JP2006195175A - 放射線硬化性組成物、その保存方法、硬化膜形成方法、パターン形成方法、パターン使用方法、電子部品及び光導波路 - Google Patents

放射線硬化性組成物、その保存方法、硬化膜形成方法、パターン形成方法、パターン使用方法、電子部品及び光導波路 Download PDF

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Abstract

【課題】 露光量が比較的少なくても、パターン精度に優れた硬化物が得られる放射線硬化性組成物、その保存方法、硬化膜形成方法及びパターン形成方法を提供すると共に、それを用いたパターン使用方法、電子部品及び光導波路を提供する。
【解決手段】 上記課題を解決する本発明は、(a)成分:シロキサン樹脂、(b)成分:光酸発生剤又は光塩基発生剤、(c)成分:(a)成分を溶解可能であり、非プロトン性溶媒を含む溶媒を含有してなる放射線硬化性組成物であって、その放射線硬化性組成物中の水の含有割合が2質量%以下である放射線硬化性組成物を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、放射線硬化性組成物、その保存方法、硬化膜形成方法、パターン形成方法、パターン使用方法、電子部品及び光導波路に関するものである。
従来、LSIやPDPなどに用いられる絶縁膜として、耐熱性や電気的信頼性等に優れることからCVD法により成膜されるSiO膜、塗布法で成膜される有機SOG(Spin On Glass)膜や無機SOG膜が多用されている。しかしながら、従来の絶縁膜では直接的に配線溝やビアホールを形成することが不可能であり、通常は絶縁膜上にフォトレジストをパターニング後、プラズマによるドライエッチング処理や薬液によるウエットエッチング処理を行い、次いでレジスト除去工程と洗浄工程とを経てパターンを形成する。これに対し、耐熱性、電気的信頼性、透明性等に優れる絶縁膜材料に感光特性が付与されたならば、上記工程で必須であったレジスト材料が不要となり、プラズマによるドライエッチング処理や薬液によるウエットエッチング処理、レジスト除去工程や洗浄工程を省略することが可能となる。
近年、耐熱性、電気的信頼性、透明性等に優れる放射線硬化性ポリシロキサン材料が提案されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、水及び触媒を除去したアルカリ可溶性シロキサンポリマーと光酸発生剤と溶剤とからなる感光性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献3及び特許文献4にはポリシラザン及び光酸発生剤を含む感光性ポリシラザン組成物が開示されている。さらには、特許文献5には加水分解性シラン化合物、光酸発生剤及び酸拡散制御剤からなる放射線硬化性組成物が開示されている。
特開平6−148895号公報 特開平10−246960号公報 特開2000−181069号公報 特開2002−72502号公報 特開2001−288364号公報
しかしながら、本発明者らは、このような従来の、感光特性を付与された絶縁膜材料を用いたパターニングについて詳細に検討を行ったところ、例えば、特許文献1及び特許文献2で開示されている水及び触媒を除去したアルカリ可溶性シロキサンポリマーと光酸発生剤と溶剤とからなる感光性樹脂組成物を用いると、いずれも硬化のために多量の露光量を必要とし、大量生産性に優れないことが明らかとなった。また、特許文献3及び特許文献4に開示されたポリシラザン及び光酸発生剤を含む感光性ポリシラザン組成物を用いると、少ない露光量で硬化するものの、露光後に純水中に浸漬する、又は加湿処理を必要とするなど工程が煩雑になり、高いパターン精度が得られ難くなることが明白となった。一方、特許文献5に開示された加水分解性シラン化合物、光酸発生剤及び酸拡散制御剤からなる放射線硬化性組成物を用いると、放射線により生成した酸の拡散を酸拡散制御剤が抑制することより、シラン化合物のパターン精度を高めることができる。しかし、酸拡散制御剤が酸を失活(中和)させてしまうため、光酸発生剤量が少ない場合や露光量が少ない場合は硬化性が低下し、パターン精度が低下する懸念がある。逆にパターン精度の向上を追求すると露光量が多くなり、大量生産には向いていないことが明らかとなった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、露光量が比較的少なくても、パターン精度に優れた硬化物が得られる放射線硬化性組成物、その保存方法、硬化膜形成方法及びパターン形成方法を提供すると共に、それを用いたパターン使用方法、電子部品及び光導波路を提供するものである。
放射線により酸を発生させパターンを形成する場合、従来の技術では、パターン精度を向上させるために、発生した酸を酸拡散制御剤で失活させる。こうすると、失活した分、余計に酸を発生させるために露光量を増加させる必要があり、パターン精度向上と露光量の低減は両立し難い。
酸の拡散を抑制するには、酸拡散制御剤で酸を失活させる代わりに、露光量を減らして発生する酸の量を減らす、露光後のポストエクスポジャベイク(PEB)工程の温度を低下させる、又は、PEBを行わない等の手段も考えられる。しかし、従来、そのような手段の基礎となる思想は認められない。また、そのような手段に適した放射線硬化性組成物も認められない。そのような手段に適した放射線硬化性組成物であると、酸拡散制御剤を用いずに精度良くパターンを形成することができる。しかし、従来の放射線硬化性組成物を用いてパターニングする際、発生する酸の量を減らすと硬化が十分に進行しない。また、露光後のポストエクスポジャベイク(PEB)工程の温度を低下させるか、又は、PEBを行わないと、同様に露光部の硬化が進行しない。その結果、パターンが精度良く形成され難くなる。
一方で、多量の水を含有する放射線硬化性組成物は、例えば7℃の大気雰囲気下で7日間保管した後にそれを用いてパターン形成を試みたところ、パターンを精度よく形成することが困難になることが明らかになった。このように多量の水を含有する放射線硬化性組成物は保管安定性が十分ではない傾向にある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の成分を含有した放射線硬化性組成物、硬化膜形成方法及びパターン形成方法が、従来の種々の問題点を解消し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(a)成分:シロキサン樹脂、(b)成分:光酸発生剤又は光塩基発生剤、及び、(c)成分:(a)成分を溶解可能であり、非プロトン性溶媒を含む溶媒を含有してなる放射線硬化性組成物であって、その放射線硬化性組成物中の水の含有割合が2質量%以下である放射線硬化性組成物を提供する。
このような放射線硬化性組成物は、露光量が比較的少なくても、パターン精度に十分優れた硬化物を形成可能となる。また、この放射線硬化性組成物は、長時間保管した後であっても十分に高精度のパターンを形成できる。
また、本発明は、シロキサン樹脂が、下記一般式(1);
SiX4−n …(1)
(式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物を加水分解縮合して得られる樹脂を含む上記放射線硬化性組成物を提供する。
また、本発明は、非プロトン性溶媒が、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、エーテルアセテート系溶媒及びケトン系溶媒からなる群より選択される1種以上の溶媒である上記放射線硬化性組成物を提供する。これらの非プロトン性溶媒は、パターン形成時の感度及びパターン精度、並びに硬化物の機械強度の観点から好ましい。
本発明は、(d)成分:硬化促進触媒を更に含有する上記放射線硬化性組成物を提供する。硬化促進触媒を用いると、光酸発生剤量若しくは光塩基発生剤量の低減効果、露光量の低減効果、又は、PEBの温度の低下効果がより期待できるため好ましい。
本発明は、硬化促進触媒がオニウム塩である上記放射線硬化性組成物を提供する。オニウム塩は、得られる硬化物の電気特性及び機械強度を向上でき、更に、組成物の安定性を高めることができるという観点から好ましい。
本発明は、硬化促進触媒が第4級アンモニウム塩である上記放射線硬化性組成物を提供する。第4級アンモニウム塩を効果促進触媒として用いることにより、上述の電気特性及び機械強度の向上効果並びに組成物の安定性の向上効果が更に有効に発揮される。
本発明は、上記放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、その塗膜を露光する工程とを有し、かつ露光する工程の後に塗膜を加熱しない硬化膜形成方法を提供する。この方法によると、加熱による酸の拡散や生産コストの増大が十分に抑えられ、しかも、得られる硬化膜のパターン精度は十分に優れたものとなる。
本発明は、上記放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、その塗膜を露光する工程と、露光する工程の後に塗膜を加熱する工程とを有する硬化膜形成方法を提供する。
本発明は、シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、その塗膜を露光する工程とを有し、かつ露光する工程の後に塗膜を加熱しない硬化膜形成方法を提供する。この方法によると、加熱による酸の拡散や生産コストの増大が十分に抑えられ、しかも、得られる硬化膜のパターン精度は十分に優れたものとなる。
本発明は、シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、その塗膜を露光する工程と、露光する工程の後に塗膜を70〜110℃に加熱する工程とを有する硬化膜形成方法を提供する。これにより、加熱時の酸の拡散をより抑制することができる。
本発明は、シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、その塗膜を5〜100mJ/cmの光量の光の照射により露光する工程とを有する硬化膜形成方法を提供する。光量を上記範囲内にすることにより、露光制御が容易となり生産効率が向上する傾向にある。
本発明は、シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、その塗膜を5〜100mJ/cmの光量の光の照射により露光する工程と、露光する工程の後に塗膜を70〜110℃に加熱する工程とを有する硬化膜形成方法を提供する。
本発明は、シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を用いる上記硬化膜形成方法であって、そのシロキサン樹脂が、下記一般式(1);
