JP2006086554A - 無線通信装置及び無線通信方法、並びに伝送路測定装置及び伝送路測定方法 - Google Patents

無線通信装置及び無線通信方法、並びに伝送路測定装置及び伝送路測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 UWB方式の無線通信において、少ない回路点数でより高速且つ高精度な伝送路測定を行なう。
【解決手段】 伝送路測定部は、ベースバンドのクロック数をチップレートの整数分の1としていることから、伝送路測定部は、ショートコード毎の逆拡散により伝送路測定を行なうようになっている。そして、高速化と回路規模及び消費電力というトレードオフを勘案し、拡散ショートコードに含まれるチップ数の4分の1に相当する32個の逆拡散器を並列して配置し、これらを時分割で4回使用することにより、32個×4回=128ポイント分の測定を行なう。
【選択図】 図11

Description

本発明は、スペクトラム拡散された伝送信号を受信する無線通信装置及び無線通信方法、並びに伝送路測定装置及び伝送路測定方法に係り、特に、スペクトラム拡散された伝送信号のプリアンブル部を用いて伝送路測定を行なう無線通信装置及び無線通信方法、並びに伝送路測定装置及び伝送路測定方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、RF部におけるチップレート以下のクロック周波数を持つベースバンド部において、拡散コード毎の逆拡散により伝送路測定を行なう無線通信装置及び無線通信方法、並びに伝送路測定装置及び伝送路測定方法に係り、特に、高速化と回路規模及び消費電力とのトレードオフを勘案して、ショートコードの各チップを逆拡散する複数の逆拡散器を用いて伝送路測定を行なう無線通信装置及び無線通信方法、並びに伝送路測定装置及び伝送路測定方法に関する。
有線方式による機器間のケーブル配線からユーザを解放する通信システムとして、無線ネットワークが注目されている。無線ネットワークによれば、オフィスなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナル・コンピュータ(PC)などの通信端末を比較的容易に移動させることができる。近年では、無線LANシステムの高速化、低価格化に伴い、その需要が著しく増加してきている。特に最近では、人の身の回りに存在する複数の電子機器間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行なうために、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)の導入が検討されている。例えば、2.4GHz帯や、5GHz帯など、監督官庁の免許が不要な周波数帯域を利用して、異なった無線通信システム並びに無線通信装置が規定されている。
無線ネットワークに関する標準的な規格として、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(例えば、非特許文献1を参照のこと)や、HiperLAN/2(例えば、非特許文献2又は非特許文献3を参照のこと)やIEEE802.15.3、Bluetooth通信などを挙げることができる。IEEE802.11規格については、無線通信方式や使用する周波数帯域の違いなどにより、IEEE802.11a規格、IEEE802.11b規格…などの各種無線通信方式が存在する。
また、近年では、「ウルトラワイドバンド(UWB)通信」と呼ばれる、非常に広い周波数帯域でキャリアを使用せず1ナノ秒以下の超短パルス波に情報を載せて無線通信を行なう方式が、近距離超高速伝送を実現する無線通信システムとして注目され、その実用化が期待されている(例えば、非特許文献4を参照のこと)。現在、IEEE802.15.3などにおいて、ウルトラワイドバンド通信のアクセス制御方式として、プリアンブルを含んだパケット構造のデータ伝送方式が考案されている。
UWB通信は、超極細パルスを用いることにより高い時間分解能を持ち、この性質を使ってレーダやポジショニングを行なう「測距(Ranging)」をすることが可能である。特に、最近のUWB通信では、100Mbps超の高速データ伝送と元来の測距機能を併せ持つことができる(例えば、特許文献2を参照のこと)。
将来、UWBに代表される近距離通信のWPAN(Wireless Personal Access Network)はあらゆる家電品やCE(Consumer Electronics)機器に搭載されることが予想され、100Mbps超のCE機器間のP−to−P伝送や家庭内ネットワークの実現が期待されている。ミリ波帯の利用が普及した場合には1Gbps超の短距離無線も可能となり、ストレージデバイスなどを含む超高速な近距離用のDAN(Device Area Network)も実現可能となる。
また最近では、SS(Spread Spectrum:スペクトル拡散)方式を適用した無線LANシステムが実用化されている。スペクトラム拡散を用いると、周辺に同じ周波数を利用している通信があった場合でも、正常に通信可能となるための所要C/Iは0dBより低いレベルに設定することができる。つまり、通信機は自局の信号と同レベルで他人の信号を検出しても、自局は依然として通信可能ということである。特にUWBの場合、必要となるビットレートよりもともと占有している帯域幅がとても広いので、これを利用し易い。
SS方式の一種であるDS(Direct Spread:直接拡散)方式は、送信側において、情報信号にPN(Pseudo Noise:疑似雑音)符号と呼ばれるランダム符号系列を乗算することにより占有帯域を拡散して送信し、受信側において、受信した拡散情報信号にPN符号を乗算することにより逆拡散して情報信号を再生する。
UWB伝送方式には、DSの情報信号の拡散速度を極限まで高くしたDS−UWB方式や、数100ピコ秒程度の非常に短い周期のインパルス信号列を用いるインパルス−UWB方式などがある。
DS−UWB方式はPN符号速度によってスペクトラムを制御可能であるが、論理回路をGHzオーダの高速に動作させる必要性があることから消費電力が増加し易いという問題がある。一方、インパルス−UWB方式はパルス発生器と低速の論理回路の組み合わせで構成できるので消費電流を低減できるというメリットがあるが、パルス発生器でスペクトラムを制御することが難しいという問題がある。
また、どちらの方式も例えば3GHzから10GHzという超高帯域な周波数帯域に拡散して送受信を行なうことにより高速データ伝送を実現することができる。その占有帯域幅は、占有帯域幅をその中心周波数(例えば1GHz〜10GHz)で割った値がほぼ1になるようなGHzオーダの帯域であり、いわゆるW−CDMAやcdma2000方式、並びにSS(Spread Spectrum)やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を用いた無線LANにおいて通常使用される帯域幅と比較しても超広帯域なものとなっている。
従来、UWB伝送用のインパルス信号として、ガウス分布形状のモノサイクル・パルス(Gaussian Mono Cycle Pulse)が使われてきた。ここで、パルス生成における装置の線形性の要求を調べるために、ガウス形状のモノサイクル・パルスと矩形波形のモノサイクル・パルスについて比較してみる。例として、矩形は例のモノサイクル・パルスは、Tp=200[ps]で1[V]のものを考える。また、ガウス形状のモノサイクル・パルスは、以下の式で考えた。但し、同式中の3.16や3.3という定数は矩形波形モノサイクル・パルスと同等のスペクトルを持つような値として求められたものである。
Figure 2006086554
図23には、このときの時間波形を示している。また、図24には、これらモノサイクル・パルスのパワー・スペクトル密度(Power Spectrum Density)の周波数特性を比較している。但し、この電圧のパルスが毎秒1パルスで伝送され、50[ohm]で駆動したときのパワー・スペクトル密度[W/Hz=J]を示している。
