JP2006115791A - 神経幹細胞及び神経前駆細胞のスクリーニング及び分離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 生体に存在しない別の遺伝子導入等を行なうことなく、生細胞状態で神経幹細胞又は神経幹細胞富化集団を同定、分離する方法、当該方法により得られる神経幹細胞富化集団、当該方法で使用する神経幹細胞スクリーニング用試薬を提供する。
【解決手段】 神経幹細胞において、MDR1の発現がNestinの発現と相関性があることを利用し、細胞集団に抗MDR1抗体と反応させ、抗MDR1抗体との反応に陽性なMDR1発現細胞をスクリーニング、分取することにより、Nestin高発現細胞、ひいては神経幹細胞及び神経前駆細胞を検出、分取する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、生体外での培養により得られるヒトニューロスフェアや、生体から採取した神経幹細胞及び神経前駆細胞を含む不均一な細胞集団から、神経幹細胞及び神経前駆細胞をスクリーニングし、選択的に分取する方法、神経幹細胞及び神経前駆細胞の含有率を評価する方法、当該方法により得られる神経幹細胞及び神経前駆細胞富化集団、当該方法を実施するのに用いられる神経幹細胞及び神経前駆細胞スクリーニング用試薬に関する。
神経幹細胞は、自己複製能と多分化能を特徴とする未分化な細胞で、胎児脳のみならず、成体脳成体脳にも存在することが判明しており、従来は再生が不可能と考えられてきた中枢神経内で、新生ニューロンおよび新生グリア細胞を作成させるための有用な移植用細胞として、再生医療領域での臨床応用が期待されている。
臨床応用するためには、細胞ソースからの分離、選択的培養方法の確立が重要である。
神経幹細胞の選択的培養方法としては、ニューロスフェア法が、現在、最も汎用されている方法の一つである。ニューロスフェア法は、神経幹細胞を含む細胞群をインスリン、トランスフェリン、セレン、プロゲステロン、上皮成長因子(EGF)と塩基性線維芽細胞成長因子(FGF2)を含む無血清培地を用いて、その中で細胞を浮遊培養することで、球状の細胞塊(ニューロスフェア)として神経幹細胞を増殖させる方法である(非特許文献1、特許文献1)。
神経幹細胞の選択的培養方法としては、ニューロスフェア法が、現在、最も汎用されている方法の一つである。ニューロスフェア法は、神経幹細胞を含む細胞群をインスリン、トランスフェリン、セレン、プロゲステロン、上皮成長因子(EGF)と塩基性線維芽細胞成長因子(FGF2)を含む無血清培地を用いて、その中で細胞を浮遊培養することで、球状の細胞塊(ニューロスフェア)として神経幹細胞を増殖させる方法である(非特許文献1、特許文献1)。
しかし、ニューロスフェア法で増幅された細胞集団も、不均一な細胞集団であり、すべてが神経幹細胞であるわけでない。
非特許文献2では、LendahlとMcKayらにより同定されたNestinという中間径フィラメントタンパク質であるNestinマーカーが、神経幹細胞及び神経前駆細胞の同定に有用であることが開示されている。しかし、Nestinは細胞内に存在するため、生細胞のままで神経幹細胞を同定、単離することができない。
神経幹細胞を生細胞のまま培養増殖させたい場合には、培養後、しばらくして、ニューロスフェアが形成されることで、初めて、もとの細胞集団内に神経幹細胞が存在していることが判明するというのが現状である。
Nestinの他、神経幹細胞に対する選択性の高い表現マーカーとしては、NakamuraとOkanoらにより同定された分子量約38kDaのRNA結合蛋白質であるMusashi1が知られている。
Musashi1も、Nestinと同様に、細胞内に存在する蛋白質であるため、生細胞の場合、細胞が生きた状態で外部からこれらの蛋白質の発現状況を把握し、それを可視化することは通常の方法では不可能である。
生細胞でNestinやMusashi1の発現程度を可視化し、その発現量に基づいて、神経幹細胞を効率的に分離する方法として、musashi1プロモータ、あるいはnestinエンハンサーの下流に、GFP(green fluoresent protein)を組み込んだレポータ遺伝子を、予め各種方法で人為的に神経幹細胞に遺伝子導入し、GFP発現細胞を発現強度(蛍光強度)にしたがって、FACSを用いて分離することが報告されている(非特許文献3、特許文献2、特許文献3)。
しかし、この方法は、人体には存在しないGFP発現遺伝子の導入を伴っているため、効率的に分離、増殖させたとしても、増殖により得られた神経幹細胞を、実際に人体へ移植するといった臨床的応用には危険を伴う。
