JP2006121525A - 全方位空間ダイバーシチ受信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水平面内無指向性のアンテナ素子1nを3〜5個同一円上に等間隔で配し、これら素子1nの1つを切替器20で受信器41に接続し、素子1nを切替器30で予め決めた順で繰り返し受信器42で切替え接続し、受信器41の受信レベルが受信器42の受信レベル以下になると、その時受信器42に接続されているアンテナ素子を切替器20で受信器41に接続する。受信器41の出力を目的の受信信号として利用する。
【選択図】 図1
Description
この電波源測位システムにおいて各受信局は1個の水平面内無指向性アンテナを用いていた。しかし電波が直接波として伝搬すると共に各所で反射されながら伝搬するマルチパス環境においては、受信装置に直接波と反射波とが逆位相になり受信レベルが著しく低下する場合がある。この現象はフェージングと云われている。
=1888/(S[deg]・f[MHz]) (1)
λは受信電波の波長であり、φHは電波放射源からの電波拡がり角度を表わしφH=S・31/2で与えられ、Sは拡がり角φHの標準偏差であり、fは受信電波の周波数であり、つまりf=1/λである。
また空間ダイバーシチアンテナの垂直面内での高さHS(m)が高くなる程、電波の水平方向拡がり角の標準偏差S[deg]は小さくなり、例えばf=800MHz,HS=3mでS≒5°,HS=5mでS≒3°であることが知られている。
まずアンテナ10について具体的に説明する。例えば図2Aに示すように5個(N=5)のアンテナ素子11,12,…,15が水平面内で円61上に等間隔に配される。各アンテナ素子1nは同一特性であり、水平面内で無指向性でかつ利用形態によっては広い周波数帯域のものが好ましく、例えばディスコーンアンテナなどが用いられる。
つまり円61の半径R=1としてアンテナ素子11〜15の座標を図2Bに示す値とすると、電波到来方向αをパラメータとしてアンテナ素子1iと1jの間隔dijを求めると式(2)となる。
dij=(Yj−Yi)cosα−(Xj−Xi)cosα (2)
R≧dH/1.809=1044/(S[deg]・f[MHz]) (3)
例えば水平方向の電波の拡がり角の標準偏差Sが5°、電波の周波数fが30MHzとするとこれらを式(3)に代入すると半径Rは約7mになる。また拡がり角φHが3度、f=800MHzの場合要求されるアンテナ素子間隔dHは式(1)から1.36mとなり、この長さが半径R=1とした時の長さ1.809に相当すればよいから、円61の半径Rは約0.75m(=dH/1.809)となる。
前述したようにアンテナ10を高所に設けざるを得ない場合がある。このような場合、到来電波は垂直方向に半角度拡がりが生じ、地表の反射波と直接波との干渉が生じる。この場合、アンテナ素子を垂直方向にも配置して空間ダイバーシチ効果が得られるようにする。つまり例えば図4に示すように、N個のアンテナ素子を水平面内で円形配置した素子群を垂直面内で複数配列、つまり多段配置することにより、垂直面内でのフェージングの影響を抑圧して、空間ダイバーシチ効果を高めるようにするとよい。フェージング影響を受け難くする垂直面内の素子間隔dVも式(1)に基づき求めることができる。
図4に示したように水平面内でN個のアンテナ素子1n(n=1,…,N)が円形配列された素子群がM段(M≧2)垂直面内に設けられているとする。m段(m=1,2,…,M)の素子群の各アンテナ素子を1mnと表記する。図5に各アンテナ素子と切替器20及び30との接続例を示す。この例では各アンテナ素子1mnの受信信号は前段高周波増幅器56によりそれぞれ増幅され、その各増幅器56の出力受信信号は分岐部57によりそれぞれ分岐されて切替器20の固定接点20mnと切替器30の固定接点30mnへそれぞれ入力される。固定接点20mn及び30mnの各添字「mn」はアンテナ素子1mnに対する表記と同様である。つまり添字「mn」のmは1,…,Mのいずれか、nは1,…,Nのいずれかである。従って、全てのアンテナ素子の受信信号は切替器20及び30の対応する固定接点へ供給されることになる。
切替制御器54の制御手順の例を図6を参照して説明する。受信器41に接続されるアンテナ素子と受信器42に接続されるアンテナ素子を区別するために、受信器41に接続されたm段目のn番目のアンテナ素子の添字番号を「mn」とし、受信器42に接続されるアンテナ素子の添字番号を「m′n′」とする。まずステップS1でm,n,m′をそれぞれ1に、n′をn+1つまり2に初期化し、ステップS2で切替器20に対し添字番号「mn」の固定接点20mnに可動接点21を、切替器30に対し、添字番号「m′n′」の固定接点30m′n′に可動接点31をそれぞれ接続する。
ステップS6でn′がN以下であるかを判断し、N以下であればステップS7でn′を+1してステップS2に戻り、N以下でなければステップS8でn′を1とする。
