に高周波電力が供給されて点灯され、セシウムランプ1で発生する光を第1のレンズで平行にして、さらに、円偏光板6によって円偏向に変換した光を吸収セル4に投射すると、吸収セル4中のセシウムがゼーマンサブレベルにおいて偏分布するが、この状態のときに、周囲磁界に比例したゼーマンサブレベル間隔に対応する周波数で振動する高周波磁界をRFコイル5を介して吸収セル4に印加すると誘導遷移が発生して原子群が基底状態のゼーマンサブレベルにランダムに分布する初期状態に戻る動作が連続して起こる。
この現象を第2のレンズ3、光検知器7によって変調光信号という形で取出してさらに電気信号に変換し、この電気信号を位相器9で正位相のものを取り出した信号をRF増幅器10によって高周波増幅し、RFコイル5に正帰還がかかるようにしている。
また、RF増幅器10からの出力SSを計測することによって、この発振周波数及び周囲磁界を計測することが可能である。
また、RF増幅器10からの出力SSを計測することによって、この発振周波数及び周囲磁界を計測することが可能である。
ここで、吸収セル4の中のセシウムは常温では金属状態でセルのガラス管内壁に張付いた状態であるため、初期点灯する際には加熱して気体状態にする必要がある。
高周波電力制御回路14は第2の高周波電源12の高周波電力を入力して磁力計の電源をオンにしてから少しの時間、例えば、数秒〜数10秒間通常の数倍の高周波電力を発生してその後徐々に電力が低下して定常電力になる加熱用の高周波電力を生成し、高周波加熱コイル13はこの加熱用の高周波電力によって最初の数秒〜数10秒間は定常電力の数倍の高周波電力を吸収セル4に印加してこの吸収セル4のガラス管内壁に張付いている金属状態のセシウムを溶解する。
次に、吸収セル4を高周波加熱コイル13での加熱を減少させ、安定に、かつ、放電が止まらないように高周波電力制御回路14は高周波加熱コイル13による高周波電力を徐々に減少させて定常電力になるように制御する。
図4は吸収セルに印加される加熱用の高周波電力と吸収セルの光強度の関係を示す図であり、図4(a)は磁力計の電源をオンした後の経過時間に対する吸収セル4に印加される加熱用の高周波電力との関係を示したものであり、図4(b)は図4(a)と横軸の時間を合わせてプロットした経過時間に対する吸収セル4の光強度との関係を示したものである。
このように、高周波加熱コイル13と高周波電力制御回路14によって磁力計の電源をオンしてから、最初の数秒〜数10秒間に通常の数倍の高周波電力を吸収セル4に印加すると、金属状態のセシウムが大電力で融け初めて放電が開始して吸収セルが発光し始め、次に金属状態と気体状態のセシウムが入り交じった不安定な放電状態に移行して光強度も増加していくが、徐々に印加する高周波電力を減少させながら加熱を続けることによって完全に気体状態のセシウムになって光強度も飽和状態に近づき、さらに一定の加熱を加えることによって、吸収セル4の温度と光強度が一定の安定な放電状態になるように制御する。
このように吸収セル中のセシウムの状態に合せて加熱用の高周波電力が印加されるので、吸収セルを確実に、無理をかけずに初期点灯させることができるので信頼性が向上するとともに、加熱する手段が吸収セルと分離されているため、従来のように吸収セルとヒータのどちらかが故障したときに一緒に交換する不便がなく、容易に交換ができるので生産性の向上や低価格にすることができる。
以上によれば、吸収セルを確実に無理をかけずに初期点灯させることができ、信頼性が向上するとともに、ヒータの場合のように吸収セルと一体構造にしなくて済むので、故障時に容易に交換することができる。
実施の形態2.
