JP2006104634A - 織機の筬 - Google Patents

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JP2006104634A JP2004296721A JP2004296721A JP2006104634A JP 2006104634 A JP2006104634 A JP 2006104634A JP 2004296721 A JP2004296721 A JP 2004296721A JP 2004296721 A JP2004296721 A JP 2004296721A JP 2006104634 A JP2006104634 A JP 2006104634A
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Tomotoshi Miyamukai
智利 宮向
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【課題】織機に対する筬の互換性を損ねることなく、筬を織機に固定するときの管理幅を緩和すること、すなわち、筬が過大な挟持力で取り付けられても、筬羽割れなどによる織欠陥が生じないようにし、織機をより高速運転可能にする。
【解決手段】所定厚さの上向コ字断面の下チャンネル5を備えた織機の筬において、前記下チャンネルの上向の凹所11に挿入される筬羽の挿入下端部7をその直上の筬羽幅wより狭い幅狭平行部とする。更に好ましくは、下チャンネルの筬羽保持壁6a、6bの上縁部でピッチコイル3の前後を囲む高さとし、下チャンネルの筬羽保持壁6a、6bを、筬羽後縁側の壁厚が前縁側の壁厚より厚い非対称厚さとする。下チャンネル5に過大な挟持力が作用したときでも、下チャンネル5の変形量が小さく、筬羽割れなどが生ずるのを防止でき、織欠陥が生ずるのを防止できる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、織機の筬に関するもので、筬を織機に固定するときの過大な締め付け力によって生ずる筬羽割れを防止した筬に関するものである。
図7は、空気噴射織機における筬の固定構造を示した断面側面図で、23は筬、24はスレー、22は固定楔、25は補助ノズルである。図5は、一般的な筬の断面側面図で、(a)は全体を、(b)は筬羽下端部を拡大して示した図である。
周知のように筬23は、図の紙面直角方向に並べた多数の筬羽1の間隔をピッチコイル3で規定して、その上下の端部をコの字断面のチャンネル20、5の凹所11に挿入して樹脂で固めて固定した構造を備えている。チャンネル20、5の幅tは8mmで、筬羽の幅wは4mmであり、チャンネルの凹所11の前後の筬羽保持壁6a、6bの厚さaR、bRは、それぞれ2mmである。これらの寸法は、織機に対する筬羽の互換性を保証するために変更できないのが実情である。
空気噴射織機の筬羽1には、前縁(織前側の縁)の中央部を前方へ張り出させて上下の顎26が形成され、両者の間に横U字形の切欠2が形成されている。筬23の前面には、筬羽の上記切欠2によって、緯糸とその搬送空気流を案内する案内溝27が形成されている。補助ノズル25及び図示しない主ノズルは、この案内溝27に向けて緯糸搬送空気を噴射している。案内溝27の底面28は、筬羽1の上下端部の前縁29と同一線上に位置している。このように案内溝の底面28の位置を規定することにより、筬を交換しても織前の位置が変わらないようにしてある。
筬23は、織機のスレー24に設けられた固定溝31に挿入した下チャンネル5を、その背後側(ヘルド側)に挿入した固定楔22と、固定溝31の前壁32とで挟持して、取り付けられている。固定溝31の後壁面33は、傾斜面となっており、この傾斜面と下チャンネル5との間に挿入された図7の紙面直角方向に長い固定楔22を、図7の紙面直角方向に所定ピッチで設けられた締結ボルト34で押し込むことにより、傾斜面33の楔作用で固定楔22を筬23側に付勢して、下チャンネル5を前後方向に挟持しているのである。
