(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1に係る画像処理方法及び画像処理装置をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る画像処理装置を示すブロック図である。画像処理装置は、画像処理装置に入力された空間座標成分を有する画像データPi(X,Y)の階調数を減少させた画像データPo(X,Y)を生成し、出力する装置である。例えば、256階調の画像データPi(X,Y)を4階調に減少させた画像データPo(X,Y)を生成し、出力する。ここで、画像データPi(X,Y)は、互いに垂直なX方向及びY方向、即ち水平ライン及び垂直ラインの2次元マトリクスに配置された画素によって構成された画像の階調値である。Xは前記画像における水平ライン上の位置、Yは前記画像における垂直ライン上の位置を示している。
画像処理装置は、入力された画像データPi(X,Y)を記憶する一時記憶用の画像データ記憶部11を備える。画像データ記憶部11が記憶する画像データPi(X,Y)は、周波数変換部12により、空間周波数成分を有する画像データ、即ちDCT係数Qj(S,T)に離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)され、周波数成分判定部13及び変更部14へ出力される。周波数成分判定部13は、所定の空間周波数成分の係数の大きさを判定し、判定した結果を変更部14へ出力する。変更部14は、周波数成分判定部13の判定結果に基づき、周波数変換部12で離散コサイン変換されたDCT係数Qj(S,T)の値を一部変更し、変更したDCT係数Qk(S,T)をノイズ加算部15へ出力する。ノイズ加算部15は、DCT係数Qk(S,T)にブルーノイズ特性を有する画像のDCT係数を加算し、該DCT係数を加算したDCT係数Ql(S,T)を逆周波数変換部16へ出力する。ブルーノイズ特性を有する画像のDCT係数は、特定値の一例である。逆周波数変換部16は、ノイズ加算されたDCT係数Ql(S,T)を逆周波数変換して画像データPm(X,Y)を生成し、生成した画像データPm(X,Y)を閾値処理部17へ出力する。閾値処理部17は、画像データPm(X,Y)の階調値と所定値とを比較し、比較結果に応じて画像データPm(X,Y)の階調値を4値、例えば0、85、171、255に変更し、変更した画像データPo(X,Y)を外部へ出力する。画像データ記憶部11、周波数変換部12、周波数成分判定部13、変更部14、ノイズ加算部15、逆周波数変換部16、及び閾値処理部17は、マイクロコンピュータの制御部10によって制御されている。
以下、より具体的に各構成部の機能を説明する。画像処理装置に入力された画像データPi(X,Y)は、順次画像データ記憶部11に格納される。画像データ記憶部11に格納された画像データPi(X,Y)は、制御部10の制御により、X方向及びY方向8×8の画素群を単位ブロックとして順次、周波数変換部12へ出力される。
周波数変換部12は、画像データ記憶部11から単位ブロック毎に出力された画像データPi(X,Y)を空間周波数成分を有する画像データQj(S,T)に変換する。より具体的には、周波数変換部12は、8×8画素を単位ブロックとする画像データPi(X,Y)を受取り、画像データPi(X,Y)を離散コサイン変換し、離散コサイン変換したDCT係数Qj(S,T)を周波数成分判定部13及び変更部14へ出力する。離散コサイン変換は、数式(1)で表される。ここで、SはX方向における周波数を、TはY方向における周波数を表しており、Mは単位ブロックにおけるX方向の画素数、Nは単位ブロックにおけるY方向の画素数である。本実施の形態では、M=N=8である。
周波数変換部12は、画像処理される対象である2次元画像に対して最も左上の画素を含むブロックから、X方向に単位ブロック毎に離散コサイン変換を行い、Y方向のラインを変更しながら最終的に最も右下の画素を含む単位ブロックまで離散コサイン変換を行う。
図2は、周波数変換部12で空間周波数成分に変換されたDCT係数を、8×8の区画を用いて示した概念図である。左上端に位置し、黒丸印を含む区画はDCT係数の直流成分を示しており、直流成分を除く他の区画は交流成分を示している。S軸は空間画像におけるX軸方向の周波数の大きさ、T軸は空間画像におけるY軸方向の周波数の大きさを示している。周波数成分判定部13は、空間周波数成分の内、所定周波数成分のDCT係数の絶対値を夫々算出し、算出した値が所定値以上であるか否かに応じて判定データFを変更部14へ出力する。判定データFは、変更部14が所定周波数成分のDCT係数の絶対値の大きさを判定するためのデータである。
より具体的には、周波数成分判定部13は、三角印を含む区画に対応する空間周波数成分のDCT係数、Qj(1,0)、Qj(0,1)、及びQj(1,1)夫々の絶対値q10、q01、及びq11を算出する。DCT係数、Qj(1,0)、Qj(0,1)、及びQj(1,1)は、所定周波数成分の一例である。そして、絶対値q10、q01、又はq11の少なくとも一つが正の所定値α、例えば64以上であるか否かを判定する。絶対値q10、q01、又はq11のいずれかが所定値α以上であると判定した場合、判定データFに1を設定し、判定データFを変更部14へ出力する。絶対値q10、q01、及びq11のいずれも所定値α未満であると判定した場合、判定データFに0を設定し、判定データFを変更部14へ出力する。
絶対値q10、q01、及びq11と、所定値αとを比較することにより、処理される単位ブロックが濃度領域においてエッジ部分を含んでいるか否かを判定することができる。なお、所定値αは設計者が任意に設定できるものである。所定値αが64より小さい場合、所定値αが64より大きい場合に比べ、絶対値q10、q01、及びq11が所定値α以上であると判定しやすくなり、画像処理される単位ブロックにエッジを含むと判定しやすくなる。
変更部14は、周波数成分判定部13から出力された判定データFの値に応じて、DCT係数Qj(S,T)を演算により変更する。DCT係数Qj(S,T)の変更は、単位ブロック毎に行われる。
図3は、DCT係数の変更を行う周波数成分を示す概念図である。周波数成分判定部13から値が1の判定データFが出力されている場合、変更部14は全ての交流成分のDCT係数Qj(S,T)に対して、1より大きい実数、例えば1.3を乗じ、1.3を乗じて得られたDCT係数Qk(S,T)をノイズ加算部15へ出力する。図3においては、ハッチングされたブロックで示す直流成分を除く交流成分のDCT係数Qj(S,T)が変更される。値が0の判定データFが出力されている場合、変更部14はDCT係数Qj(S,T)の値を変更せずに、DCT係数Qk(S,T)=Qj(S,T)をそのままノイズ加算部15へ出力する。変更部14で処理されるDCT係数Qk(S,T)は次式(2)で表される。
Qk(S,T)=Qj(S,T) (S=T=0)
=Qj(S,T)×1.3 (S≠0 or T≠0)・・・式(2)
次いで、ノイズ加算部15は、ブルーノイズ特性を持ったノイズを有する画像データのDCT係数を、変更部14で処理されたDCT係数Qk(S,T)に加算し、加算した後のDCT係数Ql(S,T)を逆周波数変換部16へ出力する。
図4は、ブルーノイズマスクの一例を示す図である。ブルーノイズは、256×256のマトリクスデータとして与えられ、前記マトリクスデータはブルーノイズマスクと呼ばれている。ノイズ加算部15は、図4に示すブルーノイズマスクを離散コサイン変換し、正規化したDCT係数値を保持する。図5は、ブルーノイズマスクを離散コサイン変換したDCT係数の一例を示す図である。本実施の形態においては、8×8の単位ブロック毎にブルーノイズマスクを離散コサイン変換し、32×32ブロックのDCT係数を保持する。そして、ノイズ加算部15に入力される単位ブロックのDCT係数Qk(S,T)に、32×32ブロックのいずれかのDCT係数を加算する。順々に入力される他の単位ブロックに対しても同様にして、32×32ブロックのいずれかのDCT係数を順々に加算する。
ブルーノイズとは、人間の目では知覚し難い空間周波数成分を有するパターンデータである。人間の目は、ある空間周波数以上のパターン画像を知覚できず、視覚系のMTF(Modulation Transfer Function)は、一種の低域フィルタであることが知られている(蒔田 剛,「インクジェットプリンタにおける高画質化技術」,日本画像学会誌,2001年,第40巻,第3号,p.239−243)。擬似的なランダムパターンを操作し、空間周波数の主要成分が視覚系MTFのカットオフ周波数以上の帯域に分布するパターンを生成することにより、ブルーノイズが得られる。
ブルーノイズのDCT係数を、DCT係数Qk(S,T)に加算することにより、階調値の大きいハイライト部分における画素同士の連結を防ぐことができる。また、中間濃度部分におけるテクスチャを改善することができる。
逆周波数変換部16は、ノイズ加算部15から出力されたDCT係数Ql(S,T)を空間座標成分を有する画像データPm(X,Y)に逆周波数変換し、逆周波数変換した画像データPm(X,Y)を閾値処理部17へ出力する。具体的には、数式(1)の逆離散コサイン変換を行う。
閾値処理部17は、逆周波数変換部16から出力された濃度領域の画像データPm(X,Y)を、複数の所定値を用いて、多値の画像データPo(X,Y)に変換する。例えば3つの所定値、42、127、及び212を用いた次式(3)により、画像データPm(X,Y)を4値の画像データPo(X,Y)に変換する。
0<Pm(X,Y)≦ 42 ならば、Po(X,Y)= 0
42<Pm(X,Y)≦127 ならば、Po(X,Y)= 85
127<Pm(X,Y)≦212 ならば、Po(X,Y)=171
