JP2006119865A - 医療機関の患者シェア分析システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 医療機関の今後のマネジメント策定に寄与できる、医療機関の患者シェア分析システムの提供。
【解決手段】 医療機関の患者シェア分析システム1は、設定項目入力部2、データベース3、予測データ作成部4、出力処理部5、入力データ作成部6、集計データ処理部7、出力処理部8、分析値の算出処理部9、で構成される。設定項目入力部2、データベース3、予測データ作成部4、出力処理部5は、傷病分類別需要予測(X)を行う。また、入力データ作成部6、集計データ処理部7、出力処理部8は、来院患者特性分析(Y)を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 医療機関の患者シェア分析システム1は、設定項目入力部2、データベース3、予測データ作成部4、出力処理部5、入力データ作成部6、集計データ処理部7、出力処理部8、分析値の算出処理部9、で構成される。設定項目入力部2、データベース3、予測データ作成部4、出力処理部5は、傷病分類別需要予測(X)を行う。また、入力データ作成部6、集計データ処理部7、出力処理部8は、来院患者特性分析(Y)を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、各医療機関の対象とする地域の実情に即したマネジメントの構築に寄与する、医療機関の患者シェア分析システムに関する。
病院や診療所のような医療機関を設立する際に、具体的な建築の計画を行う前に、その医療機関の設立予定地にどのような疾患の患者が、どの程度の人数で当該医療機関を利用する可能性があるかという、来院可能な患者の属性を把握しておく必要がある。そこで、当該医療機関の利用者数を予測するための病院利用者数予測システムを、本出願人は特許文献1に開示している。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、来院患者数が予測値になっている。このため、予測値が実際の来院患者数と乖離していた場合、間違った結果が得られることになってしまうという問題がある。そこで、各医療機関において、対象とする地域の実情に即した今後のマネジメントを構築するために、他の手法の採用が必要となる。
既設の医療機関の経営状態を考慮して、今後のマネジメントの重点項目などを計画する際には、当該医療機関の現状分析と、将来の資源配分の検討が必要になる。すなわち、今後の医療機関経営の戦略などのマーケテイングを策定するためには、対象とする地域において、当該医療機関の診療科別や疾患別のシェア分析を行うことが重要である。
そこで、企業などの事業ポートフォリオの投資配分において、ボストン・コンサルティング・クループ(BCG)が提唱している製品ポートフォリオ管理図の医療機関経営への適用が考えられる。この管理図は、前記BCGが開発したPPM(Product Portfolio Management)に基づき作成される。特許文献2には、このような製品ポートフォリオ管理図を用いた事業ポートフォリオ作成方法の一例が開示されている。製品ポートフォリオ管理図は、図12に示されているように、平面座標の縦軸に市場の年率成長率、横軸には相対市場シェアを設定して第1象限〜第4象限に区分する。該当の製品を、それぞれ第1象限〜第4象限に配置して、年率成長率と相対市場シェアの関係を表す。
図12において、市場成長率が高くシェアが低い項目は第1象限、市場成長率が高くシェアも高い項目は第2象限、市場成長率が低くシェアが高い項目は第3象限、市場成長率もシェアも低い項目は第4象限に配置する。このように、図12の管理図では、事業に関連した項目の市場成長率とシェアの関係を視覚で判断することができる。BCGでは、第1象限を「問題児」、第2象限を「花形製品」、第3象限を「金のなる木」、第4象限を「負け犬」と称している。
