JP2006089013A - 防撓材及びその製造方法並びにその防撓材を用いたfrp構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 接着面積の増加とともに剥離強度(接着強度)を向上させることができる防撓材およびその製造方法並びにその防撓材を用いたFRP構造物を提供する。
【解決手段】 心材1と、該心材1の側面および上面を覆うように該心材1に接合された繊維強化プラスチックからなる補強部材2とからなり、該補強部材2が外側に拡大された脚接着部3を有するハット型断面を有する防撓材において、前記補強部材2の内側にあって、前記心材1の下部側面から下面にわたって下面の全部または一部を覆うように繊維強化プラスチックからなる第2の補強部材5を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 心材1と、該心材1の側面および上面を覆うように該心材1に接合された繊維強化プラスチックからなる補強部材2とからなり、該補強部材2が外側に拡大された脚接着部3を有するハット型断面を有する防撓材において、前記補強部材2の内側にあって、前記心材1の下部側面から下面にわたって下面の全部または一部を覆うように繊維強化プラスチックからなる第2の補強部材5を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、繊維強化プラスチック(FRP)からなるハット型断面の防撓材及びその製造方法並びにその防撓材を用いたFRP構造物に係り、特に、舟艇の船殻、耐食タンク、建材パネル等のFRP構造物に使用される防撓材の構造に関する。
一般に、防撓材は構造物の軽量化と強度保持の目的で使用される。例えばFRP船においては、肋骨材として、図9に示すようなハット型断面を有する防撓材(ハット型防撓材)が使用されている(非特許文献1参照)。
このハット型防撓材は、心材1と、心材1の側面および上面を覆うように該心材1に接合されたFRP製の補強部材2とからなり、該補強部材2が外側に鍔状に拡大された脚接着部3を有する構成となっている。この脚接着部3によりハット型防撓材を、FRP船の船底を構成するシェルやパネル10等に縦方向に接着することで、船底の縦肋骨材が形成される。なお、ハット型防撓材の設置方向は対象の構造物により縦または横方向、あるいは両方向とされる。
このハット型防撓材は、心材1と、心材1の側面および上面を覆うように該心材1に接合されたFRP製の補強部材2とからなり、該補強部材2が外側に鍔状に拡大された脚接着部3を有する構成となっている。この脚接着部3によりハット型防撓材を、FRP船の船底を構成するシェルやパネル10等に縦方向に接着することで、船底の縦肋骨材が形成される。なお、ハット型防撓材の設置方向は対象の構造物により縦または横方向、あるいは両方向とされる。
「FRP船の構造設計」日本造船学会誌 第777号 p37(1994年3月発行)
上記のように、従来のハット型防撓材は、FRP製の補強部材2が心材1の側面から上面にかけて外表面をハット状に覆うように一体に接合されたものであり、心材1の下面には接合されていない。そのため、このようなハット型防撓材の上に装置を設置した場合にはその装置の重量や振動により、あるいは防撓材で補強されたパネルが、タンクや船殻などのように液に接している場合にはその流体の運動により、脚接着部3をシェルやパネル等の被接着板材から剥離させようとする力がかかることがあり、そのような力によって、防撓材の脚接着部が剥離することがあった。
特に、上記のような防撓材の構造では、FRP成形樹脂の接着強度特性や補強部材屈曲部4における心材と補強部材間の隙間に充填されるコーナー充填材(図9では省略)の特性の改善にも限界があるため、補強部材2の立ち上がり屈曲部4に生じる応力集中を減少させることが難しく、剥離強度(接着強度)の向上が難しいという問題があった。
また、防撓材を真空補助含浸成形する際に、補強部材2の立ち上がり屈曲部4に樹脂が溜まりやすく、そのため繊維含有率が下がって強度が低下しやすくなるという問題もあった。
特に、上記のような防撓材の構造では、FRP成形樹脂の接着強度特性や補強部材屈曲部4における心材と補強部材間の隙間に充填されるコーナー充填材(図9では省略)の特性の改善にも限界があるため、補強部材2の立ち上がり屈曲部4に生じる応力集中を減少させることが難しく、剥離強度(接着強度)の向上が難しいという問題があった。
また、防撓材を真空補助含浸成形する際に、補強部材2の立ち上がり屈曲部4に樹脂が溜まりやすく、そのため繊維含有率が下がって強度が低下しやすくなるという問題もあった。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたもので、接着面積の増加とともに剥離強度(接着強度)を向上させることができる防撓材およびその製造方法並びにその防撓材を用いたFRP構造物を提供することを目的とする。
