JP2006117759A - ポリアミド複合材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂および溶媒に十分に分散させることが可能なポリアミド複合材料を提供する。
【解決手段】カーボンナノチューブ、界面活性剤、およびジアミンモノマーを含む水溶液(A)と、水に可溶な有機溶媒、及びアシル化したジカルボン酸モノマーを含む有機溶液(B)とを、水溶液(A)中のジアミンモノマー1モルに対して、有機溶液(B)中のジカルボン酸モノマーを0.8〜1.2モルの割合で混合させることを特徴とするポリアミド複合材料の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】カーボンナノチューブ、界面活性剤、およびジアミンモノマーを含む水溶液(A)と、水に可溶な有機溶媒、及びアシル化したジカルボン酸モノマーを含む有機溶液(B)とを、水溶液(A)中のジアミンモノマー1モルに対して、有機溶液(B)中のジカルボン酸モノマーを0.8〜1.2モルの割合で混合させることを特徴とするポリアミド複合材料の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明はカーボンナノチューブとポリアミドとの複合材料の製造方法に関する。
カーボンナノチューブは炭素6員環からなるグラファイトシートが円筒状を形成した物質であり、1層に巻いたものを単層カーボンナノチューブ、2層に巻いたものを2層カーボンナノチューブ、多層に巻いたものを多層カーボンナノチューブという。
カーボンナノチューブは、高電気伝導性、機械的性質や化学安定性等、これまでにない優れた特性を有しており、複合材料,半導体素子,導電材料,水素吸蔵材料などの実用化に向けた研究が進められている。
例えば、高強度、高弾性率、高導電性という特徴を生かしてポリマー中にフィラーとして添加して、機械的物性や導電性を向上させようとする試みも行われている。特に、単層カーボンナノチューブは、高いアスペクト比を有することからフィラーとして期待されている。しかし、カーボンナノチューブの機能を十分に発現させるためには、カーボンナノチューブを高度に分散させる必要があることが知られている。また、カーボンナノチューブとポリマーとの間の界面接着性が大きく複合材料の機械的物性に影響することが知られている。
これまで、カーボンナノチューブを液中に分散するまたは溶解するために種々の検討が行われている。例えば、強酸中で超音波処理することにより、カルボキシル基、ヒドロキシル基といった官能基をカーボンナノチューブの表面に付与し、脂肪族アミンやアルキルアニリンで修飾することで、有機溶媒に可溶なカーボンナノチューブを合成する技術を開示している。(例えば非特許文献1〜2)また、カルボキシル基を付与した単層カーボンナノチューブとアミノ基を有するクラウンエーテル、アミノ基を有するポリエチレングリコールや脂肪族アミンをイオン相互作用により修飾することにより有機溶媒に可溶なカーボンナノチューブを開示している。(例えば非特許文献3〜5)しかしながら、これらの技術は操作が煩雑であるばかりか、表面修飾するための前処理として強酸処理を行っているため、カーボンナノチューブの機械的特性や導電性が損なわれたりする問題があった。
一方、化学修飾していない単層カーボンナノチューブをドデシルスルホン酸ナトリウムやドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムといった界面活性剤(例えば非特許文献8〜9、特許文献1)やゼラチン、シクロデキストリン、でんぷんやピレン誘導体といった添加剤(非特許文献10〜14)を用いて水性媒体中に分散させる技術が開示されている。さらには、ポリビニルピロリドンといった水溶性ポリマーでポリマーラッピングする技術が開示されている。(特許文献2)しかしながら、これらの技術は水性媒体中に分散させる技術であり、用いられているポリマーも水溶性ポリマーであった。
また、フェニレンビニレンを主鎖に含むポリマーを用いることにより、単層カーボンナノチューブがクロロホルムやトルエンに分散するという技術が開示されている。(例えば非特許文献15)さらには、バンドル状カーボンナノチューブを共役系重合体の溶液中で超音波照射することで、バンドル構造を解離させる方法が開示されているが、それ以外のポリマーは用いられていない。(特許文献3)
本発明の目的はカーボンナノチューブとポリアミドとからなる、樹脂および溶媒に十分に分散させることが可能なポリアミド複合材料を提供することである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジアミンモノマーを含む水溶液とアシル化したジカルボン酸モノマーを含む水に可溶な有機溶液とを混合させてモノマー間の重縮合を行う際に、水溶液中に分散したカーボンナノチューブを共存させることにより、上記課題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1.カーボンナノチューブ、界面活性剤、およびジアミンモノマーを含む水溶液(A)と、水に可溶な有機溶媒、及びアシル化したジカルボン酸モノマーを含む有機溶液(B)とを、水溶液(A)中のジアミンモノマー1モルに対して、有機溶液(B)中のジカルボン酸モノマーを0.8〜1.2モルの割合で混合させることを特徴とするポリアミド複合材料の製造方法。