ところで、該当の医療機関の今後の経営を考える際に、一般企業と異なり、他病院の扱っている患者数などの個別データを収集することは非常に困難である。このため、一般企業向けに開発された前記PPMを医療機関の経営に適用するためには、次のような処理を行うことが考えられる。すなわち、図12の管理図において、縦軸に需要の伸び率、横軸にはマーケットシェアとして、人口と受療率による推定患者数に対する予測来院患者数をとり、円の大きさは患者数を示すものとする。この場合には、横軸が周辺の推定患者数(需要)に対する予測来院患者数になっているため、BCGの手法よりも医療機関の経営に適用しやすいという利点がある。しかしながら、この場合にも来院患者数が予測値になっているため、予測値が実際の来院患者数と乖離していた場合、間違った結果が得られることになってしまうという問題がある。
次に、前記PPMの医療機関の経営に適用する他の例を考える。縦軸に需要の伸び率、横軸にはマーケットシェアとして、人口と受療率による推定患者数に対する実際の来院患者数をとり、円の大きさは医業収益の大きさを示すものとする。この場合には、横軸が周辺の推定患者数(需要〉に対する来院患者数になっているため、BCGの手法よりも医療機関の経営に適用しやすい。
しかしながら、これらの受療率による推定患者数予測のシェア分析では、稼働率という点での分析はできるが、実際に扱った患者数という意味でのシェアは把握できない。特に今後在院日数の短縮が求められる急性期病院(急患が搬送される病院など)では、稼働率ではなく病床の回転率を上げる経営が求められるため、この手法では誤った結果が得られる恐れがある。すなわち、ある患者が長期間入院した場合には稼働率(病床の占有期間)は高いが回転率は低下する。したがって、このような急性期病院については、必要とするシェア分析ができないという問題があった。
また、前記の手法は診療科をベースとして分析を行っているが、現状においては患者調査において診療科の調査結果は全国値しか存在しない。このため、地域によって医療環境の整備状況や、受療状況が大きく異なるため、特定の地域に立地している個別の医療機関のシェア分析値として、正確な値が得られるとは言えないという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、医療機関の今後のマネジメント策定に効果的に寄与できる、医療機関の患者シェア分析システムの提供を目的とする。
このような目的を達成するために、本発明の医療機関の患者シェア分析システムは、医療機関における傷病分類別需要予測を行う第1のシステムと、前記医療機関の来院患者特性分析を行う第2のシステムとを備え、前記第1のシステムおよび第2のシステムにより、対象地域における当該医療機関の前記傷病分類別の患者シェア分析を行うことを特徴とする。
また、本発明の医療機関の患者シェア分析システムは、前記第1のシステムは、対象とする地域の範囲および予測期間を設定する手段と、メッシュ人口および国際疾病分類(ICD)別患者発生率のデータに基づく将来人口および年齢・傷病別患者数予測手段と、前記ICDの分類別傷病発生患者数出力手段からなることを特徴とする。
また、本発明の医療機関の患者シェア分析システムは、前記第2のシステムは、当該医療機関の退院患者データおよび前記ICD傷病分類表の入力手段と、前記ICD傷病分類別に患者数を集計する手段と、前記ICD傷病分類別の所定期間における退院患者数出力手段からなることを特徴とする。
また、本発明の医療機関の患者シェア分析システムは、平面座標の横軸にシェアを設定し、縦軸に成長率を設定して第1象限〜第4象限に区分し、前記患者シェア分析結果を前記各象限に表示することを特徴とする。
また、本発明の医療機関の患者シェア分析システムは、前記各象限に表示される前記患者シェア分析結果は、円の大きさが市場規模(地域の1日あたり発生患者数)で表わされることを特徴とする。
また、本発明の医療機関の患者シェア分析システムは、前記患者シェア分析結果を記録紙に出力する出力手段を有することを特徴とする。
