本発明は、吸入した作動流体を圧縮して高圧作動流体を発生する圧縮機構部を有した多段圧縮式の高圧圧縮機に関し、詳しくは、シリンダに対してモータの回転にてピストンを往復駆動する圧縮機構部の改良に関する。
シリンダに対してモータの回転にてピストンを往復駆動しこの駆動によって吸入した作動流体を圧縮して高圧作動流体を発生する圧縮機構部を有した多段圧縮式の高圧圧縮機に関して、本出願人に係る発明として、本出願の出願日以前に発明された高圧ガス圧縮機の一つである多段圧縮装置(以下、先行技術という)があり、それは、例えば、特願平11−81780号に示されている。
以下に、この先行技術を、図1乃至図4に基づいて説明する。多段圧縮装置100は、4つの圧縮部(圧縮段部)101、102、103、104を有した4段圧縮機を構成している。圧縮部101と103は水平軸106上に配置され、圧縮部102と104は水平軸105上に配置され、それぞれこれらの軸106、105上で固定体であるシリンダ内を往復動作する可動体であるピストンを有する往復動圧縮機構を構成する。これによって、吸入管118から吸入された作動流体は、第1段圧縮部101で圧縮され、次に第1段圧縮部101で圧縮した作動流体が管路5を経て第2段圧縮部102へ入って圧縮され、第2段圧縮部102で圧縮した作動流体が管路6を経て第3段圧縮部103へ入って圧縮され、第3段圧縮部103で圧縮した作動流体が管路7を経て第4段圧縮部104へ入って圧縮され、このようにして所定の圧力及び流量を有する高圧作動流体が出口管8から出力される。
このような多段圧縮装置100における前記作動流体は、窒素、天然ガス、6フッ化イオウ(SF6)、空気等、所謂、ガス(気体)であり、多段圧縮装置100は、天然ガス使用の自動車のボンベへの天然ガス充填機、合成樹脂のインジェクション成形時に高圧窒素ガスを使用するガスインジェクション成形機への高圧窒素ガス供給、空気ボンベへの高圧空気の充填機等、に適用される。
多段圧縮装置100において、第1段圧縮部101のピストン51と第3段圧縮部103のピストン53は軸106上においてヨーク1Aに連結され、ヨーク1A内で軸106を横切るように移動可能に設けたクロススライダー2Aは、クランクピン3を介してクランクシャフト4に連結している。軸105と軸106とは垂直視で90度の角度を有する。また、第2段圧縮部102のピストン52と第4段圧縮部104のピストン54は、軸105上においてヨーク1Bに連結され、ヨーク1B内で軸105を横切るように移動可能に設けたクロススライダー2Bは、クランクピン3を介してクランクシャフト4に連結している。
クランクシャフト4は圧縮部101乃至104の下方に設けた電動機(図示せず)によって回転され、クランクシャフト4に偏心して設けたクランクピン3をクランクシャフト4の周りに回転させ、ヨーク1Aに関しては、軸105の方向のクランクピン3の変位にはクロススライダー2Aが移動して対応し、軸106の方向の変位にはヨーク1Aが移動して対応することによって、ピストン51、53は軸106の方向にのみ往復運動をする。
一方、ヨーク1Bに関しては、軸106の方向クランクピン3の変位にはクロススライダー2Bが移動して対応し、軸105の方向の変位にはヨーク1Bが移動して対応することによって、ピストン52、54は軸105の方向にのみ往復運動をする。
図4は、多段圧縮装置100の第1段圧縮部101の構造を示す断面図ある。第1段圧縮部101には、ピストン51の前後に第1圧縮室58と第2圧縮室59が設けてある。ピストン51が前進すると弁a、bが閉の状態で、開いた弁e、fを経て矢印で示した方向から作動流体が第1圧縮室58へ吸入されると共に第2圧縮室59の作動流体は圧縮されて所定の圧力に達すると、開いた弁c、dを経て外部に吐出され、矢印で示したように、管路5を経て次の第2段圧縮部102へ送られる。
そして、ピストン51が後退すると、弁e、fが閉じて、第1圧縮室58内の作動流体は圧縮され所定の圧力に達すると弁a、bが開いて、作動流体は第2圧縮室59へ吐出されるようになっている。60は、コンロッド57が振動等しないように決められた位置にスムーズにガイドするためのロッドガイドである。
上記のように、多段圧縮装置100の第1段圧縮部101は、一つのシリンダ55内において、2段階で作動流体を吸入、圧縮して吐出する構造の二重圧縮機構(ダブルアクション機構)である。第2段圧縮部102、第3段圧縮部103及び第4段圧縮部104は、第1段圧縮部101のような二重圧縮機構ではなく、それぞれシリンダに対するピストンの往復運動にてシリンダ内に吸引したガスを1段圧縮する通常動作の構成、所謂、シングルアクション機構である。
