JP2006093729A - 電子楽器 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型電子機器において、放熱効果が高く、しかもまんべんなくできるだけ隅々まで放熱するとともに、剛性を維持する。
【解決手段】底板1を鉄製の部品設置板11、アルミ製のベース板12、アルミ製のスペーサ材13及びアルミ製の脚材14で構成する。部品設置板11とベース板12の間隙でスペーサ材13,13の間に流路ガイド部15を形成する。背面板5のファン30を駆動して、底板1の前方から、流路ガイド部15、部品設置板の多数の通気孔、機器本体内及びファン30を通って気流が生じる強制的空気順路を形成する。アルミ製のベース板12で放熱して底板1を常温とし、流路ガイド部15を通る気流を熱くしないで機器本体内全体を空冷する。機器本体の下部で上下2つのスペーサ材13と脚材14を交差して配置する。
【選択図】図1
【解決手段】底板1を鉄製の部品設置板11、アルミ製のベース板12、アルミ製のスペーサ材13及びアルミ製の脚材14で構成する。部品設置板11とベース板12の間隙でスペーサ材13,13の間に流路ガイド部15を形成する。背面板5のファン30を駆動して、底板1の前方から、流路ガイド部15、部品設置板の多数の通気孔、機器本体内及びファン30を通って気流が生じる強制的空気順路を形成する。アルミ製のベース板12で放熱して底板1を常温とし、流路ガイド部15を通る気流を熱くしないで機器本体内全体を空冷する。機器本体の下部で上下2つのスペーサ材13と脚材14を交差して配置する。
【選択図】図1
Description
本発明は、特に大型の電子機器において動作の安定性を高めるようにした電子機器に関する。
従来、電子機器において動作の安定性を阻害するものとして機器内部での発熱の問題がある。そこで、電気的に大容量なものや部分的に発熱して熱がこもりやすいものなどにおいて、部品に放熱用のフィンを固着したり、外装ケース内をファンで強制空冷することが行われている。
なお、本発明に関連する文献公知発明のうち、出願人が当該特許出願時に知っているものがないので、開示すべき先行技術文献情報はない。
しかし、特に大型電子機器にあっては、強制空冷したつもりでも特定の流路以外は効果のうすいところができたり、空冷のしすぎ(長期使用)により埃がたまる等の弊害も発生する。また、効果が少ないところ(通気の悪いところ)では長期使用により埃がたまることもあり、この埃が蓄熱作用をしてしまうという問題もある。本発明は、放熱効果が高く、しかもまんべんなくできるだけ隅々まで放熱ができ、剛性を維持しつつ強制空冷ができるような電子機器を提供することを課題とする。
請求項1の電子機器は、機器本体の下部に配設される底板に、上下2つのスペーサ材(スペーサ材と脚材)を交差して該スペーサ材の少なくともいずれか一方に平板材(部品設置板またはベース板)を固着した構造を持たせ、前記機器本体側のスペーサ材の間隙により前後方向に延びる空気流路を形成する流路ガイド部を設け、機器本体背面の窓部に設けたファンによって、スペーサ材の前方から、流路ガイド部、機器本体内及び窓部への強制的空気順路を形成するようにした。これにより、スペーサ材の上に機器本体が位置するので、強制的空気順路は下(スペーサ材)から上(ファン)に向かう。そして、下方は上方よりも涼しいことから、スペーサ材が装置設置面側に熱を逃がす放熱器となる。したがって、スペーサ材を室温に近く維持することができて常温となる。そして、このスペーサ材の流路ガイド部を通る気流が熱くならないまま機器本体内に入り、機器本体内全体が冷やされる。また、機器本体の下にあるスペーサ材の流路ガイド部が空気流路となっているので、その気流によって機器本体の下部(実施形態における底板内)に埃がたまらずクリーンになり、埃だまりによる蓄熱及び発熱がない。さらに、機器本体の下部の上面にも埃がたまりにくいので、埃だまりによる蓄熱及び発熱がない。さらに、底板が堅牢になる。すなわち、剛性を維持しつつ強制空冷構造に適している。
請求項1の電子機器によれば、機器本体内全体が冷やされ、機器本体の下部及びその上面に埃がたまらず埃だまりによる蓄熱及び発熱がないので、放熱効果が高く、しかもまんべんなくできるだけ隅々まで放熱ができるような電子機器が得られる。さらに、底板の剛性を維持しつつ強制空冷に適した構造とすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は実施形態の電子機器としてのミキサー装置の要部斜視図、図2は側断面図である。なお、以下の説明において、このミキサー装置の操作者側を「前」、その反対側を「後」とする。図1はミキサー装置の前方斜め下から見た状態を示しており、装置の右側部(図の手前側)を一部破砕するとともに左側部分を省略して図示してある。