212<Pm(X,Y)≦255 ならば、Po(X,Y)=255・・・式(3)
次に、制御部10の処理手順をフローチャートを用いて説明する。図6は、制御部10の画像処理に係る処理手順を示すフローチャートである。まず、制御部10は、入力され、画像データ記憶部11に記憶されている画像データPi(X,Y)を8×8画素を単位ブロックとして分割した場合の単位ブロック数を変数nに設定する(ステップS1)。例えば、画素数が256×256の画像データの場合、32×32を変数nに設定する。そして制御部10は、画像データPi(X,Y)を8×8画素の単位ブロックで読み出し、読み出した画像データPi(X,Y)を周波数変換部12へ出力する(ステップS2)。
次いで、制御部10は、周波数変換部12においてPi(X,Y)を離散コサイン変換し、離散コサイン変換したDCT係数Qj(S,T)を周波数成分判定部13、及び変更部14へ出力する(ステップS3)。そして、制御部10は、周波数成分判定部13において、所定周波数成分のDCT係数の絶対値q10、q01、及びq11を算出し(ステップS4)、算出した絶対値q10、q01、又はq11のいずれかが所定値α以上であるか否かを判定する(ステップS5)。絶対値q10、q01、又はq11のいずれかが所定値α以上である場合(ステップS5:YES)、判定データFに1を設定し、1を設定した判定データFを変更部14へ出力する(ステップS6)。絶対値q10、q01、及びq11のいずれも所定値α未満である場合(ステップS5:NO)、判定データFに0を設定し、0を設定した判定データFを変更部14へ出力する(ステップS7)。
次いで、制御部10は、変更部14においてDCT係数Qj(S,T)の値を、式(2)によってQk(S,T)に変更し、ノイズ加算部15へ出力する(ステップS8)。そして、制御部10はノイズ加算部15で、DCT係数Qk(S,T)にブルーノイズに係るDCT係数を加算し、ノイズ加算したDCT係数Ql(S,T)を逆周波数変換部16へ出力する(ステップS9)。
次いで、制御部10は、逆周波数変換部16において、DCT係数Ql(S,T)を、Pm(X,Y)に逆離散コサイン変換し、逆離散コサイン変換したPm(X,Y)を閾値処理部17へ出力する(ステップS10)。そして、制御部10は閾値処理部17において、Pm(X,Y)を式(3)により4値化した画像データPo(X,Y)に変換して、外部へ出力する(ステップS11)。次いで、制御部10は、変数nから1を減算し(ステップS12)、減算した変数nが0であるか否かを判定する(ステップS13)。つまり、すべての単位ブロックについて画像処理を終えたか否かを判定する。変数nが0であると判定した場合(ステップS13:YES)、制御部10は画像処理を終了する。変数nが0でないと判定した場合(ステップS13:NO)、制御部10は処理をステップS2へ戻し、残りの単位ブロックについてもステップS2乃至ステップS11による画像処理を行う。
上述した処理が有する作用及び効果を説明する。まず、ステップS4、及びステップS5の処理は、単位ブロックがエッジ部分等の特徴部分を有しているか否かを判定することを可能にする。直流成分を除く低周波数成分のDCT係数は、高周波数成分に比べ多くの画像に係る情報を有しているため、絶対値q10、q01、及びq11、即ち所定周波数成分のDCT係数の大きさを所定値αと比較することにより、単位ブロックが画像情報を有しているか否かを判定することができるからである。一般に、平坦な均一濃度の画像ではなく、エッジ部分を有する画像のDCT係数は、高周波数成分に比べて、直流成分及び低周波数成分において大きく、画像情報は主に低周波数成分に集中していることは周知である(貴家仁志,「よくわかるデジタル画像処理」,CQ出版社,p.121−128)。なお、直流成分のDCT係数は、単位ブロックの濃度領域における平均階調値に比例するため、直流成分によって画像のエッジ部分を有しているか否かを判定することはできない。
例えば、ソリッド画像、即ちエッジ部分を含まない画像を離散コサイン変換した場合、交流成分のDCT係数は0となり、直流成分のみが画像の平均濃度に応じた0又は0以外の値となる。これに対し、エッジ部分を有する画像を離散コサイン変換した場合、低周波数成分のDCT係数は、エッジ部分の特徴に応じた0以外の値となる。
次に、ステップS6乃至ステップS8では、単位ブロックの画像がエッジ部分を有しているか否かに応じてDCT係数を変更することにより、エッジ部分を有する画像についてのみ、エッジ部分を強調する画像処理を行う。画像の強調処理は、交流成分のDCT係数の値を大きくすることにより行う。上述したように、交流成分のDCT係数は、画像のエッジ部分に係る情報を有しているため、交流成分のDCT係数の値を、原画像のDCT係数の値より大きくすることにより、エッジ部分を強調することができる。他方、画像部分にエッジ部分が含まれていない場合、画像の強調を行わない。従って、画像全体においてエッジ部分のみを強調することができ、原画像の特徴部分を良好に保ちつつ階調数を減少させることができる。
ステップS9では、人間が知覚しがたいブルーノイズのDCT係数を、DCT係数Qk(S,T)に加算することにより、画像処理された画像のハイライト領域における画素の分散性、又は中間濃度領域におけるテクスチャの改善を図ることができる。また、ブルーノイズは、人間が知覚しがたいノイズであるため、ノイズの加算による画像の劣化を最小限に抑えることができる。
本発明にあっては、単位ブロック毎にエッジ部分を含むか否かを判定し、エッジ部分を含む場合、エッジが強調されるように空間周波数成分の変更を行っているため、エッジ部分がくっきりした画像を得ることができ、原画像の特徴部分を良好に保ちつつ、画像の階調数を減少させることができる。特に、テキスト又はグラッフィクアート等を多く含む画像に対して効果的である。
また、ブルーノイズのDCT係数を加算することにより、画像の劣化を最小限に抑えつつ、階調値が大きいハイライト部分で画素同士が繋がることを防ぐことができる。
なお、ステップS8でDCT係数に乗じる実数の値1.3は一例であり、DCT係数の最大値を超えない範囲で、DCT係数の値を大きくすることができる値であれば良い。
また、ステップS5において、低周波数成分の絶対値、q10、q01、及びq11により、単位ブロックがエッジ部分を有しているか否かを判定しているが、これに限るものではなく、更に周波数の高い空間周波数成分のDCT係数の絶対値を用いて同様の判定を行っても良い。例えば、DCT係数Qj(0,2)、Qj(1,2)、Qj(2,2)、Qj(2,1)、Qj(2,0)まで参照領域を増やして、これらの絶対値を用いて判定を行っても良い。参照領域を拡大した前記DCT係数の絶対値を用いる場合、より正確にエッジ部分を含む画像であるか否かを判定することができる。また、夫々のDCT係数の大きさを判定する場合、所定値αと異なる所定値βを用いて判定しても良い。
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2に係る画像処理装置を示すブロック図である。実施の形態2に係る画像処理装置は、図1に示した実施の形態1の画像処理装置と同様に、制御部10、画像データ記憶部11、周波数変換部12、周波数成分判定部13、変更部14、ノイズ加算部15、逆周波数変換部16、及び閾値処理部17を備える。実施の形態2に係る画像処理装置は、更に直流成分判定部18を備える。直流成分判定部18以外の実施の形態2に係る画像処理装置の構成、作用及び効果は、実施の形態1に係る画像処理装置の構成、作用及び効果と同様であるので、同様な箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
直流成分判定部18は、周波数変換部12からDCT係数Qj(S,T)が入力され、入力されたDCT係数Qj(S,T)の内、直流成分のDCT係数Qj(0,0)が下限N1より大きく上限N2より小さい所定の範囲内の値であるか否かを判定し、判定した結果をノイズ加算部15へ出力するように構成されている。なお、直流成分のDCT係数Qj(0,0)の最小値は0であり、最大値は8×255=2040である。
例えば、直流成分判定部18は、直流成分のDCT係数Qj(0,0)がN1=0より大きくN2=2040より小さい値である場合、直流成分判定データに0を設定し、直流成分のDCT係数Qj(0,0)がN1=0又はN2=2040のいずれかである場合、直流成分判定データに1を設定し、ノイズ加算部15へ出力する。
直流成分判定部18から値が1の直流成分判定データが出力された場合、ノイズ加算部15は、ノイズ加算を行わず、値が0の直流成分判定データが出力された場合、実施の形態1で示したノイズ加算を行う。
直流成分のDCT係数Qj(0,0)の大きさは、単位ブロックの濃度領域における平均階調値を示しているため、DCT係数Qj(0,0)の大きさを判定することにより、単位ブロックが全体的に黒色又は白色であるか否かを判定することができる。そして、処理ブロックが全体的に黒色又は白色である場合、ノイズ加算部15はノイズ加算の処理を行わない。従って、均一な黒色又は白色のブロックを得ることができ、良好な画像を得ることができる。
(実施の形態3)
図8は、実施の形態3に係る画像処理装置を示すブロック図である。実施の形態3に係る画像処理装置は、図7に示した実施の形態2の画像処理装置と同様に、制御部10、画像データ記憶部11、周波数変換部12、周波数成分判定部13、変更部14、ノイズ加算部15、逆周波数変換部16、閾値処理部17、及び直流成分判定部18を備える。画像処理装置は、更に、ノイズ加算に使用するブルーノイズのDCT係数を格納するLUT(LUT:Look Up Table)部19がノイズ加算部15に設けられている。LUT部19以外の実施の形態3に係る画像処理装置の構成、作用及び効果は、実施の形態2に係る画像処理装置の構成、作用及び効果と同様であるので、同様な箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