上記の構成において、吸入管118から吸入される作動流体である窒素ガスの圧力は約0.05MPa(G)であり、これが第1段圧縮部101で約0.5MPa(G)にまで圧縮され、この圧縮された窒素ガスは管路5を通って第2段圧縮部102に供給される。第2段圧縮部102では窒素ガスは約2MPa(G)まで圧縮され、この圧縮された窒素ガスは管路6を通って第3段圧縮部103に供給される。第3段圧縮部103では、窒素ガスは約7乃至10MPa(G)まで圧縮され、この圧縮された窒素ガスは管路7を通って第4段圧縮部104に供給される。第4段圧縮部104では、約20乃至30MPa(G)まで圧縮された高圧ガス(高圧作動流体)が吐出管8から蓄圧器へ供給されて、蓄圧器からガスインジェクション成形機へ高圧窒素ガスが供給される。
上記の先行技術において、先ず第1の構成として、第3段圧縮部103と第4段圧縮部104のピストン53、54は、図5及び図5のP円拡大の図6に示すように、それぞれピストン53、54の周面に複数のラビリンス溝70を形成して、圧縮機構部は、ピストン53、54とシリンダ73、74の内面に設けたライナシリンダ73A、74Aとの間に2乃至6μm(ミクロンメータ)の隙間を形成し、この隙間を流れるガスがラビリンス溝70に流入して乱流を生じることによってガスシールする方式の所謂、無潤滑のラビリンスシール構造としている。そして、ピストン53、54の先端周縁部75は斜め直線の面取り、所謂、C面取りされ、またラビリンス溝70の開口端部76は先鋭なエッジ状態である。
また、第2の構成として、図7に示すように、第3段圧縮部103と第4段圧縮部104において、ピストン53、54の往復駆動における上死点では、ピストン53、54の後端78が長さL1だけライナシリンダ73A、74A内に位置し、また図8に示すように、下死点においては、ピストン53、54の先端77が長さL2だけライナシリンダ73A、74A内に位置している。即ち、長さL1、L2は、ピストン53、54がライナシリンダ73A、74Aに対して変位したときの摩擦距離である。
また、第3の構成として、図9に示すように、第2段圧縮部102において、アルミニウム製のシリンダ72はディスチャージプレート80に向けて同一内径(直径75mm)の均一な円筒内面81を形成し、この円筒内面81に沿って往復動するピストン52を有する。ピストン52はシリンダ72とのシールを行うよう、間隔を置いて複数のPTFE製のピストンリング83を有する。図10に示すように、ピストン52はその先端にピストンプレート84を固定して先端部のピストンリング83を支持している。
また、第4の構成として、図11に示すように、第3段圧縮部103と第4段圧縮部104において、ピストン53、54は、それぞれコンロッド85、86を介してヨーク1A,1Bに連結されており、前記電動機の回転にてそれぞれのシリンダ73、74内を往復運動する。ピストン53とコンロッド85の連結、及びピストン54とコンロッド86の連結は、それぞれピストン53、54から延びた雄型球面連結部87、88がコンロッド85、86に形成した雌型球面連結部89、90に嵌合して相互に回動可能である。91、92はそれぞれコンロッド85、86に設けたガイドリングである。79、79Aはそれぞれ雄型球面連結部87、88が接する位置でコンロッド85、86に填め込んだ強度補強材である。
また、第5の構成として、第3段圧縮部103と第4段圧縮部104において、図12に示すピストン53、54は、図5及び図6に示すように、その先端面は平坦面である。またそれぞれ先端周縁部75は斜め直線の面取り、所謂、C面取りされている。
特願平11−81780号公報
上記の先行技術において、図9及び図10に示す第3の構成では、シリンダ72の内面は、同一内径の均一な円筒内面であるため、圧縮工程における排除容積を大きくするには、シリンダ内径とピストン外径を大きくしなければならず、必然的に大型にならざるを得ない、という問題がある。
本発明は、上記のような問題点に鑑み、先行技術におけるような排除容積のアップを図ることができる多段圧縮式高圧圧縮機の圧縮装置を提供しようとするものである。このため、前記課題を解決するための一つの具体的な手段として、シリンダに対してモータの回転にてピストンを往復駆動しこの駆動によって吸入した作動流体を圧縮して高圧作動流体を発生する圧縮機構部を有した高圧圧縮機において、前記圧縮機構部は、前記シリンダの作用内面と前記ピストンとの間が無潤滑シール構造をなし、前記ピストンには先端小径部を形成し、前記シリンダには、前記ピストンが上死点にあるとき前記ピストンの先端小径部が挿入される小径圧縮部と、前記ピストンが下死点にあるときに前記ピストンの先端小径部の周囲に圧縮空間を形成する大径部とを連続して形成した技術手段を採用した。
