JP2006102773A - 金属加工品、その製造方法、およびその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工後の寸法精度に優れ、型寿命低下を防止することが可能な金属加工品、該金属加工品の製造方法、該金属加工品の製造装置を提供する。
【解決手段】扇形部分を含む金属板を出発材2とし、該扇形部分の一対の円弧状の端面2aおよび端面2bを対向させるように曲げることにより、該扇形部分を湾曲した筒状に成形した金属加工品1において、対向する一対の円弧状の端面同士が該端面の長手方向にずれるのを規制する舌片部4aおよび舌片部4bからなる係合部4を該扇形部分の終端部に形成した。
【選択図】図1
【解決手段】扇形部分を含む金属板を出発材2とし、該扇形部分の一対の円弧状の端面2aおよび端面2bを対向させるように曲げることにより、該扇形部分を湾曲した筒状に成形した金属加工品1において、対向する一対の円弧状の端面同士が該端面の長手方向にずれるのを規制する舌片部4aおよび舌片部4bからなる係合部4を該扇形部分の終端部に形成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、金属加工品、該金属加工品の製造方法および該金属加工品の製造装置に関する。
従来、略矩形の金属板を出発材とし、該出発材の両端面を対向させるように曲げ、筒状に成形した金属加工品は公知である。
また、筒状に成形した後に、該対向する両端面を溶接したり、端面を「かしめる」ことにより、該端面同士を接合した金属加工品も知られている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
実開平5−53741号公報
また、筒状に成形した後に、該対向する両端面を溶接したり、端面を「かしめる」ことにより、該端面同士を接合した金属加工品も知られている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
さらに、扇形の部分(以下、扇形部分)を含む金属板を出発材とし、該扇形部分を湾曲した筒状に成形した金属加工品も知られている。
上記湾曲した筒状に成形した金属加工品の実施例としては、自動車におけるダブルウィッシュボーン式のサスペンションを構成する部材の一つであるアッパーアームが挙げられる。該アッパーアームは、路面からの衝撃を吸収するためのオイルダンパーとの干渉を避けるために、平面視で略コの字型に成形される。
上記アッパーアームとしては、複数の部材を溶接により接合して成形したアッパーアームが主流であるが、部品点数および溶接作業の省略と強度向上を目的として、図8に示す如く、一枚の金属板を出発材とし、該金属板の両端に扇形の部分を形成し、該扇形部分の一対の円弧状の端面を対向させるように曲げることにより成形したアッパーアーム101も検討されている。
図8および図9に示す如く、アッパーアーム101において、筒状に成形したアーム部分の終端面101aは揃っていることが求められる。これは、当該終端部101aにはアッパーアーム101を自動車の車体フレーム側に回動可能に枢支するための筒状の部材が溶接により固設されるからである。
アッパーアーム101は、図10(a)に示す如く、上型111と下型112を用いて、出発材102の扇形部分において、一対の円弧状の端面102a・102bに近い部分を曲げる第一の曲げ加工工程と、図10(b)に示す如く、上型121と下型122を用いて、出発材102の扇形部分を最終形状に近い形状に曲げる第二の曲げ加工工程と、図10(c)および図10(d)に示す如く、上型131と下型132を用いて、出発材102の扇形部分を最終形状に曲げる第三の曲げ加工工程と、を経て成形される。
また、第一の曲げ加工工程においては、図9に示す断面X2および断面Y2のいずれについても図10(a)に示す如くとなり、第二の曲げ加工工程においては、図9に示す断面X2および断面Y2のいずれについても図10(b)に示す如くとなるが、第三の曲げ加工においては、断面X2については図10(c)に示す如くとなり、断面Y2については図10(d)に示す如くとなる。
なお、図8に示すアッパーアーム101は、第一、第二および第三の加工工程という三つの加工工程を経て成形されるが、出発材の材質、金属加工品の最終形状等により加工工程の数を適宜増減させる必要がある。
また、第一の曲げ加工工程においては、図9に示す断面X2および断面Y2のいずれについても図10(a)に示す如くとなり、第二の曲げ加工工程においては、図9に示す断面X2および断面Y2のいずれについても図10(b)に示す如くとなるが、第三の曲げ加工においては、断面X2については図10(c)に示す如くとなり、断面Y2については図10(d)に示す如くとなる。
