JP2006084333A - 分光反射率予測装置及び分光反射率予測方法 - Google Patents

分光反射率予測装置及び分光反射率予測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 観察光下での試料の測定を必要とせずに蛍光増白剤を含んだ試料の観察光下における測色値(分光反射率)を予測することのできる分光反射率予測装置を提供する。
【解決手段】 試料に塗布された色の色情報と当該色情報が蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いとの関係を示す塗布物影響度の関数を算出し、第1分光反射率と、第2分光反射率と、第1蛍光影響度と、第2蛍光影響度と、第3蛍光影響度と、試料に塗布された色の色情報を塗布物影響度関数に代入して得られた塗布物影響度とに基づいて、試料に塗布された色の観察光源下における分光反射率を算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、蛍光増白剤を含む用紙の観察光源での分光反射率を予測する分光反射率予測装置及び分光反射率予測方法に関する。
異なる画像出力装置間のカラーマッチングを行う際には、一般的に色チャートに印刷されているカラーパッチの各色を測色装置で測定し、得られた測色値を用いてICCプロファイルフォーマット(International Color Consortiumで提唱されたフォーマット仕様)等に従い両画像出力装置のデバイスプロファイルを作成する。そしてこのデバイスプロファイルを用いて、すなわち測色装置で測定した測色値を基準として異なる画像出力装置間のカラーマッチングが行われる。なお色チャートは一般的に数百から数千のカラーパッチを含むが、自動測色可能な簡易的な装置を用いることにより非常に少ない負荷で色チャート上の各カラーパッチの測色値を測定することができる。
一般的に反射物の測色に用いる測色装置は、測定対象からの反射光から人の目に対応した分光感度である等色関数に近似させたフィルターを用いてCIEXYZ等の測色値を直接得る刺激値直読方法、測定対象である試料に特定の照明光(以降、測定光)を照射し受光した反射光を、測定光を完全拡散板に照射し受光した反射光で割ることにより試料の分光反射率を求める分光測色方法に分類できる。反射物体の色は観察時の照明光(以降、観察光)の影響を受けることから、厳密には刺激値直読方法で直接得られた測色値を用いてカラーマッチングを行うよりも、分光測色方法で得られた分光反射率から観察光を考慮した測色値を用いてカラーマッチングを行う方が望ましい。
しかし、印刷用紙やプリンタ用紙の多くには、蛍光増白剤が用いられている。
一般的に蛍光増白剤は、可視光領域の短波長域から紫外波長域の波長領域の光を吸収し、より長波長側の波長領域で光を発光する。この結果用紙の可視領域での放射量が増加し、観察者が知覚する明るさが上昇する。さらに、本来黄色みを持つ用紙の色味に青みが加わるため、より白く知覚されるようになる。この蛍光発色の強度は、蛍光増白剤が光を吸収する吸収波長域における、用紙を照射する光のエネルギー強度に従う。例えば可視光領域の短波長域から紫外波長域にかけてのエネルギー量が高い昼光下では用紙は明るく青く観察され、可視光領域の短波長域から紫外波長域にかけてのエネルギー量が低いタングステン光下では用紙は前述の状況と比較し暗く、黄色く観察される。
蛍光増白剤を含む用紙に光が照射したときの分光反射率の測定結果に対する蛍光増白剤の影響度合いは、用紙に含まれる蛍光増白剤の量と特性、及び測定時に使用する光源の分光分布によって異なる。すなわち蛍光増白剤を含む用紙の分光反射率は、照明する光源の分光分布の違いによって変化すると見なすことができる。このため蛍光増白剤を含む用紙上に印刷されたカラーパッチ等、蛍光増白剤を含む試料を測定する際の測色光と実際に観察する際の観察光の分光分布が異なる場合、測色装置から得られた試料の分光反射率を観察光下での測色値を求める計算に使用すると、光源の分光分布に対する分光反射率の変化を考慮していないため好適なマッチング結果を得ることができない。
測色光と観察光の分光分布が等しくなるよう、すなわち観察光下で分光放射輝度計を用いて試料を測定すれば上記問題は解決する。しかしカラーマッチングを行う際に必要とされる数百から数千のカラーパッチを分光放射輝度計で測定する事は非常に大きな労力を必要とする。分光放射輝度計で自動測色する事は不可能でないとしても、装置が非常に巨大になるため現実的ではない。そもそも分光放射輝度計で測定可能な大きさを持つ数百から数千のカラーパッチを作成する事自体が容易ではない。そのため簡易的な方法で蛍光増白剤を含んだ試料の観察光下での分光反射率及び測色値を求める方法が必要とされる。
この課題に対し、複数の手法が提案されている。
例えば特許文献1に記載される方法では、紫外カットフィルタを装着及び非装着で試料を測定し、測定値の差分を蛍光増白剤の励起スペクトルと測定光のスペクトルで求まる測定光の励起エネルギーで割り、観察光の励起エネルギーを乗じることにより観察光下での測色値を求める。また複数のカラーパッチに対し蛍光増白剤の影響を補正する場合、紫外カットフィルタを装着した測色値に対し、基準となる色の測色値に対する補正対象色の測色値の比率で重みを計算し補正を行う。この方法は非常に精度の高い紫外カットフィルタを必要とする。また励起エネルギーを求める際に380nmより短波長側の測定情報を必要とするが、380nmより短波長側では人間の等色関数が0となるため、一般的な測色装置では380nmより短波長側は測定できないものがほとんどである。さらに蛍光増白剤の励起スペクトル情報を必要とするため、その測定に必要な機材も必要となる。これらの特別な機材を必要とする点から、この方法は簡易的な方法とは言えず、実現は困難である。
また特許文献2に記載される方法は特許文献1を修正した方法であり、精度の高い紫外カットフィルタが無くとも測色値の補正を可能としているが、上述したその他の問題は解決されていない。
また特許文献3に記載される方法では、紙白等の基準色のみ紫外カットフィルタの装着有り及び装着無しで測定した測色値の差分を求め、他の試料の補正を行う際は基準色の差分に重み係数を乗じ他の試料の測色値に特許文献1と同様の方法で適用する。この際重み係数は蛍光増白剤の発光波長域付近に相当する試料の短波長側の反射率から求めている。この方法は複数のカラーパッチに対する蛍光増白剤の補正に関わる負荷を軽減するが、特許文献1と同様に特別な機材を必要とする点で実現は困難である。
また特許文献4に記載される方法は、単位面積あたりのインキ付着量とインキの重なり、及びインキの透過性を考慮した蛍光増白剤の補正を行う。この方法は観察光下での試料の測定を必要とし、さらに正確なインキ付着量を得るために特別な装置を必要とするため実現は困難である。
上記既存手法は、一般的な測色装置以外に特別な機材を必要とする点、または観察光下での試料の測定を必要とする点で実現が困難である。
特開平10−176953号公報 特開2001−174334号公報 特開2002−139381号公報 特開2002−202191号公報
そこでこの発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、一般的な測色装置で測定可能な波長領域のみの情報を用いて、観察光下での試料の測定を必要とせずに蛍光増白剤を含んだ試料の観察光下における測色値(分光反射率)を予測することのできる分光反射率予測装置及び分光反射率予測方法を提供することを目的としている。
