JP2006086076A - ドーム状金属バネおよびそれを用いたスイッチシート - Google Patents
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Abstract
【課題】 特に外径が4mm以下に小型化されたドーム状金属バネであっても、クリックによる破断回数が100万回以上の優れた耐久性を有するドーム状金属バネを提供することにある。また、このドーム状金属バネを用いることによって、クリックによる破断回数が100万回以上の優れた耐久性と位置ずれがなくクリック感触に優れた、特に携帯電話等に使用されるスイッチシートを提供することにある。
【解決手段】 ドーム状金属バネの周辺切断面の厚さ部分におけるせん断破面と破断面の合計厚さのうち、前記せん断破面の厚さの割合が少なくとも1/2以上であるドーム状金属バネとすることによって、解決される。
【選択図】 図1
【解決手段】 ドーム状金属バネの周辺切断面の厚さ部分におけるせん断破面と破断面の合計厚さのうち、前記せん断破面の厚さの割合が少なくとも1/2以上であるドーム状金属バネとすることによって、解決される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、携帯電話や電子機器等に使用されるドーム状金属バネを用いたスイッチシートと、それに使用するドーム状金属バネに関するものである。
携帯電話器等の電子機器類のオンオフ操作を行う押しボタンスイッチには、ドーム状金属バネが用いられてきた。このドーム状金属バネは、スイッチ操作により固定接点と導通させるために、押荷重による変形を多数回に渡って繰返し受けることになるので、通常ステンレス製の薄板が用いられている。例えば図1に示されるような形のものが、最も標準的に用いられているものである。このようなドーム状金属バネは、通常板材を帯状に形成したフープ材にほぼC形の打抜き孔を対向させて打抜くことによって、中央の円盤部と左右のランナー部とが形成され、前記円盤部をプレス加工してドーム状とし、ついで切断機でフープ材から切断されてドーム状金属バネとしている。そしてこのドーム状金属バネは、100万回以上のクリックに耐える耐久回数が要求されている。通常のドーム状バネの直径は3.0〜6.0mm程度であるが、最近の機器の小型化に対応するために直径が4.0mm以下の場合に、耐久回数が特に問題となっている。これは押圧により歪が大きいために破断すると考えられる。このような耐久回数の問題に対する技術が特許文献1に見られる。すなわち、ドーム状金属バネが100万回以上のクリックに耐える構造として、金属薄板からなり中央部にドーム状部が形成され、かつドーム状部の底部外周部に、水平或いは若干上向きの突出部を形成することによって、解決されるとしている。しかしながら、以上のようなドーム状金属バネにおいても、特に4mm以下の小型化されたドーム状金属バネにおいては、耐久回数が100万回に達しない場合があった。そこで、この問題点についての解決が望まれていた。
特開2004−165020号公報
よって本発明が解決しようとする課題は、特に外径が4mm以下に小型化されたドーム状金属バネであっても、クリックによる破断回数が100万回以上の優れた耐久性を有するドーム状金属バネを提供することにある。また、このドーム状金属バネを用いることによって、クリックによる破断回数が100万回以上の優れた耐久性と位置ずれがなくクリック感触に優れた、特に携帯電話等に使用されるスイッチシートを提供することにある。
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載されるように、ドーム状金属バネの周辺切断面の厚さ部分におけるせん断破面と破断面の合計厚さのうち、前記せん断破面の厚さの割合が少なくとも1/2以上であるドーム状金属バネとすることによって、解決される。
また請求項2に記載されるように、請求項1に記載のドーム状金属バネが設けられたスイッチシートとすることによって、解決される。
以上のような本発明は、ドーム状金属バネの周辺切断面の厚さ部分におけるせん断破面と破断面の合計厚さのうち、前記せん断破面の厚さの割合が少なくとも1/2以上としたドーム状金属バネであり、特に前記ドーム状金属バネの外径が4mm以下である小型化されたドーム状金属バネとしても、クリックによる破断回数が100万回以上の優れた耐久性を有するドーム状金属バネが得られる。
さらに、前記のドーム状金属バネが設けられたスイッチシートとすることによって、小型化されたドーム状金属バネを用いても、クリックによる破断回数が100万回以上の優れた耐久性とクリック感触に優れた特に携帯電話等に使用されるスイッチシートとすることができる。またスイッチシートとすることによって、クリックによるドーム状金属バネの位置ずれを防止することもできる。
