JP2006091906A - 放射線硬化性組成物、その保存方法、硬化膜形成方法、パターン形成方法、パターン使用方法、電子部品及び光導波路 - Google Patents

放射線硬化性組成物、その保存方法、硬化膜形成方法、パターン形成方法、パターン使用方法、電子部品及び光導波路 Download PDF

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Abstract

【課題】露光量が比較的少なくても、パターン精度に優れた硬化物が得られる放射線硬化性組成物、その保存方法、硬化膜形成方法及びパターン形成方法を提供する。
【解決手段】本発明の放射線硬化性組成物は、(a)成分:シロキサン樹脂と、(b)成分:光酸発生剤又は光塩基発生剤と、(c)成分:(a)成分を溶解可能な溶媒と、(d)成分:アルカリ金属類、並びに(d−1)窒素含有化合物と(d−2)アニオン性基含有化合物及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも一種とから形成される塩、からなる群より選ばれる1種以上の硬化促進触媒とを含有してなるものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、放射線硬化性組成物、その保存方法、硬化膜形成方法、パターン形成方法、パターン使用方法、電子部品及び光導波路に関する。
従来、LSIやPDPなどに用いられる絶縁膜として、耐熱性や電気的信頼性等に優れることからCVD法により成膜されるSiO膜、塗布法で成膜される有機SOG(Spin On Glass)膜や無機SOG膜が多用されている。しかしながら、従来の絶縁膜では直接的に配線溝やビアホールを形成することが不可能であり、通常は絶縁膜上にフォトレジストをパターニング後、プラズマによるドライエッチング処理や薬液によるウエットエッチング処理を行い、次いでレジスト除去工程と洗浄工程とを経てパターンを形成する。これに対し、耐熱性、電気的信頼性、透明性等に優れる絶縁膜材料に感光特性が付与されたならば、上記工程で必須であったレジスト材料が不要となり、プラズマによるドライエッチング処理や薬液によるウエットエッチング処理、レジスト除去工程や洗浄工程を省略することが可能となる。
近年、耐熱性、電気的信頼性、透明性等に優れる放射線硬化性ポリシロキサン材料が提案されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、水及び触媒を除去したアルカリ可溶性シロキサンポリマーと光酸発生剤と溶剤とからなる感光性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献3及び特許文献4にはポリシラザン及び光酸発生剤を含む感光性ポリシラザン組成物が開示されている。さらには、特許文献5には加水分解性シラン化合物、光酸発生剤及び酸拡散制御剤からなる放射線硬化性組成物が開示されている。
特開平6−148895号公報 特開平10−246960号公報 特開2000−181069号公報 特開2002−72502号公報 特開2001−288364号公報
しかしながら、本発明者らは、このような従来の、感光特性を付与された絶縁膜材料を用いたパターニングについて詳細に検討を行ったところ、例えば、特許文献1及び特許文献2で開示されている水及び触媒を除去したアルカリ可溶性シロキサンポリマーと光酸発生剤と溶剤とからなる感光性樹脂組成物を用いると、いずれも多量の露光量を必要とし、大量生産性に優れないことが明らかとなった。また、特許文献3及び特許文献4に開示されたポリシラザン及び光酸発生剤を含む感光性ポリシラザン組成物を用いると、露光量は少ないものの、露光後に純水中に浸漬する、又は加湿処理を必要とするなど工程が煩雑になり、高いパターン精度が得られ難くなることが明白となった。一方、特許文献5に開示された加水分解性シラン化合物、光酸発生剤及び酸拡散制御剤からなる放射線硬化性組成物を用いると、放射線により生成した酸の拡散を酸拡散制御剤が抑制することより、シラン化合物のパターン精度を高めることができる。しかし、酸拡散制御剤が酸を失活(中和)させてしまうため、光酸発生剤量が少ない場合や露光量が少ない場合は硬化性が低下し、パターン精度が低下する懸念がある。逆にパターン精度の向上を追求すると露光量が多くなり、大量生産には向いていないことが明らかとなった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、露光量が比較的少なくても、パターン精度に優れた硬化物が得られる放射線硬化性組成物、その保存方法、硬化膜形成方法及びパターン形成方法を提供すると共に、それを用いたパターン使用方法、電子部品及び光導波路を提供するものである。
放射線により酸を発生させパターンを形成する際、従来の技術では、パターン精度を向上させるために、発生した酸を酸拡散制御剤で失活させる。こうすると、失活した分、余計に酸を発生させるために露光量を増加する必要があり、パターン精度向上と露光量の低減は両立し難い。
酸の拡散を抑制するには、酸拡散制御剤で酸を失活させる代わりに、露光量を減らして発生する酸の量を減らす、露光後のポストエクスプロージャベイク(PEB)工程の温度を低下させる、又は、PEBを行わない等の手段も考えられる。しかし、従来、そのような手段の基礎となる思想は認められない。また、そのような手段に適した放射線硬化性組成物も認められない。そのような手段に適した放射線硬化性組成物であると、酸拡散制御剤を用いずに精度良くパターンを形成することができる。しかし、従来の放射線硬化性組成物を用いてパターニングする際、発生する酸の量を減らすと硬化が十分に進行しない。また、露光後のポストエクスプロージャベイク(PEB)工程の温度を低下させるか、又は、PEBを行わないと、同様に露光部の硬化が進行しない。その結果、パターンが精度良く形成され難くなる。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の成分を含有する放射線硬化性組成物、硬化膜形成方法及びパターン形成方法が、従来の種々の問題点を解消し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(a)成分:シロキサン樹脂、(b)成分:光酸発生剤又は光塩基発生剤、(c)成分:(a)成分を溶解可能な溶媒、及び(d)成分:アルカリ金属類、並びに(d−1)窒素含有化合物と(d−2)アニオン性基含有化合物及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも一種とから形成される塩、からなる群より選ばれる1種以上の硬化促進触媒を含有してなる放射線硬化性組成物を提供する。
本発明は、(d−1)窒素含有化合物の窒素上に結合する原子が、H原子、F原子、B原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子、Ti原子、及びC原子からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記放射線硬化性組成物を提供する。
本発明は、(d−2)アニオン性基含有化合物におけるアニオン性基が、水酸基、硝酸基、硫酸基、カルボニル基、カルボキシル基、カーボネート基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1種以上である上記放射線硬化性組成物を提供する。
本発明は、(d−1)窒素含有化合物と(d−2)アニオン性基含有化合物及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも一種とから形成される塩がアンモニウム塩である上記放射線硬化性組成物を提供する。
また、本発明は、アンモニウム塩が、アンモニウムハイドロオキシド、アンモニウムフルオライド、アンモニウムクロライド、アンモニウムブロマイド、ヨウ化アンモニウム、燐酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩、ホウ酸アンモニウム塩、硫酸アンモニウム塩、蟻酸アンモニウム塩、マレイン酸アンモニウム塩、フマル酸アンモニウム塩、フタル酸アンモニウム塩、マロン酸アンモニウム塩、コハク酸アンモニウム塩、酒石酸アンモニウム塩、リンゴ酸アンモニウム塩、乳酸アンモニウム塩、クエン酸アンモニウム塩、酢酸アンモニウム塩、プロピオン酸アンモニウム塩、ブタン酸アンモニウム塩、ペンタン酸アンモニウム塩、ヘキサン酸アンモニウム塩、ヘプタン酸アンモニウム塩、オクタン酸アンモニウム塩、ノナン酸アンモニウム塩、デカン酸アンモニウム塩、シュウ酸アンモニウム塩、アジピン酸アンモニウム塩、セバシン酸アンモニウム塩、酪酸アンモニウム塩、オレイン酸アンモニウム塩、ステアリン酸アンモニウム塩、リノール酸アンモニウム塩、リノレイン酸アンモニウム塩、サリチル酸アンモニウム塩、ベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、安息香酸アンモニウム塩、p−アミノ安息香酸アンモニウム塩、p−トルエンスルホン酸アンモニウム塩、メタンスルホン酸アンモニウム塩、トリフルオロメタンスルフォン酸アンモニウム塩及びトリフルオロエタンスルフォン酸アンモニウム塩からなる群より選ばれる1種以上である上記放射線硬化性組成物を提供する。
本発明は、アンモニウム塩が、アンモニウムハイドロオキシド、アンモニウムフルオライド、アンモニウムクロライド、アンモニウムブロマイド、ヨウ化アンモニウム、燐酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩、ホウ酸アンモニウム塩、硫酸アンモニウム塩、蟻酸アンモニウム塩、マレイン酸アンモニウム塩、フマル酸アンモニウム塩、フタル酸アンモニウム塩、マロン酸アンモニウム塩、コハク酸アンモニウム塩、酒石酸アンモニウム塩、リンゴ酸アンモニウム塩、乳酸アンモニウム塩、クエン酸アンモニウム塩、酢酸アンモニウム塩、プロピオン酸アンモニウム塩、ブタン酸アンモニウム塩、ペンタン酸アンモニウム塩、ヘキサン酸アンモニウム塩、ヘプタン酸アンモニウム塩、オクタン酸アンモニウム塩、ノナン酸アンモニウム塩、デカン酸アンモニウム塩、シュウ酸アンモニウム塩、アジピン酸アンモニウム塩、セバシン酸アンモニウム塩、酪酸アンモニウム塩、オレイン酸アンモニウム塩、ステアリン酸アンモニウム塩、リノール酸アンモニウム塩、リノレイン酸アンモニウム塩、サリチル酸アンモニウム塩、ベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、安息香酸アンモニウム塩、p−アミノ安息香酸アンモニウム塩、p−トルエンスルホン酸アンモニウム塩、メタンスルホン酸アンモニウム塩、トリフルオロメタンスルフォン酸アンモニウム塩及びトリフルオロエタンスルフォン酸アンモニウム塩からなる群より選ばれる1種以上の塩のアンモニウム部位を、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、エタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム又はトリエタノールアンモニウムに置換されたものである上記放射線硬化性組成物を提供する。
また、本発明は、アンモニウム塩が、テトラメチルアンモニウム硝酸塩、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムプロピオン酸塩、テトラメチルアンモニウムマレイン酸塩及びテトラメチルアンモニウム硫酸塩からなる群より選ばれる1種以上である上記放射線硬化性組成物を提供する。