なお、図8に示すアッパーアーム101は、第一、第二および第三の加工工程という三つの加工工程を経て成形されるが、出発材の材質、金属加工品の最終形状等により加工工程の数を適宜増減させる必要がある。
図11に示す如く、出発材102の扇形部分の内側の領域、言い換えれば、内側の端面102aおよび外側の端面102bから略等距離にある点線103と、内側の端面102aと、で挟まれた領域は、前記第一、第二および第三の曲げ加工工程において伸び変形する。
これに対して、出発材102の扇形部分の外側の領域、言い換えれば、内側の端面102aおよび外側の端面102bから略等距離にある点線103と、外側の端面102bと、で挟まれた領域は、前記第一、第二および第三の曲げ加工工程において縮み変形する。
このように、出発材102の扇形部分の内側の領域と外側の領域とは、加工時の変形の態様が全く異なる。
これに対して、出発材102の扇形部分の外側の領域、言い換えれば、内側の端面102aおよび外側の端面102bから略等距離にある点線103と、外側の端面102bと、で挟まれた領域は、前記第一、第二および第三の曲げ加工工程において縮み変形する。
このように、出発材102の扇形部分の内側の領域と外側の領域とは、加工時の変形の態様が全く異なる。
そのため、図10(c)および図10(d)に示す如く、第三の加工工程においては、出発材102の扇形部分の内側の領域と外側の領域の変形量に不均衡が生じ、扇形部分の内側の領域が外側の領域に向かってねじれる。特に、終端面101aに近い領域(断面Y2に対応する部分)において内側の端面102aが外側の端面102b側に大きく突出するような変形挙動を示す。
このような問題を解決するために、図10(c)および図10(d)に示す如く、第三の加工工程においては、最終形状において筒状となる部分の内側に規制部材133を上方より挿入し、端面102aおよび端面102bの位置を規制している。
このような問題を解決するために、図10(c)および図10(d)に示す如く、第三の加工工程においては、最終形状において筒状となる部分の内側に規制部材133を上方より挿入し、端面102aおよび端面102bの位置を規制している。
しかし、出発材102の伸び変形する内側の領域のうち、終端面101aに近い領域は、規制部材133に当接し、更に規制部材133を端面102b側に押す方向に変形してくるため、規制部材133に過度の負荷がかかり、規制部材133が破損または変形し、設備の修理コストの増大、および金属加工品の生産性の低下を招く。
また、規制部材133を用いたとしても、図12に示す如く、伸び変形する内側(端面102a側)の領域と第三の曲げ加工工程が終了した時点で終端面101aの両端の位置がずれるという成形不良を起こし、アッパーアーム101の最終形状の寸法精度を確保することが困難であるという問題がある。
また、規制部材133を用いたとしても、図12に示す如く、伸び変形する内側(端面102a側)の領域と第三の曲げ加工工程が終了した時点で終端面101aの両端の位置がずれるという成形不良を起こし、アッパーアーム101の最終形状の寸法精度を確保することが困難であるという問題がある。
本発明は以上の如き状況に鑑み、加工後の寸法精度に優れ、型寿命低下を防止することが可能な金属加工品、該金属加工品の製造方法、該金属加工品の製造装置を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、
扇形部分を含む金属板を出発材とし、
該扇形部分の一対の円弧状の端面を対向させるように曲げることにより、
該扇形部分を湾曲した筒状に成形した金属加工品であって、
対向する一対の円弧状の端面同士が該端面の長手方向にずれるのを規制する係合部を該扇形部分の終端部に形成したものである。
扇形部分を含む金属板を出発材とし、
該扇形部分の一対の円弧状の端面を対向させるように曲げることにより、
該扇形部分を湾曲した筒状に成形した金属加工品であって、
対向する一対の円弧状の端面同士が該端面の長手方向にずれるのを規制する係合部を該扇形部分の終端部に形成したものである。
請求項2においては、
前記係合部は、
対向する一対の円弧状の端面にそれぞれ設けられた舌片部からなるものである。
前記係合部は、
対向する一対の円弧状の端面にそれぞれ設けられた舌片部からなるものである。
請求項3においては、
前記扇形部分の他の部分に先行して該扇形部分の終端部を曲げ、該係合部を係合させるものである。
前記扇形部分の他の部分に先行して該扇形部分の終端部を曲げ、該係合部を係合させるものである。
請求項4においては、
扇形部分を含む金属板を出発材とし、
