JP2006109816A - 高周波併用超音波洗浄解凍機 - Google Patents

Abstract

【課題】従来の洗浄機と解凍機は、機構的には近い機器だが、別々の専用機として存在した為に、合体さす場合は両方に有利に働く機構に変えなくてはならない。洗浄機に必要な機能は洗浄能力の向上であり、解凍機に必要な機能は鮮度を保ったまま素早く解凍する性能である。一台の装置で両方の機能を持たせ、洗浄と解凍を行なう事のできる高周波併用超音波洗浄解凍機を提供する事である。
【解決手段】高周波交流電流を流す事で、被洗浄物の基材と汚染物との間を剥がれやすくし、剥がれやすくなった所へ超音波によるキャビテーションの衝撃を与え洗浄する。解凍は、被解凍物に同じく高周波交流電流を流し、極性の変化で細胞内の双極子を振動し、摩擦熱を発生させ細胞内部から解凍さすと共に、超音波で水にキャビテーション与え、その衝撃と摩擦で水温を若干加温し相乗効果で解凍速度を早める。
【選択図】 図１

Description

この発明は、食品業界や飲食業界で使用される調理器具や食器等の洗浄と、冷凍食材の解凍を一台で行なえるようにした高周波併用超音波洗浄解凍機の事である。

従来の機器は、洗浄なら洗浄機、解凍ならば解凍機と専用機器として存在していた。しかし、外食産業などでは冷凍食品が食材の中心を占め、また調理の方法も簡便なものに移行する中、狭い調理場でいかに有効に機器を使うかが今後の調理機器の使命を左右する。これからの機器は一機種一機能では無く、異なった用途を一つの機器で賄う必要性が生ずる。

従来の洗浄機と解凍機は機構的には近い機器だが、別々の専用機として存在した為、合体さす場合は、両方に有利に働く機構に変えなくてはならない。洗浄機に必要な機能は洗浄能力の向上であり、解凍機に必要な機能は短時間で鮮度を維持したまま解凍する性性能である。

課題を解決する為の手段

上記課題を解決する為には、洗浄能力を向上さす方法として、超音波のキャビテーションを利用した物理的洗浄の他に、高周波交流電流を被洗浄物に流し極性の変化を利用して付着物を剥離しやすい状態にし、剥離しやすく成った状態で被洗浄物にキャビテーションをぶつけ難洗浄物質を洗浄する機能。さらに解凍機では、高周波交流電流の極性の変化を利用し、被解凍物の内部で細胞どうしの摩擦で微小熱エネルギーを生み解凍を速やかに行なう。また同時に発生さす超音波では、洗浄槽（解凍槽）の水をキャビテーションの衝撃で水温を１０℃前後加温し解凍を助長させる。洗浄と解凍、この二つの異なった機能を同一機構で行える事を特徴とするものである。

発明の効果

請求項１に係わる発明は、異なった洗浄と解凍の機能を一つの機器で行なう事を目的とするもので、洗浄と解凍を同一装置で行なう為、高周波交流電源（出力電源装置）と超音波発生装置を組み込んだ高周波併用超音波洗浄解凍機である。

請求項２に係わる発明は、高周波交流電流を利用して被洗浄物の基材と、密着する付着汚染物の間にある電気導電性の違いを利用し、剥離しやすくして洗浄効果を高めるものである。

被洗浄物の基材と付着汚染物の間には導電性の違いがみられるが、導電性の違いは分子的にみれば電流の流れるスピードが個々に異なる事につながる。

電流の流れるスピードの相違と高周波の極性変化が加われば、通電中に被洗浄物の基材と密着する付着汚染物との間に、電流によるタイムラグが生じ摩擦が発生する。その事は、被洗浄物質の基材と密着する付着汚染物がズレて剥離しやすい状態に成る事を意味する。

請求項３に係わる発明は、請求項２で剥離しやすい状態に成った付着汚染物を、超音波で発生するキャビテーションを利用して、高周波や超音波単独作用では洗浄し難い、難洗浄物を両作用を組合せた事で、相乗効果による洗浄機能を高める機構である。

請求項４に係わる発明は、本発明を洗浄ではなく解凍に使う場合に起きる現象と効果に付いてである。まず洗浄槽（解凍槽）と電極に高周波交流電流を流すと、電極と接する洗浄籠に入っている被解凍物の間には電界の発生で電場と磁場が生ずる事になる。

この電界の中へ被解凍物を置くと、高周波（１００ｋＨｚ内外）の極性変化で、細胞内部の双極分子が激しく摩擦しあい微小の熱エネルギーに変換され、被解凍物の細胞内部から解凍が起こる。

