JP2006103521A - 電動式車輪駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 路面に対して主に垂直方向に作用する衝撃荷重が発生した場合でも、可動ローラがくさびから抜けるというような不具合を防止することができる、信頼性の高い電動式車輪駆動装置を提供する。
【解決手段】 車輪3のホイール1の内径側に電動モータ5と摩擦ローラ式変速機6を組み込んだ電動式車輪駆動装置であって、摩擦ローラ式変速機6の可動ローラ38は、そのくさび角αの中心線が路面に対して略平行となるように配置されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電動式車輪駆動装置に関し、特に、四輪自動車、二輪自動車、ゴルフカート或は高齢者や障害者用の三輪或は四輪のカート、建設現場や輸送業界で使用する手押し式の一輪車乃至は四輪車等、各種車両を電動駆動式とする(電動により補助動力を付与する場合も含む)場合に使用する電動式車輪駆動装置に関する。
電動式車輪駆動装置は、電動自動車の駆動装置として電動モータを組み込み、この電動モータの駆動力を、減速機を介して出力軸に伝達する。この電動式車輪駆動装置に利用される減速機として、摩擦ローラ式変速機を採用したものが種々提案されている。
摩擦ローラ式変速機は、電動モータで駆動される回転駆動軸の外周面と、回転駆動軸に対して偏心した状態で、出力軸と共に回転自在に設けられた外輪の内周面との間に、少なくとも一つのガイドローラとくさび作用により押付け力を発生する少なくとも一つの可動ローラとを具備する。そして、この変速機は、伝達すべきトルクの大きさに応じて、摩擦係合により各ローラの周面同士の当接圧を変化させ、良好な伝達効率を確保している(例えば、特許文献1〜7参照。)。
特開平10−329780号公報 特開平10−316081号公報 特開平10−252853号公報 特開2002−13604号公報 特開平10−281248号公報 特開平10−281249号公報 特開2001−271897号公報
ところで、電動自動車が路面の凹凸等を走行する際には、路面に対して主に垂直方向の衝撃荷重を受けることになる。しかしながら、そのような衝撃荷重が発生した場合、可動ローラの配置によっては、可動ローラがくさびから抜ける方向に荷重が作用することになり、可動ローラが圧縮ばねでくさび方向に押されている場合でも、その衝撃荷重が過大であると、可動ローラがくさびから抜け、動力伝達不能という不具合が考えられる。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、路面に対して主に垂直方向に作用する衝撃荷重が発生した場合でも、可動ローラがくさびから抜けるというような不具合を防止することができる、信頼性の高い電動式車輪駆動装置を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 車輪のホイールの内径側に電動モータと摩擦ローラ式変速機を組み込んだ電動式車輪駆動装置であって、
前記摩擦ローラ式変速機は、前記電動モータで駆動される回転駆動軸の先端部の周囲に、該回転駆動軸に対し偏心した状態で、前記車輪と共に回転自在に設けられた外輪と、該回転駆動軸の外周面である駆動側円筒面と前記外輪の内周面である被駆動側円筒面との間に存在して、径方向に関する幅が円周方向に関して不同である環状空間内に配置される、それぞれの外周面を動力伝達用円筒面とした、少なくとも1個のガイドローラおよび少なくとも1個の可動ローラとを具備し、
前記可動ローラは、そのくさび角の中心線が路面に対して平行となるように配置されていることを特徴とする電動式車輪駆動装置。
本発明の電動式車輪駆動装置によれば、路面に対して主に垂直方向に作用する衝撃荷重が発生した場合でも、可動ローラがくさびから抜けるというような不具合を防止することができ、より信頼性の高いものとなる。
以下、本発明の実施の形態に係る摩擦ローラ式変速機について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電動式車輪駆動装置の内部構造を示し、図2のI-I線に沿った断面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。
本発明の実施の形態に係る電動式車輪駆動装置は、ホイール1の周囲にタイヤ2を支持して成る車輪3と、この車輪3を回転駆動する為に、このホイール1の内径側に設けた駆動手段とを備える。そして、この駆動手段を図示しない懸架装置に支持すると共に、この駆動手段の周囲にホイール1を回転自在に支持する事により、車輪3は懸架装置に回転自在に支持される。