また、シリンダに対してモータの回転にてピストンを往復駆動しこの駆動によって吸入した作動流体を圧縮して高圧作動流体を発生する圧縮機構部を有した高圧圧縮機において、前記圧縮機構部は、前記ピストンの周面に複数のラビリンス溝を形成して前記シリンダの作用内面との間を無潤滑のラビリンスシール構造となし、前記ピストンの先端周縁部と前記ラビリンス溝の開口端部をR面取りした技術手段を採用しても良い。
また、シリンダに対してモータの回転にてピストンを往復駆動しこの駆動によって吸入した作動流体を圧縮して高圧作動流体を発生する圧縮機構部を有した高圧圧縮機において、前記圧縮機構部は、前記ピストンの周面に複数のラビリンス溝を形成して前記シリンダの作用内面との間を無潤滑のラビリンスシール構造となし、前記ピストンと前記シリンダとの関係を、前記ピストンの往復駆動における上死点と下死点において、前記ピストンの先端周縁及び後端周縁が、実質的に前記シリンダの作用内面に入り込まない位置にある技術手段を採用しても良い。
また、シリンダに対してモータの回転にてピストンを往復駆動しこの駆動によって吸入した作動流体を圧縮して高圧作動流体を発生する圧縮機構部を有した高圧圧縮機において、前記圧縮機構部は、前記シリンダの作用内面と前記ピストンとの間が無潤滑シール構造をなし、前記ピストンとコンロッドとの連結を、前記ピストンの後端に延びた連結フランジ部が前記コンロッドに形成した連結空間内でばね押圧されて前記ピストンが前記コンロッドに対して揺動可能とした技術手段を採用しても良い。
また、シリンダに対してモータの回転にてピストンを往復駆動しこの駆動によって吸入した作動流体を圧縮して高圧作動流体を発生する圧縮機構部を有した高圧圧縮機において、前記圧縮機構部は、前記シリンダの作用内面と前記ピストンとの間が無潤滑シール構造をなし、前記ピストンの先端とこの先端に対応するシリンダヘッドの内面形状を実質同一R形状とした技術手段を採用しても良い。
本発明によれば、シリンダに対してモータの回転にてピストンを往復駆動しこの駆動によって吸入した作動流体を圧縮して高圧作動流体を発生する圧縮機構部を有した高圧圧縮機において、前記圧縮機構部は、前記シリンダの作用内面と前記ピストンとの間が無潤滑シール構造をなし、前記ピストンには先端小径部を形成し、前記シリンダには、前記ピストンが上死点にあるとき前記ピストンの先端小径部が挿入される小径圧縮部と、前記ピストンが下死点にあるときに前記ピストンの先端小径部の周囲に圧縮空間を形成する大径部とを連続して形成することにより、排除容積のアップを図ることができる多段圧縮式の高圧圧縮機の圧縮装置を提供できる。
次に、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、上記の先行技術に示した多段圧縮式の高圧圧縮機100のある特定部分を発明とするものであるため、本発明の実施形態の説明において、上記の先行技術に示した高圧圧縮機100と同等部分は、上記の先行技術に示した高圧圧縮機100で説明した符号を引用するものとする。
上記の先行技術における第1の構成に対する本発明は、図13及び図13のS円拡大の図14に示す。即ち、シリンダ73(74)に対してモータの回転にてピストン53(54)を往復駆動しこの駆動によって吸入した作動流体を圧縮して高圧作動流体を発生する圧縮機構部を有した高圧圧縮機100において、前記圧縮機構部は、ピストン53(54)の周面に複数のラビリンス溝70を形成してシリンダ73(74)の作用内面、即ち、ライナシリンダ73A、74Aとの間を無潤滑のラビリンスシール構造となし、ピトン53(54)の先端周縁部75とラビリンス溝70の開口端部76をアール面取りした高圧圧縮機100の圧縮装置を示している。アール面取りの適切な実施例としては、先端周縁部75は1R、開口端部76は0.3Rであり、ラビリンス溝70は、幅が1mm、深さが0.5mmの断面半円状である。
これによって、ピストン53、54は、その重さにてピストン53、54とライナシリンダ73A、74Aとの隙間分だけ下方へ変位してライナシリンダ73A、74Aの内面に接しても、先行技術のように、ライナシリンダ73A、74Aの内面がピストン53(54)の先端周縁部75とラビリンス溝70の開口端部76にて摩耗することは防止できる。