LUT部19は、濃度領域でブルーノイズ特性を持つ画像データを単位ブロック毎に予め離散コサンイン変換し、離散コサイン変換により得られたDCT係数を単位ブロック毎に格納する。また、DCT係数の値が全て0の単位ブロックを格納する。
直流成分判定部18から出力される直流成分判定データは、LUT部19へ出力される。LUT部19に値が1の直流成分判定データが出力されている場合、ノイズ加算部15は、DCT係数が全て0の単位ブロックをLUT部19から読み出し、値が0の直流成分判定データが出力されている場合、ブルーノイズのDCT係数を有する単位ブロックをLUT部19から読み出して、ノイズ加算を行う。
より具体的には、予め図4に示すブルーノイズマスクを、8×8を単位ブロックとして離散コサイン変換し、図5に示すような正規化されたDCT係数を算出する。そして、LUT部19は、ブルーノイズを離散コサイン変換した8×8の単位ブロックを、8ブロック×8ブロック、計64ブロックを格納する。また、LUT部19はDCT係数の値が全て0のブロックを格納している。ノイズ加算部15は、LUT部19からブルーノイズに係るDCT係数の単位ブロックを順々に読み出し、読み出したDCT係数を、変更部14から単位ブロック毎に出力されるDCT係数Qk(S,T)に加算する。
図9は、ノイズ加算に係る処理手順を示すフローチャートである。実施の形態3においては、制御部10は、図6に示したステップS9の処理に代えて図9に示す処理を実行する。つまり、ステップS8の処理を終えた後、ステップS10の処理を実行する前に、ステップS100乃至ステップS105の処理を実行する。ステップS8の処理を終えた場合、制御部10は、直流成分判定部18は直流成分のDCT係数Qj(0,0)がN1以下、又はN2以上のいずれかであるか否かを判定する(ステップS100)。DCT係数Qj(0,0)の値がN1以下、又はN2以上のいずれかであると判定した場合(ステップS100:YES)、直流成分判定データに1を設定し、1を設定した直流成分判定データをLUT部19へ出力する(ステップS101)。値が1の直流成分判定データがLUT部19に出力されている場合、ノイズ加算部15は、LUT部19から値が全て0のDCT係数を単位ブロックで読み出す(ステップS102)。そして、読み出したDCT係数をQk(S,T)に加算し、DCT係数を加算したQl(S,T)を逆周波数変換部16へ出力する(ステップS103)。ステップS103の処理を終えた場合、図6に示すステップS10の処理を実行する。
DCT係数Qj(0,0)がN1より大きくN2より小さい値であると判定した場合(ステップS100:NO)、直流成分判定部18は、直流成分判定データに0を設定し、0を設定した直流成分判定データをLUT部19に出力する(ステップS104)。値が0の直流成分判定データがLUT部19に出力されている場合、ノイズ加算部15は、LUT部19からブルーノイズに係るDCT係数を単位ブロックで読み出す(ステップS105)。そして、読み出したDCT係数をQk(S,T)に加算し、DCT係数を加算したQl(S,T)を逆周波数変換部16へ出力する(ステップS103)。ステップS103の処理を終えた場合、図6に示すステップS10の処理を実行する。
実施の形態3によれば、予め算出したブルーノイズ特性を有する画像のDCT係数をLUT部が記憶しているため、LUT部を有しない場合に比べ、ノイズ加算の処理をより高速に行うことができる。従って、高速に画像処理を行うことができる。
(実施の形態4)
図10は、実施の形態4に係る画像処理装置を示すブロック図である。実施の形態4に係る画像処理装置は、図1に示した実施の形態1の画像処理装置と同様に、制御部10、画像データ記憶部11、周波数変換部12、周波数成分判定部13、第2変更部14a、ノイズ加算部15、逆周波数変換部16、及び閾値処理部17を備える。但し、実施の形態4に係る画像処理装置における第2変更部14aは、実施の形態1乃至3に係る画像処理装置の変更部14と異なる機能を有している。第2変更部14a以外の実施の形態4に係る画像処理装置の構成、作用及び効果は、実施の形態1に係る画像処理装置の構成、作用及び効果と同様であるので、同様な箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
第2変更部14aが有する機能を説明する。絶対値q10、q01、又はq11のいずれかが所定値α以上であると周波数成分判定部13が判定し、値が1の判定データFを第2変更部14aへ出力した場合、第2変更部14aは実施の形態1で説明したように、エッジ部分を強調するために、交流成分のDCT係数Qj(S,T)に1より大きい実数を乗じる。絶対値q10、q01、及びq11のいずれの値も所定値α未満であると周波数成分判定部13が判定し、値が0の判定データを第2変更部14aへ出力した場合、第2変更部14aは直流成分及び低周波数のDCT係数以外のDCT係数Qj(S,T)の値を減少させる処理を行う。
図11は、周波数成分判定部13から、値が0の判定データFが出力された場合に、第2変更部14aが変更するDCT係数の周波数領域を示す概念図である。DCT係数Qj(S,T)の内、3<S+T≦14を満たすS,TのDCT係数Qk(S,T)が変更の対象である。この変更領域は、例えば第2変更部14a又は制御部10に予め設定されている。
第2変更部14aの具体的な変更手順を説明する。図12は、第2変更部14aが変更の処理を行う際に使用する2次元マトリクスを示す概念図である。図12に示す2次元マトリクスは、8×8の空間周波数成分に対応する8×8のマトリクスデータM(S,T)を有している。但し、S=0〜7、T=0〜7(S、及びTは整数)である。0≦S+T≦3においては、マトリクスデータM(S,T)の値は1であり、3<S+T≦14においては、マトリクスデータM(S,T)は1以上の実数である。
図12に示す2次元マトリクスは、一般にコントラスト感度関数(Contrast Sensitive Function:CSF)の特性、即ち人間の視覚特性を反映した特性を有している。一般に人間のコントラストに対する感度は、空間周波数に依存しており、人間の知覚系は一種のバンドパスフィルタと考えられる。例えば、白黒の縞模様を考えた場合、連続する縞と縞との間隔によって、人間の縞模様に対する感度が変化する。縞の間隔が非常に小さい場合、人間は縞模様を知覚することが困難になる。M(S,T)の値は、例えば図12中、ハッチングされた周波数成分を中心に、人間のコントラストに対する感度に応じて同心円状に変化するような値である。
第2変更部14aは、周波数成分判定部13から値が0の判定データFが出力されている場合、単位ブロック毎に、次式(4)により、DCT係数Qj(S、T)をM(S,T)で除して変更する。式(4)の演算は小数点以下まで求めても良い。
Qk(S,T)=Qj(S,T)/M(S,T) ・・・式(4)
次いで、第2変更部14aは、変更したDCT係数Qk(S,T)をノイズ加算部15へ出力する。周波数成分判定部13から、値が1の判定データFが出力されている場合、実施の形態1で説明したように交流成分のDCT係数Qj(S,T)を、DCT係数Qk(S,T)=Qj(S,T)×1.3に変更し、変更したDCT係数Qk(S,T)をノイズ加算部15へ出力する。ノイズ加算部15以降の処理は実施の形態1と同様な処理手順で順次処理される。
CSFでDCT係数Qj(S,T)を除した場合、コントラストに対する感度が高い周波数成分のDCT係数が、コントラストに対する感度が低い周波数成分より大きな値で除されるため、効果的な平滑化の効果が得られる。
本実施の形態によれば、単位ブロックがエッジ部分を含まない場合、2次元マトリクスのマトリクスデータを用いて、単位ブロックの画像が平滑化され、単位ブロックがエッジ部分を含む場合、画像のエッジ部分が強調される。従って、画像全体において、エッジ部分は強調され、エッジ部分を含まない平坦な部分は平滑化されるため、画像が有する粒状性を効果的に抑制することができ、原画像の特徴部分を良好に保ちつつ、階調数を減少させることができる。
なお、平滑化に使用する2次元マトリクスのマトリクスデータは図12に示すものに限らず、人間のコントラストに対する感度が低い周波数成分に小さな値を設定し、コントラストに対する感度が高い周波数成分に大きな値を設定した2次元マトリクスデータ、即ち低周波数成分の係数は維持され、8×8ブロック内において、所定の周波数成分を中心にして同心円状に外側のDCT係数がより強く抑制されるような2次元マトリクスを用いれば良い。例えば、ガウス分布となる2次元マトリクスでも良い。
また、実施の形態においては、3<S+T≦14の周波数成分を変更しているが、これに限るものではなく、1<S+T≦14の周波数成分を変更するように構成しても良い。
更に、実施の形態4において、直流成分判定部18、LUT部19を備えて画像処理装置を構成しても良い。この場合、実施の形態2、及び実施の形態3と同様な効果が得られる。
(実施の形態5)
図13は、実施の形態5に係る画像処理装置を示すブロック図である。画像処理装置は、図1に示した実施の形態1の画像処理装置と同様に、制御部10、画像データ記憶部11、周波数変換部12、周波数成分判定部23、変更部24、ノイズ加算部15、逆周波数変換部16、閾値処理部17を備える。但し、実施の形態5に係る画像処理装置における周波数成分判定部23及び変更部24は、実施の形態1に係る画像処理装置の周波数成分判定部13及び変更部14と異なる機能を有している。
