JP2006084261A - 高分子材料の物性値解析方法 - Google Patents

高分子材料の物性値解析方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006084261A
JP2006084261A JP2004267984A JP2004267984A JP2006084261A JP 2006084261 A JP2006084261 A JP 2006084261A JP 2004267984 A JP2004267984 A JP 2004267984A JP 2004267984 A JP2004267984 A JP 2004267984A JP 2006084261 A JP2006084261 A JP 2006084261A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
physical property
polymer material
property value
analysis method
peak
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004267984A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4384571B2 (ja
Inventor
Masayuki Kyomoto
政之 京本
Juseppe Pettsuottei
ジュセッペ ペッツォッティ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2004267984A priority Critical patent/JP4384571B2/ja
Publication of JP2006084261A publication Critical patent/JP2006084261A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4384571B2 publication Critical patent/JP4384571B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Abstract

【課題】 データのばらつきも少なく、精度も高い解析方法を高分子材料に提供する。
【解決手段】 特定の高分子材料に関して予め準備されたラマンスペクトル値と物性値との関係を表す検量線をリファレンスとして前記特定の高分子材料と同種の被解析高分子材料の物性値を解析する方法であって、前記被解析高分子材料のラマンスペクトルを測定する工程と、このラマンスペクトルから前記リファレンスにおけるのと同種のスペクトル値を算出する工程と、このスペクトル値に対応する物性値を前記リファレンスを用いて解析する工程とからなる高分子材料の物性値解析方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高分子材料の物性解析方法に関し、特に非破壊で行う物性解析方法を提供するものである。
従来、人工股関節、人工膝関節等の人工関節の構成部材として、様々な高分子材料が用いられ、そして今なお多くの高分子材料の人工関節への応用が試みられている。特に、近年では超高分子量ポリエチレン(以下、UHMWPEと略称する。)が一般に使用されている。
従来、高分子材料の解析方法としては、ゲルろ過クロマトグラフィー(Gel-Permeation Chromatography, GPC)、熱分解ガスクロマトグラフィー、光散乱、浸透圧、超遠心分離、電子顕微鏡、X線及び中性子線回折、核磁気共鳴スペクトル、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimeter, DSC)、熱重量測定(Thermogravimetry, TG)、示差熱分析(Differential Thermal analysis, DTA)等の破壊、非破壊分析が用いられてきた。
医療用高分子材料の一つである人工関節UHMWPEの分析手法についても、以前より数多くの方法が確立されてきた。例えば、UHMWPEの機械的特性については、引張り試験、スモールパンチ試験等がこれに該当する(非特許文献1, 2参照)。化学的特性評価としては、ゲル化度測定、結晶化度測定、酸化度測定等がこれに該当する(非特許文献3, 4, 5参照)。これらの方法は何れも、破壊分析の方法である。
人工関節UHMWPEコンポーネントは、生体内で使用されたときには、変形、変性を複合的に引き起こし、結果として摩耗、酸化、層状剥離といった現象を発現する。ここでいう変形、変性とは、酸化、結晶化、摩耗、デラミネーション、クリープ変形などである。
前記人工関節UHMWPEコンポーネントは、臨床現場において盛んに用いられているにも関わらず、これらを詳細に解析する技術は少ない。コンポーネントを解析する技術としては、例えば、シュミレータ等で疲労試験を行う前後の形状の差異を三次元形状測定器などの形状測定器で測定する方法がある。または、前述の引張り試験、スモールパンチ試験、ゲル化度測定、結晶化度測定、酸化度測定等を破壊分析にて個々に実施している。
「Standard Specification for Ultra-High-Molecular-Weight Polyethylene Powder and Fabricated Form for Surgical Implants」 ASTM F648-00. 「Standard Test Method for Small Punch Testing of Ultra-High Molecular Weight Polyethylene Used in Surgical Implants」 ASTM F2183-02. 「Standard Test Method for In Situ Determination of Network Parameters of Crosslinked Ultra High Molecular Weight Polyethylene (UHMWPE)」 ASTM F2214-02. 「新版 高分子分析ハンドブック」 日本分析化学会編, 1995 「Standard Guide for Evaluating the Extent of Oxidation in Ultra-High-Molecular-Weight Polyethylene Fabricated Forms Intended for Surgical Implants」 ASTM F2102-01.