図24から判るように、もし毎秒100メガ・パルスであれば、この値からさらに80dBだけ高い電力密度になる。ここに示したパルスのピークの電力密度は−211dBJくらいであるから、毎秒100メガ・パルスのとき、ちょうどFCCの規定である−41.3[dBm/MHz]=−131.3[dBW/Hz=dBJ]辺りとなる。
したがって、以下のことが結論として得られる。
(1)ガウス波形のモノサイクル・パルスと矩形波形のモノサイクル・パルスでは伝送帯域ではほとんど同じである。
(2)ガウス波形のモノサイクル・パルスは矩形波形のものよりもピーク電圧が高く、線形性も要求し、電力増幅を含め処理しづらい。
従来のUWB通信では、モノサイクル・パルスが使用されてきた。図25には、図24に示したパワー・スペクトル密度の周波数特性をデシベルではなく真数で表示してみた。真数である必要は特にないが、エネルギが線形的に示されていて直感的に好都合なことが多い。
ここで、スペクトラムの要求条件として以下の2点がある。
(1)FCCのスペクトラム・マスクの規定では3GHz以下は放射できない。
(2)4.9〜5.3GHz帯は、5GHz無線LANがあり、これを避けた方がよい。
また、線形表示のパワー・スペクトルを見ると、以下のような事柄を考察することができる。
(1)もし上記の要求条件を遵守しなければ、半分くらいの電力[3dB]しか送信できない。
(2)パルス波形が大きく乱れることが予想され、受信側ではさらに半分くらいのエネルギしか整合フィルタを通過しない。
(3)トータルで6[dB]以上のロスが生じる。
また、図26には、UWB通信システムにおける受信機の構成例(従来例)を示している。図示の受信機構成はDS−SS(直接スペクトラム拡散)の受信機と似通っている。
図示の例では、VCOは、パルス周期と同じ周波数で発振しているものとする。
受信機は、VCOのタイミングに従い、データをすべてゼロとしたパルス列を生成し、これをそれぞれパルス幅Tpの半分(Tp/2)ずつずれた波形を計3つ生成し、受信信号と乗算する。
パルス位置検出時には、VCOの周波数を意図的に少しずらすことにより、いずれパルス・タイミングが一致する時間が訪れる(スライディング相関)。
パルス・タイミングが一致したときは、乗算結果のエネルギが高くなることから、パルス位置を検出することができる。
パルス位置を検出した段階で、意図的に少しずらしたVCOの周波数を正しい周波数に戻すと同時にこのタイミングを維持するためにトラッキング動作に移行する。
中心(Puncture)に対して±Tp/2だけずれた波形と乗算したもののエネルギを求め、差し引いたものは、パルス位置誤差の正負に対応した正負の値が検出されるため、これをループ・フィルタを介してパルス位置トラッキングの制御電圧として用いる。
しかしながら、図26に示すような受信機構成の場合、信号パスを3分岐し、乗算意向の回路を3系統持つ必要があり、回路が複雑となる。
また、サーチ時とトラッキング時で周波数を変更する必要があり、この切り替えに要する時間のために、同期確立時間が長くなる。
また、パルス位置検出時に、雑音環境下で正しくパルス位置を検出するために複数回にわたってエネルギが高くなることを検出する必要がある。意図的にずらす周波数をごくわずかにし、複数回に渡って高くなるエネルギを平均化した後、パルス位置検出を行なう必要があり、同期確立時間が長くなる。
また、周波数をずらしたりトラッキングを行なったりする機構はアナログ回路により構成されるが、回路が複雑で、ばらつきなどの影響もあり、動作を安定させることが困難である。
また、パルス位置検出やトラッキングのときは、エネルギの値を用いるため、S/Nが劣化し、特性が劣化する。
特表2002−517001号公報 International Standard ISO/IEC 8802−11:1999(E) ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Edition, Part11:Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specifications ETSI Standard ETSI TS 101 761−1 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part1: Basic Data Transport Functions ETSI TS 101 761−2 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part2: Radio Link Control(RLC) sublayer 日経エレクトロニクス2002年3月11日号「産声を上げる無線の革命児Ultra Wideband」 P.55−66
本発明の目的は、ウルトラワイドバンド通信システムにおけるスペクトラムの問題を回避するパルスにより送受信を行なうことができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法、並びに伝送路測定装置及び伝送路測定方法を提供することにある。
本発明の目的は、とりわけ、耐干渉波能力を高めるためにDS−SS(直接スペクトラム拡散)と組み合わせられたウルトラワイドバンド通信システムにおける高速な伝送路測定方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、コード拡散された伝送信号を受信する無線通信装置であって、RF部とベースバンド部を備え、前記ベースバンド部において、拡散コードのチップ数の整数n1分の1の逆拡散器を並列的に配置し、これら複数の逆拡散器を時分割により複数回だけ用いて拡散コードのチップレート相当区間毎の逆拡散を行なって伝送路を測定する伝送路測定部を備えることを特徴とする無線通信装置である。
非常に広い周波数帯域でキャリアを使用せず1ナノ秒以下の超短パルス波に情報を載せて無線通信を行なうウルトラワイドバンド通信は、近距離超高速伝送を実現する無線通信システムとして注目され、その実用化が期待されている。また、耐干渉波能力を高めるためにDS−SS(直接スペクトラム拡散)と組み合わせられたウルトラワイドバンド通信システムも考案されている。
ここで、通常のスペクトラム拡散(SS)方式の受信機であればベースバンド部をチップレートと同じクロック周波数で動作可能である。ところが、UWB方式ではチップレートと同じクロック周波数では消費電力が過大となる。このため、本発明に係る無線通信装置では、ベースバンド部におけるクロック周波数をチップレートの整数分の1としている。
また、通常のスペクトラム拡散(SS)方式の受信機であれば、ベースバンド部をチップレートと同じクロック周波数で動作させ、スライディング相関をとることにより伝送路測定を行なうことができる。ところが、UWB方式では、ベースバンドのクロック数をチップレートの整数分の1としていることから、伝送路測定部は、ショートコード毎に逆拡散を行なうことにより、伝送路測定を行なうように構成される。
このような場合、高速化の観点からは、伝送路測定部に拡散コードのチップ数に相当する複数の逆拡散器を実装し、これらを同時並行して動作させることが理想的である。しかしながら、このような拡散コードのチップ数に相当する個数の逆拡散器を伝送路測定部に実装することは、回路規模や回路の消費電力の面で不利になる。
そこで、本発明では、高速化と回路規模及び消費電力というトレードオフを勘案し、拡散コードのチップ数よりも少ない個数の逆拡散器を並列して配置し、これらを時分割で数回使用することによりすべてのチップについて逆拡散演算を行なうことにしている。
例えば、拡散ショートコードのチップ数が128であるとすると、拡散ショートコードのチップ数の整数分の1、具体的には4分の1に相当する32個の逆拡散器を並列して配置し、これらを時分割で4回使用することにより、32個×4回=128ポイント分の測定を行なうことができる。