また、本発明は、補強部材の立ち上がり屈曲部の形状を滑らかにするとともに、樹脂溜まりを生じることのない防撓材およびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、補強部材の立ち上がり屈曲部の形状を滑らかにするとともに、樹脂溜まりを生じることのない防撓材およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る防撓材は、心材と、該心材の側面および上面を覆うように該心材に接合された繊維強化プラスチックからなる補強部材とからなり、該補強部材が外側に拡大された脚接着部を有するハット型断面を有する防撓材において、
前記補強部材の内側にあって、前記心材の下部側面から下面にわたって下面の全部または一部を覆うように繊維強化プラスチックからなる第2の補強部材を設けたことを特徴とするものである。
前記補強部材の内側にあって、前記心材の下部側面から下面にわたって下面の全部または一部を覆うように繊維強化プラスチックからなる第2の補強部材を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明の防撓材は、前記補強部材の立ち上がり屈曲部における前記第2の補強部材のコーナー部に、略三角形断面の樹脂含浸性を有するコーナー充填材が設けられていることを特徴とする。
この場合、前記コーナー充填材は、第1のコーナー充填材と、該第1のコーナー充填材の外側に配置され、略三角形断面の不織布からなる第2のコーナー充填材とからなるものとするのが好ましい。
また、本発明の防撓材の製造方法は、成形型上にパネル基材を載置し、該パネル基材上に、予め心材の下面から側面にかけて第2の補強部材を貼り付けてなる心材と、該心材の隅部にコーナー充填材を載置し、さらに前記心材およびコーナー充填材を第1の補強部材で両側の裾部が前記パネル基材上に広がるように覆うことにより、被成形物を前記成形型上にセットし、
前記被成形物を第1の真空フィルムで覆い、前記第1の補強部材の立ち上がり屈曲部に対応するコーナー部に前記第1の真空フィルム上から通気性を有する柔軟な押し当て材をあてがい、さらに前記第1の真空フィルムおよび押し当て材上を第2の真空フィルムで二重に覆い、前記第1の真空フィルムの内部および前記第1の真空フィルムと第2の真空フィルムの間を脱気し、この脱気の過程で樹脂を注入するものである。
前記被成形物を第1の真空フィルムで覆い、前記第1の補強部材の立ち上がり屈曲部に対応するコーナー部に前記第1の真空フィルム上から通気性を有する柔軟な押し当て材をあてがい、さらに前記第1の真空フィルムおよび押し当て材上を第2の真空フィルムで二重に覆い、前記第1の真空フィルムの内部および前記第1の真空フィルムと第2の真空フィルムの間を脱気し、この脱気の過程で樹脂を注入するものである。
また、本発明の防撓材の製造方法においては、前記押し当て材に、砂袋を用いることが好ましい。
また、前記コーナー充填材は、第1のコーナー充填材と、該第1のコーナー充填材の外側に配置され、略三角形断面の不織布からなる第2のコーナー充填材とからなるものである。
また、本発明のFRP構造物は、本発明の防撓材を繊維強化プラスチックからなる板材に接着してなるものである。
本発明によれば、ハット型断面を有する防撓材の補強部材の内側にあって、前記心材の下部側面から下面にわたって下面の全部または一部を覆うように繊維強化プラスチックからなる第2の補強部材を設けたので、第2の補強部材の分だけ接着面積が増加するとともに、補強部材の立ち上がり屈曲部の応力集中を減少させることができる。したがって、防撓材の剥離強度(接着強度)が向上する効果がある。
また、補強部材の立ち上がり屈曲部における第2の補強部材のコーナー部に、第1のコーナー充填材と、該第1のコーナー充填材の外側に配置され、略三角形断面の不織布からなる第2のコーナー充填材とを配置することにより、補強部材の立ち上がり屈曲部が滑らかな曲面に形成されるとともに、真空補助含浸成形の際に、樹脂溜まりを生じることなくその立ち上がり屈曲部の強度が向上する効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1を示す防撓材の断面図である。
この実施形態の防撓材は、従来のハット型防撓材の心材1の下部にFRPからなる第2の補強部材5を設けたものである。すなわち、補強部材(第1の補強部材)2の内側にあって、心材1の両側の側面から底面の部分にわたって第2の補強部材5を心材1に接合した構成となっている。また、第2の補強部材5は、防撓材の全長にわたって心材1の底面全体に設けられている。