本発明においては、次のような格別な効果が得られる。(1)予測分析に要する作業時間の短縮:退院患者数を用いた発生数予測を行うが、従来システムのソフトを用いて分析できるため、すばやい対応が可能である。(2)分析精度の向上:人口と退院率による発生数(退院患者数)の採用により、在院日数に影響されない、実際に扱った患者数でのシェア分析が可能となった。(3)市場規模の評価:通常のPPMは、企業の利益を指標として考えられている(シェアと成長率との関係を、「花形」、「金のなる木」、「問題児」、「負け犬」などで表現している)が、病院に適用する場合、その社会性を評価するという視点が必要である。そのため、これまでの手法では、円の大きさは収益の大きさを表していたが、本手法では、円の大きさは需要そのものの大きさ(社会的ニーズの大きさ)を表すものとしている。
(4)傷病種別の評価:診療科目でのシェア分析の場合、同じ疾患の患者でも病院によって異なった診療科目で受療する場合があり、正しい評価が難しいと考えられる。しかしながら、本発明においては、病院の診療機能をより端的に示す傷病分類別でシェア分析を行うため、積極的な診療を行っているかどうか、診療機能を評価することができる。(5)病院の経営方針策定の基礎資料としての活用:病院が持っている診療機能のポテンシャルを、外部環境の中での位置づけという形で把握することができる。このため、これまで開発してきた分析システムの結果とともに、今後の病院診療機能を策定するための基礎資料として活用できる。
以下、本発明の実施の形態について、医療機関の中で病院を例にして説明する。本発明においては、前記のように、アメリカのコンサルティング会社である「ボストン・コンサルティング・グループ」が開発した前記PPMの手法を、病院の経営分析用に改良したものである。
図1は、本発明の実施形態に係るシステム構成図である。図1において、医療機関の患者シェア分析システム1は、設定項目入力部2、データベース3、予測データ作成部4、出力処理部5、入力データ作成部6、集計データ処理部7、出力処理部8、分析値の算出処理部9、で構成される。設定項目入力部2、データベース3、予測データ作成部4、出力処理部5は、傷病分類別需要予測システム(X)を構成する。また、入力データ作成部6、集計データ処理部7、出力処理部8は、来院患者特性分析システム(Y)を構成する。傷病分類別需要予測システム(X)は、医療機関の患者シェア分析システム1における第1のシステム、来院患者特性分析システム(Y)は、第2のシステムとして機能する。
傷病分類別需要予測システム(X)について説明する。設定項目入力部2では、対象範囲(2次メッシュ番号に対応する所定の地域)と、所定の予測期間、例えば2000年〜2015年を設定する。データベース3には、メッシュ人口(例えば平成12年国政調査に基づく)と、ICD(国際疾病分類)傷病大分類別患者発生率(例えば平成11年患者調査)を記録する。
予測データ作成部4は、設定項目入力部2で設定された項目、およびデータベース3に記録されたデータに基づき、コーホート法による人口予測データと、年齢・傷病別患者数予測データを作成する。コーホート法による人口予測は、ある年に生まれた集団のある期間の人口変化を観察することで、将来人口を推計するものである。出力処理部5は、予測データ作成部4で作成されたデータに基づき、ICD傷病大分類別発生患者数のデータを出力する。例として、胃の悪性新生物について2000年の需要(A)、2015年の需要(B)を出力する。
次に、来院患者特性分析システム(Y)について説明する。入力データ作成部6では、対象病院の退院患者データと、ICD傷病大分類表を作成する。集計データ処理部7は、ICD傷病大分類別に退院患者数を集計する。出力処理部8は、集計データ処理部7で集計されたデータに基づき、ICD傷病大分類別退院患者数、期間調整(1月当たり退院患者数)のデータを出力する。例として、胃の悪性新生物について、対象病院1月の退院患者数(c)を出力する。
出力処理部5、出力処理部8の出力に基づき、分析値の算出処理部9は、シェア:(C)/(A)、需要伸び率(成長率):(B)/(A)、対象とする傷病の2000年の需要(市場規模):Aの分析値を算出する。これらの分析値は、記録紙に出力させる構成とすることができる。