前記伝送路測定部は、例えば、RF部から受け取るパラレル受信信号をバッファリングし、且つ時系列順にシリアル変換するディレイライン回路と、幾つかの組に分かれた複数の逆拡散回路及び積算回路と、前記の組毎に逆拡散回路及び積算回路の出力を選択するセレクタ回路と、前記逆拡散回路及び積算回路における伝送路測定結果の移動平均演算を行なう移動平均回路と、前記移動平均回路による演算前後の値を格納するメモリ回路と、受信信号のエネルギ・レベルを算出するエネルギ算出回路と、受信位置毎のエネルギ値をソートし、その位置情報とともに出力するパス検出回路を備えている。そして、前記RF部におけるA/D変換のチップ・タイミングでサンプリングされた受信信号を伝送路測定用ショートコードで逆拡散した値を伝送路測定値とする。
このような伝送路測定部の構成によれば、高速な伝送路推定が可能になる。高速な伝送路推定により、シンボル/パルス位置の高速な検出が可能になる。数GHzの帯域幅に拡散した信号を用いたウルトラワイドバンド通信ではキャリア検出を行なうことができないが、高速なシンボル検出又はパルス検出によりCSMA(Carrier Sense Multiple Access)などのキャリアセンスと同様な動作が可能になり、CSMAのようなランダム・アクセス方式を採用できるようになる。また、伝送路推定結果を用いて、RAKE受信に必要なパラメータを容易に得ることができるようになる。
また、前記伝送路測定部は、選択された逆拡散回路及び積算回路の出力値を丸め処理を行なう丸め回路をさらに備えていてもよい。この場合、演算精度が適度に設定されることで回路処理の高速化につながる。
また、前記RF部におけるA/D変換のサンプリング・タイミングを制御可能な受信制御部をさらに備えていてもよい。例えば、チップ内位相0/4において伝送路測定を終了した後、サンプリングの位相を180度だけずらすことにより、チップ内位相2/4においても測定が可能となり、測定区間の時間分解能を高めることができる。
また、本発明に係る無線通信装置は、プリアンブル信号の終端を検出するプリアンブル終端検出部と、マルチパス信号のエネルギをRAKE合成して信号を復調するRAKE合成部とをさらに備えていてもよい。RAKE受信により、マルチパス伝搬路によって複数の遅延波が重畳した受信信号から逆拡散処理によって希望信号を分離し、分散した信号パワーを1つに集める。すなわち、直接スペクトラム拡散が持つ逆拡散による時間分解の効果を利用して、分離された各パスの信号を時間と位相をそろえて合成することができる。
また、受信信号は、一般に、受信するデータ信号の前にプリアンブル部が設けられ、プリアンブル部には自己相関特性のよいショートコード拡散による周期的なトレーニング部が設けられるという信号フォーマットを備えている。そして、前記伝送路測定部は、前記プリアンブル終端検出部はそれぞれのショートコードにより伝送路測定及びプリアンブルの終端検出を行なう。このような場合、高速な伝送路測定結果を基に情報信号を復調できるようになる。また、プリアンブル部の終端位置すなわちデータの開始位置が正確に判ることから、受信性能が向上する。
また、前記プリアンブル部にさらにAGC安定化のために前記複数のショートコードのうちいずれかを用いて拡散されたシンボル区間が設けるという信号フォーマットを適用することができる。このような場合、伝送路測定時の受信信号レベルが一定になり、受信性能が向上する。
また、前記の各逆拡散回路が1クロックに実施する逆拡散演算は入力信号のパラレル数に等しくなるように構成してもよい。
また、前記の各逆拡散回路へのパラレル入力信号は前記ディレイライン回路内の複数のタップから一定の間隔で取り込むようにしてもよい。
また、前記複数の逆拡散回路及び積算回路に対し、それぞれに適切な逆拡散タイミングを与えることで、測定時間を短縮するようにしてもよい。
また、前記の幾つかの組に分かれた複数の逆拡散回路及び積算回路に対し、それぞれ適切な逆拡散タイミングを与えることにより、測定時間を短縮することができる。その際、伝送路測定用ショートコードのチップ数をA、逆拡散回路及び積算回路が1クロック当たりに行なう逆拡散及び加算演算のチップ数をBとしたときに、制御周期がA÷Bクロックの関係となるように逆拡散タイミングを与えるようにする。このような場合、回路使用効率が上がり、結果的に回路規模低減化が可能になる。
また、前記伝送路測定部は、伝送路測定値のうち最もエネルギが大きくなった場所をシンボル/パルス位置と判断し、当該パルス位置でプリアンブル終了検出用ショートコードによる逆拡散演算を行ない、プリアンブル終了位置を検出するようにしてもよい。これによって、プリアンブルの終了位置すなわちデータ部の先頭位置が素早く正確に判り、受信性能向上化につながる。
また、パス検出回路により検出された複数のパスに対しそれぞれシンボル・パターンと相関をとることにより、測定値に含まれるトレーニング部のシンボル・パターンの影響を除去し、さらに内挿補間を行なって最終的な伝送路測定値とするようにしてもよい。これによって、伝送路測定の分解能を高めることができ、受信性能向上化につながる。
本発明によれば、耐干渉波能力を高めるためにDS−SS(直接スペクトラム拡散)と組み合わせられたウルトラワイドバンド通信システムにおける高速な伝送路測定方法を提供することができる。
また、本発明によれば、RF部におけるチップレートの整数分の1のクロック周波数を持つベースバンド部において、拡散コード毎の逆拡散により伝送路測定を好適に行なうことができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法、並びに伝送路測定装置及び伝送路測定方法を提供することができる。
また、本発明によれば、高速化と回路規模及び消費電力とのトレードオフを勘案して、ショートコードの各チップを逆拡散する複数の逆拡散器を用いて伝送路測定を行なうことができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法、並びに伝送路測定装置及び伝送路測定方法を提供することができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
UWBが用いられるPAN(Personal Area Network)では、基地局のようなものが一元的に周波数リソースを管理するのではなく、偏在する各無線局が周辺の無線局のリソース利用の様子を把握し、分散的な制御により周波数を利用することが空間的周波数再利用の観点から好ましいと思料される。特にUWBの場合、超広帯域を利用し(前述)、周波数分割による空間的周波数再利用ができないので、特にその要求は高い。
この場合、スペクトラム拡散を用いると、周辺に同じ周波数を利用している通信があった場合でも、正常に通信可能となるための所要C/Iは0dBより低いレベルに設定することができる。つまり自分の信号と同レベルで他人の信号を検出しても、自分は依然として通信可能ということである。特にUWBの場合、必要となるビットレートよりもともと占有している帯域幅がとても広いので、これを利用し易い。
UWBにおける帯域幅はパルスレートに関係なくパルス幅によって決まる。パルス幅の細さによる広帯域幅はスペクトル拡散の一種ではあるが、ここでの話には適用できない。この場合の耐干渉波能力は、たまたまパルス位置が異なれば成り立つが、たまたまパルス位置が一致してしまえば、耐干渉波能力は期待できない、言い換えると時の運であるからである。したがって、パルス幅の小ささによる拡散に加えて直接拡散による実効的なスペクトラム拡散を行なうことが好ましい。
本明細書では、耐干渉波能力を高めるためにDS−SS(直接スペクトラム拡散)と組み合わせられたウルトラワイドバンド通信システムにおける伝送路測定方法などについて提案する。以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