図1は本発明の実施の形態1を示す防撓材の断面図である。
この実施形態の防撓材は、従来のハット型防撓材の心材1の下部にFRPからなる第2の補強部材5を設けたものである。すなわち、補強部材(第1の補強部材)2の内側にあって、心材1の両側の側面から底面の部分にわたって第2の補強部材5を心材1に接合した構成となっている。また、第2の補強部材5は、防撓材の全長にわたって心材1の底面全体に設けられている。
また、FRPからなる第1の補強部材2は、心材1の上面および側面を覆うとともに、第2の補強部材5の心材側面部6を覆って心材1および心材側面部6に接合されており、さらに左右外側に鍔状に拡大する脚接着部3を有する構成となっている。図中、7はパテやウレタンフォーム等からなるコーナー充填材であり、補強部材2の立ち上がり屈曲部4における補強部材2と第2の補強部材5間の隙間を充填するものである。コーナー充填材7は略三角形断面を有するものであれば特に材料は限定されない。10は防撓材が接着されるパネルやシェル等の板材である。
心材1の材料は特に限定されるものではないが、ウレタンフォームや木材等からなっている。また、心材1の断面形状も任意であるが、通常台形や四角形である。第2の補強部材5および補強部材2は同種または異種の繊維強化プラスチックを用いることができる。繊維強化プラスチックとしては、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などがあげられる。
心材1の側面から下面にわたるFRP補強は、心材設置前に心材に対して成形硬化させても良いし、真空補助含浸成形時には補強布がドライの状態で心材に糊付けした状態で設置し、防撓材本体の樹脂含浸と同時に成形しても良い。
心材1の側面から下面にわたって補強するFRP製の第2の補強部材5は、第1の補強部材2と必ずしも同種の繊維、布種類とする必要はない。例えば、第1の補強部材2が炭素繊維強化プラスチック(CFRP)であっても、第2の補強部材5はガラス繊維強化プラスチック(GFRP)とすることもできる。またその逆の組み合わせでも良い。
心材1の側面から下面にわたって補強するFRP製の第2の補強部材5は、第1の補強部材2と必ずしも同種の繊維、布種類とする必要はない。例えば、第1の補強部材2が炭素繊維強化プラスチック(CFRP)であっても、第2の補強部材5はガラス繊維強化プラスチック(GFRP)とすることもできる。またその逆の組み合わせでも良い。
このハット型防撓材は、上記のように構成されているので、パネルやシェル等の板材10に接着したとき、第1の補強部材2の脚接着部3に加えて第2の補強部材5も接着されるため、従来のものに比べて第2の補強部材5の分だけ接着面積が増加する。そのため、この防撓材に装置等の重量や振動により垂直荷重のほかに水平荷重が加わっても、第1の補強部材2の脚接着部3と第2の補強部材5の接着力によって、第1の補強部材2の立ち上がり屈曲部4の発生応力を減少させることができるため、脚接着部3や第2の補強部材5の剥離強度が大きく向上する。
したがって、このハット型防撓材によれば、接着強度(剥離強度)の高いものが得られる。また、このハット型防撓材を使用したFRP構造物では防撓材の剥離が原因となるトラブルを防ぐことができる。
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2を示す防撓材の断面図である。
この実施形態の防撓材は、第2の補強部材5を前述のように心材1の下面全体ではなく一部分に設けたものである。すなわち、第2の補強部材5は、心材1の下面全体を覆うのではなく、主にそのコーナー部分を覆う形態となっている。また、図示は省略するが、防撓材の長手方向にも部分的あるいは断続的に設けてもよいものである。その他の構成は図1と同じである。
図2は、本発明の実施の形態2を示す防撓材の断面図である。
この実施形態の防撓材は、第2の補強部材5を前述のように心材1の下面全体ではなく一部分に設けたものである。すなわち、第2の補強部材5は、心材1の下面全体を覆うのではなく、主にそのコーナー部分を覆う形態となっている。また、図示は省略するが、防撓材の長手方向にも部分的あるいは断続的に設けてもよいものである。その他の構成は図1と同じである。
このような防撓材の構成によっても、前述のとおり、接着面積の増加と相俟って、第1の補強部材2の立ち上がり屈曲部4の発生応力を減少させることができるため、剥離を生じることがなく、高い接着強度を持つ防撓材が得られる。また、このハット型防撓材を使用したFRP構造物では防撓材の剥離が原因となるトラブルを防ぐことができる。
実施の形態3.