この駆動手段は、電動モータ5とくさび作用を利用した摩擦ローラ式変速機6とを動力の伝達方向に関して互いに直列に接続して成る。ここで、くさび作用を利用した摩擦ローラ式変速機とは、電動モータで駆動される回転駆動軸の先端部の周囲に、該回転駆動軸に対し偏心した状態で、車輪と共に回転自在に設けられた外輪と、該回転駆動軸の外周面である駆動側円筒面と外輪の内周面である被駆動側円筒面との間に存在して、径方向に関する幅が円周方向に関して不同である環状空間内に配置される、それぞれの外周面を動力伝達用円筒面とした、少なくとも1個のガイドローラおよび少なくとも1個の可動ローラとを備えた変速機のことを言う。又、可動ローラとは、くさび作用により押付け力を発生するローラであり、半径方向、円周方向に動くローラのことを言う。
電動モータ5は、有底円筒状のモータケース7を有する。このモータケース7は、基端部(図1の左端部)に底板部8を有する有底円筒状の主体9と、この主体9の先端(図1の右端)開口部に被着固定した蓋板10とを組み合わせて成る。この主体9の周壁部11の外周面の中心軸と内周面の中心軸とは互いに偏心させて、この周壁部11の肉厚を、円周方向に関して不同にしている。この様な主体9の基端面複数個所にはねじ孔(図示略)を形成しており、図示しない懸架装置の構成部品を挿通した、やはり図示しない複数本のボルトをこれら各ねじ孔(図示略)に螺合し更に緊締する事により、主体9を懸架装置に結合固定自在としている。又、蓋板10の片面(図1の左面)には、主体9の先端開口部にがたつきなく嵌合自在な環状突部13を形成している。この環状突部13の中心と蓋板10の外周面の中心とは、周壁部11の外周面と内周面とが偏心しているのに合わせて、互いに偏心させている。この様な蓋板10は、環状突部13を主体9の先端開口部に内嵌した状態でこの主体9の先端開口部に付着し、更に複数本のねじ14により、この主体9に対し結合固定している。
この様にしてこの主体9と蓋板10とを互いに結合固定して成る、モータケース7の両端部には、それぞれ支持孔15と通孔16とを、互いに同心に、且つ、周壁部11の内周面と同心に形成している。そして、支持孔15及び通孔16の内側に、電動モータ5を構成する回転駆動軸17の基端部(図1の左端部)及び中間部先端寄り(図1の右寄り)部分を、それぞれ回転自在に支持している。このうち、主体9の底板部8の中央部に設けた支持孔15の内側には、回転駆動軸17の基端部を、深溝型或はアンギュラ型の玉軸受の如き、ラジアル、アキシアル両方向の荷重を支承自在な転がり軸受18により、回転自在に支持している。これに対して、蓋板10の中央部に設けた通孔16の内側には、回転駆動軸17の中間部先端寄り部分を、深溝型或はアンギュラ型の玉軸受の如き、ラジアル、アキシアル両方向の荷重を支承自在な転がり軸受19により、回転自在に支持している。
この様にしてモータケース7に対し回転自在に支持された回転駆動軸17の中間部で、1対の転がり軸受18、19の間部分には、永久磁石等により構成したロータ20が、回転駆動軸17に対する回転を阻止した状態で外嵌支持される。これに対して、周壁部11の内周面でロータ20の外周面に対向する部分には、ステータ21が支持固定される。
又、蓋板10の他面(図1の右面)の径方向中間部で、円周方向3箇所位置には、凸部25が形成されており、これら凸部25の先端面に、連結板26を結合固定している。連結板26は、その両側面のうち、凸部25に対向する片面(図1の左面)の円周方向3個所位置に突部27を形成しており、各突部27の先端面と凸部25の先端面とを互いに突き当てた状態で、3本のボルト28により、蓋板10に対し固定される。尚、図示の例では、各突部27の外周縁部と凸部25の内周縁部との間にインロー嵌合部を設けて、蓋板10に対する連結板26の径方向に関する位置決めを図っている。この様にしてこの連結板26を蓋板10に対し結合固定した状態で、3箇所の突部27が回転駆動軸17の先端部周囲を覆う状態となる。又、この回転駆動軸17の先端は、連結板26の片面中央部に形成した凹孔29に緩く侵入した状態となる。
又、連結板26の他面(図1の右面)中央部には支持軸30が、蓋板10と反対側に突出する状態で突設している。そして、この支持軸30の外周面及びモータケース7の主体9の先端部外周面と、ホイール1の内周面の2箇所との間に設けた、深溝型或はアンギュラ型の玉軸受の如き、ラジアル、アキシアル両方向の荷重を支承自在な転がり軸受31a、31b,31cにより、ホイール1は図示しない懸架装置に対し回転自在に支持される。この状態で、ホイール1は、主体9の外周面と同心に配置される。従って、このホイール1とこの主体9の内周面とは互いに偏心している。