2.水溶液(A)におけるカーボンナノチューブの濃度が0.0001〜1重量%であり、かつジアミンモノマーの濃度が0.001〜20重量%であることを特徴とする上記に記載のポリアミド複合材料の製造方法。
3.水溶液(A)における界面活性剤の濃度がカーボンナノチューブ100重量部に対して0.5〜500重量部であることを特徴とする上記に記載のポリアミド複合材料の製造方法。
4.有機溶液(B)中のアシル化したジカルボン酸モノマーの濃度が0.001〜20重量%の濃度であることを特徴とする上記に記載のポリアミド複合材料の製造方法。
5.直径が0.4nm〜10nmであるカーボンナノチューブを用いることを特徴とする上記に記載の製造方法。
6.界面活性剤がアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、およびアルキルエーテル硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記に記載の製造方法。
7.ジアミンモノマーが
及びまたは
であり、アシル化したジカルボン酸モノマーが
であることを特徴とする、上記に記載のポリアミド複合材料の製造方法。
8.上記のいずれかに記載の方法で得られるカーボンナノチューブ100重量部に対しポリアミドが0.1〜100000重量部であるポリアミド複合材料、である。
1.カーボンナノチューブ、界面活性剤、およびジアミンモノマーを含む水溶液(A)と、水に可溶な有機溶媒、及びアシル化したジカルボン酸モノマーを含む有機溶液(B)とを、水溶液(A)中のジアミンモノマー1モルに対して、有機溶液(B)中のジカルボン酸モノマーを0.8〜1.2モルの割合で混合させることを特徴とするポリアミド複合材料の製造方法。
2.水溶液(A)におけるカーボンナノチューブの濃度が0.0001〜1重量%であり、かつジアミンモノマーの濃度が0.001〜20重量%であることを特徴とする上記に記載のポリアミド複合材料の製造方法。
3.水溶液(A)における界面活性剤の濃度がカーボンナノチューブ100重量部に対して0.5〜500重量部であることを特徴とする上記に記載のポリアミド複合材料の製造方法。
4.有機溶液(B)中のアシル化したジカルボン酸モノマーの濃度が0.001〜20重量%の濃度であることを特徴とする上記に記載のポリアミド複合材料の製造方法。
5.直径が0.4nm〜10nmであるカーボンナノチューブを用いることを特徴とする上記に記載の製造方法。
6.界面活性剤がアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、およびアルキルエーテル硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記に記載の製造方法。
7.ジアミンモノマーが
8.上記のいずれかに記載の方法で得られるカーボンナノチューブ100重量部に対しポリアミドが0.1〜100000重量部であるポリアミド複合材料、である。
本発明のポリアミド複合材料の製造方法により、樹脂および溶媒に十分に分散させることが可能なカーボンナノチューブとポリアミドとの複合材料を提供できる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明では、水、カーボンナノチューブ、界面活性剤、およびジアミンモノマーを含む水溶液(A)と、水に可溶な有機溶媒と、アシル化したジカルボン酸モノマーとを含む有機溶液(B)とを混合し、それぞれの相中の二官能性モノマーを重縮合させてポリアミドを得る。このとき、水溶液(A)中のジアミンモノマー1モルに対して、有機溶液(B)中のジカルボン酸モノマーを0.8〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.1モルの割合で混合する。
この反応により、水溶液(A)中のジアミンモノマーと、有機溶液相中(B)のアシル化したジカルボン酸モノマーから、ポリアミドが常温で殆ど瞬時に得られ、両モノマーのモル比の厳密な管理は一般に不要である。
係るジアミンモノマーの代表例としては、具体的に本発明において使用されるジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン、2−クロルp−フェニレンジアミン、2,5−ジクロルp−フェニレンジアミン、2,6−ジクロルp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。これらは単独でも二種以上の混合体の形で用いられてよい。