図3は本発明の実施の形態3を示す防撓材の断面図、図4は図3のA部の拡大断面図、図5は第2のコーナー充填材の形態例を示す説明図である。
上述の実施の形態1、2では、第1の補強部材2の立ち上がり屈曲部4における第2の補強部材5のコーナー部に生じる隙間をコーナー充填材(第1のコーナー充填材)7のみで埋める構成としたが、本実施の形態では第1のコーナー充填材7と第2のコーナー充填材8とで上記隙間を埋める構成としたものである。第2のコーナー充填材8は、第1のコーナー充填材7と第1の補強部材2との間に介在させられる。すなわち、この第1のコーナー充填材7と第1の補強部材2との間のコーナー空隙部は、真空補助含浸成形の際に、注入された樹脂が溜まりやすく、樹脂溜まりを形成して繊維含有率が下がる結果、第1の補強部材2の立ち上がり屈曲部4にクラック等が発生して強度が低下しやすくなる。そこで、この部分を補強するために、第2のコーナー充填材8を真空補助含浸成形の際に入れることにしたものである。
図3は本発明の実施の形態3を示す防撓材の断面図、図4は図3のA部の拡大断面図、図5は第2のコーナー充填材の形態例を示す説明図である。
上述の実施の形態1、2では、第1の補強部材2の立ち上がり屈曲部4における第2の補強部材5のコーナー部に生じる隙間をコーナー充填材(第1のコーナー充填材)7のみで埋める構成としたが、本実施の形態では第1のコーナー充填材7と第2のコーナー充填材8とで上記隙間を埋める構成としたものである。第2のコーナー充填材8は、第1のコーナー充填材7と第1の補強部材2との間に介在させられる。すなわち、この第1のコーナー充填材7と第1の補強部材2との間のコーナー空隙部は、真空補助含浸成形の際に、注入された樹脂が溜まりやすく、樹脂溜まりを形成して繊維含有率が下がる結果、第1の補強部材2の立ち上がり屈曲部4にクラック等が発生して強度が低下しやすくなる。そこで、この部分を補強するために、第2のコーナー充填材8を真空補助含浸成形の際に入れることにしたものである。
第2のコーナー充填材8は、樹脂含浸性を有する材料であり、例えばポリエステル短繊維による不織布にガラスマイクロバルーンを混在させてなる心材用素材(商品名「コアマット」と呼ばれる不織布)などを使用して、例えば図5に示すように、断面がほぼ三角形状に形成されたものを用意する。そしてこれを真空補助含浸成形の際に三角形の頂部が図3において下向きになるように、第1のコーナー充填材7にあてがって設置する。なお、第2のコーナー充填材8は、樹脂含浸性で軟質のものであれば特に材料は限定されるものではなく、プラスチックフォーム等でもよい。
図5は、第2のコーナー充填材8の形態例を示すものであり、同図の(a)は、幅の異なる複数枚(ここでは3枚)の上記コアマットのシート8a、8b、8cを用いて、接着により三角形断面(山形状)に形成したものである。この場合、各シートの厚さは同じでもよいし、異なっていてもよい。また、同図の(b)は、一枚のコアマットのシート8aを折り畳んで接着により三角形断面(山形状)に形成したものである。もちろん、第2のコーナー充填材8として、(c)のように、あらかじめ三角形断面に成形したプラスチック発泡材等の成形品を用いてもよい。そして、これらのシートや成形品からなる第2のコーナー充填材8を上述のように真空補助含浸成形の際に三角形の頂部が図3において下向きとなるように設置する。真空補助含浸成形の際、樹脂がこの第2のコーナー充填材8に浸透して、第1のコーナー充填材7と第1の補強部材2の間に生じる略三角形状の空隙を第2のコーナー充填材8が埋め、第1のコーナー充填材7と第1の補強部材2を第2のコーナー充填材8を介して強固に接合する。その結果、第1の補強部材2の立ち上がり屈曲部4の内側に樹脂溜まりが発生するのを防止することができ、第1の補強部材2の立ち上がり屈曲部4の強度を向上させることができる。