図2はこの発明の実施例2を示す構成図であり、15は変調光信号除去フイルタ、16は光モニタ高周波電力制御回路であり、1〜14は実施例1と同一のものである。
図2はこの発明の実施例2を示す構成図であり、15は変調光信号除去フイルタ、16は光モニタ高周波電力制御回路であり、1〜14は実施例1と同一のものである。
変調光信号除去フィルタ15は光検知器7の出力から変調光信号を除去する高域遮断特性を有し、光モニタ高周波電力制御回路16は第2の高周波電源の高周波電力を入力して上記高周波加熱コイル13に金属状のセシウムが融け始めるまでの数秒〜数10秒間は通常の数倍の電力を減少させて印加し、その後変調光信号除去フィルタ15の出力に応じて徐々に電力を減少させながら印加するものである。
セシウムランプ1、第1、第2のレンズ2、3、吸収セル4、RFコイル5、円偏光板6、光検知器7、位相器9、RF増幅器10、第1の高周波電源11、第2の高周波電源12によってゼーマンサブレベルの偏分布を利用して周囲磁界を計測するところまでは実施例1と同じである。
このような構成において、変調光信号除去フィルタ15は抵抗とコンデンサで形成された例えば数KHzの高域遮断特性のフィルタであり、光検知器7の出力に含まれている数100KHzの変調光信号を除去して吸収セル4の光強度をDC電圧の形でモニタする。
光モニタ高周波電力制御回路16は第2の高周波電源12の高周波電力を入力して磁力計の電源をオンにしてから金属状のセシウムが融け始めるまでの数秒〜数10秒間は通常の数倍の電力を発生させ、その後変調光信号除去フィルタ15のDC出力に応じて、例えば、電圧増加した分だけ電力を下げるように制御し、この電力を上記高周波加熱コイル13を介して吸収セル4に印加する。
こうして磁力計の電源をオンにしてから数秒〜数10秒間は通常の数倍の電力が高周波加熱コイル13と光モニタ高周波電力制御回路16によって吸収セル4に印加されると、金属状のセシウムが融け始めて発光し次第に光強度が増加して、これに伴って、変調光信号除去フィルタ15のDC出力電圧も増加してこの電圧増加した分だけ電力が減少されて吸収セル4に印加されるので、吸収セル4を確実に放電状態にして点灯させることができる上に、吸収セル4の点灯状態に合せて印加電力が減少されてされているので、無理がかからず、放電も安定して、さらに、信頼性が向上するという長所がある。
以上によれば、吸収セルをさらに確実に無理をかけずに初期点灯させることができて信頼性が向上するとともに、ヒータの場合のように吸収セルと一体構造にしなくて済むので、故障時に容易に交換することができる。
実施の形態3.
図3はこの発明の実施例3を示す構成図であり、17は吸収セル入力電力モニタ回路、18はタイマ、19はマイクロプロセッサ、20は不揮発性メモリであり、1〜14は実施例1と同一のもの、15、16は実施例2と同一のものである。
図3はこの発明の実施例3を示す構成図であり、17は吸収セル入力電力モニタ回路、18はタイマ、19はマイクロプロセッサ、20は不揮発性メモリであり、1〜14は実施例1と同一のもの、15、16は実施例2と同一のものである。
吸収セル入力電力モニタ回路17は第2の高周波電源のDC入力電流を計測することによって吸収セル4に入力される高周波電力をモニタするものであり、タイマ18は磁力計の電源がオンにされてから吸収セル4が十分に安定した時間に例えば5分後に計測開始指令情報を発するものである。
マイクロプロセッサ19は上記変調光信号除去フィルタ15と吸収セル入力電力モニタ回路17の2つの出力信号の積である相関値を計算したり吸収セル4の良否判別をするためのものであり、不揮発性メモリ20はマイクロプロセッサ19が算出した相関値を記憶しておくものである。
セシウムランプ1、第1、第2のレンズ2、3、吸収セル4、RFコイル5、円偏光板6、光検知器7、位相器9、RF増幅器10、第1の高周波電源11、第2の高周波電源12によってゼーマンサブレベルの偏分布を利用して周囲磁界を計測し、また、高周波加熱コイル13、変調光信号除去フイルタ15、光モニタ高周波電力制御回路16によって磁力計の電源オン後の金属状のセシウムが融け始めるまでの数秒〜数10秒間は通常の数倍の電力が吸収セル4に印加され、その後この吸収セルの点灯状態に応じて徐々に電力が減少させながら印加されることによって吸収セル4を確実に、無理をかけずに初期点灯させるところまでは実施例2と同じである。