本発明は、上述の課題を解決すべくなされたもので、 蛍光増白剤を含んだ試料の観察光源下における分光反射率を予測する分光反射率予測装置であって、第1分光分布を示す第1光源下における前記試料の第1分光反射率と、前記第1分光分布とは異なる第2分光分布を示す第2光源下における前記試料の第2分光反射率とを読み込む分光反射率測定結果読み込み手段と、予め測定されている白色板の分光反射率と前記白色板の前記観察光源の下における分光放射輝度を読み込み、当該白色板の分光反射率と前記白色板の観察光源下における分光放射輝度とに基づいて算出された、前記観察光源が示す第3分光分布を読み込む第3分光分布読み込み手段と、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第1光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第1蛍光影響度を算出する第1蛍光影響度算出手段と、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第2光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第2蛍光影響度を算出する第2蛍光影響度算出手段と、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記観察光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第3蛍光影響度を算出する第3蛍光影響度算出手段と、前記第1分光反射率と、前記第2分光反射率と、前記第1蛍光影響度と、前記第2蛍光影響度と、前記第3蛍光影響度とに基づいて、前記試料の前記観察光源下における分光反射率を算出する分光反射率算出手段と、を備えることを特徴とする分光反射率予測装置である。
また発明は、蛍光増白剤を含んだ試料であって複数の異なる色が塗布された前記試料の、観察光源下における分光反射率を予測する分光反射率予測装置であって、第1分光分布を示す第1光源下における前記試料の色の塗布されていない部分を含む各色の第1分光反射率と、前記第1分光分布とは異なる第2分光分布を示す第2光源下における前記試料の色の塗布されていない部分を含む複数の異なる色のうち何れか特定の色の第2分光反射率と、を読み込む分光反射率測定結果読み込み手段と、予め測定されている白色板の分光反射率と前記白色板の前記観察光源の下における分光放射輝度を読み込み、当該白色板の分光反射率と前記白色板の観察光源下における分光放射輝度とに基づいて算出された、前記観察光源が示す第3分光分布を読み込む第3分光分布読み込み手段と、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第1光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第1蛍光影響度を算出する第1蛍光影響度算出手段と、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第2光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第2蛍光影響度を算出する第2蛍光影響度算出手段と、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記観察光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第3蛍光影響度を算出する第3蛍光影響度算出手段と、前記試料に塗布された各色の色情報と当該色情報が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いとの関係を示す塗布物影響度の関数を算出する塗布物影響度関数算出手段と、前記第1分光反射率と、前記第2分光反射率と、前記第1蛍光影響度と、前記第2蛍光影響度と、前記第3蛍光影響度と、前記観察光源下で予測する前記試料に塗布された色の色情報を前記塗布物影響度関数に代入して得られた塗布物影響度とに基づいて、前記試料の前記観察光源下における分光反射率を算出する分光反射率算出手段と、を備えることを特徴とする分光反射率予測装置である。
また発明は、前記分光反射率測定結果読み込み手段において読み込まれる第2分光反射率は、第1分光分布とは異なる第2分光分布を示す第2光源下における前記試料の色の塗布されていない部分の第2分光反射率であることを特徴とする。
また発明は、前記試料において、前記色の塗布されている部分の第1光源下での分光反射率と、前記試料において、前記色の塗布されていない部分の第1光源下での分光反射率との比のN(所定の変数)乗によって表すことを特徴とする。
また発明は、前記所定の変数Nは、第1光源下での分光反射率から求めた第2光源下での推定の分光反射率と実際に第2光源下で分光反射率との差が最小となる値であることを特徴とする。
また発明は、前記塗布物影響度の関数において、蛍光白色剤の特定の光エネルギー発光波長または光エネルギー発光波長域を用いて前記試料に塗布された色の前記観察光源下における分光反射率を算出することを特徴とする。
また発明は、前記所定の光エネルギー吸収波長域は、前記第1分光反射率や前記第2分光反射率を測定できる波長範囲から特定された波長域であることを特徴とする。
また発明は、前記第1蛍光影響度算出手段または前記第2蛍光影響度算出手段または前記第3蛍光影響度算出手段はそれぞれ、蛍光増白剤の光エネルギー吸収波長域と光エネルギー発光波長域を同波長域として前記第1、第2、第3の蛍光影響度を算出することを特徴とする。
また発明は、前記第1蛍光影響度算出手段または前記第2蛍光影響度算出手段または前記第3蛍光影響度算出手段はそれぞれ、蛍光増白剤の光エネルギー吸収波長域を380nm〜400nmとし、光エネルギー発光波長域を430nm〜450nmとして前記第1、第2、第3の蛍光影響度を算出することを特徴とする。
また発明は、前記試料は複数の色が塗布された色チャートであり、前記分光反射率算出手段は、前記色チャートの全ての色の観察光源下における分光反射率を算出することを特徴とする。
また発明は、蛍光増白剤を含んだ試料の観察光源下における分光反射率を予測する分光反射率予測装置における分光反射率予測方法であって、前記分光反射率予測装置の分光反射率測定結果読み込み手段が、第1分光分布を示す第1光源下における前記試料の第1分光反射率と、前記第1分光分布とは異なる第2分光分布を示す第2光源下における前記試料の第2分光反射率とを読み込み、前記分光反射率予測装置の第3分光分布読み込み手段が、予め測定されている白色板の分光反射率と前記白色板の前記観察光源の下における分光放射輝度を読み込み、当該白色板の分光反射率と前記白色板の観察光源下における分光放射輝度とに基づいて算出された、前記観察光源が示す第3分光分布を読み込み、前記分光反射率予測装置の第1蛍光影響度算出手段が、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第1光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第1蛍光影響度を算出し、前記分光反射率予測装置の第2蛍光影響度算出手段が、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第2光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第2蛍光影響度を算出し、前記分光反射率予測装置の第3蛍光影響度算出手段が、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記観察光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第3蛍光影響度を算出し、前記分光反射率予測装置の分光反射率算出手段が、前記第1分光反射率と、前記第2分光反射率と、前記第1蛍光影響度と、前記第2蛍光影響度と、前記第3蛍光影響度とに基づいて、前記試料の前記観察光源下における分光反射率を算出することを特徴とする分光反射率予測方法である。