しかしながら、これらの方法は、単に人工関節用UHMWPEの形状変化を測定する、もしくは、破壊分析のため単一の物性を測定することしかできず、人工関節UHMWPEコンポーネントに複雑に引き起こされた変形、変性を適切に評価することが困難であった。
医療用高分子材料は、生体内で使用されたときには、様々な劣化を引き起こす。特に人工関節UHMWPEコンポーネントは、生体内で使用されたときには、酸化、結晶化、摩耗、デラミネーション、クリープ変形などの変形、変性が複合的に引き起こされる。しかしながら、変形、変性現象が複合的に発生しているUHMWPEコンポーネントでは、現在の評価方法のみでは、十分に評価できなかった。
変性現象としての酸化や結晶分率を測定する為には、測定部位から試料を切り出し、化学分析する必要がある。また、変形現象としての歪みや応力を測定するためには、測定部位から試験片を作製し、測定する必要がある。これらの測定方法は試験片を切り出し、破壊分析するので、一試料から一つの測定しかできない。複合的に引き起こされた人工関節UHMWPEコンポーネントを解析するためには、破壊することなく各部位で数種類の測定値が必要であるが、そのような測定はできなかった。
また、試験片を切り出したり、試験片を溶解したりするので、測定までの操作が複雑であり、測定者の技術に依存する為に、データのばらつきも大きく、精度に問題があった。
かかる従来技術の課題に鑑み本発明は、非破壊でかつ分析も容易で、データのばらつきも少なく、精度も高い解析方法を高分子材料に提供することを目的とする。
前記課題を解決するため請求項1記載の高分子材料の物性解析方法は、特定の高分子材料に関して予め準備されたラマンスペクトル値と物性値との関係を表す検量線をリファレンスとして前記特定の高分子材料と同種の被解析高分子材料の物性値を解析する方法であって、前記被解析高分子材料のラマンスペクトルを測定する工程と、このラマンスペクトルから前記リファレンスにおけるのと同種のスペクトル値を算出する工程と、このスペクトル値に対応する物性値を前記リファレンスを用いて解析する工程とからなることを特徴とする。
本発明における同種高分子材料とは、素材メーカーが表示している同一グレードの高分子材料であって、組成、分子量および密度などの物理・化学的特性がほぼ同じものを示す。
本発明におけるスペクトル値とは、高分子材料において同じ官能基に帰属されるスペクトルピークより算出されるピーク高さが1/2となる幅(半価幅 Full Width at Half Maximum, FWHM)またはピーク面積などが例示できる。
ラマン分光分析の原理を説明する。物質表面に励起レーザー光を照射すると、レーザー光は反射、屈折のほかに物質の分子結合状態もしくは結晶構造状態に応じた散乱光を放出する。その散乱光はラマン散乱光と呼ばれ、そのラマン散乱光を検出器に集光し、分光器にて分光されたスペクトルから物質の特性を評価する。
(参考)尾崎幸洋 編, 「ラマン分光法」, 1998.