スレー24は、その下方の図7の紙面直角方向の軸回りに前後(図7の左右)に揺動して筬打ち運動を行っている。織機が高速になると、その揺動ストローク端で筬23を前後に倒す方向の大きな慣性力が働く。また、軸回りの揺動運動であるため、揺動ストロークの中間部で筬23を上方へ引き抜く方向の大きな遠心力が作用する。筬23はこれらの外力に抗して安定に保持される必要があるため、織機が高速になればなるほど、筬23をより強い力でスレー24に固定する必要がある。
図7の構造で筬23の固定力を大きくするには、締結ボルト34の締め付け力を大きくする必要がある。しかし、締結ボルト34は、ある間隔を持って配置され、固定楔22も完全な剛体ではありえないので、締結ボルト34の締め付け力を大きくすればするほど、締結ボルト34が設けられている部分と隣接する2本の締結ボルトの間の部分とで、下チャンネル5に作用する挟持力に大きさ差が生じるようになる。この挟持力の差は、主として下チャンネル5の厚み方向の変形と、固定楔22の撓みに起因する。
すなわち、下チャンネルの凹所11に筬羽1の下端部が挿入され、かつ隙間が樹脂で埋め固められているとはいえ、樹脂は金属に比べて遥かに変形が大きく、筬羽1も薄いステンレス板材であるため撓みやすく、従って固定楔22から作用する挟持力によって下チャンネル5に厚さ方向の圧縮変形が生ずる。一方、固定楔22は、締結ボルト34によって固定溝31に押し込まれるが、隣接する2本の締結ボルトの間の部分では、上方へ逃げるように撓み変形し、この変形した部分では、下チャンネル5の挟持力が低下する。締結ボルト34の締め付け力を大きくすればするほど固定楔22の撓みは大きくなり、下チャンネル5は、締結ボルト34が設けられている部分で局部的に強く挟持されることになり、下チャンネル5の局部的な変形がその部分の筬羽1の撓みとなって現れ、筬羽の間隔が不揃いになる筬羽割れと呼ばれる現象が生ずる。そして、筬羽割れが生ずると、織布に織り筋が生じ、欠陥品となってしまう。
この問題を避けるには、締結ボルト34の締め付け力の管理が必要で、その許容幅は織機が高速になればなるほど狭くなり、遂にはゼロになって織機の高速化を妨げる要因となる。また、許容幅が狭くなると、その管理が困難となり、精度の高い工具と作業者の高いモラル及びスキルを必要とする。
しかし、現実には製織工場が世界中の広い地域に分布するようになっており、地域によっては工具が不備であったり、言語や生活習慣の違いによって意思伝達や管理が十分行われないために、必要な締結ボルト34の締め付け力の管理ができず、織物が欠陥品となったり、所期の速度で織機を運転できないなどの問題が発生している。
この発明は、織機に対する筬の互換性を損ねることなく、筬を織機に固定するときの管理幅を緩和すること、すなわち、筬が過大な挟持力で取り付けられても、筬羽割れなどによる織欠陥が生じないようにすることを課題としており、逆の観点から見れば、十分な管理が可能な場合には、織機をより高速運転することが可能な技術手段を得ることを課題としている。
本願請求項1の発明に係る筬は、所定厚さの上向コ字断面の下チャンネル5を備えた織機の筬において、前記下チャンネルの上向の凹所11に挿入される筬羽の挿入下端部7がその直上の筬羽幅wより狭い幅狭平行部とされていることを特徴とするものである。
本願請求項2の発明に係る筬は、所定厚さの上向コ字断面の下チャンネル5を備えた織機の筬において、前記下チャンネルの上向の凹所11に挿入される筬羽の挿入下端部7がその直上の筬羽幅wより狭い幅狭平行部とされ、前記下チャンネルの筬羽保持壁6a、6bはその上縁部でピッチコイル3の前後を囲む高さを備えていることを特徴とするものである。
本願請求項3の発明に係る筬は、上記請求項1又は2記載の筬において、前記下チャンネルの筬羽保持壁6a、6bは、筬羽後縁側の壁厚が前縁側の壁厚より厚い非対称厚さを備えていることを特徴とするものである。