本発明は、アルカリ金属類が、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸化カリウム及び塩化カリウムからなる群より選ばれる1種以上である上記放射線硬化性組成物を提供する。
また、本発明は、シロキサン樹脂が、下記一般式(1);
SiX4−n …(1)
(式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各R1は同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物を加水分解縮合して得られる樹脂を含む上記放射線硬化性組成物を提供する。
本発明は、硬化促進触媒が第4級アンモニウム塩である上記放射線硬化性組成物を提供する。第4級アンモニウム塩を効果促進触媒として用いることにより、上述の電気特性及び機械強度の向上効果並びに組成物の安定性の向上効果が更に発揮される。
本発明は、上記放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、その塗膜を露光する工程とを有し、かつ露光する工程の後に塗膜を加熱しない硬化膜形成方法を提供する。この方法によると、加熱による酸の拡散や生産コストの増大が十分に抑えられ、しかも、得られる硬化膜のパターン精度は十分に優れたものとなる。
本発明は、上記放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、その塗膜を露光する工程と、露光する工程の後に塗膜を加熱する工程とを有する硬化膜形成方法を提供する。
本発明は、上述の加熱する工程において、塗膜を70〜110℃に加熱する上記硬化膜形成方法を提供する。これにより、加熱時の酸の拡散をより抑制することができる。
本発明は、上述の露光する工程において、塗膜を5〜100mJ/cmの光量の光の照射により露光する上記パターン形成方法を提供する。光量を上記範囲内にすることにより、露光制御が容易となり生産効率が向上する傾向にある。
本発明は、上記放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介してその塗膜を露光する工程と、露光する工程の後に塗膜の未露光部を現像によって除去する工程とを有し、かつ露光する工程の後に塗膜を加熱しないパターン形成方法を提供する。この方法によると、加熱による酸の拡散や生産コストの増大が十分に抑えられ、しかも、得られる硬化膜のパターン精度は十分に優れたものとなる。なお、ここでの「加熱」は、上記除去する工程よりも前の段階における加熱をいうので、上記除去する工程の後であれば加熱してもよい。
本発明は、上記放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介してその塗膜を露光する工程と、露光する工程の後に塗膜を加熱する工程と、加熱する工程の後に塗膜の未露光部を現像によって除去する工程とを有するパターン形成方法を提供する。
本発明は、上述の加熱する工程において、塗膜を70〜110℃に加熱する上記パターン形成方法を提供する。これにより、加熱時の酸の拡散をより抑制することができる。
本発明は、上述の露光する工程において、塗膜を5〜100mJ/cmの光量の光の照射により露光する上記パターン形成方法を提供する。光量を上記範囲内にすることにより、露光制御が容易となり生産効率が向上する傾向にある。
本発明は、上述の除去する工程において、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド水溶液を現像液として用いる上記パターン形成方法を提供する。これにより、現像時における電子部品のアルカリ金属による汚染を十分に抑制できる。
本発明は、上記パターン形成方法により形成されたパターンをレジストマスクとして用いるパターン使用方法を提供する。
本発明は、上記パターン形成方法により形成されたパターンを備える電子部品を提供する。
本発明は、上記パターン形成方法により形成されたパターンを備える光導波路を提供する。
本発明は、上記放射線硬化性組成物を0℃以下の温度で保存する放射線硬化性組成物の保存方法を提供する。この組成物を0℃以下の温度で保存することにより、0℃よりも高い温度で保存する場合よりも、保存安定性が優れたものとなる。
このような成分構成を有する放射線硬化性組成物や、その放射線硬化性組成物を用いた硬化膜形成方法及びパターン形成方法並びに放射線硬化性組成物の保存方法によれば、露光量が比較的少なくても、パターン精度に優れた硬化物を形成でき、少ない露光量と優れたパターン精度とを両立できないといった従来の問題点を解決することができる。
本発明において、このような従来達成されなかった効果が奏されるメカニズムの詳細は、未だ不明な点がある。しかしながら本発明者らは、例えば、発生した酸の拡散を抑制する酸拡散制御剤を用いる必要性がないこと、又は、添加剤として硬化促進触媒を更に含有させることに起因して、露光量を低減しても十分に優れたパターン精度を確保できると推定している。
パターン精度の向上は、添加剤として硬化促進触媒を用いると、酸や塩基の拡散よりも先に放射線硬化性組成物の硬化反応が起こることに由来していると推定される。このようなメカニズムは、従来の、酸拡散制御剤が発生した酸を失活(中和)させることによりパターン精度が向上する、というメカニズムとは異なるものである。本発明においては、従来とは異なる上述のメカニズムに基づいて、パターン精度の向上と露光量の低減とを両立することが可能になると考えられる。
本発明の放射線硬化性組成物、その保存方法、硬化膜形成方法及びパターン形成方法により、露光量が比較的少なくても、パターン精度に優れた硬化物を得ることができる。したがって、本発明は、パターン使用方法、電子部品及び光導波路に有用である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
〈(a)成分〉
(a)成分はシロキサン樹脂であり、公知のものを使用できるが、樹脂の末端や側鎖などにOH基を有することが好ましい。これは放射線硬化性組成物を硬化させるための加水分解縮合反応を一層進行させるためである。
また、シロキサン樹脂は、溶媒への溶解性、機械特性、成形性等の観点から、重量平均分子量(Mw)が、500〜1000000であることが好ましく、500〜500000であるとより好ましく、500〜100000であることが更に好ましく、500〜10000であることが特に好ましく、500〜5000であることが極めて好ましい。この重量平均分子量が500未満では硬化物の成膜性が劣る傾向にあり、この重量平均分子量が1000000を超えると、溶媒との相溶性が低下する傾向にある。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という。)により測定され且つ標準ポリスチレンの検量線を使用して換算されたものである。
重量平均分子量(Mw)は、例えば、以下の条件によるGPCにより測定することができる。
試料:放射線硬化性組成物10μL
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製標準ポリスチレン(分子量;190000、17900、9100、2980、578、474、370、266)
検出器:株式会社日立製作所社製RI−モニター、商品名「L−3000」
インテグレータ:株式会社日立製作所社製GPCインテグレーター、商品名「D−2200」
ポンプ:株式会社日立製作所社製、商品名「L−6000」
デガス装置:昭和電工株式会社製、商品名「Shodex DEGAS」
カラム:日立化成工業株式会社製、商品名「GL−R440」、「GL−R430」、「GL−R420」をこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75mL/分
測定時間:45分
好ましいシロキサン樹脂としては、例えば、下記一般式(1);
SiX4−n …(1)
で表される化合物を必須成分として加水分解縮合して得られる樹脂等が挙げられる。ここで、式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は、炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。
加水分解性基Xとしては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アセトキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基等が挙げられる。これらの中では、組成物自体の液状安定性や塗布特性等の観点からアルコキシ基が好ましい。
加水分解性基Xがアルコキシ基である一般式(1)の化合物(アルコキシシラン)としては、例えば、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ジオルガノジアルコキシシランなどが挙げられる。
テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン等が挙げられる。
トリアルコキシシランとしては、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−iso−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−iso−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−iso−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−iso−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、iso−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、sec−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチルトリフェノキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−iso−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロエチルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ジオルガノジアルコキシシランとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−iso−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキシシラン、ジエチルジ−iso−プロポキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジフェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジフェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジフェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジフェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジフェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン等が挙げられる。