周波数成分判定部23が有する機能を説明する。図14は、空間周波数成分の内、周波数成分判定部23にて絶対値の大きさが判定されるDCT係数Qj(S,T)の空間周波数成分を、8×8の区画を用いて示した概念図である。左上端に位置し、黒丸印を含む区画はDCT係数Qj(S,T)の直流成分を示しており、直流成分を除く他の区画は、交流成分を示している。S軸は空間画像におけるX軸方向の周波数の大きさ、T軸は空間画像におけるY軸方向の周波数の大きさを示している。即ち、S軸及びT軸は、濃度領域におけるX軸方向及びY軸方向の周波数の大きさを示している。
周波数成分判定部23は、三角印を含む区画に対応する空間周波数成分のDCT係数の絶対値を算出する。つまり、DCT係数Qj(1,0)の絶対値q10、DCT係数Qj(0,1)の絶対値q01、DCT係数Qj(1,1)の絶対値q11、DCT係数Qj(2,0)の絶対値q20、DCT係数Qj(0,2)の絶対値q02、DCT係数Qj(2,1)の絶対値q21、DCT係数Qj(1,2)の絶対値q12、及びDCT係数Qj(2,2)の絶対値q22を夫々算出する。
そして、周波数成分判定部23は、q10、q01、q11、q20、q02、q21、q12、又はq22のいずれかが正の所定値α以上であるか否かを判定する。即ち、q10≧α 又は、 q01≧α 又は、q11≧α 又は、q20≧α 又は、q02≧α 又は、q21≧α 又は、q12≧α 又は、q22≧αの条件式が成立するか否かを判定する。なお、所定値αは任意に設定できるものとし、所定値αの設定値が小さい(大きい)程、単位ブロックの画像にエッジを含むと判定しやすく(しにくく)なる。実施の形態5では、一例として所定値α=64を設定している。設定した前記所定値αは、単位ブロック夫々の濃度領域における画像がエッジ部分を含んでいるか否かを判定するための判定材料として使用される。
前記条件式が成立すると判定した場合、即ちq10、q01、q11、q20、q02、q21、q12、又はq22のいずれかが所定値α以上であると判定した場合、周波数成分判定部23は、判定データFに1を設定し、1を設定した判定データFを変更部24へ出力する。前記条件式が成立しないと判定した場合、即ちq10、q01、q11、q20、q02、q21、q12、及びq22のいずれもが所定値α未満であると判定した場合、周波数成分判定部23は、判定データFに0を設定し、0を設定した判定データFを変更部24へ出力する。判定データFの出力は、単位ブロック毎に順次行われる。
変更部24は、周波数成分判定部23から出力された判定データFの値に応じて、DCT係数Qj(S,T)を、演算により変更する。DCT係数Qj(S,T)の変更は、単位ブロック毎に行われる。
図15は、実施の形態5に係る変更部24がDCT係数の変更を行う周波数成分を示す概念図である。図15中、右下がり斜めのハッチングされた区画は、周波数成分判定部23から値が1の判定データFが出力された場合に、変更部24によって変更されるDCT係数Qj(S,T)の周波数空間における変更領域を示している。ハッチングされた区画に対応するDCT係数(S,T)は、水平方向の空間周波数成分のみを有する交流成分の係数Qj(S,T)(0<S≦7,T=0)、垂直方向の空間周波数成分のみを有する交流成分の係数Qj(S,T)(S=0,0<T≦7)、並びに水平方向及び垂直方向夫々の基本周波数成分を有する交流成分の係数Qj(1,1)である。変更部24が変更するDCT係数Qj(S,T)の周波数成分領域は、例えば変更部24又は制御部10に予め設定されている。
図16は、DCT係数を変更するための周波数情報データを示す概念図である。図16に示すように、周波数(S,T)に対する周波数情報データは、DCT係数Qj(S,T)を変更する際の重み付けを行うためのデータであり、S+T+2の値として設定される。
例えば、周波数(0,1)に対する周波数情報データは0+1+2=3、周波数(0,7)に対する周波数情報データは0+7+2=9、周波数(1,0)に対する周波数情報データは1+0+2=3、周波数(7,0)に対する周波数情報データは7+0+2=9である。
変更部24は、周波数成分判定部23から判定データF=1が出力されている場合、図15に示した変更領域におけるDCT係数Qj(S,T)に、周波数毎に定められた1より大きい実数を乗じて、DCT係数Qj(S,T)をDCT係数Qk(S,T)に変更する。1より大きい実数は、周波数(S,T)に係る周波数情報データに定数の0.35を乗じた数である。従って、変更部24により変更される前の変更領域におけるDCT係数Qj(S,T)と、変更された後のDCT係数Qk(S,T)との関係は次式(5)で表される。
Qk(S,T)=Qj(S,T)×(周波数情報データ)×0.35
=Qj(S,T)×(S+T+2)×0.35 ・・・式(5)
(0<S≦7、且つT=0、又は、S=0、且つ0<T≦7、又は、S=T=1)
また、変更部24へ出力された変更領域以外のDCT係数Qj(S,T)と、変更部24からノイズ加算部15へ出力されるDCT係数Qk(S,T)との関係は次式(6)で表される。
Qk(S,T)=Qj(S,T) ・・・式(6)
(S=T=0、又はS≠0、且つT≠0、但しS=T=1を除く)
なお、1より大きい前記実数は、DCT係数Qj(S,T)との乗算によって画像を強調する値であるため、エッジ部分が強調されすぎないかどうか等の全体のバランスを考え、実際の印字サンプルなどを用いて画質の評価を行いながら決定すると良い。
変更部24は、例えば、DCT係数Qj(0,2)が出力された場合、
Qk(0,2)=Qj(0,2)×(0+2+2)×0.35
をノイズ加算部15へ出力し、DCT係数Qj(2,3)が出力された場合、
Qk(2,3)=Qj(2,3)
をノイズ加算部15へ出力する。
式(5)及び式(6)によって、DCT係数Qj(S,T)をDCT係数Qk(S,T)に変更する処理を行った場合でも、直流成分のDCT係数Qj(0,0)の値は変更されないため、単位ブロックの画像全体の平均濃度は維持される。
変更部24は、周波数成分判定部23から判定データF=0が出力されている場合、実施の形態4と同様に直流成分及び低周波数のDCT係数以外のDCT係数Qj(S,T)の値を減少させる処理を行う。つまり、変更部24は、式(4)によりDCT係数Qj(S,T)をDCT係数Qk(S,T)に変更し、変更したDCT係数Qk(S,T)をノイズ加算部15へ出力する。
変更部24から出力されたDCT係数Qk(S,T)は、ノイズ加算部15、逆周波数変換部16、及び閾値処理部17で実施の形態1と同様に処理される。
図17、図18は、実施の形態5に係る制御部10の画像処理に係る処理手順を示すフローチャートである。ここでは、4階調の画像を得る場合を説明する。入力された画像データPi(X,Y)が画像データ記憶部11に記憶されている場合において、制御部10は、まず、画像データ記憶部11に記憶されている画像データPi(X,Y)を8×8画素を単位ブロックとして分割した場合の単位ブロック数を変数nに設定する(ステップS201)。そして、制御部10は、画像データPi(X,Y)を8×8画素の単位ブロックで読み出し、読み出した画像データPi(X,Y)を周波数変換部12へ出力する(ステップS202)。
次いで、制御部10は、周波数変換部12においてPi(X,Y)を離散コサイン変換し、離散コサイン変換したDCT係数Qj(S,T)を周波数成分判定部23、及び変更部24へ出力する(ステップS203)。そして、制御部10は、周波数成分判定部23において、所定周波数成分のDCT係数の絶対値q10、q01、q11、q20、q02、q21、q12、及びq22を算出し(ステップS204)、算出した絶対値q10、q01、q11、q20、q02、q21、q12、又はq22のいずれかが所定値α以上であるか否かを判定する(ステップS205)。絶対値q10、q01、q11、q20、q02、q21、q12、又はq22のいずれかが所定値α以上であると判定した場合(ステップS205:YES)、判定データFに1を設定し、1を設定した判定データFを変更部24へ出力する(ステップS206)。絶対値q10、q01、q11、q20、q02、q21、q12、及びq22のいずれも所定値α未満であると判定した場合(ステップS205:NO)、判定データFに0を設定し、0を設定した判定データFを変更部24へ出力する(ステップS207)。
次いで、制御部10は、周波数成分判定部23から変更部24へ、判定データF=1が出力されているか否かを変更部24において判定する(ステップS208)。変更部24へ、判定データF=1が出力されていると判定した場合(ステップS208:YES)、制御部10は、変更部24においてDCT係数Qj(S,T)を式(5)、式(6)によって、DCT係数Qk(S,T)に変更し、変更したDCT係数Qk(S,T)をノイズ加算部15へ出力する(ステップS209)。つまり、ステップS209では、画像のエッジ部分を強調するようにDCT係数Qj(S,T)を変更する。
変更部24へ、判定データF=1が出力されていないと判定した場合、即ち判定データF=0が出力されている場合(ステップS208:NO)、制御部10は、変更部24においてDCT係数Qj(S,T)を式(4)によって、DCT係数Qk(S,T)に変更し、変更したDCT係数Qk(S,T)をノイズ加算部15へ出力する(ステップS210)。つまり、ステップS210では、画像を平滑化するようにDCT係数Qj(S,T)を変更する。
ステップS209又はステップS210の処理を終えた場合、制御部10は、ノイズ加算部15において、DCT係数Qk(S,T)にブルーノイズに係るDCT係数を加算し、ノイズ加算したDCT係数Ql(S,T)を逆周波数変換部16へ出力する(ステップS211)。つまり、濃度領域でブルーノイズ特性を持ったノイズであって、空間周波数成分を有する画像データに変換されたノイズのDCT係数が順次加算される。
