JP2006114054A - 非接触icカード、応答方法、及びそのプログラム - Google Patents

非接触icカード、応答方法、及びそのプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2006114054A
JP2006114054A JP2005310667A JP2005310667A JP2006114054A JP 2006114054 A JP2006114054 A JP 2006114054A JP 2005310667 A JP2005310667 A JP 2005310667A JP 2005310667 A JP2005310667 A JP 2005310667A JP 2006114054 A JP2006114054 A JP 2006114054A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
card
contact
time slot
writer
reader
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005310667A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4134143B2 (ja
Inventor
Futoshi Nakabe
中部  太志
Tadakatsu Masaki
忠勝 正木
Shinji Kawano
眞二 川野
Hideo Ozeki
秀夫 大関
Hiromi Ebara
裕美 江原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2005310667A priority Critical patent/JP4134143B2/ja
Publication of JP2006114054A publication Critical patent/JP2006114054A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4134143B2 publication Critical patent/JP4134143B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Near-Field Transmission Systems (AREA)

Abstract

【課題】 応答の衝突を最小限に抑えた非接触ICカード、応答方法、及びそのプログラム等を提供する。
【解決手段】 測定手段がリーダライタから誘導される起電力を測定し、応答タイミング決定手段が、測定手段が測定した測定結果に基づいて所定のタイムスロットを決定する非接触ICカードを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非接触ICカード、応答方法、及びそのプログラムに関し、詳しくは、リーダライタより送信されるリクエストに対してタイムスロットを用いて応答する非接触ICカード、応答方法、及びそのプログラムに関する。
従来、電磁誘導方式等を用いてデータの授受を行なう非接触ICカードと当該非接触ICカードを認識するリーダライタとの間の通信には、タイムスロット方式が採用されている。これは、複数の非接触ICカードが同時にリーダライタの通信可能エリア内に存在し、リーダライタからのポーリングに対して複数の非接触ICカードが同時に応答した場合、当該応答に用いられる各レスポンス信号が衝突して何れの非接触ICカードもリーダライタと正常に通信することができなくなるためである。
上記タイムスロット方式の通信方法を以下に説明する。
(1)まずリーダライタは非接触ICカードの存在を確認するために、リクエストとして初期応答リクエストコマンドを非接触ICカードに送信する。上記初期応答リクエストコマンドには、非接触ICカードが行なう初期応答のタイミングの制御に必要な「スロット数」、又は「スロット数」を計算する為に必要な値が含まれる。
(2)上記非接触ICカードは、上記初期応答リクエストコマンドを受信後、特定時間から設けられるタイムスロット(1〜「スロット数」)へ上記初期応答を返す。応答に用いるタイムスロット、即ちタイミングは、非接触ICカード自身が乱数で決定する。
(3)上記リーダライタは、複数の非接触ICカードが同一のタイムスロットを選択した際に起こる初期応答の衝突を検出した場合、再度上記初期応答リクエストを送信する。
(4)上記リーダライタは、すべての非接触ICカードからの初期応答を衝突なしに受信することですべての非接触ICカードの認識をし、当該カードの識別のためのシーケンスを完了する。
以上の処理を、図16〜図18を用いてさらに詳しく説明する。尚、以下に示すのは、近接型非接触ICカードの国際規格ISO/IEC14443に適応した場合の非接触ICカードの処理である。
ISO/IEC14443は例えば、非接触テレホンカードなどに適応できる。さらに具体的に、図16に示すように、公衆電話として機能するリーダライタ1600にテレホンカードとしての機能を有する非接触ICカード1601、1602を同時に差し込んだ(近接させた)場合を想定する。
ISO/IEC14443の非接触ICカードの認識システムにおいては、以下の手順で非接触ICカードの認識が行われる。
まず、公衆電話であるリーダライタ1600が初期応答リクエスト(リクエスト)を送信する。当該初期応答リクエストは、図18に示されるフォーマットになっており、初期応答リクエスト1801を構成するPARAM1802内の8bitのうち、bit1〜bit3の3bit1803を用いてタイムスロット数(N)を非接触ICカードに通知する。尚、APf1804は、初期要求コマンドを示すヘッダであり、AFI1805は非接触ICカードの適応クラスを示す。又、CRC(Cyclic Redundancy Check)1806はAPf〜PARAMまでのCRCである。
尚、非接触ICカードは1〜NまでのN個のスロットで応答するが、今回の説明ではタイムスロット数(N)を4として説明を行う。即ち、初期応答リクエストに対して非接触ICカード1601及び1602は、1〜4までのタイムスロットのうち一つを選択し、初期応答を行う。
図17で示す一回目のカード識別処理1701において、まずリーダライタ1600から初期応答リクエストR1〔REQB〕(1702)を送信する。当該初期応答リクエストR1(1702)に対して非接触ICカード1601及び1602が、乱数としてそれぞれ「1」を生成したときには、タイムスロット1(1704)内の初期応答〔ATQB〕A21、A31でそれぞれ応答する。この場合、上記非接触ICカード1601、1602共同一のタイミングで初期応答を応答するため、リーダライタ1600は、非接触ICカードの初期応答の衝突を検出する。したがって、再度、識別処理を再開する。
二回目の識別処理1707において、リーダライタ1600から初期応答リクエストR2(1703)を送信する。初期応答リクエストに対して非接触ICカード1601及び1602が、乱数として「3」、および「2」を生成したときには、タイムスロット3(1705)内のパケットA22、およびタイムスロット2(1706)内のパケットA32で応答する。この場合、リーダライタ1600は衝突を検出しないため、すべての非接触ICカードの識別を行うことができ、識別処理を完了する。以上がISO/IEC14443の規定に従った、非接触ICカードのカード識別処理である。尚、ISO/IEC14443の規定では、初期応答リクエストコマンドを受け取ってから、非接触ICカードがタイムスロット1で応答する場合の時間を302μsecと規定し、また、1つのタイムスロットの期間(時間)は2266μsecと規定している。つまり、リーダライタ1600から初期応答リクエストを受信して、初期応答を送信するまでのタイミング(μsec)は、以下の計算式(式1)により与えられる。