A.無線通信装置の構成
図1には、本発明の一実施形態に係る無線通信装置におけるRF部の構成を模式的に示している。図示のRF部は、典型的なπ/2シフトBPSK(Binary Phase Shift Keying)方式の送受信機であるが、A/D変換以降のベースバンド側からの制御信号により、1GHzのサンプリング周波数の位相を4段階に切り替えられる構成となっている。
送信系統では、ベースバンド部から贈られてきた送信信号は、パラレル−シリアル変換された後、500MHzのタイミングにより奇数タイミングと偶数タイミングに交互に振り分けられパルス整形される。これらは直交関係にある4GHzのキャリアによりそれぞれBPSK変調されて加算され、パワーアンプにより増幅した後、RFフィルタ経由でアンテナから無線送信する。図2には、信号波形のイメージを示している。
受信系統では、アンテナで受信した無線信号でRFフィルタ及び低雑音アンプを経由し、中心周波数信号4GHz及びその90度の位相差を持つ周波数信号で周波数合成して直交検波を行なうことでI軸及びQ軸信号に分離し、それぞれをRSSI(受信信号電界強度)に基づいてAGCを掛ける。そして、A/D変換器により1GHz間隔でデジタル信号としてサンプリングされる。さらにサンプリングされたI/Q信号はシリアル−パラレル変換され、以降はベースバンド部によるデジタル処理に委ねる。
ローカル発振器により生成されるローカル周波数4GHzがRF部におけるキャリア周波数となる。
また、このキャリア周波数は1/4分周され、A/D変換器のサンプルレートすなわちチップレート1GHzとして供給される。
また、チップレート1GHzはさらに1/8分周されて、ベースバンド部(後述)のクロック周波数125MHzとして与えられる。
ここで、ベースバンド部のクロック周波数はチップレートの整数分の1で且つプロセスで実現可能な動作速度から選択すればよい。通常のスペクトラム拡散(SS)方式の受信機であればベースバンド部をチップレートと同じクロック周波数で動作可能である。ところが、UWB方式ではチップレートと同じクロック周波数では消費電力が過大となるため、チップレートの整数分の1としている。
また、発振器は、ベースバンド部からの移相指令(PhaseShift)に応答して、チップ・タイミングすなわちチップ内位相を0/4から2/4に切り替える。
図3には、本発明の実施形態に係る無線通信装置におけるベースバンド部の構成を模式的に示している。図示のベースバンド部は、送信系統として情報信号の拡散処理を行なう拡散変調部(Direct Spreader)を備え、受信系統として、伝送路の遅延プロファイル測定を行なう伝送路測定部(Channel Measure)、プリアンブル信号の終端を検出するプリアンブル終端検出部(PreambleEndDetect)、並びにマルチパス信号のエネルギをRAKE合成して信号を復調するRAKE合成部を備えている。これら送受信系統の各機能回路部は、物理層シーケンス制御部(PhySewquenceControl)により統括的にコントロールされる。
このベースバンド部の送信系統では、通信プロトコルの上位層に相当するMAC層制御部から送られてきた送信信号を拡散変調部により直接拡散を施し、RF部の送信系統へ送出する。ベースバンド部の受信系統における信号処理手順については後述に譲る。
B.信号フォーマットとプリアンブル・パターン
図4には、本発明の実施形態において、無線伝送に用いられる信号のフォーマット構成例を模式的に示している。
図示のように、送信信号は、信号検出並びに同期獲得などの処理を行なうためのプリアンブル(Preamble)部と、PHY層用の制御情報を記述したPHYヘッダ部と、ペイロード(Payload)部で構成される。ペイロード部は、さらにMACヘッダ部とMACペイロード部に分離することができるが、本発明の要旨に直接関連しないので、ここでは説明を省略する。
プリアンブル部は、128チップからなるショートコード・パターン(Spread Sequence)のパターンにより構成される。本実施形態では、自己相関特性のよい2つのショートコードパターンA及びBが用意されている。
プリアンブル部の先頭ではパターンBを複数回繰り返し、AGCのゲインを安定させるための領域として使用される。図4に示す例では、AGC用に3回だけパターンBが繰り返されているが、AGCが安定する期間分だけ当該領域を確保する必要がある。
また、AGC用の領域以降には、パターンAを10シンボル用いて構成される伝送路測定用のトレーニング・パターンが5回だけ繰り返して配置される。
さらに、トレーニング・パターン以降には、パターンBを7つ用いて構成されるプリアンブル終端検出用のパターンが配置される。
但し、本発明の要旨は、図4に示したフォーマット構成に限定されるものではなく、各パターンを構成するパラメータ値などは適宜変更が可能である。
C.受信信号処理手順
図5には、図3に示した受信系統の構成をより詳細に示している。ベースバンド部の受信系統は、伝送路の遅延プロファイル測定を行なう伝送路測定部(Channel Measure)、プリアンブル信号の終端を検出するプリアンブル終端検出部(PreambleEndDetect)、並びにマルチパス信号のエネルギをRAKE合成して信号を復調するRAKE合成部を備え、物理層シーケンス制御部(PhySewquenceControl)により統括的にコントロールされる。
以下の説明では、RF部のキャリア周波数を4GHz、A/D変換のサンプルレートすなわちチップレートを1GHz、ベースバンド部のクロック周波数を125MHzとする。
ここで、ベースバンド部のクロック周波数はチップレートの整数分の1で且つプロセスで実現可能な動作速度から選択すればよい。本実施形態では、クロック周波数125MHzは、チップレート1GHzの8分の1に相当する。通常のスペクトラム拡散(SS)方式の受信機であればベースバンド部をチップレートと同じクロック周波数で動作可能である。ところが、UWB方式ではチップレートと同じクロック周波数では消費電力が過大となるため、チップレートの整数分の1としている。
C−1.伝送路測定部における処理
RF部で受信したプリアンブル信号は、キャリア周波数4GHz及びその90度位相差を持つ周波数により直交検波して分離されたI軸及びQ軸信号は、A/D変換器によりデジタル信号に変換された後、伝送路測定部(ChannelMeasure)に入力され、伝送路の遅延プロファイル測定が行なわれる。
通常のスペクトラム拡散(SS)方式の受信機であれば、ベースバンド部をチップレートと同じクロック周波数で動作させることが可能である。この場合であれば、スライディング相関をとることにより伝送路測定を行なうことができる。ところが、UWB方式ではチップレートと同じクロック周波数では消費電力が過大になるという理由により、ベースバンドのクロック数をチップレートの整数分の1としていることから(前述)、スライディング相関を利用した伝送路測定を行なうことができない。
このため、本実施形態では、伝送路測定部は、ショートコード毎に逆拡散を行なうことにより、伝送路測定を行なう。測定する区間は、ショートコードのチップ数128×チップレート1ナノ秒=128ナノ秒である。
また、ここでの測定の分解能は、キャリア周波数4GHzに相当する区間である250ピコ秒(=1/4GHz)に選ばれている。チップレートが1ナノ秒であるのに対し、250ピコ秒だけずれた4つの測定ポイントがあることになる。ここでは、各測定ポイントをそれぞれチップ内位相の0/4、1/4、2/4、3/4のポイントと呼ぶことにする。
ここで、伝送路測定部におけるチップ内位相の測定手順について説明しておく。伝送路測定部は、物理層シーケンス制御部からの伝送路測定指令(MeasureControl)に応答して伝送路の測定を行なう。