次いで、制御部10は、逆周波数変換部16において、DCT係数Ql(S,T)を、Pm(X,Y)に逆離散コサイン変換し、逆離散コサイン変換したPm(X,Y)を閾値処理部17へ出力する(ステップS212)。つまり、周波数領域のデータから濃度領域のデータへ変換する。逆離散コサイン変換は、数式(1)の逆変換により行われる。そして、制御部10は閾値処理部17において、Pm(X,Y)を式(3)によって単純4値閾値処理を行い、4値化した画像データPo(X,Y)を外部へ出力する(ステップS213)。次いで、制御部10は、変数nから1を減算し(ステップS214)、減算した変数nが0であるか否かを判定する(ステップS215)。つまり、すべての単位ブロックについて画像処理を終えたか否かを判定する。変数nが0であると判定した場合(ステップS215:YES)、制御部10は画像処理を終了する。変数nが0でないと判定した場合(ステップS215:NO)、制御部10は処理をステップS202へ戻し、残りの単位ブロックについてもステップS202乃至ステップS213による画像処理を行う。
実施の形態5に係る画像処理装置が備える周波数成分判定部23及び変更部24以外の構成、作用及び効果は、実施の形態1と同様のため、同様の箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
このように構成される画像処理装置にあっては、ステップS209で行う画像のエッジ部分を強調する処理で、直流成分以外の周波数全域におけるDCT係数Qj(S,T)を変更するのではなく、変更するDCT係数Qj(S,T)の周波数領域を図15に示す変更領域に限定しているため、画像の曲線に係るエッジ部分にブロックパターンが発生することを抑えることができる。従って、全ての交流成分のDCT係数Qj(S,T)を変更する場合に比べて、よりきれいな曲線部分を有する閾値処理後の画像を得ることができ、原画像の特徴部分をより良好に保持しつつ、階調数を減少させることができる。
図19は、変更部にて変更するDCT係数の周波数領域による画質の違いを示す説明図である。図19(a)は、図15に示す変更領域に限定してDCT係数Qj(S,T)を変更して画像処理した場合に得られる画像の一例であり、図19(b)は、直流成分以外の周波数全域、即ち全ての交流成分のDCT係数Qj(S,T)を変更して、図19(a)と同一の原画像を画像処理した場合に得られる画像の一例である。
図19から分かるように、図19(a)の画像に現れている顔の輪郭部分、即ち曲線に係るエッジ部分に生じるブロックパターンが、図19(b)の画像と比べて良好に抑えられている。
また、実施の形態5に係る画像処理装置にあっては、DCT係数の周波数が高い程、より大きい実数を乗じるため、全てのDCT係数に同一の実数を乗じる場合に比べ、よりエッジの効いた画像を得ることができる。従って、原画像の特徴部分をより良好に保ちつつ、画像の階調数を減少させることができる。
更に、水平方向の空間周波数成分のみを有する交流成分及び垂直方向の空間周波数成分のみを有する交流成分のDCT係数に加えて、水平方向及び垂直方向の基本周波数成分を夫々有するDCT係数を変更しているため、エッジ部分をより効果的に強調することができる。
なお、実施の形態5にあっては、基本周波数成分を夫々有するDCT係数も変更するように構成しているが、基本周波数成分を夫々有するDCT係数を変更しないように構成しても良い。
また、実施の形態5にあっては、ステップS210において画像を平滑化する処理を行っているが、ステップS210の処理を行わないように構成しても良い。つまり、ステップS208において、変更部へ、判定データF=0が出力されていると判定した場合、DCT係数の変更を行わずにステップ211のノイズ加算及び出力処理を行うように構成しても良い。
更に、周波数(S,T)に係る周波数情報データに定数の0.35を乗じた数を、DCT係数Qj(S,T)に乗じてDCT係数を変更しているが、DCT係数に乗じる数はこれに限らず、1より大きい他の実数であっても良い。例えば、定数の0.35を、0.34、0.36、0.4等の実数にしても良い。また、周波数情報データをS+T+2としているが、DCT係数の周波数が大きい(小さい)程、より大きな(小さな)値を有する他の実数としても良い。
更にまた、周波数成分判定部によって判定されるDCT係数の周波数領域は、ハードウェアの条件が許すのであれば、低周波領域内で更に広げても良い。
更に、実施の形態5において、直流成分判定部18、LUT部19を備えて画像処理装置を構成しても良い。この場合、実施の形態2、及び実施の形態3と同様な効果が得られる。
(実施の形態6)
以下、実施の形態6に係る画像処理方法及び画像処理装置をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。実施の形態6に係る画像処理装置は、図1に示した実施の形態1の画像処理装置と同様に、制御部10、画像データ記憶部11、周波数変換部12、周波数成分判定部13、変更部14、ノイズ加算部15、逆周波数変換部16、及び閾値処理部17を備えている。
実施の形態6に係る周波数成分判定部13は、実施の形態1と異なる判定処理を実行する。周波数成分判定部13以外の実施の形態6に係る画像処理装置の構成、作用及び効果は、実施の形態1に係る画像処理装置の構成、作用及び効果と同様であるので、同様な箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
図20は、周波数変換部12で空間周波数成分に変換された後の画像データのブロックを示す概念図である。S軸は空間画像におけるX軸方向の周波数の大きさ、T軸は空間画像におけるY軸方向の周波数の大きさを示している。8×8個の成分のうち、図20の周波数空間座標における左上の位置座標に対応する成分が直流成分であり、前記位置座標以外の位置座標に対応する成分が交流成分である。
図20に示す3×3のマトリクスサイズを有するエッジブロック判定領域のDCT係数Qj(S,T)、即ち所定周波数成分のDCT係数Qj(S,T)は、直流成分の位置座標を(s0,t0)、該位置座標での空間周波数成分のDCT係数Qj(S,T)をQj(s0,t0)、図20中、位置座標(s0,t0)の右隣の位置座標を(s0+1,t0)、該位置座標での空間周波数成分のDCT係数Qj(S,T)をQj(s0+1,t0)、更に位置座標(s0+1,t0)の右隣の位置座標を(s0+2,t0)、該位置座標での空間周波数成分のDCT係数Qj(S,T)をQj(s0+2,t0)、一行下がって左側から順に各位置座標(s0,t0+1),(s0+1,t0+1),(s0+2,t0+1)での空間周波数成分のDCT係数Qj(S,T)を夫々Qj(s0,t0+1)、Qj(s0+1,t0+1)、Qj(s0+2,t0+1)、更に一行下がって左側から順に各位置座標(s0,t0+2),(s0+1,t0+2),(s0+2,t0+2)に対応する空間周波数成分のDCT係数Qj(S,T)をそれぞれQj(s0,t0+2)、Qj(s0+1,t0+2)、Qj(s0+2,t0+2)とした場合、Qj(s0+μ,t0+ν)(但し、μ,ν=0,1,2、且つμ=ν≠0)と表される。
周波数成分判定部13は、エッジブロック判定領域のDCT係数Qj(S,T)が下記式を満たすか否かを判定する。
|Qj(s0+μ,t0+ν)× Qj(s0,t0)| ≧ α1…式(7)
(但し、μ,ν=0,1,2、且つμ=ν≠0、α1=34000)
周波数成分判定部13は、空間周波数成分の内、エッジブロック判定領域のDCT係数Qj(S,T)に直流成分のDCT係数Qj(s0,t0)を乗算して得た積の絶対値Aqμν=|Qj(s0+μ,t0+ν)× Qj(s0,t0)|(但し、μ,ν=0,1,2、μ=ν≠0)を夫々算出し、上記式(7)の関係を満たすμ,νの組が存在する場合、即ち、エッジブロック判定領域のDCT係数Qj(S,T)に直流成分のDCT係数Qj(s0,t0)を乗算して得た積のうち、いずれかの大きさが予め定めた所定値α1以上である場合、画像処理対象のブロックが、エッジ部分を有するブロック(以下、エッジブロック)であると判定する。画像処理対象のブロックがエッジブロックであると判定した場合、判定データFに1を設定し、判定データFを変更部14へ出力する。
また、周波数成分判定部13は、前記積のいずれの大きさも所定値α1未満である場合、処理ブロックは、エッジ部分を有さないブロックであると判定する。画像処理対象のブロックがエッジブロックでないと判定した場合、判定データFに0を設定し、判定データFを変更部14へ出力する。
判定データFは、画像処理対象のブロックがエッジブロックであるか否かを示すデータである。
変更部14は、周波数成分判定部13から出力された判定データFの値に応じて、DCT係数Qj(S,T)を演算により変更する。つまり、変更部14は、判定データF=1が出力された場合、交流成分のDCT係数Qj(S,T)を増加させることで画像の強調処理を行い、判定データF=0が出力された場合、交流成分のDCT係数Qj(S,T)を減少させることで画像の平滑化処理を行う。DCT係数Qj(S,T)の変更は、単位ブロック毎に行われる。
周波数成分判定部13から値が1の判定データFが出力されている場合、変更部14は全ての交流成分のDCT係数Qj(S,T)に対して、1より大きい実数、例えば1.3を乗じ、1.3を乗じて得られたDCT係数Qk(S,T)をノイズ加算部15へ出力する。
値が0の判定データFが出力されている場合、変更部14は所定交流成分のDCT係数Qj(S,T)を1以上の実数、例えば350で除することにより、前記DCT係数Qj(S,T)を減少させ、減少させたDCT係数Qk(S,T)をノイズ加算部15へ出力する。