また、Rが炭素数1〜20の有機基である一般式(1)の化合物で、上記以外の化合物としては、例えば、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)プロパン、ビス(トリエトキシシリル)プロパン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)プロパン、ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)プロパン、ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)ベンゼン等のビスシリルアルカン、ビスシリルベンゼンなどが挙げられる。
また、RがSi原子を含む基である一般式(1)の化合物としては、例えば、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサ−n−プロポキシジシラン、ヘキサ−iso−プロポキシジシラン等のヘキサアルコキシジシラン類、1,2−ジメチルテトラメトキシジシラン、1,2−ジメチルテトラエトキシジシラン、1,2−ジメチルテトラプロポキシジシラン等のジアルキルテトラアルコキシジシラン類などが挙げられる。
また、加水分解性基Xが、ハロゲン原子(ハロゲン基)である一般式(1)の化合物(ハロゲン化シラン)としては、例えば、上述した各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がハロゲン原子で置換されたもの等が挙げられる。さらに、加水分解性基Xが、アセトキシ基である一般式(1)の化合物(アセトキシシラン)としては、例えば、上述した各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がアセトキシ基で置換されたもの等が挙げられる。またさらに、加水分解性基Xが、イソシアネート基である一般式(1)の化合物(イソシアネートシラン)としては、例えば、上述した各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がイソシアネート基で置換されたもの等が挙げられる。さらにまた、加水分解性基Xが、ヒドロキシル基である一般式(1)の化合物(ヒドロキシシラン)としては、例えば、上述した各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がヒドロキシル基で置換されたもの等が挙げられる。
これら一般式(1)で表される化合物は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、一般式(1)で表される化合物の多量体等の部分縮合物を加水分解縮合して得られる樹脂、一般式(1)で表される化合物の多量体等の部分縮合物と一般式(1)で表される化合物とを加水分解縮合して得られる樹脂、一般式(1)で表される化合物とその他の化合物とを加水分解縮合して得られる樹脂、一般式(1)で表される化合物の多量体等の部分縮合物と一般式(1)で表される化合物とその他の化合物とを加水分解縮合して得られる樹脂、などを使用することもできる。
一般式(1)で表される化合物の多量体等の部分縮合物としては、例えば、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、ヘキサ−n−プロポキシジシロキサン、ヘキサ−iso−プロポキシジシロキサン等のヘキサアルコキシジシロキサン、部分縮合が進んだトリシロキサン、テトラシロキサン、オリゴシロキサン等が挙げられる。
上記「その他の化合物」としては、例えば、重合性の2重結合又は3重結合を有する化合物等が挙げられる。重合性の2重結合を有する化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−iso−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸フェニル、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、アクリルアミド、アリルベンゼン、ジアリルベンゼン等やこれらの化合物が部分縮合したものなどが挙げられる。3重結合を有する化合物としてはアセチレン、エチニルベンゼン等が挙げられる。
このようにして得られる樹脂は1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
一般式(1)で表される化合物を加水分解縮合させる際に用いる水の量は、一般式(1)で表される化合物1モル当たり0.1〜1000モルであることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜100モルである。この水の量が0.1モル未満では加水分解縮合反応が十分に進行しない傾向にあり、水の量が1000モルを超えると加水分解中又は縮合中にゲル化物を生じる傾向にある。
また、一般式(1)で表される化合物の加水分解縮合において、触媒を使用することも好ましい。このような触媒の種類としては、例えば、酸触媒、アルカリ触媒、金属キレート化合物等が挙げられる。
酸触媒としては、例えば、有機酸及び無機酸などが挙げられる。有機酸としては、例えば、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルフォン酸、トリフルオロエタンスルフォン酸等が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、燐酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、フッ酸等が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
アルカリ触媒としては、例えば、無機アルカリ及び有機アルカリなどが挙げられる。無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等が挙げられる。有機アルカリとしては、例えば、ピリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、アンモニア、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデカシルアミン、ドデカシルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、N,N−ジペンチルアミン、N,N−ジヘキシルアミン、N,N−ジシクロペンチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
金属キレート化合物としては、例えば、トリメトキシ・モノ(アセチルアセナート)チタン、トリエトキシ・モノ(アセチルアセナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセナート)チタン、トリ−iso−プロポキシ・モノ(アセチルアセナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセナート)チタン、トリ−tert−ブトキシ・モノ(アセチルアセナート)チタン、ジメトキシ・モノ(アセチルアセナート)チタン、ジエトキシ・ジ(アセチルアセナート)チタン、ジn−プロポキシ・ジ(アセチルアセナート)チタン、ジiso−プロポキシ・ジ(アセチルアセナート)チタン、ジn−ブトキシ・ジ(アセチルアセナート)チタン、ジsec−ブトキシ・ジ(アセチルアセナート)チタン、ジtert−ブトキシ・ジ(アセチルアセナート)チタン、モノメトキシ・トリス(アセチルアセナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセナート)チタン、モノn−プロポキシ・トリス(アセチルアセナート)チタン、モノiso−プロポキシ・トリス(アセチルアセナート)チタン、モノn−ブトキシ・トリス(アセチルアセナート)チタン、モノsec−ブトキシ・トリス(アセチルアセナート)チタン、モノtert−ブトキシ・トリス(アセチルアセナート)チタン、テトラキス(アセチルアセナート)チタン、トリメトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−iso−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−tert−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジメトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ジ(エチルアセトアセテート)チタン、ジn−プロポキシ・ジ(エチルアセトアセテート)チタン、ジiso−プロポキシ・ジ(エチルアセトアセテート)チタン、ジn−ブトキシ・ジ(エチルアセトアセテート)チタン、ジsec−ブトキシ・ジ(エチルアセトアセテート)チタン、ジtert−ブトキシ・ジ(エチルアセトアセテート)チタン、モノメトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノn−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノiso−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノn−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノsec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノtert−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン等のチタンを有する金属キレート化合物、上記チタンを有する金属キレート化合物のチタンがジルコニウム、アルミニウム等に置換された化合物などが挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
一般式(1)で表される化合物の加水分解縮合において、かかる触媒を用い加水分解を行うことが好ましいが、組成物の安定性が悪化する場合や触媒を含むことにより他材料への腐食等の影響が懸念される場合もある。そのような場合は、例えば、加水分解後に、上記触媒を組成物から取り除いたり、他の化合物と反応させて触媒としての機能を失活させてもよい。取り除く方法や反応させる方法に特に制限はないが、蒸留やイオンクロマトカラム等を用いて取り除いてもよい。また、一般式(1)で表される化合物から得られる加水分解物は、再沈等により組成物から取り出されてもよい。また、反応により触媒としての機能を失活させる方法としては、例えば、触媒がアルカリ触媒の場合、酸触媒を添加して、酸塩基反応により中和したりpHを酸性側にしたりする方法が挙げられる。
この触媒の使用量は、一般式(1)で表される化合物1モルに対して0.0001〜1モルの範囲であることが好ましい。この使用量が0.0001モル未満では実質的に反応が進行しない傾向にあり、1モルを超えると加水分解縮合時にゲル化が促進される傾向にある。
さらに、この加水分解によって副生するアルコールはプロトン性溶媒であるため、エバポレータ等を用いて除去することが好ましい。