最初に、チップ内位相の0/4ポイントを測定する。128ナノ秒区間すなわち128ポイントを0.64マイクロ秒(ベースバンド・クロックに換算して80クロック)だけかけて測定する。伝送路測定部は、0/4のポイントが終了すると、128ポイントのうち信号レベルの大きなパスを所定数(ここではN個とする)だけ選び出し、各々の位置(BigPathIndex)とエネルギ値(BigPathEnergy)を物理層シーケンス制御部に出力する。
また、物理層シーケンス制御部は、0/4のポイントの測定結果を受け取ると、RF部に対し、チップ・タイミングをずらすための移相指令(PhaseShift)を出力する。RF部は、これに応答して、チップ内位相を0/4から2/4に切り替える。
続いて、伝送路測定部は、物理層シーケンス制御部からの伝送路測定指令(MeasureControl)に応答して、今度はチップ内位相の2/4ポイントを測定する。128ナノ秒区間すなわち128ポイントを0.64マイクロ秒(ベースバンド・クロックに換算して80クロック)だけかけて測定する。伝送路測定部は、2/4のポイントが終了すると、128ポイントのうち信号レベルの大きなパスを所定数(ここではN個とする)だけ選び出し、各々の位置(BigPathIndex)とエネルギ値(BigPathEnergy)を物理層シーケンス制御部に出力する(同上)。
この時点で、伝送路測定部は、チップ内位相の0/4及び2/4のポイントについて1回目の測定が完了する。以降は同様の測定を繰り返し、これらの測定結果の移動平均をとることによって、測定値のS/Nを向上する。
図6には、伝送路測定部により、チップ内位相の0/4及び2/4の各ポイントにおいてそれぞれ128ナノ秒区間だけエネルギ値を測定したイメージを例示している。同図では、128ナノ秒区間において各チップ内位相0/4及び2/4それぞれの128個の測定ポイントが交互に配置されている。そして、各チップ内位相0/4及び2/4において、信号レベルの大きいパスからN個(図示の例ではN=5、すなわちMax0〜Max4)がそれぞれ選ばれ、位置(Index)とともにそのエネルギ値が物理層シーケンス部に出力される。
C−2.プリアンプ終端検出部における処理
物理層シーケンス制御部は、信号を検出すると、伝送路測定を終わり、プリアンブル終端検出部に最大のエネルギが検出されたパスの位置(Index)を渡す。図6に示した例では、位置情報としてIndex2が渡される。
プリアンブル終端検出部では、この最大パスについてプリアンブルの終了を示す信号を検出し、物理層シーケンス制御部にこの値(PreambleEndDetectDecisionValue)を返す。
物理層シーケンス制御部は、上述のプリアンブル終端検出処理と並行して、検出したパスの位置(Index)と±2/4位相だけチップ内位相ずれのある複素振幅値を伝送路測定部から取得する。図6に示した例では、図7に示すような複素振幅値となるので、(1,2,2)、(2,3,3)、(4,5,5)、(6,7,7)、(124,125,125)が送られる。この複素振幅値は、後述するように、±1/4だけずれたチップ内位相すなわち1/4及び3/4の各ポイントにおける振幅を補間により求めるために使用される。
C−3.内挿補間
物理層シーケンス制御部では、伝送路測定部から受信した、チップ内位相0/4及び2/4の各ポイントにおけるN個のパスについて、伝送路複素振幅値の測定データに含まれるプリアンブルに掛けられたトレーニング・パターンの影響を取り除く。その後、既に測定したポイントから±1/4だけずれたポイント、すなわちチップ内位相が1/4及び3/4となるポイントにおける複素振幅値を、内挿補間により補間する。内挿補間した補間値を用いることにより、チップ内位相0/4及び2/4の各ポイントにおける測定値のみを用いた場合よりも、プリアンブル終端検出の精度を向上させることができる。
この内挿補間は、伝送路推定部で検出したパスの複素振幅値と、その位置から±2/4位相だけずれた複素振幅値を用いて行なう。図8には、内挿補間を行なう様子を示している。検出したパスの振幅値をMmax、その位置から±2/4位相だけずれた位置における測定値をそれぞれM-2/4、M+2/4とおくと、以下の式により内挿補間した補間値I1及びI2を得ることができる。
1=a/b×(M-2/4+Mmax
2=a/b×(Mmax+M+2/4
ここで、a及びbは整数であり、振幅曲線を近似し且つハードウェア的に構成が容易な数字に設定される。本実施形態では、a=9〜10、b=16が選ばれている。
図9には、図6に示したチップ内位相0/4及び2/4の各ポイントにおける測定値に基づいて、チップ内位相が1/4及び3/4となるポイントにおける振幅値を128ナノ秒区間にわたり内挿補間した様子を示している。
物理層シーケンス制御部は、0/4、1/4、2/4、3/4の各チップ内位相のうち最適な位相を見つけ出したら、RF部に対し、チップ・タイミングを変更するコマンドを送付し、受信系をその位相に合わせる。
C−4.RAKE合成部
無線信号を送受信する場合の問題点の1つとして、マルチパス・フェージングを挙げることができる。これは、通信電波が建物やその他の物体などに反射することにより異なる経路で受信側に到達し、異なる方向から到達した電波同士が干渉しあうことにより受信信号が乱れる現象である。
RAKE受信は、複数の電波を受信することを意味し、マルチパス伝搬路によって複数の遅延波が重畳した受信信号から逆拡散処理によって希望信号を分離し、分散した信号パワーを1つに集める。すなわち、直接スペクトラム拡散が持つ逆拡散による時間分解の効果を利用して、分離された各パスの信号を時間と位相をそろえて合成する(例えば、パスのS/N比に従って重み付けして最大比合成する)。RAKE受信によれば、時間的に分散した希望信号電力を有効に合成することができる。
本実施形態では、上述した操作によりプリアンブルの終端を見つけると、まもなくデータ本体(すなわちPHYヘッダ及びペイロード)が到来する。物理層シーケンス制御部は、このタイミングに合わせて、RAKE合成部にN個のパスそれぞれの伝送路複素振幅値と拡散率をセットし、RAKE合成処理を開始させる。受信シンボルであるRAKE合成部の出力のI軸成分が復調データとなる。
D.伝送路測定部
この項では、伝送路測定部の詳細について説明する。
通常のスペクトラム拡散(SS)方式の受信機であれば、ベースバンド部をチップレートと同じクロック周波数で動作させ、スライディング相関をとることにより伝送路測定を行なうことができる。ところが、UWB方式ではチップレートと同じクロック周波数では消費電力が過大になるという理由により、ベースバンドのクロック数をチップレートの整数分の1としていることから(前述)、伝送路測定部は、ショートコード毎に逆拡散を行なうことにより、伝送路測定を行なうように構成されている。
まず、128チップからなる拡散ショートコードのチップ内位相0/4に対応する、A/Dのサンプリング周期1ナノ秒毎に128ポイントの測定を行なう。ここでは、信号受信期間は伝送路の時間変動に対し十分に短いということを前提としている。したがって、受信中はマルチパス・レベルがほぼ一定であるとみなすことができる。
128チップからなる拡散ショートコードを使用することから、1ポイント当たり128の逆拡散演算が必要である。その演算に必要な時間は、チップレートが1ナノ秒(=1/1GHz)であることから、128ナノ秒となる。これは、ベースバンド・クロックでは16クロック分に相当する。
このような場合、高速化の観点からは、伝送路測定部に128個の逆拡散器を実装し、これらを同時並行して動作させることが理想的である。すなわち、128個の逆拡散器を1チップずつずらして、各ポイントにおける128の逆拡散演算を同時並行して処理する。図10には、この様子を図解している。最初のポイントの逆拡散演算を開始してから128番目のポイントの逆拡散演算が開始するまでに128ナノ秒かかり、1ポイント当たりの逆拡散演算が128ナノ秒を要することから、図示の場合の128ポイントを測定するのに必要な時間は、256ナノ秒となる。
