JP2006090470A - 直交歯車対の設計装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 諸元入力の際のユーザの負担を軽減することのできる直交歯車対の設計装置を提供する。
【解決手段】 入力部5を通じて各基本諸元がユーザ入力される際に、演算部6は、好適に入力可能な基本諸元についての限界値を、関連する他の諸元と、予め設定された諸元情報(例えば、テーブルや関係式等)とに基づいて演算し、この演算結果を、ディスプレイ装置13等の出力部8を介して表示する。これにより、ユーザが諸元入力を行う際の負担を大幅に軽減する。その際、演算部6は、演算した限界値で規定される諸元帯域内で、基本諸元の推奨値を演算することにより、ユーザ支援をより効果的に実現する。さらに、演算部6は、演算した限界値で規定される諸元帯域内の諸元を一覧表示し、一覧表示した諸元の中から推奨値を強調表示することにより、ユーザ支援をより効果的に実現する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ハイポイドギヤや傘歯車等の直交歯車対の設計装置に関する。
従来より、ハイポイドギヤ等の直交歯車対の諸元設定、即ち、設計方法については、例えば歯車便覧等において、既に確立されている。しかしながら、上記設計方法は、理論上は成立するものの、実際の加工に即したものとは言い難く、特に、歯車形成時のカッタの動き等を十分に考慮した諸元設計を行うものではない。
このため、直交歯車対の設計においては、設計装置(設計プログラム)が広く用いられている。例えば、特許文献1には、傘歯車の歯形の設計において、直交歯車加工機メーカであるグリーソン社が提供するプログラム(グリーソンプログラム)によってピニオンのドライブ側圧力角を変更することにより最終的な設計諸元を設定する技術が開示されている。
特開平9−32908号公報
ところで、この種の設計装置を用いた歯車対の設計においては、一般に、ユーザ入力された所定の基本諸元に基づいて各種諸元が演算されるが、ユーザは、希望する最終的な設計諸元が得られるまでの間、基本諸元を繰り返し再入力する必要がある。
しかしながら、各基本諸元は互いに所定の関連性を有しているため、ユーザが適切な基本諸元を再入力するためには、予め用意された一覧表を参照する等して入力に適切な諸元帯域等を調査する必要があり、このような調査等を各基本諸元に対して繰り返し行うことは、ユーザにとって大きな負担となっていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、諸元入力の際のユーザの負担を軽減することのできる直交歯車対の設計装置を提供することを目的とする。
本発明は、入力された基本諸元に基づいて直交歯車対の設計諸元を演算する直交歯車対の設計装置において、好適に入力可能な上記基本諸元についての限界値を、関連する他の上記諸元と予め設定された諸元情報とに基づいて演算する入力支援情報演算手段と、上記入力支援情報演算手段の演算結果を表示手段を介して表示する入力支援情報表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の直交歯車対の設計装置によれば、諸元入力の際のユーザの負担を軽減することができる。
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図面は本発明の一形態に係わり、図1は直交歯車対の設計装置の概略構成図、図2は直交歯車対の設計装置を実現するためのコンピュータシステムの一例を示す概略構成図、図3は直交歯車対設計ルーチンのフローチャート、図4は基準円錐設定サブルーチンのフローチャート、図5は諸元入力支援サブルーチンのフローチャート、図6は歯面情報演算サブルーチンのフローチャート、図7は歯車対情報演算サブルーチンのフローチャート、図8,9はハイポイドギヤの噛合いモデルの断面図、図10は基本諸元の入力画面の表示例を示す説明図、図11は設計諸元の表示例を示す説明図、図12,13は推奨値表示画面の表示例を示す説明図、図14はピニオンカッタの要部断面図、図15はピニオン転がり円とギヤ転がり円の関係を示す説明図、図16はピニオンカッタによる創成点の説明図、図17は歯面情報表示画面の表示例を示す説明図、図18,19,20は歯車対情報表示画面の表示例を示す説明図である。
図8において、符号100は直交歯車対を示し、本形態では直交歯車対100の一例としてハイポイドギヤを示す。なお、図8に示す直交歯車対100は、小径をなす一方の歯車(以下、ピニオンともいう)101P、及び、大径をなす他方の歯車(以下、ギヤともいう)101Gが、ともに勾配歯で形成されている。
この直交歯車対100は、例えば図1に示す設計装置1を用いて設計される。設計装置1は、直交歯車対100に係る基本的な諸元(基本諸元)等をユーザ等が入力するための入力部5と、入力部5から入力された基本諸元に基づいて各種諸元計算等を行う演算部6と、演算部6で実行される各種プログラムを格納するとともに、入力された諸元や演算部6での演算結果等を適宜記憶する記憶部7と、演算部6での演算結果等を出力する出力部8とを有して構成されている。
なお、本形態の設計装置1は、例えば図2に示すコンピュータシステム10で実現される。コンピュータシステム10は、例えば、コンピュータ本体11に、キーボード12と、表示手段の一例としてのディスプレイ装置13と、プリンタ14とがケーブル15を介して接続されて要部が構成されている。そして、このコンピュータシステム10において、例えば、コンピュータ本体11に配設された各種ドライブ装置やキーボード12等が入力部15として機能するとともに、コンピュータ本体11に内蔵されたCPU,ROM,RAM等が演算部6として機能する。また、コンピュータ本体11に内蔵されたハードディスク等が記憶部7として機能するとともに、ディスプレイ装置13やプリンタ14等が出力部8として機能する。