該扇形部分の一対の円弧状の端面を対向させるように曲げることにより、該扇形部分を湾曲した筒状に成形した金属加工品の製造方法であって、
対向する一対の円弧状の端面同士が該端面の長手方向にずれるのを規制する係合部を該扇形部分の終端部に形成したものである。
扇形部分を含む金属板を出発材とし、
該扇形部分の一対の円弧状の端面を対向させるように曲げることにより、該扇形部分を湾曲した筒状に成形した金属加工品の製造方法であって、
対向する一対の円弧状の端面同士が該端面の長手方向にずれるのを規制する係合部を該扇形部分の終端部に形成したものである。
請求項5においては、
前記係合部は、
対向する一対の円弧状の端面にそれぞれ設けられた舌片部からなるものである。
前記係合部は、
対向する一対の円弧状の端面にそれぞれ設けられた舌片部からなるものである。
請求項6においては、
前記扇形部分の他の部分に先行して該扇形部分の終端部を曲げ、該係合部を係合させるものである。
前記扇形部分の他の部分に先行して該扇形部分の終端部を曲げ、該係合部を係合させるものである。
請求項7においては、
扇形部分を含む金属板を出発材とし、
該扇形部分の一対の円弧状の端面を対向させるように曲げることにより、
該扇形部分を湾曲した筒状に成形する金属加工品の製造装置であって、
対向する一対の円弧状の端面同士が該端面の長手方向にずれるのを規制する係合部を該扇形部分の終端部に形成するものである。
扇形部分を含む金属板を出発材とし、
該扇形部分の一対の円弧状の端面を対向させるように曲げることにより、
該扇形部分を湾曲した筒状に成形する金属加工品の製造装置であって、
対向する一対の円弧状の端面同士が該端面の長手方向にずれるのを規制する係合部を該扇形部分の終端部に形成するものである。
請求項8においては、
前記係合部は、
対向する一対の円弧状の端面にそれぞれ設けられた舌片部からなるものである。
前記係合部は、
対向する一対の円弧状の端面にそれぞれ設けられた舌片部からなるものである。
請求項9においては、
前記扇形部分の他の部分に先行して該扇形部分の終端部を曲げ、該係合部を係合させるものである。
前記扇形部分の他の部分に先行して該扇形部分の終端部を曲げ、該係合部を係合させるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、金属加工品の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させるとともに、型寿命低下を防止することが可能である。
請求項2においては、対向する一対の円弧状の端面にそれぞれ設けられた舌片同士が係合して該端面が長手方向にずれるのを防止することが可能である。従って、金属加工品の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させることが可能である。
請求項3においては、扇形部分において伸び変形する側が縮み変形する側に向かって変形する量が抑制される。従って、金属加工品の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させることが可能である。
請求項4においては、金属加工品の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させることが可能である。
請求項5においては、対向する一対の円弧状の端面にそれぞれ設けられた舌片同士が係合して該端面が長手方向にずれるのを防止することが可能である。従って、金属加工品の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させることが可能である。
請求項6においては、扇形部分において伸び変形する側が縮み変形する側に向かって変形する量が抑制される。従って、金属加工品の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させることが可能である。
請求項7においては、金属加工品の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させることが可能である。
請求項8においては、対向する一対の円弧状の端面にそれぞれ設けられた舌片同士が係合して該端面が長手方向にずれるのを防止することが可能である。従って、金属加工品の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させることが可能である。
請求項9においては、扇形部分において伸び変形する側が縮み変形する側に向かって変形する量が抑制される。従って、金属加工品の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させることが可能である。