しかしながら、このような拡散ショートコードのチップ数に相当する128個の逆拡散器を伝送路測定部に実装することは、回路規模や回路の消費電力の面で不利になる。
本発明者らは、高速化と回路規模及び消費電力というトレードオフを勘案し、拡散ショートコードのチップ数よりも少ない個数の逆拡散器を並列して配置し、これらを時分割で数回使用することにより、すべてのチップについて逆拡散演算を行なうことにした。
例えば、拡散ショートコードのチップ数の整数分の1、具体的には4分の1に相当する32個の逆拡散器を並列して配置し、これらを時分割で4回使用することにより、32個×4回=128ポイント分の測定を行なうことができる。図11には、この様子を図解している。
この場合、最初のポイントの逆拡散演算を開始してから32番目のポイントの逆拡散演算が開始するまでに32ナノ秒かかり、1ポイント当たりの逆拡散演算が128ナノ秒を要することから、1回当たりの逆拡散演算には32+128=160ナノ秒だけ係る。これを時分割で4回繰り返すことから、図11の場合の128ポイントを測定するのに必要な時間は、160ナノ秒×4回=640ナノ秒となる。
図11に示したように、32個の逆拡散器を並列して配置し、128チップを4つのブロックに分けて時分割で伝送路測定を行なう場合、物理層シーケンス制御部は、ブロック毎の測定開始のトリガと、測定ポイントの位置を伝送路測定部に伝えることにより、この動作を実現することができる。図12には、物理層シーケンス制御部が伝送路測定部に対して伝送路測定の制御を行なう動作シーケンスを示している。
上述したように、チップ内位相0/4に対応する拡散ショートコード128ポイントの測定は、160ナノ秒×4回=640ナノ秒で終了する。これに応答して、物理層シーケンス制御部は、RF部に対しADサンプリングの位相を180度だけずらすための制御信号PhaseShiftを出力してチップ内位相を2/4だけずらし、続いてチップ内位相2/4に対応する128ポイントの伝送路測定を開始する。このときのずらし量は、チップレートの半分に相当する0.5ナノ秒である。
チップ内位相2/4における128ポイントの伝送路測定は、チップ内位相0/4の場合と同様にして行なわれる。すなわち、32個の逆拡散器を時分割で4回使用することにより、32個×4回=128ポイント分の測定を行なう(図11を参照のこと)。128ポイントを測定するのに必要な時間は、160ナノ秒×4回=640ナノ秒である。
この時点で、伝送路測定部は、チップ内位相の0/4及び2/4のポイントについて1回目の測定が完了する。これで128ナノ秒の区間をチップレートの半分に相当する0.5ナノ秒のサンプリングで測定したことになる(等価的に2倍オーバーサンプリング相当)。この測定に必要な時間は、640ナノ秒×2回=1.28マイクロ秒である。
以降は同様の測定を繰り返し、これらの測定結果の移動平均をとることによって、測定値のS/Nを向上する。図13には、この場合の測定シーケンスを模式的に示している。チップ内位相0/4又は2/4において、128ポイントを1セットとする伝送路測定が繰り返し行なわれ、各セットの測定結果がメモリに格納される。そして、メモリから(k−3)回目〜k回目の測定結果を読み出し、これらの移動平均を取ることによって、S/Nを向上していく。
その後、既に測定したポイントから±1/4だけずれたポイント、すなわちチップ内位相が1/4及び3/4となるポイントにおける複素振幅値を、内挿補間により補間する。内挿補間した補間値を用いることにより、チップ内位相0/4及び2/4の各ポイントにおける測定値のみを用いた場合よりも、プリアンブル終端検出の精度を向上させることができる。内挿補間の方法については既に述べた通りなので、ここでは説明を省略する。
図14には、この場合の伝送路測定シーケンスを図解している。図示のように、128チップからなる拡散ショートコードが32個毎に時分割され、4回の測定動作により128ポイントの測定が完了する。このような動作がチップ内位相0/4及び2/4においてそれぞれ行なわれ、全体として1.28マイクロ秒の所要時間を以って1セットの測定が完了する。
E.伝送路測定部の回路構成
前項Dまでで説明したように、本実施形態に係る伝送路測定部は、ベースバンドのクロック数をチップレートの整数分の1としていることから(前述)、伝送路測定部は、ショートコード毎の逆拡散により伝送路測定を行なうようになっている。そして、高速化と回路規模及び消費電力というトレードオフを勘案し、拡散ショートコードのチップ数の4分の1に相当する32個の逆拡散器を並列して配置し、これらを時分割で4回使用することにより、32個×4回=128ポイント分の測定を行なう。
図15には、伝送路測定部の回路構成を示している。図示のように、伝送路測定部は、RF回路からのパラレル受信信号をバッファリングし、且つ時系列順にシリアル変換するディレイライン回路と、4個ずつ8組に分かれた32個の逆拡散回路及び積算回路と、上記8組の逆拡散&積算器の出力を選択するセレクタ回路と、選択された逆拡散及び積算器の出力値を丸め処理を行なう丸め回路と、移動平均演算を行なう移動平均回路並びにこの演算前後の値を格納するメモリと、受信信号のエネルギ・レベルを算出するエネルギ算出回路と、エネルギ値をソートし、その位置情報とともに出力するパス検出回路と、これらの回路を制御する制御回路を備えている。
図示の回路構成では、32個の逆拡散回路及び積算回路は、4個ずつ8組に分かれている。この組を以下ではクラスタ(Cluster)と呼ぶこととする。
以下、図15を参照しながら、伝送路測定部の内部動作について詳解する。
RF部では、受信された受信信号は、サンプルレート1GHzのA/D変換によりンプリングされる。そして、サンプリングされたI軸及びQ軸それぞれの信号はシリアル−パラレル変換器により8サンプル毎にパラレル化されてベースバンド部に引き渡される。
ベースバンド部では、8パラレルになった受信信号I軸成分とQ軸成分は遅延(Delay Line)回路によりそれぞれ104サンプルのシリアルに変換される。そこから12サンプル毎に4つのタイミングで8サンプル・パラレルに変換された信号を4つ得る。
図16には、遅延回路の内部構成を示している。上記の動作について、同図を参照しながら具体的に説明する。シリアル・データのうち、クラスタ0に対しての入力として以下のデータが選ばれている。これらがクラスタ0内の4つの逆拡散器への入力となる。
・5〜12の8サンプル
・6〜13の8サンプル
・7〜14の8サンプル
・8〜15の8サンプル
また、クラスタ1に対しての入力は、クラスタ0への入力から12サンプルだけ離れたところから始まり、それぞれ以下のデータが選ばれている。
・17〜24の8サンプル
・18〜25の8サンプル
・19〜28の8サンプル
・20〜29の8サンプル
以降同様にシリアルデータから各クラスタへの入力が12サンプルおきに選ばれている。
次に、逆拡散器及び積算器(Despreader/Accumlator)について、図17を参照しながら説明する。前述の通り、32個の逆拡散器及び積算器を4個ずつ8組に分け、これらの組をクラスタ(Cluster)と呼ぶ。この構成で32ポイント分の伝送路測定を4ポイント×8クラスタとして測定する。
逆拡散器はベースバンド・クロックの1クロックにつき8チップ分の逆拡散演算を行なう。つまり、1個の逆拡散回路が1クロックに実施する逆拡散演算は入力信号のパラレル数に等しい。
この演算値を積算器にて累積加算する。この累積加算が16回(16クロック)だけ行なわれることにより、1/128だけ逆拡散されたことになる。
この処理が1クラスタ内にある4個の逆拡散器及び積算器において同時に行なわれている。つまり、1クラスタからは4ポイント分の1/128逆拡散演算結果が16クロック毎に用意される。
ここで、8つのクラスタは2クロックずつずれて動作するように制御されている。これにより、各クラスタからは2クロック毎に順番に演算結果が出力されることになる。
