しかし、従来から行なわれている画像表示による技能養成では、次々と異なる設問画像および解答画像が表示されていく。そして、原則として一度表示が終了した設問画像および解答画像が繰り返し表示されることがない。
ここで、設問画像の内容が難解な場合、当該設問に対する思考過程および解答を完全に身に付けるためには、同じ設問画像とその設問画像に対する解答画像を繰り返し視聴する必要がある。
ところが、上述通り、上記の画像表示装置では、設問画像および解答画像について1回づつ表示され、次々と別の設問画像および解答画像が表示されていく。よって、視聴者からすれば、表示中のある設問画像について落ち着いて思考したい場合であっても、直ぐにその設問画像および解答画像の表示が終了し、次の設問画像の表示に切り替わるため、各設問に対する思考過程および解答をなかなか身に付けることができない。
この点、教育用DVD等、画像データをディスク型記録媒体に格納している装置においては、視聴者が所望の設問画像についての頭出しコマンドを入力することにより、所望する設問画像および解答画像のみ連続して繰り返し表示することができる。また、教育用ビデオにおいては、視聴者が所望する設問画像および解答画像の表示を終えると、巻き戻しコマンドを入力することにより、当該所望する設問画像および解答画像のみ連続して繰り返し表示することができる。
ところが、この場合、視聴者は、表示を連続して繰り返したい設問画像および解答画像について、当該解答画像の表示が終了するタイミングで頭出しコマンドまたは巻き戻しコマンドを、繰り返し表示を行なう度に入力しなければならない。したがって、同じ設問画像およびその設問に対する解答画像を一度や二度繰り返して表示する程度であれば問題ないが、数度連続して繰り返す場合、視聴者にとって手間な作業を強いられることになる。
本発明の目的は、利用者の手間を抑制できる訓練支援用の画像表示装置、画像表示装置の制御方法、画像表示システム、画像表示装置の制御プログラム、画像表示システムの制御プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することである。
以上の目的を達成するために、本発明の画像表示装置は、訓練支援用の画像表示装置であって、画像を表示する表示手段と、訓練に用いられる互いに関連し合う複数の画像について、各画像を所定の順序で繰り返して上記表示手段に表示する反復表示処理を実行する制御手段と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の画像表示装置の制御方法は、訓練支援用の画像表示装置の制御方法であって、上記画像表示装置の制御手段は、訓練に用いられる互いに関連し合う複数の画像について、各画像を所定の順序で繰り返して表示手段に表示する反復表示処理を実行することを特徴とする。
上記構成によれば、訓練に用いられる互いに関連し合う複数の画像について、各画像が自動的に所定の順序で繰り返して上記表示手段に表示される。したがって、訓練を行なう利用者からすれば、各画像において示される各事項を手間なく繰り返し視覚でき、繰り返し表示を行なう度に何らかのコマンドの入力が必要であった従来の装置と比べ、利用者の手間を抑制できるという効果を奏する。
また、本発明の画像表示装置において、上記表示手段と制御手段とは同一の装置内に構成されていてもよいし、互いに別体で構成しても上述した効果を奏することが可能である。つまり、本発明は、訓練支援用の画像表示システムであって、画像を表示する表示装置と、訓練に用いられる互いに関連し合う複数の画像について、各画像を所定の順序で繰り返して上記表示装置に表示する反復表示処理を実行する制御装置とから構成されるシステムと表現することもできる。ここで、表示装置と制御装置とは有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよく、また、通信ネットワークを介して接続されていてもよい。
なお、本発明の画像表示装置においては、上記構成に加えて、上記訓練に用いられる互いに関連し合う複数の画像を含めた画像情報を複数記憶する記憶部を備え、上記制御手段は、記憶部に記憶される複数の画像情報のうち、いずれか1つの画像情報を選択する選択手段と、上記選択手段に選択されている画像情報に含まれる複数の画像について、各画像を所定の順序で上記表示手段に表示する処理を反復する画像再生手段と、を含む構成であってもよい。そして、上記選択手段は、利用者からのコマンドを入力する入力手段から変更コマンドを入力すると、選択対象とする画像情報を変更する構成であってもよい。
上記構成によれば、上記選択手段は、利用者からのコマンドを入力する入力手段から変更コマンドを入力すると、上記選択対象とする画像情報を変更している。したがって、利用者の任意のタイミングで、ある複数の画像に対する反復表示処理を終了し、反復表示処理の対象となる複数の画像を切り替え、次に用意されている複数の画像の反復表示処理へと移行することができる。
よって、利用者からすれば、ある複数の画像に対する反復表示処理の反復回数や反復時間を、自己の習得度に応じて、自由に調整することができる。また、反復表示処理中である複数の画像から示される事項の難易度に応じて、反復回数や反復時間を自由に調整することができる。
この点、従来技術の画像表示装置によれば、あるシーンを繰り返して表示する場合、繰り返す度に巻き戻しコマンドや頭だしコマンドを入力しなければならない。つまり、繰り返し回数に応じて頭だしコマンドまたは巻き戻しの入力回数が増加するため、あるシーンを何度も繰り返す場合は手間がかかる。一方、本願の上記構成によれば、何回繰り返し表示を行なおうが繰り返し表示は自動で行なわれ、繰り返し表示の対象となる複数画像を切替えたい場合にコマンド入力を1回行なえば足りる。したがって、各シーンについて反復表示の必要性の高い訓練支援用の画像表示装置には、従来技術よりも本願発明の構成の方が利用者の手間を抑制できる。
また、上記画像表示装置において、上記画像情報には、利用者に対しての設問を示した設問画像と、当該設問に対する答を示した解答画像とが含まれていてもよい。
上記構成によれば、設問と、当該設問に対する解答とを利用者に繰り返し示すことができるため、設問について利用者に思考させる事と、設問に対する解答を利用者に教示する事とを繰り返す事ができ、解答を導く思考力を養成する訓練に適している。
さらに、上記画像表示装置において、上記制御手段は、上記設問画像を表示した後で上記解答画像を表示する順序で上記反復表示処理を行なうことが好ましい。
上記構成によれば、設問画像が表示された後で設問画像に対する解答画像が表示されることになる。これにより、設問に対する思考の後で解答を見るという訓練を反復させることができるため、先に解答を示す順序よりも、思考力を効率的に向上させることができる。
さらに、上記画像表示装置において、上記制御手段は、設問画像および解答画像のうちの少なくとも一方の画像について、繰り返して表示する毎に表示時間を変更する制御を行ってもよい。
