JP2006118028A - 選択的層形成方法 - Google Patents

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Takuji Namatame
卓治 生田目
Kazuo Maehara
和雄 前原
Hiroshi Yamaki
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Abstract

【課題】本発明の目的は、基板上の微細構造の凹凸パターンのアスペクト比を大きくすることが可能な選択的層形成方法を提供することである。
【解決手段】凹凸形状を有する基板1に対して金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の粒子を蒸着、又は堆積させることにより、基板1の凹凸面上に前記金属などの層2を形成し、且つ、基板1の凹部1aと凸部1bにおける前記金属などの層2a,2bの厚さを制御した選択的な層形成を行う選択的層形成方法であって、隣接する凸部頂点間距離lが10nm〜500nm、凹部の深さhが10nm〜1μmの凹凸形状を有する基板1に対して、基板平面上に厚さtの層を形成する条件で、前記金属などの粒子を蒸着、又は堆積させることにより、基板1の凹部1aの層2aの厚さt1がt>t1、凸部1bの層2bの厚さt2がt<t2となる層2が形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微細構造パターンを有する基板に金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料を積層する層形成方法に関し、更に詳しくは、微細構造パターンを有する基板に選択的積層を行うことによって微細構造パターンのアスペクト比を大きくする選択的層形成方法に関するものである。
ナノ・テクノロジーを支える基盤技術のひとつである微細加工技術の代表的なものとして、リソグラフィーに代表される半導体微細加工技術がある。半導体プロセスのように非常に高い完成度が要求される分野に用いられるリソグラフィー技術の現在の主流は、光リソグラフィーや電子ビームリソグラフィーである。このようなリソグラフィー技術を用いた従来のリソグラフィー装置としては、半導体のステッパーに代表されるような、マスクに描かれた回路パターンを光によって縮小転写する光露光装置、あるいは電子ビームで基板上に直接回路パターンを転写する電子ビーム描画装置が一般的である。
しかしながら、近年、半導体プロセスの分野では、光リソグラフィーにおいては、すでに光源の波長よりもはるかに微細なパターンの解像が求められている。そのため、マスクや露光装置の開発及びそのコストが上昇し、それが価格にはねかえり、装置価格が高騰している。また、電子ビームリソグラフィーにおいては、量産性の改善に向けた開発が進められてはいるが、光リソグラフィーには追いついていないのが現状である。
そこで、近年、コンパクトディスク等の量産に用いられるプレス加工技術を、ナノ構造体の形成に応用したインプリントリソグラフィーが注目されている。この技術は、ナノメートルオーダーの微細構造パターンを形成したモールドを、樹脂を表面に塗布した基板に押し付けることで、モールドに形成した微細構造パターンを基板に転写する技術であることから、ナノインプリントリソグラフィー(ナノインプリント技術)と呼ばれている。すなわちナノインプリント技術は、いわゆる型押しで微細構造パターンを転写する簡便な技術であり、なおかつ従来の光リソグラフィーや電子ビームリソグラフィーのように光源やレンズ、マスクセット、電子銃などが不要であるため、低コストかつ量産性の高いリソグラフィー技術として注目されている。
「週刊ナノテク」,産業タイムズ社,2004年3月15日発行,第1153号,p.6−p.21
上述したように、ナノインプリント技術は、ナノメートルオーダーの微細構造パターンを転写する簡便な技術ではあるが、製造技術としては以下に述べるようにまだ未熟な面があり、半導体プロセスのように非常に高い完成度が要求される分野へ展開するのは現段階では困難である。例えばワイヤグリッド型の偏光子などに用いる、所定の凸部頂点間距離の凹凸形状を有する基板を成型する場合、前記凹凸形状のパターンが微細な構造になるほど(前記凹凸形状の凸部頂点間距離が短くなるほど、また前記凹凸パターンの凸部線幅と凸部高さ(又は凹部深さ)のアスペクト比が大きくなるほど)、その微細構造パターンを有するモールドと該モールドによって成型される基板表面(凹凸パターン)との接触面積が大きくなるため、前記モールドの離型時に、その摩擦によって基板上の凹凸パターンがモールド側に引き寄せられ、該モールドが有する微細な構造パターンの寸法通りに成型されない可能性があり、或いは前記基板上の凹凸パターンが破断する可能性もある。