以下では、図1から図6を用いて、本発明に係る金属加工品の実施の一形態であるアッパーアーム1の構成について説明する。
ここで、本出願における「金属加工品」とは、鉄鋼材料やその他の金属材料からなる板(本出願中において「金属板」という。)を出発材とし、該出発材を塑性変形させることにより所定の形状に成形したものをいう。
また、本出願における「出発材」とは、金属加工品の形状に応じて所定の形状にカットされた成形前の金属板をいう。
なお、本発明は金属板を出発材とする金属加工品に広く適用可能であって、本発明の適用範囲は本実施例のアッパーアーム1に限定されるものではない。
ここで、本出願における「金属加工品」とは、鉄鋼材料やその他の金属材料からなる板(本出願中において「金属板」という。)を出発材とし、該出発材を塑性変形させることにより所定の形状に成形したものをいう。
また、本出願における「出発材」とは、金属加工品の形状に応じて所定の形状にカットされた成形前の金属板をいう。
なお、本発明は金属板を出発材とする金属加工品に広く適用可能であって、本発明の適用範囲は本実施例のアッパーアーム1に限定されるものではない。
図1に示す如く、アッパーアーム1は、自動車におけるダブルウィッシュボーン式のサスペンションを構成する部材の一つである。本実施例のアッパーアーム1は、路面からの衝撃を吸収するためのオイルダンパーとの干渉を避けるために、平面視で略コの字型に成形される。
図2に示す如く、アッパーアーム1は、部品点数および溶接作業の省略と強度向上を目的として一枚の金属板を出発材2とし、出発材2の両端に扇形部分を形成し、該扇形部分の一対の円弧状の端面を対向させるように曲げることにより成形したものである。
ここで、「扇形部分」とは、出発材において、曲率が小さい端面および曲率が大きい端面からなる一対の円弧状の端面に挟まれた略扇形の領域である。
また、本出願における「扇形」とは、より厳密には、円錐台の側面を展開した形状またはこれに類する形状を指す。
本実施例の場合、出発材2のうち、アッパーアーム1の左右の筒状のアーム部分に対応する部分が扇形部分に相当する。
図2に示す如く、アッパーアーム1は、部品点数および溶接作業の省略と強度向上を目的として一枚の金属板を出発材2とし、出発材2の両端に扇形部分を形成し、該扇形部分の一対の円弧状の端面を対向させるように曲げることにより成形したものである。
ここで、「扇形部分」とは、出発材において、曲率が小さい端面および曲率が大きい端面からなる一対の円弧状の端面に挟まれた略扇形の領域である。
また、本出願における「扇形」とは、より厳密には、円錐台の側面を展開した形状またはこれに類する形状を指す。
本実施例の場合、出発材2のうち、アッパーアーム1の左右の筒状のアーム部分に対応する部分が扇形部分に相当する。
図1および図3に示す如く、アッパーアーム1は、出発材2の扇形部分の一対の円弧状の端面2aおよび端面2bを対向させるように曲げることにより、出発材2の扇形部分を湾曲した筒状に成形した金属加工品である。
そして、アッパーアーム1は、対向する一対の円弧状の端面2a・2b同士が該端面の長手方向にずれるのを規制する係合部4を該扇形部分の終端部に形成している。
本実施例の場合、係合部4は、端面2aにおいて終端面1aに近い部分に形成された舌状の突起である舌片部4aと、端面2bにおいて終端面1aに近い部分に形成された舌状の突起である舌片部4bとからなる。舌片部4aと舌片部4bとは、出発材2の終端部、すなわち、終端面1aに近い部分について端面2aと端面2bとを対向させるように曲げた時に互いに係合し、終端面1aの両端が揃って端面2aと端面2bとが長手方向にずれないように規制する。
そして、アッパーアーム1は、対向する一対の円弧状の端面2a・2b同士が該端面の長手方向にずれるのを規制する係合部4を該扇形部分の終端部に形成している。
本実施例の場合、係合部4は、端面2aにおいて終端面1aに近い部分に形成された舌状の突起である舌片部4aと、端面2bにおいて終端面1aに近い部分に形成された舌状の突起である舌片部4bとからなる。舌片部4aと舌片部4bとは、出発材2の終端部、すなわち、終端面1aに近い部分について端面2aと端面2bとを対向させるように曲げた時に互いに係合し、終端面1aの両端が揃って端面2aと端面2bとが長手方向にずれないように規制する。
以下では、図3、図4および図5を用いて、アッパーアーム1の製造方法および製造装置の実施例について説明する。
アッパーアーム1は、第一の曲げ加工工程と、第二の曲げ加工工程と、第三の曲げ加工工程と、を経て製造される。