図2、図3は、ICD傷病大分類表を示す説明図である。このICD傷病大分類表は、図2、図3に示されているように、大分類Iの「感染症及び寄生虫症」から、大分類XXIの「健康状態に影響を及ぼす要因及び保険サービスの利用」まで、傷病が分類されている。これらの各傷病には、アルファベット大文字と数字2桁からなるICD基本分類コードが付与されている。各傷病は、大分類の下位に更に詳しく分類されており(ICD10)、分類コードも数字は3桁で対応させている。
図4は、ある病院における退院患者のデータ例を示す説明図である。このデータには、図4に示されているように、患者ID、年齢、性別、住所、入院日、退院日、診療科名、ICD10、主疾患名が記入されている。図4に示されたデータは、対象とする病院の退院患者の実情を反映しており、前記図1で説明した分析値の算出処理9で、当該病院の患者シェアを分析する際の基礎データとなるものである。
図5は、図1の出力処理部8で作成されるデータの例を示す説明図である。図5において、(a)〜(k)に対応する各傷病毎に、全年齢の患者の需要(退院患者数と、将来の予測数)が算出されている。各傷病の対象ICDコードに対応して、2001年実績データ(m)、1カ月の2001年実績(n)が示されている。ここで、実績データ(m)は、65歳以上の患者の3月間の患者数、実績(n)はその1カ月分の患者数を示している。
例えば、(a)胃の悪性新生物の1カ月分の患者数(C)は、(C)=35/3=11.67である。図5の(q)〜(w)の欄は、対象とする医療機関を含むある地域全体の患者需要数(人/月)を、2000年から2030年まで5年刻みで示している。例えば、(a)胃の悪性新生物の2000年における患者需要数(人/月)の(A2)は、376である。
図6は、図1で説明した分析値の算出処理部9で算出された分析値の例を示す説明図である。図6の(D)欄には対応する傷病のシェア、(E)欄には伸び率(2015年需要/2000年需要)、(F)欄には2000年需要(人/月)が記録される。図7は、図5に対応するデータの例を示す説明図である。図6のデータは記録紙で出力させることができる。図7は、各傷病の65歳以上のある地域全体の患者の需要数(人/月)を示す説明図である。図7の(G)〜(M)欄は、対象とする医療機関を含むある地域全体の65歳以上の患者数(人/月)を、2000年から2030年まで5年刻みで示している。例えば、(a)胃の悪性新生物の2000年における患者需要数(人/月)の(A1)は、241である。
図6の具体例について説明する。例えば、(a)胃の悪性新生物について、当該医療機関のシェアは(S)=(C)/(A1)=11.67/241=0.0484となる。したがって、65歳以上の(a)胃の悪性新生物について、当該医療機関における対象地域でのシェアは4.84%となる。また、伸び率(T)は、(T)=(B)/(A2)=552/376=1.467となる。すなわち、当該対象地域において、(a)胃の悪性新生物についての患者需要の伸び率は、2000年を基準とすると2015年には1.467倍となる。さらに、2000年の需要(A2)は、前記のように376人である。
図8は、図7で示した65歳以上のある地域全体の患者の需要数(人/月)を、折れ線グラフで示した特性図である。図8において、横軸は2000年から2030年までの期間を設定する。また、縦軸には患者の需要数(人/月)を設定する。図8によれば、各傷病の需要数(人/月)について、2000年からの5年毎の変動傾向を目視で確認できる。図8を参照すると、各傷病共に需要数(人/月)は増加傾向にあり、高齢化社会に対応して患者の需要は今後も衰えることはないことを示している。なお、図5〜図8の例では、患者年齢を65歳以上とした場合のデータが示されているが、本発明の実施形態として患者年齢は65歳以上に限定されるものではない。
図9は、図6に示したシェアと伸び率(成長率)のデータに基づいて作成された、本発明のポートフォリオ管理図の応用例を示す図である。円の大きさは、市場規模(地域の1日あたり発生患者数)を表す。すなわち、円の大きさは需要そのものの大きさ(社会的ニーズの大きさ)を表している。図9において、例えば、成長率は高いにも拘わらず当該医療機関のシェアが小さい(第1象限)、脳梗塞やその他の心疾患は、今後患者の需要に対応する体制作りが急務になるという、BCGでは「問題児」としての位置付けとなる。