そして、この様な位置関係でこの主体9に対し回転自在に支持された、ホイール1の中間部内周面と、回転駆動軸17の先端部との間の径方向中間部には、摩擦ローラ式変速機6を構成する為の外輪32を配置している。この為に本形態の場合には、ホイール1のディスク部1aの一側面(図1の左面)に保持リング33を複数本のボルト34により結合固定すると共に、保持リング33の外径側にスプライン係合させた外輪32を、止め輪35により、図1に示した所定位置に保持している。保持リング33と外輪32を係合するスプラインには、十分な遊びを設けてあり、保持リング33に対し、外輪32が半径方向にスプラインの遊び分、自由に動けるようにしてある。これにより,製造誤差、運転時の部品の変形を許容するようにしてある。この状態でこの外輪32の内周面は、ホイール1とほぼ同心になり、回転駆動軸17の外周面とは互いに偏心した状態となる。従って、外輪32の内周面と回転駆動軸17の先端部外周面との間には、径方向に関する幅が円周方向に関して不同である環状空間36が設けられる。
この様な環状空間36内には、2個のガイドローラ37a、37bと1個の可動ローラ38とが、可動ローラ38が上部中央に位置するようにして設置されている。図2において、可動ローラ38は切欠いて部分的に示される。これら各ローラ37a、37b、38を設置する為に環状空間36部分には、3本の支持軸39a、39a、39bを設けている。これら3本の支持軸39a、39a、39bのうち、図2の下部右側及び下部左側に位置する2本の支持軸39a,39aは、それぞれの両端部を蓋板10及び連結板26に形成した嵌合孔40、40に圧入固定もしくは、がたつきなく嵌合している。従って、これら2本の支持軸39a,39aが、環状空間36内で円周方向或は直径方向に変位する事はない。これに対して、3本の支持軸39a、39a、39bのうち、図2の上部に位置する残り1本の支持軸39bは、両端部を蓋板10及び連結板26に対し、外輪32の円周方向及び直径方向に関する若干の変位可能に支持している。この為に、蓋板10及び連結板26の一部で1本の支持軸39bの両端部に整合する部分に、この支持軸39bの外径よりも大きな内径を有する支持孔41を形成し、これら各支持孔41に、支持軸39bの両端部を緩く係合させている。
そして、上述の様に支持した各支持軸39a、39a、39bの中間部周囲に、それぞれ各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38が、それぞれラジアルニードル軸受42、42等の軸受(可動ローラの軸受は図示省略)により、回転自在に支持される。尚、連結板26を蓋板10に結合固定する為、この連結板26の片面に突設した、各突部27は、この連結板26の円周方向に関して、各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38同士の間に存在する。言い換えれば、環状空間36内に各突部27と各ガイドローラ37a、37b又は可動ローラ38とが、環状空間36の円周方向に関して交互に存在する。又、これら各ガイドローラ37a、37b又は可動ローラ38の外周面と各突部27の円周方向側面とが干渉する(擦れ合う)事はない。
この様にして、上記各支持軸39a、39a、39bにより上記蓋板10と連結板26との間に回転自在に支持した、上記各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38の外周面である、動力伝達用円筒面43a、43a、43bは、それぞれ回転駆動軸17の先端部の外周面である駆動側円筒面44と外輪32の内周面である被駆動側円筒面45とに当接させている。前述した通り、各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38を設置した環状空間36の径方向に関する幅は、円周方向に関して不同である。この様に、この環状空間36の幅寸法を円周方向に関して不同にした分、ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38の外径を異ならせている。即ち、ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38のうち、それぞれ外輪32に対し回転駆動軸17の先端部が偏心している側(図2の右上側)に位置する可動ローラ38及びガイドローラ37bの外径を、互いに同じにすると共に比較的小径にしている。これに対し、外輪32に対し回転駆動軸17の先端部が偏心しているのと反対側(図2の左下側)に位置するガイドローラ37aの外径を、可動ローラ38及びガイドローラ37bの外径よりも大きくしている。そして、ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38の外周面である各動力伝達用円筒面43a、43a、43bを、それぞれ駆動側、被駆動側円筒面44、45に当接させている。