また発明は、蛍光増白剤を含んだ試料であって複数の異なる色が塗布された前記試料の、観察光源下における分光反射率を予測する分光反射率予測装置の分光反射率予測方法であって、前記分光反射率予測装置の分光反射率測定結果読み込み手段が、第1分光分布を示す第1光源下における前記試料の色の塗布されていない部分を含む各色の第1分光反射率と、前記第1分光分布とは異なる第2分光分布を示す第2光源下における前記試料の色の塗布されていない部分を含む複数の異なる色のうち何れか特定の色の第2分光反射率とを読み込み、前記分光反射率予測装置の第3分光分布読み込み手段が、予め測定されている白色板の分光反射率と前記白色板の前記観察光源の下における分光放射輝度を読み込み、当該白色板の分光反射率と前記白色板の観察光源下における分光放射輝度とに基づいて算出された、前記観察光源が示す第3分光分布を読み込み、前記分光反射率予測装置の第1蛍光影響度算出手段が、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第1光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第1蛍光影響度を算出し、前記分光反射率予測装置の第2蛍光影響度算出手段が、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第2光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第2蛍光影響度を算出し、前記分光反射率予測装置の第3蛍光影響度算出手段が、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記観察光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第3蛍光影響度を算出し、前記分光反射率予測装置の塗布物影響度関数算出手段が、前記試料に塗布された各色の色情報と当該色情報が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いとの関係を示す塗布物影響度の関数を算出し、前記分光反射率予測装置の分光反射率算出手段が、前記第1分光反射率と、前記第2分光反射率と、前記第1蛍光影響度と、前記第2蛍光影響度と、前記第3蛍光影響度と、前記観察光源下で予測する前記試料に塗布された色の色情報を前記塗布物影響度関数に代入して得られた塗布物影響度とに基づいて、前記試料の前記観察光源下における分光反射率を算出することを特徴とする分光反射率予測方法である。
また発明は、前記分光反射率測定結果読み込み手段において読み込まれる第2分光反射率は、第1分光分布とは異なる第2分光分布を示す第2光源下における前記試料の色の塗布されていない部分の第2分光反射率であることを特徴とする。
また発明は、前記試料において、前記色の塗布されている部分の第1光源下での分光反射率と、前記試料において、前記色の塗布されていない部分の第1光源下での分光反射率との比のN(所定の変数)乗によって表すことを特徴とする。
また発明は、前記所定の変数Nは、第1光源下での分光反射率から求めた第2光源下での推定の分光反射率と実際に第2光源下で分光反射率との差が最小となる値であることを特徴とする。
また発明は、前記塗布物影響度の関数において、蛍光白色剤の特定の光エネルギー発光波長または光エネルギー発光波長域を用いて前記試料に塗布された色の前記観察光源下における分光反射率を算出することを特徴とする。
また発明は、前記所定の光エネルギー吸収波長域は、前記第1分光反射率や前記第2分光反射率を測定できる波長範囲から特定された波長域であることを特徴とする。
また発明は、前記第1蛍光影響度算出手段または前記第2蛍光影響度算出手段または前記第3蛍光影響度算出手段はそれぞれ、蛍光増白剤の光エネルギー吸収波長域と光エネルギー発光波長域を同波長域として前記第1、第2、第3の蛍光影響度を算出することを特徴とする。
また発明は、前記第1蛍光影響度算出手段または前記第2蛍光影響度算出手段または前記第3蛍光影響度算出手段はそれぞれ、蛍光増白剤の光エネルギー吸収波長域を380nm〜400nmとし、光エネルギー発光波長域を430nm〜450nmとして前記第1、第2、第3の蛍光影響度を算出することを特徴とする。
また発明は、前記試料は複数の色が塗布された色チャートであり、前記分光反射率算出手段は、前記色チャートの全ての色の観察光源下における分光反射率を算出することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、第1分光反射率と、第2分光反射率と、第1蛍光影響度と、第2蛍光影響度と、第3蛍光影響度とに基づいて、試料の観察光源下における分光反射率を算出することができる。そして第1蛍光影響度、第2蛍光影響度、第3蛍光影響度は、分光反射率測定装置が測定できる波長領域範囲内における吸収波長域と発光波長域の設定により算出されるので、各光源の紫外波長域での分光分布が分からなくても、試料の観察光源下で分光反射率を測定できる。
また本発明によれば、試料に塗布された色の色情報と当該色情報が蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いとの関係を示す塗布物影響度の関数を算出し、第1分光反射率と、第2分光反射率と、第1蛍光影響度と、第2蛍光影響度と、第3蛍光影響度と、試料に塗布された色の色情報を塗布物影響度関数に代入して得られた塗布物影響度とに基づいて、試料に塗布された色の観察光源下における分光反射率を算出する。これにより、蛍光増白剤の発光特性に、試料上に塗布された色影響を考慮した、当該試料の観察光源下での分光反射率を測定できる。また、塗布物影響度関数の導入によって、第2分光反射率を準備する色の数を減らすことができる。
また、本発明によれば、塗布物影響度関数の導入によって、第2分光反射率については色の塗布されていない部分のみの分光反射率だけでよいとすることができる。
以下、本発明の一実施形態による分光反射率予測装置を図面を参照して説明する。
図1は実施例1による分光反射率予測装置の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は分光反射率予測装置である。そして分光反射率予測装置1において、符号11は照射光分光分布算出部である。また12は観察光分光分布算出部である。また13は蛍光影響度算出部である。また14は分光反射率算出部(分光反射率算出手段)である。また符号2は分光反射率測定装置、3は分光放射輝度計である。
そして、本実施形態においては、まず、分光反射率測定装置2によって、ある2つの測定光源下での試料(蛍光増白剤を用いて製造された紙)の分光反射率の測定が行なわれ、そして分光反射率予測装置1の照射光分光分布算出部(分光反射率測定結果読み込み手段)11が、分光反射率測定装置2によって測定された2つの分光反射率に基づいて、それら光源から発せられる光の各分光分布を算出する。また、分光放射輝度計3によって測定された白色板の分光放射輝度と、当該白色板が光を反射する分光反射率都に基づいて、分光反射率を予測する環境の光源(以下、観察光源と呼ぶ)の分光分布を観察光分光分布算出部(第3分光分布読み込み手段)12が算出する。そして、蛍光影響度算出部(第1蛍光影響度算出手段、第2蛍光影響度算出手段、第3蛍光影響度算出手段)13が、上記2つの測定光源の蛍光影響度と、観察光源の蛍光影響度を算出する。そして、分光反射率算出部14が、それら各蛍光影響度と、分光反射率測定装置2によって測定された2つの光源下における試料の分光反射率とに基づいて、当該試料の観察光源下における予測の分光反射率を算出する。