それゆえ、繰り返し表示される設問画像または解答画像の表示時間を一定とはせずに、繰り返し表示の毎に表示時間を変化させることができる。これにより、利用者からすれば、設問画像または解答画像が長時間表示されているときは、当該設問画像または解答画像の内容について熟考でき、設問画像または解答画像が短時間しか表示されないときは直感力の訓練を行える。
また、上記画像表示装置において、上記制御手段は、選択手段によって選択される画像情報毎に、設問画像および解答画像のうちの少なくとも一方の画像の表示時間を変更する制御を行なうことが好ましい。
それゆえ、互いに異なる設問画像毎に表示時間を異ならせることができ、設問の難易度に応じて表示時間を予め定めておくことも可能となる。
また、上記画像表示装置において、上記制御手段は、上記設問画像を表示する期間と上記解答画像を表示する期間との間において、上記設問画像または解答画像の内容を補足するための補足画像を表示する制御を行なうことが好ましい。
それゆえ、例えば、設問画像や解答画像の内容を解説した補足画像や、設問画像や解答画像の内容をさらに平易に示した補足画像を上記設問画像の表示期間と解答画像の表示期間との間の期間に表示でき、利用者からすれば、設問画像や解答画像の内容を理解することがさらに容易となる。
また、上記画像表示装置において、上記複数の画像には、利用者が記憶すべき事項を示した第1画像と、当該事項をイメージすることを利用者に命令する第2画像とが含まれていてもよい。
上記構成によれば、利用者が記憶すべき事項を示した第1画像と、当該事項をイメージすることを利用者に命令する第2画像とを利用者に繰り返し示すことができるため、利用者からすれば、暗記すべき事項の確認と、当該事項を思い出すトレーニングとを繰り返し行なうことができる。よって、上記構成は、イメージトレーニングや暗記学習に適している。
さらに、上記画像表示装置において、上記制御手段は、上記第1画像を表示した後で、上記第2画像を表示する順序で上記反復表示処理を行なうことが好ましい。
上記構成によれば、利用者が記憶すべき事項を示した第1画像を表示した後で、当該事項をイメージすることを利用者に命令する第2画像を表示することになる。これにより、記憶すべき事項を確認した後で、当該事項をイメージするというトレーニングを繰り返し行なうことになるため、効率よく解答を暗記することができる。
また、上記画像表示装置において、上記制御手段は、第1画像および第2画像のうちの少なくとも一方の画像について、繰り返して表示する毎に表示時間を変更する制御を行なってもよい。
それゆえ、繰り返し表示される第1画像または第2画像の表示時間を一定とはせずに、繰り返し表示の毎に表示時間を変化させることができる。これにより、利用者からすれば、第1画像または第2画像が長時間表示されているときは、当該第1画像または第2画像の内容について熟考でき、第1画像または第2解答画像が短時間しか表示されないときは直感力の訓練を行える。
また、上記画像表示装置において、上記制御手段は、選択手段によって選択される画像情報毎に、第1画像および第2画像のうちの少なくとも一方の画像の表示時間を変更する制御を行なうことが好ましい。
それゆえ、利用者が記憶すべき事項を示した第1画像の内容に応じて表示時間を異ならせることができ、記憶すべき事項の難易度に応じて表示時間を予め定めておくことも可能となる。
さらに、上記画像表示装置において、上記制御手段は、上記第1画像を表示する期間と上記第2画像を表示する期間との間において、上記第1画像または第2画像の内容を補足するための補足画像を表示する制御を行なうことが好ましい。
それゆえ、例えば、第1画像や第2画像の内容を解説した補足画像や、第1画像や第2画像の内容をさらに平易に示した補足画像を上記第1画像の表示期間と第2画像の表示期間との間の期間に表示でき、利用者からすれば、第1画像や第2画像の内容を理解することがさらに容易となる。
上記画像表示装置において、上記複数の画像には、利用者が記憶すべき事項を示した第1画像と、第1画像に示される事項と対応付けて記憶すべき事項を示した第3画像と、が含まれていてもよい。
上記構成によれば、利用者が記憶すべき事項と、当該事項と対応づけて記憶すべき事項とが繰り返し表示される。したがって、利用者からすれば互いに対応づけて記憶すべき複数の事項を効率よく暗記学習することができる。つまり、上記構成の画像表示装置は暗記学習に最適である。また、上記構成の一例として、英単語を示す画像と、当該英単語に対応する日本語を示す画像とを繰り返し表示する英語学習用画像表示装置等が考えられる。
また、上記画像表示装置において、上記制御手段は、第1画像および第3画像のうちの少なくとも一方の画像について、繰り返して表示する毎に表示時間を変更する制御を行なうことが好ましい。
それゆえ、繰り返し表示される第1画像または第2画像の表示時間を一定とはせずに、繰り返し表示の毎に表示時間を変化させることができる。これにより、利用者からすれば、第1画像または第2画像が長時間表示されているときは、当該第1画像または第2画像の内容について熟考でき、第1画像または第2解答画像が短時間しか表示されないときは直感力の訓練を行える。
また、上記画像表示装置において、上記制御手段は、選択手段によって選択される画像情報毎に、第1画像および第3画像のうちの少なくとも一方の画像の表示時間を変更する制御を行なうことが好ましい。
それゆえ、利用者が記憶すべき事項を示した第1画像の内容に応じて表示時間を異ならせることができ、記憶すべき事項の難易度に応じて表示時間を予め定めておくことも可能となる。
また、上記画像表示装置において、上記制御手段は、上記第1画像を表示する期間と上記第3画像を表示する期間との間において、上記第1画像または第3画像の内容を補足するための補足画像を表示する制御を行なうことが好ましい。
それゆえ、例えば、第1画像や第3画像の内容を解説した補足画像や、第1画像や第3画像の内容をさらに平易に示した補足画像を上記第1画像の表示期間と第3画像の表示期間との間の期間に表示でき、利用者からすれば、第1画像や第3画像の内容を理解することがさらに容易となる。
さらに、上記画像表示装置において、上記制御手段は、現在表示中の画像を点滅表示させてから、現在表示中の画像の表示から次に表示すべき画像の表示へと処理を移行する構成であることが好ましい。
上記構成によれば、利用者からすれば、上記点滅表示によって、現在表示中の画像の表示から次に表示すべき画像の表示へと処理が移行されることを予知することが可能になる。
なお、上記画像表示装置または画像表示システムは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記制御手段として動作させる制御プログラムことにより実現可能である。また、上記制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
以上のように、本発明の画像表示装置は、画像を表示する表示手段と、訓練に用いられる互いに関連し合う複数の画像について、各画像を所定の順序で繰り返して上記表示手段に表示する反復表示処理を実行する制御手段と、を備える構成である。
また、本発明の画像表示装置の制御方法は、訓練に用いられる互いに関連し合う複数の画像について、各画像を所定の順序で繰り返して表示手段に表示する反復表示処理を実行する手順を含んでいる。
