JP2006097258A - 屋根の遮熱構造およびこれを適用した通気工法住宅 - Google Patents

屋根の遮熱構造およびこれを適用した通気工法住宅 Download PDF

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Abstract

【課題】 屋根の断熱厚みを増やすことなく屋根から入る伝熱量を減らすことができる屋根の遮熱断熱構造、また大きい電動ファン能力を必要とせず、ひいては消費電力を増やすことなく屋根近傍の部屋の暑さを改善させることができる通気工法住宅を提供する。
【解決手段】 防水シートまたは(および)屋根下地材の、少なくとも片側面または(および)厚み方向内部に遮熱層73を設けた屋根の遮熱断熱構造とした。さらに屋根の遮熱断熱構造を屋根に適用した通気工法住宅とした。
【選択図】 図5

Description

本発明は、屋根近傍室の夏季の暑熱環境を改善し、住宅の室内空間利用を広げることを可能にする屋根構造および住宅に関する。
狭小地に建つ建物では、内部空間を有効に利用するために小屋裏空間を部屋として利用したり、室内を広く見せるために小屋裏空間を設けず居室の天井を屋根勾配にあわせた勾配天井としたり、その天井付近をロフトとして利用することが多くみられる。例えば図1に示すように屋根断熱構造として屋根部分に断熱材11Aを設けてはいるが、夏季に強い陽射しを受ける時間帯には屋根面からの伝熱量が増えるため屋根の室内側表面温度が高く、空気温度も下階に比べ高くなりやすく、部屋として利用するには暑いという問題があった。
また、断熱材11Aの厚みは国の省エネルギーに関する告示に示される地域毎の熱貫流率と断熱材が持つ熱伝導率の値により様々であり、例えばポリスチレンを原料とする発泡プラスチック系の断熱材で熱伝導率が0.027W/m・Kのものを告示のIV地域に使用する場合は115mmから130mmを必要とする。しかしながら、このような厚みの断熱材11Aを垂木10に固定するには、断熱材厚み以上の長さを有するビスや釘を用いて、断熱材11Aの表面から幅45mm程度の垂木10に向けて止めつける必要があり、確実な固定を行うための施工性に問題がある。その為、通常は告示に規定されている建物全体の熱損失係数の基準をもとに、前記ポリスチレンの断熱材11Aを使用する場合において、40〜75mm程度の厚みまで薄くして用いることが行われたり、図2に示すように断熱材11Aの上にさらに別の断熱材11Bをサイズ大きくした通気垂木16Bの間に挿入して断熱材の厚みを大きくするといったことが行われている。しかしながら図2のように断熱材厚みを増したとしても、通気垂木16Bを垂木10に確実に固定する必要があることから通気垂木16B自体の厚みにも限界があり、おのずと断熱材厚みを増すことによる遮熱性の向上には限界があった。また断熱材厚みを増すと建物全体の保温性が高くなり、夏季には開口部や壁などからの少ない侵入熱でも熱ごもりを招きやすいという問題もあった。
また屋根からの伝熱を抑制するために、図1や図2に示すように断熱材の屋外側に外気と連通した空気層12を設けて排熱する方法を採用する例が数多く見られる。この空気層の厚みは屋根の断熱材を固定する通気垂木16A(16B)の厚みで確保している。しかしながら排熱量を増加させるには空気層12の厚みを増やして空気の流れ抵抗を少なくする必要があり、通気垂木16A(16B)の厚みを厚くすると断熱材の固定に必要なビス等が長くなり、前述のような施工の問題を生じる。また空気層12からの排熱は外気の取り入れ口付近では効果が大きいが、出口付近では空気層内の温度も高くなり空気層12を挟んだ輻射伝熱が支配的となり、空気の流れによる伝熱抑制には限界があった。 さらに断熱材11A(11B)よりも屋外側にアルミ蒸着シートなどの遮熱性を有する部材を付加して断熱材11A(11B)への伝熱を抑制させる例もある。例えば断熱材の屋外側面にアルミ蒸着シートなどを貼り付けたものを用いる例(例えば特許文献1)があるが、冬季には室内側からの透湿性を妨げるため結露を誘発することから好ましくない。また、アルミ蒸着シートを、屋根下地材や垂木と一体化せずに遮熱専用の部材として、屋根下地材上や垂木間に単独で施工する例もみられるが、施工工数が増えてしまうことが問題であった。