図2は実施例1による分光反射率予測装置の処理フローを示す図である。
次に、本実施形態による分光反射率予測装置の処理を図2のフローを参照して説明する。なお、本実施例で説明する分光反射率測定装置2の測定可能波長域λは380nm〜730nmとする。
まず、蛍光増白剤を含んだ紙(試料)の、ある観察光源Vにおける分光反射率を予測したいユーザが、分光反射率測定装置2を用いて、観察光源Vとは分光分布の異なる2つの光源、測定光源A<分光分布=Pa(λ)>(第1光源)、測定光源B<分光分布=Pb(λ)>(第2光源)が試料に照射される際の分光反射率を測定する。なお、この2つの測定光源A、Bは、例えば、1つの光源o<分光分布=Po(λ)>に異なる光の透過率のフィルタA<光の透過率Ta(λ)>またはB<光の透過率Tb(λ)>を装着して得られる2つ光源であってもよい。そして、これら測定した測定光源A、Bの試料における分光反射率をそれぞれRa(λ)、Rb(λ)とする。
またユーザは、分光放射輝度計3を用いて、高い反射率と高い光の拡散性を持つ分光反射率Rw(λ)の白色板を予測環境である観察光源V下において、その白色板における分光放射輝度Cw(λ)を測定する。
そして、ユーザは分光反射率予測装置1に試料の観察光源V下での分光反射率を予測する指示を行なう。すると、例えば分光反射率予測装置1は、分光反射率測定装置2から測定光源A、B下での試料の分光反射率Ra(λ)、Rb(λ)を読み込み、また分光放射輝度計3から白色板の観察光源V下における分光放射輝度Cw(λ)を読み込み、また、ユーザの入力に基づいて、測定光源A、Bの分光分布Pa(λ)、Pb(λ)を読み込む(ステップS1a)。なお、1つの光源oとフィルタA、Bとを用いた環境により得られる2つの光を用いて、ユーザが試料の分光反射率Ra(λ)、Rb(λ)を測定した場合には、光源oの分光分布Po(λ)とフィルタAの光の透過率Ta(λ)とフィルタBの光の透過率Tb(λ)が分光反射率予測装置1にユーザにより入力される。そして、分光反射率予測装置1の照射光分光分布算出部11が分光分布Pa(λ)とPb(λ)を式(1)、(2)により算出する。また、上記白色板の分光反射率Rw(λ)が分光反射率予測装置1に入力される。
Figure 2006084333
Figure 2006084333
次に、観察光分光分布算出部12が、白色板の分光反射率Rw(λ)と分光放射輝度計3によって測定された分光放射輝度Cw(λ)を用いて式(3)により、観察光の分光分布Pv(λ)を算出する(ステップS2a)。
Figure 2006084333
次に、分光反射率予測装置1の蛍光影響度算出部13が、測定光源Aの光の蛍光影響度(第1蛍光影響度算出手段)Ea(λ)、および、測定光源Bの光の蛍光影響度(第2蛍光影響度算出手段)Eb(λ)、および、観察光源Vの光の蛍光影響度(第3蛍光影響度算出手段)Ev(λ)を算出する(ステップS3a)。ここで蛍光影響度とは、蛍光増白剤を含む紙に照射される光の、当該試料における吸収波長域のエネルギーの総和を、その吸収した光を発光する発光波長域におけるエネルギーの総和で割った数値であり、この値が高いほど、蛍光増白剤の発光波長域において発光するエネルギーが強いことを意味する。通常、蛍光増白剤を含む紙は、紫外波長域(吸収波長域)のエネルギーを吸収し、そのエネルギーを可視領域(発光波長域)で発光する特性(発光特性)を持っている。従って測定光源Aの光の蛍光影響度Ea(λ)は、上述の測定光源Aの光の試料における分光分布Pa(λ)を用いると、式(4)の様に表される。また、同様に測定光源Bの光の試料における蛍光影響度Eb(λ)は式(5)の様に表される。ここで、吸収波長域は、本実施形態においては分光反射率測定装置2が測定できる光の波長域を考慮し、380nm〜400nmと設定している。また発光波長域を430nm〜450nmと設定している。これにより、分光反射率測定装置2が測定できない紫外波長域の波長を用いて蛍光影響度を計算しないので、光の紫外波長域における試料の分光反射率の測定をしなくても、測定光源や観察光源の光の影響度を算出することができるようになっている。
Figure 2006084333
Figure 2006084333
また、式3によって算出された観察光の分光分布Pv(λ)により、観察光源Vの光の蛍光影響度Evは式(6)の様に表される。
Figure 2006084333
次に、分光反射率算出部14は、式(7)を用いて、試料の観察光源下における分光反射率を算出する(ステップS4a)。
Figure 2006084333
ここで、式(7)は、測定光源A下における試料の分光反射率Raを算出する関係式(8)と、測定光源B下における試料の分光反射率Rbを算出する関係式(9)と、観察光源V下における試料の分光反射率Rvを算出する関係式(10)とによって得られる式(11)、(12)を式(10)に代入することにより得られる式である。
Figure 2006084333
Figure 2006084333
Figure 2006084333
Figure 2006084333
Figure 2006084333
なお、式(8)で示す、測定光源A下における試料の分光反射率Raを算出する式は、蛍光増白剤を含まない紙の測定光源A下における分光反射率Rp(λ)+測定光源A下と測定光源B下で測定した試料(蛍光増白剤を含む紙)の差を測定光源Aの光の蛍光影響度で正規化した分光反射率変動量D(λ)×測定光源Aの光の蛍光影響度であることを意味している。
これにより、分光反射率予測装置1は、式(7)で示されるように、測定光源Aの試料における分光反射率Ra(λ)と、測定光源Bの試料における分光反射率Rb(λ)と、測定光源Aの光の蛍光影響度(Ea)と、測定光源Bの光の蛍光影響度(Eb)と、観察光源Vの光の蛍光影響度(Ev)とを用いて、試料の観察光源下における分光反射率を予測することができる。本実施形態による、蛍光増白剤を含んだ紙(試料)の、ある観察光源Vにおける分光反射率の予測手法は、試料の紙にインクが塗布されている場合でも用いることが出来る。また複数の試料について、ある観察光源Vにおける分光反射率の予測をすることも出来る。ただし、予測対象となる試料の全てを測定光源及び測定光源Bの両方で測定する必要がある。
次に、実施例2について説明する。
図3は実施例2による分光反射率予測装置の構成を示すブロック図である。この図において、図1と同一の符号の処理部についてはその説明を省略する。そして、実施例2における分光反射率予測装置1は実施例1における分光反射率予測装置1に塗布物影響度関数算出部(第1塗布物影響度関数算出手段)15の構成を加えたものである。塗布物影響度関数は、蛍光増白剤を含む紙にインクなどの塗布物が塗布されている場合における、色出力値(C、M、Y、Kの値、iC、iM、iY、iK)とその色出力値が蛍光増白剤に与える影響度との関係を示す関数である。そして、分光反射率予測装置1は、カラーパッチ(色のパターン)が、蛍光増白剤を含む紙上に複数印刷された色チャートの、当該各カラーパッチの観察光下での分光反射率を予測する。本実施形態においては、色チャートには、CMYK=(0,0,0,0)、(255,0,0,0)、(128,0,0,0)、(0,255,0,0)、(0,128,0,0)、(0,0,255,0)、(0,0,128,0)、(0,0,0,255)、(0,0,0,128)の9つのカラーパッチ(特定カラーパッチ)の色も含まれるものとする。また色チャートにはこの他のCMYK値の色のカラーパッチが複数含まれる。上記9つのカラーパッチ(特定カラーパッチ)のうち、CMYK=(0,0,0,0)以外の8つのパッチは上記以外のCMYKの値でもよい。