この設計装置1では、ユーザ入力等される直交歯車対100の基本諸元等に基づき、ピニオン101P及びギヤ101Gの諸元計算等を行う際の基準となる基準円錐102P,102Gを三次元空間上に設定し、これら基準円錐102P,102Gに基づいて、直交歯車対100の各種諸元の演算等を行う。そして、設計装置1は、演算等によって求めた各種諸元を、入力諸元とともに設計諸元として設定する。
具体的に説明すると、設計装置1は、基本諸元を用いて、ピニオン101P及びギヤ101Gのピッチ点Pを通り、且つ、ピニオン101P及びギヤ101Gのルート円錐に平行な仮想的なピッチ円錐(以下、仮想ピッチ円錐とも称す)を基準円錐102P,102Gとしてそれぞれ設定し、これら仮想ピッチ円錐及びその空間上の位置関係等に基づいて設計諸元についての各種演算等を行う。すなわち、本出願人らは、上述の仮想ピッチ円錐を基準円錐として各種演算等を行うことにより、歯車成形時のカッタの動きが十分に考慮され実際の加工に即した直交歯車対100の設計を実現できることを見いだした。このため、設計装置1の記憶部7には、基本諸元を用いて各仮想ピッチ円錐を演算し、これらを基準円錐102P,102Gとして設定するためのプログラムが格納されており、さらに、設定した基準円錐102P,102Gに基づいて設計諸元の演算等を行うためのプログラムが格納されている。そして、演算部6は、上述のプログラムを実行することにより、基準円錐設定手段、及び、諸元演算手段としての機能を実現する。
なお、本形態において、設計装置1は、直交歯車対100の基準円錐として、ピッチ円錐を設定することも可能である。この場合、ピッチ円錐は、ピニオン101P及びギヤ101Gが勾配歯である場合には仮想ピッチ円錐と異なるが(図8中に各ピッチ円錐を二点鎖線で示す)、ピニオン101P及びギヤ101Gが等高歯である場合には仮想ピッチ円錐と一致する(図9参照)。
ところで、このような直交歯車対100の設計において、最終的な設計諸元が決定されるまでには、基本諸元の変更等が繰り返し行われる。その際、ユーザの負担を軽減するため、本形態の設計装置1は、要求に応じて、ユーザに各種情報を提供することが可能となっている。
この情報提供機能の一つとして、設計装置1は、ユーザが各種基本諸元を入力する際に、関連する他の諸元に基づいて、好適に入力可能な諸元の限界値(諸元帯域)や推奨値等を入力支援情報として演算し、これらを表示することが可能である。具体的に説明すると、設計装置1の記憶部7には、各基本諸元について、入力に好適な諸元帯域(好適に入力可能な諸元の上限値/下限値等)や推奨値等と、関連する他の諸元との関係を示すテーブルや計算式等の関係を示す諸元情報が予め設定され格納されており、さらに、これら諸元情報を用い、関連する他の諸元を参照して、入力諸元についての諸元帯域や推奨値を演算するためのプログラムが格納されている。そして、演算部6は、上述のプログラムを実行することによって入力支援情報を演算し、当該演算結果を、ディスプレイ装置13等の出力部8を介して所定の形態で表示する。すなわち、演算部は、入力支援情報演算手段、及び、入力支援情報表示制御手段としての機能を実現する。
また、例えばギヤ101Gの歯面を直線状に創成するよう設計した場合において、設計装置1は、設計諸元に基づいて、実際に創成されるピニオン101Pの歯面情報を演算し、これを表示することが可能である。具体的に説明すると、本出願人らは、例えばギヤ101Gの創成歯面を直線状とした場合に、これに噛合うピニオン101Pの創成歯面は、転がり円の接触点に対して常に垂直であることを見いだした。また、設計諸元に基づいて規定されるピニオンカッタ160(図14参照)の動きは、ピニオン101Pと噛合うギヤ101Gの動きと一致し、従って、ピニオンカッタ160が各移動角度ζで移動した際に刃161で創成されるピニオン101Pの歯面の垂線上には、常に、接触点が存在する。そこで、これらの点に着目し、本出願人らは、ピニオン転がり円中心から見たギヤ転がり円の移動角度ζを媒介変数として、ピニオン101Pの創成歯面上の各創成点を算出する方法(後述する)を新たに開発した。すなわち、本算出方法は、ピニオン101Pの転がり円とギヤ101Gの転がり円(ピニオンカッタの転がり円)との接触点を通るピニオンカッタ160の刃面上の垂線が当該刃面と交差する点を創成点として演算されるものである。設計装置1の記憶部7には、設計諸元に基づき、上述の算出方法を用いて、実際に形成されるピニオン101Pの各創成点等の歯面情報を演算するためのプログラムが格納されている。そして、演算部6は、上述のプログラムを実行することによって歯面情報を演算し、当該演算結果を、ディスプレイ装置13等の出力部8を介して所定の形態で表示する。すなわち、演算部6は、歯面情報演算手段、及び、歯面情報表示制御手段としての機能を実現する。なお、この歯面情報の演算は、ギヤ101Gに対しても適用が可能であることは勿論である。
また、設計装置1は、設計諸元に基づいて、直交歯車対100についての付加的な各種情報(以下、歯車対情報と称す)を演算し、これを表示することが可能である。具体的に説明すると、設計装置1の記憶部7には、設計諸元に基づき、例えば、実際の直交歯車対100に作用する荷重等の歯車対情報を演算するためのプログラムが格納されている。そして、演算部6は、上述のプログラムを実行することによって歯車対情報を演算し、当該演算結果を、ディスプレイ装置13等の出力部8を介して所定の形態で画像表示する。すなわち、演算部6は、歯車対情報演算手段、及び、歯車対情報表示制御手段としての機能を実現する。
次に、上述の設計装置1を用いて行われるハイポイドギヤ100の設計について、図3の直交歯車対の設計フローチャートに従って説明する。