さらに、本発明の画像表示システムは、画像を表示する表示装置と、訓練に用いられる互いに関連し合う複数の画像について、各画像を所定の順序で繰り返して上記表示装置に表示する反復表示処理を実行する制御装置と、を備える構成である。
それゆえ、訓練を行なう利用者からすれば、各画像において示される各事項を手間なく繰り返し視覚できるという効果を奏する。
なお、上記画像表示装置または画像表示システムは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記制御手段として動作させる制御プログラムことにより実現可能である。また、上記制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
(本実施形態の概略)
本発明の実施の一形態について、図1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
なお、本実施形態では、介護者(本実施形態の画像表示システムの利用者)に対する危険予知訓練を行なうための介護者訓練プログラムおよび訓練支援用の画像表示装置について説明する。
この介護者訓練プログラムは、画像表示装置において実行されるプログラムである。この介護者訓練プログラムが実行される画像表示装置は、まず、ある介護シーンと当該介護シーンに付随する危険事項を問う設問とを示した設問画像をモニタに表示する(図4(a)参照)。そして、設問画像の表示終了後、当該設問画像で示した設問に対する解答と、その解答内容を反映したシーンとを示した解答画像をモニタに表示する(図4(b)参照)。
これにより、利用者からすれば、各種介護シーンに付随する危険事項を理解かつ暗記することが可能となり、介護現場における危険予知能力を向上させる訓練を行うことができる。このように、本実施の形態における訓練支援用の画像表示装置、介護者訓練プログラムでは、実際の介護現場で生じ得る危険事項を、モニタに表示された画像で認識することができると共に、バーチャル的に学習することが可能である。したがって、本実施の形態の画像表示装置、介護者訓練プログラムは、経験の乏しい若い介護ヘルパーや、介護専門学校の学生等に好適であると考えられる。
(画像表示装置の構成)
本実施形態における画像表示装置1は、図2に示すように、コンピュータ本体2と、モニタ3と、キーボード4と、スピーカー5と、マウス6とから構成されている。なお、モニタ3、キーボード4、スピーカー5、マウス6は、コンピュータ本体2に接続されている。
コンピュータ本体2は、画像表示装置1における上述した各種構成を統括的に制御するものであり、市販されているパーソナルコンピュータレベルの機能を有するものが用いられる。
モニタ3は、コンピュータ本体2において処理されたデータに基づいて画像を表示する表示手段であり、ここでは液晶ディスプレィが用いられる。但し、表示手段は液晶ディスプレィに限られるものではなく、例えば、プラズマディスプレィ、CRT(cathode ray tube)ディスプレィ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレィ、無機ELディスプレィであってもよい。
キーボード4は、利用者が、各種処理コマンド、各種情報をコンピュータ本体2へ入力するためのものである。マウス6は、利用者がモニタ3に表示されているGUI(graphical user interface)を操作することによって各種情報やコマンドを入力するためのポインティングデバイス(入力手段)である。なお、当該ポインティングデバイスは、マウス6に限られるものではなく、トラックボール、タブレットとタッチペンとの組み合わせ等であってもよい。
スピーカー5は、コンピュータ本体2において処理されたデータに基づいて音声を出力するための音声出力手段である。
(コンピュータ本体2の構成)
つぎに、コンピュータ本体2の詳細について説明する。コンピュータ本体2は、図1に示すように、制御部10、記憶部11から構成される。
制御部10は、図示しないがCPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等によって構成され、画像表示装置1の各種構成の動作制御を行なうブロックである。そして、画像表示装置1における各種構成の動作制御は、制御プログラムをCPUに実行させることによって行われる。この制御プログラムは、ROMに記憶されているプログラムをCPUが読み出して実行する形態であってもよく、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などのリムーバブルメディアに記録されているものを読み出してRAMに展開し、CPUがRAMにアクセスして使用する形態であってもよい。また、記憶部11などにインストールされたものを読み出してRAMに展開し、CPUがRAMにアクセスして使用する形態であってもよい。さらに、コンピュータ本体2がインターネットなどの通信ネットワークに接続された構成とする場合、この通信ネットワークを介して上記制御プログラムをダウンロードして記憶部11にインストールして実行する形態なども考えられる。
記憶部11は、ハードディスクまたはフラッシュメモリによって構成される記憶装置である。この記憶部11に記憶される内容としては、上述した介護者訓練プログラム、OS(Operating System)プログラム、その他各種プログラム、キーボード4またはマウス6を介して入力された情報、インターネットを介して得られた情報、制御部10によって処理された情報などが挙げられる。
(制御部10および記憶部11の構成)
さらに、制御部10および記憶部11の詳細について説明する。
図1に示すように、制御部10には、画像選択部15、画像再生部16が含まれている。また、記憶部11には、プログラム格納部18、画像ファイル格納部19が含まれている。
画像選択部(選択手段)15は、プログラム格納部18に格納されている命令文を読み出し、この命令文に従って、画像ファイル格納部19に格納されている各画像ファイルのなかからいずれかの画像ファイルを選択する処理を実行するブロックである。
画像再生部(画像再生手段)16は、プログラム格納部18に格納されている命令文を読み出し、この命令文に従って、画像選択部15によって選択されているファイルを読み出し、画像をモニタ3上に表示する処理を実行するブロックである。
画像ファイル格納部19には、画像ファイル(画像情報)が複数格納されている。各画像ファイルは、利用者に対する設問を示した設問画像のデータと、当該設問に対する解答を示した解答画像のデータとから構成される。そして、後で詳述するが、画像再生部16は、画像ファイルを読み出すと、まず設問画像をモニタ3上に表示し、所定時間経過後に解答画像をモニタ3上に表示するようになっている。
ここで、上記した設問画像とは、例えば、図4(a)に示すように、被介護者の日常生活におけるある介護シーンを示した画像aと、この被介護者の身体状況を示した文字画像bと、設問を示した文字画像cとを含んだ画像である。なお、ここで、文字画像bと文字画像cとは静止画であるが、画像aは動画である。この画像aは再生ボタン20を利用者がマウス6にてクリックすることにより、所定時間だけ再生され、その後、所定のシーンで静止するようになっている。