中でもジアミン成分として、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミンおよび3,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好ましい。
また、具体的に本発明において使用されるジカルボン酸クロライド成分としては、例えばイソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライド、2−クロルテレフタル酸クロライド、2,5−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライドなど挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独でも二種以上の混合体としても用いられてよい。中でもジカルボン酸クロライド成分として、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライドが好ましい。
また、本発明の製法は芳香族ポリアミド複合材料の合成に好適であるが、脂肪族鎖もしくは脂環族鎖を主鎖に有するポリアミドの複合材にも適用出来る。係るポリアミドを得るためには、1,6−ジアミノヘキサン、1,10−ジアミノデカン、又は1,12−ジアミノドデカン、ビス−p−(アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−p−(アミノシクロヘキシル)プロパン等のジアミンモノマー、塩化アジポイル、塩化アゼラオイル等のアシル化したジカルボン酸モノマーを用いることが出来る。勿論これらは前記の芳香族モノマーと併用しても良い。
本発明において用いられるカーボンナノチューブとしては、グラフェンシートが円筒状に巻かれたもので、この円筒が単層のものでも複数の層からなるものでも構わない。カーボンナノチューブの直径はおよそ0.3nmから100nmの値で、長さはおよそ数nmから数μmである。本発明はとりわけ直径が100nm以下、好ましくは0.3〜50nm、より好ましくは0.4〜10nmであるカーボンナノチューブが用いられる。
また平均アスペクト比の好ましい値として上限の制限はないが下限としては5.0以上さらには10.0以上、さらに好ましくは50.0以上である事が好ましい。
これらカーボンナノチューブは従来公知の方法で製造され、気相流動法、触媒担持型気相流動法、レーザーアブレーション法、高圧一酸化炭素法、アーク放電法等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
本発明の製法では、上記の重縮合反応をカーボンナノチューブの共存する場で行い、複合材料を得るが、カーボンナノチューブを水溶液(A)中でバンドル構造が解離した状態で分散させる、又はバンドル構造が個々に分散しないまでも十分な媒質との親和性を有し、均一に分散させるために、界面活性剤を用いる。
本発明において、界面活性剤としては、種類が限定されるものではなく、アニオン性、両性、カチオン性、非イオン性のいずれのタイプも使用できるが、好ましくは、アニオン性の界面活性剤であり、より好ましくはアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩及び/またはアルキルエーテル硫酸塩から成るものであり、塩のカウンターイオンは、特に限定されるものはないが、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アミン類などが挙げられ、例えばカリウム、ナトリウム、トリエタノールアミン等が好ましく用いられる。
界面活性剤の使用濃度は、使用される界面活性剤の種類によるので、一律に規定できるものではないが、カーボンナノチューブ100重量部に対して0.5〜500重量部であることが好ましく、1〜100重量部がより好ましい。
水溶液(A)と有機溶液(B)とは、予め別々に調製される。複合材料中のカーボンナノチューブの含有率は水溶液中のカーボンナノチューブの濃度を調製することにより制御することが可能である。該濃度としては0.0001〜1重量%が好ましく、0.005〜0.5重量%がより好ましく、0.01〜0.1重量%がさらに好ましく、目的とする複合材料の組成に応じて変化させて用いられる。水溶液(A)中のジアミンモノマーの濃度としては、重縮合反応が十分に進行すれば特に制限されないが0.001〜20重量%の濃度範囲が好ましい。
水溶液(A)の調製方法として特に制限はないが、界面活性剤を含む水溶液にカーボンナノチューブを添加した後、超音波処理したカーボンナノチューブ水分散液にジアミンモノマーを添加して溶解させる方法が挙げられる。
有機溶液(B)に使用する有機溶媒は水に可溶なものであり、例えば、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを代表例として挙げることが出来、なかでもテトラヒドロフランが好ましい。有機溶液(B)中のアシル化したジカルボン酸モノマーの濃度としては、重縮合反応が十分に進行すれば特に制限されないが0.001〜20重量%の濃度範囲が好ましい。