前述したように、筬の互換性を確保する観点から、下チャンネル5の厚さ(8mmが標準)や、スレーの固定溝の前壁32と筬打ち面(案内溝27の底面)28の位置関係を変更することができない。この発明の筬は、筬羽1の下端部の下チャンネルの凹所11に挿入される部分の幅u(u1、u2、u3、u4)をその直上部分の幅wより狭くし、その狭くした分だけ下チャンネルの筬羽保持壁6a、6bの厚さa(a1、a2、a3、a4)、b(b1、b2、b3、b4)を厚くすることにより、下チャンネル5の剛性を高くし、局部的な高い挟持力に抵抗できるようにしている。
筬羽の下端部7を幅狭にしたことによる筬羽側の強度低下を回避するために、請求項2記載の筬では、下チャンネルの筬羽保持壁6a、6bの高さを、その上縁がピッチコイル3の上端を越えない高さにまで高くして、その上縁部の間に充填される樹脂で筬羽1と下チャンネル5との結合関係がより強固になるようにしている。
筬羽保持壁6a、6bの上縁の高さをピッチコイル3の上縁を越えない高さとしているのは、それ以上の高さにすると、経糸の開口幅が下チャンネル5の上縁によって制限されるという事態が生ずるからである。
下チャンネル5の前面は、下チャンネル5や固定楔22より遥かに剛性の高いスレー24によって規定されている。従って、筬羽の下端部7を幅狭とした寸法を総て背後側の筬羽保持壁6bの厚さを厚くするのに用いるのが合理的である。更に筬羽の下端部7の前縁をその直上部分の前縁より前方へ張り出させて、その張り出させた分だけ前方の筬羽保持壁6aの厚さaを薄くし、この前縁を張り出した分と筬羽の下端部7を幅狭とした分の合計寸法を、背後側の筬羽保持壁6bの厚さbを厚くするのに用いることもできる。
固定楔22からの局部的な挟持力によって背後側の筬羽保持壁6bに生ずる撓みは、その厚さの3乗に反比例するから、厚さの増加分が僅かであっても、局部的な過大締め付け力による筬羽割れを防止する作用が得られる。
上記のような構成及び作用を備えたこの発明の筬によれば、下チャンネル5に過大な挟持力が作用したときでも、下チャンネル5の変形量が小さく、従って筬羽割れなどが生ずるのを防止でき、織欠陥が生ずるのを防止できる。そのため、筬の取付作業に対する管理幅が緩和され、工具の精度や作業者のスキルが十分でない製織工場においても、織欠陥を生じないで織機の性能を十分に生かした高速製織が可能になる。
また、締付け力の管理が十分行われる場合には、より強い力で筬を固定することが可能になり、織機のより高速な運転が可能になるという効果がある。
図1ないし図4は、この発明の第1ないし第4実施例を示す図、図5は比較のために示した従来の筬羽の図で、各図の(a)は筬全体の断面側面図、(b)は下端部の拡大断面図である。筬羽1は、前縁中央部に切欠2を有する空気噴射織機用の筬羽で、ピッチコイル3が設けられている部分の筬羽の幅wは、いずれも4mmであり、切欠2の底部における筬羽の幅も4mmである。いずれの筬羽1も、図6の筬羽単体の正面図に示すように、薄いステンレス板の打ち抜き成形品である。
図5に示す従来構造の筬では、下チャンネル5に挿入されている筬羽の下端部の幅uRはその直上部の幅wと同じ4mm、下チャンネルの前後の筬羽保持壁6a、6bの厚さaR、bRは共に2mm、凹所11の幅cRは4mmであり、筬羽の下端部7とピッチコイル装着部8との間の筬羽の前縁及び後縁は、段差を有していない。ちなみに、従来の下チャンネル5の高さhは18mm、筬羽の下端部7の挿入深さdは15mm、凹所の底の厚さは3mmで、前面側の下隅に1mmの面取りgがなされている。
本発明の実施例を示す図1ないし図4の下チャンネル5の厚さt、高さh、凹所の深さd及び底の厚さfは同一寸法で、t=8mm、h=23mm、d=15mm、f=3mmであり、従来のものと同様に前面下縁に1mmの面取りgがなされている。
下チャンネル5の上端部内側には、ピッチコイル3の外径が収まる寸法の凹み10が設けられており、この凹みの下端からの筬羽挿入凹所の深さdは、15mmである。凹み10は、下チャンネルの厚さt中心を円弧中心とする形状で設けられており、従って前後の筬羽保持壁6a、6bの厚さが異なるときは、凹み10の形状は前壁側のものと後壁側のものとが非対称形状になる。