それと同時に洗浄槽（解凍槽）内の水が、超音波によるキャビテーションの発生で、衝撃による摩擦熱で加温（１０℃前後）される。

極性の変化による双極分子間の発熱と、キャビテーションによる水温の上昇が相乗して被解凍物が素早く解凍できるのである。

この発明の実施例を図１、図２、図３、図４に示す。先ず、図１の高周波併用超音波洗浄解凍機の概要について述べる。

本発明は、本体ケーシング１と構造上同一の洗浄槽（解凍槽）２で構成され、その中に絶縁スペーサー４で本体ケーシング１並びに洗浄槽（解凍槽）２と隔てられた、洗浄籠収納ケース兼印加電極３が形成されている。

まず洗浄機として使用する場合、被洗浄物は洗浄籠６内に収容され洗浄籠収納ケース兼印加電極３に収められる。洗浄籠６と洗浄籠収納ケース兼印加電極３は共に金属（ＳＵＳ３０４）で作られている為、一体の電極を構成する。

図２において、安全を期する為の高周波電源（出力電源装置）７は、高圧にし電流値を感知電流（１ｍＡ）以下に保ち、周波数を１００ｋＨｚに調整し、洗浄籠収納ケース兼印加電極３と本施本体ケーシング１に結線されている。なお、本体ケーシング１からは筐体アース８が接地されている。

図３では、洗浄槽（解凍槽）２と水９をかいしてできた、洗浄槽（解凍槽）内部電界１０の中に浸漬した被洗浄物１１がある。

図３の左図は、高周波電源（出力電源装置）７の極性が変わる以前の被洗浄物１１の状態である。被洗浄物基材１２とそれに付着する汚染物１３、その内部の電子の配列である。

図３の右図は、高周波電源（出力電源装置）７の極性が変わった瞬間の、被洗浄物基材１２とそれに付着する汚染物１３、その内部の電子の配列である。極性が変わって双極子の向きが変わった状態。この現象を一分間に１００ｋＨｚで交番すると、被洗浄物基材１２と付着する汚染物１３との間に、導電性の違いや電磁波による振動でズレ１４が発生し、汚れが剥離しやすい状態になる。

その状態に、図１の超音波振動子５から発生する、キャビテーションの衝撃波を与えれば、難洗浄物でも容易に洗浄できる事となる。

次に解凍機として使用する場合であるが、図４の左図が高周波電源（出力電源装置）７の極性が変わる以前の被解凍物１５、被解凍物１５を分子レベルで見た場合の双極子１６。この状態から高周波電源（出力電源装置）７の極性が変わった瞬間の図が、図４の右図であり、双極子１６の向きが変わった様子が見て取れる。この現象も洗浄する際の情況と同じで、細胞分子間で摩擦が生じ細胞内部から解凍が始まる事を意味する。

これと同時に図１の超音波振動子５から、キャビテーションの衝撃波を与えれば、衝撃の摩擦熱で水温が若干上昇し（１０℃前後）、相乗効果で解凍時間が短縮される事となる。

高周波併用超音波洗浄解凍機の実施形態図 高周波併用超音波洗浄解凍機の結線図 被洗浄物と電界を表した状態図 被解凍物と電界を表した状態図

符号の説明

１本体ケーシング
２洗浄槽兼解凍槽
３洗浄籠収納ケース兼印加電極
４絶縁スペーサ
５超音波振動子
６洗浄籠兼解凍籠
７高周波電源（出力電源装置）
８筐体アース
９水
１０洗浄槽（解凍槽）内部電界
１１被洗浄物
１２被洗浄物基材
１３付着する汚染物
１４ズレ
１５被解凍物
１６双極子
１７−（マイナス）
１８＋（プラス）

Claims (4)

1. 高周波と超音波を組合せた、洗浄機能と解凍機能を同一の洗浄槽で行なえる高周波併用超音波洗浄解凍機。
2. 被洗浄物が金属の場合、被洗浄物の金属素材と付着汚染物の導電性の違いを利用し、高周波による極性の変化を摩擦エネルギーとして洗浄に利用した高周波併用超音波洗浄解凍機。
3. 高周波による極性の変化を応用した洗浄では、被洗浄物の素材と付着汚染物が剥離しやすい状態にとどまる為、超音波振動子から発するキャビテーションを与える事で物理的作用を付加し、難洗浄物質も洗浄できる高周波併用超音波洗浄解凍機。
4. 高周波による極性の変化は、被解凍物の内部細胞に摩擦を生じさせ、微小熱エネルギーを加え被解凍物を内部から解凍させる。さらに超音波振動子は、キャビテーションにより水槽内の水を暖めるので解凍を助ける事につながり、この二つの現象を組合せる事で相乗効果を高め、短時間に解凍する事ができる高周波併用超音波洗浄解凍機。

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