機器本体の外装部は、それぞれ金属からなる底板1、操作パネル板2、表示部3、側板4、背面板5、スライダボックス6及び仕切り板7とで構成されており、底板1以外は例えば鉄材である。なお、操作パネル板2は、スライダボックス6の上部をカバーするスライダ操作面21と仕切り板7より後方側のダイヤル操作面22とで構成されている。そして、上記外装部の内部には電子機器部品としてのモジュール部品10が内装されている。
このように、モジュール部品10は、底板1、操作パネル板2、表示部3、側板4、背面板5及び仕切り板7により立体角360度全方位的に囲まれ、モジュール部品10に対してEMI(Electromagnetic Interference:電磁干渉)の対策がとられている。また、スライダボックス6内にはスライド式可変抵抗部品20が内装されているが、このスライド式可変抵抗部品20もスライダボックス6及び仕切り板7により立体角360度全方位的に囲まれてEMIの対策がとられている。なお、スライダボックス6の前面位置には手摺り8が取り付けられている。
底板1は、部品設置板11と、ベース板12と、複数のスペーサ材13と、複数の脚材14から構成されている。部品設置板11は高透磁率材である鉄板であり、ベース板12は高導電率材であるアルミ板である。また、スペーサ材13と脚材14はアルミ材の押し出し成型により形成されている。スペーサ13と脚材14は同一部品であり、同一部品の共用によりコストが低減する。
図3は、底板1の一部斜視図である。スペーサ材13は長尺の一定幅で一定厚みの部材であり、各スペーサ材13は部品設置板11(一点鎖線で図示)とベース板12との間にスペースを設けるように介在され、その長手方向(図3の丸付き数字1で示す矢印の方向)をミキサー装置の前後方向にして一様に延設されている。この一様とは、スペーサ材13が一定幅で一定厚みであり、各スペーサ材13が平行になっていることである。これにより、部品設置板11とベース板12は離間され、両者間には流路ガイド部(間隙)15が形成されている。また、部品設置板11には、スペーサ材13が配設されていない部分に所定間隔で配置された多数の通気孔11a(透孔)が形成されている。
また、脚材14はベース板12の裏面において、スペーサ材13と交差する(クロスする)ように配設され、この脚材14が棚板等の装置設置面S(図2)に接して当該ミキサー装置が設置される。このように、スペーサ材13と脚材14が交差しているので、底板1全体がねじれに強くなる。さらに、スペーサ材13および脚材14には、内部に長手方向に貫通する2本の中空部13a,14aがそれぞれ形成されており、これによりスペーサ材13,脚材14が軽くて丈夫になっている。
図2に示したように、機器本体の背面板5には、機器本体内外へ相通する窓部51が形成され、この窓部51には機器本体内部においてファン30が取り付けられている。そして、ファン30を駆動することにより、底板1の前方のスペーサ材13,13の間から、流路ガイド部15、部品設置板11の多数の通気孔11a(透孔)、機器本体内及びファン30を通って窓部51まで気流が生じる強制的空気順路(図2の矢印)が形成される。すなわち、気流は、部品設置板11の下にある流路ガイド部15から部品設置板11より上にあるファン30に向かう。なお、背面板5には壁当りストッパ52が取り付けられており、これによって、壁面等によって窓部51が塞がれることがない。
ここで、下方は上方よりも涼しいことから、スペーサ材13、ベース板12及び脚材14が装置設置面S側に熱を逃がす放熱器となる。特に、この実施例ではスペーサ材13、ベース板12及び脚材14は熱伝導性のよいアルミ材である。したがって、ベース板12から装置設置面S側へ熱を逃がしやすくなる。また、脚材14によりベース板12と装置設置面Sとの間にスペースが生まれるので、ベース板12の放熱効果も高まる。