SiX4−n …(1)
(式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物を加水分解縮合して得られる樹脂を含む硬化膜形成方法を提供する。
本発明は、上記放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介してその塗膜を露光する工程と、露光する工程の後に塗膜の未露光部を現像によって除去する工程とを有し、かつ露光する工程の後に塗膜を加熱しないパターン形成方法を提供する。この方法によると、加熱による酸の拡散や生産コストの増大が十分に抑えられ、しかも、得られる硬化膜のパターン精度は十分に優れたものとなる。なお、ここでの「加熱」は、上記除去する工程よりも前の段階における加熱をいうので、上記除去する工程の後であれば加熱してもよい。
本発明は、上記放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介してその塗膜を露光する工程と、露光する工程の後に塗膜を加熱する工程と、加熱する工程の後に塗膜の未露光部を現像によって除去する工程とを有するパターン形成方法を提供する。
本発明は、シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介してその塗膜を露光する工程と、塗膜の未露光部を現像によって除去する工程とを有し、かつ露光する工程の後に塗膜を加熱しないパターン形成方法を提供する。この方法によると、加熱による酸の拡散や生産コストの増大が十分に抑えられ、しかも、得られる硬化膜のパターン精度は十分に優れたものとなる。なお、ここでの「加熱」は、上記除去する工程よりも前の段階における加熱をいうので、上記除去する工程の後であれば加熱してもよい。
本発明は、シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介してその塗膜を露光する工程と、露光する工程の後に塗膜を70〜110℃に加熱する工程と、加熱する工程の後に塗膜の未露光部を現像によって除去する工程とを有するパターン形成方法を提供する。これにより、加熱時の酸の拡散をより抑制することができる。
本発明は、シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介してその塗膜を5〜100mJ/cmの光量の光の照射により露光する工程と、塗膜の未露光部を現像によって除去する工程とを有するパターン形成方法を提供する。光量を上記範囲内にすることにより、露光制御が容易となり生産効率が向上する傾向にある。
本発明は、シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介してその塗膜を5〜100mJ/cmの光量の光の照射により露光する工程と、露光する工程の後に塗膜を70〜110℃に加熱する工程と、加熱する工程の後に塗膜の未露光部を現像によって除去する工程とを有するパターン形成方法を提供する。
本発明は、シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を用いる上記パターン形成方法であって、そのシロキサン樹脂が、下記一般式(1);
SiX4−n …(1)
(式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物を加水分解縮合して得られる樹脂を含むパターン形成方法を提供する。
本発明は、上述の除去する工程において、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド水溶液を現像液として用いる上記パターン形成方法を提供する。これにより、現像時における電子部品のアルカリ金属による汚染を十分に抑制できる。
本発明は、上記パターン形成方法により形成されたパターンをレジストマスクとして用いるパターン使用方法を提供する。
本発明は、上記パターン形成方法により形成されたパターンを備える電子部品を提供する。
本発明は、上記パターン形成方法により形成されたパターンを備える光導波路を提供する。
このような成分構成を有する放射線硬化性組成物や、その放射線硬化性組成物を用いた硬化膜形成方法及びパターン形成方法並びに放射線硬化性組成物の保存方法によれば、露光量が比較的少なくても、パターン精度に優れた硬化物を形成でき、少ない露光量と優れたパターン精度とを両立できないといった従来の問題点を解決することができる。
本発明において、このような従来得られなかった効果が奏されるメカニズムの詳細は、未だ不明な点がある。しかしながら本発明者らは、例えば、発生した酸の拡散を抑制する酸拡散制御剤を用いる必要性がないこと、又は、硬化を促進する溶媒として非プロトン性溶媒を用いることに起因して、硬化に必要な露光量の低減が本発明では実現されると推定している。
また、添加剤として硬化促進触媒を更に含有させると、上述の効果を一層有効に発揮できる。これは、より少ない露光量で、放射線硬化組成物が十分に硬化することに起因すると考えられる。
パターン精度の向上は、硬化を促進する溶媒として非プロトン性溶媒を用いると、酸の拡散よりも先に放射線硬化性組成物の硬化反応が起こることに由来していると推定される。また、添加剤として硬化促進触媒を更に含有させることにより、パターン精度が更に向上する。これは、酸が拡散するよりも、一層早いタイミングで硬化反応が起きているためと推測される。このようなメカニズムは、従来の、酸拡散制御剤が発生した酸を失活(中和)させることによりパターン精度が向上する、というメカニズムとは異なるものである。本発明においては、従来とは異なる上述のメカニズムに基づいて、パターン精度の向上と露光量の低減とを両立することが可能になると考えられる。
本発明の放射線硬化性組成物、その保存方法、硬化膜形成方法及びパターン形成方法によれば、露光量が比較的少なくても、パターン精度に優れた硬化物を得ることができる。したがって、本発明は、パターン使用方法、電子部品及び光導波路に有用である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
〈(a)成分〉
(a)成分はシロキサン樹脂であり、公知のものを使用できるが、樹脂の末端や側鎖などにOH基を有することが好ましい。これは放射線硬化性組成物を硬化させるための加水分解縮合反応を一層進行させるためである。
また、シロキサン樹脂は、溶媒への溶解性、機械特性、成形性等の観点から、重量平均分子量(Mw)が、500〜1000000であることが好ましく、500〜500000であるとより好ましく、500〜100000であることが更に好ましく、500〜10000であることが特に好ましく、500〜5000であることが極めて好ましい。この重量平均分子量が500未満では硬化物の成膜性が劣る傾向にあり、この重量平均分子量が1000000を超えると、溶媒との相溶性が低下する傾向にある。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という。)により測定され且つ標準ポリスチレンの検量線を使用して換算されたものである。
重量平均分子量(Mw)は、例えば、以下の条件によるGPCにより測定することができる。
試料:放射線硬化性組成物(10μL)
標準ポリスチレン:東ソー社製標準ポリスチレン(分子量;190000、17900、9100、2980、578、474、370、266)
検出器:株式会社日立製作所社製RI−モニター、商品名「L−3000」
インテグレータ:株式会社日立製作所社製GPCインテグレーター、商品名「D−2200」
ポンプ:株式会社日立製作所社製、商品名「L−6000」
デガス装置:昭和電工社製、商品名「Shodex DEGAS」
カラム:日立化成工業社製、商品名「GL−R440」、「GL−R430」、「GL−R420」をこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75mL/分
測定時間:45分
好ましいシロキサン樹脂としては、例えば、下記一般式(1);
SiX4−n …(1)
で表される化合物を必須成分として加水分解縮合して得られる樹脂等が挙げられる。ここで、式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は、炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。
加水分解性基Xとしては、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アセトキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基等が挙げられる。これらの中では、組成物自体の液状安定性や塗布特性等の観点からアルコキシ基又はアリールオキシ基が好ましく、アルコキシ基がより好ましい。
加水分解性基Xがアルコキシ基である一般式(1)の化合物(アルコキシシラン)としては、例えば、それぞれ置換されていてもよいテトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシランなどが挙げられる。
テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。
トリアルコキシシランとしては、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−iso−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−iso−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−iso−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−iso−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、sec−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−iso−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロエチルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ジアルコキシシランとしては、例えば、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジ−n−プロポキシシラン、メチルジ−iso−プロポキシシラン、メチルジ−n−ブトキシシラン、メチルジ−sec−ブトキシシラン、メチルジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−iso−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキシシラン、ジエチルジ−iso−プロポキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジ−tert−ブトキシシラン、ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン等が挙げられる。