請求項2の高分子材料の物性解析方法は、前記物性値が歪みであり、前記スペクトル値が、ラマンスペクトルピーク高さが1/2のとなる幅(半値幅)であることを特徴とする。
さらに、請求項3の高分子材料の物性解析方法は、前記スペクトル値として、前記ラマンスペクトルの1127cm-1近傍のピーク位置のピークについてピーク高さが1/2となる幅を算出することを特徴とする。
本発明において、歪みと半値幅に相関性を見出すことができ、これにより材料の特性を破壊せずに測定することができるようになった。
すなわち、ラマン散乱は、分子の振動状態の励起および失活にともなう吸収および再放出により生じる。材料に歪みが加えられた場合、材料分子は本来持っていた構造を維持できず、分子構造が変化し分子の振動状態に影響(振動数分布の広がり)を及ぼす。一方、半値幅は、ピークの高さの半分における幅を示しており、振動数のばらつきを表すものとして実用上便利な目安になっている。従って、分析により得られるラマンスペクトルにより求められた半値幅と歪みには相関があるので、半価幅を評価することで歪みを解析できる。歪みの計算は、JIS K7113に準拠して計算する。
実験では、1127cm-1を含むいくつかのピークにおいて、歪み-半値幅の正の相関を確認した。1127cm-1以外のピークは、結晶分率の影響を受ける。 しかし、1127cm-1のピークは、歪みに対する半値幅の変化に最も良い線形関係を持つ為に、歪みと半値幅の計算に1127cm-1のピークを用いた。
また、請求項4の高分子材料の物性解析方法は、前記物性値が歪みであり、前記スペクトル値が前記ラマンスペクトルピークの面積から求めた結晶分率であることを特徴とする。
さらに、請求項5の高分子材料の物性解析方法は、前記ラマンスペクトルピーク(I1414、 I1293、 I1305)の面積を用いた結晶分率(a) = I1414 /((I1293 + I1305) x 0.46)であることを特徴とする。
Iは積分強度(ピーク面積)を表現している。例えば、I1414は、1414 cm-1付近のピークの積分強度(ピーク面積)である。
本発明における結晶分率とは、測定対象物質の結晶化の尺度で、物質のうちに結晶部分が占める割合を示す。測定には、DSC測定、XRD分析が一般的である。ラマン分光分析では、結晶分率(a) = I1414 /((I1293 + I1305) x 0.46)の式により評価できる。式は、非特許文献6、7より引用した。
(非特許文献6)G.R. Strobl, et al. 「Raman Spectroscopic Method for Determining the Crystallinity of Polyethylene」, Journal of Polymer Science: Polymer Physics Edition, 16:1181-1193, 1978.
(非特許文献7)R. Mutter, W. Stille, G. Strobl, J Poly Sci: Polym Phys 31, 99-105 (1993)
ピークに属する分子の量はピーク高さとピークに属する分子振動の僅かなばらつきの両方を考慮しなければならない。そのため、結晶分率を算出するときはその両方に影響する積分強度(ピーク面積)を用いた。
請求項6の高分子材料の物性解析方法は、 前記物性値がフーリエ赤外分光分析により測定されたスペクトルのピーク(I1360,I1720)の面積を用いた酸化度=I1720/I1360であり、前記スペクトル値がラマンスペクトルのピーク(I1414、 I1293、 I1305)の面積を用いた結晶分率(ac) = I1414 /((I1293 + I1305) x 0.46)または非結晶分率(aa) = I1080 /((I1293 + I1305) x 0.79)であることを特徴とする。
フーリエ赤外分光分析の原理を説明する。
分子はそれぞれ固有の振動をしている。そのような分子に波長を連続的に変化させて赤外線を照射していくと、分子の固有振動と同じ周波数の赤外線が吸収され、分子の構造に応じたスペクトルが得られる。このスペクトルから分子の構造を解析することを赤外分光分析という。
(参考)化学同人, 「機器分析のてびき(1)」, 1979.