これにより、スペーサ材13、ベース板12及び脚材14を室温に近く維持することができて常温となる。したがって、このスペーサ材13及びベース板12に接する流路ガイド部15を通る気流が熱くならないまま通気孔11aから機器本体内に入り、機器本体内全体が冷やされる。また、部品設置板11の下にある流路ガイド部15が空気流路となっているので、その気流によって底板1内に埃がたまらずクリーンになり、埃だまりによる蓄熱及び発熱がない。さらに、部品設置板11の上面にも埃がたまりにくいので、埃だまりによる蓄熱及び発熱がない。
スライダボックス6に内装されたスライド式可変抵抗部品20のレバーはスライダ操作面21に形成された溝(摘み摺動部)から外部に突出されている。そして、その端部に摘み20a(図2)が取り付けられている。一方、底板1の前方から流路ガイド部15に流入する空気はスライダボックス6の下を通っている。すなわち、前記強制的空気順路はスライダボックス6内(異種部品配設部)の下部から形成されている。これにより、スライダボックス6内に強制的空気順路の気流と同様な気流が生じることがなく、スライダ操作面21と摘み20aとの間に埃がたまらないのでスライド式可変抵抗部品20(スライダ)が故障しにくい。
なお、図1に示したようにスライダボックス6の前面下部には該スライダボックス6の内外に相通する透孔6aが形成されている。これにより、スライダ操作面21の溝(摘み摺動部)とこの透孔6aとにより、スライダボックス6内での空気の自然循環(対流)によってスライド式可変抵抗部品20(及びスライダボックス6内部)を空冷することができる。
また、実施形態のミキサー装置は大型の装置であり、PAツアー等で使用する際にケースに収納して運搬し、会場ではケースを設置台として仮設して使用することが多い。このため、ケース面(装置設置面S)がミキサー装置の下面全面をを塞ぐような状態になる。しかし、強制的空気順路はスペーサ部の前方(ミキサー装置の前方)から形成されているので、空気を容易に取り込んで空冷することができる。
ここで、底板1の金属製の部品設置板11とベース板12との間に金属製のスペーサ材13が介在されているので、底板1自体の2次断面モーメントが大きくなり、電子機器全体も堅牢になる。また、底板1の各部が金属製であるので、さらにEMI対策が施される。
底板1の素材として、部品設置板11が鉄製、ベース板12がアルミ製となっているので、部品設置板11(鉄材)で磁気も遮蔽することができ、さらに、ベース板12(アルミ材)で電磁波を確実に遮蔽することができ、EMI対策をさらに強化できる。また、部品設置板11が鉄材であるので該部品設置板11に形成するネジ孔等が堅牢になり、モジュール部品10を組み込む基板等の取り付け加工がやりやすい。さらに、ベース板12が鉄材より柔らかいアルミ材であるので、部品設置板11にネジ孔等の加工を行うときドリル等の加工治具がベース板12に当接しても加工治具の破損等を防止でき、モジュール部品10を組み込む基板等の取り付け加工がやりやすい。
なお、実施形態では、モジュール部品10はミキサーの多数の入力ソースに対応してミキサー装置の横方向(図2に垂直な方向)に多数併設されたものである。部品設置板11上にはミキサー装置の横方向に長尺のバスライン基板40が配設されており、各モジュール部品10はコネクタによりバスライン基板40に共通接続されている。バスライン基板40の部品設置板11側には、中央に横方向に延びる長尺銅板からなるバスバー45が配設されている。そして、鉄製の部品設置板11の作用に加えてこのバスバー45により、バスラインに対してさらにEMI対策が強化されている。すなわち、バスライン基板40の信号ラインとバスバー45とで形成される電流路の面積が小さくなるように構成されていることから、この面内に出入りする磁気回路を形成しにくいことにより、EMIが極力起らない。これによって、特に磁気の影響(ハムノイズ)を受ないという効果を発生させている。
以上の実施形態では、スペーサ材13には中空部13aが形成されていてスペーサ13自体が軽くて丈夫になっているが、図3に示したように、スペーサ材13の側面13b(垂直部)に中空部13aに通じる透孔13c(二点鎖線で図示)を形成してもよい。この場合、ファン等により該中空部13aも空気流路となり、この中空部13aおよび透孔13cに外気を通すことで、底板1を通る空気を室温に保つ効果が高くなり、さらに機器本体内の空冷効果が高まり、電子機器内に熱がこもらない。
また、実施形態では、スライダボックス6の下面部6bが、スペーサ部の前方端部から手前にかけて上方に僅かに傾斜した面となり、この下面部6bと装置設置面Sとによりラッパ型あるいはホーン型の空気導入部となっている。これにより、空気を導入するスペーサ部の前方(スペーサ部材13の前方)が物によってふさがれることがなく、空気を導入することができる。