次に、制御部10の処理手順をフローチャートを用いて説明する。図21は、制御部10の画像処理に係る処理手順を示すフローチャートである。まず、制御部10は、入力され、画像データ記憶部11に記憶されている画像データPi(X,Y)を8×8画素を単位ブロックとして分割した場合の単位ブロック数を変数nに設定する。例えば、画素数が256×256の画像データの場合、32×32を変数nに設定する(ステップS301)。そして制御部10は、画像データPi(X,Y)を8×8画素の単位ブロックで読み出し、読み出した画像データPi(X,Y)を周波数変換部12へ出力する(ステップS302)。
次いで、制御部10は、周波数変換部12においてPi(X,Y)を離散コサイン変換し、離散コサイン変換したDCT係数Qj(S,T)を周波数成分判定部13、及び変更部14へ出力する(ステップS303)。
そして、制御部10は、周波数成分判定部13において、エッジブロック判定領域のDCT係数Qj(s0+μ,t0+ν)夫々に直流成分の値Qj(s0,t0)を乗算し、乗算して得た積の絶対値Aqμν(但し、μ,ν=0,1,2且つμ≠ν)を算出し、算出した絶対値Aqμνのいずれかが所定値α1以上であるか否かを判定する(ステップS304)。
絶対値Aqμνのいずれかが所定値α1以上である場合(ステップS304:YES)、判定データFに1を設定し、1を設定した判定データFを変更部14へ出力する(ステップS305)。そして、制御部10は、判定データF=1が出力された変更部14においてDCT係数Qj(S,T)の値に強調処理を施し、ノイズ加算部15へ出力する(ステップS306)。
つまり、制御部10は、変更部14においてDCT係数Qj(S,T)を、式(2)によってQk(S,T)に変更し、ノイズ加算部15へ出力する。
絶対値Aqμνのいずれも所定値α1未満である場合(ステップS304:NO)、制御部10は、判定データFに0を設定し、0を設定した判定データFを変更部14へ出力する(ステップS307)。制御部10は、判定データF=0が出力された変更部14においてDCT係数Qj(S,T)の値に平滑化処理を施し(ステップS308)、ノイズ加算部15へ出力する。
例えば、DCT係数Qj(S,T)を、式(4)によってQk(S,T)に変更し、ノイズ加算部15へ出力する。
ステップS306又はステップS308の処理を終えた場合、制御部10はノイズ加算部15で、DCT係数Qk(S,T)にブルーノイズに係るDCT係数を加算し、ノイズ加算したDCT係数Ql(S,T)を逆周波数変換部16へ出力する(ステップS309)。
次いで、制御部10は、逆周波数変換部16において、DCT係数Ql(S,T)を、Pm(X,Y)に逆離散コサイン変換し、逆離散コサイン変換したPm(X,Y)を閾値処理部17へ出力する(ステップS310)。そして、制御部10は閾値処理部17において、Pm(X,Y)を式(3)により4値化した画像データPo(X,Y)に変換して、外部へ出力する(ステップS311)。次いで、制御部10は、変数nから1を減算し(ステップS312)、減算した変数nが0であるか否かを判定する(ステップS313)。つまり、すべての単位ブロックについて画像処理を終えたか否かを判定する。変数nが0であると判定した場合(ステップS313:YES)、制御部10は画像処理を終了する。変数nが0でないと判定した場合(ステップS313:NO)、制御部10は処理をステップS302へ戻し、残りの単位ブロックについてもステップS302乃至ステップS311による画像処理を行う。
実施の形態6に係る画像処理装置の作用を説明する。まず、ステップS304の処理は、単位ブロックの画像がエッジ部分を有しているか否かを判定することを可能にする。
直流成分を除く低周波数成分のDCT係数Qj(S,T)は、高周波数成分に比べ多くのエッジ部分に係る情報を有しているため、絶対値Aqμν、即ちエッジブロック判定領域のDCT係数Qj(S,T)に直流成分のDCT係数Qj(s0,t0)を乗算して得た積の大きさを所定値α1と比較することにより、単位ブロックがエッジ部分を有しているか否かを判定することができる。
次に、エッジ部分に関する情報を有するエッジブロック判定領域のDCT係数Qj(S,T)に加えて、直流成分のDCT係数Qj(s0,t0)も、エッジ部分を有する画像の判定要素に加える理由について説明する。
ブロックがエッジ部分を有する場合、エッジブロック判定領域のDCT係数Qj(S,T)は、平坦な画像に比べて大きな値を持つ。従って、エッジブロック判定領域のDCT係数Qj(S,T)の大きさが所定値以上であるか否かを判定することによって、処理ブロックがエッジブロックであるか否かを基本的には判定することができる。
しかし、人のエッジ部分に対する認識特性は、画像の平均階調値に依存する。つまり、エッジブロック判定領域のDCT係数Qj(S,T)の大きさが同一の画像であっても、平均階調値に対応する直流成分のDCT係数Qj(s0,t0)が大きい(小さい)程、人はエッジ部分を認識し易く(難く)なる。従って、エッジブロック判定領域のDCT係数Qj(S,T)の大きさが所定値以下であるが、直流成分のDCT係数Qj(s0,t0)が大きいために、エッジ部分と認識される画像に対して強調処理が行なわれないという問題が生ずる。
例えば、ハイライト上の薄い文字を含む画像に対しては、4値化する前に強調処理を行い、文字を強調すべきであるが、薄い文字であり、背景のハイライト部分と薄い文字部分の階調値の差が小さいため、画像処理対象のブロックはエッジブロックと判定されない。従って強調処理が行われず、階調値を減少させた場合、文字として見づらくなる場合がある。
また、単純に所定値を小さくした場合、エッジブロックを判定し易くなるが、強調すべきでない画像まで強調処理の対象となり、画像が粗くなるという問題が生ずる。
そこで、画像の平均階調値の情報を有する直流成分のDCT係数Qj(s0,t0)をエッジブロックの判定要素に加え、ハイライト上の薄い文字でもエッジブロックと判定できるようにする。
より具体的には、所定の空間周波数成分のDCT係数Qj(S,T)に直流成分のDCT係数Qj(s0,t0)を乗算して得た積の絶対値が所定値α1以上であるか否を判定することによって、エッジブロックを判定することにより、エッジブロック判定領域のDCT係数Qj(S,T)が同じブロックであっても、DCT係数Qj(s0,t0)が大きい(小さい)程、画像処理対象のブロックをエッジブロックであると判定し易く(難く)する。
従って、画像の平均階調値に依存したエッジ部分の有無の判定が可能になり、エッジ部分を有する画像のブロックに対して、強調処理を行うことが可能となる。例えば、ハイライト上の薄い文字を強調することができる。
ステップS306及びステップS308では、単位ブロックの画像がエッジ部分を有しているか否かに応じてDCT係数を変更することにより、エッジ部分を有する画像に対して強調処理を行い、エッジ部分を有さない画像に対して平滑化処理を行う。画像の強調処理は、交流成分のDCT係数Qj(S,T)の値を大きくすることにより行い、画像の平滑化処理は、交流成分のDCT係数Qj(S,T)を小さくすることにより行う。
上述したように、交流成分のDCT係数Qj(S,T)は、画像のエッジ部分に係る情報を有しているため、交流成分のDCT係数Qj(S,T)の値を、原画像のDCT係数Qj(S,T)の値より大きくすることにより、エッジ部分を強調することができ、DCT係数Qj(S,T)の値を、原画像のDCT係数Qj(S,T)の値より小さくすることにより、画像を平滑化することができる。従って、画像全体においてエッジ部分を強調し、平坦な画像を平滑化することができ、原画像の特徴部分を良好に保ちつつ階調値を減少させることができる。
本発明にあっては、単位ブロック毎にエッジ部分を含むか否かを判定し、エッジ部分を有する場合、エッジ部分が強調されるようにDCT係数Qj(S,T)の変更を行い、エッジ部分を有さない場合、画像を平滑化するようにDCT係数Qj(S,T)の変更を行っているため、エッジ部分がくっきりした画像を得ることができ、原画像の特徴部分を良好に保ちつつ、画像の階調値を減少させることができる。特に、テキスト又はグラッフィクアート等を多く含む画像に対して効果的である。
また、周波数成分の判定において、画像処理対象のブロックの直流成分を用いることによって、ハイライト上の薄い文字を有するブロックもエッジブロックと判定することができ、テキスト再現性が向上する。
なお、エッジブロック判定領域のマトリクスサイズを本実施の形態では3×3画素としたが、ハードウェアの条件が許すのであれば、低周波数領域にて更に広い範囲まで拡げるようにしてもよい。
また、所定値α1は、好ましい画像が得られる適切な正の値であれば、34000に限定されない。
(実施の形態7)
実施の形態7に係る画像処理装置は、図1に示した実施の形態1の画像処理装置と同様に、制御部10、画像データ記憶部11、周波数変換部12、周波数成分判定部13、変更部14、ノイズ加算部15、逆周波数変換部16、及び閾値処理部17を備えている。
実施の形態7に係る周波数成分判定部13は、実施の形態6と同様に、エッジブロック判定領域のDCT係数Qj(s0+μ,t0+ν)に直流成分のDCT係数Qj(s0,t0)を乗算して得た積の絶対値Aqμνを算出する。
そして、算出した絶対値Aqμνが所定値α1以上であるか否かを判定する。絶対値Aqμνが所定値α1未満であると判定した場合、更にエッジブロック判定領域のDCT係数Qj(S,T)が下記式を満たすか否かを判定する。
|Qj(s0+μ,t0+ν)| ≧ α2…式(8)
(但し、μ,ν=0,1,2、且つμ=ν≠0、α2=16)
上記式(8)の関係を満たすμ,νの組が存在しない場合、即ちエッジブロック判定領域のDCT係数Qj(S,T)のいずれの大きさも所定値α2未満である場合、画像処理対象のブロックは、平坦画像のブロック(以下、非エッジブロック)であると判定され、前記絶対値のいずれかの大きさが所定値α2以上である場合、画像処理対象のブロックは、エッジ部分を有さず、且つ平坦画像でもない画像のブロック(以下、中間ブロック)であると判定される。