また、上記した解答画像とは、例えば、図4(b)に示すように、設問画像で示される介護シーンにおいて起こり得るアクシデントシーンを示した画像Aと、設問画像に対する解答を示した文字画像Bと、解答を導く考え方を示した文字画像Cとを含んだ画像である。なお、ここで、文字画像B、Cは静止画であるが、画像Aは動画である。この画像Aは再生ボタン20を利用者がマウス6にてクリックすることにより、所定時間だけ動画として再生され、その後、所定のシーンで静止するようになっている。
図4(a)の設問画像は、歩行困難な老人を車いすに乗せて洗面台まで連れて行く途中のシーンを画像aに示し、このシーンにおける危険事項を設問として問うものである。そして、図4(b)の解答画像は、車いすに乗っている老人が洗面台に手をぶつけて、怪我をしたシーンを画像Aに示し、「洗面台に手を当てる」を解答として記述している。したがって、利用者は、この設問画像を観た直後にこの解答画像を観ることによって、老人を車いすに乗せて洗面台に連れて行く場合、老人の手が洗面台に当たる危険性を認識することができる。
また、図4では、車いすに関するアクシデントを設問としているが、その他の例として、老人とのコミュニケーションにおけるアクシデントを設問とすることが考えられる。
例えば、図5(a)の設問画像は、老人が1人で布団を畳もうとし、その老人に対して介護者が「がんばってね」という言葉をかけたシーンを画像aに示し、この老人の反応を設問として問うものである。そして、図5(b)の解答画像は、この「がんばってね」という言葉に対して、老人が不快感を示して怒っているシーンが示され、「怒り出した」を解答として記述している。したがって、利用者は、この設問画像を観た直後にこの解答画像を観ることによって、老人にはげましの言葉をかけるとかえって逆効果を与える危険性があり、はげましの言葉は相手を選んでかけるべきである事を認識することができる。
画像ファイル格納部19における各画像ファイルには、このような一つの設問画像および一つの解答画像の組み合わせが格納されており、各組み合わせは、画像ファイル間で異なる内容となっている。つまり、画像ファイル毎で、異なるテーマの設問および解答が用意されていることになる。例えば、図4の内容と図5の内容とは別々の画像ファイルに格納されることとなる。
なお、以下では、説明の便宜上、ファイルナンバー1,2,…,n(nは自然数)の画像ファイル、つまり計n個の画像ファイルが画像ファイル格納部19に格納されているものと仮定して説明する。
プログラム格納部18には、本実施の形態の介護者訓練プログラムが格納されている。なお、上述したが、画像選択部15および画像再生部16は、プログラム格納部18に格納されているプログラムに記される命令文に従った手順で、画像ファイル格納部19に格納されている画像ファイルを順次選択し、処理する。
(処理の流れ)
つぎに、介護者訓練プログラムに従った処理の流れについて、図3に基づいて説明する。図3は、画像選択部15および画像再生部16の処理手順を示したフローチャートである。
まず、オペレータが、キーボード4またはマウス6を用いて、介護者訓練プログラムの起動コマンドを入力する。
そして、この起動コマンドが入力されると、画像選択部15および画像再生部16は、プログラム格納部18に格納されている介護者訓練プログラムの命令文を読み出し、この命令文に従った処理を開始する。
まず、画像選択部15は、ファイルナンバーを識別するための識別子i=1を設定する(S1)。つぎに、画像選択部15は、設定した識別子の示す番号と同一の番号の画像ファイルを選択する(S2)。つまり、ここでは、ファイルナンバー1の画像ファイルが選択される。
ここで、画像再生部16は、画像選択部15によって選択されている画像ファイルを読み出し、まず、読み出した画像ファイルに含まれる設問画像のデータに基づいて、モニタ3上に設問画像の表示を行なう(S3)。なお、ここでは、図4(a)に示す設問画像がモニタ3上に表示されるものとする。
この設問画像の表示は、表示開始から所定時間が経過するまで継続される(S4においてNO)。ここで、利用者が、マウス6を用いて、図4(a)に示す再生ボタン20をクリックすると、画像aが動画として再生される。これにより、利用者からすれば、文字画像bから被介護者の身体状況を把握でき、画像aから被介護者の行動状況を把握できるため、文字画像cに示される設問を理解し易くなる。
そして、S3から所定時間経過後(S4においてYES)、画像再生部16は、設問画像の表示を終了し、読み出した画像ファイルに含まれる解答画像のデータに基づいて、モニタ3上に解答画像の表示を行なう(S5)。なお、ここでは、図4(b)に示す解答画像がモニタ3上に表示されているものとする。
この解答画像の表示は、表示開始から所定時間が経過するまで継続される(S6においてNO)。ここで、利用者が、マウス6を用いて、図4(b)に示す再生ボタン20をクリックすると、画像Aが動画として再生される。これにより、利用者からすれば、画像Aから被介護者のアクシデントシーンをリアルに把握することができ、文字画像Bに示される解答の内容を理解しやすくなる。
そして、S5から所定時間経過後(S6においてYES)、画像再生部16は、解答画像の表示を終了する。さらに、画像再生部16は、S2〜S6までの間において、図4に示す「次へ」ボタン21がマウス6にてクリックされたか否かを判定する(S7)。
ここで、S2〜S6までの間において、「次へ」ボタン21がクリックされていない場合、画像再生部16は、画像選択部15によって現在選択されている画像ファイルに基づく画像の表示を再度繰り返す(S7においてNO)。
つまり、「次へ」ボタン21がクリックされるまでの間、画像選択部15は同一の画像ファイルを選択し続け、画像再生部16は、この画像ファイルについて、設問画像の表示と解答画像の表示とを交互に繰り返し表示することとなる(S3→S4→S5→S6→S7においてNO→S3→S4→…)。
一方、S2〜S6までの間において、「次へ」ボタン21がクリックされると、画像選択部15は、選択対象の画像の変更コマンドの入力を認識し、S7の後、識別子i=1と同数のファイルナンバーの画像ファイル(ファイルナンバー1)の選択を終了する(S7においてYES,S8)。これにより、ファイルナンバー1に基づく画像表示は終了することになる。
そして、画像選択部15は、ファイルナンバーを識別するための識別子iに対して1をインクリメントし、識別子i=2を設定する(S9)。
さらに、画像選択部15は、現在設定されている識別子i=2と、画像ファイル格納部19に格納されている最もファイルナンバーの大きい画像ファイルのファイルナンバーnとについて、i>nか否かを判定する(S10)。ここでは、i<nであると仮定して説明を続ける。
画像選択部15は、i<nであることを判定すると、処理をS2へ移行する(S10においてNO)。
さらに、画像選択部15は、現在設定されている識別子iと同数のファイルナンバーの画像ファイルを選択する(S2)。つまり、ここでは、ファイルナンバー2の画像ファイルが選択される。