ここで、タイマ18は、磁力計を動作させる都度、吸収セル4が点灯して十分安定した例えば電源オン5分後に計測指令信号を生成し、この計測指令信号によって、吸収セル入力電力モニタ回路17の出力及び変調光信号除去フィルタ15の出力を入力することによって、即ち、吸収セル4が安定した状態における第2の高周波電源12のDC入力電流を計測することによって吸収セル4に入力される高周波電力をモニタした信号と、吸収セル4の光強度をモニタした信号とをマイクロプロセッサ19が取込み、この両者の値の積を吸収セルの劣化状態を示す指標値としての相関値として算出するとともに、磁力計を動作させた最初の1回のみ、この相関値を上記不揮発性メモリ20に出力し、REF用の相関値として記憶しておく。
そして、次回に磁力計を動作させたときに変調光信号除去フィルタ15、吸収セル入力電力モニタ回路17、タイマ18、マイクロプロセッサ19によって、同様にして電源オン5分後の吸収セル4の高周波入力電力と光強度をモニタした信号を入力して吸収セルの劣化状態を示す指標値としての相関値を算出し、この値と最初の磁力計動作時に記憶不揮発性メモリ20に記憶させたREF用の相関値との比がある値以下に下がっていないかどうか判定することによって吸収セルが劣化していないかどうかを判断する。
図5は経過時間に対する吸収セルの高周波入力電力と光強度及びこれらの相関値との関係を示す図であり、図5(a)は動作累積時間に対する吸収セル4の高周波入力電力、図5(b)は動作累積時間に対する吸収セル4の光強度、図5(c)は動作累積時間に対する上記吸収セル4の高周波入力電力と光強度の相関値としての高周波入力電力と光強度の積との関係を示している。なお、図5(a)、図5(b)、図5(c)とも横軸の経過時間は同じスケールの動作累積時間で示している。
このように吸収セル4は一般的に動作累積時間、即ち、寿命とともに高周波入力電力も光強度もゆるやかに低下していって両者の相関値としての高周波入力電力と光強度の積は図5(c)のようにある時間においてA点のように急激に低下する特性を有しているので、磁力計を動作させる度に吸収セルが十分に安定した時刻に、例えば、磁力計の電源をオンにした5分後にタイマ18の測定指令信号によって、変調光信号除去フィルタ15と吸収セル入力電力モニタ回路17の出力をマイクロプロセッサ19が取込み、その両者の値の積を吸収セルの劣化状態を示す指標値としての相関値として算出し、この相関値と磁力計初回動作時に記憶させたREF用の相関値との比がある値以下に下がっていないかどうかマイクロプロセッサ19が判定することによって吸収セルが劣化していないかどうかを判断し、良否判別信号TTとして出力する。
こうして磁力計の電源をオンにしてから数秒〜数10秒間は通常の数倍の電力が高周波加熱コイル13と光モニタ高周波電力制御回路16によって吸収セル4に印加されて金属状のセシウムが融け始めて発光し次第に光強度が増加して、これに伴って、変調光信号除去フィルタ15のDC出力電圧も増加してこの電圧増加した分だけ電力が減少させられて、吸収セル4の点灯状態に合せて印加されるので、吸収セル4を確実に、無理なく初期点灯させて信頼性が向上するという長所がある。
しかも、磁力計を動作させる都度、変調光信号除去フィルタ15、吸収セル入力電力モニタ回路17、タイマ18、マイクロプロセッサ19、不揮発性メモリ20によって吸収セルが十分に安定した状態における吸収セルの劣化状態を示す指標値としての相関値を算出し、この相関値と磁力計初回動作時に不揮発メモリ20に記憶されたREF用相関値との比がある値以下に下がっていないかどうかマイクロプロセッサ19が判定することによって吸収セルが劣化していないかどうかを自動的に判断して報知するので、交換時期を見極めるのに、実機に組込まれた吸収セルを外して専用装置にかけて定期的に診断しなければならないという不便をなくすことができる。
なお、ここでは自己発振型の光磁気共鳴磁力計を一例にとって説明したが吸収光を利用する周波数追尾形の光磁気共鳴磁力計に対しても同様に適用できることはいうまでもない。
以上によれば、確実に無理をかけずに吸収セルを初期点灯させることができて信頼性が向上するとともに、変調光信号除去フィルタ、吸収セル入力電力モニタ回路、タイマ、マイクロプロセッサ、不揮発性メモリで、吸収セルの高周波入力電力と光強度の積を相関値として算出し、これを不揮発性メモリに記憶させた磁力計初回動作時の相関値と比較してある値以下なっていないか判別することによってを吸収セルが劣化していないか自動的に識別して報知するので、交換時期を見極めるのに、実機に組込まれた吸収セルを外して専用装置にかけて定期的に診断しなければならないという不便がなくなり、整備性を向上させることができる。