このルーチンがスタートすると、演算部6は、先ず、ステップS101において、直交歯車対の基本諸元の入力画面150を表示し、この入力画面150上の各入力欄151に、初期表示として、予め記憶部7に格納されている標準的な直交歯車対の基本諸元を表示する(図10参照)。この場合、入力画面150はディスプレイ装置13等の出力部8を介して表示され、各入力欄151には、例えば、ピニオン(PINION)及びギヤ(GEAR)の歯数(NUMBER OF TEETH)N,N、ギヤの歯幅(FACE WIDTH OF THE GEAR)F、ピニオンのオフセット(PINION OFFSET)E、圧力角(SUM OF THE PRESSURE ANGLES)として合計の圧力角φi或いはそれぞれの歯面の圧力角φ1r,φ2r、ギヤピッチ円直径(PICH DIAMETER OF THE GEAR)D、カッター半径(CUTTER RADIUS)rc、ピニオン及びギヤの仕上げ取りしろ(STOCK ALLOWANCE)Δt,Δt、ピニオン捩れの方向及び捩れ角(PINION SPIRAL ANGLE)ψ、駆動メンバ(DRIVING MEMBER)、駆動メンバの回転方向(DIRECTION OF ROTATIONDRIVER)、バックラッシュ(BACKLASH)の最小値(MIN)及び最大値(MAX)、歯筋勾配の種類(DEPTHWISE TOOTH TAPER)、フェースミル(FACE MILL)或いはフェースホブ(FACE HOB)の選択状態、ギヤの深さ係数(DEPTH FACTOR)k、ギヤのアデンダム係数(ADDENDUM FACTOR)ka、ピニオン及びギヤの強度計算で使うカッターのエッジ半径(EDGE RADIUS USED IN STRENGTH)reP,reG、ピニオンとギヤの歯元応力のバランス(STRENGTH BALANCE DESIRED)の選択状態、摩擦係数(COEFFICIENT OF FRICTION)μ、歯元力に影響するカッター半径の係数(CUTTER RADIUS FACTOR - KX)、ピニオントルク(PINION TORQUE)T、及び、参照する基準円錐の種類(REFERENCE CONE)等が表示される。併せて、演算部6は、ユーザが諸元入力についての支援を要求するため操作釦(図示の例では「?」を付した各操作釦)152を、入力画面150上の各入力欄151に隣接して表示する。さらに、演算部6は、設計諸元の設定結果に基づく各種情報表示を要求するための操作釦(図示の例では「Dim Sheet」、「創成図」、「配置図」、「歯面荷重」を付した各操作釦)153を入力画面150上に表示する。
そして、基本諸元の入力画面150上で、例えば、ピニオン101P及びギヤ101Gの歯数N,Nやギヤピッチ円半径D等の入力欄151が適宜選択され、選択された入力欄151に、ユーザの所望する新たな諸元値がキーボード12等の入力部5を通じて入力されると、演算部6は、ステップS102で、入力された基本諸元の取り込みを行い、続くステップS103で、入力(変更)された新たな基本諸元に基づいて、ピニオン101P及びギヤ101Gの基準円錐102P,102Gを設定する。
この基準円錐102P,102Gの設定は、例えば図4に示す基準円錐設定サブルーチンのフローチャートに従って実行される。すなわち、演算部6は、先ず、ステップS201において、基本諸元として入力されているピニオンの歯数N、ギヤの歯数N、ギヤピッチ円直径D、及び、ギヤの歯幅Fを用い、以下の式(1)〜(3)に基づいて、ギヤのピッチ円半径Rを算出する。
m=N/N …(1)
Γ=arctan(m/1.2) …(2)
=(D−F・sinΓ)/2 …(3)
なお、式中において、mはギヤ比、Γは仮のギヤピッチ円錐角である。
続くステップS202において、演算部6は、算出したギヤ比m、及びギヤのピッチ円半径Rと、基本諸元として入力されているピニオンオフセットE、ピニオン捩れ角ψ、及びカッタ半径rを用い、以下の式(4)〜(7)を満足させるピニオンピッチ円錐角γ、ギヤピッチ円錐角Γ、ピニオンのピッチ円半径R、ギヤ捩れ角ψを算出することで、ピニオン101Pとギヤ101Gの各ピッチ円錐、及びこれらの空間上での位置関係を設定する。
cosΣ=function1(γ,Γ,ψ−ψ) …(4)
E/R=function2(γ,Γ,ψ−ψ,R/R) …(5)
m=function3(ψ−ψ,R/R,cosψ/cosψ) …(6)
=function4(γ,Γ,ψ,ψ,R,R) …(7)
ここで、式中においてΣはギヤ軸の交差角であり、本形態においてΣ=90°(固定値)である。
なお、上述の式(7)は、ピニオン101P及びギヤ101Gの形成方式としてフェイスミル方式が選択されている場合のものであり、フェイスホブ方式が選択された場合には、ブレードのグループ数Nが基本諸元として追加され、式(7)に代えて、次式(7)’、すなわち、
=function5(γ,Γ,ψ,ψ,R,R,N) …(7)’
が用いられる。
続くステップS203において、演算部6は、算出したギヤのピッチ円半径R、及びギヤ捩れ角ψと、基本諸元として入力されているギヤの歯数N、及びギヤの深さ係数kを用い、以下の式(8)に基づいて有効歯丈hを算出する。
h=(k・R・cosψ)/N …(8)
続くステップS204において、演算部6は、ピニオン101Pとギヤ101Gのデデンダムアングルの合計δΣを、基本諸元として入力されている歯筋勾配の種類に応じて算出し、算出したデデンダムアングルの合計δΣに基づいてギヤのルート円錐角Γの算出を行う。
スタンダードの場合:
δΣS=h/A …(9)
=R/sinΓ …(10)
デュープレックスの場合:
δΣD=(44/45)・(π/(N・tan(φ/2)))
・((sinΓ/cosψ)−(R/r)・tanψ) …(11)
チルトの場合:
=min(1.3,0.02・N+1.06) …(12)
ΔT=(δΣD/δΣS)−T …(13)