このようなことから、遺伝子導入を伴わない方法で生細胞の評価が可能な細胞表面マーカーを用いた神経幹細胞の分離技術が望まれている。
近年、選択的細胞表面マーカーを用いたFACSによる分離法を行なったものとして、非特許文献4に、CD133抗体を用いたヒト由来神経幹細胞の分離法が報告されている。そして、CD133+/CD34−/CD45−細胞が高率にニューロスフェアを形成することが報告されている。また特許文献4に、中枢神経の幹細胞(CNS−SC)について高度に富化された集団を産生する方法として、モノクローナル抗体AC133、またはモノクローナル抗体5E12によって、細胞表面マーカーを認識させることを利用する方法が開示されている。CD133抗体(AC133抗体)は、プロミニンホモログを認識する抗体であると予想されている。
さらに、特許文献5に、神経幹細胞の細胞表面マーカーとして、抗HFB115モノクローナル抗体をはじめ、4種類の人工抗体(16番抗体(FERM P−18778)、27番抗体(FERM P−18779)、115番抗体(FERM P−18780)、211番抗体(FERM P−18781))を用いて、分離する方法が提案されている。
またさらに、特許文献6に、哺乳動物末梢神経系から神経幹細胞の同定、単離方法として、ポジティブマーカーとして抗p75抗体を使用し、ネガティブマーカーとして抗P0を用いることが提案されている。
さらにまた、特許文献7及び非特許文献5に、GD2 ganglioside、MHC クラスI、β2マイクログロブリン、CD8、CD9、CD15、CD34、CD38、CD56、CD81、CD95、CD152の発現を神経幹細胞の陽性マーカーとし、MHC クラスII、HLA−DR、Glycophorin−A、CD3、CD5、CD7、CD10、CD11b、CD13、CD14、CD16、CD19、CD20、CD22、CD23、CD25、CD31、CD33、CD41、CD45、CD54、CD80、CD83、CD86、CD117、CD133、CD154を神経幹細胞の陰性マーカーとして神経幹細胞を分離する技術が提案されている。
また、VEGF(血管内皮成長因子:vascular endothelial growth factor)のレセプター(VEGFR)をマーカーとして用いて神経系の幹細胞を精製する技術が提案されている(特許文献8)。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、生体に存在しない別の遺伝子導入等を行なうことなく、生細胞状態で神経幹細胞又は神経幹細胞富化集団を同定、分離する方法、当該方法により得られる神経幹細胞富化集団、当該方法で使用する神経幹細胞スクリーニング用試薬を提供することにある。
本発明者らは、種々のモノクローナル抗体をスクリーニングした結果、神経幹細胞において、MDR1の発現がNestinの発現と相関性があることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の神経幹細胞及び神経前駆細胞を取り出す方法は、神経幹細胞及び神経前駆細胞を含む細胞集団から神経幹細胞及び神経前駆細胞を取り出す方法であって、前記細胞集団に抗MDR1抗体と反応させ、抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞を分取する工程を含む。また、本発明の神経幹細胞及び神経前駆細胞の含有率の高い集団を選択的に取り出す方法は、神経幹細胞及び神経前駆細胞を含む細胞集団から神経幹細胞及び神経前駆細胞の含有率の高い集団を選択的に取り出す方法であって、前記細胞集団に抗MDR1抗体と反応させ、抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞を分取する工程を含む。これらの方法は、前記MDR1発現細胞を分取することにより、Nestin高発現細胞を分取することによって達成される。
本発明のNestin高発現細胞をスクリーニングする方法は、神経幹細胞及び神経前駆細胞を含む細胞集団からNestin高発現細胞をスクリーニングする方法であって、前記細胞集団を抗MDR1抗体と反応させ、抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞を検出する工程を含む。
本発明の神経幹細胞及び神経前駆細胞の含有率評価方法は、神経幹細胞及び神経前駆細胞を含む細胞集団の神経幹細胞及び神経前駆細胞の含有率を評価する評価方法であって、前記細胞集団を抗MDR1抗体と反応させ、抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞の含有率に基づいて評価する方法である。