受信器41及び42からベースバンド信号に変換された出力信号は図1に示すようにこの例ではA/D変換器61及び62によりそれぞれディジタル信号に変換され、これらディジタル信号からレベル検出部51及び52でそれぞれ受信レベルが検出される。このレベル検出は例えば入力された信号をFFT(フーリエ高速変換)してパワースペクトラムを求め、これらのうち変調信号成分についての各パワーをそれぞれ受信レベルとする。あるいは図1中の破線で示すように、受信器41及び42の高周波段又は中間周波段のいずれの箇所にレベル検出部51及び52を接続して受信レベルを検出してもよい。図5に示したように前段高周波増幅器56が用いられる場合は、図1中の受信器41及び42の入力側にレベル検出部51及び52を接続してもよい。アンテナ10に受信される雑音成分の影響をなるべく少なくする場合は、ベースバンド信号成分のパワーを受信レベルとする方がよい。
広い周波数帯中における各種の電波のいずれも受信する場合には、その広い周波数帯を適宜いくつか周波数帯に分割し、各分割された周波数帯に適するアンテナ素子群を用意し、これらを多段に設け切替え使用すればよい。
5個のアンテナ素子を半径R=7mの円上に配したアンテナ10をこの発明を適用した全方位空間ダイバーシチ受信装置に用いて、東京タワー(北緯35°39′19.41″、東経139°44′55.09″)から送信されているNHKFM放送(82.5MHz)を2個所A及びB(北緯35°37′25.07″、東経139°45′02.71″と北緯35°39′46.86″、東経139°47′43.85″)で受信し、両受信装置の電波の到達時間の差を、両受信装置間のアンテナ素子の組み合わせの全て(25通り)について測定した。アンテナ10は高さ15m及び20.5mの建物の屋上に高さ2.7mに設置した。なお送信局と両受信局間の各距離は3.52km及び4.33kmである。アンテナ素子により平均受信レベルの変動が場所Aでは約11dB、場所Bでは約5dBあり、マルチパスの影響が顕著に現れることが確認された。場所Aと場所Bの平均受信レベルが小さいアンテナ素子の組み合わせによる電波到達時間差は誤差が大きく、最大値は4.5μs(場所AB間の理論到達時間差270μs)、場所Aと場所Bでの平均受信レベルが大きいアンテナ素子の組み合わせによる電波到達時間差は小さく、最小値は0.5μsであった。これよりこの発明装置が優れていることを確認できた。
Claims (3)
- 3個以上のアンテナ素子が少なくとも水平面内で2次元に配置されたアンテナと、
第1及び第2受信器と、
第1及び第2受信器の各受信レベルを検出する第1及び第2レベル検出部と、
第1及び第2レベル検出部の各検出した受信レベルのいずれが大きいか否かを判定する比較部と、
上記各アンテナ素子と上記第1受信器とを切替え接続することができる第1切替器と、
上記各アンテナ素子と上記第2受信器とを切替え接続することができる第2切替器と、
上記第2切替器を順次切替え接続することを繰り返し、上記比較部が第2受信器の受信レベルが第2受信器の受信レベル以上と判定した出力によりその時第2受信器に接続されているアンテナ素子を第1受信器に接続する切替制御器と、
を具備する全方位空間ダイバーシチ受信装置。 - 上記アンテナは、いずれか2個のアンテナ素子の組の相互相関がいずれの方位からの到来電波に対しても所定値以下になるようにアンテナ素子が配置されていることを特徴とする請求項1記載の全方位空間ダイバーシチ受信装置。
- 上記アンテナは水平面内で2次元に配された3個以上のアンテナ素子が垂直面内で多段に配されていることを特徴とする請求項1又は2記載の全方位空間ダイバーシチ受信装置。
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH09247063A (ja) * | 1996-03-06 | 1997-09-19 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | ディジタル高速無線通信装置 |
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JP2002261666A (ja) * | 2001-03-01 | 2002-09-13 | Toa Corp | 受信機 |
JP2004289220A (ja) * | 2003-03-19 | 2004-10-14 | Sanyo Electric Co Ltd | 基地局装置 |
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2004
- 2004-10-22 JP JP2004308677A patent/JP2006121525A/ja active Pending
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