加水分解性基Xがアリールオキシ基である一般式(1)の化合物(アリールオキシシラン)としては、例えば、それぞれ置換されていてもよい、テトラアリールオキシシラン、トリアリールオキシシラン、ジアリールオキシシラン等が挙げられる。
テトラアリールオキシシランとしては、例えば、テトラフェノキシシラン等が挙げられる。
トリアリールオキシシランとしては、例えば、トリフェノキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、iso−プロピルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリフェノキシシラン、t−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン等が挙げられる。
ジアリールオキシシランとしては、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジフェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジフェノキシシラン、ジ−n−ブチルジフェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジフェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジフェノキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン等が挙げられる。
また、Rが炭素数1〜20の有機基である一般式(1)の化合物で、上記以外の化合物としては、例えば、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)プロパン、ビス(トリエトキシシリル)プロパン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)プロパン、ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)プロパン、ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)ベンゼン等のビスシリルアルカン、ビスシリルベンゼンなどが挙げられる。
また、RがSi原子を含む基である一般式(1)の化合物としては、例えば、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサ−n−プロポキシジシラン、ヘキサ−iso−プロポキシジシラン等のヘキサアルコキシジシラン、1,2−ジメチルテトラメトキシジシラン、1,2−ジメチルテトラエトキシジシラン、1,2−ジメチルテトラプロポキシジシラン等のジアルキルテトラアルコキシジシランなどが挙げられる。
また、加水分解性基Xが、ハロゲン原子(ハロゲン基)である一般式(1)の化合物(ハロゲン化シラン)としては、例えば、上述した各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がハロゲン原子で置換されたもの等が挙げられる。さらに、加水分解性基Xが、アセトキシ基である一般式(1)の化合物(アセトキシシラン)としては、例えば、上述した各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がアセトキシ基で置換されたもの等が挙げられる。またさらに、加水分解性基Xが、イソシアネート基である一般式(1)の化合物(イソシアネートシラン)としては、例えば、上述した各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がイソシアネート基で置換されたもの等が挙げられる。さらにまた、加水分解性基Xが、ヒドロキシル基である一般式(1)の化合物(ヒドロキシシラン)としては、例えば、上述した各アルコキシシラン分子中のアルコキシ基がヒドロキシル基で置換されたもの等が挙げられる。
これら一般式(1)で表される化合物は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
また、一般式(1)で表される化合物の多量体等の部分縮合物を加水分解縮合して得られる樹脂、一般式(1)で表される化合物の多量体等の部分縮合物と一般式(1)で表される化合物とを加水分解縮合して得られる樹脂、一般式(1)で表される化合物とその他の化合物とを加水分解縮合して得られる樹脂、一般式(1)で表される化合物の多量体等の部分縮合物と一般式(1)で表される化合物とその他の化合物とを加水分解縮合して得られる樹脂、などを使用することもできる。
一般式(1)で表される化合物の多量体等の部分縮合物としては、例えば、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、ヘキサ−n−プロポキシジシロキサン、ヘキサ−iso−プロポキシジシロキサン等のヘキサアルコキシジシロキサン、部分縮合が進んだトリシロキサン、テトラシロキサン、オリゴシロキサン等が挙げられる。
上記「その他の化合物」としては、例えば、重合性の2重結合又は3重結合を有する化合物等が挙げられる。重合性の2重結合を有する化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−iso−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸フェニル、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、アクリルアミド、アリルベンゼン、ジアリルベンゼン等やこれらの化合物が部分縮合したものなどが挙げられる。3重結合を有する化合物としてはアセチレン、エチニルベンゼン等が挙げられる。
このようにして得られる樹脂は1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
一般式(1)で表される化合物を加水分解縮合させる際に用いる水の量は、一般式(1)で表される化合物1モル当たり0.1〜1000モルであることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜100モルである。この水の量が0.1モル未満では加水分解縮合反応が十分に進行しない傾向にあり、水の量が1000モルを超えると加水分解中又は縮合中にゲル化物を生じる傾向にある。
また、一般式(1)で表される化合物の加水分解縮合において、触媒を使用することも好ましい。このような触媒の種類としては、例えば、酸触媒、アルカリ触媒、金属キレート化合物等が挙げられる。
酸触媒としては、例えば、有機酸及び無機酸などが挙げられる。有機酸としては、例えば、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸等が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、燐酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、フッ酸等が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
アルカリ触媒としては、例えば、無機アルカリ及び有機アルカリなどが挙げられる。無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等が挙げられる。有機アルカリとしては、例えば、ピリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、アンモニア、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデカシルアミン、ドデカシルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
金属キレート化合物としては、金属及び多座配位子を有しているものであれば特に限定されず、更に有機基を有していてもよい。金属キレート化合物における金属としては、例えば、チタン、ジルコニウム、アルミニウム等が挙げられる。多座配位子としては、例えば、アセチルアセトナトイオン、エチルアセトアセテート等が挙げられる。有機基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコキシ基等が挙げられる。金属キレート化合物の具体例としては、トリメトキシ(アセチルアセトナト)チタン、トリエトキシ(アセチルアセトナト)チタン、トリ−n−プロポキシ(アセチルアセトナト)チタン、トリ−iso−プロポキシ(アセチルアセトナト)チタン、トリ−n−ブトキシ(アセチルアセトナト)チタン、トリ−sec−ブトキシ(アセチルアセトナト)チタン、トリ−tert−ブトキシ(アセチルアセトナト)チタン、ジメトキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジエトキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジn−プロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジiso−プロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジn−ブトキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジsec−ブトキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジtert−ブトキシビス(アセチルアセトナト)チタン、メトキシトリス(アセチルアセトナト)チタン、エトキシトリス(アセチルアセトナト)チタン、n−プロポキシトリス(アセチルアセトナト)チタン、iso−プロポキシトリス(アセチルアセトナト)チタン、n−ブトキシトリス(アセチルアセトナト)チタン、sec−ブトキシトリス(アセチルアセトナト)チタン、tert−ブトキシトリス(アセチルアセトナト)チタン、テトラキス(アセチルアセトナト)チタン、トリメトキシ(エチルアセトアセテート)チタン、トリエトキシ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−iso−プロポキシ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−tert−ブトキシ(エチルアセトアセテート)チタン、ジメトキシジ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシジ(エチルアセトアセテート)チタン、ジn−プロポキシジ(エチルアセトアセテート)チタン、ジiso−プロポキシジ(エチルアセトアセテート)チタン、ジn−ブトキシジ(エチルアセトアセテート)チタン、ジsec−ブトキシジ(エチルアセトアセテート)チタン、ジtert−ブトキシジ(エチルアセトアセテート)チタン、メトキシトリス(エチルアセトアセテート)チタン、エトキシトリス(エチルアセトアセテート)チタン、n−プロポキシトリス(エチルアセトアセテート)チタン、iso−プロポキシトリス(エチルアセトアセテート)チタン、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)チタン、sec−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)チタン、tert−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン等のチタンを有する金属キレート化合物、上記チタンを有する金属キレート化合物のチタンがジルコニウム、アルミニウム等に置換された化合物などが挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
一般式(1)で表される化合物の加水分解縮合に際し、かかる触媒を用い加水分解を行うことが好ましいが、組成物の安定性が悪化する場合や触媒を含むことにより他材料への腐食等の影響が懸念される場合もある。そのような場合は、例えば、加水分解後に、上記触媒を組成物から取り除いたり、他の化合物と反応させて触媒としての機能を失活させてもよい。触媒を取り除く方法や他の化合物と反応させる方法に特に制限はないが、蒸留やイオンクロマトカラム等を用いて取り除いてもよい。また、一般式(1)で表される化合物から得られる加水分解生成物は、再沈等により組成物から取り出されてもよい。また、反応により触媒としての機能を失活させる方法としては、例えば、触媒がアルカリ触媒の場合、酸触媒を添加して、酸塩基反応により中和したりpHを酸性側にしたりする方法が挙げられる。同様に触媒が酸触媒の場合、アルカリ触媒を添加して、酸塩基反応により中和したりpHをアルカリ性側にしたりする方法が挙げられる。
この触媒の使用量は、一般式(1)で表される化合物1モルに対して0.0001〜1モルの範囲であることが好ましい。この使用量が0.0001モル未満では実質的に反応が進行しない傾向にあり、1モルを超えると加水分解縮合時にゲル化が促進される傾向にある。
さらに、この加水分解によって副生するアルコールはプロトン性溶媒であるため、エバポレータ等を用いて除去することが好ましい。
このようにして得られる樹脂は、溶媒への溶解性、機械特性、成形性等の観点から、重量平均分子量が、500〜1000000であることが好ましく、500〜500000であるとより好ましく、500〜100000であることが更に好ましく、500〜10000であることが特に好ましく、500〜5000であることが極めて好ましい。この重量平均分子量が500未満では硬化物の成膜性が劣る傾向にあり、この重量平均分子量が1000000を超えると、溶媒との相溶性が低下する傾向にある。
放射線硬化性組成物が、それを塗布する下地への接着性及び機械強度を必要とする場合、一般式(1)におけるSi原子1モルに対する、H原子、F原子、B原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子、Ti原子及びC原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子の総含有割合(これを、「特定の結合原子(一般式(1)中のR)の総数(M)」という。)が、0.20〜1.30モルであることが好ましく、0.20〜1.00モルであることがより好ましく、0.20〜0.90モルであることが特に好ましく、0.20〜0.80モルであることが極めて好ましい。このようにすれば、その硬化物の他の膜(層)への接着性及び機械強度の低下を抑制することができる。
この特定の結合原子の総数(M)が0.20未満では、硬化物を絶縁膜として用いたときの誘電特性が劣る傾向にあり、1.30を超えると最終的に得られる硬化物の他の膜(層)との接着性や機械強度等が劣る傾向にある。また、上述の特定の結合原子のなかでも、硬化物の成膜性の観点から、H原子、F原子、N原子、Si原子、Ti原子及びC原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含むことが好ましく、それらのなかでも、誘電特性及び機械強度の見地から、H原子、F原子、N原子、Si原子及びC原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含むことがより好ましい。
なお、特定の結合原子の総数(M)は、シロキサン樹脂の仕込み量から求めることができ、例えば、下記式(A);
M=(M1+(M2/2)+(M3/3))/Msi …(A)
で表される関係を用いて算出できる。式中、M1は、特定の結合原子のうち単一の(ただ1つの)Si原子と結合している原子の総数を示し、M2は、特定の結合原子のうち2つのSi原子と結合している原子の総数を示し、M3は、特定の結合原子のうち3つのSi原子と結合している原子の総数を示し、Msiは、Si原子の総数を示す。
このようなシロキサン樹脂は1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。2種類以上のシロキサン樹脂を組み合わせる方法としては、例えば、異なる重量平均分子量を有する2種類以上のシロキサン樹脂を組み合わせる方法、異なる化合物を必須成分として加水分解縮合して得られる2種類以上のシロキサン樹脂を組み合わせる方法等が挙げられる。
〈(b)成分〉
(b)成分は、光酸発生剤又は光塩基発生剤である。光酸発生剤又は光塩基発生剤は、それに放射線を照射することにより、酸性活性物質又は塩基性活性物質を放出することができる化合物として定義される。ここで、「酸性活性物質又は塩基性活性物質」とは、(a)成分を硬化(加水分解重縮合)可能な酸性物質又は塩基性物質をいう。
光酸発生剤としては、例えば、ジアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、芳香族テトラカルボン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ニトロベンジルエステル、オキシムスルホン酸エステル、芳香族N−オキシイミドスルフォネート、芳香族スルファミド、ハロアルキル基含有炭化水素系化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物、ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル等が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。また、これらを他の増感剤等と組み合わせて使用することもできる。
光塩基発生剤としては、例えば、下記一般式(2)〜(5)で表される化合物群、ニフェジピン化合物等の非イオン性の光塩基発生剤、コバルトアミン錯体、下記一般式(6)、下記一般式(7)で表される第4級アンモニウム塩等のイオン性の光塩基発生剤などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。また、これらを他の増感剤等と組合せて使用することもできる。
(R−OCO−NH)−R …(2)
ここで、式中、Rは炭素数1〜30の1価の有機基を示し、側鎖にメトキシ基又はニトロ基を有する芳香族環を含んでいてもよく、Rは炭素数1〜20の1〜4価の有機基を示し、mは1〜4の整数である。
(RC=N−OCO)−R …(3)
ここで、式中、R及びmは上記一般式(2)におけるものと同義であり、R及びRは各々独立に炭素数1〜30の1価の有機基を示し、互いに結合して環状構造を形成してもよい。
−OCO−NR …(4)
ここで、式中、Rは上記一般式(2)におけるものと同義であり、R及びRは各々独立に炭素数1〜30の1価の有機基を示し、互いに結合して環状構造を形成してもよく、いずれか一方が水素原子であってもよい。
−CO−R−NR …(5)
ここで、式中、R及びRは上記一般式(4)におけるものと同義であり、Rは炭素数1〜30の1価の有機基を示し、側鎖にアルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキル置換アミノ基又はアルキルチオ基を有する芳香族環を含んでいてもよく、Rは炭素数1〜30の2価の有機基を示す。
Figure 2006195175
ここで、式中、R10は炭素数1〜30の1価の有機基を示し、R11及びR12はそれぞれ独立に炭素数1〜30の1価の有機基又は水素原子を示し、Xは、下記一般式(6A)、(6B)、(6C)、(6D)、(6E)及び(6F)(以下、「(6A)〜(6F)」のように表記する。)のいずれかで表される1価の基を示し、Zはアンモニウム塩の対イオンを示し、tは1〜3の整数であり、p及びqはそれぞれ0〜2の整数であり、t+p+q=3である。
Figure 2006195175
ここで、式中、R13、R14、R15及びR16は各々独立に炭素数1〜30の1価の有機基を示し、R17、R18及びR19は各々独立に炭素数1〜30の2価の有機基又は単結合を示し、R20及びR21は各々独立に炭素数1〜30の3価の有機基を示す。
Figure 2006195175
ここで、式中、R10、R11及びR12、Z、t、p及びqは上記一般式(6)におけるものと同様であり、Xは下記一般式(7A)〜(7D)のいずれかで表される2価の基を示す。
Figure 2006195175
ここで、式中、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20及びR21は、上記一般式(6A)〜(6F)におけるものと同義である。