一方、屋根の伝熱抑制ではなく、伝熱した熱によって暑くなりやすい屋根近傍の部屋や小屋裏の温度を低減させるため、これらの空間内の排熱を促進させるための小さい能力の電動ファンや、風力、内外温度差などの自然動力による自然の排熱を行う小屋裏開口を、前記屋根近傍室や小屋裏の上部に設けた通気工法が考案されている。しかしながら夏の強い陽射しに対して屋根断熱の厚みが十分ではないこと、さらには小屋裏などの暑さが問題となるのは外気温度が高くなる昼間である為、外気温度と小屋裏などの建物内部との温度差が大きくとれないこと等から、屋根近傍を部屋として使用するためにさらに暑さを低減させるには、大きい小屋裏開口や大きい電動ファン能力や運転の電力を多く必要とするため意匠性や省エネルギーの観点からは望ましくないという問題があった。さらには前記電動ファンの能力を大きくすると、電動ファンの送風音や発生圧力による居室内の換気経路を乱す問題があった。
特開2003−90088
屋根の断熱厚みや施工工数を増やすことなく屋根から入る伝熱量を減らすことができる屋根の遮熱断熱構造、また大きい電動ファン能力を必要とせず、ひいては消費電力を増やすことなく屋根近傍の部屋の暑さを改善させることができる通気工法住宅を提供する。
上記課題を解決するために、本発明では垂木間または垂木上またはその両方に位置するように断熱材が設けられ、該断熱材の上面には外気に通じた空気層を介して屋根下地材が設置され、さらに該屋根下地材の上面には防水シートと屋根材とが設置されてなる屋根であって、防水シートまたは屋根下地材から選ばれる少なくとも1つの部材を用い、該部材の片側面、両面または厚み方向内部から選ばれる少なくとも1つの態様によって、一体化された遮熱層を設けたことを特徴とする屋根の遮熱断熱構造(請求項1)、
また、前記遮熱層は塗料を塗布することで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の屋根の遮熱断熱構造(請求項2)、
壁内通気層を介して床下空間と連通する、小屋裏空間または天井裏空間から選ばれる少なくとも1つの空間を有し、該床下空間と該小屋裏空間または天井裏空間から選ばれる少なくとも1つの空間とはそれぞれ外気と連通可能である住宅であって、屋根の少なくとも一部が請求項1から請求項2に記載の屋根の遮熱断熱構造であることを特徴とする通気工法住宅(請求項3)、である。
本発明は、断熱材や通気垂木の取付け精度、施工工数に影響することなく、断熱材への伝熱量を低減でき、これにより屋根近傍を含めた広範な室内空間の利用が可能となる。また、本発明は、屋根近傍の空間に外気導入可能な通気工法に適用することで、小屋裏の電動ファン能力の増強や小屋裏開口を大きくすること無く、従来と同じ通気量で、また電動ファンの場合は従来と同じ電力使用量のままで屋根近傍空間の暑熱環境の一層の改善が可能となる。また、本発明は、防水シート、屋根下地材など部位に分散して遮熱層を多層化させることも可能となり、施工工数の増大を招くことなく遮熱効果を高めることもできる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の断熱遮熱構造を適用する屋根構造例を示す断面図で、主として断熱材11Aの上側には外気と連通した空気層12を介して屋根下地材13および防水シート14、屋根材15から構成されている。