ΔT≧0のとき
δΣT=T・δΣS …(14)
ΔT<0のとき
δΣT=δΣD …(15)
パラレルの場合:
δΣP=0 …(16)
そして、演算部6は、歯筋勾配の種類に応じて算出したδΣS、δΣD、δΣT、或いはδΣPをδΣとし、基本諸元として入力されているギヤのアデンダム係数kを用い、以下の式(17)〜(19)に基づいて、ギヤのルート円錐角Γを算出する。
α=k・δΣ …(17)
δ=δΣ−α …(18)
Γ=Γ−δ …(19)
ここで、式中においてαはギヤのアデンダムアングルであり、δはギヤのデデンダムアングルである。
続くステップS205において、演算部6は、算出したピニオンのピッチ円半径R、ピニオンピッチ円錐角γ、ギヤピッチ円錐角Γ、ギヤのルート円錐角Γと、基本諸元として入力されているオフセットEを用い、以下の式(20)〜(23)に基づいてギヤの組立距離z、ギヤの仮想ピッチ円錐のオフセットアングルε、及びピニオンのフェース円錐角γを算出する。
=A・tanγ・sinΓ …(20)
=R/sinγ …(21)
sinε=E/(R+Z・cotΓ …(22)
sinγ=cosε・cosΓ …(23)
そして、ステップS206において、演算部6は、算出したギヤ比m、ギヤのピッチ円半径R、ギヤの組立距離Z、ピニオンのフェース円錐角γ、ギヤのルート円錐角Γと、基本諸元として入力されているオフセットEを用い、以下の式(24)〜(26)を満足させるピニオン及びギヤの捩れ角ψPO,ψGR、及びピニオン半径RPOを算出することで、ピニオン101Pとギヤ101Gの各仮想ピッチ円錐、及びこれらの空間上での位置関係を設定した後、ルーチンを抜ける。
E/R=function2(γ,Γ,ψPO−ψGR,RPO/R) …(24)
/R=function6(γ,Γ,ψPO−ψGR,RPO/R) …(25)
m=function3(ψPO−ψGR,RPO/R,cosψGR/cosPO) …(26)
なお、基本諸元として参照する基準円錐の種類にピッチ円錐(PITCH)が選択されている場合には、上述のステップS202までの処理によって基準円錐102P,102G及びこれらの空間上での位置関係が設定される。すなわち、参照する基準円錐の種類にピッチ円錐が設定されている場合には、基準円錐102P,102G及びこれらの位置関係は、ピッチ円錐の諸元であるR,R,γ,Γ,ψ,ψ,E,Σ,m,rによって規定され、参照する基準円錐の種類に仮想ピッチ円錐(GEAR ROOT)が設定されている場合には、基準円錐102P,102G及びこれらの位置関係は、仮想ピッチ円錐の諸元であるRPO,R,γ,Γ,ψPO,ψGR,Z,m,Eによって規定される。
ステップS103からステップS104に進むと、演算部6は、ステップS103で設定した基準円錐102P,102Gを基準とし、基本諸元等を用いて設計諸元を設定する。この設計諸元の各種演算等は、例えば歯車便覧等に開示されている設計方法に準拠して行われ、これにより、例えば図11に示す設計諸元が設定される。ここで、ピッチ円錐を基準円錐102P,102Gとして演算した各諸元と、仮想ピッチ円錐を基準円錐102P,102Gとして演算した各諸元とでは、主として、限界圧力角、限界曲率半径、ピニオン凹面圧力角、ピニオン凸面圧力角、ピニオン101Pとギヤ101Gのオフセット角、ピニオン101Pとギヤ101Gの捩れ角、ピニオン101Pのピッチ円半径、歯面加重のアキシャルファクタ、歯面加重のセパレーティングファクタ、及び、歯面加重のタンゼンシャルファクタ等の値が異なる。
続くステップS105において、演算部6は、ユーザによって、設計諸元の設定結果に基づく各種情報表示要求がなされているか否かを調べる。この判定は、例えば、入力画面150上で、操作釦153の何れかがユーザによって操作されたか否かによって行われ、演算部6は、設計諸元についての各種表示要求がなされていると判定した場合にはステップS110に進み、一方、表示要求がなされていないと判定した場合にはステップS106に進む。
ステップS105からステップS106に進むと、演算部6は、ユーザによって、基本諸元の変更要求がなされているか否かを調べる。この判定は、例えば、入力画面150上で、入力欄151の何れかがユーザによって選択されているか否かによって行われ、演算部6は、所定時間が経過しても諸元変更の要求がなされていないと判定した場合にはステップS105に戻り、一方、諸元変更の要求がなされていると判定した場合にはステップS107に進む。
ステップS106からステップS107に進むと、演算部6は、入力画面150上で選択された入力欄151の諸元入力(変更)に際し、ユーザが支援を要求しているか否かを調べる。この判定は、例えば、入力画面150上で、所定の操作釦152がユーザによって操作されたか否かによって行われ、演算部6は、ユーザが諸元入力の支援を要求していると判定した場合にはステップS108に進み、一方、諸元入力の支援を要求していないと判定した場合にはステップS109にジャンプする。
ステップS107からステップS108に進むと、演算部6は、ユーザによって選択された諸元(すなわち、ユーザによって操作された操作釦152に対応する入力欄151の諸元)の入力についての支援を行う。この諸元入力の支援は、例えば図5に示す諸元入力支援サブルーチンのフローチャートに従って実行される。すなわち、先ず、ステップS301において、演算部6は、現在記憶部7に格納されている基本諸元及び設計諸元の中から、ユーザによって選択された諸元に関連する他の諸元を抽出する。
続くステップS302において、演算部6は、ユーザ選択された諸元に対応するマップや計算式を記憶部7から読み出し、ステップS301で抽出した諸元を用いて、現在ユーザ選択されている諸元について好適に入力可能な限界値を設定する。