このようにして得られる樹脂は、溶媒への溶解性、機械特性、成形性等の観点から、重量平均分子量が、500〜1000000であることが好ましく、500〜500000であるとより好ましく、500〜100000であることが更に好ましく、500〜10000であることが特に好ましく、500〜5000であることが極めて好ましい。この重量平均分子量が500未満では硬化物の成膜性が劣る傾向にあり、この重量平均分子量が1000000を超えると、溶媒との相溶性が低下する傾向にある。
下地への接着性及び機械強度を必要とする場合は、一般式(1)におけるSi原子1モルに対する、H原子、F原子、B原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子、Ti原子及びC原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子の総含有割合(これを、特定の結合原子(一般式(1)中のR)の総数(M)とする。)が、1.3〜0.2モルであることが好ましく、1.0〜0.2モルであることがより好ましく、0.90〜0.2モルであることが特に好ましく、0.8〜0.2モルであることが極めて好ましい。このようにすれば、硬化物の他の膜(層)への接着性及び機械強度の低下を抑制することができる。
この特定の結合原子の総数(M)が0.20未満では、硬化物を絶縁膜として用いたときの誘電特性が劣る傾向にあり、1.3を超えると最終的に得られる硬化物の他の膜(層)との接着性や機械強度等が劣る傾向にある。また、上述の特定の結合原子のなかでも、硬化物の成膜性の点で、H原子、F原子、N原子、Si原子、Ti原子及びC原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子を含むことが好ましく、それらのなかでも、誘電特性及び機械強度の点において、H原子、F原子、N原子、Si原子及びC原子からなる群から選択される少なくとも1種の原子を含むことがより好ましい。
なお、特定の結合原子の総数(M)は、シロキサン樹脂の仕込み量から求めることができ、例えば、下記式(A);
M=(M1+(M2/2)+(M3/3))/Msi …(A)
で表される関係を用いて算出できる。式中、M1は、特定の結合原子のうち単一の(ただ1つの)Si原子と結合している原子の総数を示し、M2は、特定の結合原子のうち2つのケイ素原子と結合している原子の総数を示し、M3は、特定の結合原子のうち3つのケイ素原子と結合している原子の総数を示し、Msiは、Si原子の総数を示す。
このようなシロキサン樹脂は1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。2種類以上のシロキサン樹脂を組み合わせる方法としては、例えば、異なる重量平均分子量を有する2種類以上のシロキサン樹脂を組み合わせる方法、異なる化合物を必須成分として加水分解縮合して得られる2種類以上のシロキサン樹脂を組み合わせる方法等が挙げられる。
〈(b)成分〉
(b)成分は、光酸発生剤又は光塩基発生剤であり、放射線を照射することにより、(a)成分を光硬化(加水分解重縮合)可能な酸性活性物質又は塩基性活性物質を放出することができる化合物として定義される。
光酸発生剤としては、例えば、ジアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、芳香族テトラカルボン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ニトロベンジルエステル、オキシムスルホン酸エステル、芳香族N−オキシイミドスルフォネート、芳香族スルファミド、ハロアルキル基含有炭化水素系化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物、ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル等が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。また、他の増感剤等と組み合わせて使用することもできる。
光塩基発生剤としては、例えば、下記一般式(2)〜(5)で表される化合物群、ニフェジピン類等の非イオン性の光塩基発生剤、コバルトアミン錯体、下記一般式(6)、下記一般式(7)で表される4級アンモニウム塩等のイオン性の光塩基発生剤などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。また、他の増感剤等と組合せて使用することもできる。
(R-OCO-NH)-R …(2)
ここで、式中、Rは炭素数1〜30の1価の有機基を示し、側鎖にメトキシ基又はニトロ基を有する芳香族環を含んでいてもよく、Rは炭素数1〜20の1〜4価の有機基を示し、mは1〜4の整数である。
(RC=N-OCO)-R …(3)
ここで、式中、R及びmは上記一般式(2)におけるものと同義であり、R及びRは各々独立に炭素数1〜30の1価の有機基を示し、互いに結合して環状構造を形成してもよい。
-OCO-NR ・・・(4)
ここで、式中、Rは上記一般式(2)におけるものと同義であり、R及びRは各々独立に炭素数1〜30の1価の有機基を示し、互いに結合して環状構造を形成してもよく、いずれか一方が水素原子であってもよい。
-CO-R-NR …(5)
ここで、式中、R及びRは上記一般式(4)におけるものと同義であり、Rは炭素数1〜30の1価の有機基を示し、側鎖にアルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキル置換アミノ基又はアルキルチオ基を有する芳香族環を含んでいてもよく、Rは炭素数1〜30の2価の有機基を示す。
Figure 2006091906

ここで、式中、R10は炭素数1〜30の1価の有機基を示し、R11及びR12は各々独立に炭素数1〜30の1価の有機基又は水素原子を示し、Xは、下記一般式(6A)、(6B)、(6C)、(6D)、(6E)及び(6F)(以下、「(6A)〜(6F)」のように表記する。)のいずれかで表される1価の基を示し、Zはアンモニウム塩の対イオンを示し、tは1〜3の整数であり、p及びqは0〜2の整数であり、t+p+q=3である。
Figure 2006091906

ここで、式中、R13、R14、R15及びR16は各々独立に炭素数1〜30の1価の有機基を示し、R17、R18及びR19は各々独立に炭素数1〜30の2価の有機基又は単結合を示し、R20及びR21は各々独立に炭素数1〜30の3価の有機基を示す。
Figure 2006091906

ここで、式中、R10、R11及びR12、Z、t、p及びqは上記一般式(6)におけるものと同様であり、Xは下記一般式(7A)〜(7D)のいずれかで表される2価の基を示す。
Figure 2006091906

ここで、式中、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20及びR21は、上記一般式(6A)〜(6F)におけるものと同義である。
(b)成分の使用量は特に制限されるものではないが、用いる光酸発生剤又は光塩基発生剤の感度、効率、用いる光源、所望とする硬化物の厚さ等に依存するため、その範囲は広きに渡る。具体的には、放射線硬化性組成物中の(a)成分の総量に対して(b)成分の使用量は0.0001〜50重量%であることが好ましく、0.001〜20重量%であることがより好ましく、0.01〜10重量%であることが特に好ましい。この使用量が0.0001重量%未満では光硬化性が低下する、又は硬化させるために多大な露光量を必要とする傾向があり、50重量%を超えると組成物の安定性、成膜性等が劣る傾向にあると共に、硬化物の電気特性及びプロセス適合性が低下する傾向がある。
また、上述した光酸発生剤又は光塩基発生剤とともに光増感剤を併用してもよい。光増感剤を用いることにより、効率的に放射線のエネルギー線を吸収することができ、光酸発生剤又は光塩基発生剤の感度を向上させることができる。光増感剤としては、例えば、アントラセン誘導体、ペリレン誘導体、アントラキノン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン等が挙げられる。
なお、保存安定性向上のために放射線硬化性組成物を二液に分けて保存する場合は、この(b)成分と(a)成分とを別々に保存することが好ましい。
また、放射線硬化性組成物中を一液で保存する場合は、例えば、0℃以下の温度で保存することが好ましい。この温度の下限は、放射線硬化性組成物中の溶媒の凝固点以上であることが好ましく、−50℃であることが好ましい。
〈(c)成分〉
(c)成分は、(a)成分を溶解可能な溶媒であり、例えば、非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒等が挙げられ、非プロトン性溶媒を含有させることが好ましい。非プロトン性溶媒は、露光量の低減やパターン精度の向上に有効なのではないかと発明者らは推定している。
アルコールに代表されるプロトン性溶媒は、電気陰性度の大きい酸素原子に結合した水素原子を持っている。そのために、プロトン性溶媒分子は求核試薬などと水素結合を作って溶媒和する。すなわち、プロトン性溶媒は一般式(1)で表される化合物を加水分解して得られるシロキサン樹脂と溶媒和するため、シロキサン樹脂が縮合するためにはこの溶媒分子を取り除かなければならず、低温での硬化を阻害する傾向があると考えられる。
一方、非プロトン性溶媒は、電気陰性度の大きい元素上に水素原子を持たない溶媒であり、プロトン性溶媒よりも反応阻害の要因は小さいと考えられる。そのため、露光部では酸性活性物質や塩基性活性物質の発生とともに硬化反応が進み、酸や塩基の拡散などによるパターン精度の低下が起こり難く、パターン精度が向上する傾向があると考えられる。これは、従来の酸拡散制御剤が発生した酸を失活(中和)させることによりパターン精度を向上するというメカニズムとは異なるものである。これにより、(c)成分に非プロトン性溶媒を含有させると、パターン精度の向上及び露光量の低減という効果が一層有効に発揮されると考えられる。
(c)成分に含まれる非プロトン性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−ジ−n−プロピルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル等のエステル系溶媒;エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のエーテルアセテート系溶媒;アセトニトリル、N―メチルピロリジノン、N―エチルピロリジノン、N―プロピルピロリジノン、N―ブチルピロリジノン、N―ヘキシルピロリジノン、N―シクロヘキシルピロリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、パターン形成時の感度及びパターン精度、並びに硬化物の機械強度の観点から、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、エーテルアセテート系溶媒及びケトン系溶媒が好ましい。また、窒素原子を有しない溶媒であることが好ましい。これらの中でも発明者らは1番目にエーテルアセテート系溶媒が好ましく、2番目にエーテル系溶媒が好ましく、3番目にケトン系溶媒が好ましいと考えている。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