放射線硬化性組成物中の(b)成分の配合割合は特に制限されるものではないが、用いる光酸発生剤又は光塩基発生剤の感度、効率、用いる光源、所望とする硬化物の厚さ等に依存するため、その範囲は広きに亘る。具体的には、放射線硬化性組成物中の(a)成分100質量部に対して、(b)成分の配合割合は0.00010〜50質量部であることが好ましく、0.0010〜20質量部であることがより好ましく、0.010〜10質量部であることが特に好ましい。(b)成分の配合割合をこのような範囲に設定することによって、放射線硬化性組成物の光硬化性が更に向上する傾向にある。言い換えると、該組成物を硬化させるための露光量を更に少なくできる傾向にある。さらには、(b)成分の配合割合をこのような範囲に設定することにより、放射線硬化性組成物の安定性、成膜性等が更に高くなる傾向にあると共に、硬化物の電気特性及びプロセス適合性が更に向上する傾向にある。
また、上述した光酸発生剤又は光塩基発生剤とともに光増感剤を併用してもよい。光増感剤を用いることにより、効率的に放射線のエネルギー線を吸収することができ、光酸発生剤又は光塩基発生剤の感度を一層向上させることができる。光増感剤としては、例えば、アントラセン誘導体、ペリレン誘導体、アントラキノン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン等が挙げられる。
なお、保存安定性向上のために放射線硬化性組成物を二液に分けて保存する場合は、この(b)成分と(a)成分とを別々に保存することが好ましい。
また、放射線硬化性組成物を一液で保存する場合は、例えば、0℃以下の温度で保存することが好ましい。この温度の下限は、放射線硬化性組成物に含有される溶媒の凝固点以上であることが好ましく、例えば−50℃であることが好ましい。
〈(c)成分〉
アルコールに代表されるプロトン性溶媒は、電気陰性度の大きい酸素原子に結合した水素原子を有している。そのために、プロトン性溶媒分子は求核試薬などと水素結合を形成して溶媒和する。すなわち、プロトン性溶媒は一般式(1)で表される化合物を加水分解して得られるシロキサン樹脂と溶媒和するため、シロキサン樹脂がより効率的に縮合するためにはこの溶媒分子を取り除くことが好ましいと推測される。プロトン性溶媒が放射線硬化性組成物中に多く存在するほど、該組成物の低温での硬化を阻害する傾向にあると考えられる。
一方、非プロトン性溶媒は、電気陰性度の大きな原子に結合した水素原子を有しない溶媒であるので、プロトン性溶媒よりも上述のような反応阻害の要因になり難いと考えられる。そのため、非プロトン性溶媒を用いた放射線硬化性組成物の塗膜を露光すると、その露光部では酸性活性物質や塩基性活性物質の発生と共に硬化反応が進み、酸や塩基の拡散などによるパターン精度の低下が起こり難く、パターン精度が更に向上すると考えられる。これは、従来の酸拡散制御剤の、発生した酸を失活(中和)させることによりパターン精度を向上させるというメカニズムとは異なるものである。これにより、本発明では、パターン精度の向上と露光量の低減とを両立することが可能となると考えられる。
(c)成分に含まれる非プロトン性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−ジ−n−プロピルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル等のエステル系溶媒;エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のエーテルアセテート系溶媒;アセトニトリル、N―メチルピロリジノン、N―エチルピロリジノン、N―プロピルピロリジノン、N―ブチルピロリジノン、N―ヘキシルピロリジノン、N―シクロヘキシルピロリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
これらのなかでは、パターン形成時の感度及びパターン精度、並びに硬化物の機械強度の観点から、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、エーテルアセテート系溶媒又はケトン系溶媒が好ましい。また、窒素原子を有しない溶媒であることが好ましい。発明者らは、これらの中でも1番目にエーテルアセテート系溶媒が好ましく、2番目にエーテル系溶媒が好ましく、3番目にケトン系溶媒が好ましいと考えている。これらの溶媒は1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
放射線硬化性組成物の安定性を考慮すると、(c)成分は水に対する溶解性又は水の溶解性を有していることが好ましく、水に対する溶解性及び水の溶解性の両方を有していることが好ましい。したがって、非プロトン性溶媒が水に対する溶解性又は水の溶解性を有していない場合は、放射線硬化性組成物にプロトン性溶媒を添加することが好ましい。非プロトン性溶媒が水に対する溶解性又は水の溶解性を有しておらず、かつ放射線硬化性組成物がプロトン性溶媒を含まない場合は、(a)成分の溶媒に対する相溶性が低下し、安定性が低下する傾向がある。しかしながら、安定性を多少犠牲にしてでも感度が求められるような場合はプロトン性溶媒を少なくする方が好ましい。
プロトン性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等のエステル系溶媒などが挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
非プロトン性溶媒の配合割合は、放射線硬化性組成物中の全溶媒量に対して50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましく、95質量%以上であることが極めて好ましい。この配合割合を上述の範囲に調整することによって、放射線硬化性組成物の光硬化性が更に向上する傾向にある。言い換えると、該組成物を硬化させるための露光量を更に少なくできる傾向にある。さらには、この配合割合を上述の範囲に調整することによって、さほど高温での熱処理を行わなくても放射線硬化性組成物を十分に硬化できる傾向にあるため、高温での熱処理による発生した酸や塩基の拡散を一層抑制できるので、パターン精度が更に向上する傾向がある。
(c)成分の放射線硬化性組成物への配合方法は特に限定されないが、例えば、(a)成分を調製する際の溶媒として用いる方法、(a)成分を調製後添加する方法、溶媒交換を行う方法、(a)成分を溶媒留去等で取り出した後に(c)溶媒を加える方法等がある。
放射線硬化性組成物におけるこの溶媒(非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒との合計)の配合割合は、放射線硬化性組成物中の(a)成分(シロキサン樹脂)の配合割合が3〜60質量%となるような割合であることが好ましい。(a)成分の配合割合がこの範囲内になるように溶媒の配合割合を調整することにより、所望の膜厚を有する硬化物を形成しやすくなる傾向にあり、さらには、硬化物の成膜性及び該組成物自体の安定性を更に向上できる傾向がある。
〈(d)成分〉
本発明における(d)成分は硬化促進触媒であり、これを放射線硬化性組成物に添加することにより、光酸発生剤若しくは光塩基発生剤の配合割合の低減効果、露光量の低減効果、又は、PEBの温度の低下効果がより期待できるため好ましい。この硬化促進触媒は硬化促進触媒能を有するものであり、光によって活性物質を発生する(b)成分のような通常の光酸発生剤又は光塩基発生剤とは異なるものである。したがって、通常、光酸発生剤又は光塩基発生剤として使用されるようなオニウム塩とは区別される。ただし、光酸発生能又は光塩基発生能と、硬化促進触媒能とを併せ持つような材料であれば、硬化促進触媒として使用することも可能である。光酸発生能又は光塩基発生能と、硬化促進触媒能とを併せ持つような材料は、(b)成分及び(d)成分の機能を併せ持つこととなるので、本発明の放射線硬化性組成物がそのような材料を含有する場合は、他の(b)成分や(d)成分を更に含有する必要はない。
当該触媒は放射線硬化性組成物の溶液中では触媒作用を示さず、塗布後の塗膜中で活性を示す特異なものであると考えられる。塗膜の露光部では酸性活性物質や塩基性活性物質の発生と共に硬化促進触媒による硬化反応が進むため、それにより酸や塩基の拡散が抑制されると推測される。したがって、酸や塩基の拡散などによるパターン精度の低下が更に起こり難い、すなわちパターン精度が更に向上すると推定される。
ある化合物が「硬化促進触媒能」を有するか否か、すなわち硬化促進触媒であるか否かは以下のようにして判断される。
1.まず(a)成分及び(c)成分からなる組成物を準備する。
2.続いて、ベイク(焼成)後の膜厚が1.0±0.1μmになるようにシリコンウエハ上に、準備した組成物を塗布する。次に、塗布した組成物を所定の温度で30秒間ベイクした後、得られる被膜の膜厚を測定する。この際、その膜厚が1.0±0.1μmとなっていればよい。
3.続いて、被膜を積層したシリコンウエハを、23±2℃の2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)水溶液に30秒間浸漬し、更に水洗及び乾燥して、再度被膜の膜厚を測定する。この際、TMAH水溶液浸漬前後の被膜の膜厚変化が浸漬前の膜厚に対して20%以内であるベイク時の最低温度を不溶解温度とする。
4.次いで、上記(a)成分及び(c)成分からなる組成物に、硬化促進触媒能の有無を確認したい化合物を(a)成分の総量に対して0.01質量%添加して新たな組成物を得、その組成物について上記2及び3と同様の処理を施し、新たな組成物の不溶解温度を求める。
この結果、硬化促進触媒能の有無を確認したい化合物を添加することにより、組成物の不溶解温度が低下すれば、その化合物は硬化促進触媒能を有するものと判断される。
(d)成分である硬化促進触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化カリウム等の硬化促進触媒能を有するアルカリ金属類、オニウム塩などが挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
これらの中でも、得られる硬化物の電気特性及び機械強度を向上でき、更に、組成物の安定性を高めることができるという観点から、(d)成分が硬化促進触媒能を有するオニウム塩であると好ましく、硬化促進触媒能を有する第4級アンモニウム塩であるとより好ましい。
オニウム塩の一つとして、例えば、(d−1)窒素含有化合物と、(d−2)アニオン性基含有化合物及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも一種と、から形成される塩が挙げられる。上記(d−1)窒素含有化合物の窒素と結合する原子は、H原子、F原子、B原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子、Ti原子、及びC原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子であることが好ましい。また、上記アニオン性基としては、例えば、水酸基、硝酸基、硫酸基、カルボニル基、カルボキシル基、カーボネート基及びフェノキシ基等が挙げられる。