上記方法において、前記細胞集団は、ヒトニューロスフェアであることが好ましく、また生体から採取した細胞群であることが好ましい。
上記方法において、抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞の分取は、抗MDR1抗体を蛍光標識し、フローサイトメトリーにより行なってもよいし;前記細胞集団を抗体カラムに通過させることにより行なってもよいし;抗MDR1抗体を磁気標識し、着脱磁可能なカラムに通過させることにより行なってもよい。
上記方法における前記抗MDR1抗体は、MDR1分子の細胞表面部分に存在する抗原と特異的に結合する抗体、免疫グロブリン、及び抗体断片から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、より好ましくはモノクローナル抗体MRK16である。
本発明の神経幹細胞及び神経前駆細胞富化集団は、神経幹細胞及び神経前駆細胞含有細胞集団から、前記抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞の集団を分離採取して得られる。
本発明の神経幹細胞及び神経前駆細胞スクリーニング用試薬は、神経幹細胞及び神経前駆細胞含有細胞集団から神経幹細胞及び神経前駆細胞富化集団をスクリーニングするための試薬であって、抗MDR1抗体及び溶媒を含有することを特徴とする。
本発明は、神経幹細胞及び神経前駆細胞に特徴あるとされるNestin発現と相関性がある細胞表面マーカーを用いて、ニューロスフェア等の不均一な細胞集団から神経幹細胞及び神経前駆細胞をスクリーニング、分離、分取しているので、生細胞のまま神経幹細胞及び神経前駆細胞を選択的に検出、分取することができる。
また、本発明の評価方法では、抗MDR1抗体との反応性の有無でNestin発現含有率を評価することができるので、採取した生細胞集団試料やニューロスフェアを生細胞状態のままで、神経幹細胞及び神経前駆細胞含有率を評価することができる。
また、本発明の評価方法では、抗MDR1抗体との反応性の有無でNestin発現含有率を評価することができるので、採取した生細胞集団試料やニューロスフェアを生細胞状態のままで、神経幹細胞及び神経前駆細胞含有率を評価することができる。
本発明は、不均一な細胞集団から神経幹細胞又は神経幹細胞富化集団を選択的にスクリーニングし、必要に応じて分離採取する方法であって、スクリーニングに際して、Nestin高発現細胞を分取、富化する目的のために、抗MDR1抗体を使用することを特徴とする方法である。
本発明の方法でスクリーニングの対象とする細胞集団は、神経幹細胞を含有すると考えられる細胞集団で、培養しているニューロスフェア、生体から採取した細胞含有試料、例えば、妊娠中絶胎児の脳や脊椎から採取した試料、成体、特に成体の脳、脊椎から採取した細胞含有試料である。これらの細胞集団は、一般に、目的とする神経幹細胞及び神経前駆細胞だけでなく、他の神経系細胞も含んだ不均一な細胞集団である。本発明のスクリーニング方法は、神経系以外で神経幹細胞及び神経前駆細胞を含む細胞集団、組織についても適用でき、さらにはES細胞から分化誘導された細胞集団も適用対象となり得る。
これらの細胞集団に抗MDR1抗体を反応させ、抗MDR1抗体との反応が陽性であると認識出来る程度にMDR1を細胞表面に発現している細胞(以下、「抗MDR1抗体陽性細胞」という」)をスクリーニングすることで、Nestin高発現細胞を分離する。
MDR1とは、multidrug−resistance−associated−proteinのことで、多剤排出トランスポータとして知られている。
1986年にADP駆動型トランスポータ(ATPbinding cassette:ABCトランスポータ)ファミリーのP糖蛋白質(P−glycoprotein)に属するmdr1のクローニングが成功している。
ABCトランスポータは、ATP結合カセットが1分子中に2カ所存在し、ATPの水開エネルギーを利用して、薬物の細胞膜での細胞内から細胞外への逆向きの輸送を担う。
1986年にADP駆動型トランスポータ(ATPbinding cassette:ABCトランスポータ)ファミリーのP糖蛋白質(P−glycoprotein)に属するmdr1のクローニングが成功している。
ABCトランスポータは、ATP結合カセットが1分子中に2カ所存在し、ATPの水開エネルギーを利用して、薬物の細胞膜での細胞内から細胞外への逆向きの輸送を担う。
MDR1は、ヒトの正常組織では、小腸、腎近位尿細管、肝臓の毛細胆管の肝腔側、脳と精巣の毛細血管内皮、副腎皮質、妊娠時の子宮及び胎盤などで発現していること、造血幹細胞などで発現されていることは知られているが(植田和光「多剤排出トランスポーターMDR1の分子機構」、タンパク質・核酸・酵素、2001年vol.46,No.5)、神経幹細胞との関係は、未だ報告されていない。