上記の先行技術における第1の構成に対する本発明は、第3段圧縮部103と第4段圧縮部104について示したが、本発明の技術思想の範囲内であれば、これに限定されない。
次に、上記の先行技術における第2の構成に対する本発明は、図15及び図16に示す。即ち、シリンダ73(74)に対してモータの回転にてピストン53(54)を往復駆動しこの駆動によって吸入した作動流体を圧縮して高圧作動流体を発生する圧縮機構部を有した多段圧縮式の高圧圧縮機100において、前記圧縮機構部は、ピストン53(54)の周面に複数のラビリンス溝70を形成してシリンダ73(74)の作用内面、即ち、ライナシリンダ73A、74Aとの間を無潤滑のラビリンスシール構造となし、ピストン53(54)とシリンダ73、74との関係を、ピストン53(54)の往復駆動における上死点及び下死点において、ピストン53(54)の後端周縁78及び先端周縁77が、実質的にシリンダ73(74)の作用内面に入り込まない位置にある高圧圧縮機の圧縮装置を示している。
これによって、ピストン53(54)が上死点及び下死点位置にて下方へ変位しても、先行技術のように、ピストン53、54の先端部及び後端部がライナシリンダ73A、74Aの内面を削る現象は防止できる。 図15のようにピストン53、54が上死点にあるときは、ピストン53(54)の後端周縁が実質的にシリンダ73(74)の後端とほぼ一致し、また、図16のようにピストン53、54が下死点にあるときは、ピストン53(54)の先端周縁が実質的にライナシリンダ73A、74Aの先端とほぼ一致することによって、ライナシリンダ73A、74Aの長さを有効に圧縮ストロークとラビリンスシール構造に活用できることになる。
上記の先行技術における第2の構成に対する本発明は、第3段圧縮部103と第4段圧縮部104について示したが、本発明の技術思想の範囲内であれば、これに限定されない。
次に、上記の先行技術の第3の構成に対する本発明は、図17乃至図19に示す。即ち、先行技術のピストンプレート84を設けなくてよいように、ピストン52の先端周囲面よりも内方に入った周面にピストンリング83及びガイドリング83Aを保持する溝を形成している。そして、シリンダ72に対してモータの回転にてピストン52を往復駆動しこの駆動によって吸入した作動流体を圧縮して高圧作動流体を発生する圧縮機構部を有した圧縮多段式の高圧圧縮機100において、前記圧縮機構部は、シリンダ72の作用内面とピストン52との間が無潤滑シール構造をなし、更に、ピストン52は大径部82の先端部には先端小径部93を形成し、シリンダ72には、ピストン52が上死点にあるときピストンの先端小径部93がほぼきっちりと挿入される小径圧縮部94と、ピストン52が下死点にあるときにピストンの先端小径部93の周囲に圧縮空間95を形成する大径圧縮部96とを連続して形成した高圧圧縮機の圧縮装置を示している。実施例として、小径圧縮部94の内径は、先行技術の図9のシリンダ72の内径と同一の75mm、大径圧縮部96の内径は小径圧縮部94の内径の約10%アップの80mmである。
これによって、大径圧縮部96が第1圧縮部、小径圧縮部94が第2圧縮部として作用して二段圧縮構成となる。そして、圧縮空間95の存在によって圧縮容積、即ち、排除容積がアップでき、例えば、1日の吐出ガス流量を100ノルマルリューベ(Nm3/day)から200ノルマルリューベ(Nm3/day)にアップさせる場合等のように、ガス吸入量をアップさせ、圧縮機から吐出されるガス吐出量を増加させるための対応として有効である。また、シリンダ72の外径を変えずに容積アップを図ることができるため、圧縮機が大型化することもない。ピストン52の先端周縁97とシリンダ72の小径圧縮部94入口周縁98は、R面取り加工されて、ピストン52とシリンダ72とのかじり防止をしている。
上記の先行技術における第3の構成に対する本発明は、第2段圧縮部102について示したが、本発明の技術思想の範囲内であれば、これに限定されず、第1段圧縮部101がシングルアクションの圧縮機構ならば、本発明の構成を採用できる。
次に、上記の先行技術の第4の構成に対する本発明は、図20及び図21に示す。先ず、図20において、シリンダ73、74に対してモータの回転にてピストン53、54を往復駆動しこの駆動によって吸入した作動流体を圧縮して高圧作動流体を発生する圧縮機構部を有した圧縮多段式の高圧圧縮機100において、前記圧縮機構部は、シリンダ73、74の作用内面、即ち、ライナシリンダ73A、74Aとピストン53、54との間が無潤滑シール構造をなし、ピストン53、54とコンロッド85、86との連結を、ピストン53、54の後端に延びた連結フランジ部120がコンロッド85、86に形成した連結空間121内でばね122にて押圧されてピストン53、54がコンロッド85、86に対して揺動可能とした高圧圧縮機の圧縮装置を示している。