酸化度測定は、非特許文献5に準拠して行った。
次に、請求項7の高分子材料の物性解析方法は請求項2の物性値解析方法により歪みに関する物性値を解析した後、前記歪みに関する物性値と応力曲線との関係を表す予め準備された検量線を用いて、前記解析した歪みに関する物性値に対応する応力を解析することを特徴とする。
歪み−応力曲線は、JIS K7113に準拠して行なった。
また、請求項8の高分子材料の物性解析方法は、前記特定の高分子材料が、人工関節用であることを特徴とする。人工股関節には超高分子ポリエチレン製ソケットが臨床使用されている。更に、請求項9の高分子材料の物性解析方法は、前記特定の高分子材料が超高分子量ポリエチレンであることを特徴とする。
本発明の構成によれば、分光分析は他の化学分析と比べて、非破壊でかつ分析も容易であるので操作によるデータのばらつきも少なく、精度も高い。
ラマン分光分析では簡便に高分子の物性とラマンスペクトルのピーク情報に関する検量線を作成することができる。これらの検量線をレファレンスとして、破壊することなく高分子の材料の物性を解析することができる。
また、歪みとラマンスペクトルピーク高さが1/2となる半値幅の検量線より、高分子材料の歪みを求めることができる。特に、1127cm-1のピークを用いることで、より精度が高い歪み量の解析ができる。これに加えて、歪みとラマンスペクトルピークから計算上求められる結晶分率との検量線も合わせて用いることにより、高分子材料の結晶分率を求めることができ、もって高分子材料の変質を評価することができる。
また、酸化度とラマンスペクトルピークから計算上求められる非結晶分率との検量線より、高分子材料の酸化度を求めることができ、もって高分子材料の変質を評価することができる。
次に、前記歪みとラマンスペクトルピーク高さが1/2となる半値幅の検量線に加えて、前記同種の高分子材料における歪みと応力曲線を基に予め作成された検量線をレファレンスとすることで、このレファレンスから更に応力を求めることができる。
なお、本発明の高分子材料の物性解析方法を人工関節用の高分子材料に対して用いた場合、ポリエチレンカップ、プレート等に作用した応力、熱的負荷、環境負荷などの外的因子を受け、発生する変形、変性現象を適切に評価することができる。
また、本発明の高分子材料の物性解析方法を超高分子量ポリエチレンに対して用いた場合、分子官能基を定性、定量することでき、発生した変形、変性現象を適切に評価することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
ラマンスペクトルから算出される半値幅を用いた歪みの評価は、予め、引張り負荷をかけながら、ラマン分光分析を行ない、得られたラマンスペクトルのデータより、ピーク半値幅-歪み検量線を作成する。次に被解析高分子材料について、ラマン分光分析を行ない、得られたデータについて、先に求めたピーク半値幅-歪み検量線をレファレンスとし、ピーク半値幅の変動から局所歪みを求めて評価を行なうことを特徴とする。特に、1127 cm-1のピーク半値幅-歪み曲線は、線形性が高く、歪み評価の精度を高めることができる。更には、結晶性C-C非対称伸縮振動に帰属される1127 cm-1のピークを歪み量算出に独立して使用することで、より高い精度による歪み評価が可能となる。
更には、予め応力-歪み検量線を作成しておくことで、前述の半値幅-歪み検量線から求めた歪みを用いて、応力-歪み検量線から被解析高分子材料に残留している応力値を推定することが可能となる。
ラマンスペクトルから算出される結晶分率を用いた歪みの評価は、予め、引張り負荷をかけながら、ラマン分光分析を行ない、得られたラマンスペクトルのデータについて、結晶性H-C-Hひねり振動に帰属されるピーク(1293 cm-1)、非結晶性H-C-Hひねり振動に帰属されるピーク(1305 cm-1)及び結晶性H-C-H変角振動に帰属されるピーク(1414 cm-1)の面積を求め、それの比から相対的な結晶分率(ac)を式(1)より算出し、結晶分率(ac)-歪み検量線を作成する。次に被解析高分子材料について、ラマン分光分析を行ない、得られたラマンスペクトルデータから結晶分率を算出し、先に求めた結晶分率(ac)-歪み検量線をレファレンスとし、結晶分率の変動による歪みの評価を行なうことを特徴とする。

結晶分率(ac) = I1414 / ((I1293 + I1305) x 0.46) (1)

