JP2006124234A - 製塩装置及び製塩方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
噴霧した塩水の水分を加熱蒸発させて自然乾燥塩及び焼塩を生成することができるように、内側が加熱面に形成されて所定温度に加熱される水分蒸発用加熱チャンバ(2)内に塩水を噴霧させる塩水霧化装置(3)と、加熱チャンバ(2)内で水分が蒸発された状態で浮遊する自然乾燥塩をそのチャンバ(2)内を流通する空気流によりチャンバ外に流出させて回収する自然乾燥塩回収機構(4)と、前記加熱面(2B)に付着して水分が蒸発した焼塩を回収する焼塩回収機構(5)を備えた。
【選択図】図1
Description
しかしながら、回転ドラムの外周面に海水を吹きかけると、海水に含まれる塩の成分はすべてドラムに付着されるのではなく、相当量が、自然乾燥塩となって空中に飛散してしまうため回数効率が低いという問題がある。
これによれば、にがり成分やミネラル分を海水と同様に多量に含み、苦味成分も多く残っている自然乾燥塩を回収することができる。
しかしながら、空気中に浮遊する塩の結晶を自然落下させたり、布やネットへ付着させて回収しなければならないため、温度管理された大きな「部屋」が必要になり、土地代が嵩むだけでなく、塩分の回収効率が低く、製造コストが嵩むという問題があった。
さらに、この自然乾燥塩は素晴らしい天然塩ではあるが、苦味が強いため苦味の少ない塩の需要に応じるためには、さらに加工して苦味を除去することが必要になる。
そして、自然乾燥塩は水分蒸発用加熱チャンバ内を流通する空気流で移送されて、出口からチャンバ外に排出されるので、自然乾燥塩回収機項としてサイクロンなどの固気分離装置を用いてすれば高効率で回収することができる。
また、焼塩は加熱面に付着されているのでこれをスクレーパ等で掻き落すことにより回収できる。
しかも、二種類の天然塩を1台の装置で同時に生成できるので、設備費が軽減され、製造コストを抑えることができるという効果がある。
さらに、海水の供給から自然乾燥塩の回収に至るまで、中間で外気に曝されたり、人手を介する必要がないので、すべての工程の自動管理・衛生管理を容易に行うことができ、自動運転が可能で生産性の高いシステムを構築することができる。
そして断熱壁2W内には、加熱面2Bを所定温度に加熱するためのヒータ2Hが埋め込まれており、例えば、比較的低温の塩水が噴霧されるチャンバ2内の雰囲気温度を50℃以上120℃以下に維持することができるように、加熱面2Bを200℃以上に加熱できるようになっている。
なお、このヒータ2Hとしては、本例ではニクロム線などの電熱線が用いられているが、これに限るものではなく、熱媒管その他任意の加熱手段を採用しうる。
自然乾燥塩生成用塩水霧化ノズル3Aは、前記インペラ6aの空気加圧部に塩水を噴霧するように配されている。
これにより、インペラ6aから加熱チャンバ2内に圧縮空気が噴出される際に、前記ノズル3Aから噴霧された塩水の液滴がさらに微細化されるようになされている。
すなわち、インペラ型加圧増速送風機6は、その圧縮空気で、塩水を微細化する空気流を形成すると共に、自然乾燥塩を回収する空気流を形成するという二つの機能を併せ持っている。
出口2outには、自然乾燥塩回収機構4として空気流から自然乾燥塩を分離回収するサイクロン4Sが接続され、自然乾燥塩をその下端開口部4Aに接続された回収ボックス4Bに落とし込んで回収するようになされている。
液体分離ユニット7は、温度の異なる2種類の冷却液化装置7A及び7Bを備えており、設定温度の高い冷却液化装置7Aで主としてにがり分を含んだ水を液化してにがり水回収槽7Cに回収すると共に、これを通過した空気を設定温度の低い冷却液化装置7Bに通すことにより主としてミネラル分を含んだ水を液化してミネラル水回収槽7Dに回収するようになされている。