図2に示す如く、出発材2の扇形部分の内側の領域、言い換えれば、内側の端面2aおよび外側の端面2bから略等距離にある点線3と、内側の端面2aと、で挟まれた領域は、前記第一、第二および第三の曲げ加工工程において伸び変形する。
これに対して、出発材2の扇形部分の外側の領域、言い換えれば、内側の端面2aおよび外側の端面2bから略等距離にある点線3と、外側の端面2bと、で挟まれた領域は、前記第一、第二および第三の曲げ加工工程において縮み変形する。
このように、出発材2の扇形部分の内側の領域と外側の領域とは、加工時の変形の態様が全く異なり、扇形部分の内側の領域が外側の領域に向かってねじれるような変形挙動を示す。
これに対して、出発材2の扇形部分の外側の領域、言い換えれば、内側の端面2aおよび外側の端面2bから略等距離にある点線3と、外側の端面2bと、で挟まれた領域は、前記第一、第二および第三の曲げ加工工程において縮み変形する。
このように、出発材2の扇形部分の内側の領域と外側の領域とは、加工時の変形の態様が全く異なり、扇形部分の内側の領域が外側の領域に向かってねじれるような変形挙動を示す。
図4(a)に示す第一の曲げ加工工程では、上型11と下型12との間に出発材2をセットし、上型11を下型12に向かって押し下げることにより、出発材2の扇形部分において端面2aおよび端面2bに近い領域を曲げる。
第一の曲げ加工工程では、図3の断面X1に対応する部分、すなわち、扇形部分の終端部から離れている部分と、図3の断面Y1に対応する部分、すなわち、扇形部分の終端部に対応する部分と、はいずれも図4(a)に示す如くである。
第一の曲げ加工工程では、図3の断面X1に対応する部分、すなわち、扇形部分の終端部から離れている部分と、図3の断面Y1に対応する部分、すなわち、扇形部分の終端部に対応する部分と、はいずれも図4(a)に示す如くである。
図4(b)に示す第二の曲げ加工工程では、上型21と下型22との間に前記第一の曲げ加工工程による加工後の出発材2をセットし、上型21を下型22に向かって押し下げることにより、該出発材2の扇形部分を最終形状に近い形状に曲げる。
ここで、「最終形状」とは、金属加工品(本実施例ではアッパーアーム101)の完成時の形状を指し、「最終形状に近い形状」とは、出発材102の加工前の形状と最終形状との間の中間的な形状を指す。
第二の曲げ加工工程では、図3の断面X1に対応する部分、すなわち、扇形部分の終端部から離れている部分と、図3の断面Y1に対応する部分、すなわち、扇形部分の終端部に対応する部分と、はいずれも図4(b)に示す如くである。
ここで、「最終形状」とは、金属加工品(本実施例ではアッパーアーム101)の完成時の形状を指し、「最終形状に近い形状」とは、出発材102の加工前の形状と最終形状との間の中間的な形状を指す。
第二の曲げ加工工程では、図3の断面X1に対応する部分、すなわち、扇形部分の終端部から離れている部分と、図3の断面Y1に対応する部分、すなわち、扇形部分の終端部に対応する部分と、はいずれも図4(b)に示す如くである。
図4(c)および図4(d)に示す第三の曲げ加工工程では、前記第二の曲げ加工工程による加工後の出発材2を、図3の断面X1に対応する部分、すなわち、扇形部分の終端部から離れている部分においては上型31と下型32との間にセットし、図3の断面Y1に対応する部分、すなわち、扇形部分の終端部に対応する部分においては上型34と下型32との間にセットし、上型31および上型34を下型32に向かって押し下げることにより、該出発材2の扇形部分を最終形状に曲げる。
上型31と上型34はいずれもベース36に取り付けられており、両者は一体的に昇降可能であるが、上型31はベース36に固定されているのに対して、上型34とベース36の間にはバネ35が介装されている。
上型31と上型34はいずれもベース36に取り付けられており、両者は一体的に昇降可能であるが、上型31はベース36に固定されているのに対して、上型34とベース36の間にはバネ35が介装されている。
ベース36を下降させていくと、上型34が上型31に先行して出発材2の終端部に当接し、出発材2の終端部の曲げ加工が行われる。
その結果、図5に示す如く、第三の曲げ加工工程の途中で、扇形部分の終端部に形成された係合部4を構成する舌片部4a・4bが互いに係合する。
その結果、図5に示す如く、第三の曲げ加工工程の途中で、扇形部分の終端部に形成された係合部4を構成する舌片部4a・4bが互いに係合する。
更にベース36を下降させていくと、上型34についてはバネ35が弾性変形することにより出発材2の扇形部分の終端部を押さえる力が増大し、該終端部を最終形状と略同じ形状に保持した状態で、上型31が出発材2の扇形部分の他の部分(終端部以外の部分)に当接し、出発材2の扇形部分の他の部分の曲げ加工が行われる。