タイミング(μsec)=302μsec+2266μsec×(選択されたスロット番号−1) :(式1)
このようなシステムとして、無線式識別装置(特開平9−6934号公報)も開示されており、またさらに、上記タイムスロット方式に類似の方法として、スロットマーカ方式もある。
上記スロットマーカ方式は、リーダライタが上記タイムスロット方式における初期応答リクエストを送信後、さらに当該リーダライタが各スロット開始のタイミング毎にスロットの開始を示すスロットマーカコマンドを送信する方式である。従って、リーダライタに指定されたタイムスロットを利用して各ICカードが応答する事で当該各ICカードを認識する点で、本質的にタイムスロット方式と同様である。
特開平9−6934号公報 特開平11−205334号公報
上記特開平9−6934号公報に記載の無線式識別装置や、上述した国際規格ISO/IEC14443準拠の非接触ICカードでは、非接触ICカードが上記リーダライタに対して応答を行う際に、非接触ICカード自身が乱数を用いてタイムスロットを選択し、そのタイムスロットで指定される時間間隔の中で応答を行う。このため、例えば複数の非接触ICカードが生成した乱数が同一の場合には、上記選択されるタイムスロットが同一となり、上記初期応答が必ず衝突してしまう。この場合、上記リーダライタは、上記初期応答リクエストコマンドを再度送信して非接触ICカードの認識処理を行う必要があり、結果的に非接触ICカードの認識が遅延するに至る。
また、リーダライタが非接触ICカードに対して指定するタイムスロットの数を増加させることにより、非接触ICカードが同じタイムスロットを選択する確率を下げることも可能である。しかし、タイムスロットを増加させることにより、タイムスロットのすべてが完了する(終了する)までの時間が増加し、結果としてリーダライタによる非接触ICカードの認識までに時間がかかることになる。
以上に示した認識までに時間がかかる問題は、特に電車の改札機等のように、立ち止まることなく利用者が非接触ICカードをリーダライタに認識させる必要があるシステムにて顕著に表れる。即ち、非接触ICカードの認識が遅れることにより、利用者が立ち止まる必要が生じ、結果として当該システムの利用に障害が生じるのである。
また、上記非接触ICカードの認識が高速に行なわれるようになれば、さらに高速な移動体へも適用可能となるため、非接触ICカードの利用分野における、認識及び処理のさらなる高速化が望まれている。
本発明は、初期応答の衝突を最小限に抑えた非接触ICカード、応答方法、及びそのプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために以下の手段を採用している。即ち、本発明は、リーダライタより送信されるリクエストに対して所定のタイムスロットを用いて応答する非接触ICカードを前提としている。ここで、測定手段がリーダライタから誘導される起電力を測定し、応答タイミング決定手段が、測定手段が測定した測定結果に基づいて所定のタイムスロットを決定する非接触ICカードとする。
さらに具体的には、例えば非接触ICカードと上記リーダライタとの距離が一定である場合に、応答タイミング決定手段が、上記起電力と上記磁界強度との関係を示す情報と、測定手段が測定した起電力とに基づいて所定のタイムスロットを決定する構成がある。
この構成では、磁界強度が固定の場合には、起電力の測定値、及び上記起電力と上記磁界強度との関係を示す情報に基づいて非接触ICカードの状況を判断し、当該判断に応じて応答タイミングを決定することで、非接触ICカードの初期応答の衝突を減少させる事が可能になる。
またさらに、磁界強度取得手段が、リーダライタが出力する電磁波の磁界強度に関する情報を上記リクエストより取得する構成がある。
この構成では、磁界強度が固定ではない場合であっても、磁界強度取得手段が初期応答リクエストに含まれる磁界強度に関する情報を取得する事で、起電力の測定値、及び上記起電力と上記磁界強度との関係を示す情報に基づいて非接触ICカードの状況を判断することが可能となり、非接触ICカードの初期応答の衝突を減少させる事が可能になる。
またさらに、応答タイミング決定手段が、起電力変化時の微分値、上記起電力の測定値、及び上記起電力と上記磁界強度との関係を示す情報に基づいて所定のタイムスロットを決定する構成がある。
この構成では、起電力変化時の微分値、起電力の測定値、及び上記起電力と上記磁界強度との関係を示す情報に基づいて非接触ICカードの状況を判断し、当該判断に応じて応答タイミング(タイムスロット)を決定するため、磁界強度が固定である必要はなく、また、磁界強度に関する情報を取得する必要もない。
尚、非接触ICカードはコンピュータを用いて具体化することができる。この場合、応答判定手段、応答タイミング変更手段、利用決定手段、最終スロット判定手段、測定手段、応答タイミング決定手段、磁界強度取得手段は、コンピュータ上でプログラムを動作させることにより具体化される。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(実施の形態1)
まず、本発明にかかる実施の形態1における非接触ICカードについて説明する。図1は、実施の形態1における非接触ICカード101の機能ブロック図である。また、図2は、上記非接触ICカード101のハードウェア構成図である。上記非接触ICカード101は、アンテナ203、送受信回路202、CPU201、当該非接触ICカードを制御するためのプログラムが格納されているROM(Read Only Memory)204、プログラム実行時に例えばワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)205より構成されている。
ここで上記非接触ICカード101は、リーダライタ等の通信可能エリアに入ると、上記リーダライタからの電磁波より上記アンテナ203を介して誘導される電力にて動作する。
上記非接触ICカード101を機能別に表した場合、図1に示すようにアンテナ手段107、送受信手段106、制御手段105、応答判定手段102、応答タイミング変更手段103、利用決定手段104を備える。ただし、各手段の処理の詳細については適宜説明を行う。
尚、例えば上記応答判定手段102、応答タイミング変更手段103、利用決定手段104は、図2に示したROM204にプログラムとして格納され、必要に応じてCPU201に読み出されて実行される。
次に、図3、図4を用いて本実施の形態1に係る非接触ICカードの処理について説明する。ここに図3は、非接触ICカード101が実行する処理のフローチャートである。尚、理解に供するため、本実施の形態1では図16のように2つの非接触ICカード1601(非接触ICカード101)、1602が、リーダライタ1600と通信を行うものとする。
まず、非接触ICカード101を構成する制御手段105はリーダライタから初期要求リクエストが送信されてくるのを待機する(図3:S300NO)。ここで上記リーダライタからの初期要求リクエストを、アンテナ手段107及び送受信手段106を介して受信した場合、制御手段105は当該初期要求リクエストの中からタイムスロット数を取得する(図3:S300YES→S301)。尚、タイムスロット数は、図16に示されるPARAMのBit1〜Bit3の3bit1803で指定されており、このbitに指定される値の2の乗数がタイムスロット数となる。以下にタイムスロット数の計算式(式2)を示す。
タイムスロット数(N)=2n : 式2
(nはBit1〜Bit3であらわされる0から4までの値)
図4に示すように、通常、タイムスロット401は、所定の時刻402から2266μsec後の時刻403までの時間間隔で構成される。
次に、上記制御手段105は、1から式2で示されるタイムスロット数(N)の間の整数を1つ選択することで応答を行うタイムスロットを決定する(図3:S302)。