ステップS302からステップS303に進むと、演算部6は、直交歯車対100について、ユーザが優先的に要求する設計条件があるか否かを調べる。すなわち、演算部6は、例えば、操作釦152がユーザ操作された際に、所定の設計条件(例えば、強度の優先、静粛性の優先、或いは、生産性の優先等)を選択するための画面(図示せず)を入力画面150上に表示するようになっており、この選択画面上で所定の項目が選択された際に、演算部6は、直交歯車対100の設計条件についてユーザからの要求があったと判定する。
そして、ステップS303において、設計条件についてユーザからの要求があると判定すると、演算部6は、ステップS304に進み、ステップS302で設定した限界値で規定される諸元帯域内で、ユーザの要求に応じた最も好適な諸元値を推奨値として設定した後、ステップS306に進む。
一方、ステップS303において、設計条件についてユーザからの要求がないと判定すると、演算部6は、ステップS305に進み、ステップS302で設定した限界値で規定される諸元帯域内で、標準的な諸元値を推奨値として設定した後、ステップS306に進む。
ステップS304或いはステップS305からステップS306に進むと、演算部6は、ステップS302で設定した限界値、及び、ステップS304或いはステップS305で設定した推奨値を表示するための推奨値表示画面155(例えば、図12、図13参照)を入力画面150上に重畳表示した後、ルーチンを抜ける。
すなわち、例えば、歯車の加工方式としてとしてフェースミル方式が選択されている場合において、カッタ半径(CUTTER RADIUS)rに対応する操作釦152が操作されると、演算部6は、関連する他の諸元としてギヤピッチ円直径(PICH DIAMETOR OF THE GEAR)Dを抽出し、このギヤピッチ円直径Dに基づいて、好適に入力可能なカッタ半径rの限界値を設定するとともに、設定した限界値の範囲内で推奨値を設定する。そして、演算部6は、例えば図12に示すように、カッタ半径rとギヤピッチ円直径Dとの関係を示すテーブルを推奨値表示画面155として入力画面150上に重畳表示し、この推奨値表示画面155上において、設定した限界値内の諸元値を選択釦156とともに一覧表示し、さらに、これらの中から、推奨値(図示の例では、カッタ半径r=2.250に対応する選択釦156)を強調表示する。
また、例えば、歯車の加工方式としてフェースホブ方式が選択されている場合において、カッタ半径rに対応する操作釦152が操作されると、演算部6は、関連する他の諸元としてギヤの歯数(NUMBER OF TEETH)N、ピッチ円直径(PICH DIAMETER OF THE GEAR)D、アウターコーンディスタンスAを抽出し、これらに基づいて、好適に入力可能なカッタ半径r(及びブレードのグループ数N)の限界値を設定するとともに、設定した限界値の範囲内で推奨値を設定する。そして、演算部6は、例えば図13に示すように、ダイアメタルピッチ(=25.4・N/D)とアウターコーンディスタンスAとの関係を示す図表を推奨値表示画面155として入力画面150上に重畳表示し、この推奨値表示画面155上において、設定した限界値内の諸元値を選択釦156とともに一覧表示し、さらに、これらの中から、推奨値(図示の例では、カッタ半径r=51、ブレードのグループ数N=7に対応する選択釦156)を強調表示する。
ステップS107或いはステップS108からステップS109に進むと、演算部6は、入力画面150上の各入力欄151に適宜ユーザ入力された諸元の取り込みを行い、新たな基本諸元に基づく基準円錐102P,102Gの再設定、及び設計諸元の再設定を行うべく、ステップS103に戻る。なお、各入力欄151には、キーボード12等の入力部5を通じて数値等の入力を直接的に行うことが可能であるが、ステップS108の処理によって推奨値表示画面155が表示されている場合には、入力部5を通じて推奨値表示画面155上の選択釦156をユーザが選択することによって、対応する入力欄151に、推奨値等を直接入力することが可能である。
一方、ステップS105において、設計諸元の設定結果についての各種表示要求がユーザよりなされていると判定してステップS110に進むと、演算部6は、例えば図6に示す歯面情報演算サブルーチンのフローチャートに従って、ピニオン101Pの歯面情報に係る演算を行う。
ここで、図14に示すように、本形態のピニオンカッタ160を構成する刃161は、左右刃面上に、直線部と、当該直線部の先端で接合する円弧部とをそれぞれ有し、これら直線部及び円弧部によって、ピニオン101Pの歯面を創成する。以下、このようなピニオンカッタ160において、刃161のポイントワイズ上の各点を左右刃面の直線部の基準点A(A,A)として定義し、左右刃面のエッジを構成する円弧部の中心点を基準点Z(Z,Z)と定義する。さらに、これら各基準点A,A,Z,Zを総称してxと定義する。
このルーチンがスタートすると、演算部6は、先ず、ステップS401において、ピニオン101Pの中心点Oを基準とする座標系を設定し、この座標系で、ピニオン転がり円103Pに対してギヤ転がり円(=ピニオンカッタの転がり円)103Gが移動角度ζ=0で接するときの各点のベクトルを演算する。ここで、移動角度ζ=0である場合とは、ピニオン101Pの中心点Oとギヤ101Gの中心点Oとを結ぶ直線上に、ピニオン転がり円103Pとギヤ転がり円103Gの接触点Cが存在する場合(すなわち、図15において、ギヤ転がり円103Gが一点鎖線で示す位置に存在する場合)であり、このときの接触点Cを特に接触点Pと定義する。なお、以下の説明において、ベクトルを表すものには添字”v”を付す。
すなわち、ステップS401において、演算部6は、ピニオン転がり円103Pの中心点O’とギヤ転がり円103Gの中心点Oとを結ぶベクトル(O’O’)v、ギヤ転がり円103Gの中心点O’と当該転がり円103G上の刃161の基準点X(A,A,Z,Z)とを結ぶベクトル(O’X)v、接触点Cと基準点Xとを結ぶベクトル(CX)v、刃面の直線部に沿う単位ベクトル(ev等を演算する。