今回、本発明者らは、ニューロスフェア構成細胞のうち、抗MDR1抗体陽性細胞がNestin抗体陽性反応と相関性が高いことを見出した。従って、細胞集団に、抗MDR1抗体を反応させ、抗MDR1抗体陽性細胞を検出することにより、Nestin発現細胞を検出することができる。Nestinを発現している細胞は神経幹細胞であることが、この分野において認められていることから、抗MDR1抗体陽性細胞は、神経幹細胞、少なくとも神経幹細胞を高濃度で含む集団であると考えられる。換言すると、スクリーニングの対象となる細胞集団における抗MDR1抗体陽性細胞の含有割合を測定することにより、Nestin発現細胞の含有割合を知ることが可能となり、ひいては神経幹細胞の含有割合を知ることが可能となる。
ここで、本発明の方法で使用する抗MDR1抗体は、MDR1の細胞表面抗原を認識するモノクローナル抗体、MDR1の細胞表面抗原を認識する抗原結合部位を有する抗体断片(例えばF(ab)2、Fabなど)、免疫グロブリンを含む概念である。市販品としては、KYOWA社製のMRK16(マウス産生モノクローナル抗体)、マウスモノクローナル抗体4E3(US5369009)、マウスモノクローナル抗体UIC2(EP0 644 900 B1)などを使用することができる。
このように、細胞表面抗原を認識する抗MDR1抗体を使用することにより、細胞集団から、抗MDR1抗体陽性細胞のスクリーニング、ひいては神経幹細胞富化集団、Nestin高発現細胞、又は神経幹細胞を、生細胞のままで検出し、分取することが可能となる。
細胞集団から抗MDR1抗体陽性細胞の検出は、抗MDR1抗体の標識を検出することにより行なわれる。抗MDR1抗体の標識は、抗MDR1抗体を直接標識してもよいし、抗MDR1抗体を一次抗体として標識二次抗体と結合させることにより間接的に標識してもよい。標識としては、従来より標識に用いられているものを使用できる。具体的には、蛍光色素、放射性物質、金コロイド、酵素、化学発光などが挙げられる。
抗MDR1抗体陽性細胞の分離採取方法としては、ソート機能を備えたフローサイトメトリー(FACS)や、表面抗原特異的抗体と磁気ビーズを併用したMACS(Magnetic Cell Sorting)システムや、抗MDR1抗体又はMDR1と特異的に結合できる抗体を結合させた抗体カラムを通過させて二次抗体結合細胞と結合しない細胞を分離する方法などが挙げられる。
FACSでは、標識として使用した蛍光強度に応じて陽性細胞と陰性細胞を分離採取することができる。MACSシステムによる分離は、細胞を磁性をもつビーズで標識し、強力な永久磁石上に設置された分離カラムを通し、磁気標識細胞のみをカラムに保持することにより分離する方法である。また、抗体カラムを用いる方法では、抗MDR1抗体のエフェクター部位と特異的に結合できる二次抗体やMDR1自体と特異的に結合できる抗MDR1抗体を結合させたカラムを通すことで、抗MDR1抗体が結合した細胞(抗MDR1抗体陽性細胞)と結合していない細胞(抗MDR1抗体陰性細胞)とを分離することができる。
本発明の方法で分離採取された抗MDR1抗体陽性細胞は、Nestinを高発現しており、神経幹細胞としての機能を有しているので、ニューロスフェアの成長、増殖培地で増殖培養することができる。また、条件設定により適宜分化誘導することも可能である。従って、分離採取した抗MDR1抗体陽性細胞を再生医療用細胞として用いることもできる。
本発明の神経幹細胞スクリーニング用試薬は、抗MDR1抗体を必須成分として含有するもので、溶媒としては、神経幹細胞培養に用いる培地(DMEM/F12)やPBSを用いることができる。一方、スクリーニング用試薬には、血清、界面活性剤は含まれないことが好ましい。血清は神経幹細胞を分化誘導させる作用があり、界面活性剤は、細胞表面分子の抗体での認識を妨げる可能性があるからである。
神経幹細胞及び神経前駆細胞を含む細胞集団における神経幹細胞及び神経前駆細胞の含有率を評価する本発明の評価方法は、細胞集団を抗MDR1抗体と反応させ、抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞(抗MDR1抗体陽性細胞)の含有率に基づいて評価する方法である。抗MDR1抗体陽性細胞がNestin高発現細胞と相関性があることに基づく方法で、本発明のスクリーニング方法で対象となる細胞集団に適用できる。