次に、上述した防撓材の製造方法を図6〜図8の工程図を参照して説明する。ここでは、実施の形態3に示した防撓材の製造方法を示すが、実施の形態1、2の場合でも同様である。
まず、成形型50の上に、パネル基材11を載置する(図6(a))。パネル基材11は、ここでは強化繊維布を用いている。また、強化繊維布を複数枚重ねて載置しているが、もちろん強化繊維布は一枚でもよいものであり、厚みや強度を出すためには複数枚使用するのが普通である。
なお、成形型50の材質は、鋼、FRP、木材などであり、特に限定されない。強化繊維布は、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などの織物やマットが使用される。
なお、成形型50の材質は、鋼、FRP、木材などであり、特に限定されない。強化繊維布は、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などの織物やマットが使用される。
次に、上記強化繊維布のパネル基材11の上に、あらかじめ心材1の下面から側面にかけて第2の補強部材(例えば、強化繊維布)5を貼り付けたものを載置する(図6(b))。
次に、上記第2の補強部材5付き心材1の両側の隅部に、それぞれ、第1のコーナー充填材7と第2のコーナー充填材8を、第2のコーナー充填材8が外側となるように配置してあてがう(図7(c))。なお、同図には第1、第2のコーナー充填材7、8の拡大図を併記してある。第1、第2のコーナー充填材7、8は、全体として断面形状が略三角形となっている。
次に、上記第2の補強部材5付き心材1の上から第1の補強部材2として強化繊維布を被せ、隅部の第1、第2のコーナー充填材7、8をこの強化繊維布で覆い、さらに両側の裾部2aがパネル基材11上に広がるように覆う(図7(d))。
以上により、被成形物(パネル基材11、第2の補強部材5付きの心材1、第1および第2のコーナー充填材7、8、ならびに第1の補強部材2からなる成形対象物)のセッティングが終了する。そして、この被成形物の全体を第1の真空フィルム51で覆い、第1の真空フィルム51の周辺部を第1のシール材52でシールする。その後、第1の真空フィルム51の内部を、図示しないブロワと脱気ホースにより吸引・脱気して第1の真空フィルム51を被成形物に密着させる(図7(e))。
次に、第1の補強部材2の立ち上がり屈曲部4に対応するコーナー部に、例えば砂袋のごとき柔軟な通気性のある押し当て材53をあてがった後に(図8(f))、第2の真空フィルム54で第1の真空フィルム51上を二重に覆い、第2の真空フィルム54の周辺部を第2のシール材55シールする(図8(g))。
そして、第1の真空フィルム51の内部を脱気するとともに、第1の真空フィルム51と第2の真空フィルム54の間を脱気し、この脱気過程において、第1の真空フィルム51の内部に樹脂注入ホース(図示せず)を通じて樹脂を注入し、被成形物に樹脂を含浸させる(図8(h))。
その後、含浸樹脂の硬化後、第1、第2の真空フィルム51、54を剥がして被成形物を脱型すれば、図3に示したような防撓材が得られる。すなわち、パネル基材11はその強化繊維布に樹脂が含浸されて繊維強化プラスチック製の板材10となり、その板材10上に防撓材が一体成形されたFRP構造物が得られる。
その後、含浸樹脂の硬化後、第1、第2の真空フィルム51、54を剥がして被成形物を脱型すれば、図3に示したような防撓材が得られる。すなわち、パネル基材11はその強化繊維布に樹脂が含浸されて繊維強化プラスチック製の板材10となり、その板材10上に防撓材が一体成形されたFRP構造物が得られる。