オニウム塩としては、例えば、アンモニウムハイドロオキシド、アンモニウムフルオライド、アンモニウムクロライド、アンモニウムブロマイド、ヨウ化アンモニウム、燐酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩、ホウ酸アンモニウム塩、硫酸アンモニウム塩、蟻酸アンモニウム塩、マレイン酸アンモニウム塩、フマル酸アンモニウム塩、フタル酸アンモニウム塩、マロン酸アンモニウム塩、コハク酸アンモニウム塩、酒石酸アンモニウム塩、リンゴ酸アンモニウム塩、乳酸アンモニウム塩、クエン酸アンモニウム塩、酢酸アンモニウム塩、プロピオン酸アンモニウム塩、ブタン酸アンモニウム塩、ペンタン酸アンモニウム塩、ヘキサン酸アンモニウム塩、ヘプタン酸アンモニウム塩、オクタン酸アンモニウム塩、ノナン酸アンモニウム塩、デカン酸アンモニウム塩、シュウ酸アンモニウム塩、アジピン酸アンモニウム塩、セバシン酸アンモニウム塩、酪酸アンモニウム塩、オレイン酸アンモニウム塩、ステアリン酸アンモニウム塩、リノール酸アンモニウム塩、リノレイン酸アンモニウム塩、サリチル酸アンモニウム塩、ベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、安息香酸アンモニウム塩、p−アミノ安息香酸アンモニウム塩、p−トルエンスルホン酸アンモニウム塩、メタンスルホン酸アンモニウム塩、トリフルオロメタンスルフォン酸アンモニウム塩、トリフルオロエタンスルフォン酸アンモニウム塩、等のアンモニウム塩が挙げられる。
また、上記アンモニウム塩のアンモニウムイオンがメチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、プロピルアンモニウムイオン、ジプロピルアンモニウムイオン、トリプロピルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、ブチルアンモニウムイオン、ジブチルアンモニウムイオン、トリブチルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、エタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン等に置換されたアンモニウム塩なども挙げられる。
これらのオニウム塩の中では、硬化物の硬化促進の観点から、テトラメチルアンモニウム硝酸塩、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムプロピオン酸塩、テトラメチルアンモニウムマレイン酸塩、テトラメチルアンモニウム硫酸塩等のアンモニウム塩が好ましい。
これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(d)成分の配合割合は、放射線硬化性組成物中の(a)成分100質量部に対して0.00010〜5.0質量部であることが好ましく、0.00010〜1.0質量部であることがより好ましい。(d)成分の配合割合をこの数値範囲内にすることにより、放射線硬化性組成物を十分に硬化させるための露光量を一層少なくできる傾向にあり、更に、該組成物の安定性、成膜性等を高めると共に、硬化物の電気特性及びプロセス適合性を向上できる傾向にある。
なお、オニウム塩は、必要に応じて水や溶媒に溶解又は希釈した後で放射線硬化性組成物に添加して、所望の濃度に調整することができる。また、オニウム塩を放射線硬化性組成物に添加するタイミングは特に限定されないが、例えば、(a)成分の加水分解を行う時点、加水分解中、反応終了時、溶媒留去前後、酸発生剤を添加する時点等であってもよい。
本発明の放射線硬化性組成物中には水が含有されていてもよいが、その含有割合は、放射線硬化性組成物の全量に対して2質量%以下であると好ましく、1質量%以下であるとより好ましく、0.5質量%以下であると更に好ましく、0.1質量%以下であると特に好ましい。この水の含有割合を上記範囲内に調整した放射線硬化性組成物は、例えば7℃の大気雰囲気下で7日間保管された後にパターニングされても、調製された翌日に同様の条件(例えば同様の露光量)でパーターニングされた場合とほぼ同様の精度でパターンを形成することができる。
したがって、放射線硬化性組成物中に2質量%を超える水が含まれている場合、その水を除去して2質量%以下に調整することが好ましい。水を除去する方法としては特に限定されないが、例えば放射線硬化性組成物を蒸留したり、エバポレータ又は脱水剤を用いたりする方法が挙げられる。
なお、放射線硬化性組成物中の水の含有量は、電量滴定方式カールフィッシャ水分測定装置により測定することができる。
〈その他の成分〉
また、本発明の放射線硬化性組成物に色素を添加してもよい。色素を添加することにより、例えば、光感度を調整する効果、定在波効果を抑制する効果等が得られる。
また、本発明の目的や効果を損なわない範囲で、さらに界面活性剤、シランカップリング剤、増粘剤、無機充填剤、ポリプロピレングリコール等の熱分解性化合物、揮発性化合物などを放射線硬化性組成物に添加してもよい。上記熱分解性化合物及び揮発性化合物は熱(好ましくは250〜500℃)により分解又は揮発し、硬化物に空隙を形成可能であることが好ましい。また、(a)成分であるシロキサン樹脂に同様の空隙形成能を付与してもよい。
なお、本発明の放射線硬化性組成物を電子部品に使用する場合は、その組成物中にアルカリ金属やアルカリ土類金属を含有しないことが望ましい。それらの金属を含有する場合のその含有割合は、組成物の全体量に対して1000質量ppm以下であることが好ましく、1質量ppm以下であることがより好ましい。これらの金属の含有割合が1000質量ppmを超えると、半導体素子等の電子部品にそれらの金属のイオンが流入しやすくなるため、所望のデバイス特性を得難くなる傾向にある。これらのアルカリ金属やアルカリ土類金属は、放射線硬化性組成物を調製する際に、必要に応じてイオン交換フィルター等の使用により除去すると好ましい。しかしながら、放射線硬化性組成物を光導波路や他の用途等に用いる際は、その目的を損なわないのであればこの限りではない。
次に、本発明の放射線硬化性組成物を用いて、基板上にパターンを形成する方法について説明する。放射線硬化性組成物を基板上に塗布する方法はスピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法等、特に限定されないが、得られる被膜の成膜性及び膜均一性に優れる観点から、スピンコート法が好ましい。以下、このスピンコート法を例にとって、パターン形成方法について説明する。なお、パターンを形成する基板は表面が平坦なものであっても、電極等が形成され凹凸を有しているものであってもよい。
まず、放射線硬化性組成物をSiウェハ又はガラス基板等の基板上に好ましくは500回転/分〜5000回転/分、より好ましくは500回転/分〜3000回転/分でスピン塗布して塗膜を形成する。この際、回転数が500回転/分未満であると、膜均一性が低下する傾向にある一方で、5000回転/分を超えると、成膜性が低下するおそれがあるため好ましくない。
塗膜の膜厚は使用用途により異なり、例えば、得られる硬化膜(硬化物)をLSI等の層間絶縁膜に使用する場合の塗膜は、その硬化膜の膜厚が0.010〜2.0μmとなるような膜厚であることが好ましく、硬化膜をパッシベーション層に使用する場合の塗膜は、硬化膜の膜厚が2.0〜40μmとなるような膜厚であることが好ましい。硬化膜を液晶用途に使用する場合の塗膜は、硬化膜の膜厚が0.10〜20μmとなるような膜厚であることが好ましく、フォトレジストに使用する場合の塗膜は、硬化膜の膜厚が0.10〜2.0μmとなるような膜厚であることが好ましく、光導波路に使用する場合の塗膜は1.0〜50μmとなるような膜厚であることが好ましい。通常、この硬化膜の膜厚は概して0.010〜10μmであることが好ましく、0.010〜5.0μmであることがより好ましく、0.010〜3.0μmであることが更に好ましく、0.010〜2.0μmであることが特に好ましく、0.10〜2.0μmであることが極めて好ましい。硬化膜の膜厚を調整するためには、例えば、組成物中の(a)成分の配合割合を調整してもよい。また、スピン塗布法を用いる場合、回転数及び塗布回数を調整することにより膜厚を調整することができる。(a)成分の配合割合を調整して膜厚を制御する場合は、例えば、膜厚を厚くする場合には(a)成分の濃度を高くし、膜厚を薄くする場合には(a)成分の濃度を低くすることにより制御することができる。また、スピン塗布法を用いて膜厚を調整する場合は、例えば、膜厚を厚くする場合には回転数を下げたり、塗布回数を増やしたりし、膜厚を薄くする場合には回転数を上げたり、塗布回数を減らしたりすることにより調整することができる。
次いで、好ましくは50〜200℃、より好ましくは70〜150℃でホットプレート等にて塗膜中の有機溶媒及び水を揮発させ塗膜を乾燥する。この乾燥温度が50℃未満であると、有機溶媒の揮発が十分に行われない傾向にある。一方、乾燥温度が200℃を超えると、後の現像処理の際に塗膜が現像液に溶解し難くなり、パターン精度が低下する傾向にある。
次に、所望のパターンを有するマスクを介して、塗膜に放射線を照射して露光する。これにより放射線を照射された塗膜の露光部は硬化して硬化膜を形成する。この露光量は5.0〜5000mJ/cmであることが好ましく、5.0〜1000mJ/cmであることがより好ましく、5.0〜500mJ/cmであることが特に好ましく、5.0〜100mJ/cmであることが極めて好ましい。この露光量が5.0mJ/cm未満では光源によっては制御が困難となるおそれがあり、5000mJ/cmを超えると露光時間が長くなり、生産性が悪くなる傾向がある。なお、従来の一般的なシロキサン系放射線硬化性組成物の露光量は500〜5000mJ/cm程度である。
本発明における放射線は電磁波又は粒子線のことをいい、例えば、可視光線、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等が挙げられる。これらの中では、特に紫外線であることが好ましい。紫外線の発生源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、エキシマランプ等が挙げられる。