周波数成分判定部13は、絶対値Aqμνのいずれかがα1以上であると判定した場合、判定データF=01を変更部14へ出力し、絶対値Aqμνのいずれもα1未満であり且つ絶対値qμνのいずれかがα2以上である場合、判定データF=10を変更部14へ出力し、絶対値Aqμνのいずれもα1未満であり且つ絶対値qμνのいずれもα2未満である場合、判定データF=00を変更部14へ出力する。
図22は、実施の形態7に係る制御部10の画像処理に係る処理手順を示すフローチャートである。まず、制御部10は、図21に示したステップS301乃至ステップS304と同様のステップS401乃至ステップS404の処理を実行する。
つまり、制御部10は、単位ブロックの数を変数nに設定し(ステップS401)、画像データPi(X,Y)を8×8画素の単位ブロックで読み出して、周波数変換部12へ出力し(ステップS402)、次いで、周波数変換部12においてPi(X,Y)を離散コサイン変換して周波数成分判定部13、及び変更部14へ出力する(ステップS403)。そして、制御部10は、周波数成分判定部13において、エッジブロック判定領域のDCT係数Qj(s0+μ,t0+ν)夫々に直流成分の値Qj(s0,t0)を乗算して得た積の絶対値Aqμν(但し、μ,ν=0,1,2且つμ≠ν)を算出し、算出した絶対値Aqμνのいずれかが所定値α1以上であるか否かを判定する(ステップS404)。
絶対値Aqμνのいずれかが所定値α1以上であると判定した場合(ステップS404:YES)、制御部10は、判定データFに01を設定し、01を設定した判定データFを変更部14へ出力する(ステップS405)。
そして、制御部10は、変更部14においてDCT係数Qj(S,T)の値に強調処理を施し、ノイズ加算部15へ出力する(ステップS406)。
つまり、制御部10は、変更部14においてDCT係数Qj(S,T)の値を、式(2)によってQk(S,T)に変更し、ノイズ加算部15へ出力する。
絶対値Aqμνのいずれも所定値α1未満である場合(ステップS404:NO)、制御部10は、絶対値qμνのいずれかが所定値α2以上であるか否かを判定する(ステップS407)。絶対値qμνのいずれかが所定値α2以上であると判定した場合(ステップS407:YES)、制御部10は、判定データFに10を設定し、10を設定した判定データFを変更部14へ出力する(ステップS408)。
判定データF=10が変更部14に入力した場合、変更部14は、DCT係数Qj(S,T)の値を変更せずに、ノイズ加算部15へ出力する。
絶対値qμνのいずれもが所定値α2未満であると判定した場合(ステップS407:NO)、制御部10は、判定データFに00を設定し、00を設定した判定データFを変更部14に出力する(ステップS409)。
そして、制御部10は、変更部14においてDCT係数Qj(S,T)の値に平滑化処理を施し(ステップS410)、ノイズ加算部15へ出力する。
ステップS406、ステップS408、又はステップS410の処理を終えた場合、制御部10は、図21に示したステップS309乃至313と同様のステップS411乃至ステップS415の処理を実行する。
つまり、制御部10は、DCT係数Qk(S,T)にブルーノイズに係るDCT係数を加算し(ステップS411)、逆周波数変換部16において、DCT係数Ql(S,T)を、Pm(X,Y)に逆離散コサイン変換し(ステップS412)、閾値処理部17において、Pm(X,Y)を式(3)により4値化した画像データPo(X,Y)に変換して、外部へ出力する(ステップS413)。次いで、制御部10は、変数nから1を減算し(ステップS414)、減算した変数nが0であるか否かを判定する(ステップS415)。つまり、すべての単位ブロックについて画像処理を終えたか否かを判定する。変数nが0であると判定した場合(ステップS415:YES)、制御部10は画像処理を終了する。変数nが0でないと判定した場合(ステップS415:NO)、制御部10は処理をステップS402へ戻し、残りの単位ブロックについてもステップS402乃至ステップS413による画像処理を行う。
実施の形態7に係る画像処理装置にあっては、画像処理対象の画像がエッジブロックであるか否かをステップS404の処理によって判定し、エッジブロックでないと判定された画像が非エッジブロックであるか否かを判定する。
そして、変更部14は、エッジブロックの画像に対しては強調処理を行い、非エッジブロックに対しては平滑化処理を行う。
中間ブロックの画像は、エッジ部分を有さないが、平坦な画像でもないため、強調処理又は平滑化処理のいずれの処理が適切であるかを一律に判定することが困難であり、中間ブロックの画像を強調処理又は平滑化処理した場合、画像の画質に悪影響を及ぼす虞がある。そこで、変更部14は、中間ブロックに対しては、強調処理及び平滑化処理のいずれの処理も行わない。
従って、より画像の特徴を捉えた処理が可能となり、画像の特徴部分を良好に保ちつつ、画像の階調値を減少させることができる。
周波数成分判定部13及び変更部14以外の実施の形態7に係る画像処理装置の構成、作用及び効果は、実施の形態1に係る画像処理装置の構成、作用及び効果と同様であるので、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
なお、所定値α2は、好ましい画像が得られるように適切な正の値であれば、16に限定されない。
(実施の形態8)
本発明に係る画像処理装置を備える画像形成装置を詳述する。図23は、本発明に係る画像形成装置の一構成例を示すブロック図である。画像形成装置は、例えばデジタルカラー複写機であり、RGBの色成分を有する画像データが入力されるカラー画像入力装置2と、カラー画像入力装置2に入力された画像データの階調数を減少させるカラー画像処理装置1と、カラー画像処理装置1で画像処理された画像データを出力するカラー画像出力装置3とを備える。操作パネル4は、画像形成装置の動作モードを設定する設定ボタン又はテンキー等で構成される。また、画像形成装置は、画像形成装置が備える各装置の制御を行う図示しないCPU(Central Processing Unit)を備える。
カラー画像処理装置1は、A/D(アナログ/デジタル)変換部101、シェーディング補正部102、入力階調補正部103、領域分離処理部104、色補正部105、黒生成下色除去部106、空間フィルタ処理部107、出力階調補正部108、及び階調再現処理部109を備える。階調再現処理部109は、上述した実施の形態1乃至7の画像処理装置を備える。
カラー画像処理装置1は、カラー画像入力装置2から出力されたRGBアナログ信号をRGBデジタル信号の画像データに変換し、補正処理などの種々の画像処理を行い、CMYK(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー・K:ブラック)デジタル信号からなる画像データを生成し、生成した画像データが有する色成分CMYKの階調数を2値又は4値等に減少させる。2値化又は4値化された画像データは、図示しない記憶手段に一時的に記憶され、所定のタイミングでカラー画像出力装置3に出力される。
カラー画像入力装置2は、例えばCCD(Charge Coupled Device)を備えたスキャナであり、原稿からの反射光像を、RGB(R:レッド・G:グリーン・B:ブルー)アナログ信号としてCCDにて読み取り、読み取ったRGBアナログ信号をカラー画像処理装置1へ出力する。
A/D変換部101は、カラー画像入力装置2から出力されたRGBアナログ信号をRGBデジタル信号の画像データに変換し、変換した画像データをシェーディング補正部102へ出力する。シェーディング補正部102は、A/D変換部101から出力された画像データに対して、カラー画像入力装置2の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を行った後、入力階調補正部103へ出力する。入力階調補正部103は、シェーディング補正部102から出力された画像データに対して、カラーバランスを整えると共に、カラー画像処理装置1に採用されている画像処理システムが処理し易い濃度信号に変換し、変換した画像データを領域分離処理部104へ出力する。
領域分離処理部104は、入力階調補正部103から出力された画像データに係る画像の各画素を、文字領域、網点領域、写真領域のいずれかに分離し、分離結果に基づいて、画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号を黒生成下色除去部106、空間フィルタ処理部107及び階調再現処理部109へ出力する。また、入力階調補正部103から出力された画像データを、そのまま色補正部105へ出力する。
色補正部105は、色再現を忠実に行うために、入力階調補正部103から受け取った画像データのRGBデジタル信号を、CMY(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー)デジタル信号の画像データに変換すると共に、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行った後、黒生成下色除去部106へ出力する。黒生成下色除去部106は、色補正部105から出力された画像データが有するCMYデジタル信号の3色の信号、即ちC信号、M信号、Y信号から黒の信号、即ちK信号を生成する黒生成を行い、元のCMYデジタル信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMYデジタル信号を生成し、CMYKの4色信号、即ちCMYKデジタル信号からなる画像データを空間フィルタ処理部107へ出力する。