この製造方法によれば、真空補助含浸成形の際に、第1の補強部材5の立ち上がり屈曲部4に対応するコーナー部が、砂袋のごとき柔軟な通気性のある押し当て材53で押圧されるため、その立ち上がり屈曲部4は皺などを発生することなく、きわめて良好な曲面に形成される。すなわち、第1の補強部材5の立ち上がり屈曲部4の形状精度が向上する。しかも、その立ち上がり屈曲部4における第2の補強部材5のコーナー部には、第1のコーナー充填材7と、その外側に略三角形断面の不織布からなる第2のコーナー充填材8とを配置しているので、樹脂溜まりを生じることがなく、したがってクラック等が発生することなく立ち上がり屈曲部4の強度を向上させることができる。
1 心材
2 補強部材
3 脚接着部
4 補強部材の立ち上がり屈曲部
5 第2の補強部材
6 第2の補強部材の心材側面部
7 コーナー充填材
8 第2のコーナー充填材
10 板材
11 パネル基材
50 成形型
51 第1の真空フィルム
52 第1のシール材
53 押し当て材
54 第2の真空フィルム
55 第2のシール材
2 補強部材
3 脚接着部
4 補強部材の立ち上がり屈曲部
5 第2の補強部材
6 第2の補強部材の心材側面部
7 コーナー充填材
8 第2のコーナー充填材
10 板材
11 パネル基材
50 成形型
51 第1の真空フィルム
52 第1のシール材
53 押し当て材
54 第2の真空フィルム
55 第2のシール材
Claims (7)
- 心材と、該心材の側面および上面を覆うように該心材に接合された繊維強化プラスチックからなる補強部材とからなり、該補強部材が外側に拡大された脚接着部を有するハット型断面を有する防撓材において、
前記補強部材の内側にあって、前記心材の下部側面から下面にわたって下面の全部または一部を覆うように繊維強化プラスチックからなる第2の補強部材を設けたことを特徴とする防撓材。 - 前記補強部材の立ち上がり屈曲部における前記第2の補強部材のコーナー部に、略三角形断面の樹脂含浸性を有するコーナー充填材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の防撓材。
- 前記コーナー充填材は、第1のコーナー充填材と、該第1のコーナー充填材の外側に配置され、略三角形断面の不織布からなる第2のコーナー充填材とからなることを特徴とする請求項2記載の防撓材。
- 成形型上にパネル基材を載置し、該パネル基材上に、予め心材の下面から側面にかけて第2の補強部材を貼り付けてなる心材と、該心材の隅部にコーナー充填材を載置し、さらに前記心材およびコーナー充填材を第1の補強部材で両側の裾部が前記パネル基材上に広がるように覆うことにより、被成形物を前記成形型上にセットし、
前記被成形物を第1の真空フィルムで覆い、前記第1の補強部材の立ち上がり屈曲部に対応するコーナー部に前記第1の真空フィルム上から通気性を有する柔軟な押し当て材をあてがい、さらに前記第1の真空フィルムおよび押し当て材上を第2の真空フィルムで二重に覆い、前記第1の真空フィルムの内部および前記第1の真空フィルムと第2の真空フィルムの間を脱気し、この脱気の過程で樹脂を注入することにより前記被成形物に樹脂を含浸させることを特徴とする防撓材の製造方法。 - 前記押し当て材に、砂袋を用いることを特徴とする請求項4記載の防撓材の製造方法。
- 前記コーナー充填材は、第1のコーナー充填材と、該第1のコーナー充填材の外側に配置され、略三角形断面の不織布からなる第2のコーナー充填材とからなることを特徴とする請求項4記載の防撓材の製造方法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の防撓材を繊維強化プラスチックからなる板材に接着してなることを特徴とするFRP構造物。
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- 2004-12-03 JP JP2004351859A patent/JP2006089013A/ja not_active Withdrawn
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