これら各溶液の調製法は、特に限定されるものではないが、例えば常温で溶媒中に上述の成分を添加、攪拌すれば良い。この際、成分は予め該溶媒に溶解し溶液状態とした形で添加されても良い。また、モノマーの重縮合反応を十分に促進させる目的で、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、アミン等の無機又は有機の酸受容体が添加されてもよい。
次いで、得られた水溶液(A)と有機溶液(B)を混合して反応を行うが、水溶液(A)を有機溶液(B)に添加しても、逆に、有機溶液(B)に水溶液(A)を添加しても良い。添加は一度に行っても、滴下によっても良い。
反応温度としては、重縮合反応の速度が極めて速いため、−5〜90℃の範囲で行うことが可能であり、特に0〜60℃の範囲が好ましい。溶液の混合により瞬時にポリアミドが生成しカーボンナノチューブと複合化した形で溶液から分離する。
本発明の製法による複合材料は、反応後の混合液から複合材料以外の成分を分離して得ることが好ましい。分離の代表的方法としては、反応後の混合液を濾別する方法が挙げられる。濾別の後に未芳香族ポリアミド反応モノマー、界面活性剤や副生成物を完全に除去する目的で、有機溶媒や水で洗浄することが好ましい。
また、ポリアミドを溶解する有機溶媒を用いて洗浄することで過剰のポリアミドを除去し、ポリアミドで被覆されたカーボンナノチューブを製造することもできる。
こうして得られた複合材料は、カーボンナノチューブ100重量部に対しポリアミドが0.1〜100000重量部、好ましくは1〜10000重量部である。カーボンナノチューブが均一に分散している状態で、重縮合反応によりポリアミドを生成させるため、バンドル構造が解離した、もしくはそれに近い状態でカーボンナノチューブの周りがポリアミドによって被覆される。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。実施例はあくまでも本発明の代表的態様を例示するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。実施例における評価法を以下に記す。
(1)熱重量減少測定 理学電機 TG8120 を用いてAir雰囲気下、10℃/minの昇温速度で測定し、400℃までの重量減少率からカーボンナノチューブに被覆しているポリアミドの量を評価した。
(2)平均粒度測定 大塚電子 ZDLS−7000、Arイオンレーザーを光源に用いて、0.001重量%濃度で動的光散乱測定により算出した。
(1)熱重量減少測定 理学電機 TG8120 を用いてAir雰囲気下、10℃/minの昇温速度で測定し、400℃までの重量減少率からカーボンナノチューブに被覆しているポリアミドの量を評価した。
(2)平均粒度測定 大塚電子 ZDLS−7000、Arイオンレーザーを光源に用いて、0.001重量%濃度で動的光散乱測定により算出した。
[実施例1]
単層カーボンナノチューブ(Nanoledge製ハイグレード品)0.1gを1重量%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液(100mL)に添加して、3周波超音波洗浄器(アズワン製、出力100W、28Hz)で30分超音波処理を行い、均一に分散した単層カーボンナノチューブ水分散液を得た。続いてm−フェニレンジアミン3.6gを加えて撹拌することで、均一な単層カーボンナノチューブとジアミンを含む水溶液を調製した。別に、塩化イソフタロイル6.767gに室温でテトラヒドロフラン100mlを加えて撹拌することで均一透明な有機溶液を調製した。
単層カーボンナノチューブ(Nanoledge製ハイグレード品)0.1gを1重量%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液(100mL)に添加して、3周波超音波洗浄器(アズワン製、出力100W、28Hz)で30分超音波処理を行い、均一に分散した単層カーボンナノチューブ水分散液を得た。続いてm−フェニレンジアミン3.6gを加えて撹拌することで、均一な単層カーボンナノチューブとジアミンを含む水溶液を調製した。別に、塩化イソフタロイル6.767gに室温でテトラヒドロフラン100mlを加えて撹拌することで均一透明な有機溶液を調製した。
次いで500mLの容量のセパラブルフラスコに水溶液を入れ、瓶に付属の撹拌翼を高速で撹拌させながら、室温にて有機溶液を一度に混合した。溶液から直ちに灰色の複合材料が生成分離し、生成したポリマー中にカーボンナノチューブが取り込まれていることがわかった。さらに炭酸ナトリウム7.06gを添加し、10分間撹拌を続けた。得られた複合材料を濾別したのち、過剰のN−メチル−2−ピロリドン、メタノールで洗浄し、引き続き減圧下80℃で乾燥し、灰色で粉末状のポリアミドで被覆されたカーボンナノチューブを得た。熱重量減少測定から15重量%のポリアミドが被覆していることがわかった。また、動的光散乱測定から得られたN−メチル−2−ピロリドンにおける平均粒度は190.8nmであった。