1 セシウムランプ、 2 第1のレンズ、 3 第2のレンズ、 4 吸収セル、 5 RFコイル、 6 円偏向板、 7 光検知器、 9 位相器、 10 RF増幅器、 11 第1の高周波電源、 12 第2の高周波電源、 13 高周波加熱コイル、 14 高周波電力制御回路、 15 変調光信号除去フイルタ、 16 光モニタ高周波電力制御回路、 17 吸収セル入力電力モニタ回路、 18 タイマ、 19 マイクロプロセッサ、 20 不揮発性メモリ。
Claims (3)
- 量子遷移を起こすゼーマンサブレベルを有するセシウムを内蔵した吸収セルと、
上記吸収セルに光を照射するセシウムランプと、
入射光を電気信号に変換する光検知器と、
上記セシウムランプの光を上記吸収セルに導くとともに上記吸収セルを透過した光を上記光検知器に導く光学系と、
上記セシウムランプと吸収セルを点灯させるための高周波電源と、
上記光検知器からの電気信号を増幅する増幅器と、
上記吸収セルに磁気共鳴を生じせしめるために上記増幅器で増幅した電気信号を磁界に変換して印加するための上記吸収セルの近傍に設けたコイルとから構成される光磁気共鳴磁力計において、
上記吸収セルの近傍に設けて上記吸収セル内のセシウムを高周波加熱して固体から気体状態にするための高周波加熱コイルと、
上記セシウムが融け始めるまでの数秒〜数10秒間は上記高周波加熱コイルに定常電力の3〜5倍の電力を供給する高周波電力制御回路と
を設けたことを特徴とする光磁気共鳴磁力計。 - 量子遷移を起こすゼーマンサブレベルを有するセシウムを内蔵した吸収セルと、
上記吸収セルに光を照射するセシウムランプと、
入射光を電気信号に変換する光検知器と、
上記セシウムランプの光を上記吸収セルに導くとともに上記吸収セルを透過した光を上記光検知器に導く光学系と、
上記セシウムランプと吸収セルを点灯させるための高周波電源と、
上記光検知器からの電気信号を増幅する増幅器と、
上記吸収セルに磁気共鳴を生じせしめるために上記増幅器で増幅した電気信号を磁界に変換して印加するための上記吸収セルの近傍に設けたコイルとから構成される光磁気共鳴磁力計において、
上記吸収セルの近傍に設けて上記吸収セル内のセシウムを高周波加熱して固体から気体状態にするための高周波加熱コイルと、
上記光検知器の出力から変調光信号を除去する変調光信号除去フィルタと、
上記セシウムが融け始めるまでの数秒〜数10秒間は上記高周波加熱コイルに定常電力の3〜5倍の電力を印加し、その後上記変調光信号除去フィルタの出力に応じて上記高周波加熱コイルへの印加電圧を変化させる光モニタ高周波電力制御回路と
を設けたことを特徴とする光磁気共鳴磁力計。 - 量子遷移を起こすゼーマンサブレベルを有するセシウムを内蔵した吸収セルと、
上記吸収セルに光を照射するセシウムランプと、
上記吸収セルを透過した光を電気信号に変換する光検知器と、
上記セシウムランプの光を上記吸収セルに導くとともに上記吸収セルを透過した光を上記光検知器に導く光学系と、
上記セシウムランプと吸収セルをそれぞれ点灯させるための第1、第2の高周波電源と、
上記光検知器からの電気信号を増幅する増幅器と、
上記吸収セルに磁気共鳴を生じせしめるために上記増幅器で増幅した電気信号を磁界に変換して印加するための上記吸収セルの近傍に設けたコイルとから構成される光磁気共鳴磁力計において、
上記吸収セルの近傍に設けて上記吸収セル内のセシウムを高周波加熱で固体から気体状態にするための高周波加熱コイルと、
上記光検知器の出力から変調光信号を除去する変調光信号除去フィルタと、
上記セシウムが融け始めるまでの数秒〜数10秒間は上記高周波加熱コイルに定常電力の3〜5倍の電力を印加し、その後上記変調光信号除去フィルタの出力に応じて上記加熱コイルへの印加電圧を変化させる光モニタ高周波電力制御回路と、
第2の高周波電源のDC入力電流を計測することによって上記吸収セルの高周波入力電力をモニタする吸収セル入力電流モニタ回路と、
相関計算や吸収セルの良否判別をするマイクロプロセッサと、
上記マイクロプロセッサで演算される相関値を記憶する不揮発メモリと、
を設けて、
上記マイクロプロセッサは、
動作開始一定の時刻後の上記吸収セルの光強度と上記第2の高周波電源のDC入力電流を計測して両者の積を相関値として算出するとともに初回動作時に算出した相関値を上記不揮発メモリに基準相関値として記憶し、算出した相関値と上記不揮発メモリに記憶された基準相関値と比較して、
比較結果に基づいて上記吸収セルが劣化したと判断して報知するようにしたことを特徴とする光磁気共鳴磁力計。
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