続いて、上記制御手段105は、上記リーダライタに初期応答を送信するタイムスロットの開始時刻まで待機する(図3:S303NO)。利用決定手段104は、上記時刻に到達した時点で応答判定手段102を使用するか否かを例えば所定の確立で決定する(図3:S303YES→S304)。但し、上記応答判定手段102を必ず利用する場合には、上記利用決定手段104は必要ない。
ここで、上記応答判定手段102を使用する場合、当該応答判定部102は、例えば以下のように他の非接触ICカードからの初期応答の有無を判定する(図3:S304YES→S305)。
ここで、上記応答判定部102を具備しない、もしくは使用しない非接触ICカードは、上記所定の時刻402直後から初期応答であるATQB404を送信する。尚、上記ATQB404は、例えばSOF(Start Of Frame)410、ヘッダ(初期応答ヘッダ)411、PUPI(カード固有ID:Pseudo-Unique PICC Identifier)412、APP Data(アプリケーション固有データ)413、Protocol Inf(プロトコル情報)414、CRC(Cyclic Redundancy Check)415、EOF(End Of Frame)416により構成される。
非接触ICカード101は、上記タイムスロット401のタイミング内(所定の時刻402から2266μsec以内)に初期応答(送信時間約1539μsec)を送信すればよいため、ここでは例えば上記所定の時刻402から所定の判定期間416経過後にATQB405を送信する。尚、上記判定期間416は例えば217μsecである。
但し、上記ATQB405を送信するまでに、他の非接触ICカード(例えば非接触ICカード1602)の上記SOF410やヘッダ411、又は初期応答の衝突等を受信した場合、上記応答判定手段102は、他の非接触ICカードの初期応答有りと判定する(図3:S305YES→S306)。
上記応答判定手段102が、他の非接触ICカードの初期応答有りと判定すると、続いて応答タイミング変更手段103は、上記タイムスロットが変更可能であるかどうかを判定する(図3:S306)。尚、他の非接触ICカードからの初期応答やSOF、ヘッダ等は、上記リーダライタから初期応答リクエストを受信するのと同様の手順で受信可能である。
ここで、上記タイムスロットの変更とは、例えば上記リーダライタから複数のタイムスロットを取得した場合であって、上記所定の時刻402が最後のタイムスロットではない場合、当該タイムスロットに続くタイムスロットにて初期応答を行うことを言う。尚、上記「続くタイムスロット」とは、1つ後のタイムスロットでもよいし、複数個後のタイムスロットでもよい。変更可能ではない場合とは、例えばリーダライタから与えられたタイムスロットが1の場合や、現在初期応答に利用しているタイムスロットが、リーダライタから与えられた最後のタイムスロットである最終スロットの場合等である。
上記応答タイミング変更手段103がタイムスロットを変更可能であると判断した場合には、さらに応答するタイムスロットの変更を行い、制御手段105は再度応答するタイムスロットか否かの判定を行う(図3:S306YES→S307→S303)。
上記応答判定手段102の使用をしない場合(図3:S304NO)、他の非接触ICカードの初期応答がない場合(図3:S305NO)、スロットの変更が不可能である場合(図3:S306NO)には、上記制御手段105は、初期応答を上記リーダライタに対して送信する(図3:S308)。
以上のように、他の非接触ICカードの初期応答や初期応答の衝突を判定し、さらに初期応答や初期応答の衝突があった場合には応答に利用するタイムスロットを変更することで、初期応答の衝突を最小限に抑えた非接触ICカードを提供することが可能になる。
続いて、上記処理による衝突の軽減について具体的に図を用いて説明する。
図5に示すのは、従来の非接触ICカード502、502がリーダライタに初期応答を行う場合の衝突の確率を図示したものである。尚、×は衝突を示し、○は衝突しないことを示す。
ここで、理解に供するため、リーダライタより与えられるタイムスロット数を2としている。すなわち、非接触ICカード501や、非接触ICカード502は、Slot1とSlot2の2つを選択可能である。
まず、非接触ICカード501、502は、それぞれSlot1とSlot2の2つのスロットが選択可能であるので、2×2=4通りの選択状態がある。図5では、各々の状態を矩形で示し、各矩形に(1)から(4)までの番号をつけ、各番号の衝突の有無を以下に示す。
(1):非接触ICカード501がSlot1を選択し、非接触ICカード502がSlot1を選択。したがって、衝突が発生する。
(2):非接触ICカード501がSlot2を選択し、非接触ICカード502がSlot1を選択。したがって、衝突は発生しない。
(3):非接触ICカード501がSlot1を選択し、非接触ICカード502がSlot2を選択。したがって、衝突は発生しない。
(4):非接触ICカード501がSlot2を選択し、非接触ICカード502がSlot2を選択。したがって、衝突が発生する。
以上から、衝突が発生する確率は、
2/4=50% : 式3
と計算される。
図6は、本発明に係る非接触ICカード601、602を用いた場合で、ここでも、リーダライタから与えられるタイムスロット数を2としている。即ち、非接触ICカード601や、非接触ICカード602は、Slot1とSlot2の2つを選択可能である。
また、上記利用決定手段104が他の非接触ICカードの初期応答を判定するか否かの確率を1/2、すなわち、判定する場合と判定しない場合がそれぞれ半分づつと仮定する。
この場合、非接触ICカード601と非接触ICカード602は、各タイムスロットで衝突判定をする場合と判定をしない場合の2通りあるので4×4=16通りの状態がある。
各々の状態を図6では矩形で示し、各矩形に(1)から(16)までの番号をつけ、各番号の衝突の有無を以下に示す。
(1):非接触ICカード601は、Slot1を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定している状態で、非接触ICカード602も非接触ICカード601と同様に、Slot1を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定している状態である。互いに初期応答を行っていない状態のため、非接触ICカード601、および、非接触ICカード602はSlot1へ初期応答を応答し、衝突が発生する。
(2):非接触ICカード601は、Slot1を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定せず、Slot1に初期応答を行う状態であり、非接触ICカード602は、Slot1を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定している状態である。非接触ICカード602は、非接触ICカード601がSlot1に初期応答を行っていることを認識してSlot2へ初期応答を行い、初期応答の衝突回避を行うため衝突は発生しない。
(3):非接触ICカード601がSlot2を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定する状態で、非接触ICカード602がSlot1を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定する状態である。非接触ICカード601、602は各タイムスロットを監視したが、他の非接触ICカードによる初期応答が行われていないため、各々選択したスロットに初期応答を応答する。したがって、衝突は発生しない。