上記評価方法は、抗MDR1抗体を蛍光標識し、フローサイトメトリーなどを用いて得られるヒストグラム、サイトグラム(ドットプロット)等のプロファイルなどから、抗MDR1抗体陽性細胞の含有割合を求めることによって行なってもよいし、試料となる細胞集団や組織をスライドグラスに貼付けて、免疫細胞・組織化学的手法によって行なってもよいし、ELISAやRIAなどで行なってもよい。
〔神経幹細胞〕
神経幹細胞は、国立病院機構大阪医療センター倫理委員会及び産業技術総合研究所倫理委員会承認の下、妊娠9週齢のヒト胎児前脳部より取り出した神経幹細胞及び神経前駆細胞(以下、これらをまとめて「hNSPC」という)を、継代培養後、前述の神経幹細胞増殖培地で継代培養して得られたニューロスフェアを測定に用いた。
神経幹細胞は、国立病院機構大阪医療センター倫理委員会及び産業技術総合研究所倫理委員会承認の下、妊娠9週齢のヒト胎児前脳部より取り出した神経幹細胞及び神経前駆細胞(以下、これらをまとめて「hNSPC」という)を、継代培養後、前述の神経幹細胞増殖培地で継代培養して得られたニューロスフェアを測定に用いた。
ニューロスフェア法の培養に使用した培地組成は、以下の通りである。
DMEM /F12(1:1混合物、シグマ社)
ヒト組換え(以下「hr−」と略記する)EGF(インビトロジェン社)20ng/ml
hr−FGF2(Pepro Tech社)20ng/ml
hr−LIF(ケミコン・インターナショナル社)10ng/ml
ヘパリン(シグマ社)5mg/ml
B27(インビトロジェン社)
HEPES15mM
Antibiotic−antimycotic(インビトロゲン社)
DMEM /F12(1:1混合物、シグマ社)
ヒト組換え(以下「hr−」と略記する)EGF(インビトロジェン社)20ng/ml
hr−FGF2(Pepro Tech社)20ng/ml
hr−LIF(ケミコン・インターナショナル社)10ng/ml
ヘパリン(シグマ社)5mg/ml
B27(インビトロジェン社)
HEPES15mM
Antibiotic−antimycotic(インビトロゲン社)
〔実施例1:抗MDR1抗体を用いたフローサイトメトリー解析〕
培養日数100〜300日のニューロスフェアをトリプシン処理により単一細胞にしたものを用いた。一次抗体として、マウス産生抗ヒトMDR1モノクローナル抗体(終濃度50μg/ml、KYOWA社のMRK16)を4℃、30分間反応させ、続いて二次抗体としてAlexa Flour488ヤギ産生抗マウスIgG(H+L)conjugate highly cross−adsorbed(終濃度4μg/ml、モレキュラープローブス社)を4℃で30分間反応させた。この二次抗体は、ヤギ産生でマウスのH鎖及びL鎖を認識し、ヒト、ウシ、ヤギ、ウサギ、ラットの抗体は認識しないもので、蛍光色素Alexa Flour488(緑)で標識されたものである。
培養日数100〜300日のニューロスフェアをトリプシン処理により単一細胞にしたものを用いた。一次抗体として、マウス産生抗ヒトMDR1モノクローナル抗体(終濃度50μg/ml、KYOWA社のMRK16)を4℃、30分間反応させ、続いて二次抗体としてAlexa Flour488ヤギ産生抗マウスIgG(H+L)conjugate highly cross−adsorbed(終濃度4μg/ml、モレキュラープローブス社)を4℃で30分間反応させた。この二次抗体は、ヤギ産生でマウスのH鎖及びL鎖を認識し、ヒト、ウシ、ヤギ、ウサギ、ラットの抗体は認識しないもので、蛍光色素Alexa Flour488(緑)で標識されたものである。
ヨウ化プロピジウム(終濃度1μg/ml、シグマ社)を加え、FACS Vantage−SEフローサイトメータ(ベクトン−ディクソン社)を用いて、抗MDR1抗体陽性細胞と陰性細胞を分離した。
尚、コントロールは、一次抗体と反応させず、二次抗体だけと反応させた場合に同様の操作を行なったときの蛍光強度を示している。
分離により得られた陽性細胞をフローサイトメトリーにかけた解析及びコントロールの解析結果を図1に示す。図1中、X軸は蛍光強度、Y軸は細胞数を示している。
図1の解析結果に基づき、MDR1の細胞表面の発現により抗MDR1抗体との反応が陽性を示した細胞、すなわち抗MDR1抗体陽性細胞(抗MDR1抗体結合細胞)及び抗MDR抗体陰性陰性細胞(抗MDR1抗体と結合しなかった細胞)についての全細胞中の各存在割合を求めた結果を表1に示す。表1には、3回の解析の平均値±標準誤差を示す。
図1の解析結果に基づき、MDR1の細胞表面の発現により抗MDR1抗体との反応が陽性を示した細胞、すなわち抗MDR1抗体陽性細胞(抗MDR1抗体結合細胞)及び抗MDR抗体陰性陰性細胞(抗MDR1抗体と結合しなかった細胞)についての全細胞中の各存在割合を求めた結果を表1に示す。表1には、3回の解析の平均値±標準誤差を示す。