放射線硬化性組成物の安定性を考慮すると、(c)成分は水に対する溶解性又は水の溶解性があることが好ましく、水に対する溶解性及び水の溶解性の両方があることが好ましい。したがって、非プロトン性溶媒が水に対する溶解性又は水の溶解性がない場合は、プロトン性溶媒を添加することが好ましい。非プロトン性溶媒が水に対する溶解性又は水の溶解性がなく、かつプロトン性溶媒を含まない場合は、(a)成分の溶媒に対する相溶性が低下し、安定性が低下する傾向がある。しかしながら、安定性を多少犠牲にしてでも感度が求められるような場合はプロトン性溶媒が少ない方がよい。
このようなプロトン性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等のエステル系溶媒などが挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
非プロトン性溶媒の使用割合は、全溶媒中50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることが特に好ましく、95重量%以上であることが極めて好ましい。この使用割合が少ないと、露光量が少ない場合に露光部が充分に硬化しない傾向がある。あるいは、この使用割合が少ないと、充分に硬化させるためにより高温での熱処理が必要となり、発生した酸や塩基が拡散しやすくなり、パターン精度が劣化する傾向がある。
(c)成分を用いる方法は特に限定されないが、例えば、(a)成分を調製する際の溶媒として用いる方法、(a)成分を調製後、添加する方法、溶媒交換を行う方法、(a)成分を溶媒留去等で取り出して(c)溶媒を加える方法等がある。
また、更に、本発明の放射線硬化性組成物は、必要に応じて水を含んでいてもよいが、目的とする特性を損なわない範囲であることが好ましい。水の使用量としては、放射線硬化性組成物の全量に対して、10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましく、2重量%以下であることが特に好ましい。この水の使用量が10重量%を超えると塗布性及び塗布液の安定性が劣化する傾向がある。また、詳細は定かでないが、若干の水を添加することにより、露光量を低減できることがある。
この溶媒(非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒との合計)の使用量は、(a)成分(シロキサン樹脂)の濃度が3〜60重量%となるような量であることが好ましい。溶媒の量が過多で(a)成分の濃度が3重量%未満では所望の膜厚を有する硬化物を形成し難くなる傾向があり、溶媒の量が過少で(a)成分の濃度が60重量%を超えると硬化物の成膜性等が悪化すると共に、組成物自体の安定性が低下する傾向がある。
〈(d)成分〉
本発明における(d)成分は硬化促進触媒であり、放射線硬化性組成物に添加することにより、光酸発生剤量若しくは光塩基発生剤量の低減効果、露光量の低減効果、又は、PEBの温度の低下効果が期待できると考えられる。この硬化促進触媒は(b)成分の光によって活性物質を発生するような通常の光酸発生剤又は光塩基発生剤とは異なる。したがって、通常、光酸発生剤又は光塩基発生剤として使用されるようなオニウム塩とは区別される。しかし、光酸発生能又は光塩基発生能と、硬化促進触媒能と、を併せ持つような材料であれば使用することも可能である。
当該触媒は溶液中では触媒作用を示さず、塗布後の被膜中で活性を示す特異なものであると考えられる。露光部では酸性活性物質や塩基性活性物質の発生とともに硬化促進触媒による硬化反応が進むため、酸や塩基の拡散などによるパターン精度の低下がさらに起こりづらい、すなわちパターン精度がさらに向上すると推定される。
硬化促進触媒の硬化促進触媒能を調べる手段を以下1〜4に示す。
1.(a)成分及び(c)成分からなる組成物を用意する。
2.ベイク後の膜厚が1.0±0.1μmになるようにシリコンウエハに上記1で用意した組成物を塗布し、所定の温度で30秒間ベイクして、被膜の膜厚を測定する。
3.被膜が形成されたシリコンウエハを23±2℃の2.38重量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)水溶液に30秒間浸漬し、水洗、乾燥後の被膜の膜減りを観察する。この際、TMAH水溶液浸漬前後の被膜の膜厚変化が20%以内であるベイク時の最低温度を不溶解温度とする。
4.上記1で用意した組成物に硬化促進触媒能を確認したい化合物を、(a)成分の総量に対して、0.01重量%添加して組成物を得、上記2及び3と同様にして、不溶解温度を求める。硬化促進触媒能を確認したい化合物を添加することにより、不溶解温度が低下すれば、その化合物は硬化促進触媒能がある。
(d)成分である硬化促進触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属類、オニウム塩などが挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
これらの中でも、得られる硬化物の電気特性及び機械強度を向上でき、更に、組成物の安定性を高めることができるという観点からオニウム塩が好ましく、4級アンモニウム塩であることがより好ましい。
オニウム塩化合物の一つとして、例えば、(d−1)窒素含有化合物と、(d−2)アニオン性基含有化合物及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも一種と、から形成される塩が挙げられる。上記(d−1)窒素含有化合物の窒素上に結合する原子は、H原子、F原子、B原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子、Ti原子、及びC原子からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、上記アニオン性基としては、例えば、水酸基、硝酸基、硫酸基、カルボニル基、カルボキシル基、カーボネート基、フェノキシ基等が挙げられる。
これらオニウム塩化合物としては、例えば、アンモニウムハイドロオキシド、アンモニウムフルオライド、アンモニウムクロライド、アンモニウムブロマイド、ヨウ化アンモニウム、燐酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩、ホウ酸アンモニウム塩、硫酸アンモニウム塩、蟻酸アンモニウム塩、マレイン酸アンモニウム塩、フマル酸アンモニウム塩、フタル酸アンモニウム塩、マロン酸アンモニウム塩、コハク酸アンモニウム塩、酒石酸アンモニウム塩、リンゴ酸アンモニウム塩、乳酸アンモニウム塩、クエン酸アンモニウム塩、酢酸アンモニウム塩、プロピオン酸アンモニウム塩、ブタン酸アンモニウム塩、ペンタン酸アンモニウム塩、ヘキサン酸アンモニウム塩、ヘプタン酸アンモニウム塩、オクタン酸アンモニウム塩、ノナン酸アンモニウム塩、デカン酸アンモニウム塩、シュウ酸アンモニウム塩、アジピン酸アンモニウム塩、セバシン酸アンモニウム塩、酪酸アンモニウム塩、オレイン酸アンモニウム塩、ステアリン酸アンモニウム塩、リノール酸アンモニウム塩、リノレイン酸アンモニウム塩、サリチル酸アンモニウム塩、ベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、安息香酸アンモニウム塩、p−アミノ安息香酸アンモニウム塩、p−トルエンスルホン酸アンモニウム塩、メタンスルホン酸アンモニウム塩、トリフルオロメタンスルフォン酸アンモニウム塩、トリフルオロエタンスルフォン酸アンモニウム塩、等のアンモニウム塩化合物が挙げられる。
また、上記アンモニウム塩化合物のアンモニウム部位がメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、エタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム等に置換されたアンモニウム塩化合物なども挙げられる。
これらのオニウム塩化合物では、硬化物の硬化促進の観点から、テトラメチルアンモニウム硝酸塩、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムプロピオン酸塩、テトラメチルアンモニウムマレイン酸塩、テトラメチルアンモニウム硫酸塩等のアンモニウム塩が好ましい。
これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、(d)成分の使用量は、放射線硬化性組成物中の(a)成分の総量に対して0.0001〜5重量%であることが好ましく、0.0001〜1重量%であることがより好ましい。この使用量が0.0001重量%未満では硬化させるために多大な露光量を必要とする傾向がある。この使用量が5重量%を超えると、組成物の安定性、成膜性等が劣る傾向があると共に、硬化物の電気特性及びプロセス適合性が低下する傾向がある。
また、感度及び安定性の見地からは、(d)成分である硬化促進触媒の使用量は、放射線硬化性組成物中の(a)成分の総量に対して0.0001〜0.1重量%であることが好ましく、0.0001〜0.05重量%であることがより好ましく、0.0005〜0.01重量%であることが特に好ましい。
なお、これらのオニウム塩は、必要に応じて水や溶媒に溶解又は希釈してから、所望の濃度となるように添加することができる。また、添加する時期は特に限定されないが、例えば、(a)成分の加水分解を行う時点、加水分解中、反応終了時、溶媒留去前後、酸発生剤を添加する時などがある。
〈その他の成分〉
また、本発明の放射線硬化性組成物に色素を添加してもよい。色素を添加する事により、例えば、感度を調整する効果、定在波効果を抑制する効果等が得られる。
また、本発明の目的や効果を損なわない範囲で、さらに界面活性剤、シランカップリング剤、増粘剤、無機充填剤、ポリプロピレングリコール等の熱分解性化合物、揮発性化合物などを添加してもよい。上記熱分解性化合物及び揮発性化合物は熱(好ましくは250〜500℃)により分解又は揮発し、空隙を形成可能であることが好ましい。また、(a)成分であるシロキサン樹脂に空隙形成能を付与してもよい。
なお、本発明の放射線硬化性組成物を電子部品に使用する場合は、アルカリ金属やアルカリ土類金属を含有しないことが望ましく、含まれる場合でも組成物中のそれらの金属イオン濃度が1000ppm以下であることが好ましく、1ppm以下であることがより好ましい。これらの金属イオン濃度が1000ppmを超えると、組成物から得られる硬化物を有する半導体素子等の電子部品に金属イオンが流入し易くなって、デバイス性能そのものに悪影響を与えるおそれがある。したがって、必要に応じて、例えば、イオン交換フィルター等を使用してアルカリ金属やアルカリ土類金属を組成物中から除去することが有効である。しかし、光導波路や他の用途等に用いる際は、その目的を損なわないのであれば、この限りではない。
このような本発明の放射線硬化性組成物を用いて、基板上にパターニングされた硬化物を形成する方法について、一般に成膜性及び膜均一性に優れるスピンコート法を例にとって説明する。ただし、硬化物形成方法はスピンコート法に限定されるものではない。また、基板は表面が平坦なものでも、電極等が形成され凹凸を有しているものであってもよい。
まず、放射線硬化性組成物をシリコンウエハ又はガラス基板等の基板上に好ましくは500〜5000回転/分、より好ましくは500〜3000回転/分でスピン塗布して被膜を形成する。この回転数が500回転/分未満では膜均一性が悪化する傾向があり、5000回転/分を超えると成膜性が悪化するおそれがある。