(4):非接触ICカード601は、Slot2を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定しないので、Slot2へ送信を行う状態である。また、非接触ICカード602は、Slot1を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定している状態である。非接触ICカード602は、Slot1を監視したが、他の非接触ICカードによる初期応答が行われていないため、Slot1へ初期応答を応答し、非接触ICカード601は、スロット2へ送信を行う。したがって、衝突は発生しない。
(5):非接触ICカード601は、Slot1を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定している状態である。非接触ICカード602は、Slot1を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定せず、Slot1に初期応答を行う。この場合、非接触ICカード601は、非接触ICカード602がSlot1に初期応答を行っていることを認識し、Slot2へ初期応答を行うため衝突は発生しない。
(6):非接触ICカード601は、Slot1を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定しない状態で、非接触ICカード602も非接触ICカード601と同様に、Slot1を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定しない状態である。互いにスロット1に対して初期応答を行うため、衝突が発生する。
(7):(3)や(4)と同様に異なるタイムスロットを選択しているため衝突は発生しない。
(8):(3)や(4)と同様に異なるタイムスロットを選択しているため衝突は発生しない。
(9):(3)や(4)と同様に異なるタイムスロットを選択しているため衝突は発生しない。
(10):(3)や(4)と同様に異なるタイムスロットを選択しているため衝突は発生しない。
(11):非接触ICカード601は、Slot2を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定している状態であるが、Slotの変更はできないため、Slot2へ送信を行う状態。非接触ICカード602も同様に、Slot2を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定する状態であるが、Slotは変更できないため、Slot2へ送信を行う状態。したがって、衝突が発生する。
(12):(11)と同様にSlot2にしか送信できないため衝突が発生する。
(13):(3)や(4)と同様に異なるタイムスロットを選択しているため衝突は発生しない。
(14):(3)や(4)と同様に異なるタイムスロットを選択しているため衝突は発生しない。
(15):(11)と同様にSlot2にしか送信できないため衝突が発生する。
(16):(11)と同様にSlot2にしか送信できないため衝突が発生する。
以上から、衝突が発生する確率は、
6/16≒37.5% :式4
と計算される。
以上のように、式3及び式4より衝突が発生する確率は、式4が小さくなっている。従って、本発明に係る非接触ICカード同士の環境において、衝突確率が減少する。
次に、図7は、本発明に係る非接触ICカード701と従来の非接触ICカード702を用いた場合で、ここでは、リーダライタから与えられるタイムスロット数を2としている。すなわち、非接触ICカード701や、非接触ICカード702は、Slot1とSlot2の2つを選択可能である。
また、利用決定手段が他の非接触ICカードの初期応答を判定するか否かの確率を1/2、すなわち、判定する場合と判定しない場合はそれぞれ半分づつと仮定する。
この場合、非接触ICカード701は、各タイムスロットで衝突判定をする場合と判定をしない場合の2通りあるので、4×2=8通りの状態がある。
上記各々の状態を図7にて矩形で示し、各矩形に(1)から(8)までの番号をつけ、各番号の衝突の有無を以下に示す。
(1):非接触ICカード701は、Slot1を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定している状態で、非接触ICカード702は、Slot1へ初期応答を行う状態である。非接触ICカード701は、非接触ICカード702の初期応答を認識するため、非接触ICカード701は、Slot2を用いて初期応答を行う。したがって、衝突の回避が行われるため、衝突は発生しない。
(2):非接触ICカード701は、Slot1を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定しない状態であるため、Slot1へ初期応答を行う状態である。非接触ICカード702は、Slot1へ初期応答を行う状態である。両非接触ICカードはSlot1を用いて初期応答を行うため、衝突が発生する。
(3):非接触ICカード701は、Slot2を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定している状態であるが、Slot1へは送信できないため、Slot2へ送信を行う状態である。非接触ICカード702は、Slot1へ初期応答を行う状態である。したがって、衝突は発生しない。
(4):(3)と同様に異なるタイムスロットに送信するため、衝突は発生しない。
(5):(3)と同様に異なるタイムスロットに送信するため、衝突は発生しない。
(6):(3)と同様に異なるタイムスロットに送信するため、衝突は発生しない。
(7):非接触ICカード701は、Slot2を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定する状態であるが、Slot1へは送信できないため、Slot2へ送信を行う状態である。非接触ICカード702は、Slot2へ初期応答を行う状態である。したがって、衝突が発生する。
(8):非接触ICカード701は、Slot2を選択し、なおかつ他の非接触ICカードが初期応答を行っているかを判定しない状態であるため、Slot2へ送信を行う状態である。非接触ICカード702は、Slot2へ初期応答を行う状態である。したがって、衝突が発生する。
以上から、衝突が発生する確率は、
3/8≒37.5% :式5
と計算される。
上記式3及び式5より衝突が発生する確率は、式5が小さくなる。したがって、本発明に係る非接触ICカードと従来の非接触ICカードが混在する環境においても、衝突確率が減少することがわかる。
尚、例えば本発明に係る非接触ICカード701が利用決定手段104を備えない場合、即ちすべての場合に対して他の非接触ICカードの初期応答の有無を判定する場合を考える。この場合、図7に示すように、本発明に係る非接触ICカードと従来の非接触ICカードが混在する環境において衝突が発生する確率は、
1/4=25% と計算される。
即ち、本発明に係る非接触ICカードと従来の非接触ICカードが混在する環境においては、上記利用決定手段104が無い、又は機能しない場合(図7の★マークに該当)の方が衝突の発生を減らすことが可能である。
続いて、上記ではリーダライタから与えらえるタイムスロット数を2としたが、更にタイムスロット数が4の場合を以下に検証する。
図8、図9、図10は、それぞれ、図5、図6、図7で説明を行ったタイムスロット数を2から4に変更した場合の図であり、他の条件は同一である。
図8より、従来例の非接触ICカード801、802を用いて、スロット数を4にした場合の衝突確立は、
4/16=25% :式6
と計算される。
図9より、本発明に係る非接触ICカード901、902を用いた場合において、タイムスロット数を4とした場合の衝突確率は、
10/64≒15.6% :式7
と計算される。
上記式6及び式7より衝突が発生する確率は、式7が小さくなる。したがって、本発明に係る非接触ICカード同士の環境において衝突確率が減少する。