このとき、伸び変形する扇形部分の端面2a側が端面2bに向かって変形する量が抑制され、扇形部分の内側の領域が外側の領域に向かってねじれる変形挙動が防止される。
結果として、端面2aが規制部材33に強く当接し、規制部材33を変形、破損することを防止可能であるとともに、アッパーアーム1の寸法精度および製品歩留まりが向上する。
このようにして、出発材2は最終形状に成形され、アッパーアーム101が製造される。
このとき、伸び変形する扇形部分の端面2a側が端面2bに向かって変形する量が抑制され、扇形部分の内側の領域が外側の領域に向かってねじれる変形挙動が防止される。
結果として、端面2aが規制部材33に強く当接し、規制部材33を変形、破損することを防止可能であるとともに、アッパーアーム1の寸法精度および製品歩留まりが向上する。
このようにして、出発材2は最終形状に成形され、アッパーアーム101が製造される。
以上の如く、本発明に係る金属加工品の実施の一形態であるアッパーアーム1は、
扇形部分を含む金属板を出発材2とし、
該扇形部分の一対の円弧状の端面2a・2bを対向させるように曲げることにより、
該扇形部分を湾曲した筒状に成形した金属加工品であって、
対向する一対の円弧状の端面端面2a・2b同士が該端面端面2a・2bの長手方向にずれるのを規制する係合部4を該扇形部分の終端部に形成したものである。
このように構成することにより、アッパーアーム1の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させるとともに、型寿命低下を防止することが可能である。
扇形部分を含む金属板を出発材2とし、
該扇形部分の一対の円弧状の端面2a・2bを対向させるように曲げることにより、
該扇形部分を湾曲した筒状に成形した金属加工品であって、
対向する一対の円弧状の端面端面2a・2b同士が該端面端面2a・2bの長手方向にずれるのを規制する係合部4を該扇形部分の終端部に形成したものである。
このように構成することにより、アッパーアーム1の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させるとともに、型寿命低下を防止することが可能である。
なお、本実施例のアッパーアーム1は、出発材2の一部である両端部に扇形部分を形成したものであるが、金属加工品の出発材の全体の形状が扇形である場合にも本発明は適用可能である。従って、出発材となる金属板の全体または一部に扇形部分が形成されていれば良い。言い換えれば、金属板に扇状部分が単数または複数箇所含まれていれば良い。
また、係合部をどの時点で形成するかは、金属加工品の形状や材質等により適宜選択することが望ましい。すなわち、金属加工品を最終形状に塑性変形させる前に係合部を形成し、係合部の近傍を他の部分に先行して変形させて係合部を係合させ、その後他の部分を最終形状となるように塑性変形させればよい。係合部を形成する時点の具体例としては、出発材2を曲げ加工する前や、出発材2を最終形状に成形する直前が挙げられる。
また、本発明に係る金属加工品の実施の一形態であるアッパーアーム1の係合部4は、
対向する一対の円弧状の端面2a・2bにそれぞれ設けられた舌片部4a・4bからなるものである。
このように構成することにより、舌片部4a・4bが係合して端面2a・2bが長手方向にずれるのを防止することが可能である。従って、アッパーアーム1の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させることが可能である。
対向する一対の円弧状の端面2a・2bにそれぞれ設けられた舌片部4a・4bからなるものである。
このように構成することにより、舌片部4a・4bが係合して端面2a・2bが長手方向にずれるのを防止することが可能である。従って、アッパーアーム1の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させることが可能である。
なお、係合部の形状は本実施例の係合部4に限定されず、他の形状でも良い。
例えば、図6に示す如き端面2a側に形成された鋸状の係合片44a・44a・・・および端面2b側に形成された鋸状の係合片44b・44b・・・からなる係合部44や、図7に示す如き端面2a側に形成された係合受け部54aおよび端面2b側に形成された係合片54bからなる係合部54も、前記係合部4と略同様の効果を奏する。
例えば、図6に示す如き端面2a側に形成された鋸状の係合片44a・44a・・・および端面2b側に形成された鋸状の係合片44b・44b・・・からなる係合部44や、図7に示す如き端面2a側に形成された係合受け部54aおよび端面2b側に形成された係合片54bからなる係合部54も、前記係合部4と略同様の効果を奏する。