図1からわかるように、コントロールに対して、抗MDR1抗体陽性細胞群は、より蛍光強度の強い分布にシフトしていた。従ってヒトニューロスフェア構成細胞には抗MDR1による識別で陽性と評価できるような、MDR1分子を細胞表面に発現している細胞(抗MDR1抗体陽性細胞)が存在することがわかる。
表1から、コントロール実験において抗MDR1抗体陽性細胞と判断されたバックグラウンドの値は0.025±0.025%であった。このことから、今回の解析では、抗MDR1抗体陽性細胞の評価におけるバックグラウンドの誤差はほぼ無視できるレベルのものであると考えられる。従って、表1が示すように、全ヒトニューロスフェア構成細胞における抗MDR1抗体陽性細胞の割合は、ほぼ60%であることがわかった。
〔実施例2:神経幹細胞の選択的マーカーである抗Nestin抗体による免疫細胞染色〕
フローサイトメーターにて分離された抗MDR1抗体陽性細胞及び陰性細胞のそれぞれを、4%パラホルムアルデヒドで固定した後、cytospin3(Thermo Shandon社)を用いてスライドガラスに貼付けた。10%ヤギの正常血清で室温で1時間反応させてブロッキングした後、一次抗体としてウサギ産生抗ヒトNestinポリクローナル抗体(1:500、ウサギポリクローナル抗体、Nakamuraら2003年)を4℃で一晩反応させ、続いて二次抗体Alexa Flour568ヤギ抗ウサギIgG(H+L)conjugate highly cross−adsorbed(終濃度4μg/ml、モレキュラープローブス社)及び核染色用のTO−PRO−3iodide(終濃度1μM、モレキュラープローブス社)と室温で1時間反応させ、免疫細胞染色標本を作製した。上記二次抗体は、ヤギ産生でマウスのH鎖及びL鎖を認識し、ヒト、ウシ、ヤギ、ウサギ、ラットの抗体は認識しないもので、蛍光色素Alexa Flour568(赤)で標識されたものである。
フローサイトメーターにて分離された抗MDR1抗体陽性細胞及び陰性細胞のそれぞれを、4%パラホルムアルデヒドで固定した後、cytospin3(Thermo Shandon社)を用いてスライドガラスに貼付けた。10%ヤギの正常血清で室温で1時間反応させてブロッキングした後、一次抗体としてウサギ産生抗ヒトNestinポリクローナル抗体(1:500、ウサギポリクローナル抗体、Nakamuraら2003年)を4℃で一晩反応させ、続いて二次抗体Alexa Flour568ヤギ抗ウサギIgG(H+L)conjugate highly cross−adsorbed(終濃度4μg/ml、モレキュラープローブス社)及び核染色用のTO−PRO−3iodide(終濃度1μM、モレキュラープローブス社)と室温で1時間反応させ、免疫細胞染色標本を作製した。上記二次抗体は、ヤギ産生でマウスのH鎖及びL鎖を認識し、ヒト、ウシ、ヤギ、ウサギ、ラットの抗体は認識しないもので、蛍光色素Alexa Flour568(赤)で標識されたものである。
免疫染色標本は、共焦点レーザー顕微鏡(LSM510、Carl Zeiss)で観察した。抗MDR1抗体陰性細胞群の写真を図2、抗MDR1抗体陽性細胞群の写真を図3に示す。図2及び図3中、(a)は抗MDR1抗体のみ、(b)は抗Nestin抗体のみ、(c)は核染色を含め、抗MDR1抗体と抗Nestin抗体の3つの染色を重ねた画像である。尚、図2及び図3に示すスケールバーの長さは、20μmである。
図2(a)及び図3(a)の比較から、抗MDR1抗体陽性細胞と陰性細胞とがフローサイトメータによる分離操作にて正しく分離・分取されていることがわかる。また、図2(b)と図3(b)を比較することで、抗MDR1陽性細胞群は、抗MDR1陰性細胞群と比較してNestin陽性率が高いことがわかる。
抗MDR1抗体陽性細胞と陰性細胞のそれぞれの細胞群におけるNestinタンパク質の発現程度を、定量的に検討する目的のために、抗Nestin抗体を用いた免疫細胞染色標本をレーザースキャニングサイトメータ(LSC2、オリンパス社)を用いてすることで評価した結果(ヒストグラム)を、図4に示す。図4中、X軸は抗Nestin抗体蛍光標識強度、Y軸は細胞数である。抗MDR1抗体陰性細胞群に対して、抗MDR1抗体陽性細胞群の方が強い蛍光強度分布を示し、ヒトニューロスフェア構成細胞中、MDR1を強く発現している細胞は、Nestinの発現量も多いことがわかった。
さらに、図4の結果に基づき、抗MDR1抗体陽性細胞と抗MDR1抗体陰性細胞について、レーザースキャニングサイトメータの結果に基づき、Nestin発現量に基づいて、抗MDR1陰性細胞におけるNestin発現量の最大値以上のNestin発現量を呈する細胞をNestin強陽性(++)、コントロール細胞における最高蛍光強度以下の発現をNestin陰性(−)とし、その間の発現量の細胞をNestin弱陽性(+)と分類したときの結果を表2に示す。