図10より、本発明に係る非接触ICカード1001と従来例の非接触ICカード1002を用いて、タイムスロット数を4とした場合の衝突確率は、
5/32≒15.6% :式8
と計算される。
上記式6及び式8より衝突が発生する確率は、式8が小さくなる。したがって、本発明に係る非接触ICカードと従来の非接触ICカードの環境においても、衝突確率が減少する。
尚、例えば本発明に係る非接触ICカード1001が利用決定手段104を備えない場合、即ちすべての場合に対して他の非接触ICカードの初期応答の有無を判定する場合を考える。この場合、図10に示すように、本発明に係る非接触ICカードと従来の非接触ICカードが混在する環境において衝突が発生する確率は、
1/16≒6.3% と計算される。
即ち、本発明に係る非接触ICカードと従来の非接触ICカードが混在する環境においては、上記利用決定手段104が無い、又は機能しない場合(図10の★マークに該当)の方が衝突の発生を減らすことが可能である。
以上のように、他の非接触ICカードによる応答の有無を判定し、当該判定の結果に応じて応答のタイムスロットを変更することで非接触ICカードが初期応答を行う際の初期応答の衝突を低減することができる。また、上記応答の有無の判定の実行を所定の確率で決定することにより、本発明に係る非接触ICカード同士の初期応答時にも、応答の衝突を軽減することが可能となる。
尚、他の非接触ICカードによる応答の有無を判定しない場合には、最終のタイムスロットを乱数で選択した場合であっても当該タイムスロットを変更しないようにしてもよい。
他の非接触ICカードによる応答の有無を判定しない場合には、タイムスロットを変更することがないため、結果として選択可能なタイムスロットの数の減少を防止することができる。
(実施の形態2)
図11は、実施の形態2に係る非接触ICカード1100の機能ブロック図であり、図12は、非接触ICカード1100が実行する処理のフローチャートである。
尚、本実施の形態2における非接触ICカードは、上記実施の形態1における非接触ICカードとほぼ同様の構成を有するため、異なる点のみ説明を行う。
上記実施の形態1に係る非接触ICカード101では、初期応答スロットとして、最終スロットを選択した場合には、最終スロットで初期応答や当該初期応答の衝突を検知できても、タイムスロットの変更ができないため必ず衝突が発生してしまうという問題がある。この問題を解決するために実施の形態2に示す技術を適用する。尚、ここで言う最終スロットとは、リーダライタより与えられた複数個のタイムスロットのうち、応答可能な最後のタイムスロットを指し、例えば図10におけるSlot4がこれに該当する。
まず、非接触ICカード1100はリーダライタから初期要求リクエストが送信されてくるのを待機し、初期応答リクエストを受信すると応答すべきタイムスロットを選択するのは上記実施の形態1と同様である(図11:S300〜S302)。
ここで、実施の形態2では、上記非接触ICカード1100を構成する最終スロット判定手段1101は、まず上記リーダライタから与えられたタイムスロット数が“1”であるか否かを判定する(図12:S1201)。
ここでリーダライタから与えられたタイムスロット数が“1”で無い場合、さらに上記選択した応答すべきタイムスロットが最終スロットであるか否かを判定する(図12:S1201NO→S1202)。
ここで、上記選択した応答すべきタイムスロットが最終スロットである場合、再度応答すべきタイムスロットの選択よりやり直す(図12:S1202YES→S302)。
尚、リーダライタから与えられるスロット数が1の場合(図12:S1201YES)や、応答すべきタイムスロットが最終スロットではない場合(図12:S1201NO)には、応答するタイムスロット(タイミング)が来るまで待機し、以後実施の形態1と同様に初期応答の送信までの処理を行う(図12:S303→S308)。
以上のように、最終スロット判定手段を設けることで、必要であれば必ずタイムスロットの変更を行うことが可能となり、衝突の回避を行う場合が増加し、衝突の減少を図ることが可能となる。
尚、上記最終スロット判定手段は、図12に示した処理1200にて最終スロットの選択を回避しているが、例えばリーダライタから与えられたスロット数から1を引いた値で示されるタイムスロットより、応答するタイムスロットを選択するといった処理でもよい。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る非接触ICカードについて説明する。本実施の形態3における非接触ICカード1301は、図13に示すように、制御手段105、送受信手段106、アンテナ手段107に加えて測定手段1302、応答タイミング決定手段1303を備える。ここで、上記制御手段105、送受信手段106、アンテナ手段107については、上記実施の形態1、2にて説明したのと同様であり、上記測定手段1302、応答タイミング決定手段1303の処理については適宜説明する。尚、非接触ICカードにおける起電力と磁界強度の関係を示したのが図14である。
まず、図14について説明を行う。非接触ICカードは、リーダライタが発する電磁波により構成される磁界内に進入することにより、起電力を得る事が出来る。上記磁界内で得られる起電力は、磁界強度により異なるのは知られているがさらに、非接触ICカードの枚数によっても起電力は異なるのである。つまり、非接触ICカードを複数所有する場合、当該非接触ICカードを財布内等に重ねて入れるのが通常である。このような場合には、上記財布に非接触ICカードを入れたまま例えば上記磁界内に進入すると、リーダライタに近い非接触ICカード(内側)はグラフ1402に示すように、リーダライタから遠い非接触ICカード(外側)のグラフ1403よりも起電力(電圧)が高くなる。これは、上記非接触ICカード(内側)にて電磁波がある程度吸収されるためであると予想される。これは非接触ICカードを2枚重ねている場合の起電力であるが、非接触ICカードが1枚の場合には、上記非接触ICカード(内側)よりもより高い起電力を得られることがグラフ1401より読み取れる。
本実施の形態3では、この特性を利用してタイムスロットを決定しようとするものである。
まず、非接触ICカード1301が磁界内に進入し、起電力が発生した場合、測定手段1302は適宜、当該起電力を測定し、起電力の値を上記応答タイミング決定手段1303に送信する。
上記測定結果を受信した上記応答タイミング決定手段1303は、所定のタイミング1404(電圧が所定の値になった際)にて、当該電圧の微分値を算出する。これにより、上記所定のタイミング1404における電圧とその微分値を得る事ができる。
次に、上記応答タイミング決定手段1303は、上記タイミング1404において実際に得られた電圧の微分値と、予め保持している起電力と磁界強度との関係から得られる電圧の微分値とを比較する。尚、予め保持している起電力と磁界強度との関係を示す情報は、図14に示すグラフで表現可能である。上記タイミング1404における各非接触ICカードの電圧の微分値は、上記グラフ1401、1402、1403におけるポイント1405、1406、1407の傾きを意味する。
上記比較により、上記応答タイミング決定手段1303が算出した微分値は、上記ポイント1405、1406、1407の何れかの傾きと一致、又は近い値を示すため、非接触ICカード1301が置かれている状況をある程度判断できる事になる。つまり、例えば上記比較により、タイミング1404に対応する微分値がポイント1406の値と一致する場合、該当する非接触ICカード1301が2枚のカードの内側であると判断することが可能となる。
続いて、該当する非接触ICカード1301が置かれている状況を判断した後、応答タイミング決定手段1303は、初期応答リクエストにて与えられたタイムスロットから、応答に用いるタイムスロットを決定するのである。
上記タイムスロットの決定方法はどのようであってもよいが、例えば以下のような決定が行われる。