また、本発明に係る金属加工品の実施の一形態であるアッパーアーム1は、
前記扇形部分の他の部分に先行して該扇形部分の終端部を曲げ、該係合部4を係合させるものである。
このように構成することにより、扇形部分において伸び変形する側が縮み変形する側に向かって変形する量が抑制される。従って、アッパーアーム1の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させることが可能である。
前記扇形部分の他の部分に先行して該扇形部分の終端部を曲げ、該係合部4を係合させるものである。
このように構成することにより、扇形部分において伸び変形する側が縮み変形する側に向かって変形する量が抑制される。従って、アッパーアーム1の加工時に終端部がねじれるのを防止し、加工後の寸法精度を向上させることが可能である。
1 アッパーアーム(金属加工品)
2 出発材
2a 端面
2b 端面
4 係合部
2 出発材
2a 端面
2b 端面
4 係合部
Claims (9)
- 扇形部分を含む金属板を出発材とし、
該扇形部分の一対の円弧状の端面を対向させるように曲げることにより、
該扇形部分を湾曲した筒状に成形した金属加工品であって、
対向する一対の円弧状の端面同士が該端面の長手方向にずれるのを規制する係合部を該扇形部分の終端部に形成したことを特徴とする金属加工品。 - 前記係合部は、対向する一対の円弧状の端面にそれぞれ設けられた舌片部からなることを特徴とする請求項1に記載の金属加工品。
- 前記扇形部分の他の部分に先行して該扇形部分の終端部を曲げ、該係合部を係合させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属加工品。
- 扇形部分を含む金属板を出発材とし、
該扇形部分の一対の円弧状の端面を対向させるように曲げることにより、
該扇形部分を湾曲した筒状に成形した金属加工品の製造方法であって、
対向する一対の円弧状の端面同士が該端面の長手方向にずれるのを規制する係合部を該扇形部分の終端部に形成したことを特徴とする金属加工品の製造方法。 - 前記係合部は、対向する一対の円弧状の端面にそれぞれ設けられた舌片部からなることを特徴とする請求項4に記載の金属加工品の製造方法。
- 前記扇形部分の他の部分に先行して該扇形部分の終端部を曲げ、該係合部を係合させることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の金属加工品の製造方法。
- 扇形部分を含む金属板を出発材とし、
該扇形部分の一対の円弧状の端面を対向させるように曲げることにより、
該扇形部分を湾曲した筒状に成形する金属加工品の製造装置であって、
対向する一対の円弧状の端面同士が該端面の長手方向にずれるのを規制する係合部を該扇形部分の終端部に形成することを特徴とする金属加工品の製造装置。 - 前記係合部は、対向する一対の円弧状の端面にそれぞれ設けられた舌片部からなることを特徴とする請求項7に記載の金属加工品の製造装置。
- 前記扇形部分の他の部分に先行して該扇形部分の終端部を曲げ、該係合部を係合させることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の金属加工品の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004292784A JP2006102773A (ja) | 2004-10-05 | 2004-10-05 | 金属加工品、その製造方法、およびその製造装置 |
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JP2004292784A Pending JP2006102773A (ja) | 2004-10-05 | 2004-10-05 | 金属加工品、その製造方法、およびその製造装置 |
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010195317A (ja) * | 2009-02-26 | 2010-09-09 | Suzuki Motor Corp | 構造部材及びその製造方法 |
CN105324194A (zh) * | 2013-04-11 | 2016-02-10 | 株式会社万 | 冲压成型品及其制造方法 |
-
2004
- 2004-10-05 JP JP2004292784A patent/JP2006102773A/ja active Pending
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