表2から、ヒトニューロスフェア構成細胞中の抗MDR1抗体陽性細胞のほぼすべての細胞にNestinの発現が認められ、そのうちの20%の細胞が強くNestinを発現する細胞(Nestin強発現細胞)であることが判明した。一方、抗MDR1抗体陰性細胞では、約75%程度の細胞にNestinの発現が観察されるが、抗MDR1抗体陽性細胞群のときに観察されたNestin強発現細胞はほとんど存在せず、殆どがNestin弱発現細胞であった。そのNestin弱発現細胞におけるNestinの発現量も、図4の結果から、抗MDR1抗体陽性細胞群に見られるNestin弱発現細胞と比較して、発現量は全体的に低いものであった。従って、ヒトニューロスフェア構成細胞において、MDR1の発現は、Nestinの発現と相関関係にあり、MDR1を指標としてスフェア形成能の高いNestin強発現細胞を分取できることがわかる。
〔実施例3:抗MDR1抗体陽性細胞と陰性細胞の細胞周期〕
実施例1で分離したヒトニューロスフェア構成細胞中の抗MDR1抗体陽性細胞、抗MDR1抗体陰性細胞それぞれにおける、レーザースキャニングサイトメータを用いた細胞核内のDNA量の分析に基づく、それぞれの細胞周期の解析した結果を、表3に示す。
実施例1で分離したヒトニューロスフェア構成細胞中の抗MDR1抗体陽性細胞、抗MDR1抗体陰性細胞それぞれにおける、レーザースキャニングサイトメータを用いた細胞核内のDNA量の分析に基づく、それぞれの細胞周期の解析した結果を、表3に示す。
表3から、ヒトニューロスフェア構成細胞において、抗MDR1抗体陰性細胞群と比べて、抗MDR1抗体細胞陽性細胞の方が、S期、G2−M期の細胞割合が高く、増殖期に入っている細胞が多いことがわかる。従って、細胞増殖の点から、ヒトニューロスフェア構成細胞において、MDR1が発現している細胞群は、陰性細胞群より増殖能が高いと考えられる。
〔実施例4:発生段階のヒト神経組織標本を用いた免疫組織染色〕
パラフィン包埋ヒト神経組織永久標本(胎生9週齢前脳、18週齢海馬、28週齢海馬、32週齢海馬)を、Histo−Clear(National diagnostics)と100%エタノール、95%エタノール、90%エタノール、80%エタノール、70%エタノールで脱パラフィン、親水処理し、10%ヤギの正常血清で室温で1時間反応させてブロッキングした後、一次抗体としての抗ヒトMDR1抗体(終濃度4μg/ml)及び核染色用のTO−PRO−3iodide(終濃度1μM)と室温で1時間反応させ、免疫組織染色標本を作製した。次いで抗Nestin抗体を用いて免疫染色した。免疫染色標本は共焦点レーザー顕微鏡(LSM510、Carl Zeiss)で観察した。
パラフィン包埋ヒト神経組織永久標本(胎生9週齢前脳、18週齢海馬、28週齢海馬、32週齢海馬)を、Histo−Clear(National diagnostics)と100%エタノール、95%エタノール、90%エタノール、80%エタノール、70%エタノールで脱パラフィン、親水処理し、10%ヤギの正常血清で室温で1時間反応させてブロッキングした後、一次抗体としての抗ヒトMDR1抗体(終濃度4μg/ml)及び核染色用のTO−PRO−3iodide(終濃度1μM)と室温で1時間反応させ、免疫組織染色標本を作製した。次いで抗Nestin抗体を用いて免疫染色した。免疫染色標本は共焦点レーザー顕微鏡(LSM510、Carl Zeiss)で観察した。
ヒト胎生9週齢前脳の顕微鏡写真を図5、18週齢海馬の顕微鏡写真を図6、28週齢海馬の顕微鏡写真を図7、32週齢海馬の顕微鏡写真を図8に示す。各図、抗Nestin抗体で標識されるNestin発現細胞が局在する脳室壁周辺の画像を示し、(a)抗MDR1抗体による染色結果、(b)抗Nestin抗体による染色結果、(c)核染色(TO−PRO−3iodide)+抗MDR1抗体+抗Nestin抗体の3つの染色を重ねたものを示している。それぞれ上段の四角で囲んだ領域を拡大したものを下段に示した。尚、図5〜8に示すスケールバーの長さは25μmである。
図5〜図8から明らかなように、発生段階のヒト脳組織において、MDR1の発現はNestinの発現と同様、脳室壁周辺に存在する細胞に強い発現が見られ、in vitroのヒトニューロスフェアを用いて実施した解析結果が生体脳内(in vivo)でも反映されることが確認できた。