そこで本発明の目的は、半導体プロセスのように非常に高い完成度が要求される場合であっても、基板上の微細構造の凹凸パターンが破断されたりすることなく、該凹凸パターンのアスペクト比を大きくすることが可能でありかつアスペクト比を大きくすることが容易な選択的層形成方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の選択的層形成方法は、凹凸形状を有する基板に対して金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の粒子を蒸着、又は堆積させることにより、前記基板の凹凸面上に前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の層を形成し、且つ、前記基板の凹部と凸部における前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の層の厚さを制御した選択的な層形成を行う選択的層形成方法であって、隣接する凸部頂点間距離lが10nm〜500nm、凹部の深さhが10nm〜1μmの凹凸形状を有する基板に対して、基板平面上に厚さtの層を形成する条件で、前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の粒子を蒸着、又は堆積させることにより、前記基板の凹部の層厚t1がt>t1、凸部の層厚t2がt<t2となる層が形成されることを特徴とする。
本発明によれば、微細な凹凸形状を有する基板上に選択的な積層が行えるため、半導体プロセスのように非常に高い完成度が要求される場合であっても、基板上の微細構造の凹凸パターンの破断等の不具合が生ずることなく、該凹凸パターンのアスペクト比を大きくすることが可能であり、かつ該凹凸パターンのアスペクト比を大きくすることが容易である。
更に本発明によれば、前記条件の凹凸形状を有する基板に、前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の粒子を蒸着、又は堆積させることにより、高アスペクト比の凹凸パターンが容易に得られる。
以下、図1を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部位の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用できる分野において各種条件により適宜変更されるべきものであり、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本実施形態に係る選択的層形成方法は、図1に示すように、凹凸形状を有する基板1に対して金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の粒子を蒸着、又は堆積させることにより、前記基板1の凹凸面上に前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の層2を形成する層形成方法である。更に詳しくは、前記基板1の凹部1aと凸部1bにおける前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の層2の厚さを制御した選択的な層形成を行う選択的層形成方法である。
前記凹凸形状を有する基板1は、後述する実施例において具体的に説明するが、本実施形態では、ナノインプリント技術を用いて作成している。ナノインプリント技術には、熱を用いた方式、光(紫外光)を用いた方式、マイクロコンタクトによるソフトリソグラフィー、の3方式がある。
熱を用いた方式では、凹凸パターンが形成されたモールドをプレスする前に基板に高温をかけて樹脂を軟化させ、プレス後に冷却して樹脂を硬化させ、モールドを剥離する方式である。樹脂としてはPMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PC(ポリカーボネート)などの熱可塑性樹脂を用いる。現在、この熱インプリント方式では、10nmオーダーまでのパターン形成が可能となっている。
光(紫外光)を用いた方式では、樹脂に光硬化性樹脂を用い、凹凸パターンが形成されたモールドのプレス後に紫外線(波長300〜400nm)を照射して樹脂を硬化させる方式である。光硬化性樹脂としては、アクリルレート系やエポキシ系の光重合型樹脂が用いられる。この光インプリント方式は、室温下でのパターン転写が可能であるため寸法変動がなく、重ね合わせにも有利である。また粘性の低い光硬化樹脂を用いるため、モールドのプレス圧は熱方式に比べて低圧で済む。更に温度をかけないため熱インプリント方式のような昇温・降温時間がなく、高速のパターン転写が可能である。
マイクロコンタクトによるソフトリソグラフィーでは、シリコンゴムの一種であるPDMS樹脂をレジストパターン上に流し込み、固めて作製したものをモールドとして用いる技術である。50nm程度のパターン形成が可能である。