各クラスタからの出力は2クロック毎に順番にセレクタ回路(Cluster Output Selector)で選択される。図18には、セレクタ回路の制御シーケンスのイメージを示している。
すなわち、各クラスタからの演算結果は、ちょうど16クロック周期で選択され出力されることになる。この制御周期(16クロック)は、伝送路測定用ショートコードのチップ数をA、逆拡散部が1クロックに行なう逆拡散及び累積加算演算のチップ数(入力ビット幅)をBとした場合、A÷B [クロック]の関係になるように選ばれる。本実施形態では、ショートコードのチップ数は128チップで、ベースバンド・クロック1クロックにつき8チップ分の逆拡散演算を行なうことから、A÷B=128÷8=16となる。
以上の構成をとることにより、少ない回路点数で効率的に伝送路測定演算が可能となる。
セレクタ回路で選択された演算結果(=伝送路測定結果測定結果)は、丸め回路(Round Limit)によって丸め処理が行なわれた後、S/N向上化のために移動平均(Moving Average)の処理がなされる。図15に示す構成では4回の移動平均を行なっている。メモリを使い、図19のように構成されているが、同一測定ポイントでは等価的に図20並びに下式に示すような処理がなされている。
Figure 2006086554
メモリは、125MHzのサイクルを考え、複数データがパラレルに、4ポイント×I/Qを1ワードとして扱われる。図21には、伝送路測定データを格納するメモリ・マップの構成例を示している。
また、図22には、移動平均値を格納するメモリ・マップの構成例を示している。移動平均の計算をするのと同時に、チップ内位相の0/4及び2/4それぞれのケースで測定データのエネルギ値を計算し、128ポイントのうち最も大きな8ポイントのエネルギ値とその位置(Index)が求められる。チップ内位相の0/4及び2/4それぞれのケースで128ポイントの最大検出が終わると、物理層シーケンス制御部に結果が渡される。
物理層シーケンス制御部では、この情報を用いて信号検出を行なう。信号検出ができれば、伝送路測定部は動作を止める。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、スペクトラム拡散してウルトラワイドバンド通信を適用した実施形態を中心に本発明について説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、通常のスペクトラム拡散を行なう通信方式であっても、本発明が同様に実現可能であることは言うまでもない。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、本発明を実現するのに適した典型的なパーソナル・コンピュータ(PC)100のハードウェア構成を模式的に示した図である。 図2は、信号波形のイメージを示した図である。 図3は、本発明の実施形態に係る無線通信装置におけるベースバンド部の構成を模式的に示した図である。 図4は、信号フォーマットとプリアンブル・パターンの構成例を示した図である。 図5は、図3に示した受信系統の構成をより詳細に示した図である。 図6は、伝送路測定部により、チップ内位相の0/4及び2/4の各ポイントにおいてそれぞれ128ナノ秒区間だけエネルギ値を測定したイメージを例示した図である。 図7は、検出したパスの位置(Index)と±2/4位相だけチップ内位相ずれのある複素振幅値を伝送路測定部から取得した様子を示した図である。 図8は、伝送路推定部で検出したパスの複素振幅値と、その位置から±2/4位相だけずれた複素振幅値を用いて内挿補間を行なった様子を示した図である。 図9は、図6に示したチップ内位相0/4及び2/4の各ポイントにおける測定値に基づいて、チップ内位相が1/4及び3/4となるポイントにおける振幅値を128ナノ秒区間にわたり内挿補間した様子を示した図である。 図10は、128個の逆拡散器を1チップずつずらして、各ポイントにおける128の逆拡散演算を同時並行して処理する様子を示した図である。 図11は、拡散ショートコードのチップ数128の4分の1に相当する32個の逆拡散器を並列して配置し、これらを時分割で4回使用することにより、32個×4回=128ポイント分の測定を行なう様子を示した図である。 図12は、物理層シーケンス制御部が伝送路測定部に対して伝送路測定の制御を行なう動作シーケンスを示した図である。 図13は、測定結果の移動平均をとる測定シーケンスを説明するための図である。 図14は、伝送路測定シーケンスを説明するための図である。 図15は、伝送路測定部の回路構成を示した図である。 図16は、遅延回路の内部構成を示した図である。 図17は、逆拡散器及び積算器の内部構成を示した図である。 図18は、セレクタ回路の制御シーケンスのイメージを示した図である。 図19は、移動平均回路の構成を示した図である。 図20は、図19に示した移動平均回路の等価回路の構成を示した図である。 図21は、伝送路測定データを格納するメモリ・マップの構成例を示した図である。 図22は、移動平均値を格納するメモリ・マップの構成例を示した図である。 図23は、ガウス形状のモノサイクル・パルスの時間波形を示した図である。 図24は、ガウス形状及び矩形のモノサイクル・パルスのパワー・スペクトル密度の周波数特性を示した図である。 図25は、ガウス形状及び矩形のモノサイクル・パルスのパワー・スペクトル密度の周波数特性を示した図である。 図26は、ウルトラワイドバンド通信システムにおける受信機の構成例(従来例)を示した図である。

Claims (32)

  1. コード拡散された伝送信号を受信する無線通信装置であって、
    RF部とベースバンド部を備え、
    前記ベースバンド部において、拡散コードのチップ数の整数n1分の1の逆拡散器を並列的に配置し、これら複数の逆拡散器を時分割により複数回だけ用いて拡散コードのチップレート相当区間毎の逆拡散を行なって伝送路を測定する伝送路測定部を備える、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記ベースバンド部は、前記RF部におけるチップレートの整数n2分の1のクロック周波数を持つ、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 超広帯域でキャリアを使用せず1ナノ秒以下の超短パルス波に情報を載せるウルトラワイドバンド通信を行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 前記伝送路測定部は、
    RF部から受け取るパラレル受信信号をバッファリングし、且つ時系列順にシリアル変換するディレイライン回路と、
    幾つかの組に分かれた複数の逆拡散回路及び積算回路と、
    前記の組毎に逆拡散回路及び積算回路の出力を選択するセレクタ回路と、
    前記逆拡散回路及び積算回路における伝送路測定結果の移動平均演算を行なう移動平均回路と、
    前記移動平均回路による演算前後の値を格納するメモリ回路と、
    受信信号のエネルギ・レベルを算出するエネルギ算出回路と、
    受信位置毎のエネルギ値をソートし、その位置情報とともに出力するパス検出回路と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  5. 前記伝送路測定部は、選択された逆拡散回路及び積算回路の出力値を丸め処理を行なう丸め回路をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  6. 前記伝送路測定部は、前記RF部におけるA/D変換のチップ・タイミングでサンプリングされた受信信号を伝送路測定用ショートコードで逆拡散した値を伝送路測定値とする、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  7. 前記RF部におけるA/D変換のサンプリング・タイミングを制御可能な受信制御部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  8. プリアンブル信号の終端を検出するプリアンブル終端検出部と、
