JP2006122593A - 消臭剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】茶滓を脱水することなく利用して、消臭効果が高い消臭剤を得る。
【解決手段】水分を含んだ茶滓を破砕してペースト状にした茶滓ペーストと、ケイ酸化合物とを混合し、ペレット状に成形して消臭剤とする。ケイ酸化合物としては、シリカゲルやベントナイト等が利用できる。茶滓ペーストとケイ酸化合物とを混合することにより、悪臭物質と茶滓との接触効率を高め、消臭効果が高められた消臭剤を得ることができる。また、ケイ酸化合物としてカルシウムベントナイトを用いることにより、酸性の悪臭物質と塩基性の悪臭物質との双方を除去できる消臭剤を得ることができる。
【選択図】 なし
【解決手段】水分を含んだ茶滓を破砕してペースト状にした茶滓ペーストと、ケイ酸化合物とを混合し、ペレット状に成形して消臭剤とする。ケイ酸化合物としては、シリカゲルやベントナイト等が利用できる。茶滓ペーストとケイ酸化合物とを混合することにより、悪臭物質と茶滓との接触効率を高め、消臭効果が高められた消臭剤を得ることができる。また、ケイ酸化合物としてカルシウムベントナイトを用いることにより、酸性の悪臭物質と塩基性の悪臭物質との双方を除去できる消臭剤を得ることができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、茶滓を利用した消臭剤に関する。
従来、茶葉の含有成分には消臭作用があることが知られている。消臭作用を有する茶葉の含有成分は茶飲料の製造過程で発生する茶滓にも含まれることから、茶滓を利用して消臭剤を得る方法が提案されている(例えば特許文献1)。
特許文献1に開示された発明では、茶滓を乾燥または炭化させることにより茶滓の消臭効果を高めており、この発明によれば、消臭力が高められ、取り扱いが容易な固形の消臭剤を得ることができる。しかし、茶飲料の製造過程で排出される茶滓は、70〜90重量%程度の水分を含むため、茶滓を乾燥または炭化させるためには多くのエネルギーを必要とする。このため、茶滓を乾燥させて消臭剤とする場合、製造コストが増大し、また、茶滓の脱水処理に伴って処理が困難な脱水濾液が発生する。
そこで、本発明者は茶滓を脱水せずに、好ましくは破砕してペースト状として炭化物と混合して消臭剤とすることにより、安価に製造でき、酸性ガスおよび塩基性ガスの両方に対して消臭効果を奏する消臭剤の発明について先に特許出願をした(特願2004−178116号)。しかし、水分を含んだ茶滓は塊状となりやすいため臭気との接触面積が小さく、充分な消臭効果を発揮できない場合があることが判明した。
特開平6−269489号公報
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、多大なエネルギーを必要とせずに製造でき、消臭効果が高められた消臭剤を提供することである。
本発明は、水分を含んだ状態の茶滓を破砕してペースト状の茶滓ペーストとし、吸水性のあるケイ酸化合物と混合して消臭剤を得る。より具体的には本発明は以下を提供する。
(1) 水分を含む茶滓を破砕して得られる液体状の茶滓ペーストと、ケイ酸化合物と、を混合してなる消臭剤。
(2) 前記ケイ酸化合物は、ケイ酸塩鉱物またはシリカゲルである(1)に記載の消臭剤。
(3) 前記ケイ酸塩鉱物は、ベントナイトまたはゼオライトである(2)に記載の消臭剤。
「茶滓ペースト」とは、水分を含んだ状態の茶滓を破砕したものであって流動性を有し、ケイ酸化合物と混合したときの分散性がよい。茶滓ペーストは、固形物濃度が5〜12重量%、特に7〜10重量%、平均粒径10〜60μm、特に30〜50μmの範囲とすることが好ましい。茶滓は、茶葉を熱水等により処理して茶飲料等を抽出した状態のものに水を添加して含水率を88〜95重量%程度にしてから破砕してもよい。茶滓に添加する液体としては、pHが5.5以下の液体を用いてもよく、例えば、pH3〜4.5程度の炭酸水等の酸性の液体を用いることもできる。
茶滓ペーストとケイ酸化合物との混合割合は、ケイ酸化合物100重量部に対し、茶滓ペースト5〜30重量部とすることが好ましい。