成長率が平均値以下でシェアも小さい(第4象限)虚血性心疾患は、当該医療機関にとっては、BCGでは「負け犬」の位置付けとなる。また、成長率が低くてシェアが大きい(第3象限)良性新生物や、骨折は当該医療機関にとっては、BCGでは「金のなる木」としての位置付けとなる。さらに、成長率が高く、シェアも大きい(第2象限)白内障や肺炎は、当該医療機関にとっては、BCGでは「花形製品」としての位置付けとなる。
図9のポートフォリオ管理図を応用した図を医療機関のマネジメントに適用することにより、特に今後在院日数の短縮が求められる急性期病院では、稼働率ではなく回転率を上げるような、経営方針の策定に寄与することができる。医療機関は、今後、前記急性期病院や、慢性期病院(リハビリなどを行う入院期間が長い病院)のように、特色を生かした形態を強調して生き残りを図る傾向が強まるものと考えられる。本発明の手法は、このような今後の医療機関の経営のあり方に適合するものである。
ここで、本発明の図1のデータベース3で説明したメッシュの概念について図10の説明図により説明する。この例は、国勢調査に基づく基準人口データを設定するものである。図10に示すように、経度が1°、緯度が40′毎に区画した1次メッシュA内の基準人口と、1次メッシュA内を8×8(約10km四方)に区画した2次メッシュBの基準人口と、2次メッシュBを10×10(約1km四方)に区画した3次メッシュの基準人口と、3次メッシュを2×2(約0.5km四方)に区画した4次メッシュの基準人口から構成されている。本発明においては、このような2次、3次のメッシュを用いて人口の予測や患者数の予測を行っている。
図11は、本発明における医療機関の患者シェア分析システムに適用される制御部を示す概略のブロック図である。図11において、コンピュータで構成される制御部20は、CPU21、ROM22、RAM23、インターフェイス回路24、入力装置25、モニタやプリンタのような出力装置26を有している。CPU21は、データ解析やグラフ作成を行う演算処理手段として機能する。ROM22には、システムの処理プログラムが格納されている。
RAM23には、各種のデータやテーブルなどが格納されている。入力装置25、出力装置26は、インターフェイス回路24を介して前記CPU21、ROM22、RAM23に接続されている。入力装置25は、キーボードやマウスなどが用いられる。出力装置26は、分析結果の特性図やグラフなどをモニタ(表示手段)に表示し、必要な場合にはプリンタ(出力手段)で記録紙にプリントする。
次に、患者シェア分析システムの処理について、図11と図1との対応関係を具体的に説明する。図1において、図示番号2、6の処理は、図11の入力装置25からの入力処理、図示番号3の処理は、ROM22に格納されたデータの読み出し、図示番号4、7の処理は、CPU21による予測、集計処理、図示番号5、8の処理は、前記CPU21による出力処理、図示番号9の処理は、前記CPU21による分析値の算出処理である。
以上説明したように、本発明においては、次のような(1)〜(3)の手順により、該当の医療機関における患者数のシェア分析を行う。
(1)地域発生患者数予測
前記特許文献1に記載されている、患者需要予測システムのソフトを用いて、対象となる地域のメッシュ人口データと、計算対象範囲(対象となる範囲の2次メッシュ番号)・傷病名(ICD10による大分類レベル)・患者発生の増加率を求める計算期間(最大2030年まで)を設定し、発生する患者数を予測する。前記患者需要予測システムのソフトでは、受療率を用いて需要(在院患者数)を算出している。これに対して本発明においては、患者の発生数を求めるという要請から、発生数(新入院患者数)とほぼ等しい退院患者数を用いて、退院率(人口10万人対退院患者数)を算出し、計算を行う。