ラマンスペクトルから算出される非結晶分率を用いた酸化の評価は、予め、酸化を引き起こさせた試験片について、ラマン分光分析を行ない、得られたラマンスペクトルのデータについて、非結晶性C-C伸縮振動に帰属されるピーク(1080 cm-1付近)、結晶性H-C-Hひねり振動に帰属されるピーク(1293 cm-1)、非結晶性H-C-Hひねり振動に帰属されるピーク(1305 cm-1)及び結晶性の面積を求め、それの比から相対的な非結晶分率(aa)を式(2)より算出する。

非結晶分率(aa) = I1080 / ((I1293 + I1305) x 0.79) (2)

引き続いて、ラマン分光分析を行なった部位について、フーリエ赤外分光(FT-IR)分析により、得られたFT-IRスペクトルから、非特許文献5に準拠してPEの主鎖-CH2-に帰属されるピーク(1360 cm-1付近)と、酸化によって生じるC=Oに帰属されるピーク(1720 cm-1付近)の面積を求め、それらの比から相対的な酸化度(OI)を式(3)より算出する。

酸化度(OI) = I1720 / I1360 (3)

算出された非結晶分率(aa)と酸化度(OI)を用いて非結晶分率(aa)-酸化度(OI)検量線を作成する。次に被解析高分子材料について、ラマン分光分析を行ない、得られたラマンスペクトルデータから非結晶分率を算出し、先に求めた非結晶分率(aa)-酸化度(OI)検量線をレファレンスとし、非結晶分率の変動による酸化の程度の評価を行なうことを特徴とする。
医療用高分子材料としては、シリコーン樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が例示できる。特に、ポリエチレンにおいては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等が例示できる。
人工関節の摺動面にはセラミック製コンポーネントと超高分子ポリエチレン製コンポーネントの組み合わせが使用されている。臨床使用後、取り出された超高分子ポリエチレン製コンポーネントを本発明による上記の解析方法で分析することで、超高分子ポリエチレンの変形・変性による劣化を評価することができ、臨床使用年数を予測が可能となる。
以下に、検量線および実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら検量線および実施例により限定されるものではない。また、ラマン分光分析は顕微ラマン分光分析で測定することも可能である。
検量線1
直径90x500 mm3のPerplas社製UHMWPEロッド(GUR1050、平均分子量約600万)を準備した。このUHMWPEロッドより小型ダンベル状試験片を機械加工により得た。得られた試験片を引張り負荷治具に固定し引張り負荷をかけつつ、Jobin-Yvon社製ラマン分光測定装置 T-64000を用い顕微ラマン分光分析を行なった。励起源には488 nmAr+を用い、レーザー出力70 mW、中心波長1300 cm-1、レーザースポット径1 mm、積算回数20秒3回として測定した。
得られたラマンスペクトルをから、非結晶性C-C伸縮振動に帰属されるピーク(1080 cm-1付近)、結晶性H-C-Hひねり振動に帰属されるピーク(1293 cm-1)及び結晶性H-C-H変角振動に帰属されるピーク(1414 cm-1)の面積を求め、それの比から相対的な結晶分率(ac)を算出した。

結晶分率(ac) = I1414 / ((I1293 + I1305) x 0.46) (1)

図1に、引張り負荷-ラマン分光分析により求められたUHMWPEの結晶分率-歪みの検量線を示す。横軸に引張り負荷による歪みを、縦軸にラマン分光による求められた結晶分率(ac)を示す。引張り負荷により一軸方向に歪んだとき、歪みが約0〜50%の変形領域において、UHMWPEの結晶分率は増大し、歪みが約50%以上の変形領域において結晶分率は低下した。
検量線2
直径90x500 mm3のPerplas社製UHMWPEロッド(GUR1050、平均分子量約600万)を準備した。このUHMWPEロッドより小型ダンベル状試験片を機械加工により得た。得られた試験片を引張り負荷治具に固定し引張り負荷をかけつつ、Jobin-Yvon社製ラマン分光測定装置 T-64000を用い顕微ラマン分光分析を行なった。励起源には488 nmAr+を用い、レーザー出力70 mW、中心波長1300 cm-1、レーザースポット径1 mm、積算回数20秒3回として測定した。(ここまでは、検量線1の操作と同様である)