ケイ酸化合物は、主成分としてケイ素を含む化合物であり、ケイ酸塩鉱物のような天然物を用いてもよく、シリカゲルのような人工合成物を用いてもよい。ケイ酸塩鉱物としては、ベントナイト、ゼオライト、バーミキュライト、およびセピオライト等が挙げられる。ケイ酸化合物としては、多孔性のものを用いることが好ましく、例えばベントナイトやシリカゲルを好適に使用できる。
ケイ酸化合物は、粉状、または粒状のどちらの状態で茶滓ペーストと混合してもよい。消臭剤の性状を均質にするためには、粒径60〜80μmの乾燥した粉状のケイ酸化合物を茶滓ペーストと混合して、この混合物を成形して乾燥させて消臭剤とすることが好ましい。粉状のケイ酸化合物と茶滓ペーストとを混合する場合、必要に応じて加水しながら造粒、成形してもよい。
粒状のケイ酸化合物と茶滓ペーストとを混合する場合は、ケイ酸化合物として粒径が5mm程度のシリカゲル等の多孔性ペレットを用いることが好ましい。ペレット状のケイ酸化合物と茶滓ペーストとを混合する場合は、茶滓ペーストがケイ酸化合物ペレットの表面にできるだけ均一に担持されるよう、茶滓ペーストの固形物濃度を5〜12重量%程度とすることが好ましい。また、茶滓ペーストは、ケイ酸化合物100重量部に対して10〜30重量部の割合で混合することが好ましい。
また、粉状のケイ酸化合物を用いる場合において、ケイ酸化合物と茶滓ペーストとを混合した後に加水する代わりに、ケイ酸化合物に加水して茶滓ペーストと混合してもよい。
ケイ酸化合物と茶滓ペーストとの混合物は、粒径1〜5mm程度の塊状に成形し、乾燥させて消臭剤とする。成形した塊状物の乾燥は、80℃以下で10分程度とすることが好ましい。
本発明では、茶滓を乾燥させずに破砕した茶滓ペーストを用いるため、茶滓の脱水操作が不要で、脱水濾液の発生がなく、また、消臭剤の製造に要するエネルギー消費を少なくできる。特に、粉状の乾燥したケイ酸化合物を茶滓ペーストと混合する場合は、造粒のために添加する液体の添加量を削減できる。
また、ケイ酸化合物は、水分子を容易に取り込む性質があり、茶滓ペーストとケイ酸化合物とを混合することにより、悪臭物質の消臭剤への取り込みを促進して消臭剤の消臭効果を高めることができる。特に、ケイ酸化合物として多孔性のものを用いることにより、消臭剤の比表面積を大きくして消臭効果をさらに向上させることができる。
さらに、ケイ酸化合物としてカルシウムベントナイトを用いた場合、アンモニア等の塩基性の臭気と、硫化水素等の酸性の臭気の両方を除去できる消臭剤を得ることができる。
以下、本発明について実施例に基づき詳細に説明する。
[実施例1]
実施例1として、茶滓ペーストと、カルシウムベントナイトとを混合して消臭剤を製造した。茶滓ペーストは、緑茶(煎茶)を80℃の温水に浸漬して緑茶飲料を製造することにより生じた茶滓(含水率80重量%)に加水したものを、カッターポンプ付きの容器に入れ、カッターポンプで破砕した後、さらに湿式ミルで破砕することにより得た。茶滓ペーストの固形物濃度は7重量%で、粒径は30〜50μmであった。カルシウムベントナイトは、粒径が63〜75μmの乾燥粉末で、茶滓ペーストとの混合割合は、茶滓ペースト100重量部に対し、カルシウムベントナイト15重量部とした。
実施例1として、茶滓ペーストと、カルシウムベントナイトとを混合して消臭剤を製造した。茶滓ペーストは、緑茶(煎茶)を80℃の温水に浸漬して緑茶飲料を製造することにより生じた茶滓(含水率80重量%)に加水したものを、カッターポンプ付きの容器に入れ、カッターポンプで破砕した後、さらに湿式ミルで破砕することにより得た。茶滓ペーストの固形物濃度は7重量%で、粒径は30〜50μmであった。カルシウムベントナイトは、粒径が63〜75μmの乾燥粉末で、茶滓ペーストとの混合割合は、茶滓ペースト100重量部に対し、カルシウムベントナイト15重量部とした。
茶滓ペーストとカルシウムベントナイトとの混合物(以下、単に「混合物」)は混練機で混練した後、造粒機を用いて直径2mm、長さ5mmの円筒状のペレット状に成形した。得られたペレットは、ロータリドライヤーに搬入して80℃の温風を供給しながら約10分間、乾燥させて試料とした。
[実施例2]