以降、ファイルナンバー2の画像ファイルについて、以上で説明したS3〜S7の処理が実行される。つまり、ファイルナンバー2の画像ファイルに含まれる設問画像および解答画像が順次表示され(S3,S5)、「次へ」ボタン21がクリックされるまでの間は、当該設問画像の表示と当該解答画像の表示とが交互に繰り返される(S3→S4→S5→S6→S7においてNO→S3→S4→…)。
そして、「次へ」ボタン21がクリックされると、S6の後、画像選択部15は、画像ファイル(ファイルナンバー2)の選択を終了する(S8)。これにより、ファイルナンバー2に基づく画像表示は終了することになる。
さらに、処理はS8、S9に移行し、識別子iのインクリメントが行なわれ、識別子i=3が設定されることとなる。これにより、画像選択部15および画像再生部16は、ファイルナンバー3の画像ファイルに対して処理を行なうことになる。
このようにして、画像選択部15および画像再生部16は、ファイルナンバー1,2,…,nの画像ファイルについて、ファイルナンバーが小さい順に、S3〜S7の処理を順次実行していく。
そして、識別子i=n+1になると、S10において、画像選択部15は、i>nであることを判定する(S10においてYES)。これにより、介護者訓練プログラムは終了し、n個の画像ファイル全てについての処理を行なったことになる。
ここで、本実施の形態では、以上示したように、S3〜S7において、画像選択部15および画像再生部16が、利用者に対する設問を示す設問画像と該設問に対する答を示す解答画像とについて、同じ設問画像および同じ解答画像の表示を交互に繰り返すこととなる。
これにより、利用者からすれば、ある設問画像およびこれに関する解答画像を交互に連続して何度も観ることになり、当該設問画像および当該解答画像の内容を確実に身につけることができる。これに対し、同じ設問画像および同じ解答画像の表示が繰り返されることのない従来構成では、一度表示の行なわれた設問画像および解答画像を再度観ることはできず、異なる設問画像および解答画像が次々と表示されていくため、各設問画像および解答画像を観て思考している間に、前に見た設問画像および解答画像の内容を忘れてしまうという事態が想定される。
また、本実施の形態では、S3〜S7において、「次へ」ボタン21をクリックしない限り、自動的に、同じ設問画像および同じ解答画像が交互に繰り返して表示される。これにより、利用者からすれば、同一画像を繰り返し表示するための頭だしコマンドや巻き戻しコマンド等を入力することなく、自動的に、同じ設問画像および同じ解答画像を交互に繰り返して観ることができ、従来における巻き戻しコマンドや頭だしコマンドが必要な構成と比べて、利用者の手間を低減することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、「次へ」ボタン21がクリックされるまでは、選択されている画像ファイルに含まれる設問画像および解答画像の表示が交互に反復して行なわれ、「次へ」ボタン21がクリックされると(S7においてNO)、選択対象の画像の変更コマンドの入力を検知し、画像ファイルの選択が終了する(S8)。これに応じて、当該画像ファイルに含まれる設問画像および解答画像の反復表示処理が終了する。その後、次に用意されている画像ファイルが選択され(S9→S10においてNO→S2)、新たに選択された画像ファイルに含まれる設問画像および解答画像の反復表示処理が開始されることになる。つまり、「次へ」ボタン21がクリックされると、反復表示処理の対象となる設問画像および解答画像が変更されることになる。
よって、利用者からすれば、ある設問画像および解答画像の内容を身に付けることができるまでは、反復表示されている当該設問画像および解答画像を観ていればよい。そして、当該設問画像および解答画像の内容を完全に身につけることができたと思ったとき、「次へ」ボタン21を一度だけマウス6にてクリックすることにより、当該設問画像および解答画像の反復表示を終了させ、次に用意されている設問画像および解答画像の反復表示処理へ移行させればよい。
言い換えると、利用者からすれば、設問画像および解答画像の習得し易さや自己の習得度に応じて、反復表示回数または反復表示時間を、「次へ」ボタン21を一度だけ入力するという操作のみで自由に調整することが可能となる。
この点、従来技術によれば、当該設問画像および解答画像の表示を繰り返す度に頭だしコマンドや巻き戻しコマンドを入力しなければならない。つまり、繰り返し回数に応じて頭だしコマンドや巻き戻しコマンドの入力回数が増加するため、難易度の高い設問画像および解答画像においては反復表示回数が増加する傾向にあるため手間がかかる。一方、本実施の形態によれば、同じ設問画像および同じ解答画像の表示を連続して何回繰り返そうが「次へ」ボタン21を1回クリックすれば足りる。したがって、各シーンについて反復表示の必要性の高い訓練支援用の画像表示装置には、従来技術よりも本願発明の構成の方が利用者の手間を抑制できる。
また、本実施の形態によれば、設問と、当該設問に対する解答とを利用者に繰り返し示すことができるため、設問について利用者に思考させる事と、設問に対する解答を利用者に教示する事とを繰り返す事ができ、解答を導く思考力を養成する訓練に適している。
(変形例)
上記の実施形態において、S4およびS6の所定時間は、プログラム格納部18に格納されている介護者訓練プログラムにおいて予め定められているが、キーボード4からの入力によって、利用者が自由に変更できる構成であってもよい。また、例えば、繰り返し表示する回数に応じて上記所定時間を少なくしていく等、自動的に所定時間が調整されるようにプログラミングしてもよい。
また、上記の実施形態では、音声出力について触れていないが、設問画像や解答画像を表示する際、スピーカー5から、表示されている画像に関連する内容を示した音声を同期させて出力する構成を採用してもよい。例えば、表示されている画像において示されるシーンの状況説明等を音声ガイダンスで行なえば、画像だけでは見落としがちな点をフォローできる。また、図4において、文字情報b,c,B,Cで示される内容を音声ガイダンスによって利用者に知らせれば、設問画像および解答画像からこれら文字情報を省略することができる。
但し、このようにして音声出力を行なう場合、各設問画像および各回答画像に関連付けて、各音声情報を記憶部11に格納し、モニタ3に表示されている画像に関連する音声情報に基づいてスピーカーを駆動する音声出力制御部等を構成する必要がある。また、音声出力制御部によって音声が出力される期間は、当該音声に対応する設問画像または解答画像の表示期間よりも短い期間となる。
また、図4(a)の設問画像や図4(b)の解答画像には、「参考」ボタン25が表示されている。この「参考」ボタン25を利用者がマウス6にてクリックすると、当該設問で示されている事案に対するさらに詳細な情報や、当該解答についてのさらに詳細な情報を示した参考画像をモニタ3に表示する構成であってもよい。そして、図示しないが、上記参考画像上に表示される「戻る」ボタンをクリックすることにより、元の設問画像または解答画像の表示に戻るようにしてもよい。
これにより、設問画像または解答画像において、表示すべき情報が1コマの画像に収まりきれない場合であっても、上記参考画像を利用することによって対応可能である。