本発明の方法は、不均一な細胞集団から神経幹細胞及び神経前駆細胞(以下、これらをまとめて「神経幹/前駆細胞」という)又は神経幹/前駆細胞の富化集団を生細胞のままでスクリーニングできるので、再生医療用に生体から採取した神経幹/前駆細胞が含まれる細胞集団から神経幹/前駆細胞富化集団、ひいては神経幹/前駆細胞の検出、さらには分離する方法として利用できる。そして、本発明の方法により得られた神経幹/前駆細胞は、生細胞の状態で、しかも生体由来でない遺伝子導入等の操作は行なわれていないので、人体への移植細胞用、または移植細胞のための培養細胞として利用することができる。
本発明のスクリーニング試薬は、人体移植用の神経幹/前駆細胞をスクリーニングする試薬として用いることができる。
Claims (14)
- 神経幹細胞及び神経前駆細胞を含む細胞集団から神経幹細胞及び神経前駆細胞を取り出す方法であって、
前記細胞集団に抗MDR1抗体と反応させ、抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞を分取する工程を含む方法。 - 神経幹細胞及び神経前駆細胞を含む細胞集団から神経幹細胞及び神経前駆細胞の含有率の高い集団を選択的に取り出す方法であって、
前記細胞集団に抗MDR1抗体と反応させ、抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞を分取する工程を含む方法。 - 前記MDR1発現細胞を分取することにより、Nestin高発現細胞を分取する請求項1又は2に記載の方法。
- 神経幹細胞及び神経前駆細胞を含む細胞集団からNestin高発現細胞をスクリーニングする方法であって、
前記細胞集団を抗MDR1抗体と反応させ、抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞を検出する工程を含む方法。 - 神経幹細胞及び神経前駆細胞を含む細胞集団における神経幹細胞及び神経前駆細胞の含有率を評価する評価方法であって、
前記細胞集団を抗MDR1抗体と反応させ、抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞の含有率に基づいて評価する方法。 - 前記細胞集団は、ヒトニューロスフェアである請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 前記細胞集団は、生体から採取した細胞群である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 前記抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞の分取は、抗MDR1抗体を蛍光標識し、フローサイトメトリーにより行なう請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞の分取は、前記細胞集団を抗体カラムに通過させることにより行なう請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞の分取は、抗MDR1抗体を磁気標識し、着脱磁可能なカラムに通過させることにより行なう請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記抗MDR1抗体は、MDR1分子の細胞表面部分に存在する抗原と特異的に結合する抗体、免疫グロブリン、及び抗体断片から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
- 前記抗MDR1抗体は、モノクロナール抗体MRK16である請求項11に記載の方法。
- 神経幹細胞及び神経前駆細胞含有細胞集団から、前記抗MDR1抗体との反応が陽性であるMDR1発現細胞の集団を分離採取して得られる神経幹細胞及び神経前駆細胞富化集団。
- 神経幹細胞及び神経前駆細胞含有細胞集団から神経幹細胞及び神経前駆細胞富化集団をスクリーニングするための試薬であって、
抗MDR1抗体及び溶媒を含有することを特徴とする神経幹細胞及び神経前駆細胞スクリーニング用試薬。
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2004
- 2004-10-25 JP JP2004309029A patent/JP2006115791A/ja not_active Withdrawn
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CN107868772B (zh) * | 2017-11-02 | 2021-01-15 | 北京全式金生物技术有限公司 | 一种诱导人脊髓运动神经前体细胞分化为脊髓运动神经元的方法 |
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