前述の基板1に蒸着又は堆積させる金属としては、例えばアルミニウム、銀、金、ニッケルなどがある。同様に金属化合物としては、例えばITO(インジウム錫酸化物)などがある。同様に無機化合物としてSiOなどがある。同様に有機化合物としては、例えば有機エレクトロルミネッセンス材料、有機磁性体、有機導電体などがある。またグラファイトカーボン等の炭素材料も使用可能である。なお、金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、炭素材料を上述したように例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記例示以外の金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、炭素材料であっても用いることが可能である。
前記凹凸形状を有する基板1に対して、前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の層2を形成するにあたって、該金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の粒子を蒸着、又は堆積させる方法としては、一般的に知られている各種真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーディング等の方法を用いて、基板上に積層する。なお、ここでいう金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の粒子とは、物質(金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料)を構成している素粒子・原子・分子・コロイドなどの微細な粒を指している。
そして、本実施形態に係る選択的層形成方法に用いる、凹凸形状を有する基板1は、図1(a)に示すように、隣接する凸部頂点間距離lが10nm〜500nm、凹部の深さhが10nm〜1μmである。このような条件の凹凸形状を有する基板1に対して、各種真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーディング等の方法を適宜用いて、基板平面上に厚さtの均一な層を形成する条件で、前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の粒子を蒸着、又は堆積させる。これにより、図1(b)に示すように、前記基板1の凹部1aと凸部1bに、前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の層2が形成され、且つその各部1a,1bにおける層2a,2bの厚さを制御した選択的な層形成が行われる。すなわち、前記基板1の凹部1aの層2aの厚さt1がt>t1、凸部1bの層2bの厚さt2がt<t2となる層2が形成される。
本実施形態によれば、上述したように、微細な凹凸形状を有する基板上に選択的な積層が行えるため、半導体プロセスのように非常に高い完成度が要求される場合であっても、基板上の微細構造の凹凸パターンの破断等の不具合が生ずることなく、該凹凸パターンのアスペクト比を大きくすることが可能であり、かつ該凹凸パターンのアスペクト比を大きくすることが容易である。
更に本実施形態によれば、前記条件の凹凸形状を有する基板に、前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の粒子を蒸着、又は堆積させることにより、高アスペクト比の凹凸パターンが容易に得られる。
〔実施例と比較例の説明〕
以下に、上記選択的層形成方法を用いた検討結果を実施例および比較例として説明する。すなわち上記条件の微細な凹凸形状を有する基板の凹部と凸部に、凹部の層厚t1がt>t1、凸部の層厚t2がt<t2となる層が形成されることの検討結果について説明する。
まず以下に説明する実施例および比較例に用いる基板作成について説明し、次にその基板を用いた選択的層形成の具体例(実施例および比較例)について説明する。
<基板作成>
以下の要領にて微細な凹凸構造を有する基板を作成し、後述する実施例および比較例における選択的層形成の基材として用いた。なお、以下に説明する微細な凹凸構造を有する基板は例示であって、本発明に係る選択的層形成方法に用いる基材が後述する基板に限定されるものではない。
1)144nmピッチ凹凸の転写