硬化物の膜厚は使用用途により異なり、例えば、LSI等の層間絶縁膜に使用する際の膜厚は0.01〜2μmであることが好ましく、パッシベーション層に使用する際の膜厚は2〜40μmであることが好ましい。液晶用途に使用する際の膜厚は0.1〜20μmであることが好ましく、フォトレジストに使用する際の膜厚は0.1〜2μmであることが好ましく、光導波路に使用する際の膜厚は1〜50μmであることが好ましい。通常、この膜厚は概して0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜5μmであることがより好ましく、0.01〜3μmであることが更に好ましく、0.01〜2μmであることが特に好ましく、0.1〜2μmであることが極めて好ましい。硬化物の膜厚を調整するためには、例えば、組成物中の(a)成分の濃度を調整してもよい。また、スピン塗布法を用いる場合、回転数と塗布回数を調整することにより膜厚を調整することができる。(a)成分の濃度を調整して膜厚を制御する場合は、例えば、膜厚を厚くする場合には(a)成分の濃度を高くし、膜厚を薄くする場合には(a)成分の濃度を低くすることにより制御することができる。また、スピン塗布法を用いて膜厚を調整する場合は、例えば、膜厚を厚くする場合には回転数を下げたり、塗布回数を増やしたりし、膜厚を薄くする場合には回転数を上げたり、塗布回数を減らしたりすることにより調整することができる。
次いで、好ましくは50〜200℃、より好ましくは70〜150℃でホットプレート等により被膜中の溶媒を乾燥させるが、後に行われる現像の際の諸条件でこの被膜が溶解するように乾燥温度を調整する必要がある。この乾燥温度が50℃未満では溶媒の乾燥が充分に行われない傾向があり、200℃を超えると現像時に溶解せず、パターンが形成されない可能性がある。
次いで、所望のパターンを有するマスクを介して、放射線を露光する。この露光量は5〜5000mJ/cmであることが好ましく、5〜1000mJ/cmであることがより好ましく、5〜500mJ/cmであることが特に好ましく、5〜100mJ/cmであることが極めて好ましい。この露光量が5mJ/cm未満では光源によっては制御が困難となるおそれがあり、5000mJ/cmを超えると露光時間が長くなり、生産性が悪くなる傾向がある。なお、従来の一般的なシロキサン系放射線硬化性組成物の露光量は500〜5000mJ/cm程度である。
この際の放射線としては、例えば、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用いることができるが、特に紫外線であることが好ましい。紫外線の発生源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、エキシマランプ等が挙げられる。
未露光部は現像液に対して、充分に溶解性を有するが、露光部では酸性活性物質や塩基性活性物質が発生し、加水分解縮合反応が起こり、現像液に対する溶解性が低下する。これにより、パターンが形成される。
また、露光後に必要に応じて加熱(ポストエクスプロージャベイク:PEB)工程を追加してもよい。この加熱はホットプレート等にて被膜を加熱させるものであるが、未露光部の現像液に対する溶解性が低下しない温度領域で加熱させることが好ましい。この温度は50〜200℃であることが好ましく、70〜150℃であることがより好ましく、70〜110℃であることが特に好ましく、70〜100℃であることが極めて好ましい。一般に温度が高いと発生した酸が拡散しやすくなるため、この温度は低い方がよい。なお、従来の一般的なシロキサン系放射線硬化性組成物のPEB工程の加熱温度は115〜120℃程度である。
放射線硬化性組成物の未露光部分の除去、すなわち現像に関しては、例えば、アルカリ性水溶液等の現像液を使用することができる。このアルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミン等の一級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の二級アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の三級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)、テトラエチアンモニウムハイドロオキシド等の四級アンモニウム塩などが挙げられる。また、これらのアルカリ水溶液に水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することもできる。電子部品ではアルカリ金属の汚染を嫌うため、現像液としては、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド水溶液が好ましい。
好適な現像時間は膜厚や溶剤にもよるが、5秒間〜5分間であることが好ましく、30秒間〜3分間であることがより好ましく、30秒間〜1分間であることが特に好ましい。この現像時間が5秒間未満ではウエハ又は基板全面での時間制御が困難となる場合があり、5分間を超えると生産性が悪くなる傾向がある。現像時の処理温度は、一般に20〜30℃である。現像方法としては、例えば、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。次に現像によって形成したパターンを必要に応じて蒸留水等によりリンスすることもできる。
本発明によりパターン化された硬化物はそのままレジストマスクとして使用することもできる。
本発明によりパターン化された硬化物を層間絶縁膜、クラッド層等として残存させる場合は、例えば、被膜を100〜500℃の加熱温度で焼成して最終硬化を行うことが好ましい。この最終硬化は、N、Ar、He等の不活性雰囲気下、大気中や減圧化で行うのが好ましいが、用いる用途に要求される特性を満足するのであれば特に制限はない。この加熱温度が100℃未満では充分な硬化が達成されない傾向があると共に、電気絶縁性に劣る傾向があり、500℃を超えるとその下層に用いる材料が劣化するおそれがある。
また、最終硬化の加熱時間は2〜240分間であることが好ましく、2〜120分間であることがより好ましい。この加熱時間が240分間を超えると量産性に向かない可能性がある。加熱装置としては、例えば、石英チューブ炉等の炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール(RTA)などの加熱処理装置などが挙げられる。
かかる硬化物を有する使用例である電子部品としては、例えば、半導体素子、多層配線板等の絶縁膜を有するデバイスなどが挙げられる。具体的には、半導体素子においては、表面保護膜(パッシベーション膜)、バッファーコート膜、層間絶縁膜等として使用することができる。一方、多層配線板においては、層間絶縁膜として好適に使用することができる。
半導体素子としては、例えば、ダイオード、トランジスタ、化合物半導体、サーミスタ、バリスタ、サイリスタ等の個別半導体、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリー)、EPROM(イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、マスクROM(マスク・リード・オンリー・メモリー)、EEPROM(エレクトリカル・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、フラッシュメモリー等の記憶素子、マイクロプロセッサー、DSP、ASIC等の理論回路素子、MMIC(モノリシック・マイクロウェーブ集積回路)に代表される化合物半導体等の集積回路素子、混成集積回路(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合素子等の光電変換素子などが挙げられる。また、多層配線板としては、例えば、MCM等の高密度配線板などが挙げられる。
また、液晶用部品、光導波路、フォトレジスト等の用途としても使用することができるが、使用用途はこの限りではない。
図1は、TFT液晶ディスプレイに備えられる電子部品である、本発明に係るTFT(薄膜トランジスタ)の一実施形態を示す模式端面図である。このTFTでは、ガラス基板1上に形成されたアンダーコート膜2の上にポリシリコンからなる伝導層3が設けられており、その伝導層3を面内方向で挟むようにしてソース4及びドレイン5が配置されている。伝導層3上にはSiOを構成材料とするゲート酸化膜6を介してゲート電極7が備えられている。ゲート酸化膜6は、伝導層3をゲート電極7と直接接触させないように設けられている。アンダーコート膜2、並びに伝導層3、ソース4、ドレイン5、ゲート酸化膜6及びゲート電極7は、短絡防止用に第1層間絶縁膜8で覆われているが、第1層間絶縁膜8の一部はTFT形成時に除去され、その部分からソース4及びドレイン5のそれぞれに接続した状態で金属配線9が引き出されている。金属配線9のうち、ドレイン5と接続した状態で引き出されている金属配線9は、透明電極11と電気的に接続しており、それ以外の部分は短絡しないように第2層間絶縁膜10で覆われている。
本発明の放射線硬化性組成物から得られる硬化膜は、主に第2層間絶縁膜10としてこのTFTに備えられているが、第1層間絶縁膜8に用いられてもよい。これらの層間絶縁膜8、10は、例えば、以下のようにして形成される。まず、本発明の放射線硬化性組成物をその下地上にスピンコート法等により塗布し乾燥し塗膜を得る。次いで、所定パターンのマスクを介して塗膜を露光して所定部分(第1層間絶縁膜8の場合は金属配線9を形成すべき部分以外の部分、第2層間絶縁膜10の場合は透明電極11を形成すべき部分以外の部分など)を硬化させ、更に必要に応じて加熱処理する。そして未露光部を現像処理により除去して、層間絶縁膜8、10が得られる。この後、必要に応じて加熱処理により最終硬化させることもできる。なお、層間絶縁膜8、10は同一の組成を有していても異なる組成を有していてもよい。
以下、本発明に係る具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
本実施例において、放射線硬化性組成物は光酸発生剤又は光塩基発生剤が励起されないように、放射線硬化性組成物の現像工程が終了するまでは、使用する酸発生剤又は光塩基発生剤と増感剤の感光波長を含まない環境下で作業した。
(実施例1)
テトラエトキシシラン317.9gとメチルトリエトキシシラン247.9gとをジエチレングリコールジメチルエーテル1116.7gに溶解させた溶液中に、0.644重量%に調製した硝酸167.5gを攪拌下で30分間かけて滴下した。滴下終了後3時間反応させた後、減圧下、温浴中で生成エタノールおよびジエチレングリコールジメチルエーテルの一部を留去して、ポリシロキサン溶液1077.0gを得た。このポリシロキサン溶液525.1gにジエチレングリコールジメチルエーテル53.0g、2.38重量%に調製したテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液(pH3.6)及び水3.0gを添加し、室温(25℃)で30分間攪拌溶解して放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液を得た。GPC法によりポリシロキサンの重量平均分子量を測定すると、830であった。この放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液10.0gに光酸発生剤(PAI−1001、みどり化学社製)0.193gを配合し、放射線硬化性組成物を調製した。なお、(a)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して15重量%であり、(b)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して1.9重量%であり、(d)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して0.075重量%であった。