以下に本発明を詳細に説明する。請求項1に記載される発明は、ドーム状金属バネ(以下MDS)の周辺切断面の厚さ部分におけるせん断破面と破断面の合計厚さのうち、前記せん断破面の厚さの割合が少なくとも1/2以上であるMDSである。図1により詳細に説明する。符号1が本発明のMDSで、2がMDSの周辺切断面である。拡大図から明らかなように、この周辺切断面2の厚さ方向(a)にはせん断破面(b)と破断面(c)が存在している。これは、金属板を打抜き加工する際に上下の刃が完全にクリアランスなく一致せず、逃げが生じるために避けられないものである。しかしながら、この切断面に生じるせん断破面は非常に平滑な表面を有しているので特に問題ないが、破断面は引き千切られたような状態となって、ディンプル状の延性破断面に近く微細なクラックが生じており、このような微小クラックは押圧によるクラックへの応力の集中、繰返し受ける押圧によるクラックの進展により、金属が本来持っている耐久性を低下させることになり、ドーム状金属バネの寿命を低下させることになる。このことが、100万回以上のクリック回数に耐えられないものと考えられる。そこで、前記破断面を無くすことが好ましいが実際問題としては生じてしまうので、クリック回数と破断面の存在割合の関係について検討した。
すなわち、厚さ50μmのステンレス板(SUS301)を用いて、せん断破面と破断面の厚さの割合が異なり、外径が3mm、4mmおよび5mmのMDSを作製した。得られたMDSに対して、耐久試験(n=20)を行った。耐久試験は、前記MDSを平滑な表面のガラスエポキシ樹脂上に粘着シートを用いて固定し、先端径が1.6mmのシリコーンゴム製のアクチュエータ(硬度Hs60°)を用い、10Nの押圧荷重で、動作速度3回/secでクリックを繰返した。結果を表1に示した。
表1の実験例2、3および5から明らかなとおり、MDSの周辺切断面の厚さ部分におけるせん断破面と破断面の合計厚さのうち、前記せん断破面の厚さの割合を少なくとも1/2以上以上とすれば、MDSの外径が3mmや4mmと小型化であっても、耐久回数が300万回以上で破断数も20試料中で0であった。これに対して、実験例1に見られるように、せん断破面の厚さの割合が1/2未満でMDSの直径が4mmの場合には、25万回で破断するものが20試料中に3個あった。また実験例4のように、せん断破面の厚さの割合が1/2未満でMDSの直径が3mmの場合には、17万回で破断するものが20試料中に10個あった。このように、MDSの周辺切断面の厚さ部分におけるせん断破面と破断面の合計厚さのうち、前記せん断破面の厚さの割合が少なくとも1/2以上であるMDSとすることによって、100万回以上のクリック回数に対しても破断を生じることがないMDSが得られることが判った。これは、このような構成とすることによって、引き千切られたような状態となってディンプル状の延性破断面に近い、微細なクラックが生じている破断面の割合が少なくなったことになり、微細なクラックの数を減少させるので、押圧によるクラックへの応力の集中、繰返し受ける押圧によるクラックの進展が少なくなり、100万回以上のクリック回数に十分耐えるようになったと考えられる。
なお、周辺切断面の厚さ部分におけるせん断破面と破断面の合計厚さのうち、前記せん断破面の厚さの割合が、少なくとも1/2以上となるようなMDSを製造する方法としては、MDSを得るための金属板を切断する際に、上下の刃と刃のクリアランスを極力小さくすることによって、せん断破面の割合を大きくすることができる。もし、前記クリアランスを理想的な値に取れれば、破断面が殆ど存在しない平滑なせん断破面のみとすることができることになる。これは、クリアランスを小さくすることで、切断における金属板の切断方向へのだれ込みがなくなったことに起因する。
また、前記MDSは前述した構造の場合のみではなく、MDSのドーム状部の底部外周部に水平或いは若干上向きに突出させた突出部を設けた構造のMDSの場合にも適用できる。このような構造の場合にも、前記突出部の切断面の厚さにおけるせん断破面と破断面の合計厚さのうち、前記せん断破面の厚さの割合が少なくとも1/2以上となるようにすることによって、同様の効果があることが確認された。そして、このような突出部を形成したMDSは、まず前記突出部以外の円形部分を打抜いた後、突出部を打抜くことによって製造することができる。