凸部頂点間距離l(以下、ピッチともいう)が144nmのライン&スペース凹凸構造を有するニッケル製基板をスタンパとし、樹脂としてポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、PMMAのそれぞれ0.3mm厚シートを用いて熱プレスによって樹脂シートにニッケル製スタンパの凹凸構造を転写した。具体的には熱プレスはニッケル製スタンパの上にそれぞれの樹脂シートを固定し、真空雰囲気下で加熱を行い、それぞれの樹脂のガラス転移温度(以下Tgと記す)以上の温度において、0.98〜9.8MPa(10〜100kgf/cm)の圧力をかけてプレス操作を行い、続いて加圧状態を保持したままTg以下に温度を下げて、スタンパを離型することによってニッケル製スタンパの凹凸構造を精密に転写することができた。前述の144nmピッチの凹凸構造を有するスタンパは、凹凸の深さが120nmのものを用いた。そして、この凹凸構造を有するスタンパを用いてパターン転写した144nmピッチ基板の凹凸の深さhは100nmであった。図2(a)に、前述の144nmピッチの凹凸構造を有する基板を示す。なお、前述したそれぞれの樹脂のガラス転移温度は、ポリスチレン:94℃,シクロオレフィンポリマー:105℃,ポリカーボネート:137℃,PMMA:107℃であり、以下に説明する樹脂のガラス転移温度も同様である。
2)250nmピッチ凹凸の転写
凸部頂点間距離が250nmのライン&スペース凹凸構造を有するニッケル製基板をスタンパとし、樹脂としてポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、PMMAのそれぞれ0.3mm厚シートを用いて熱プレスによって樹脂シートにニッケル製スタンパの凹凸構造を転写した。具体的には熱プレスはニッケル製スタンパの上にそれぞれの樹脂シートを固定し、真空雰囲気下で加熱を行い、それぞれの樹脂のガラス転移温度(以下Tgと記す)以上の温度において、0.98〜9.8MPa(10〜100kgf/cm)の圧力をかけてプレス操作を行い、続いて加圧状態を保持したままTg以下に温度を下げて、スタンパを離型することによってニッケル製スタンパの凹凸構造を精密に転写することができた。前述の250nmピッチの凹凸構造を有するスタンパは、凹凸の深さが220nmのものを用いた。そして、この凹凸構造を有するスタンパを用いてパターン転写した250nmピッチ基板の凹凸の深さhは150〜170nmであった。
3)600nmピッチ凹凸の転写
凸部頂点間距離が600nmのライン&スペース凹凸構造を有するニッケル製基板をスタンパとし、樹脂としてポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、PMMAのそれぞれ0.3mm厚シートを用いて熱プレスによって樹脂シートにニッケル製スタンパの凹凸構造を転写した。具体的には熱プレスはニッケル製スタンパの上にそれぞれの樹脂シートを固定し、真空雰囲気下で加熱を行い、それぞれの樹脂のガラス転移温度(以下Tgと記す)以上の温度において、0.98〜9.8MPa(10〜100kgf/cm)の圧力をかけてプレス操作を行い、続いて加圧状態を保持したままTg以下に温度を下げて、スタンパを離型することによってニッケル製スタンパの凹凸構造を精密に転写することができた。前述の600nmピッチの凹凸構造を有するスタンパは、凹凸の深さが350nmのものを用いた。そして、この凹凸構造を有するスタンパを用いてパターン転写した600nmピッチ基板の凹凸の深さhは300nmであった。
4)Moth−eye(285nmピッチ)の転写
平面基板上に釣鐘形状の柱状構造が規則的に形成された凹凸基板において、柱状構造の凸部頂点間距離が285nmの凹凸構造を有するニッケル製基板をスタンパとし、樹脂としてポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、PMMAのそれぞれ0.3mm厚シートを用いて熱プレスによって樹脂シートにニッケル製スタンパの凹凸構造を転写した。具体的には熱プレスはニッケル製スタンパの上にそれぞれの樹脂シートを固定し、真空雰囲気下で加熱を行い、それぞれの樹脂のガラス転移温度(以下Tgと記す)以上の温度において、0.98〜9.8MPa(10〜100kgf/cm)の圧力をかけてプレス操作を行い、続いて加圧状態を保持したままTg以下に温度を下げて、スタンパを離型することによってニッケル製スタンパの凹凸構造を精密に転写することができた。前述の285nmピッチの凹凸構造を有するスタンパは、凹凸の深さが320nmのものを用いた。そして、この凹凸構造を有するスタンパを用いてパターン転写した285nmピッチ基板の凹凸の深さhは300nmであった。
上記1)〜4)で作成した基板の微細な凹凸構造は走査型電子顕微鏡を用いた観察によって転写形状の確認を行った。上記1)〜4)で作成した基板を、以下に説明する実施例および比較例の選択的膜形成の基材として使用した。なお、以下に説明する実施例では、凹凸形状を有する基板に対する層形成に用いる前記金属などの物質、およびこの物質の粒子を蒸着又は堆積する方法を具体的に例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
「真空蒸着法を用いた金属の蒸着」