上記放射線硬化性組成物を5インチシリコンウエハの中心に2mL滴下して、スピン塗布法(700回転/分で30秒間回転)によりそのウエハ上に塗膜を作製し、それを70℃のホットプレート上で30秒間乾燥させた。その後、乾燥させた塗膜に対して、最小線幅が10μmのライン状パターンを有するネガ用のマスクを介して、露光機(PLA−600F、キャノン社製)で紫外光を200mJ/cm照射した。露光後の塗膜を備えたウエハを、2.38重量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)水溶液からなる現像液に30秒間浸漬して、未露光部を溶解させた。その後、ウエハを水洗、スピン乾燥した。そして、炉体を用い、スピン乾燥後のウエハを窒素雰囲気下、350℃で30分間加熱し、ウエハ上に放射線硬化物を得た。放射線硬化物のパターン形状を光学顕微鏡による上部からの観察、及びSEMによる断面形状を観察したところ、ラインが精度よく形成されており、パターン精度は10μmであることが分かった。
(実施例2)
テトラエトキシシラン96.13gとメチルトリエトキシシラン165.44gとをプロピレングリコールメチルエーテルアセテート562.99gに溶解させた溶液中に、0.644重量%に調製した硝酸75.47g及び2.38重量%に調製したテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液(pH3.6)18.9gを攪拌下で5分間かけて滴下した。滴下終了後3時間反応させた後、減圧下、温浴中で生成エタノールおよびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートの一部を留去して、ポリシロキサン溶液359.94gを得た。これに、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートを加えて、放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液450.02gを得た。GPC法によりポリシロキサンの重量平均分子量を測定すると、1110であった。この放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液20.0gに光酸発生剤(PAI−101、みどり化学社製)0.080gを配合し、放射線硬化性組成物を調製した。なお、(a)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して20重量%であり、(b)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して0.4重量%であり、(d)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して0.1重量%であった。
上記放射線硬化性組成物を6インチシリコンウエハの中心に2mL滴下して、スピン塗布法(700回転/分で30秒間回転)によりそのウエハ上に塗膜を作製し、それを100℃のホットプレート上で30秒間乾燥させた。その後、乾燥させた塗膜に対して、最小線幅が2μmのライン状パターンを有するネガ用のマスクを介して、露光機(FPA−3000 iW、キャノン社製)で紫外光を75mJ/cm照射した。露光後の塗膜を備えたウエハを100℃のホットプレートで30秒間加熱し、ウエハが室温になるまで自然冷却させた後、コータ・デベロッパ(Mark 7、東京エレクトロン社製)で2.38重量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)水溶液からなる現像液にそのウエハを30秒間浸漬してパドル現像を行い、未露光部を溶解させた。その後、ウエハを水洗、スピン乾燥した。そして、炉体を用い、スピン乾燥後のウエハを窒素雰囲気下、350℃で30分間加熱し、ウエハ上に放射線硬化物を得た。放射線硬化物のパターン形状を光学顕微鏡による上部からの観察、及びSEMによる断面形状を観察したところ、ラインが精度よく形成されており、パターン精度は2μmであることが分かった。断面形状のSEM写真を図2に示す。
(実施例3)
実施例2で得られた放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液10.0gに光塩基発生剤(NBC−101、みどり化学社製)0.040gを配合し、放射線硬化性組成物を調製した。なお、(a)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して20重量%であり、(b)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して0.4重量%であり、(d)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して0.1重量%であった。
上記放射線硬化性組成物を6インチシリコンウエハの中心に2mL滴下して、スピン塗布法(700回転/分で30秒間回転)によりそのウエハ上に塗膜を作製し、それを100℃のホットプレート上で30秒間乾燥させた。その後、乾燥させた塗膜に対して、最小線幅が2μmのライン状パターンを有するネガ用のマスクを介して、露光機(FPA−3000 iW、キャノン社製)で紫外光を100mJ/cm照射した。露光後の塗膜を備えたウエハを100℃のホットプレートで30秒間加熱し、ウエハが室温になるまで自然冷却させた後、コータ・デベロッパ(Mark 7、東京エレクトロン社製)で2.38重量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)水溶液からなる現像液にそのウエハを30秒間浸漬してパドル現像を行い、未露光部を溶解させた。その後、ウエハを水洗、スピン乾燥した。そして、炉体を用い、スピン乾燥後のウエハを窒素雰囲気下、350℃で30分間加熱し、ウエハ上に放射線硬化物を得た。放射線硬化物のパターン形状を光学顕微鏡による上部からの観察、及びSEMによる断面形状を観察したところ、ラインが精度よく形成されており、パターン精度は2μmであることが分かった。
(実施例4)
実施例2で得られた放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液10.0gに光酸発生剤(PAI−101、みどり化学社製)0.040g、及び熱分解性化合物としてポリプロピレングリコール(アルドリッチ社製、PPG725)0.5gを配合し、放射線硬化性組成物を調製した。なお、(a)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して20重量%であり、(b)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して0.4重量%であり、(d)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して0.1重量%であった。
上記放射線硬化性組成物を6インチシリコンウエハの中心に2mL滴下して、スピン塗布法(700回転/分で30秒間回転)によりそのウエハ上に塗膜を作製し、それを100℃のホットプレート上で30秒間乾燥させた。その後、乾燥させた塗膜に対して、最小線幅が2μmのライン状パターンを有するネガ用のマスクを介して、露光機(FPA−3000 iW、キャノン社製)で紫外光を100mJ/cm照射した。露光後の塗膜を備えたウエハを100℃のホットプレートで30秒間加熱し、ウエハが室温になるまで自然冷却させた後、コータ・デベロッパ(Mark 7、東京エレクトロン社製)で2.38重量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)水溶液からなる現像液にそのウエハを30秒間浸漬してパドル現像を行い、未露光部を溶解させた。その後、ウエハを水洗、スピン乾燥した。そして、炉体を用い、スピン乾燥後のウエハを窒素雰囲気下、350℃で30分間加熱し、ウエハ上に放射線硬化物を得た。放射線硬化物の膜厚は3.0μmであったがクラック等の不具合は認められなかった。放射線硬化物のパターン形状を光学顕微鏡による上部からの観察、及びSEMによる断面形状を観察したところ、ラインが精度よく形成されており、パターン精度は2μmであることが分かった。
(比較例1)
テトラエトキシシラン128.87gとメチルトリエトキシシラン100.51gとをプロピレングリコールモノメチルエーテル229.97gに溶解させた溶液中に、0.644重量%に調製した硝酸67.91gを攪拌下で10分間かけて滴下した。滴下終了後3時間反応させ放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液527.26gを得た。GPC法によりポリシロキサンの重量平均分子量を測定すると、980であった。この放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液10.0gに光酸発生剤(PAI−1001、みどり化学社製)0.150gを配合し、放射線硬化性組成物を調製した。なお、(a)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して15重量%であり、(b)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して1.5重量%であった。
上記放射線硬化性組成物を5インチシリコンウエハの中心に2mL滴下して、スピン塗布法(700回転/分で30秒間回転)によりそのウエハ上に塗膜を作製し、それを100℃のホットプレート上で30秒間乾燥させた。その後、乾燥させた塗膜に対して、最小線幅が10μmのライン状パターンを有するネガ用のマスクを介して、露光機(PLA−600F、キャノン社製)で紫外光を200mJ/cm照射した。露光後の塗膜を備えたウエハを100℃のホットプレートで30秒間加熱し、ウエハが室温になるまで自然冷却させた後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)水溶液からなる現像液にそのウエハを30秒間浸漬して、未露光部を溶解させた。その後、ウエハを水洗、スピン乾燥したところ、塗膜が全て溶解しており、パターン形成が認められなかった。
(比較例2)
紫外光200mJ/cmの露光を紫外光1000mJ/cmに変更した以外は比較例1と同様にして現像まで行った。現像後、ウエハを水洗、スピン乾燥した。そして、炉体を用い、スピン乾燥後のウエハを窒素雰囲気下、350℃で30分間加熱し、ウエハ上に放射線硬化物を得た。放射線硬化物のパターン形状を光学顕微鏡による上部からの観察、及びSEMによる断面形状を観察したところ、10μm幅のラインは形成されているもの、その形状は良好ではなかった。断面形状のSEM写真を図3に示す。
(比較例3)