続くステップS402において、演算部6は、以下の式(27)〜(29)に基づいて、刃161の直線部による創成点Yと円弧部による創成点Yとが一致するときのギヤ転がり円103Gの移動角度ζuを演算する。なお、以下の説明において、特に区別する必要がない場合には、創成点Y及び創成点Yを創成点Yと総称する。
Figure 2006090470
ここで、式(27),(28)中の各ベクトルは、ギヤ転がり円103Gの移動角度がζ=0であるときの各点の座標を用いて演算したベクトルである。また、式中において、uは刃161の直線部と円弧部との接合点であり、rePはピニオンカッタ160のエッジ半径、φ’はピッチリミットプレッシャアングル、RNPはピニオン101Pの半径、RNGはギヤ101Gの半径である。また、式(29)で求まるζの正値は、刃161の左歯面において直線部の創成点Yと円弧部の創成点Yとが一致するときの移動角度であり、負値は、刃161の右歯面において直線部の創成点Yと円弧部の創成点Yとが一致するときの移動角度である。
ステップS403〜ステップS407までの処理は、ギヤ転がり円103Gを所定の移動角度ζ毎に移動させ、その移動位置毎に、刃161の創成点Yを演算するための処理である。
具体的に説明すると、演算部6は、ステップS403において、以下の式(30)に基づいて、ギヤ転がり円103Gが移動角度ζで規定される移動位置に移動したときのベクトル(CX)vを演算する。
Figure 2006090470
すなわち、図15からも明らかなように、ギヤ転がり円103Gが移動角度ζで移動したとき、ベクトル(O’O’)vは角度ζで回転し、ベクトル(O’X)vは角度(1+(RNP/RNG))ζで回転する。従って、これらの関係から、ベクトル(CX)vは、上述の式(30)に基づいて求まる。
続くステップS404において、演算部6は、上述のステップS403で求めたベクトル(CX)v(=ベクトル(CZ)v)を用い、以下の式(31)に基づいて基準点X(=Z)と刃161の円弧部による創成点Yとを結ぶベクトル(ZYvを演算するとともに、ベクトル(CX)v(=ベクトル(CA)v)を用い、以下の式(32)に基づいて基準点X(=A)と刃161の直線部による創成点Yとを結ぶベクトル(AYvを演算する。
Figure 2006090470
すなわち、創成点Yは当然の如く刃161の円弧部上に存在し、ベクトル(CZ)vは創成点Yにおける歯面と垂直であることから、ベクトル(ZYvは、上述の式(31)に基づいて求まる。また、ギヤ転がり円103Gが移動角度ζで回転すると刃161の直線部に沿うベクトル(evは、角度(1+(RNP/RNG))ζで回転する。そして、刃161の直線部による創成点Yは当然の如く刃161の直線部上に存在し、ベクトル(CA)vは創成点Yにおける歯面と垂直であることから、ベクトル(AYvは、上述の式(32)に基づいて求まる。
続くステップS405において、演算部6は、以下の式(33)に基づいて、ピニオン転がり円103Pの中心点O’と創成点Yとを結ぶベクトル(O’Y)vを演算する。
Figure 2006090470
すなわち、演算部6は、ベクトル(O’Y)vを演算することにより、ギヤ転がり円103G(すなわち、ピニオンカッタ160)が移動角度ζで回転したときに刃161によって創成される歯面の創成点Yの座標を求める(図16参照)。
ステップS405からステップS406に進むと、演算部6は、予め設定したギヤ転がり円103Gの移動角度範囲(−ζからζ)内で所定角度毎に設定される全ての移動角度ζについて創成点Yを演算したか否かを調べる。
そして、ステップS406において、未だ、全ての移動角度ζについて創成点Yを演算していないと判定すると、演算部6は、ステップS407に進み、移動角度ζを所定角度変更した後、ステップS403に戻る。
一方、ステップS406において、全ての移動角度ζについて創成点Yを演算したと判定すると、演算部6は、ステップS408に進み、ピニオン101Pの歯面とギヤ101Gの歯面との間で干渉が発生するか否かを判定する。
このピニオン101Pとギヤ101Gとの間の干渉発生の有無の判定は、移動角度ζuにおける創成点(すなわち、Y=Yとなる創成点すなわち、歯面の凹凸状態が反転する位置の創成点。以下、この創成点を変曲点Yともいう)の位置に基づいて行われる。すなわち、演算部6は、ピニオン101Pとギヤ101Gとの噛合いにおいて、左右歯面の変曲点Yがともにギヤ101Gの歯先円よりも内周側にある場合(図16(a)参照)に干渉が発生しないことを判定し、一方、左右歯面の変曲点Yのうちの少なくとも何れか一方がギヤ101Gの歯先円よりも外周側にある場合(図16(b)参照)に干渉が発生することを判定する。なお、図16中において、符号170はピニオン101Pの歯底円、171はピニオン101Pの歯先円、172はギヤ101Gの歯底円である。
そして、ステップS408からステップS409に進むと、演算部6は、演算した各創成点Yに基づき、ピニオン101Pの歯直角創成断面図に係る画像データを生成した後、ルーチンを抜ける。これにより、後述するステップS112の処理において、演算部6は、必要に応じて、ディスプレイ装置13等の出力部8に、例えば図17に示す歯面情報表示画面175を表示することが可能となる。この場合、歯面情報表示画面175上には、歯直角創成断面図とともに、変曲点Yを表示することが好ましい。
次に、ステップS110からステップS111に進むと、演算部6は、例えば図7に示す歯車対情報演算サブルーチンのフローチャートに従って、得られた設計諸元から、実際に形成される直交歯車対100の各種情報(以下、歯車対情報と称す)についての演算を行う。