即ち、非接触ICカードが1枚と判断された場合(グラフ1401)、上記応答タイミング決定手段1303は、通常通りランダムにタイムスロットを選択し或いは1番目のタイムスロットを選択する。
非接触ICカードが2枚と判断された場合でさらに内側と判断された場合(グラフ1402)、上記応答タイミング決定手段1303は例えば1番目のタイムスロットを選択する。この場合、2枚と判断された場合でさらに外側と判断された非接触ICカード(グラフ1403)の上記応答タイミング決定手段1303は、2番目のタイムスロットを選択するのである。
以上のように、起電力変化時の微分値、起電力の測定値、及び上記起電力と上記磁界強度との関係を示す情報に基づいて非接触ICカードの状況を判断し、当該判断に応じて応答タイミング(タイムスロット)を決定することで、非接触ICカードの初期応答の衝突を減少させる事が可能になる。
ところで、上述したのは、応答タイミング決定手段1303が微分値を算出する方法であったが、以下のようにして非接触ICカードの状況を判断してもよい。
即ち、リーダライタが上記非接触ICカードと通信する距離が予め決められているシステムがある。例えば複数枚の非接触ICカードをリーダーに指し込み、リード位置に固定した後に当該非接触ICカードと通信するシステム等が該当する。
このようなシステムでは、非接触ICカードが通信を行う際の磁界強度は一定値となるはずである。上記リード位置の磁界強度が例えば図15に示すポイント1501であるとすると、上記非接触ICカードが初期応答リクエストを受信した際の電圧は、当該非接触ICカードの状況に応じて例えばA1502(V)、B1503(V)、C1504(V)となるはずである。尚、上記A1502は
非接触ICカードが1枚の場合、B1503は非接触ICカードが2枚の内側の場合、C1504は非接触ICカードが2枚の外側の場合である。
つまり、初期応答リクエストを受信した際に上記測定手段1302が測定した起電力の測定値と、上記起電力と上記磁界強度との関係を示す情報(図15)とに基づいて、上記応答タイミング決定手段1303は、上記非接触ICカードの状況を判断可能である。
以後、応答タイミング決定手段1303は、初期応答リクエストにて与えられたタイムスロットから、応答に用いるタイムスロットを決定するのは上述した通りである。
以上のように、磁界強度が固定の場合には、起電力の測定値、及び上記起電力と上記磁界強度との関係を示す情報に基づいて非接触ICカードの状況を判断し、当該判断に応じて応答タイミング(タイムスロット)を決定することで、非接触ICカードの初期応答の衝突を減少させる事が可能になる。
また更に、以下のようにして非接触ICカードの状況を判断してもよい。
リーダライタが発生する磁界強度の規格は、例えば一般的な実装規約では磁界強度にある程度幅を持たせて定義されている。このような場合には、リーダライタによってリード位置における磁界強度が異なるため、上記方法が利用できない事になる。このような場合には、リーダライタが送信する初期応答リクエストに、当該リーダライタが発生している磁界強度の情報を含めて送信するとよい。
上記磁界強度の情報を含む初期応答リクエストを受信すると、上記非接触ICカード1301を構成する磁界強度取得手段1304は、当該初期応答リクエストより磁界強度の情報を取得し、上記応答タイミング決定手段1303に送信する。例えば上記磁界強度の情報が例えばポイント1505にて示される値であった場合、A‘1506(V)、B’1507(V)、C‘1508(V)が起電力と磁界強度との関係を示す情報から得られる値である。当該値と、測定手段1302が測定した起電力とを比較する事により、上記応答タイミング決定手段1303は、上記非接触ICカードの状況を判断可能である。
以後、応答タイミング決定手段1303は、初期応答リクエストにて与えられたタイムスロットから、応答に用いるタイムスロットを決定するのは上述した通りである。
以上のように、本発明に係る非接触ICカードは、磁界強度が固定ではない場合であっても、磁界強度取得手段が初期応答リクエストに含まれる磁界強度に関する情報を取得する事で、起電力の測定値、及び上記起電力と上記磁界強度との関係を示す情報に基づいて非接触ICカードの状況を判断することが可能となり、非接触ICカードの初期応答の衝突を減少させる事が可能になる。
尚、本実施の形態における図14、図15には、非接触ICカードが1枚の場合と2枚の場合についてのグラフのみ示したが、非接触ICカードが3枚以上の場合においても、それぞれ独立したグラフを得る事が可能である。従って同様の処理にて非接触ICカードの状況を判断可能である事はいうまでもない。
以上のように、他の非接触ICカードの初期応答や初期応答の衝突を判定し、さらに初期応答や初期応答の衝突があった場合には応答に利用するタイムスロットを変更することで、初期応答の衝突を最小限に抑えることが可能となる。
また、応答の有無の判定の実行を所定の確率で決定することにより、本発明に係る非接触ICカード同士の初期応答時にも、応答の衝突を軽減することが可能となる。
さらに、最終スロット判定手段を設けることで、可能であれば必ずタイムスロットの変更を行うことが可能となり、衝突の回避を行う場合が増加し、衝突の減少を図ることが可能となる。
また、起電力変化時の微分値、起電力の測定値、及び上記起電力と上記磁界強度との関係を示す情報に基づいて非接触ICカードの状況を判断し、当該判断に応じて応答タイミング(タイムスロット)を決定することで、非接触ICカードの初期応答の衝突を減少させる事が可能になる。
さらに、磁界強度が固定の場合には、起電力の測定値、及び上記起電力と上記磁界強度との関係を示す情報に基づいて非接触ICカードの状況を判断し、当該判断に応じて応答タイミングを決定することで、非接触ICカードの初期応答の衝突を減少させる事が可能になる。
また、磁界強度が固定ではない場合であっても、磁界強度取得手段が初期応答リクエストに含まれる磁界強度に関する情報を取得する事で、起電力の測定値、及び上記起電力と上記磁界強度との関係を示す情報に基づいて非接触ICカードの状況を判断することが可能となり、非接触ICカードの初期応答の衝突を減少させる事が可能になる。
本発明にかかる非接触ICカードは、初期応答の衝突を最小限に抑えることが可能であるため、タイムスロットを用いて応答する非接触ICカード等として有用である。
実施の形態1における非接触ICカードの機能ブロック図 実施の形態1における非接触ICカードのハードウェア構成図 実施の形態1における非接触ICカードが実行する処理のフローチャート タイムスロット及び初期応答のフォーマットを示す図 従来の非接触ICカード同士が初期応答を行う場合の衝突の確率を示す第1図 本発明に係る非接触ICカード同士が初期応答を行う場合の衝突の確率を示す第1図 従来の非接触ICカード及び本発明に係る非接触ICカードが初期応答を行う場合の衝突の確率を示す第1図 従来の非接触ICカード同士が初期応答を行う場合の衝突の確率を示す第2図 本発明に係る非接触ICカード同士が初期応答を行う場合の衝突の確率を示す第2図 従来の非接触ICカード及び本発明に係る非接触ICカードが初期応答を行う場合の衝突の確率を示す第2図 実施の形態2における非接触ICカードの機能ブロック図 実施の形態2における非接触ICカードが実行する処理のフローチャート 実施の形態3における非接触ICカードの機能ブロック図 非接触ICカードにおける起電力と磁界強度の関係を示す第1の図 非接触ICカードにおける起電力と磁界強度の関係を示す第2の図 リーダライタ及び非接触ICカードの通信状態を示すイメージ図 タイムスロット方式を示すイメージ図 初期応答リクエストパケットのフォーマットを示す図
符号の説明
101 非接触ICカード
102 応答判定手段
103 応答タイミング変更手段
104 利用決定手段
105 制御手段
106 送受信手段
107 アンテナ手段