また、上記した実施形態によれば、「次へ」ボタン21がクリックされることにより、選択対象とすべき画像ファイルの変更コマンドの入力が認識され、反復表示処理の対象となる設問画像および解答画像(選択対象となる画像ファイル)が変更されることになるが、この変更のトリガーとしては上記変更コマンドや「次へ」ボタン21のクリックに限定されるものではない。例えば、ある設問画像およびこの設問画像に対する解答画像の表示を交互に繰り返す反復表示処理を行なう上で、所定回数の繰り返し表示が行なわれた事が制御部10に検知されると、制御部10が、反復表示処理の対象となる設問画像および解答画像を変更する構成であっても構わない。つまり、反復表示処理の対象となる画像は自動的に変更される構成であってもよい。
具体的には、画像選択部15は、上記変更コマンドの入力をトリガーとするのではなく、同一の画像ファイルに含まれる設問画像または解答画像について、予め定められている所定回数だけ繰り返し表示が行なわれた事を検知した時点で、選択対象とする画像ファイルを変更するように構成すればよい。これにより、ある画像ファイルaに含まれる設問画像または解答画像について所定回数繰り返し表示が行なわれれば、当該画像ファイルaに含まれる設問画像および解答画像に対する反復表示処理は終了し、自動的に、別の画像ファイルに含まれる設問画像および解答画像に対する反復表示処理へと処理が移行されることとなる。
さらに、ここで、上記した所定回数は、予め記憶部11に記憶しておくものであるが、画像ファイルと当該画像ファイルに固有の回数とを対応付けて記憶部11に記憶しておき、画像選択部15は、選択中の画像ファイルに含まれる設問画像および解答画像について、当該画像ファイルに固有の回数だけ繰り返し表示された事を検知した時点で、選択対象とする画像ファイルを変更するように構成すればよい。このようにすれば、設問画像毎に繰り返し表示回数を異ならせることができ、設問の難易度に応じて繰り返し表示回数を予め定めておくことも可能となる。
また、画像選択部15は、予め定められた順序(画像ファイルに付されているファイルナンバーの順序)で画像ファイルを選択しているが、予め定められた順序ではなく、利用者から指定された画像ファイルを選択する構成であってもよい。この場合、利用者は、キーボード4またはマウス6から画像ファイルを特定する情報を入力し、画像選択部15は、当該情報に基づいて画像ファイルを選択することになる。
また、図3に示した、S3とS5とを繰り返す処理は、様々な手段で実現することが可能である。例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)やXML(Extensible markup language)で記述したファイルに設問画像のデータと解答画像のデータとを組み込み、制御部10に対する命令文をJavascript(登録商標)やMETAタグで記述する構成が考えられる。
また、Macromedia(登録商標) FlashやAbobe GoLive(登録商標)等の対話式の動画ファイルで上記の設問画像および解答画像を構成しても、上述したS3とS5とを繰り返す処理を実現することが可能である。さらに、上記のHTMLやXMLで記述したファイルに、上記した対話式の動画ファイルを組み込む構成も考えられる。
また、Microsoft(登録商標) Access、Visual Basic(登録商標)、C言語等によってプログラムを構成し、当該プログラムに設問画像のデータおよび解答画像のデータを組み込む構成も考えられる。
また、上記の設問画像および解答画像には、静止画と動画との両方が含まれているが、動画のみでもよいし、静止画のみであってもよい。
さらに、上記の実施形態では、設問画像を表示した後で解答画像を表示しているが、この順序が逆になってもよい。但し、先に設問画像を表示した後で解答画像を表示した方が、設問に対する思考の後で解答を見るという訓練を反復させることができるため、思考力を効率的に向上させることができる。
また、上記の実施形態では、図4において「車いすに載った老人に対する危険予知」をテーマにした設問画像および解答画像を示し、図5において「老人とのコミュニケーションにおける危険予知」をテーマにした設問画像および解答画像を示したが、これらテーマに限定されるものではない。その他のテーマとしては、例えば、「食事中の老人に対する危険予知」「入浴時の老人に対する危険予知」「自動車、電車、バス等の乗降時の老人に対する危険予知」「老人に口腔ケアを行なっているときの危険予知」「トイレを利用する老人に対する危険予知」等が挙げられる。
また、上記の実施形態では、介護者訓練プログラムを示したが、訓練支援用の画像表示装置であればよく、介護者訓練用に限定されるものではない。本発明の訓練支援用の画像表示装置は、例えば、英語、数学等の学習、工場の作業局面における危険予知訓練、免許の必要な作業(自動車のドライバ、フォークリフトのオペレータ、調理師等)における危険予知訓練、軍事訓練、予備校における学習、民間企業における社員教育等にも利用することが可能である。
また、上記の実施形態では、設問画像および解答画像を所定の順に表示することになるが、設問画像を表示する期間と解答画像を表示する期間との間に他の画像を表示しつつ、この設問画像,他の画像,解答画像とを繰り返し表示する構成であってもよい。つまり、図3において、S4とS5との間で他の画像が表示される構成であってもよい。要は、少なくとも設問画像の表示処理と解答画像の表示処理とが自動的に繰り返し行なわれる構成であれば本発明は成立するのである。
ここで、上記した他の画像としては、設問画像または解答画像の内容を補足するための補足画像が考えられる。この補足画像としては、例えば、設問画像が設問を示す文章のみからなる文字画像である場合、当該設問の内容を示す絵を補足画像とするような形態が考えられる。つまり、図4の参照付cに示されるエリアのみを設問画像として表示し、図4の参照付aに示されるエリアのみを上記設問画像に対する補足画像として表示する。
なお、設問画像の内容を補足する補足画像は、設問画像を表示する直前または直後に表示し、解答画像の内容を補足する補足画像は、解答画像を表示する直前または直後に表示するとよい。
例えば、設問画像をL,設問画像に対する補足画像をM,解答画像をN,解答画像に対する補足画像をOとする場合、以下に示すようなパターン1やパターン2の順序で各画像を表示する形態が考えられる。
パターン1 L→M→N→O→L→M→N→O→・・・
パターン2 M→L→O→N→M→L→O→N→・・・
また、以上示した補足画像は、当該補足画像に対応する設問画像および解答画像と同じ画像ファイルに構成されている。そして、画像再生部16は、画像選択部15に選択されている画像ファイルを読み出し、読み出した画像ファイルに含まれる設問画像,解答画像,補足画像を、上記したパターンに示される順序でモニタ3に表示することとなる。