まず、色チャートに印刷された各カラーパッチの、ある観察光源Vにおける分光反射率を予測したいユーザが、観察光源Vとは異なる、測定光源A<分光分布=Pa(λ)>の光を色チャートへ照射し、当該色チャート上の全てのカラーパッチの分光反射率を分光反射率測定装置2を用いて測定する。またユーザが、観察光源Vとは異なる、測定光源B<分光分布=Pb(λ)>の光を色チャートへ照射し、当該色チャート上の前記9つのカラーパッチ(特定カラーパッチ)の分光反射率を分光反射率測定装置2を用いて測定する。なお、この2つの測定光源A、Bは、実施例1同様に、例えば、1つの光源o<分光分布=Po(λ)>に異なる光の透過率のフィルタA<光の透過率Ta(λ)>またはB<光の透過率Tb(λ)>を装着して得られる2つ光源であってもよい。そして、これら測定した測定光源A、Bの試料における分光反射率をそれぞれRa(λ)、Rb(λ)とする。
またユーザは、分光放射輝度計3を用いて、高い反射率と高い光の拡散性を持つ分光反射率Rw(λ)の白色板を予測環境下の光源下(観察光源V)において、その白色板における分光放射輝度Cw(λ)を測定する。そして、ユーザは分光反射率予測装置1に試料の観察光源V下での分光反射率を予測する指示を行なう。
すると、分光反射率予測装置1は、分光反射率測定装置2から測定光源A、B下で測定したの試料の各色(測定光源A下では全てのカラーパッチの色、測定光源B下では特定カラーパッチの色)の分光反射率Ra(λ)、Rb(λ)を読み込み、また分光放射輝度計3から白色板の観察光源V下における分光放射輝度Cw(λ)を読み込み、また、ユーザの入力に基づいて、測定光源A、Bの分光分布Pa(λ)、Pb(λ)、カラーチャート上に印刷されるカラーパッチの色の色出力値(C、M、Y、Kの値、iC、iM、iY、iK)を読み込む(ステップS1b)。
なお、1つの光源oとフィルタA、Bとを用いた環境により得られる2つの光を用いて、ユーザがカラーチャートの各カラーパッチの分光反射率を測定した場合には、光源oの分光分布Po(λ)とフィルタAの光の透過率Ta(λ)とフィルタBの光の透過率Tb(λ)が分光反射率予測装置1にユーザにより入力される。そして、分光反射率予測装置1の照射光分光分布算出部11が分光分布Pa(λ)とPb(λ)を実施例1の式(1)、(2)により算出する。また、上記白色板の分光反射率Rw(λ)が分光反射率予測装置1に入力される。
次に、観察光分光分布算出部12が、白色板の分光反射率と分光放射輝度計3によって測定された分光放射輝度Cw(λ)を用いて実施例1の式(3)により、観察光の分光分布Pv(λ)を算出する(ステップS2b)。
次に、分光反射率予測装置1の蛍光影響度算出部13が、測定光源Aの光の蛍光影響度Ea(λ)、および、測定光源Bの光の蛍光影響度Eb(λ)、および、観察光源Vの光の蛍光影響度Ev(λ)を式(4)、(5)、(6)を用いて実施例1と同様に算出する(ステップS3b)。
次に、塗布物影響度関数算出部15が、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)、K(ブラック)のそれぞれの色出力値毎に、当該色出力値によって塗布されるインクが蛍光増白剤に影響する度合いを示す塗布物影響度の関数を算出する(ステップS4b)。つまり、蛍光増白剤を含む用紙上に塗布されたインク量が多くなると、用紙の単位面積が減り、用紙へ到達する光の絶対量がインクに吸収され、さらに用紙から反射される光がインクに吸収されるため、蛍光増白剤による色の分光反射率の測定値が蛍光増白剤の発光波長域で減少するので、従って、この情報を、予測する分光反射率に加える為に塗布物影響度関数を算出する。
ここで、C(シアン)についての塗布物影響度関数について説明する。
上述の式(11)より、シアンの色出力値がiC=255のカラーパッチ<CMYK=(255,0,0,0)>が測定光源B下で測定された際の分光反射率と、当該シアンの色出力値C=255のカラーパッチが測定光源A下で測定された際の分光反射率との差を、測定光源Bの光の蛍光影響度と測定光源Aの光の蛍光影響度との差で正規化した分光反射率変動量Dc255(λ)を式(13)で表す。また同様に、シアンの色出力値がiC=128のカラーパッチ<CMYK=(128,0,0,0)>が測定光源B下で測定された際の分光反射率と、当該シアンの色出力値iC=128のカラーパッチが測定光源A下で測定された際の分光反射率の差を、測定光源Bの光の蛍光影響度と測定光源Aの光の蛍光影響度の差で正規化した分光反射率変動量Dc128(λ)を式(14)で表す。また同様に、インクなどの色が塗布されていない紙<CMYK=(0,0,0,0)>が測定光源A下で測定された際の分光反射率と、インクなどの色が塗布されていない紙が測定光源B下で測定された際の分光反射率との差を、測定光源Bの光の蛍光影響度と測定光源Aの光の蛍光影響度の差で正規化した分光反射率変動量Dp(λ)を式(15)で表す。
Figure 2006084333
Figure 2006084333
Figure 2006084333
また、分光反射率変動量Dp(λ)に変数を掛けた値が、分光反射率変動量Dc255(λ)または分光反射率変動量Dc128(λ)となるので、分光反射率変動量Dc255(λ)または分光反射率変動量Dc128(λ)は分光反射率変動量Dp(λ)の線形変換で求めることができる。そして、
Figure 2006084333
の値が最小となる式(16)中の塗布物影響度DRc255(シアンの色出力値がC=255の時の塗布物影響度)の変数の値と、
Figure 2006084333
の値が最小となる式(17)中の塗布物影響度DRc128(シアンの色出力値がC=128の時の塗布物影響度)の変数の値と、シアンの色出力値がC=0の時の塗布物影響度=1との3点を、例えばスプライン補間して得た関数がシアンの塗布物影響度関数Fe_c(iC)となる。なお、スプライン補間ではなく、他の補間方法で塗布物影響度関数を得るようにしても良い。また塗布物影響度は、0≦塗布物影響度≦1の範囲で示される値である。
同様に、塗布物影響度関数算出部15が、M(マゼンタ)、Y(イエロ)、K(ブラック)のそれぞれの色出力値毎の塗布物影響度関数Fe_m(im)、Fe_y(iy)、Fe_k(ik)を算出する。そして、塗布物影響度関数算出部15は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)、K(ブラック)の全ての色出力値毎の塗布物影響度から得られる影響度関数Fe_cmyk(iC,iM,iY,iK)(第1塗布物影響度関数)を式(18)により算出する。
Figure 2006084333
なお、図5は、塗布物影響度関数Fe_c(ic)を示す図である。
そして次に、分光反射率算出部14が、式(19)を用いて、観察光源V下における色チャートの各カラーパッチの分光反射率を算出する(ステップS5b)。各カラーパッチの観察光源V下での分光反射率を算出する際には、カラーパッチの色出力値を式(19)の影響度関数Fe_cmyk(iC,iM,iY,iK)に入力し、また、測定光源A下におけるパッチの分光反射率Ra(λ)と、測定光源B下におけるインクなどの色が塗布されていない紙の分光反射率Rb(λ)[P]と、測定光源A下におけるインクなどの色が塗布されていない紙の分光反射率Ra(λ)[P]と、測定光源Aの光の蛍光影響度Eaと、測定光源Bの光の蛍光影響度Ebと、観察光源Vの光の蛍光影響度Evとを式(19)に入力することより算出される。
Figure 2006084333
次に、実施例3について説明する。
実施例3の分光反射率予測装置1は、実施例2同様に、カラーパッチ(色のパターン)が蛍光増白剤を含む紙上に複数印刷された色チャートの、当該各カラーパッチの観察光下での分光反射率を予測する。なお、実施例3における分光反射率予測装置1の構成は図3で示した構成と同様であるので、その説明を省略する。