また、スライダボックス6の下面部6bに該スライダボックス6の内外へ相通する多数の透孔を設けてもよい。これによりスライダ操作面21の溝(摘み摺動部)とこの透孔とにより、空気の自然循環(対流)によって空冷することができる。この場合、上記空気導入部となっているスライダボックス6の下面部6bに沿ってスペーサ部側に流れる気流により上記透孔にわずかながら空気が流入しやすくなり、強制空冷ではなく上記自然循環を促すことができる。この気流によって促された自然循環であっても、その風圧は弱く、透孔からゴミや埃を吸い上げたり巻き込んだりしないので、スライダ操作面21と摘み20aとの間に埃がたまることがない。
実施形態では、部品設置板11が鉄材ベース板12がアルミ材であるが、部品設置板11とベース板12との少なくともいずれか一方が鉄材等の高透磁率材で、それ以外の他方は高透磁率材でない金属である場合、この他方も高透磁率材である場合のいずれでもよい。また、部品設置板11とベース板12との少なくともいずれか一方がアルミ材等の高導電率材で、それ以外の他方は高導電率材でない金属である場合、この他方も高導電率材である場合のいずれでもよい。
以上の実施形態ではミキサー装置を例に説明したが、本発明は他の各種電子機器(特に大型機器)に適用できることはいうまでもない。
6…スライダボックス、10…モジュール部品(電子機器部品)、11…部品設置板、11a…通気孔、12…ベース板、13…スペーサ材、14…脚材、15…流路ガイド部、51…窓部51、30…ファン
Claims (1)
- 内部に電子機器部品を内装した機器本体と、
該機器本体の下部に配設されるとともに、上下2つのスペーサ材を交差して該スペーサ材の少なくともいずれか一方に平板材を固着した構造を有する底板と、
前記機器本体側のスペーサ材の間隙により前後方向に延びる空気流路を形成する流路ガイド部と、
機器本体背面に設けられ機器本体内外へ相通する窓部と、
前記窓部に機器本体内の空気を排出するファンと、
を有し、
前記ファンによって、前記スペーサ材の前方から、前記流路ガイド部、前記機器本体内、前記窓部への強制的空気順路を形成したことを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005316427A JP2006093729A (ja) | 2005-10-31 | 2005-10-31 | 電子楽器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005316427A JP2006093729A (ja) | 2005-10-31 | 2005-10-31 | 電子楽器 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002278731A Division JP3786070B2 (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | 電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006093729A true JP2006093729A (ja) | 2006-04-06 |
Family
ID=36234335
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005316427A Pending JP2006093729A (ja) | 2005-10-31 | 2005-10-31 | 電子楽器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006093729A (ja) |
-
2005
- 2005-10-31 JP JP2005316427A patent/JP2006093729A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20080415 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20080613 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080708 |