この屋根の断熱材11Aは垂木10の上部に通気垂木16Aで上面から抑えるようにビスや釘を用いて固定する。この他、図示しないが断熱材厚みの一部を垂木間に挿入したり、厚みのすべてを垂木間に挿入しても良い。断熱材11Aの厚みは、冬季の熱損失を抑える機能を兼ねることから、少なくとも省エネルギーの告示を満たす厚み以上とした上で、通気垂木16Aを介して垂木10への固定が容易な厚みに設定する。例えば垂木10の上面から断熱材11Aの表面までの厚みは75mm以下程度までが施工性の観点からは良く、望ましくは50mm以下程度とするのが良い。断熱材はポリスチレンなどの発泡プラスチック系断熱材が固定しやすい点で好適であるが、ロックウールなどの繊維系断熱材でもよい。
空気層12は屋根の流れ勾配方向の上下で外気と連通させ、屋根材15で受けた日射熱を外気に排出可能としている。空気層12は、通常、通気垂木16の厚みによって決まり、その厚みは通常18mm以上である。熱の排出量を増やすには、空気層12の厚みを断熱材11Aの固定に影響がない範囲で大きくして空気の流れ抵抗を小さくすると良いが、断熱材11Aと通気垂木16Aを固定するビスや釘などの施工性の観点から、通気垂木16Aの厚みは、18mmから60mm程度の範囲とするのが良い。このような範囲にすればビスや釘の長さは、通常用いられる150mm以下程度に抑えることが可能となる。
屋根下地材13は、通常使用されるものでよく、構造用合板や挽き板、パーティクルボードなどが例示できる。
また防水シート14は、通常使用されるアスファルトルーフィングや合成高分子系ルーフィングなどを用いれば良い。
また屋根材15は、本発明において特に限定するものではないが瓦葺きや金属板葺き、スレート葺きなど、耐久性や建物の意匠面から任意に選択可能であり、屋根材15の色は意匠の観点から適宜選択可能であるが、日射熱の反射の観点から白色系を選択するとより望ましい。
本発明の屋根の遮熱断熱構造は、上記のような図1や図2に示すような屋根断熱構造における防水シート14または(および)屋根下地材13に一体化された遮熱層を設けて、屋根の断熱材への日射熱の伝熱を低減させるというものである。
図3は遮熱層を防水シート面に設けた例を示した断面図で、防水シート20の片側に遮熱層21を設けた例である。この遮熱層21は例えば防水シート14の表面に遮熱性の塗料を塗布したもの、また塗料にかえてアルミ箔やアルミ蒸着シートを貼り付けても良い。もちろん塗料とアルミ箔など異なる材料を組み合わせてもよい。またアルミ箔やアルミ蒸着シートなどの場合は素材として多層に形成したものでも良い。また遮熱層21は防水シート14の両面に設けてもよく、また防水シートの断面内に設けたり、図4のように遮熱層21を多層に形成しても良い。いずれにしても防水シート20に対して遮熱層21が単層または複層になるように設けるとよい。なお遮熱層21は単層よりも多層にした方が、熱線の多層反射が可能となり、より遮熱性が向上する。
このように本発明の屋根の遮熱断熱構造は、遮熱層21を設けた防水シート20を図1や図2の防水シート14部分に適用したものである。
さらに遮熱層は、図1や図2の屋根下地材13部分に設けても良い。図示しないが、屋根下地材13の片側面または両面、さらには屋根下地材の断面内部など前記防水シート部分と同様に屋根下地材13部分に遮熱層を単層または複層となるように設ければよい。
なお、防水シートや屋根下地材の片面だけに遮熱層を形成する場合は、遮熱層を屋内側に向いて取付けて遮熱層を保護することも可能である。
また、このように遮熱層を防水シートや屋根下地材に設ける方法は、図1を用いて説明したが、図2に示す屋根の断熱構造に適用する場合も同様に実施することができる。
さらに、遮熱層を屋根下地材13または防水シート14の片側面に設ける場合は、屋根下地材13では空気層12に面する側、防水シート14では屋根材15に面する側に設けると空気層による排熱により、遮熱性能を高めることが可能である。