    マルチパス信号のエネルギをRAKE合成して信号を復調するRAKE合成部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  9. 受信信号は、受信するデータ信号の前にプリアンブル部が設けられ、プリアンブル部には自己相関特性のよい複数のショートコード拡散による周期的なトレーニング部が設けられ、
    前記伝送路測定部及び前記プリアンブル終端検出部はそれぞれのショートコードにより伝送路測定及びプリアンブルの終端検出を行なう、
    ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置。
  10. 前記プリアンブル部にさらにAGC安定化のために前記複数のショートコードのうちいずれかを用いて拡散されたシンボル区間が設けられている、
    ことを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。
  11. 前記の各逆拡散回路が1クロックに実施する逆拡散演算は入力信号のパラレル数に等しい、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  12. 前記の各逆拡散回路へのパラレル入力信号は前記ディレイライン回路内の複数のタップから一定の間隔で取り込まれている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  13. 前記複数の逆拡散回路及び積算回路に対し、それぞれに適切な逆拡散タイミングを与える、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  14. 前記の幾つかの組に分かれた複数の逆拡散回路及び積算回路に対し、それぞれ適切な逆拡散タイミングを与える、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  15. 伝送路測定用ショートコードのチップ数をA、逆拡散回路及び積算回路が1クロック当たりに行なう逆拡散及び加算演算のチップ数をBとしたときに、制御周期がA÷Bクロックの関係となるように逆拡散タイミングを与える、
    ことを特徴とする請求項14に記載の無線通信装置。
  16. 前記伝送路測定部は、伝送路測定値のうち最もエネルギが大きくなった場所をシンボル/パルス位置と判断し、当該パルス位置でプリアンブル終了検出用ショートコードによる逆拡散演算を行ないプリアンブル終了位置を検出する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  17. 前記パス検出回路により検出された複数のパスに対しそれぞれシンボル・パターンと相関をとることにより、測定値に含まれるトレーニング部のシンボル・パターンの影響を除去し、さらに内挿補間を行なって最終的な伝送路測定値とする、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  18. 前記内挿補間は、検出したパスの振幅値をMmax、その前後の測定値をそれぞれM-2/4及びM+2/4とし、以下の式により補間値I1、I2を求める、
    ことを特徴とする請求項17に記載の無線通信装置。
    1=a/b×(M-2/4+Mmax
    2=a/b×(Mmax+M+2/4
  19. コード拡散された伝送信号を受信する無線通信方法であって、
    ベースバンド処理において、拡散コードのチップ数の整数分の1の逆拡散を時分割により複数回だけ用いて拡散コードのチップレート相当区間毎の逆拡散を行なって伝送路を測定する伝送路測定ステップを備える、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  20. コード拡散された受信信号に基づいて伝送路の特性を測定する伝送路測定装置であって、
    拡散コードのチップ数の整数n1分の1の逆拡散器を並列的に配置し、これら複数の逆拡散器を時分割により複数回だけ用いて拡散コードのチップレート相当区間毎の逆拡散を行なって伝送路を測定する、
    ことを特徴とする伝送路測定装置。
  21. RF部とベースバンド部を備えた受信機のベースバンド部に組み込まれ、前記ベースバンド部は、前記RF部におけるチップレートの整数n2分の1のクロック周波数を持つ、
    ことを特徴とする請求項20に記載の伝送路測定装置。
  22. 超広帯域でキャリアを使用せず1ナノ秒以下の超短パルス波に情報が載せられたウルトラワイドバンド受信信号に基づいて伝送路の特性を測定する、
    ことを特徴とする請求項20に記載の伝送路測定装置。
  23. RF部から受け取るパラレル受信信号をバッファリングし、且つ時系列順にシリアル変換するディレイライン回路と、
    幾つかの組に分かれた複数の逆拡散回路及び積算回路と、
    前記の組毎に逆拡散回路及び積算回路の出力を選択するセレクタ回路と、
    前記逆拡散回路及び積算回路における伝送路測定結果の移動平均演算を行なう移動平均回路と、
    前記移動平均回路による演算前後の値を格納するメモリ回路と、
    受信信号のエネルギ・レベルを算出するエネルギ算出回路と、
    受信位置毎のエネルギ値をソートし、その位置情報とともに出力するパス検出回路と、
    を備えることを特徴とする請求項20に記載の伝送路測定装置。
  24. 選択された逆拡散回路及び積算回路の出力値を丸め処理を行なう丸め回路をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項23に記載の伝送路測定装置。
  25. 前記RF部におけるA/D変換のチップ・タイミングでサンプリングされた受信信号を伝送路測定用ショートコードで逆拡散した値を伝送路測定値とする、
    ことを特徴とする請求項23に記載の伝送路測定装置。
  26. 受信信号は、受信するデータ信号の前にプリアンブル部が設けられ、プリアンブル部には自己相関特性のよい複数のショートコード拡散による周期的なトレーニング部が設けられ、
    前記伝送路測定部はショートコードにより伝送路測定を行なう、
    ことを特徴とする請求項20に記載の伝送路測定装置。
  27. 前記の各逆拡散回路が1クロックに実施する逆拡散演算は入力信号のパラレル数に等しい、
    ことを特徴とする請求項23に記載の伝送路測定装置。
  28. 前記の各逆拡散回路へのパラレル入力信号は前記ディレイライン回路内の複数のタップから一定の間隔で取り込まれている、
    ことを特徴とする請求項23に記載の伝送路測定装置。
  29. 前記複数の逆拡散回路及び積算回路に対し、それぞれに適切な逆拡散タイミングを与える、
    ことを特徴とする請求項23に記載の伝送路測定装置。
  30. 前記の幾つかの組に分かれた複数の逆拡散回路及び積算回路に対し、それぞれ適切な逆拡散タイミングを与える、
    ことを特徴とする請求項23に記載の伝送路測定装置。
  31. 伝送路測定用ショートコードのチップ数をA、逆拡散回路及び積算回路が1クロック当たりに行なう逆拡散及び加算演算のチップ数をBとしたときに、制御周期がA÷Bクロックの関係となるように逆拡散タイミングを与える、
    ことを特徴とする請求項30に記載の伝送路測定装置。
  32. コード拡散された受信信号に基づいて伝送路の特性を測定する伝送路測定方法であって、
    拡散コードのチップ数の整数分の1の逆拡散を時分割により複数回だけ用いて拡散コードのチップレート相当区間毎の逆拡散を行なって伝送路を測定する、
    ことを特徴とする伝送路測定方法。
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