さらに、制御部10は、S4からS5への移行前、またはS6からS3への移行前(S7でNO)において、現在表示中の画像を点滅表示させてから、現在表示中の画像の表示から次に表示すべき画像の表示へと処理を移行してもよい。このようにすると、利用者からすれば、上記点滅表示によって、現在表示中の画像の表示から次に表示すべき画像の表示へと処理が移行されることを予知することが可能になる。
例えば、図3に示すS4の所定時間を5秒とし、当該所定時間経過時の2秒前から設問画像を点滅させるとよい。このようにすれば、設問画像を視聴している利用者からすれば、上記点滅によって、設問画像の表示から解答画像の表示へと処理が移行されることを事前に予知することができる。なお、点滅の速度(単位時間当たりの点滅回数)は、常に一定ではなく、変化させてもよい。例えば、点滅開始から時間が経過するにつれて点滅速度を向上させるようにすれば、利用者からすれば、現在表示中の画像から次に表示すべき画像の表示へと処理が移行されることが次第に近づいていることを認識できる。
また、設問画像および解答画像について、繰り返して表示する毎に表示時間を変更する処理を行なってもよい。以下では、このような処理を実現する画像表示装置について、図6に基づいて説明する。
図6に示すように、画像表示装置のコンピュータ本体2aには、制御部10aおよび記憶部11aが含まれている。制御部10aは、図1に示した画像選択部15および画像再生部16の他、回数カウント部31,表示時間決定部32を含んでいる。また、記憶部11aは、図1に示したプログラム格納部18および画像ファイル格納部19の他、回数・時間テーブル33を含んでいる。なお、図6に示す画像選択部15,画像再生部16,プログラム格納部18,画像ファイル格納部19は、図1に示すものと同様の部材であるため、ここではその説明を省略する。
回数・時間テーブル33は、表示回数を示す回数情報と、設問画像または解答画像を表示すべき時間を示す時間情報とを対応付けたテーブルである。なお、このテーブルを以下の表1に示す。
回数カウント部31は、画像再生部16を監視し、画像選択部15に現在選択されている画像ファイルに含まれる設問画像・解答画像のこれまでの表示回数をカウントするブロックである。
具体的に、回数カウント部31は、図3に示すS2とS3との間、および、S7においてNOが選択された後のS3の前において、画像選択部15に現在選択されている画像ファイルに含まれる設問画像・解答画像の表示回数をカウントしている。
表示時間決定部32は、回数カウント部31によってカウントされる表示回数に応じて、設問画像または解答画像の表示時間を決定し、設問画像または解答画像が当該表示時間だけ表示されるように画像再生部16を制御するブロックである。具体的に、表示時間決定部32は、回数・時間テーブル33を参照して、回数カウント部31によってカウントされる表示回数を示す回数情報に対応付けられている時間情報を読み出し、当該時間情報に示される時間をS4およびS6の所定時間として画像再生部16に設定する。
つまり、表示時間決定部32は、カウントされる表示回数が0回の場合、5秒を示す時間情報を読み出し、カウントされる表示回数が1回の場合、4秒を示す時間情報を読み出し、カウントされる表示回数が2回の場合、3秒を示す時間情報を読み出し、カウントされる表示回数が3回の場合、2秒を示す時間情報を読み出す。さらに、表示時間決定部32は、カウントされる表示回数が4回の場合、再度、5秒を示す時間情報を読み出し、カウントされる表示回数が5回の場合、再度、4秒を示す時間情報を読み出す。
つぎに、以上示したコンピュータ本体2aの処理の流れについて説明する。まず、ファイルナンバー1の画像ファイルが画像選択部15によって選択されたものとする(S2)。ここで、回数カウント部31は、ファイルナンバー1の画像ファイルに含まれる設問画像および解答画像が未だ表示されていないため、表示回数0回をカウントする。そして、表示時間決定部32は、回数・時間テーブル33を参照して、0回の回数情報に対応付けられている時間情報を読み出し、この時間情報に示されている時間(5秒)を画像再生部16に設定する。これにより、画像再生部16は、ファイルナンバー1の画像ファイルにおける設問画像を5秒表示し、その後、当該画像ファイルにおける解答画像を5秒表示する(S3〜S7)。
そして、解答画像表示後(S7においてNO)、回数カウント部31は、現在までにファイルナンバー1の画像ファイルに含まれる設問画像および解答画像が1回づつ表示されていることから、表示回数1回をカウントする。そして、表示時間決定部32は、回数・時間テーブル33を参照して、1回の回数情報に対応付けられている時間情報を読み出し、この時間情報に示されている時間(4秒)を画像再生部16に設定する。これにより、画像再生部16は、ファイルナンバー1の画像ファイルにおける設問画像を4秒表示し、その後、当該画像ファイルにおける解答画像を4秒表示する(S3〜S7)。
そして、S7においてYESが選択されない限り、S3〜S7が繰り返され、繰り返される毎に設問画像および解答画像の表示時間が変化する。つまり、ファイルナンバー1の画像ファイルに含まれる設問画像および解答画像は、1回目の表示(既に表示された回数0回)においては5秒間表示され、2回目の表示(既に表示された回数1回)においては4秒間表示され、3回目の表示(既に表示された回数2回)においては3秒間表示され、4回目の表示(既に表示された回数3回)においては2秒間表示される。
また、5回目の表示においては再度5秒間表示が行なわれ、6回目の表示においては再度4秒間表示が行なわれる。つまり、設問画像および解答画像の表示時間は、繰り返し表示の度に、5秒→4秒→3秒→2秒→5秒→4秒→3秒→2秒→5秒→・・・のように変化することになる。
さらに、S7において、「次へボタン」がクリックされると、画像選択部15は、ファイルナンバー1の画像ファイルの選択を終了し(S8)、ファイルナンバー2の画像ファイルを選択する(S2)。そして、ファイルナンバー2の画像ファイルに含まれる設問画像および解答画像について、以上示したS3〜S7の処理が繰り返される。つまり、ファイルナンバー2の画像ファイルに含まれる設問画像および解答画像も、1回目の表示(既に表示された回数0回)においては5秒間表示され、2回目の表示(既に表示された回数1回)においては4秒間表示され、3回目の表示(既に表示された回数2回)においては3秒間表示され、4回目の表示(既に表示された回数3回)においては2秒間表示されることになる。
以上のような処理を行なうことにより、繰り返し表示される設問画像または解答画像の表示時間を一定とはせずに、繰り返し表示の毎に表示時間を変化させることができる。それゆえ、利用者からすれば、設問画像または解答画像が長時間表示されているときは、当該設問画像または解答画像の内容について熟考でき、設問画像または解答画像が短時間しか表示されないときは直感力の訓練を行なえるという効果を奏する。
また、図6に示した構成においては、表示回数が所定数になるまでは、繰り返し表示の毎に表示時間を減少するようになっているが、繰り返し表示の毎に表示時間を増加するような構成であってもよい。さらに、設問画像および解答画像のうちの一方については表示時間を常に一定とし、他方についてのみ繰り返し表示の毎に表示時間を変化させる形態であってもよい。また、設問画像については繰り返し表示の度に表示時間を増加させる一方、解答画像については繰り返し表示の度に表示時間を減少させるようにしてもよい。さらに、設問画像については繰り返し表示の度に表示時間を減少させる一方、解答画像については繰り返し表示の度に表示時間を増加させるようにしてもよい。