このルーチンがスタートすると、演算部6は、先ず、ステップS501において、歯車対情報として、例えば、直交歯車対100に作用する荷重についての演算を行う。すなわち、一般に、設計諸元として演算される直交歯車対100の荷重は、アキシャルファクタ、セパレーティングファクタと呼ばれる特殊な座標系の数値で表現されるため、ユーザにとって誤解を招きやすい。また、直交歯車対100においては、駆動メンバがピニオン101Pであるか或いはギヤ101Gであるか、及び、その回転方向が時計回(CW)りであるか或いは反時計回り(CCW)であるかによって、作用する荷重方向等が大きく異なる。そこで、演算部6は、各駆動状態で直交歯車対100に作用する荷重について、ユーザに明示すべく、各種演算を行う。
例えば、演算部6は、以下の処理によって、ピニオン101Pが駆動メンバとして時計回り方向に回転するときの荷重についての演算を行う。
すなわち、演算部6は、先ず、以下の式(34)、(35)に基づいて、直交歯車対100のオフセット角η,εを演算する。
η=arccos(sinΓ/cosγ) …(34)
ε=arccos(sinγ/cosΓ) …(35)
なお、上述のオフセット角η,εは、仮想ピッチ円錐を基準円錐102P,102Gとして設計諸元を設定した際のオフセット角であり、ピッチ円錐を基準円錐102P,102Gとして設計諸元を設定した際のオフセット角η,εは、以下の式(34)’、(35)’に基づいて演算される。
η=arccos(sinΓ/cosγ) …(34)’
ε=arccos(sinγ/cosΓ) …(35)’
そして、演算部6は、求めたオフセット角η,ε(或いは、η,ε)を基準とする座標系を定義し、当該座標系の各軸方向の荷重成分(図8,9参照)を演算する。ここで、図8,9において、nAP、nSP、及びnTPは、オフセット角η(或いは、η)を基準とする座標系においてピニオン101Pに作用する各荷重成分(アキシャルファクタ、セパレーティングファクタ、及び接線方向のファクタ)であり、nAG、nSG、nTGは、オフセット角ε(或いは、ε)を基準とする座標系においてギヤ101Gに作用する各荷重成分(アキシャルファクタ、セパレーティングファクタ、及び接線方向のファクタ)である。
なお、オフセット角を基準とした上述の各荷重成分は、設計諸元として求められているアキシャルファクタ(AXIAL FACTOR)、セパレーティングファクタ(SEPARATING FACTOR)、及び、例えば以下の式(36)、(37)で演算されるピニオン101P及びギヤ101Gの歯面荷重の円周方向成分C,Cを用いて演算される。
=T/R …(36)
=(T/R)・(N/N) …(37)
ここで、式中において、Tはピニオントルク、Rは基準円錐102Pのピッチ円半径、Rはギヤピッチ円半径、Nはピニオン歯数、Nはギヤ歯数である。
そして、演算部6は、ピニオン101P及びギヤ101Gについて、各荷重成分の合力(合力ベクトル)を演算する。その際、演算部6は、例えば、ピニオン101Pに作用する合力ついて、ピニオン軸とのなす角θ、ギヤ軸とのなす角θ、ピニオン軸及びギヤ軸に直角な方向とのなす角θ等を演算することが望ましい。
同様に、演算部6は、ピニオン101Pが駆動メンバとして反時計回り方向に回転するときの荷重、ギヤ101Gが駆動メンバとして時計回りに回転するときの荷重、ギヤ101Gが駆動メンバとして反時計回りに回転するときの荷重等についての演算を行う。
また、演算部6は、ステップS501において、歯車対情報として、例えば、ピニオン101P及びギヤ101Gの各種寸法(例えば、歯底円直径等)を演算する。なお、この種の歯車対情報は、設計諸元に基づいて幾何学的に求められるものである。
続くステップS502において、演算部6は、演算した各歯車対情報に基づき、所定の画像データを作成した後、ルーチンを抜ける。これにより、後述するステップS112の処理において、演算部6は、必要に応じて、ディスプレイ装置13等の出力部8に、例えば、直交歯車対100の配置図上に各荷重をベクトル表示した歯車対情報表示画面(例えば、図18(a)、図18(b)、図19(a)、或いは、図19(b)参照)180や、直交歯車対100の配置図上に歯底円直径等の寸法を表示した歯車対情報表示画面(例えば、図20参照)180を表示することが可能となる。なお、歯車対情報表示画面181に表示される寸法等の単位系は、SI単位や工学単位等であることが望ましい。
そして、ステップS111からステップS112に進むと、演算部6は、操作された操作釦153に応じた各種画面を、入力画面150上に重畳表示する。例えば、「Dim Sheet」と付された操作釦153が操作されている場合、演算部6は、例えば、図11に示す設計諸元表示画面182を、入力画面150上に重畳表示する。また、「創成図」と付された操作釦153が操作されている場合、演算部6は、例えば、図17に示す歯面情報表示画面175を、入力画面150上に重畳表示する。また、「配置図」と付された操作釦153が操作されている場合、演算部6は、例えば、図20に示す歯車対情報表示画面181を、入力画面150上に重畳表示する。また、「歯面荷重」と付された操作釦153が操作されている場合、演算部6は、例えば、図18(a)、図18(b)、図19(a)、或いは、図19(b)に示す歯車対情報表示画面180を、入力画面150上に重畳表示する。
そして、ステップS113に進むと、演算部6は、ステップS112で表示した各種情報に基づいて、ユーザにより諸元変更の要求がなされているか否かを調べる。この判定は、上述のステップS106の判定と同様、例えば、入力画面150上で、入力欄151の何れかがユーザによって選択されているか否かによって行われ、演算部6は、諸元変更の要求がなされていると判定した場合にはステップS107に進み、一方、例えば所定時間が経過しても諸元変更の要求がなされていないと判定した場合には、現在設定されている設計諸元を最終的な設計諸元として記憶部7に保存した後、ルーチンを抜ける。