Claims (8)

  1. リーダライタより送信されるリクエストに対して所定のタイムスロットを用いて応答する非接触ICカードにおいて、
    上記リーダライタから誘導される起電力を測定する測定手段と、
    上記測定手段が測定した起電力に基づいて応答するタイムスロットを決定する応答タイミング決定手段と、
    を具備することを特徴とする非接触ICカード。
  2. 非接触ICカードと上記リーダライタとの距離が一定であるに際して、
    上記応答タイミング決定手段は、予め記憶された起電力と磁界強度との関係を示す情報と、上記測定手段が測定した起電力とに基づいて上記タイムスロットを決定する請求項1に記載の非接触ICカード。
  3. さらに、上記リーダライタが出力する電磁波の磁界強度に関する情報を上記リクエストより取得する磁界強度取得手段を備える請求項2に記載の非接触ICカード。
  4. 上記応答タイミング決定手段は、
    上記起電力変化時の微分値と、予め記憶された起電力と磁界強度との関係を示す情報とに基づいて上記タイムスロットを決定する請求項1に記載の非接触ICカード。
  5. 上記測定手段が測定した起電力に基づいて、他の非接触ICカードとの位置関係を判定し、当該判定結果に基づいて上記タイムスロットを決定する請求項1に記載の非接触ICカード。
  6. リーダライタより送信されるリクエストに対して所定のタイムスロットを用いて応答する非接触ICカードの応答方法おいて、
    上記リーダライタから誘導される起電力を測定する測定ステップと、
    上記測定ステップにて測定した測定結果に基づいて上記所定のタイムスロットを決定する応答タイミング決定ステップと、
    を具備することを特徴とする応答方法。
  7. リーダライタより送信されるリクエストに対して所定のタイムスロットを用いて応答する非接触ICカードに、
    上記リーダライタから誘導される起電力を測定する測定ステップと、
    上記測定ステップにて測定した測定結果に基づいて上記所定のタイムスロットを決定する応答タイミング決定ステップと、
    を実行させるプログラム。
  8. リーダライタより送信されるリクエストに対して所定のタイムスロットを用いて応答する非接触ICカードに、
    上記リーダライタから誘導される起電力を測定する測定ステップと、
    上記測定ステップにて測定した測定結果に基づいて上記所定のタイムスロットを決定する応答タイミング決定ステップと、
    を実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能記録媒体。
JP2005310667A 2001-11-20 2005-10-26 非接触icカード、応答方法、及びそのプログラム Expired - Lifetime JP4134143B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005310667A JP4134143B2 (ja) 2001-11-20 2005-10-26 非接触icカード、応答方法、及びそのプログラム