また、画像選択部15に選択される画像ファイル毎に設問画像および解答画像の表示時間を変更する形態であってもよい。この場合、画像ファイルと当該画像ファイルに固有の表示時間とを対応付けて記憶部11に記憶しておき、画像再生部16は、画像選択部15に選択されている画像ファイルに含まれる設問画像および解答画像について、当該画像ファイルに固有の表示時間だけ表示するようにしてもよい。このようにすれば、設問画像毎に連続表示時間を異ならせることができ、設問の難易度に応じて連続表示時間を予め定めておくことも可能となる。
また、上記の実施形態では、設問画像と解答画像とを交互に繰り返して表示しているが、繰り返し表示される画像は、設問および解答を示したものに限られるものではない。例えば、利用者が記憶すべき事項を示した第1画像と、当該事項をイメージすることを利用者に命令する第2画像とを交互に繰り返し表示する構成であってもよい。このような構成としては、インストラクターによる手本を示す手本画像(第1画像)の表示と、「手本をイメージしなさい」というような指示を示す指示画像(第2画像)の表示とを交互に繰り返すイメージトレーニング用の画像表示装置が考えられる。このような構成により、利用者は同一事項について繰り返しイメージトレーニングを行なえる。なお、このようなイメージトレーニング用の画像表示装置は、挨拶等の作法や躾の訓練、舞踊・振り付け・華道・茶道の訓練、スポーツにおける技能習得に最適である。
また、その他の例として、利用者が記憶すべき事項を示した第1画像と、利用者が第1画像に示される事項と関連付けて記憶すべき事項を示した第3画像とを交互に繰り返して表示する構成が考えられる。この構成によれば、利用者にとって互いに対応づけて記憶すべき複数の事項を効率よく暗記学習することができる。つまり、この構成の画像表示装置は暗記学習に最適である。また、この構成の一例として、英単語を示す画像(第1画像)と、当該英単語に対応する日本語を示す画像(第3画像)とを繰り返し表示する英語学習用画像表示装置等が考えられる。
つまり、繰り返し表示される画像は、設問画像および解答画像に限られるものではなく、訓練に用いられる互いに関連し合う複数の画像が繰り返し表示される構成であればよい。
なお、上述した第1画像と第2画像とを繰り返し表示する形態の場合であっても、繰り返して表示する毎に第1画像および第2画像の少なくとも一方について表示時間を変更する処理を行なってもよいし、画像選択部15に選択される画像ファイル毎に第1画像および第2画像の少なくとも一方について表示時間を変更する処理を行なってもよい。また、第1画像を表示する期間と第2画像を表示する期間との間において、第1画像または第2画像の内容を補足するための補足画像を表示してもよい。
さらに、上述した第1画像と第3画像とを繰り返し表示する形態の場合であっても、繰り返して表示する毎に第1画像および第3画像の少なくとも一方について表示時間を変更する処理を行なってもよいし、画像選択部15に選択される画像ファイル毎に第1画像および第3画像の少なくとも一方について表示時間を変更する処理を行なってもよい。また、第1画像を表示する期間と第3画像を表示する期間との間において、第1画像または第3画像の内容を補足するための補足画像を表示してもよい。例えば、cherryというスペルを示す第1画像を表示する期間と、桜という文字を示す第3画像を表示する期間との間において、桜の木の絵を示す補足画像を表示する形態が考えられる。
また、上記イメージトレーニング用の画像表示装置では、利用者が記憶すべき事項を示した画像を表示した後で、当該事項をイメージすることを利用者に命令する画像を表示する順序で繰り返し表示を行なうことが好ましい。これにより、利用者からすれば、記憶すべき事項を確認した後で、当該事項をイメージするというトレーニングを繰り返し行なうことになるため、効率よく解答を暗記することができる。
さらに、制御部10を含むコンピュータ本体2とモニタ3とは有線で接続されていてもよいし、無線接続であってもよい。また、LAN(Local Area Network)に接続されているサーバ装置(制御装置)内に本実施形態の制御部10を構成し、この制御部10がLANを介してクライアント装置内のモニタ(表示装置)に設問画像や解答画像を表示するシステム(画像表示システム)を採用しても構わない。また、制御部10を含むコンピュータと、モニタ3を含む端末装置とをインターネットを介して接続可能な構成とし、制御部10がモニタ3上に設問画像や解答画像を表示するシステム構成を採用しても構わない。
つまり、本発明は、モニタ3と接続されているコンピュータ本体2・2aとしても成立し、このコンピュータ本体2・2aを表示制御装置と表現することもできる。この場合、本発明は、利用者に対しての設問を示した設問画像と、当該設問に対する答を示した解答画像との組を含む画像ファイルを複数記憶する記憶部と、画像を表示する表示部を制御する制御手段と、を含み、上記制御手段は、記憶部に含まれる画像ファイルのうち、いずれか1つの画像ファイルを選択する選択手段と、上記選択手段に選択されている画像ファイルに含まれる設問画像と解答画像とを所定の順序で表示部に表示する表示処理を反復する画像再生手段とを含む表示制御装置とも表現することができる。
また、上記制御手段は、利用者からのコマンドを入力する入力手段から変更コマンドを入力すると、上記反復表示処理の対象となる複数の画像を変更する構成であってもよい。
なお、以上の実施の形態で説明した制御部10をコンピュータとして動作させるための介護者訓練プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録するものとすることもできる。この結果、上記介護者訓練プログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
なお、この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、例えばROM(Read only memory)のようなものそのものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であっても良いし、あるいは、いずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であっても良い。
また、本実施の形態においては、制御部10を、インターネットを含む通信ネットワークと接続可能な構成とし、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。上記記録媒体は、制御部10に備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで上述した処理が実行される。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。