また、露光後に、必要に応じて加熱(ポストエクスポジャベイク:PEB)工程を経てもよい。この工程における加熱処理はホットプレート等の加熱手段にて、少なくとも露光により硬化した露光部(硬化膜)を加熱する。その際、未露光部の塗膜の現像液に対する溶解性が低下しない程度の温度領域で加熱することが好ましい。この加熱温度は50〜200℃であることが好ましく、70〜150℃であることがより好ましく、70〜110℃であることが特に好ましく、70〜100℃であることが極めて好ましい。一般に温度が高くなるほど発生した酸が拡散しやすくなるため、この加熱温度は低い方がよい。なお、従来の一般的なシロキサン系放射線硬化性組成物のPEB工程における加熱温度は115〜120℃程度である。
また、酸の拡散や生産コストの増大を抑制する観点からは、露光後、現像前に上述のような加熱工程を設けないことが好ましい。
続いて、放射線硬化性組成物塗膜の未露光部の除去、すなわち現像を行う。露光の工程においてマスクにより放射線の照射が阻害される未露光部は、この現像の際に用いられる現像液に対して十分に溶解性を有する。一方、放射線の照射された露光部では露光により酸性活性物質や塩基性活性物質が発生し、加水分解縮合反応が起こり、現像液に対する溶解性が低下する。この作用により、基板上には露光部(硬化膜)のみが選択的に残存しパターンが形成される。
現像に際しては、例えば、アルカリ性水溶液等の現像液を使用することができる。このアルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ;エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1級アミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2級アミン;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3級アミン;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン;テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムハイドロオキシド等の第4級アンモニウムなどの水溶液が挙げられる。また、これらのアルカリ水溶液に水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することもできる。放射性硬化組成物を電子部品の製造の際に用いる場合、電子部品はアルカリ金属の汚染を嫌うため、現像液としては、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド水溶液が好ましい。
好適な現像時間は塗膜や硬化膜の膜厚や溶剤にもよるが、5秒間〜5分間であることが好ましく、30秒間〜3分間であることがより好ましく、30秒間〜1分間であることが特に好ましい。この現像時間が5秒間未満ではウエハ又は基板全面での時間制御が困難となる場合があり、5分間を超えると生産性が悪くなる傾向がある。現像時の処理温度は特に限定されないが、一般に20〜30℃である。現像方法としては、例えば、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
現像によって形成されたパターンは必要に応じて蒸留水等によりリンスされてもよい。
こうしてパターン化された放射線硬化性組成物の硬化膜はそのままレジストマスクとして使用することもできる。
本発明によりパターン化された硬化膜を層間絶縁膜、クラッド層等として基板上や電子部品内に残存させる場合は、例えば、硬化膜を100〜500℃の加熱温度で焼成して最終硬化を行うことが好ましい。この最終硬化は、N、Ar、He等の不活性雰囲気下、大気中、減圧条件下等で行うのが好ましいが、用途に要求される特性を満足するのであれば、周囲の雰囲気や圧力の条件に特に制限はない。この最終硬化の際の加熱温度を100℃〜500℃とすることにより、露光部の硬化性を更に向上することができると共に、電気絶縁性を向上させることができる。また、この加熱温度が低い方が、基板やウエハ等の塗膜の下層に用いられる材料の劣化を抑制できる傾向にあるため好ましい。
最終硬化における加熱時間は2〜240分間であることが好ましく、2〜120分間であることがより好ましい。この加熱時間が240分間を超えると量産性に向かない可能性がある。加熱装置としては、例えば、石英チューブ炉等の炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール(RTA)などの加熱処理装置などが挙げられる。
かかる硬化膜(硬化物)を有する電子部品としては、例えば、半導体素子、多層配線板等の絶縁膜を有するデバイスなどが挙げられる。具体的には、半導体素子においては、硬化膜を表面保護膜(パッシベーション膜)、バッファーコート膜、層間絶縁膜等として使用することができる。一方、多層配線板においては、硬化膜を層間絶縁膜として好適に使用することができる。
半導体素子としては、例えば、ダイオード、トランジスタ、化合物半導体、サーミスタ、バリスタ、サイリスタ等の個別半導体、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリー)、EPROM(イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、マスクROM(マスク・リード・オンリー・メモリー)、EEPROM(エレクトリカル・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、フラッシュメモリー等の記憶素子、マイクロプロセッサー、DSP、ASIC等の理論回路素子、MMIC(モノリシック・マイクロウェーブ集積回路)に代表される化合物半導体等の集積回路素子、混成集積回路(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合素子等の光電変換素子などが挙げられる。また、多層配線板としては、例えば、MCM等の高密度配線板などが挙げられる。
さらには、液晶用部品、有機トランジスタ、光導波路、フォトレジスト等としても使用することができるが、用途はこの限りではない。
図1は、TFT液晶ディスプレイに備えられる電子部品である、本発明に係るTFT(薄膜トランジスタ)の一実施形態を示す模式端面図である。このTFTでは、ガラス基板1上に形成されたアンダーコート膜2の上にポリシリコンからなる伝導層3が設けられており、その伝導層3を面内方向で挟むようにしてソース4及びドレイン5が配置されている。伝導層3上にはSiOを構成材料とするゲート酸化膜6を介してゲート電極7が備えられている。ゲート酸化膜6は、伝導層3をゲート電極7と直接接触させないように設けられている。アンダーコート膜2、並びに伝導層3、ソース4、ドレイン5、ゲート酸化膜6及びゲート電極7は、短絡防止用に第1層間絶縁膜8で覆われているが、第1層間絶縁膜8の一部はTFT形成時に除去され、その部分からソース4及びドレイン5のそれぞれに接続した状態で金属配線9が引き出されている。金属配線9のうち、ドレイン5と接続した状態で引き出されている金属配線9は、透明電極11と電気的に接続しており、それ以外の部分は短絡しないように第2層間絶縁膜10で覆われている。
本発明の放射線硬化性組成物から得られる硬化膜は、主に第2層間絶縁膜10としてこのTFTに備えられているが、第1層間絶縁膜8に用いられてもよい。これらの層間絶縁膜8、10は、例えば、以下のようにして形成される。まず、本発明の放射線硬化性組成物をその下地上にスピンコート法等により塗布し乾燥し塗膜を得る。次いで、所定パターンのマスクを介して塗膜を露光して所定部分(第1層間絶縁膜8の場合は金属配線9を形成すべき部分以外の部分、第2層間絶縁膜10の場合は透明電極11を形成すべき部分以外の部分など)を硬化させ、更に必要に応じて加熱処理する。そして未露光部を現像処理により除去して、層間絶縁膜8、10が得られる。この後、必要に応じて加熱処理により最終硬化させることもできる。なお、層間絶縁膜8、10は同一の組成を有していても異なる組成を有していてもよい。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例において、放射線硬化性組成物は光酸発生剤又は光塩基発生剤が励起されないように、放射線硬化性組成物の現像工程が終了するまでは、使用する酸発生剤又は光塩基発生剤及び増感剤の感光波長を含まない環境下で作業した。
(実施例1)
テトラエトキシシラン132.3gとメチルトリエトキシシラン103.2gとをジエチレングリコールジメチルエーテル464.8gに溶解させた溶液中に、0.644質量%に調製した硝酸水溶液69.7gを攪拌下で30分間かけて滴下した。滴下終了後3時間反応させた後、減圧下、温浴中で生成エタノール及びジエチレングリコールジメチルエーテルの一部を留去して、ポリシロキサン溶液487.8gを得た。このポリシロキサン溶液487.8gにジエチレングリコールジメチルエーテル25.4gを添加し、室温(25℃)で30分間攪拌溶解して放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液を得た。GPC法により(a)成分(ポリシロキサン)の重量平均分子量を測定すると、1540であった。このポリシロキサン溶液100.0gに光酸発生剤(PAI−1001、みどり化学社製)0.750gを配合し、放射線硬化性組成物を得た。
なお、得られた放射線硬化性組成物中の各成分の含有割合は、組成物の総量に対して、(a)成分が15質量%であり、(b)成分が0.75質量%であり、水が0.1質量%であった。これらのうち、(a)成分及び(b)成分の含有割合は仕込量から換算したものであり、水の含有割合は後述するパターニング直前の放射線硬化性組成物中の含有量を、下記の電量滴定方式カールフィッシャ水分測定装置を用いて測定した値から換算したものである(以下同様。)。
微量水分測定装置:商品名「AQUACOUNTER AQ−2000」、平沼産業社製
スターラ:商品名「STIRRER K−2000」、平沼産業社製
対極液:商品名「アクアライトCN」、平沼産業社販売
発生液:商品名「ハイドラナール アクアライトRS」、平沼産業社販売
水分気化装置:商品名「EVAPORATOR EV−2000L」、平沼産業社製
溶媒:脱水トルエン(トルエン試薬瓶内にモレキュラーシーブ3Aを入れて脱水処理したトルエン)
加熱炉温度:120℃
乾燥空気流量:50mL/分
測定温度:23℃
パラメータ:Interval Time=10sec、S−Timer=0min、T−Timer=20min
まず、水分気化装置の気化室内に脱水トルエン10mLを注入し、加熱炉で120℃に加熱した。その中に、モレキュラーシーブ3Aを充填した乾燥管に通過させた空気をバブリングして、トルエン中の水分を更に除去した。そして、微量水分測定装置でブランク消去が終了した後、放射線硬化性組成物100μLを気化室の試料投入口から導入して放射線硬化性組成物中の水の含有量を測定した。