まず、色チャートに印刷された各カラーパッチのある観察光源Vにおける分光反射率を予測したいユーザが、観察光源Vとは異なる、測定光源A<分光分布=Pa(λ)>の光を色チャートへ照射し、当該色チャート上の全てのカラーパッチの分光反射率を分光反射率測定装置2を用いて測定する。またユーザが、観察光源Vとは異なる、測定光源B<分光分布=Pb(λ)>の光を色チャートへ照射し、当該色チャート上のCMYK=(0,0,0,0)値のカラーパッチの分光反射率を分光反射率測定装置2を用いて測定する。なお、この2つの測定光源A、Bは、実施例1同様に、例えば、1つの光源o<分光分布=Po(λ)>に異なる光の透過率のフィルタA<光の透過率Ta(λ)>またはB<光の透過率Tb(λ)>を装着して得られる2つ光源であってもよい。そして、これら測定した測定光源a、bの試料における分光反射率をそれぞれRa(λ)、Rb(λ)[P]とする。
またユーザは、分光放射輝度計3を用いて、高い反射率と高い光の拡散性を持つ分光反射率Rw(λ)の白色板を予測環境下の光源下(観察光源V)において、その白色板における分光放射輝度Cw(λ)を測定する。そして、ユーザは分光反射率予測装置1に試料の観察光源V下での分光反射率を予測する指示を行なう。
すると、分光反射率予測装置1は、分光反射率測定装置2から測定光源A、B下で測定したの試料の各色(測定光源A下では全てのカラーパッチの色、測定光源B下ではインクの塗布されていないカラーパッチの色)の分光反射率Ra(λ)、Rb(λ)[P]を読み込み、また分光放射輝度計3から白色板の観察光源V下における分光放射輝度Cw(λ)を読み込み、さらにユーザからの入力に基づいて、測定光源A、Bの分光分布Pa(λ)、Pb(λ)[P]と、カラーチャート上に印刷されるカラーパッチの色の色出力値を読み込む(ステップS1c)。
なお、1つの光源oとフィルタA、Bとを用いた環境により得られる2つの光を用いて、ユーザがカラーチャートの各カラーパッチの分光反射率を測定した場合には、光源oの分光分布Po(λ)とフィルタAの光の透過率Ta(λ)とフィルタBの光の透過率Tb(λ)が分光反射率予測装置1にユーザにより入力される。そして、分光反射率予測装置1の照射光分光分布算出部11が分光分布Pa(λ)とPb(λ)[P]を実施例1の式(1)、(2)により算出する。また、上記白色板の分光反射率Rw(λ)が分光反射率予測装置1に入力される。
次に、観察光分光分布算出部12が、白色板の分光反射率と分光放射輝度計3によって測定された分光放射輝度Cw(λ)を用いて実施例1の式(3)により、観察光の分光分布Pv(λ)を算出する(ステップS2c)。
次に、分光反射率予測装置1の蛍光影響度算出部13が、測定光源Aの光の蛍光影響度Ea(λ)、および、測定光源Bの光の蛍光影響度Eb(λ)、および、観察光源Vの光の蛍光影響度Ev(λ)を式(4)、(5)、(6)を用いて実施例1と同様に算出する(ステップS3c)。
次に、塗布物影響度関数算出部(第2塗布物影響度関数算出手段、第3塗布物影響度関数算出手段)15が、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)、K(ブラック)の色出力値に基づいて蛍光増白剤を含む紙に塗布されたインク(色チャートの各カラーパッチ)の、当該紙の蛍光増白剤に影響する度合いを示す塗布物影響度関数を算出する(ステップS4c)。ここで、色チャート内のカラーパッチにおいて、蛍光増白剤の影響が最も大きいカラーパッチはインク量の最も少ないカラーパッチ、すなわち紙白部分である。そして用紙上に塗布されたインク量が多いカラーパッチほど蛍光増白剤の影響が少なくなる。すなわち紙白部分の分光反射率からの変化が少ないパッチほど蛍光増白剤の影響が大きく、変化が大きいパッチほど蛍光増白剤の影響が少なくなると見なすことができる。このことから各パッチの影響度関数Fe_R(n,λ)を、測定光A下での紙白部分の分光反射率Ra(λ)[p]に対する測定光A下でのパッチの分光反射率Ra(λ)[n]の比率として、式(20)によりに求めることができる。
Figure 2006084333
そして次に、分光反射率算出部14が、式(21)を用いて、観察光源V下における色チャートの各カラーパッチの分光反射率を算出する(ステップS5c)。
Figure 2006084333
なお、各カラーパッチの観察光源V下での分光反射率を算出する際には、塗布物影響度関数算出部15が式(20)により算出した影響度関数Fe_R(n,λ)の値と、また、測定光源A下におけるパッチの分光反射率Ra(λ)と、測定光源B下におけるインクなどの色が塗布されていない紙の分光反射率Rb(λ)[P]と、測定光源A下におけるインクなどの色が塗布されていない紙の分光反射率Ra(λ)[P]と、測定光源Aの光の蛍光影響度Eaと、測定光源Bの光の蛍光影響度Ebと、観察光源Vの光の蛍光影響度Evとを式(21)に入力することより算出される。
以上、本発明の実施例について述べたが、分光反射率測定装置2の測定可能範囲は実施例1に述べた380nm〜400nmの範囲ではなく、もっと広範囲に渡って分光反射率が測定できるようにしても良い。これにより、例えば、蛍光影響度の算出における吸収波長域をより紫外波長域に近づけるように適宜設定したり、また吸収波長域で吸収したエネルギーの発光波長域を適宜設定するようにしてもよい。
また、観察光源の分光分布は上記計算式でなく他の手段で得ても良い。例えば観察光減を蛍光灯等を作 成したメーカーから得た分光分布情報を用いたり、CIEの定める標準の光や標準光源等の分光情報を用いても良い。
また、実施例2、実施例3では色出力値がC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)、K(ブラック)であるとしたが、その他RGB等の他の色を特定する情報を用いるようにしても良い。これにより、CMYKの色出力値によって色チャートを出力するプリンタだけでなく、RGBの色信号値によって出力するプリンタにも応用することができる。
また上記色チャートとは、例えばIT8.7/3チャートであっても良いし、その他の色チャートであっても良い。
また実施例2ではC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)、K(ブラック)それぞれの色出力値iC、iM、iY、iKに対する塗布物影響度関数Fe_cmyk(iC、iM、iY、iK)を、個々の色出力値に対する影響度関数の積からなる関数として求めたが、色出力値iC、iM、iY、iKから直接値を得る影響度関数とする等、色出力値と蛍光増白剤の測定値に対する影響度の関係を表す関数であれば、どのような関数でも良い。
また実施例3に対応する他の例として、例えば、式(20)に示したFe_R(n,λ)を、
Figure 2006084333
として求める方法も考えられる(第2塗布物影響度関数)。この式(22)におけるNは使用する用紙やインクによって変動する値であり、CMYK=(0,0,0,0)を測定光B下で、また特定カラーパッチを含む色チャートの複数のカラーパッチを測定光A下で実測した分光反射率を用いて、実施例3の方法で塗布物影響度関数を求め、特定カラーパッチの測定光源A下での分光反射率から測定光源B下での特定カラーパッチの分光反射率を推定し、実際に測定光源B下で測定した特定カラーパッチの実測値(分光反射率)と比較し、推定値と実測値の差が最小となる値をNと設定する。なおNを求める方法としては、分光反射率の差を最小とする方法以外に、色差(CIELAB、CIE94等どのような色差式でもよい)を最小とする方法などが考えられる。このNの計算法に関しては、何を最適化するかの目的によって異なるため、目的に応じてどのような方法を用いてもよい。または測定光B下での複数の特定パッチを用いず、代表的な用紙やインクによるN値を用いたり、複数の用紙やインクのN値の平均値を用いるなどして、Nを定数として設定しても良い。