第1実施例の筬羽1は、その下端から15mmの高さのところで前縁と後縁とにそれぞれ0.5mmの段差を設けて、下チャンネル5に挿入される下端部7の幅u1を3mmとしている。そして、下端部7を幅狭としたことに対応して、前後の筬羽保持壁6a、6bの厚さa1、b1をそれぞれ2.5mmとし、凹所11の幅c1を3mmとしている。
筬羽の下端部7を下チャンネル5に挿入した状態で、この幅狭にした下端部が下チャンネルの凹所11に挿入され、ピッチコイル3が凹み10の内側に収まるから、この状態で凹所11及び凹み10内に樹脂を充填して硬化させることにより、筬羽1を下チャンネル5に固定する。
図2に示した第2実施例では、筬羽1の下端から15mmの高さのところで後縁に0.5mmの段差を設けて、下チャンネル5に挿入される下端部7の幅u2を3.5mmとしている。前縁には段差は設けられていない。そして、下端部7の後縁側を狭くしたことに対応して、背後側の筬羽保持壁6bの厚さb2を2.5mmとし、凹所11の幅c2を3.5mmとしている。前側の筬羽保持壁6aの厚さa2は従来と同じ2mmである。
図3に示した第3実施例では、筬羽1の下端から15mmの高さのところで後縁に1mmの段差を設けて、下チャンネル5に挿入される下端部7の幅u3を3mmとしている。前縁には段差は設けられていない。そして、下端部7の後縁側を狭くしたことに対応して、背後側の筬羽保持壁6bの厚さb3を3mmとし、凹所11の幅c3を3mmとしている。前側の筬羽保持壁6aの厚さa3は従来と同じ2mmである。
図4に示した第4実施例では、筬羽1の下端から15mmの高さのところで後縁に1.5mmの段差を設け、前縁を0.5mm張り出させている。下チャンネル5に挿入される下端部7の幅u3は3mmである。そして、下端部7の後縁側を狭くし前縁側を張り出させたことに対応して、背後側の筬羽保持壁6bの厚さb4を3.5mmとし、凹所11の幅を3mmとし、前側の筬羽保持壁6aの厚さa4を1.5mmとしている。
上チャンネル20及びその凹所に挿入される筬羽の上端部21の形状は、特に限定されないが、凹所の幅c4が4mmで、ピッチコイル3囲まない高さの、従来と同じ形状のものでよい。
背後側の筬羽保持壁6bの厚さが厚いほど、固定楔22の挟持力に対する下チャンネル5の剛性を高くできる。一方、下チャンネルに挿入される筬羽の下端部7の幅uは、広い方が各筬羽1と下チャンネル5との固定が強固である。本願発明者らが行った試験では、下端部の幅uを2mmにすると、筬羽1と下チャンネル5の固定部の強度が低下して、実用上問題が生じた。一方、下端部の幅uが3.5mm以上であると、下チャンネル5の剛性の向上効果が発揮されない。従って、好ましい下端部の幅uは、2.5〜3.5mm、より好ましくは2.8〜3.2mm程度である。
第1実施例の断面側面図 第2実施例の断面側面図 第3実施例の断面側面図 第4実施例の断面側面図 従来構造の断面側面図 1枚の筬羽を示す正面図 筬の取付け構造を示す断面側面図
符号の説明
3 ピッチコイル
5 下チャンネル
6a 筬羽保持壁
6b 筬羽保持壁
7 筬羽の下端部
11 凹所
w 筬羽の幅

Claims (3)

  1. 所定厚さの上向コ字断面の下チャンネル(5)を備えた織機の筬において、前記下チャンネルの上向の凹所(11)に挿入される筬羽の挿入下端部7がその直上の筬羽幅(w)より狭い幅狭平行部とされている、筬。
  2. 所定厚さの上向コ字断面の下チャンネル(5)を備えた織機の筬において、前記下チャンネルの上向の凹所(11)に挿入される筬羽の挿入下端部(7)がその直上の筬羽幅(w)より狭い幅狭平行部とされ、前記下チャンネルの筬羽保持壁(6a,6b)はその上縁部でピッチコイル3の前後を囲む高さを備えている、筬。
  3. 前記下チャンネルの筬羽保持壁(6a,6b)は、筬羽後縁側の壁厚が前縁側の壁厚より厚い非対称厚さを備えている、請求項1又は2記載の筬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102330259A (zh) * 2011-07-18 2012-01-25 吴江市锦邦纺织品有限公司 带筘片绷紧装置的钢筘

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