これによって、連結フランジ部120を連結空間121内にばね押圧することにて加工寸法誤差が吸収でき、先行技術における嵌合連結部の加工精度を正確に保つための加工の面倒さと、強度補強材の必要性等が不要なり、組立も容易である。
ピストン53、54の揺動のために、コンロッド85、86に押圧される連結フランジ部120の接面120Aは球面形状をなす。
図21には本発明の他の実施形態を示している。図20の構成と異なるところは、ばね122に一端部が挿入されて連結フランジ部120を押圧する安定板123を設けた点である。これによって、ばね122による連結フランジ部120の押圧を安定させることができる。
上記の先行技術の第4の構成に対する本発明は、第3段圧縮部103と第4段圧縮部104について示したが、本発明の技術思想の範囲内であれば、これに限定されない。
次に、上記の先行技術の第5の構成に対する本発明は、図22に示す。即ち、シリンダ73、74に対してモータの回転にてピストンを往復駆動しこの駆動によって吸入した作動流体を圧縮して高圧作動流体を発生する圧縮機構部を有した圧縮多段式の高圧圧縮機において、前記圧縮機構部は、シリンダ73、74の作用内面、即ち、ライナシリンダ73A、74Aとピストン53、54との間が無潤滑シール構造をなし、ピストン53、54の先端の凸形状とこの先端に対応するシリンダヘッド部73B、74Bの内面凹形状を実質同一R形状123としたことを特徴とする高圧圧縮機の圧縮装置を示している。
これによって、先行技術において生じた、ピストン53、54の下方への変位にてライナシリンダ73A、74Aの内面を削る現象もなく、信頼性が向上する。またピストン先端とシリンダヘッド部のトップクリアランスを小さくでき、圧縮性能の向上が図れる。
上記の先行技術の第5の構成に対する本発明は、第3段圧縮部103と第4段圧縮部104について示したが、本発明の技術思想の範囲内であれば、これに限定されない。
本発明が対象とする一実施形態の多段圧縮装置の平面図である。
本発明が対象とする一実施形態の多段圧縮装置の各圧縮機構部を断面で示す平面図である。
本発明が対象とする一実施形態の多段圧縮装置のヨークとクロススライダー部の平面図である。
本発明が対象とする一実施形態の多段圧縮装置の第1段圧縮機構部の断面図である。
先行技術の第1構成に係るピストンの側面図である。
図5のP円拡大図である。
先行技術の第2構成に係るピストン上死点とライナシリンダとの関係図である。
先行技術の第2構成に係るピストン下死点とライナシリンダとの関係図である。
先行技術の第3構成に係るピストンとシリンダとの関係図である。
先行技術の第3構成に係るピストンの構成図である。
先行技術の第4構成に係るコンロッド方式のピストンの構成図である。
先行技術の第5構成に係る圧縮部の構成図である。
先行技術の第1構成に対する本発明のピストンの側面図である。
図13のS円拡大図である。
先行技術の第2構成に対する本発明のピストン上死点とライナシリンダとの関係図である。
先行技術の第2構成に対する本発明のピストン下死点とライナシリンダとの関係図である。
先行技術の第3構成に対する本発明のピストンの一実施形態の構成図である。
先行技術の第3構成に対する本発明のピストン下死点とライナシリンダとの関係図である。
先行技術の第3構成に対する本発明のピストン上死点とライナシリンダとの関係図である。
先行技術の第4構成に対する本発明のコンロッド方式のピストンの構成図である。
先行技術の第4構成に対する本発明の他の実施形態のコンロッド方式のピストンの構成図である。
先行技術の第5構成に対する本発明の圧縮部の構成図である。
符号の説明
51、52、53、54………ピストン
70…………………ラビリンス溝
71、72、73、74………シリンダ
73A、74A……ライナシリンダ
75…………………ピストンの先端周縁部
76…………………ラビリンス溝の開口端部
77…………………ピストンの先端
78…………………ピストンの後端
85、86…………コンロッド
93…………………ピストンの先端小径部
94…………………シリンダの小径圧縮部
95…………………圧縮空間
96…………………シリンダの大径部
120………………ピストンの連結フランジ部
122………………ばね