電子ビーム真空蒸着法(EB蒸着法)を用いて真空蒸着による凹凸基板への金属の積層を行った。本実施例では金属としてアルミニウム(Al)を用いた場合を例示している。凹凸基板として、上記1)、2)記載の方法で作成した微細凹凸構造基板を用い、真空度2×10−5torr、蒸着速度4Å/min、常温下においてアルミニウムの蒸着を行った。層厚比較用サンプルとして表面が平滑なガラス基板を微細凹凸構造基板と同時に装置に仕込み、平滑基板へのアルミニウム蒸着厚みtが50nmとなるように蒸着操作を行ったところ、凹凸構造への蒸着状態は、上記1)で作成した144nmピッチ凹凸基板の場合、凸部においては厚みt2が180〜220nm、凹部においては厚みt1が10〜20nmとなり、また上記2)で作成した250nmピッチ凹凸基板の場合は、凸部においては厚みt2が150〜180nm、凹部においては厚みt1が20〜30nmとなり、どちらの場合においてもアスペクト比の変化が確認され、当初の基板の凹凸のアスペクト比より大きい高アスペクト比の凹凸パターンが得られた。また同様の操作を抵抗加熱式真空蒸着法、スパッタリング法を用いて行った際も、上記と同様の蒸着状態となり、アスペクト比の変化が確認され、選択的な積層が行われていることが確認された。
<実施例2>
「スパッタリング法を用いた金属化合物の積層」
スパッタリング法による凹凸基板への金属化合物の積層を行った。本実施例では金属化合物としてITO(インジウム錫酸化物)を用いた場合を例示している。凹凸基板として、上記1)、2)記載の方法で作成した微細凹凸構造基板を用い、ITOの蒸着を行った。層厚比較用サンプルとして表面が平滑なガラス基板を微細凹凸構造基板と同時に装置に仕込み、平滑基板へのITO蒸着厚みtが30nmとなるように蒸着操作を行ったところ、凹凸構造への蒸着状態は、上記1)で作成した144nmピッチ凹凸基板の場合、凸部においては厚みt2が50〜60nm、凹部においては厚みt1が5〜10nmとなり、また上記2)で作成した250nmピッチ凹凸基板の場合は、凸部においては厚みt2が40〜50nm、凹部においては厚みt1が10〜15nmとなり、どちらの場合においてもアスペクト比の変化が確認され、選択的な積層が行われていることが確認された。すなわち、前述した実施例1と同様に、当初の基板の凹凸のアスペクト比より大きい高アスペクト比の凹凸パターンが得られた。
<実施例3>
「Moth−eye構造への無機化合物の蒸着」
電子ビーム真空蒸着法(EB蒸着法)を用いた凹凸基板への無機化合物の積層を行った。本実施例では無機化合物として二酸化ケイ素(SiO)を用いた場合を例示している。凹凸基板として、上記4)記載の方法で作成した微細凹凸構造基板を用い、真空度2×10−5torr、蒸着速度4Å/minの条件下においてSiOの蒸着を行った。層厚比較用サンプルとして表面が平滑なガラス基板を微細凹凸構造基板と同時に装置に仕込み、平滑基板へのSiO蒸着厚みtが50nmとなるように蒸着操作を行ったところ、凹凸構造への蒸着状態は、上記4)で作成したMoth−eye凹凸基板の場合、凸部においては厚みt2が150〜180nm、凹部においては厚みt1が20〜30nmとなり、アスペクト比の変化が確認され、当初の基板の凹凸のアスペクト比より大きい高アスペクト比の凹凸パターンが得られた。また同様の操作を抵抗加熱式真空蒸着法、スパッタリング法を用いて行った際も、上記と同様の蒸着状態となり、アスペクト比の変化が確認され、選択的な積層が行われていることが確認された。
<実施例4>
「スパッタリング法を用いた無機化合物の積層」
スパッタリング法を用いた凹凸基板への無機化合物の積層を行った。本実施例では無機化合物として二酸化ケイ素(SiO)を用いた場合を例示している。凹凸基板としては、上記1)記載の方法で作成した微細凹凸構造基板を用い、SiOの蒸着を行った。層厚比較用サンプルとして表面が平滑なガラス基板を微細凹凸構造基板と同時に装置に仕込み、平滑基板へのSiO蒸着厚みtが30nmとなるように蒸着操作を行ったところ、凹凸構造への蒸着状態は、上記1)で作成した144nmピッチ凹凸基板の場合、凸部においては厚みt2が110〜120nm、凹部においては厚みt1が5〜15nmとなり、アスペクト比の変化が確認され、選択的な積層が行われていることが確認された。すなわち、前述した実施例と同様に、当初の基板の凹凸のアスペクト比より大きい高アスペクト比の凹凸パターンが得られた。なお、図2(a),(b)はそれぞれ、積層前の基板、積層後の基板の凹凸構造を示す。積層前および積層後の各基板の微細な凹凸構造は前述したように走査型電子顕微鏡を用いて確認を行った。この図2からも明らかなように、積層後の基板の微細凹凸構造は、図2(a),(b)に示すようにピッチ144nmをほぼ維持したまま、図2(b)に示すように深さが250nmとなっている。このように、各凸部間が目詰まりすることなく、当初の各凸部間の間隔をほぼ維持し、且つ当初の凸部線幅をほぼ維持したまま、各凸部の高さのみを高く(すなわち凹凸深さを深く)することができ、当初の基板の凹凸のアスペクト比より大きい高アスペクト比の凹凸パターンが得られた。