また実施例3に対応する他の例として、例えば、式(23)に示したFe_R(n,λ)を、Nは波長毎に異なる関数であると見なし、
Figure 2006084333
として求める方法も考えられる(第3塗布物影響度関数)。N(λ)は数22のNと同様の考え方で求める事が可能である。
そして上述の分光反射率予測装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
実施例1による分光反射率予測装置の構成を示すブロック図である。 実施例1による分光反射率予測装置の処理フローを示す図である。 実施例2による分光反射率予測装置の構成を示すブロック図である。 実施例2による分光反射率予測装置の処理フローを示す図である。 塗布物影響度関数Fe_c(ic)を示す図である。 実施例3による分光反射率予測装置の処理フローを示す図である。
符号の説明
1・・・分光反射率予測装置
11・・照射光分光分布算出部
12・・観察光分光分布算出部
13・・蛍光影響度算出部
14・・分光反射率算出部
15・・塗布物影響度算出部
2・・・分光反射率測定装置
3・・・分光放射輝度計

Claims (20)

  1. 蛍光増白剤を含んだ試料の観察光源下における分光反射率を予測する分光反射率予測装置であって、
    第1分光分布を示す第1光源下における前記試料の第1分光反射率と、前記第1分光分布とは異なる第2分光分布を示す第2光源下における前記試料の第2分光反射率とを読み込む分光反射率測定結果読み込み手段と、
    予め測定されている白色板の分光反射率と前記白色板の前記観察光源の下における分光放射輝度を読み込み、当該白色板の分光反射率と前記白色板の観察光源下における分光放射輝度とに基づいて算出された、前記観察光源が示す第3分光分布を読み込む第3分光分布読み込み手段と、
    前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第1光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第1蛍光影響度を算出する第1蛍光影響度算出手段と、
    前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第2光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第2蛍光影響度を算出する第2蛍光影響度算出手段と、
    前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記観察光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第3蛍光影響度を算出する第3蛍光影響度算出手段と、
    前記第1分光反射率と、前記第2分光反射率と、前記第1蛍光影響度と、前記第2蛍光影響度と、前記第3蛍光影響度とに基づいて、前記試料の前記観察光源下における分光反射率を算出する分光反射率算出手段と、
    を備えることを特徴とする分光反射率予測装置。
  2. 蛍光増白剤を含んだ試料であって複数の異なる色が塗布された前記試料の、観察光源下における分光反射率を予測する分光反射率予測装置であって、
    第1分光分布を示す第1光源下における前記試料の色の塗布されていない部分を含む各色の第1分光反射率と、前記第1分光分布とは異なる第2分光分布を示す第2光源下における前記試料の色の塗布されていない部分を含む複数の異なる色のうち何れか特定の色の第2分光反射率と、を読み込む分光反射率測定結果読み込み手段と、
    予め測定されている白色板の分光反射率と前記白色板の前記観察光源の下における分光放射輝度を読み込み、当該白色板の分光反射率と前記白色板の観察光源下における分光放射輝度とに基づいて算出された、前記観察光源が示す第3分光分布を読み込む第3分光分布読み込み手段と、
    前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第1光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第1蛍光影響度を算出する第1蛍光影響度算出手段と、
    前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第2光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第2蛍光影響度を算出する第2蛍光影響度算出手段と、
    前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記観察光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第3蛍光影響度を算出する第3蛍光影響度算出手段と、
    前記試料に塗布された各色の色情報と当該色情報が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いとの関係を示す塗布物影響度の関数を算出する塗布物影響度関数算出手段と、
    前記第1分光反射率と、前記第2分光反射率と、前記第1蛍光影響度と、前記第2蛍光影響度と、前記第3蛍光影響度と、前記観察光源下で予測する前記試料に塗布された色の色情報を前記塗布物影響度関数に代入して得られた塗布物影響度とに基づいて、前記試料の前記観察光源下における分光反射率を算出する分光反射率算出手段と、
    を備えることを特徴とする分光反射率予測装置。
  3. 前記分光反射率測定結果読み込み手段において読み込まれる第2分光反射率は、第1分光分布とは異なる第2分光分布を示す第2光源下における前記試料の色の塗布されていない部分の第2分光反射率であることを特徴とする請求項2に記載の分光反射率予測装置。
  4. 前記試料において、前記色の塗布されている部分の第1光源下での分光反射率と、前記試料において、前記色の塗布されていない部分の第1光源下での分光反射率との比のN(所定の変数)乗によって表すことを特徴とする請求項3に記載の分光反射率予測装置。
  5. 前記所定の変数Nは、第1光源下での分光反射率から求めた第2光源下での推定の分光反射率と実際に第2光源下で分光反射率との差が最小となる値であることを特徴とする請求項4に記載の分光反射率予測装置。
  6. 前記塗布物影響度の関数において、蛍光白色剤の特定の光エネルギー発光波長または光エネルギー発光波長域を用いて前記試料に塗布された色の前記観察光源下における分光反射率を算出する
    ことを特徴とする請求項2から請求項5の何れかに記載の分光反射率予測装置。
  7. 前記所定の光エネルギー吸収波長域は、前記第1分光反射率や前記第2分光反射率を測定できる波長範囲から特定された波長域であることを特徴とする請求項1から請求項6に記載の分光反射率予測装置。
  8. 前記第1蛍光影響度算出手段または前記第2蛍光影響度算出手段または前記第3蛍光影響度算出手段はそれぞれ、
    蛍光増白剤の光エネルギー吸収波長域と光エネルギー発光波長域の特定の波長として前記第1、第2、第3の蛍光影響度を算出することを特徴とする請求項1から請求項7に記載の分光反射率予測装置。
  9. 前記第1蛍光影響度算出手段または前記第2蛍光影響度算出手段または前記第3蛍光影響度算出手段はそれぞれ、
    蛍光増白剤の光エネルギー吸収波長域を380nm〜400nmとし、光エネルギー発光波長域を430nm〜450nmとして前記第1、第2、第3の蛍光影響度を算出することを特徴とする請求項1から請求項8に記載の分光反射率予測装置。
  10. 前記試料は複数の色が塗布された色チャートであり、
    前記分光反射率算出手段は、前記色チャートの全ての色の観察光源下における分光反射率を算出する