そこで、前記水分蒸発用加熱チャンバ2には、焼塩回収機構5として、スパイラル状の回転スクレーパ8で加熱面2Bに付着した焼塩を掻き落としながら、該チャンバ2の一端側に形成された焼塩回収口9へ導いて自然乾燥塩とは別にストッカ10に回収するスクリュコンベアが形成されている。
この場合に、前述のように、加熱面2Bを200℃以上に加熱しておき、運転中に空気流及び塩水の噴霧により冷却されても表面温度が120℃以上に維持されるように塩水の噴霧量をコントロールする。
したがって、加熱面2Bに付着される焼塩には、苦味成分となるにがりの塩化マグネシウムが塩基性塩化マグネシウムや酸化マグネシウムに変化し、苦味の除去された塩が生成される。
なお、塩水供給配管13A,13Bは、水分蒸発用加熱チャンバ2の断熱壁2W内に挿通されており、噴霧する直前に塩水を加熱して、各ノズル3A及び3Bから加熱塩水を噴霧することにより、加熱チャンバ2における蒸発効率が向上させている。
例えば海洋深層水や表層水から塩を生成する場合、海の深層部及び表層部又は海水井戸から汲み上げた海水を適当な方法で濾過した後、塩水貯留タンク12に貯留しておく。
ここで、ヒータ2Hにより加熱チャンバ2の加熱面2Bを200℃以上に加熱してチャンバ2内雰囲気温度を50℃以上120℃以下に維持し、インペラ型加圧増速送風機6により入口2inから出口2outに向かう渦状の空気流を形成し、回転スクレーパ6を起動させて、塩水貯留タンク12から塩水供給配管13A,13Bを介して各塩水噴霧ノズル3A及び3Bに塩水を供給する。
このとき、雰囲気温度は50℃以上120℃以下であるから、海水のにがり分やミネラル分のほとんどを含んだ自然乾燥塩が生成されると共に、その一部が水分と共に気化されて、サイクロン4Sに送られる。
このとき、塩水噴霧ノズル3Bは、回転スクレーパ8と同期して一体的に回転しながらスパイラル状の回転スクレーパ8による加熱面2Bの掻落位置と位相をずらして加熱面2Bに塩水を吹き付けており、回転スクレーパ8がその位置に到来したときに焼塩が掻き落される。
すなわち、塩水が吹き付けられてから回転スクレーパ8がその位置に到来するまでに焼塩が生成されるように、その回転速度及び吹付量が設定されている。
なお、加熱面2Bが200℃以上に加熱され、空気流及び塩水により冷却されることがあっても、その表面温度が120℃以上に維持されるように塩水の噴霧量が調整されているので、加熱面2Bに付着される焼塩は、苦味成分となるにがりの塩化マグネシウムが塩基性マグネシウムに変化され、苦味の除去された塩が生成される。
また、加熱面2Bに付着して蒸発された水分は、前述同様、空気流に乗って出口2outからサイクロン4Sを介して液化分離装置7に送られ、液化温度の違いにより、主としてにがり成分を含んだ水と、主としてミネラル分を含んだ水を液化して分離回収することができる。
また、苦味を調整した塩を製造する場合は、このように生成された自然乾燥塩と焼塩を任意の割合でブレンドすればよく、一台の製塩装置1で苦味を段階的に変化させた何種類もの天然塩を製造できることとなる。
なお、上述の説明では、液体分離ユニット7に設定温度の異なる2種類の冷却液化装置7A及び7Bを配して二種類の水を分離回収する場合について説明したが、にがり分及びミネラル分の双方を含んだ一種類の水を回収する場合は、設定温度が低めの一台の冷却液化装置7Bのみを設けておけばよい。
2 水分蒸発用加熱チャンバ
2A 加熱面
3 塩水霧化装置
4 自然乾燥塩回収機構
5 焼塩回収機構
6 インペラ型加圧増速送風機
6a インペラ
7 液体分離ユニット
8 回転スクレーパ
Claims (16)
- 噴霧した塩水の水分を加熱蒸発させて塩を生成する製塩装置において、内側が加熱面に形成されて所定温度に加熱される水分蒸発用加熱チャンバ内に塩水を噴霧させる塩水霧化装置と、加熱チャンバ内で水分が蒸発された状態で浮遊する自然乾燥塩をそのチャンバ内を流通する空気流によりチャンバ外に流出させて回収する自然乾燥塩回収機構と、前記加熱面に付着して水分が蒸発された焼塩を回収する焼塩回収機構を備えたことを特徴とする製塩装置。