[比較例1]
単層カーボンナノチューブ(Nanoledge製ハイグレード品)を1重量%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液で、動的光散乱測定を実施した。得られた平均粒度は195.2nmであった。以上のことから、ポリアミドで被覆されたカーボンナノチューブは有機溶媒中に、界面活性剤水溶液中に分散しているときと同じレベルで分散していることがわかった。
単層カーボンナノチューブ(Nanoledge製ハイグレード品)を1重量%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液で、動的光散乱測定を実施した。得られた平均粒度は195.2nmであった。以上のことから、ポリアミドで被覆されたカーボンナノチューブは有機溶媒中に、界面活性剤水溶液中に分散しているときと同じレベルで分散していることがわかった。
[実施例2]
カーボンナノチューブをシンセンナノテクポート社製多層カーボンナノチューブ(直径<10nm)に変更した以外は実施例1と同様にポリアミドで被覆されたカーボンナノチューブを得た。熱重量減少測定から12重量%のポリアミドが被覆していることがわかった。また、動的光散乱測定から得られたN−メチル−2−ピロリドンにおける平均粒度は130.4nmであった。
カーボンナノチューブをシンセンナノテクポート社製多層カーボンナノチューブ(直径<10nm)に変更した以外は実施例1と同様にポリアミドで被覆されたカーボンナノチューブを得た。熱重量減少測定から12重量%のポリアミドが被覆していることがわかった。また、動的光散乱測定から得られたN−メチル−2−ピロリドンにおける平均粒度は130.4nmであった。
[比較例2]
カーボンナノチューブをシンセンナノテクポート社製多層カーボンナノチューブ(直径<10nm)を1重量%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液で、動的光散乱測定を実施した。得られた平均粒度は132.2nmであった。以上のことから、ポリアミドで被覆されたカーボンナノチューブは有機溶媒中に、界面活性剤水溶液中に分散しているときと同じレベルで分散していることがわかった。
カーボンナノチューブをシンセンナノテクポート社製多層カーボンナノチューブ(直径<10nm)を1重量%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液で、動的光散乱測定を実施した。得られた平均粒度は132.2nmであった。以上のことから、ポリアミドで被覆されたカーボンナノチューブは有機溶媒中に、界面活性剤水溶液中に分散しているときと同じレベルで分散していることがわかった。
Claims (8)
- カーボンナノチューブ、界面活性剤、およびジアミンモノマーを含む水溶液(A)と、水に可溶な有機溶媒、及びアシル化したジカルボン酸モノマーを含む有機溶液(B)とを、水溶液(A)中のジアミンモノマー1モルに対して、有機溶液(B)中のジカルボン酸モノマーを0.8〜1.2モルの割合で混合させることを特徴とするポリアミド複合材料の製造方法。
- 水溶液(A)におけるカーボンナノチューブの濃度が0.0001〜1重量%であり、かつジアミンモノマーの濃度が0.001〜20重量%であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド複合材料の製造方法。
- 水溶液(A)における界面活性剤の濃度がカーボンナノチューブ100重量部に対して0.5〜500重量部であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド複合材料の製造方法。
- 有機溶液(B)中のアシル化したジカルボン酸モノマーの濃度が0.001〜20重量%の濃度であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド複合材料の製造方法。
- 直径が0.4nm〜10nmであるカーボンナノチューブを用いることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 界面活性剤がアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、およびアルキルエーテル硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
- ジアミンモノマーが
- 請求項1〜4のいずれかに記載の方法で得られるカーボンナノチューブ100重量部に対しポリアミドが0.1〜100000重量部であるポリアミド複合材料。
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