    ことを特徴とする請求項2から請求項9に記載の分光反射率予測装置。
  11. 蛍光増白剤を含んだ試料の観察光源下における分光反射率を予測する分光反射率予測装置における分光反射率予測方法であって、
    前記分光反射率予測装置の分光反射率測定結果読み込み手段が、第1分光分布を示す第1光源下における前記試料の第1分光反射率と、前記第1分光分布とは異なる第2分光分布を示す第2光源下における前記試料の第2分光反射率とを読み込み、
    前記分光反射率予測装置の第3分光分布読み込み手段が、予め測定されている白色板の分光反射率と前記白色板の前記観察光源の下における分光放射輝度を読み込み、当該白色板の分光反射率と前記白色板の観察光源下における分光放射輝度とに基づいて算出された、前記観察光源が示す第3分光分布を読み込み、
    前記分光反射率予測装置の第1蛍光影響度算出手段が、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第1光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第1蛍光影響度を算出し、
    前記分光反射率予測装置の第2蛍光影響度算出手段が、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第2光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第2蛍光影響度を算出し、
    前記分光反射率予測装置の第3蛍光影響度算出手段が、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記観察光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第3蛍光影響度を算出し、
    前記分光反射率予測装置の分光反射率算出手段が、前記第1分光反射率と、前記第2分光反射率と、前記第1蛍光影響度と、前記第2蛍光影響度と、前記第3蛍光影響度とに基づいて、前記試料の前記観察光源下における分光反射率を算出する
    ことを特徴とする分光反射率予測方法。
  12. 蛍光増白剤を含んだ試料であって複数の異なる色が塗布された前記試料の、観察光源下における分光反射率を予測する分光反射率予測装置の分光反射率予測方法であって、
    前記分光反射率予測装置の分光反射率測定結果読み込み手段が、第1分光分布を示す第1光源下における前記試料の色の塗布されていない部分を含む各色の第1分光反射率と、前記第1分光分布とは異なる第2分光分布を示す第2光源下における前記試料の色の塗布されていない部分を含む複数の異なる色のうち何れか特定の色の第2分光反射率とを読み込み、
    前記分光反射率予測装置の第3分光分布読み込み手段が、予め測定されている白色板の分光反射率と前記白色板の前記観察光源の下における分光放射輝度を読み込み、当該白色板の分光反射率と前記白色板の観察光源下における分光放射輝度とに基づいて算出された、前記観察光源が示す第3分光分布を読み込み、
    前記分光反射率予測装置の第1蛍光影響度算出手段が、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第1光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第1光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第1蛍光影響度を算出し、
    前記分光反射率予測装置の第2蛍光影響度算出手段が、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記第2光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記第2光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第2蛍光影響度を算出し、
    前記分光反射率予測装置の第3蛍光影響度算出手段が、前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー吸収波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和と前記蛍光増白剤の所定の光エネルギー発光波長域における前記観察光源の分光分布のエネルギー量の総和の比率に基づいて、前記観察光源の光が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いを示す第3蛍光影響度を算出し、
    前記分光反射率予測装置の塗布物影響度関数算出手段が、前記試料に塗布された各色の色情報と当該色情報が前記蛍光増白剤の発光特性に影響する度合いとの関係を示す塗布物影響度の関数を算出し、
    前記分光反射率予測装置の分光反射率算出手段が、前記第1分光反射率と、前記第2分光反射率と、前記第1蛍光影響度と、前記第2蛍光影響度と、前記第3蛍光影響度と、前記観察光源下で予測する前記試料に塗布された色の色情報を前記塗布物影響度関数に代入して得られた塗布物影響度とに基づいて、前記試料の前記観察光源下における分光反射率を算出する
    ことを特徴とする分光反射率予測方法。
  13. 前記分光反射率測定結果読み込み手段において読み込まれる第2分光反射率は、第1分光分布とは異なる第2分光分布を示す第2光源下における前記試料の色の塗布されていない部分の第2分光反射率であることを特徴とする請求項12に記載の分光反射率予測方法。
  14. 前記試料において、前記色の塗布されている部分の第1光源下での分光反射率と、前記試料において、前記色の塗布されていない部分の第1光源下での分光反射率との比のN(所定の変数)乗によって表すことを特徴とする請求項13に記載の分光反射率予測方法。
  15. 前記所定の変数Nは、第1光源下での分光反射率から求めた第2光源下での推定の分光反射率と実際に第2光源下で分光反射率との差が最小となる値であることを特徴とする請求項14に記載の分光反射率予測装置。
  16. 前記塗布物影響度の関数において、蛍光白色剤の特定の光エネルギー発光波長または光エネルギー発光波長域を用いて前記試料に塗布された色の前記観察光源下における分光反射率を算出する
    ことを特徴とする請求項12から請求項15の何れかに記載の分光反射率予測方法。
  17. 前記所定の光エネルギー吸収波長域は、前記第1分光反射率や前記第2分光反射率を測定できる波長範囲から特定された波長域であることを特徴とする請求項11から請求項16に記載の分光反射率予測方法。
  18. 前記第1蛍光影響度算出手段または前記第2蛍光影響度算出手段または前記第3蛍光影響度算出手段はそれぞれ、
    蛍光増白剤の光エネルギー吸収波長域と光エネルギー発光波長域の特定の波長として前記第1、第2、第3の蛍光影響度を算出することを特徴とする請求項11から請求項17に記載の分光反射率予測方法。
  19. 前記第1蛍光影響度算出手段または前記第2蛍光影響度算出手段または前記第3蛍光影響度算出手段はそれぞれ、
    蛍光増白剤の光エネルギー吸収波長域を380nm〜400nmとし、光エネルギー発光波長域を430nm〜450nmとして前記第1、第2、第3の蛍光影響度を算出することを特徴とする請求項11から請求項18に記載の分光反射率予測方法。
  20. 前記試料は複数の色が塗布された色チャートであり、
    前記分光反射率算出手段は、前記色チャートの全ての色の観察光源下における分光反射率を算出する
    ことを特徴とする請求項12から請求項19に記載の分光反射率予測方法。
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