前記特許文献1に記載されている、患者需要予測システムのソフトを用いて、対象となる地域のメッシュ人口データと、計算対象範囲(対象となる範囲の2次メッシュ番号)・傷病名(ICD10による大分類レベル)・患者発生の増加率を求める計算期間(最大2030年まで)を設定し、発生する患者数を予測する。前記患者需要予測システムのソフトでは、受療率を用いて需要(在院患者数)を算出している。これに対して本発明においては、患者の発生数を求めるという要請から、発生数(新入院患者数)とほぼ等しい退院患者数を用いて、退院率(人口10万人対退院患者数)を算出し、計算を行う。
(2)来院患者分析
分析対象となる病院の退院患者データを入手し、対象となる疾患の一日当たり在院患者数を求める。その30倍の数字が、各傷病の患者数の需要(人/月)となる。
分析対象となる病院の退院患者データを入手し、対象となる疾患の一日当たり在院患者数を求める。その30倍の数字が、各傷病の患者数の需要(人/月)となる。
(3)市場/成長シェア・マトリックス
以上の算出結果から、対象とする傷病種の現在の患者需要(市場規模)、成長率(将来需要/現状需要)、対象病院の地域需要に対するシェア(病院の1日あたり在院患者数/地域需要)を求める。図8に示すように、縦軸に需要伸び率(成長率)、横軸にシェアをとり、傷病種別毎にプロットする。円の大きさは、市場規模(地域の1日あたり発生患者数)を表している。
以上の算出結果から、対象とする傷病種の現在の患者需要(市場規模)、成長率(将来需要/現状需要)、対象病院の地域需要に対するシェア(病院の1日あたり在院患者数/地域需要)を求める。図8に示すように、縦軸に需要伸び率(成長率)、横軸にシェアをとり、傷病種別毎にプロットする。円の大きさは、市場規模(地域の1日あたり発生患者数)を表している。
以上説明したように、本発明によれば、医療機関の今後のマネジメント策定に寄与できる、医療機関の患者シェア分析システムを提供することができる。
1・・・医療機関の患者シェア分析システム、2・・・設定項目入力部、3・・・データベース、4・・・予測データ作成部、5・・・出力処理部、6・・・入力データ作成部、7・・・集計データ処理部、8・・・出力処理部、9・・・分析値の算出処理部、20・・・制御部21・・・CPU、22・・・ROM、23・・・RAM、24・・・インターフェイス回路、25・・・入力装置、26・・・出力装置
Claims (6)
- 医療機関における傷病分類別需要予測を行う第1のシステムと、前記医療機関の来院患者特性分析を行う第2のシステムとを備え、前記第1のシステムおよび第2のシステムにより、対象地域における当該医療機関の前記傷病分類別の患者シェア分析を行うことを特徴とする、医療機関の患者シェア分析システム。
- 前記第1のシステムは、対象とする地域の範囲および予測期間を設定する手段と、メッシュ人口および国際疾病分類(ICD)別患者発生率のデータに基づく将来人口および年齢・傷病別患者数予測手段と、前記ICDの分類別傷病発生患者数出力手段からなることを特徴とする、請求項1に記載の医療機関の患者シェア分析システム。
- 前記第2のシステムは、当該医療機関の退院患者データおよび前記ICD傷病分類表の入力手段と、前記ICD傷病分類別に患者数を集計する手段と、前記ICD傷病分類別の所定期間における退院患者数出力手段からなることを特徴とする、請求項1に記載の医療機関の患者シェア分析システム。
- 平面座標の横軸にシェアを設定し、縦軸に成長率を設定して第1象限〜第4象限に区分し、前記患者シェア分析結果を前記各象限に表示することを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の医療機関の患者シェア分析システム。
- 前記各象限に表示される前記患者シェア分析結果は、円の大きさが市場規模(地域の1日あたり発生患者数)で表わされることを特徴とする、請求項4に記載の医療機関の患者シェア分析システム。
- 前記患者シェア分析結果を記録紙に出力する出力手段を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の医療機関の患者シェア分析システム。
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