尚、上記各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38のうち、各ガイドローラ37a、37bを支持した支持軸39a、39aの両端部は、前述の様に、蓋板10及び連結板26に対し(環状空間36内に)固定されている。これに対して、可動ローラ38を支持した支持軸39bは、やはり前述した様に蓋板10及び連結板26に対し(環状空間36内に)、円周方向及び直径方向に関する若干の変位を可能に支持している。従って、可動ローラ38も、環状空間36内で円周方向及び直径方向に若干の変位可能である。そして、蓋板10及び連結板26のシリンダ孔46内に設置した、圧縮ばね等の弾性材47により、可動ローラ38を支持した支持軸39bを、これら支持軸39bに回転自在に支持した可動ローラ38を環状空間36の幅の狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
ここで、可動ローラ38の動力伝達用円筒面43bが回転駆動軸17の駆動側円筒面44と外輪32の被駆動側円筒面45と当接した際の各接線によってくさび角αが構成され、くさび角αの頂点Aと可動ローラ38の中心点Oを結ぶことで、くさび角αの中心線Pが与えられている。可動ローラ38は、このくさび角αの中心線上に沿って環状空間36内を変位する。また、摩擦ローラ式変速機6の可動ローラ38の配置に関しては、可動ローラ38におけるくさび角αの中心線Pが、使用状態において、タイヤ2の接地面S(路面T)に対して略平行となるようにして、連結板26がモータケース7に結合固定される。
上述の様に構成する本発明の電動式車輪駆動装置により車輪を回転駆動する場合には、電動モータ5に通電する事により、この電動モータ5の回転駆動軸17を、図2の時計回りに回転させる。この回転駆動軸17の回転は、各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38を介して外輪32に伝わり、これら各ローラ37a、37b、38を、図2の反時計回りに回転させる。更にこれら各ローラ37a、37b、38の回転は、外輪32に伝わり、この外輪32をホイール1と共に、図2の反時計回りに回転させる。回転駆動軸17とガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38との間の動力伝達、並びに、これらガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38と外輪32との間の動力伝達は、何れも摩擦伝達により行なわれる為、動力伝達時に発生する騒音並びに振動は低い。
又、可動ローラ38は、回転駆動軸17から外輪32に伝達するトルクの大きさに応じた力で、環状空間36の幅が狭い部分(図2の上部中央部分)に食い込む傾向となる。この為、回転駆動軸17の外周面である駆動側円筒面44とガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38の外周面である動力伝達用円筒面43a、43a、43bとの当接部、並びに、これら各動力伝達用円筒面43a、43a、43bと外輪32の内周面である被駆動側円筒面45との当接部の面圧は、何れも、トルクが大きくなる程高くなる。逆に言えば、このトルクが小さい場合には、各当接部の面圧が低い状態となる。この為、これら各当接部の面圧を、伝達すべきトルクに合わせた適正値にして、トルク伝達を効率良く行なえる。
即ち、回転駆動軸17の先端部が図2で時計回りに回転し、外輪32を反時計回りに回転させる際には、可動ローラ38が、回転駆動軸17の先端部の外周面である駆動側円筒面44及び外輪32の内周面である被駆動側円筒面45から、弾性材47による押圧力と同方向の力を受けて、環状空間36の幅の狭い部分、即ち、図2の右側に向け移動する傾向となる。
この結果、可動ローラ38の外周面である動力伝達用円筒面43bが、駆動側円筒面44と被駆動側円筒面45とを強く押圧する。そして、この動力伝達用円筒面43bと駆動側円筒面44との当接部である内径側当接部48、及び、この動力伝達用円筒面43bと被駆動側円筒面45との当接部である外径側当接部49の当接圧が高くなる。この様に可動ローラ38に関する内径側、外径側両当接部48、49の当接圧が高くなると、この可動ローラ38の外周面である動力伝達用円筒面43bにより押圧される、回転駆動軸17及び外輪32が、弾性変形や組み付け隙間により、直径方向に僅かに変位する。この結果、各ガイドローラ37a、37bに関する内径側、外径側両当接部48、49の当接圧が高くなる。そして、これら各内径側、外径側両当接部48、49での摩擦係合に基づき、回転駆動軸17の先端部の回転力を、ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38を介して外輪32に伝達自在となる。