次いで、この放射線硬化性組成物を用いてパターニング(パターンの形成)を行った。まず、上記放射線硬化性組成物を5インチシリコンウエハの中心に2mL滴下して、スピン塗布法(700回転/分で30秒間回転)によりそのウエハ上に塗膜を形成し、それを100℃のホットプレート上で30秒間乾燥させた。その後、乾燥させた塗膜に対して、最小線幅が10μmのライン状パターンを有するネガ用のマスクを介して、露光機(PLA−600F、キャノン社製)でi線を200mJ/cm照射した。露光後の塗膜を備えたウエハを100℃のホットプレートで30秒間加熱し、次いで、冷却用のプレート(23℃)で30秒間冷却した。
次いで、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)水溶液を現像液としてそのウエハを30秒間現像して、未露光部を溶解させた。その後、ウエハを水洗、スピン乾燥した。そして、炉体を用い、スピン乾燥後のウエハを窒素雰囲気下、350℃で30分間加熱し、ウエハ上に硬化物を得た。
その硬化物のパターン形状について、光学顕微鏡による上部からの観察、及びSEMによる断面形状の観察を行ったところ、ラインが精度よく形成されていた。このことから、実施例1の放射線硬化性組成物を用いると、パターン精度は10μm以下であることが確認された。
また、実施例1の放射線硬化性組成物を7℃の大気雰囲気下で7日間保管した後に、上記と同様の条件でパターニングを行い、パターン形状を観察したところ、パターン精度は10μm以下であることが確認された。
(比較例1)
実施例1で得られた放射線硬化性組成物100gに脱イオン水3gを添加して、比較例1の放射線硬化性組成物を得た。なお、得られた放射線硬化性組成物中の各成分の含有割合は、組成物の総量に対して、(a)成分が15質量%であり、(b)成分が0.75質量%であり、水が3.0質量%であった。
次いで、この放射線硬化性組成物を用いてパターニング(パターンの形成)を行った。まず、上記放射線硬化性組成物を5インチシリコンウエハの中心に2mL滴下して、スピン塗布法(700回転/分で30秒間回転)によりそのウエハ上に塗膜を形成し、それを100℃のホットプレート上で30秒間乾燥させた。その後、乾燥させた塗膜に対して、最小線幅が10μmのライン状パターンを有するネガ用のマスクを介して、露光機(PLA−600F、キャノン社製)でi線を200mJ/cm照射した。露光後の塗膜を備えたウエハを100℃のホットプレートで30秒間加熱し、次いで、冷却用のプレート(23℃)で30秒間冷却した。
次いで、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)水溶液を現像液としてそのウエハを30秒間現像して、未露光部を溶解させた。その後、ウエハを水洗、スピン乾燥したところ、ウエハ上の塗膜が全て溶解しており、パターンが形成されていなかった。
(比較例2)
比較例1と同様にして得られた放射線硬化性組成物を用いて、i線の照射を200mJ/cmから1000mJ/cmに代えた以外は比較例1と同様にして、ウエハの自然冷却まで行った。次いで、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド(TMAH)水溶液を現像液としてそのウエハを30秒間現像して、未露光部を溶解させた。その後、ウエハを水洗、スピン乾燥した。そして、炉体を用い、スピン乾燥後のウエハを窒素雰囲気下、350℃で30分間加熱し、ウエハ上に硬化物を得た。
その硬化物のパターン形状について、光学顕微鏡による上部からの観察、及びSEMによる断面形状の観察を行ったところ、ラインは形成されているもの、その形状は良好ではなかった。このことから、比較例2におけるパターン精度は10μmを超えていることが確認された。
本発明に係る電子部品の好適な一実施形態を示す模式端面図である。
符号の説明
1…ガラス基板、2…アンダーコート膜、3…伝導層、4…ソース、5…ドレイン、6…ゲート酸化膜、7…ゲート電極、8…第1層間絶縁膜、9…金属配線、10…第2層間絶縁膜、11…透明電極。

Claims (24)

  1. (a)成分:シロキサン樹脂、
    (b)成分:光酸発生剤又は光塩基発生剤、及び
    (c)成分:(a)成分を溶解可能な溶媒であり、非プロトン性溶媒を含む溶媒
    を含有してなる放射線硬化性組成物であって、その放射線硬化性組成物中の水の含有割合が2質量%以下である放射線硬化性組成物。
  2. 前記シロキサン樹脂が、下記一般式(1);
    SiX4−n …(1)
    (式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。)
    で表される化合物を加水分解縮合して得られる樹脂を含む、請求項1記載の放射線硬化性組成物。
  3. 前記非プロトン性溶媒が、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、エーテルアセテート系溶媒及びケトン系溶媒からなる群より選択される1種以上の溶媒である、請求項1又は2記載の放射線硬化性組成物。
  4. (d)成分:硬化促進触媒、を更に含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物。
  5. 前記硬化促進触媒がオニウム塩である、請求項4記載の放射線硬化性組成物。
  6. 前記硬化促進触媒が第4級アンモニウム塩である、請求項4記載の放射線硬化性組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、前記塗膜を露光する工程と、を有し、かつ前記露光する工程の後に前記塗膜を加熱しない硬化膜形成方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、前記塗膜を露光する工程と、該露光する工程の後に前記塗膜を加熱する工程と、を有する硬化膜形成方法。
  9. シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、前記塗膜を露光する工程と、を有し、かつ前記露光する工程の後に前記塗膜を加熱しない硬化膜形成方法。
  10. シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、前記塗膜を露光する工程と、前記露光する工程の後に前記塗膜を70〜110℃に加熱する工程と、を有する硬化膜形成方法。
  11. シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、前記塗膜を5〜100mJ/cmの光量の光の照射により露光する工程と、を有する硬化膜形成方法。
  12. シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、前記塗膜を5〜100mJ/cmの光量の光の照射により露光する工程と、前記露光する工程の後に前記塗膜を70〜110℃に加熱する工程と、を有する硬化膜形成方法。
  13. 前記シロキサン樹脂が、下記一般式(1);
    SiX4−n …(1)
    (式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。)
    で表される化合物を加水分解縮合して得られる樹脂を含む、請求項9〜12のいずれか一項に記載の硬化膜形成方法。
  14. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介して前記塗膜を露光する工程と、前記塗膜の未露光部を現像によって除去する工程と、を有し、かつ前記露光する工程の後に塗膜を加熱しないパターン形成方法。
  15. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介して前記塗膜を露光する工程と、前記露光する工程の後に前記塗膜を加熱する工程と、前記加熱する工程の後に前記塗膜の未露光部を現像によって除去する工程と、を有するパターン形成方法。
  16. シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介して前記塗膜を露光する工程と、前記塗膜の未露光部を現像によって除去する工程と、を有し、かつ前記露光する工程の後に塗膜を加熱しないパターン形成方法。
  17. シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介して前記塗膜を露光する工程と、前記露光する工程の後に前記塗膜を70〜110℃に加熱する工程と、前記加熱する工程の後に前記塗膜の未露光部を現像によって除去する工程と、を有するパターン形成方法。
  18. シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介して前記塗膜を5〜100mJ/cmの光量の光の照射により露光する工程と、前記塗膜の未露光部を現像によって除去する工程と、を有するパターン形成方法。
  19. シロキサン樹脂を含有する放射線硬化性組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を得る工程と、マスクを介して前記塗膜を5〜100mJ/cmの光量の光の照射により露光する工程と、前記露光する工程の後に前記塗膜を70〜110℃に加熱する工程と、前記加熱する工程の後に前記塗膜の未露光部を現像によって除去する工程と、を有するパターン形成方法。
  20. 前記シロキサン樹脂が、下記一般式(1);
    SiX4−n …(1)
    (式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。)
    で表される化合物を加水分解縮合して得られる樹脂を含む、請求項16〜19のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  21. 前記除去する工程において、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド水溶液を現像液として用いる、請求項14〜20のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  22. 請求項14〜21のいずれか一項に記載のパターン形成方法により形成されたパターンをレジストマスクとして用いるパターン使用方法。
  23. 請求項14〜21のいずれか一項に記載のパターン形成方法により形成されたパターンを備える電子部品。
  24. 請求項14〜21のいずれか一項に記載のパターン形成方法により形成されたパターンを備える光導波路。
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