<比較例1>
「真空蒸着法を用いた600nmピッチ凹凸基板への金属の蒸着」
電子ビーム真空蒸着法(EB蒸着法)を用いて真空蒸着による凹凸基板への金属の積層を行った。比較例1では金属としてアルミニウム(Al)を用いた場合を例示している。凹凸基板として、上記3)記載の方法で作成した微細凹凸構造基板を用い、真空度2×10−5torr、蒸着速度4Å/min、常温下においてアルミニウムの蒸着を行った。層厚比較用サンプルとして表面が平滑なガラス基板を微細凹凸構造基板と同時に装置に仕込み、平滑基板へのアルミニウム蒸着厚みtが50nmとなるように蒸着操作を行ったところ、凹凸構造への蒸着状態は、上記3)で作成した600nmピッチ凹凸基板の場合、凸部、凹部ともに厚みt2,t1が50nmとなり、アスペクト比の変化は確認されなかった。また同様の操作を抵抗加熱式真空蒸着法、スパッタリング法を用いて行った際も、上記と同様の蒸着状態となり、アスペクト比の変化は確認されず、選択的な積層は行われなかった。
上記検討結果からもわかるように、前述した本発明に係る実施の形態によれば、隣接する凸部頂点間距離lが10nm〜500nm、凹部の深さhが10nm〜1μmの凹凸形状を有する基板に対して、各種真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーディング等の方法を適宜用いて、基板平面上に厚さtの均一な層を形成する条件で、前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の粒子を蒸着、又は堆積させることにより、前記基板の凹部と凸部に、前記凹部の層厚t1がt>t1、前記凸部の層厚t2がt<t2となる選択的な層形成がなされる。
このように本実施形態によれば、微細な凹凸形状を有する基板上に選択的な積層が行えるため、半導体プロセスのように非常に高い完成度が要求される場合であっても、基板上の微細構造の凹凸パターンの破断等の不具合が生ずることなく、該凹凸パターンのアスペクト比を大きくすることが可能であり、かつ該凹凸パターンのアスペクト比を大きくすることが容易である。
更に本実施形態によれば、前記条件の凹凸形状を有する基板に、前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の粒子を蒸着、又は堆積させることにより、高アスペクト比の凹凸パターンが容易に得られる。
本発明に係る選択的層形成方法は、光ディスクやマイクロレンズなどの光学デバイス、或いは科学分析などに用いるマイクロ流体デバイス、或いは半導体や液晶ディスプレイなどの製造に限定されず、微細加工技術が適用できる様々な産業分野において適宜利用することができる。
本発明の実施の形態に係る選択的層形成方法の説明図 本発明の実施の形態に係る積層前および積層後の基板の微細凹凸構造の一例を示す説明図
符号の説明
h …凹凸の深さ
l …凸部頂点間距離
t …層の厚さ
t1 …凹部の層の厚さ
t2 …凸部の層の厚さ
1 …基板
1a …凹部
1b …凸部
2 …層
2a …凹部の層
2b …凸部の層

Claims (1)

  1. 凹凸形状を有する基板に対して金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の粒子を蒸着、又は堆積させることにより、前記基板の凹凸面上に前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の層を形成し、且つ、前記基板の凹部と凸部における前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の層の厚さを制御した選択的な層形成を行う選択的層形成方法であって、
    隣接する凸部頂点間距離lが10nm〜500nm、凹部の深さhが10nm〜1μmの凹凸形状を有する基板に対して、基板平面上に厚さtの層を形成する条件で、前記金属、金属化合物、無機化合物、有機化合物、又は炭素材料の粒子を蒸着、又は堆積させることにより、前記基板の凹部の層厚t1がt>t1、凸部の層厚t2がt<t2となる層が形成されることを特徴とする選択的層形成方法。
JP2004309585A 2004-10-25 2004-10-25 選択的層形成方法 Pending JP2006118028A (ja)

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US7561332B2 (en) 2004-11-30 2009-07-14 Agoura Technologies, Inc. Applications and fabrication techniques for large scale wire grid polarizers

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