テトラエトキシシラン44.90gとメチルトリエトキシシラン77.20gとをエタノール122.75gに溶解させた溶液中に、0.644重量%に調製した硝酸35.24gを攪拌下で10分間かけて滴下した。滴下終了後3時間反応させた後、減圧下、温浴中で生成エタノールの一部を留去して、放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液210.05gを得た。GPC法によりポリシロキサンの重量平均分子量を測定すると、910であった。この放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液10.0gに光酸発生剤(PAI−1001、みどり化学社製)0.150gを配合したが溶解しなかった。なお、(a)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して20重量%であり、(b)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して1.5重量%であった。
以上の実施例1〜4及び比較例1〜3について、結果を表1に示す。
Figure 2006091906

(実施例5)
実施例2で得られた放射線硬化性組成物を−20℃の雰囲気下で30日間保管したところ、同じ放射線硬化性組成物を常温の雰囲気下で30日間保管したものよりも保存安定性が優れていた。−20℃の雰囲気下で保管した放射線硬化性組成物は30日間保管後もパターニングを行うことができたが、常温の雰囲気下で30日間保管した放射線硬化性組成物は7日間保管後にパターニングを行うことができなくなった。これは、常温の雰囲気下で7日間保管した放射線硬化性組成物ではシロキサン樹脂の縮合が進行し、それに伴い水が生じたことに起因すると考える。
本発明の放射線硬化性組成物、その保存方法、硬化膜形成方法及びパターン形成方法により、露光量が比較的少なくても、パターン精度に優れた硬化物を得ることができる。したがって、本発明は、パターン使用方法、電子部品及び光導波路に有用である。
本発明に係る電子部品の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の実施例に係るパターン形状を示すSEM写真である。 本発明の比較例に係るパターン形状を示すSEM写真である。
符号の説明
1…ガラス基板、2…アンダーコート膜、3…伝導層、4…ソース、5…ドレイン、6…ゲート酸化膜、7…ゲート電極、8…第1層間絶縁膜、9…金属配線、10…第2層間絶縁膜、11…透明電極。

Claims (23)

  1. (a)成分:シロキサン樹脂、
    (b)成分:光酸発生剤又は光塩基発生剤、
    (c)成分:(a)成分を溶解可能な溶媒、及び
    (d)成分:アルカリ金属類、並びに(d−1)窒素含有化合物と(d−2)アニオン性基含有化合物及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも一種とから形成される塩、からなる群より選ばれる1種以上の硬化促進触媒
    を含有してなる放射線硬化性組成物。
  2. 前記(d−1)窒素含有化合物の窒素上に結合する原子は、H原子、F原子、B原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子、Ti原子、及びC原子からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載の放射線硬化性組成物。
  3. 前記(d−2)アニオン性基含有化合物におけるアニオン性基は、水酸基、硝酸基、硫酸基、カルボニル基、カルボキシル基、カーボネート基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の放射線硬化性組成物。
  4. 前記塩がアンモニウム塩である、請求項1記載の放射線硬化性組成物。
  5. 前記アンモニウム塩が、アンモニウムハイドロオキシド、アンモニウムフルオライド、アンモニウムクロライド、アンモニウムブロマイド、ヨウ化アンモニウム、燐酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩、ホウ酸アンモニウム塩、硫酸アンモニウム塩、蟻酸アンモニウム塩、マレイン酸アンモニウム塩、フマル酸アンモニウム塩、フタル酸アンモニウム塩、マロン酸アンモニウム塩、コハク酸アンモニウム塩、酒石酸アンモニウム塩、リンゴ酸アンモニウム塩、乳酸アンモニウム塩、クエン酸アンモニウム塩、酢酸アンモニウム塩、プロピオン酸アンモニウム塩、ブタン酸アンモニウム塩、ペンタン酸アンモニウム塩、ヘキサン酸アンモニウム塩、ヘプタン酸アンモニウム塩、オクタン酸アンモニウム塩、ノナン酸アンモニウム塩、デカン酸アンモニウム塩、シュウ酸アンモニウム塩、アジピン酸アンモニウム塩、セバシン酸アンモニウム塩、酪酸アンモニウム塩、オレイン酸アンモニウム塩、ステアリン酸アンモニウム塩、リノール酸アンモニウム塩、リノレイン酸アンモニウム塩、サリチル酸アンモニウム塩、ベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、安息香酸アンモニウム塩、p−アミノ安息香酸アンモニウム塩、p−トルエンスルホン酸アンモニウム塩、メタンスルホン酸アンモニウム塩、トリフルオロメタンスルフォン酸アンモニウム塩及びトリフルオロエタンスルフォン酸アンモニウム塩からなる群より選ばれる1種以上である、請求項4記載の放射線硬化性組成物。
  6. 前記アンモニウム塩が、アンモニウムハイドロオキシド、アンモニウムフルオライド、アンモニウムクロライド、アンモニウムブロマイド、ヨウ化アンモニウム、燐酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩、ホウ酸アンモニウム塩、硫酸アンモニウム塩、蟻酸アンモニウム塩、マレイン酸アンモニウム塩、フマル酸アンモニウム塩、フタル酸アンモニウム塩、マロン酸アンモニウム塩、コハク酸アンモニウム塩、酒石酸アンモニウム塩、リンゴ酸アンモニウム塩、乳酸アンモニウム塩、クエン酸アンモニウム塩、酢酸アンモニウム塩、プロピオン酸アンモニウム塩、ブタン酸アンモニウム塩、ペンタン酸アンモニウム塩、ヘキサン酸アンモニウム塩、ヘプタン酸アンモニウム塩、オクタン酸アンモニウム塩、ノナン酸アンモニウム塩、デカン酸アンモニウム塩、シュウ酸アンモニウム塩、アジピン酸アンモニウム塩、セバシン酸アンモニウム塩、酪酸アンモニウム塩、オレイン酸アンモニウム塩、ステアリン酸アンモニウム塩、リノール酸アンモニウム塩、リノレイン酸アンモニウム塩、サリチル酸アンモニウム塩、ベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、安息香酸アンモニウム塩、p−アミノ安息香酸アンモニウム塩、p−トルエンスルホン酸アンモニウム塩、メタンスルホン酸アンモニウム塩、トリフルオロメタンスルフォン酸アンモニウム塩及びトリフルオロエタンスルフォン酸アンモニウム塩からなる群より選ばれる1種以上の塩のアンモニウム部位を、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、エタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム又はトリエタノールアンモニウムに置換されたものである、請求項4記載の放射線硬化性組成物。
  7. 前記アンモニウム塩が、テトラメチルアンモニウム硝酸塩、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムプロピオン酸塩、テトラメチルアンモニウムマレイン酸塩及びテトラメチルアンモニウム硫酸塩からなる群より選ばれる1種以上である、請求項4記載の放射線硬化性組成物。
  8. 前記アンモニウム塩が第4級アンモニウム塩である、請求項4記載の放射線硬化性組成物。
  9. 前記アルカリ金属類が、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸化カリウム及び塩化カリウムからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物。
  10. 前記シロキサン樹脂が、下記一般式(1);
    SiX4−n …(1)
    (式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。)
    で表される化合物を加水分解縮合して得られる樹脂を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、前記塗膜を露光する工程と、を有し、かつ前記露光する工程の後に前記塗膜を加熱しない、硬化膜形成方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、前記塗膜を露光する工程と、該露光する工程の後に前記塗膜を加熱する工程と、を有する、硬化膜形成方法。
  13. 前記加熱する工程において、前記塗膜を70〜110℃に加熱する、請求項12記載の硬化膜形成方法。
  14. 前記露光する工程において、前記塗膜を5〜100mJ/cmの光量の光の照射により露光する、請求項11〜13のいずれか一項に記載の硬化膜形成方法。
  15. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介して前記塗膜を露光する工程と、前記露光する工程の後に前記塗膜の未露光部を現像によって除去する工程と、を有し、かつ前記露光する工程の後に前記塗膜を加熱しない、パターン形成方法。
  16. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介して前記塗膜を露光する工程と、前記露光する工程の後に前記塗膜を加熱する工程と、前記加熱する工程の後に前記塗膜の未露光部を現像によって除去する工程と、を有する、パターン形成方法。
  17. 前記加熱する工程において、前記塗膜を70〜110℃に加熱する、請求項16記載のパターン形成方法。
  18. 前記露光する工程において、前記塗膜を5〜100mJ/cmの光量の光の照射により露光する、請求項15〜17のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  19. 前記除去する工程において、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド水溶液を現像液として用いる、請求項15〜18のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  20. 請求項15〜19のいずれか一項に記載のパターン形成方法により形成されたパターンをレジストマスクとして用いるパターン使用方法。
  21. 請求項15〜19のいずれか一項に記載のパターン形成方法により形成されたパターンを備える電子部品。
  22. 請求項15〜19のいずれか一項に記載のパターン形成方法により形成されたパターンを備える光導波路。
  23. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物を0℃以下の温度で保存する、放射線硬化性組成物の保存方法。

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JP2010243773A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Sanyo Chem Ind Ltd 光塩基発生剤を含有する感光性組成物

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