前述したMDSの材料としては、通常高剛性の材料が使用される。具体的には、ヤング率が70〜200GPaの金属材料である。このようなヤング率の金属材料としては、ステンレス鋼(SUS301H等)、真鍮、リン青銅等の銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などである。特に前記スイッチシートのクリック感触、耐久性や耐食性からステンレス鋼が好ましく、その厚さは40〜80μm程度のものである。さらにこのような高剛性のMDSを用いることによって、前記スイッチシートのクリック感触が良く、耐久性や耐食性にも優れたものとすることができる。さらに、プレス加工を用いることによって、製造コスト面からも実用的なものである。
つぎに、請求項2に記載した前述のMDSを用いたスイッチシートについて説明する。図2によって簡単に説明すると、本発明のスイッチシートは、従来のこの種スイッチシートと基本的には同様の構造であるが、MDSとして本発明のMDS1が使用される。例えばプリント配線基板3の固定接点4上に取り付けられるもので、外表面に樹脂シート5を接着剤6で接着したMDS1および回路導体7から構成される。そしてアクチュエータ(図示せず)が、前記MDS1の頭頂部における樹脂シート5のほぼ中央部分をクリックし、回路導体7と導通するようになっている。このようなスイッチシートは、アクチュエータによるクリック回数を大幅に向上して耐久性を有するものとなる。これはMDSとして、MDSの周辺切断面の厚さ部分におけるせん断破面と破断面の合計厚さのうち、前記せん断破面の厚さ割合が少なくとも1/2以上であるMDSを用いたことによる。すなわち、MDSの切断断面に微細なクラックが生じている破断面の割合が少なくなったことにより微小クラックの数が大幅に減少するので、押圧によるクラックへの応力の集中、繰返し受ける押圧によるクラックの進展が少なくなり、100万回以上のクリック回数に十分耐えうることになる。
前述の構造のスイッチシートを用いてクリック回数を測定したところ、クリック回数が300万回以上でも破壊しないものであった。また、クリックによる位置ずれがないので、クリック感触も良好であった。なおこの構成のスイッチシートにおいても、MDSの外径が4mm以下の小型化のものを用いても何ら問題がなかった。なお、前記樹脂シート5としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等で、厚さが50〜100μm程度のものが使用され、また接着剤3についても特に規定されるものではなく、通常使用されているものを用いればよい。
本発明のMDSを用いることにより、100万回以上のクリック回数が得られると共にMDSの外径が4mm以下の場合においても十分対応できるので、各種小型化された電子機器類に適用できることになる。特に、携帯電話器用として有用である。
1 ドーム状金属バネ(MDS)
2 周辺切断面
3 プリント配線基板
4 固定接点
5 樹脂シート
6 接着剤
7 回路導体
2 周辺切断面
3 プリント配線基板
4 固定接点
5 樹脂シート
6 接着剤
7 回路導体
Claims (2)
- ドーム状金属バネの周辺切断面の厚さ部分におけるせん断破面と破断面の合計厚さのうち、前記せん断破面の厚さの割合が少なくとも1/2以上であることを特徴とするドーム状金属バネ。
- 請求項1に記載のドーム状金属バネが設けられたことを特徴とするスイッチシート。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004271555A JP2006086076A (ja) | 2004-09-17 | 2004-09-17 | ドーム状金属バネおよびそれを用いたスイッチシート |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=36164377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004271555A Pending JP2006086076A (ja) | 2004-09-17 | 2004-09-17 | ドーム状金属バネおよびそれを用いたスイッチシート |
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Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2004
- 2004-09-17 JP JP2004271555A patent/JP2006086076A/ja active Pending
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