一般的な黒生成処理として、スケルトンブラックにより黒生成を行う方法がある。スケルトンブラックにより黒生成を行う方法においては、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力される画像データのCMYデジタル信号をC,M,Y、出力される画像データのCMYKデジタル信号をC’,M’,Y’,K’、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とした場合、C’,M’,Y’,K’は次式(9)で表される。
K’=f{min(C,M,Y)}
C’=C−αK’
M’=M−αK’
Y’=Y−αK’ ・・・式(9)
空間フィルタ処理部107は、黒生成下色除去部106から出力された画像データの画像に対し、領域分離処理部104から出力された領域識別信号に基づいてデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正して画像のぼやけ又は粒状性劣化を改善する処理などを行い、処理した画像データを出力階調補正部108へ出力する。出力階調補正部108は、空間フィルタ処理部107から出力された画像データに対して、出力階調補正処理などを行い、階調再現処理部109へ出力する。階調再現処理部109は、出力階調補正部108から出力された画像データと、領域分離処理部104から出力された領域識別信号とに基づいて、CMYKデジタル信号の画像データの2値化又は多値化処理を行う。
例えば、領域分離処理部104によって文字として分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部107において、特に黒文字又は色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理に含まれる鮮鋭強調処理により高周波数の強調量を大きくする。また、階調再現処理部109は、高域周波数の再現に適した高解像度の2値化又は多値化処理を行う。
また、領域分離処理部104によって網点として分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部107において、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理が行われる。そして、出力階調補正部108では、濃度信号などの信号をカラー画像出力装置3の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理が行われ、階調再現処理部109においては、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように2値化又は多値化する階調再現処理が行われる。
更に、領域分離処理部104によって写真として分離された領域に関しては、階調再現処理部109において、階調再現性を重視した2値化又は多値化処理が行われる。
階調再現処理部109で2値化又は多値化処理されたCMYKデジタル信号の画像データは、カラー画像出力装置3に出力される。カラー画像出力装置3は、カラー画像処理装置1から受け取った画像データのCMYKデジタル信号に基づいて、紙等の記録媒体上に画像を形成する装置、例えば、電子写真方式又はインクジェット方式のプリンタである。
操作パネル4は、オペレータがキー操作などにより指示入力を行うための入力手段である。オペレータの指示は、制御信号として、操作パネル4からカラー画像入力装置2、カラー画像処理装置1及びカラー画像出力装置3へ出力される。オペレータの指示により、カラー画像入力装置2で原稿画像が読み取られ、カラー画像処理装置1によるデータ処理後に、カラー画像出力装置3によって記録媒体上に画像が形成され、デジタルカラー複写機として機能する。以上の処理はCPUにより実行される。
本発明によれば、階調再現処理部109において実施の形態1乃至実施の形態7で詳述した処理を行うため、原画像の再現性が高い2値画像又は4値画像等を生成することが可能となる。つまり、原画像に比べ、エッジ部分がくっきりした画像を生成し、原画像の特徴部分を良好に保ちつつ、階調数を減少させた画像を形成することができる。また、ブルーノイズのDCT係数を加算することにより、ハイライト部分で画素同士が繋がらない画像を形成することができる。更に、ハイライト部分で画素同士が繋がらず、均一な黒色又は白色部分を保持する画像を形成することができる。
(実施の形態9)
本発明に係るコンピュータプログラム、該コンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取りが可能な記録媒体7、及び前記コンピュータプログラムを実行することにより画像処理装置として機能するコンピュータ5について説明する。図24は、本発明に係る画像処理装置として機能するコンピュータ5及び画像出力装置6を備える画像形成システムの機能ブロック図である。図25は、本発明に係る画像処理装置として機能するコンピュータ5の構成を示すブロック図である。画像形成システムは、コンピュータ5及び画像出力装置6を備える。画像出力装置6は、例えばプリンタであり、電子写真方式又はインクジェット方式の画像形成を行う。
コンピュータ5は、入力された画像データの色補正処理を行う色補正機能部50a、色補正された画像データの階調数、例えば256階調を2値又は4値などに減少させる閾値処理を行う階調再現処理機能部50b、及び閾値処理により階調数が減少した画像データをプリンタ言語へ変換するプリンタ言語翻訳機能部50cを有する。色補正機能部50aは、図23に示した色補正部105、黒生成下色除去処理部106、空間フィルタ処理部107、出力階調補正部108等と同様の機能を有し、階調再現処理機能部50bは、上述した実施の形態1乃至7の画像処理装置と同様の機能を有する。プリンタ言語翻訳機能部50cでプリンタ言語に変換された画像データは、通信ポートドライバ50dによりRS232C規格の端子、LANカード又はLANボード等の通信ポート55を介して外部の画像出力装置6へ出力される。
コンピュータ5の具体的構成を説明する。コンピュータ5は、バス51に接続しているCPU50を備える。バス51には、CPU50が後述する各種ハードウェアを制御するために必要な制御プログラムを記憶しているROM53、及び一時記憶用のDRAM等のRAM52が接続している。また、バス51に接続しているハードディスクドライブ等の記憶手段54は、本発明に係るコンピュータプログラムを記憶しており、CPU50が、前記コンピュータプログラムを起動して、所定のプログラム部分をRAM52に展開し、コンピュータプログラムに係る処理を実行することにより、コンピュータ5は実施の形態1乃至実施の形態7に係る画像処理装置と同様の機能を有する画像処理装置として機能する。入力部57はキーボード、マウス等で構成され、表示部58はコンピュータ5の処理結果、及びコンピュータ5に入出力する画像等を表示するCRTディスプレイ又は液晶ディスプレイ等で構成される。
外部記憶部56は、本発明に係るコンピュータプログラムを記録しているフレキシブルディスク、CD−ROM、DVD等の記録媒体7から、本発明に係るコンピュータプログラムを読み出すフレキシブルディスクドライブ又はCD−ROMドライブ等で構成される。外部記憶部56から読み出されたコンピュータプログラムは、記憶手段54によって記憶される。通信ポート55は、コンピュータ5により処理された画像を画像出力装置6に出力するためのインタフェースである。
本発明にあっては、CD−ROM等の記録媒体7に記録されたコンピュータプログラムを外部記憶部56で読出して記憶手段54又はRAM52に記憶してCPU50に実行させることにより、コンピュータ5を実施の形態1乃至実施の形態7の画像処理装置、実施の形態8に係る画像形成装置として機能させることが可能となる。
つまり、原画像に比べ、エッジがくっきりした画像を得ることができ、原画像の特徴部分を良好に保ちつつ、画像の階調数を減少させることができる画像処理装置を実現できる。また、ブルーノイズのDCT係数を加算することにより、画像の劣化を最小限に抑えつつ、階調値が大きいハイライト部分で画素同士が繋がることを防ぐことができる画像処理装置を実現できる。更に、階調値が大きいハイライト部分で画素同士が繋がることを防ぐ一方で、均一な黒色又は白色のブロックを得ることができ、良好な画像を得ることができる画像処理装置を実現できる。
更にまた、実施の形態5に相当する画像処理装置として機能させた場合、全ての交流成分の係数を変更する場合に比べ、画像の曲線部分にブロックパターンが発生することを効果的に防ぐことができ、原画像の特徴部分をより良好に保ちつつ、画像の階調数を減少させることができる。更にまた、実施の形態5に相当する画像処理装置として機能させた場合、すべての交流成分に同一の1より大きい実数を乗じる場合に比べ、画像の特徴部分を失うことなく、エッジ部分をより効果的に強調することができ、原画像の特徴部分を良好に保ちつつ、画像の階調数を減少させることができる。
なお、本実施の形態においては、本発明に係るコンピュータプログラムを記録した記憶媒体からコンピュータプログラムを読み出して記憶手段に記憶しているが、通信ポートを介してネットワークに接続されたコンピュータ又はワークステーション等の装置から本発明に係るコンピュータプログラムを受付けてハードディスクドライブ又はRAMに記憶してもよい。
また、記録媒体は、コンピュータによって直接的又は間接的に読み取り可能な記憶媒体であればよく、例えば、ROM若しくはフラッシュメモリ等の半導体素子、又はフレキシブルディスク、ハードディスク、MD若しくは磁気テープ等の磁気記憶媒体でも良い。また、CD−ROM、MO又はDVD等の光記憶媒体でも良い。記録媒体7の記録方式及び読取方式は問わない。
また、画像出力装置は、プリンタ機能に加えて、コピー機能、ファクシミリ機能を有するデジタル複合機であってもよい。