- 噴霧した塩水の水分を加熱蒸発させて塩を生成する製塩装置において、所定温度に加熱される水分蒸発用加熱チャンバ内に塩水を噴霧させる塩水霧化装置と、加熱チャンバ内で水分が蒸発された状態で浮遊する自然乾燥塩をそのチャンバ内を流通する空気流によりチャンバ外に流出させて回収する自然乾燥塩回収機構を備えたことを特徴とする製塩装置。
- 噴霧した塩水の水分を加熱蒸発させて塩を生成する製塩装置において、内側が加熱面に形成されて所定温度に加熱される水分蒸発用加熱チャンバ内に塩水を噴霧させる塩水霧化装置と、前記加熱面に付着して水分が蒸発された焼塩を回収する焼塩回収機構を備えたことを特徴とする製塩装置。
- 前記塩水霧化装置として、自然乾燥塩生成用の塩水を空気流の入口側から噴霧する自然乾燥塩生成用塩水霧化ノズルを備えた請求項1又は2記載の製塩装置。
- 空気を加圧送風するインペラ型加圧増速送風機で前記チャンバ内に空気流を形成すると共に、前記自然乾燥塩生成用塩水霧化ノズルがインペラ型加圧増速送風機の空気加圧部に塩水を噴霧するように配された請求項4記載の製塩装置。
- 前記自然乾燥塩回収機構として、空気流から自然乾燥塩を分離するサイクロン回収装置が用いられて成る請求項1又は2記載の製塩装置。
- 前記塩水霧化装置として、焼塩生成用の塩水を前記加熱面に向って噴霧する焼塩生成用塩水霧化ノズルを備えた請求項1又は3記載の製塩装置。
- 前記加熱面が円柱内面状に形成され、該加熱面に付着した焼塩を前記自然乾燥塩とは別に回収する焼塩回収口が水分蒸発用加熱チャンバの一端側に形成され、前記焼塩回収機構が、加熱面に付着した焼塩を掻き落すスパイラル状の回転スクレーパにより焼塩を掻き落としながら前記焼塩回収口へ導くスクリュコンベアに形成された請求項1又は3記載の製塩装置。
- 焼塩生成用の塩水を前記加熱面に向って噴霧する塩水霧化装置が、回転スクレーパと同期して回転しながら加熱面の回転スクレーパによる掻落位置と位相をずらした位置に塩水を吹き付けるようにその回転軸に形成されて成る請求項8記載の製塩装置。
- 前記加熱チャンバ内で蒸発気化された水分を含む空気から、液化温度の違いにより、主としてにがりを含む水と、主としてミネラル分を含む水とに分離回収する液化装置を備えた請求項1乃至3記載の製塩装置。
- 前記加熱チャンバ内で蒸発気化された水分を含む空気から、にがり及びミネラル分を含む水を回収する液化装置を備えた請求項1乃至3記載の製塩装置。
- 噴霧した塩水の水分を加熱蒸発させて塩を生成する製塩方法において、内側が加熱面に形成されて所定温度に加熱される水分蒸発用加熱チャンバ内に塩水を噴霧させ、加熱チャンバ内で水分が蒸発された状態で浮遊する自然乾燥塩をそのチャンバ内を流通する空気流によりチャンバ外に流出させて回収すると共に、前記加熱面に付着して水分が蒸発された焼塩を前記自然乾燥塩とは別に回収することを特徴とする製塩方法。
- 噴霧した塩水の水分を加熱蒸発させて塩を生成する製塩方法において、所定温度に加熱される水分蒸発用加熱チャンバ内に塩水を噴霧させ、加熱チャンバ内で水分が蒸発された状態で浮遊する自然乾燥塩をそのチャンバ内を流通する空気流によりチャンバ外に流出させて回収することを特徴とする製塩方法。
- 噴霧した塩水の水分を加熱蒸発させて塩を生成する製塩方法において、内側が加熱面に形成されて所定温度に加熱される水分蒸発用加熱チャンバ内に塩水を噴霧させ、前記加熱面に付着して水分が蒸発された焼塩を回収することを特徴とする製塩方法。
- 前記加熱チャンバ内で蒸発気化された水分を含む空気から、液化温度の違いにより、主としてにがりを含む水と、主としてミネラル分を含む水を、分離回収する請求項12乃至14記載の製塩方法。
- 前記加熱チャンバ内で蒸発気化された水分を含む空気から、にがり及びミネラル分を含む水を回収する請求項12乃至14記載の製塩方法。
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