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001354094 2001-11-20
JP2005310667A JP4134143B2 (ja) 2001-11-20 2005-10-26 非接触icカード、応答方法、及びそのプログラム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002329143A Division JP4133242B2 (ja) 2001-11-20 2002-11-13 非接触icカード、応答方法、及びそのプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006114054A true JP2006114054A (ja) 2006-04-27
JP4134143B2 JP4134143B2 (ja) 2008-08-13

Family

ID=36382467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005310667A Expired - Lifetime JP4134143B2 (ja) 2001-11-20 2005-10-26 非接触icカード、応答方法、及びそのプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4134143B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008141232A2 (en) * 2007-05-09 2008-11-20 Atmel Corporation Managing power and timing in a smart card device
US7958291B2 (en) 2006-10-10 2011-06-07 Atmel Rousset S.A.S. Supplemental communication interface
US9007176B2 (en) 2009-06-30 2015-04-14 Kabushiki Kaisha Toshiba Portable electronic apparatus and control method of portable electronic apparatus
JP2018190421A (ja) * 2017-05-03 2018-11-29 九齊科技股▲ふん▼有限公司 Rf伝送方法及びその装置
JP2021125232A (ja) * 2020-02-04 2021-08-30 富士フイルム株式会社 非接触式通信媒体、磁気テープカートリッジ、非接触式通信媒体の動作方法、及びプログラム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7958291B2 (en) 2006-10-10 2011-06-07 Atmel Rousset S.A.S. Supplemental communication interface
WO2008141232A2 (en) * 2007-05-09 2008-11-20 Atmel Corporation Managing power and timing in a smart card device
WO2008141232A3 (en) * 2007-05-09 2009-02-19 Atmel Corp Managing power and timing in a smart card device
US7845568B2 (en) 2007-05-09 2010-12-07 Atmel Rousset S.A.S. Managing power and timing in a smart card device
US9007176B2 (en) 2009-06-30 2015-04-14 Kabushiki Kaisha Toshiba Portable electronic apparatus and control method of portable electronic apparatus
JP2018190421A (ja) * 2017-05-03 2018-11-29 九齊科技股▲ふん▼有限公司 Rf伝送方法及びその装置
JP2021125232A (ja) * 2020-02-04 2021-08-30 富士フイルム株式会社 非接触式通信媒体、磁気テープカートリッジ、非接触式通信媒体の動作方法、及びプログラム
JP7376462B2 (ja) 2020-02-04 2023-11-08 富士フイルム株式会社 非接触式通信媒体及び磁気テープカートリッジ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4134143B2 (ja) 2008-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1313057B1 (en) Contactless IC card, responding method, and program therefor
US8643470B2 (en) Semiconductor integrated circuit, IC card mounted with the semiconductor integrated circuit, and operation method for the same
US7309018B2 (en) Semiconductor integrated circuit device and noncontact IC card
US8477017B2 (en) Method, system, and integrated circuit for communication in RFID or remote sensor systems
US20100130126A1 (en) Communication device, communication method, program and communication system
JP4134143B2 (ja) 非接触icカード、応答方法、及びそのプログラム
US7011250B2 (en) IC card reader/writer, identification method and program
JP2006073034A (ja) Icカード用リーダライタ、識別方法、プログラム及びその記録媒体
US7187692B1 (en) Information communication system, noncontact IC card, and IC chip
US10085268B2 (en) Communications device and communications system
EP1563445B1 (en) Contactless ic card
US10931331B2 (en) Communication device and method
EP1877952B1 (en) Circuit for a communication device and method of controlling a transmission
JP4133242B2 (ja) 非接触icカード、応答方法、及びそのプログラム
EP1697875B1 (en) Synchronization during anti-collision
JP2008129652A (ja) 無線通信装置
US8111672B2 (en) Method for data communication between a base station and a transponder
JP4426820B2 (ja) 非接触icカード
JP2003076955A (ja) リーダライタの干渉防止方法
US20090134977A1 (en) Method and apparatus for RFID device coexistance
EP2365672A1 (en) Method of selecting a protocol
KR100848639B1 (ko) Rfid 시스템에서 타임 슬롯 수를 결정하기 위한 장치및 이를 사용한 태그 인식 방법, 시스템
JP2009017526A (ja) 受信装置、リーダライタ、非接触id通信システムおよび受信装置の受信方法
JP2001307033A (ja) 非接触icカードリーダ
JP2010206437A (ja) 情報処理装置及び方法、プログラム、並びに情報処理システム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080507

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080602

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4134143

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120606

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120606

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130606

Year of fee payment: 5

EXPY Cancellation because of completion of term