このように、本発明における屋根の遮熱断熱構造における遮熱層は、断熱材11Aと屋根材15との間に、防水シート部分や屋根下地材部分、空気層部分の各部位に設ける他、各部位に遮熱層を設けて屋根の断面構造内部に遮熱層を分散して多層化するとより好ましい。
上記遮熱層を形成する材料としては、アルミ箔や紙や樹脂フィルムなどの基材にアルミを蒸着したアルミ蒸着シートなどのシート状のものの他、明色系塗料や赤外線の反射効率にすぐれた材料を含んだ塗料などを用いることができる。
例えば遮熱層をアルミ箔やアルミ蒸着シートなどのシート状とした場合は、施工工数の観点からは、予め防水シートや屋根下地材に取付ておくのが好ましい。取付には接着剤などで点付けまたは全面に貼り付ける、またはタッカーなどで固定してもよい。またこれらシート状の遮熱層は複数枚を重ねて熱線の反射層を多層化すると、より遮熱性能が高い遮熱層を形成することができる。また不織布などに以下に記述する遮熱性の塗料を塗布させたものを遮熱層のシートとして用いても良い。
遮熱層を塗料で形成する場合について説明する。まず遮熱層を塗料の顔料で発現させる場合では、この顔料は日射反射機能を備える性状の顔料であれば、有機系顔料、無機系顔料の何れであってもよく、また有機系顔料、無機系顔料の2種以上を任意に組合わせてもよい。例えば無機系顔料としては、アナターゼ型あるいはルチル型の酸化チタン、これらの酸化チタンに酸化アルミニウムや酸化珪素などで表面処理した酸化チタン、硫化亜鉛、亜鉛華、鉛白などに代表される白色顔料、アルミ顔料、燐片状雲母、燐片状シリカなどの燐片状形状の顔料などを使用できる。その中でも白色や銀色を基調とした明色系顔料が好ましい。
また赤外線の反射効率にすぐれた遮熱性の塗料としては、波長約760nmから波長約3000nmの範囲の近赤外線に対して反射効率に優れた材料を含む塗料が好適である。
このような塗料中に含む材料として、中空球体や中実のビーズを塗料中に含ませたものが例示できる。例えば中空球体としては、無機中空球体では、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、アルミノシリケートバルーン等が挙げられ、有機中空球体としては、塩化ビニリデン樹脂、アクリロニトリル樹脂等の中空球体を用いることができる。中空球体の粒径としては、1〜200μmの範囲内のものを用いることができる。さらには、中空球体よりも熱伝導率の性能が劣るが、ガラスビーズや珪砂のような中実のビーズの使用も可能である。
また中空球体と、顔料とを混合して使用することができ、また中空球体は無機中空球体、有機中空球体を任意に選定してその1種または2種以上の組合わせを用いることができる。
塗料のベース樹脂は、中空球体及び/又は顔料のバインダーであり、特に限定するものではないが、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等またはこれらの混合物などが使用できる。
また塗膜厚みは顔料や中空球体などの粒径以上、例えば5μm以上が好ましく、厚いほど遮熱効果は得られる。なお防水シート面に遮熱層を予め塗布するような場合は、製品をロール状にするため300μm程度以下が好ましい。
なお、熱反射層を防水シートや屋根下地材の表面に塗布する場合に、直接これらの材料に塗布しても良いが、塗料の付着性をよくするための不織布などの下地材やプライマーなどの下地処理を施しても良い。また塗料による熱反射層の表面には塗装のはく離を防止する保護層を設けても良い。滑りが少ない凹凸などの表面性を有する保護層がより好適である。この保護層には塗装膜を別途上塗りする他、特に限定するものではないが、不織布、紙、ゴム系シート、樹脂フィルムなどを用いることができる。
また遮熱層を塗料で形成する場合も同様に、予め防水シートや屋根下地材に塗布しておいた方が施工工数や雨養生などの観点から好ましい。