上述の様にして、可動ローラ38を環状空間36の幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、回転駆動軸17の先端部から外輪32に伝達する回転駆動力の大きさに応じて変化する。そして、この力が大きくなる程、内径側、外径側両当接部48、49の当接圧が高くなる。従って、この様な作用に基づき、伝達する回転駆動力に応じた当接圧を自動的に選定して、摩擦ローラ式変速機の伝達効率を確保できる。
本形態の場合には、摩擦ローラ式変速機6は、ワンウェイクラッチ機能を備えており、外輪32の回転速度が回転駆動軸17の回転速度に見合う速度、即ち、この回転駆動軸17の回転速度を摩擦ローラ式変速機6の減速比で割った速度よりも速くなった場合には、この摩擦ローラ式変速機6の接続が断たれる。即ち、この場合には、可動ローラ38が、弾性材47の弾力に抗して、環状空間36の幅の広い側(図2の左側)に変位する。この結果、内径側、外径側両当接部48、49の当接部が低下若しくは喪失して、外輪32の回転が回転駆動軸17にまでは伝わらなくなる。従って、本形態の構造は、車輪3を一方向にのみ回転駆動する場合に適切な構造である。
尚、摩擦ローラ式変速機6の減速比は、回転駆動軸17の先端部の外径と外輪32の内径との比を変える事により、任意に調節可能である。電動自動車用の電動式車輪駆動装置に組み込む摩擦ローラ式変速機6を考えた場合、減速比は3〜9程度の範囲で設定可能である。しかも、この程度の減速比を得るのであれば、回転駆動軸17の先端部の外径を小さくする事により十分に対応可能である為、減速比を大きくする事に伴って摩擦ローラ式変速機6が大型化する事はない。従って、電動モータ5として、高速型で小型・軽量のものを使用する事ができて、電動式車輪駆動装置全体としての小型・軽量化も図れる。この為、ディスクロータ等の制動用部品と共に、限られた空間内に設置しなければならない、電動式車輪駆動装置の設計の容易化を図れる。又、ばね付きの懸架装置を有する自動車に組み込む場合、所謂ばね下荷重の軽減により、乗り心地や走行安定性を中心とする電動自動車の走行性能の向上にも寄与できる。また、小型且つ軽量に構成でき、十分な走行性能を得易く、しかも運転時に発生する騒音が低い電動式車輪駆動装置を低コストで実現できる。
以上の様に、本実施形態の電動式車輪駆動装置によれば、摩擦ローラ式変速機6の可動ローラ38は、そのくさび角αの中心線が路面に対して略平行となるように配置されているので、路面に対して主に垂直方向に作用する衝撃荷重が発生した場合でも、可動ローラ38がくさびから抜けるというような不具合を防止することができ、信頼性を向上することができる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本発明の実施の形態に係る電動式車輪駆動装置の内部構造を示し、図2のI-I線に沿った断面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。
符号の説明
1 ホイール
2 タイヤ
3 車輪
5 電動モータ
6 摩擦ローラ式変速機
7 モータケース
8 底板部
9 主体
10 蓋板
11 周壁部
13 環状突部
14 ねじ
15 支持孔
16 通孔
17 回転駆動軸
18 転がり軸受
19 転がり軸受
20 ロータ
21 ステータ
25 凸部
26 連結板
27 突部
28 ボルト
29 凹孔
30 支持軸
31a、31b、31c 転がり軸受
32 外輪
33 保持リング
34 ボルト
35 止め輪
36 環状空間
37、37a、37b ガイドローラ
38、38a、38b 可動ローラ
39a、39b 支持軸
40 嵌合孔
41,41a 支持孔
42 ラジアルニードル軸受
43 動力伝達用円筒面
44 駆動側円筒面
45 被駆動側円筒面
46 シリンダ孔
47 弾性材
48 内径側当接部
49 外径側当接部

Claims (1)

  1. 車輪のホイールの内径側に電動モータと摩擦ローラ式変速機を組み込んだ電動式車輪駆動装置であって、
    前記摩擦ローラ式変速機は、前記電動モータで駆動される回転駆動軸の先端部の周囲に、該回転駆動軸に対し偏心した状態で、前記車輪と共に回転自在に設けられた外輪と、該回転駆動軸の外周面である駆動側円筒面と前記外輪の内周面である被駆動側円筒面との間に存在して、径方向に関する幅が円周方向に関して不同である環状空間内に配置される、それぞれの外周面を動力伝達用円筒面とした、少なくとも1個のガイドローラおよび少なくとも1個の可動ローラとを具備し、
    前記可動ローラは、そのくさび角の中心線が路面に対して平行となるように配置されていることを特徴とする電動式車輪駆動装置。
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