このような形態によれば、入力部5を通じて入力された基本諸元に基づいて直交歯車対100の設計諸元を演算するに際し、演算部6は、ピニオン101P及びギヤ101Gのピッチ点Pを通り、且つ、ピニオン101P及びギヤ101Gのルート円錐に平行な仮想ピッチ円錐を基準円錐102P、102Gとしてそれぞれ設定し、これら仮想ピッチ円錐及びその空間上の位置関係等に基づいて各種諸元計算等を行うので、歯車形成時のカッタの動きが十分に考慮され実際の加工に即した諸元設計を実現することができる。
また、入力部5を通じて各基本諸元がユーザ入力される際に、演算部6は、好適に入力可能な基本諸元についての限界値を、関連する他の諸元と、予め設定された諸元情報(例えば、テーブルや関係式等)とに基づいて演算し、この演算結果を、ディスプレイ装置13等の出力部8を介して表示することにより、ユーザが諸元入力を行う際の負担を大幅に軽減することができる。その際、演算部6は、演算した限界値で規定される諸元帯域内で、基本諸元の推奨値を演算することにより、ユーザ支援をより効果的に実現することができる。さらに、演算部6は、演算した限界値で規定される諸元帯域内の諸元を一覧表示し、一覧表示した諸元の中から推奨値を強調表示することにより、ユーザ支援をより効果的に実現することができる。
また、得られた設計諸元に基づいて規定されるカッタ(例えば、ピニオンカッタ160)と、このカッタの刃面によって歯面が創成される歯車(例えば、ピニオン101P)との関係において、演算部6は、歯車の転がり円とカッタの転がり円との接触点Cを通る刃面の垂線が当該刃面と交差する点を、歯車に創成される歯面上の創成点Yとして求めることにより、実際に創成される歯車の歯面情報を、煩雑な製図等を行うことなく演算によって得ることができる。そして、演算部6は、歯面の凹凸状態が反転する位置の創成点Yを変曲点Yとして求め、この変曲点Yの位置を評価することにより、形成される直交歯車対100の干渉の有無を容易に判定することができる。さらに、演算部6は、演算した各創成点Yに基づいて創成される歯車の歯直角創成断面図等を演算し、この創成断面図をディスプレイ装置13等を介して表示することにより、ユーザに対して、歯面情報を視覚的に認識させることができる。
また、演算部6は、得られた設計諸元に基づいて直交歯車対100の付加的な情報である歯車対情報を演算し、演算した各種歯車対情報を、ディスプレイ装置13等を介して画像表示することにより、ユーザが設計諸元を検討する際の負担を軽減することができる。例えば、設計諸元に基づいて、直交歯車対100に実際に作用する荷重を歯車対情報として演算し、演算した荷重をベクトル表示した直交歯車対の配置図を、ディスプレイ装置13等を介して画像表示することにより、例えば、ユーザが、直交歯車対100に適用するベアリングやケースの強度等を検討する際の負担を軽減することができる。また、例えば、設計諸元に基づいて、実際に形成される直交歯車対100の各種寸法を歯車対情報として演算し、演算した寸法を表示した直交歯車対の配置図を、ディスプレイ装置13等を介して画像表示することにより、例えば、ユーザが、直交歯車対に適用するベアリングやケースのレイアウト等を検討する際の負担を軽減することができる。
直交歯車対の設計装置の概略構成図 直交歯車対の設計装置を実現するためのコンピュータシステムの一例を示す概略構成図 直交歯車対設計ルーチンのフローチャート 基準円錐設定サブルーチンのフローチャート 諸元入力支援サブルーチンのフローチャート 歯面情報演算サブルーチンのフローチャート 歯車対情報演算サブルーチンのフローチャート ハイポイドギヤの噛合いモデルの断面図 ハイポイドギヤの噛合いモデルの断面図 基本諸元の入力画面の表示例を示す説明図 設計諸元の表示例を示す説明図 推奨値表示画面の表示例を示す説明図 推奨値表示画面の表示例を示す説明図 ピニオンカッタの要部断面図 ピニオン転がり円とギヤ転がり円の関係を示す説明図 ピニオンカッタによる創成点の説明図 歯面情報表示画面の表示例を示す説明図 歯車対情報表示画面の表示例を示す説明図 歯車対情報表示画面の表示例を示す説明図 歯車対情報表示画面の表示例を示す説明図
符号の説明
1 … 設計装置
5 … 入力部
6 … 演算部(基準円錐設定手段、諸元演算手段、入力支援情報演算手段、入力支援情報表示制御手段、歯面情報演算手段、歯面情報表示制御手段、歯車対情報演算手段、歯車対情報表示制御手段)
7 … 記憶部
8 … 出力部
13 … ディスプレイ装置(表示手段)
100 … 直交歯車対
101P … ピニオン(歯車)
101G … ギヤ(歯車)
102P … 基準円錐
102G … 基準円錐
103P … ピニオン転がり円
103G … ギヤ転がり円
160 … ピニオンカッタ(カッタ)
161 … 刃
代理人 弁理士 伊 藤 進

Claims (3)

  1. 入力された基本諸元に基づいて直交歯車対の設計諸元を演算する直交歯車対の設計装置において、
    好適に入力可能な上記基本諸元についての限界値を、関連する他の上記諸元と予め設定された諸元情報とに基づいて演算する入力支援情報演算手段と、
    上記入力支援情報演算手段の演算結果を表示手段を介して表示する入力支援情報表示制御手段とを備えたことを特徴とする直交歯車対の設計装置。
  2. 上記入力支援情報演算手段は、上記限界値で規定される諸元帯域内で、上記基本諸元の推奨値を設定することを特徴とする請求項1記載の直交歯車対の設計装置。
  3. 上記入力支援情報表示制御手段は、上記諸元帯域内の諸元を一覧表示し、当該一覧表示した諸元の中から上記推奨値を強調表示することを特徴とする請求項2記載の直交歯車対の設計装置。
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