実施例2として、実施例1の茶滓ペーストを、粒径2〜3mmの粒状シリカゲルとパン型ミキサーで1分間、混合してシリカゲルに茶滓ペーストをコーティングさせた後、風乾して試料とした。
実施例2として、実施例1の茶滓ペーストを、粒径2〜3mmの粒状シリカゲルとパン型ミキサーで1分間、混合してシリカゲルに茶滓ペーストをコーティングさせた後、風乾して試料とした。
[比較例1]
比較例1として、実施例1の茶滓ペーストのみを実施例1と同じ条件で造粒および乾燥させて試料とした。
比較例1として、実施例1の茶滓ペーストのみを実施例1と同じ条件で造粒および乾燥させて試料とした。
[比較例2]
比較例2として、実施例1のカルシウムベントナイトのみを実施例1と同じ条件で造粒および乾燥させて試料とした。
比較例2として、実施例1のカルシウムベントナイトのみを実施例1と同じ条件で造粒および乾燥させて試料とした。
[比較例3]
比較例3として、実施例2のシリカゲルのみを試料とした。
比較例3として、実施例2のシリカゲルのみを試料とした。
上記手順で作成した実施例1、実施例2および比較例1〜3の試料各20gを容積300mlのマイヤーフラスコに入れ、10%の濃度のアンモニア水溶液0.1mlを注入した。アンモニア水溶液の注入から10分、30分、および60分後のフラスコ内のアンモニア濃度をアンモニア検知管で測定した。結果を表に示す。
表に示す通り、茶滓ペーストまたはケイ酸化合物のみを試料とした比較例1〜3に比して、茶滓ペーストとケイ酸化合物とを混合して試料とした実施例1、実施例2は迅速かつ高い消臭効果を示した。
本発明は、従来、廃棄物として処分されていた茶滓を有効に利用して消臭効果が高い消臭剤を得ることに利用できる。
Claims (3)
- 水分を含む茶滓を破砕して得られる液体状の茶滓ペーストと、ケイ酸化合物と、を混合してなる消臭剤。
- 前記ケイ酸化合物は、ケイ酸塩鉱物またはシリカゲルである請求項1に記載の消臭剤。
- 前記ケイ酸塩鉱物は、ベントナイトまたはゼオライトである請求項2に記載の消臭剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004318531A JP2006122593A (ja) | 2004-11-01 | 2004-11-01 | 消臭剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004318531A JP2006122593A (ja) | 2004-11-01 | 2004-11-01 | 消臭剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006122593A true JP2006122593A (ja) | 2006-05-18 |
Family
ID=36717863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004318531A Pending JP2006122593A (ja) | 2004-11-01 | 2004-11-01 | 消臭剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006122593A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019082339A1 (ja) * | 2017-10-26 | 2019-05-02 | クニミネ工業株式会社 | 家畜、魚類の抗タンパク質毒素剤、タンパク質毒素の影響予防方法及び家畜、魚類の飼料若しくは餌 |
-
2004
- 2004-11-01 JP JP2004318531A patent/JP2006122593A/ja active Pending
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WO2019082339A1 (ja) * | 2017-10-26 | 2019-05-02 | クニミネ工業株式会社 | 家畜、魚類の抗タンパク質毒素剤、タンパク質毒素の影響予防方法及び家畜、魚類の飼料若しくは餌 |
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