なお遮熱層をシート状または塗料とするかは任意の選択が可能で、適宜組み合わせても良い。また防水シートの表面はシート状の遮熱層、裏面は塗料による遮熱層としてもよい。なお遮熱層は実施例にあげた材料だけに限定されることはなく、防水シートや屋根下地材、通気層部分に遮熱層が形成できる塗料、シートなどであれば採用することができる。
以上、本発明による屋根の遮熱断熱構造を屋根全体に適用すれば、小屋裏空間53などの温度上昇が抑えられ、その下の居室の暑さ改善が可能となる。特に小屋裏空間を部屋として利用する場合や、勾配天井を形成してロフト空間を設けるなど、屋根からの伝熱の影響を強く受ける屋根近傍の部屋部分に適用するのが好適である。さらに断熱材厚みを厚くすることなく伝熱を抑制できるので、夏季の、特に夜間の室内熱ごもりを助長させることなく、昼間の屋根からの伝熱のみを抑制できる。これにより屋根近傍を含めた広範な室内空間の利用が可能となる。
次に本発明による前記屋根の遮熱断熱構造は、壁内通気層を介して小屋裏空間または(および)天井裏空間を外気と連通させることが可能な通気工法住宅に好適で、小屋裏部屋などの屋根近傍室の防暑効果を向上させることが可能となる。以下、このような通気工法住宅に適用した場合について説明する。
図5は本発明による屋根の遮熱断熱構造を適用した通気工法住宅の例を説明しやすいように模式的に示した断面図である。
この通気工法住宅は屋根断熱材66および壁断熱材63と基礎コンクリート67とによって熱的に屋外と区画されており、基礎コンクリート67の立ち上がり部分には基礎断熱材68が取り付けられている。
また天井材60と屋根断熱材との間には小屋裏空間53乃至(または)天井裏空間54が形成され、床材62と基礎コンクリート67との間には床下空間51が形成され、内装壁材61と壁断熱材63との間の空隙は、前記小屋裏空間53乃至(または)天井裏空間54とを連通する壁通気層52となるように形成されている。
断熱材は柱や梁、基礎コンクリートの屋外面に取り付ける外張り断熱工法とするのが好適であるが、前記小屋裏空間53乃至(または)天井裏空間54、床下空間51および壁通気層52が形成可能であれば取りつけ位置の制限はない。たとえば基礎断熱材68は基礎コンクリート67の床下空間51側に取り付けられてもよい。
使用する断熱材は外張り断熱工法の場合は、ポリスチレンなどの発泡プラスチックス系断熱材が好適であるが、ロックウールなどの繊維系断熱材でもよい。
さらに本発明による遮熱断熱構造を適用した通気工法では、床下空間51を外気に連通させることが可能となるよう開閉可能な床下ダンパー70を適宜設けてもよい。また床下空間51ではなく、その他、壁通気層52や居室55を外気と適宜連通させて小屋裏および(または)天井裏空間に外気導入させてもよい。
さらに小屋裏空間53乃至(または)天井裏空間54の最上部付近には、これら空間の熱気を屋外に排出することが可能な電動ファン71を備えている。この電動ファン71には電動ファンが運転しているときのみに開くシャッター機能がついており、冬季に電動ファン部分からの空気漏れがないようにしている。なお電動ファン71に代えて開閉可能なダンパーを適宜設け、熱気を排出する季節に開放する方法でもよい。
この通気工法は日射量が増えて小屋裏空間53などの屋根近傍部分が暑くなる季節に床下ダンパー68を開放するとともに、電動ファン71を運転することで、床下区間51から外気を取り入れ、壁通気層52を経由して熱気が溜まりやすい小屋裏空間53乃至(または)天井裏空間54に外気を導くことで、特に屋根近傍部分の暑さを低減させることを可能としている。
この電動ファン71などによる小屋裏空間53などからの排熱は、小屋裏空間53などの空気と床下から導かれる低温空気との置換効果および屋根の小屋裏空間側の対流熱伝達の促進などの効果がある。しかしながら床下空間から導かれる空気温度と小屋裏空間53などの温度との温度差は常時大きくはなく、また導入する空気温度も昼間には高くなること、さらには電動ファンによる排気量を増やして排熱量を大きくしようとした場合、電動ファン自体の騒音や電力消費量、室内の過大な負圧によるドアの開閉、その他室の換気扇風量への影響などから、屋根近傍の暑熱環境のより一層の改善が難しい。そこで屋根の断熱材66と屋根材65との間に遮熱層73を設けた本発明による屋根の遮熱断熱構造を適用することで、屋根から小屋裏空間53乃至(または)天井裏空間54に強い日射熱の伝熱を抑えることが可能となり、小屋裏空間53などに導かれる空気の温度が高くなる昼間の時間帯であっても、電動ファン71の排気量を増やさなくても良いので、省エネルギー、居室への負圧影響を与えることなく屋根近傍の暑熱環境の改善が可能となる。
特に小屋裏空間を部屋として利用する場合や、勾配天井を形成してロフト空間を設けるなど、屋根からの伝熱の影響を強く受ける屋根近傍の部屋部分に適用するのが好適である。また勾配天井を形成した場合の天井裏空間54では電動ファン71による気流速度が増加するのでより排熱効果が得られる。さらに屋根の断熱厚みを変えないので建物としての保温性が増加せず、夏季夜間の熱ごもりを助長しないため、電動ファン71などによる排気効果を損なうこともないので、屋根近傍を含めた広範な室内空間利用が可能となる。
これまで外気を床下空間51および壁通気層52を介して導入する例で説明したが、小屋裏空間53や天井裏空間54に外気導入が可能である構造に本発明による屋根の遮熱断熱構造を適用した通気工法住宅で良く、たとえば室内の窓や換気口から小屋裏空間54などに導入する方法であっても良い。
屋根の構成を示す断面図で断熱材が1層である例を示す。 屋根の構成を示す断面図で断熱材が2層である例を示す。 片側面に遮熱層を設けた防水シートの断面図である。 遮熱層を多層に設けた防水シートの断面図である。 通気工法住宅の縦断面を模式的に示した図である。
符号の説明
10 垂木
11A(11B) 断熱材
12 空気層
13 屋根下地材
14 防水シート
15 屋根材
16A(16B) 通気垂木
20 防水シート
21(22、23) 遮熱層
50 通気工法住宅
51 床下空間
52 壁通気層
53 小屋裏空間
54 天井裏空間
55 室内
60 天井材
61 内装壁材
62 床材
63 壁断熱材
64 壁外装材
65 屋根材
66 屋根断熱材
67 基礎コンクリート
68 基礎断熱材
70 床下ダンパー
71 電動ファン
72 棟換気口
73 遮熱層

Claims (3)

  1. 垂木間または垂木上またはその両方に位置するように断熱材が設けられ、該断熱材の上面には外気に通じた空気層を介して屋根下地材が設置され、さらに該屋根下地材の上面には防水シートと屋根材とが設置されてなる屋根であって、防水シートまたは屋根下地材から選ばれる少なくとも1つの部材を用い、該部材の片側面、両面または厚み方向内部から選ばれる少なくとも1つの態様によって、一体化された遮熱層を設けたことを特徴とする屋根の遮熱断熱構造。
  2. 前記遮熱層は塗料を塗布することで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の屋根の遮熱断熱構造。
  3. 壁内通気層を介して床下空間と連通する、小屋裏空間または天井裏空間から選ばれる少なくとも1つの空間を有し、該床下空間と該小屋裏空間または天井裏空間から選ばれる少なくとも1つの空間とはそれぞれ外気と連通可能である住宅であって、屋根の少なくとも一部が請求項1、又は請求項2に記載の屋根の遮熱断熱構造であることを特徴とする通気工法住宅。
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