図2に、引張り負荷-ラマン分光分析により求められたUHMWPEのスペクトルピーク半値幅-歪みの検量線を示す。横軸に引張り負荷による歪みを、縦軸にラマン分光による求められた半値幅を示す。引張り負荷により歪んだとき、UHMWPEラマンスペクトルピーク半値幅(FWHM)は、徐々に増大した。1127 cm-1の半値幅の変化は、線形性が高かった。半値幅は、検出される官能基の振動数のばらつきを示している。図2より、UHMWPEは歪み量が増大するにともなって、官能基の振動数のばらつきが大きくなったといえる。
検量線3
直径90x1000 mm3のPerplas社製UHMWPE(GUR1050)を準備した。UHMWPEを試験片形状に機械加工を行なった。得られた試験片を大気中、80℃にて酸化加速試験を行なった。
酸化した試験片に対して、顕微ラマン分光分析を行なった。Jobin-Yvon社製ラマン分光測定装置 T-64000を用い顕微ラマン分光分析を行なった。励起源には488 nmAr+を用い、レーザー出力70 mW、中心波長1300 cm-1、レーザースポット径1 mm、積算回数20秒3回として測定した。得られたラマンスペクトルから、非結晶分率(aa)及び結晶分率(ac)を算出した。検量線1と同様の式により算出した。
顕微ラマン分光分析の後、同じ部位の酸化度を、顕微フーリエ赤外分光(FT-IR)分析により測定した。測定には、パーキンエルマー社製顕微FT-IR分析装置(Spectrum BX)を用い、分解能4 cm-1、積算回数100回、波数800〜2200 cm-1にて透過法にて測定した。測定は表面から内部方向に100 mm毎に行なった。得られたFT-IRスペクトルから、PEの主鎖-CH2-に帰属されるピーク(1360 cm-1付近)と、酸化によって生じるC=Oに帰属されるピーク(1680〜1750 cm-1付近)の面積を求め、それらの比から相対的な酸化度(OI)を算出した。
図3に、作為的に酸化されたUHMWPEのラマン分光分析によって求められた結晶分率(ac)-酸化度の検量線および非結晶分率(aa)-酸化度の検量線に示す。横軸に酸化度を、縦軸にラマン分光による求められた結晶分率(ac)および非結晶分率(aa)を示す。
検量線4
直径90x500 mm3のPerplas社製UHMWPEロッド(GUR1050、平均分子量約600万)を準備した。このUHMWPEロッドより小型ダンベル状試験片を機械加工により得た。得られた試験片を、JIS K7113に準拠して、島津製作所製万能試験機(オートグラフAGS-20kNG)を用いて、負荷速度50 mm/min、チャック間距離10 mmにて引張り試験した。図4に、この試験体の応力-歪みの検量線を示す。横軸に引張り負荷による歪みを、縦軸に応力を示す。
実施例
不具合により取り出された臨床使用後の人工膝関節のUHMWPEコンポーネントについて、Jobin-Yvon社製ラマン分光測定装置T-64000を用いて顕微ラマン分析を行なった。励起源に488 nm Ar+を用い、レーザー出力70 mW、中心波長1300 cm-1、レーザースポット径1 mm、積算回数20秒3回にて測定した。各測定部位のラマンスペクトルより、検量線1〜3記載された方法と同様の操作にて、結晶分率、半値幅、非結晶分率を求め、図5に示す。縦軸には、各々、結晶分率、半値幅、非結晶分率を示し、横軸には、対象検体の測定部位を示し、表面を0 mm部、コンポーネントの裏側を6 mmとした。
図5(a)より、表面部(0〜0.5 mm部)と内部(2.0〜5.0 mm部)に結晶分率は歪みがない時の結晶分率0.3(図1の検量線1の歪みが0)と比べて、約0.05及び0.20の増加が認められた。
図5(b)より、表面部(0〜0.5 mm部)は0.25〜0.35 cm-1の半値幅を示した。図2の半値幅−歪み検量線2をレファレンスすると、半値幅が0.25〜0.35 cm-1のとき、歪みは50〜70%と読み取れる。従って、UHMWPEコンポーネントの表面部は50〜70%の歪みを起こしていることが分かる。図4の応力-歪みの検量線4より、約25MPaの応力がUHMWPEコンポーネントの表面部に作用していることが分かる。
図5(b)より、内部(2.0〜5.0 mm部)は、半値幅は0.1以下であった。図2の半値幅−歪み検量線2をレファレンスすると、半値幅の0.1以下のとき、歪みはほとんどないと読み取れる。 図1の検量線1より歪みがないとき、結晶分率は0.3であるので、内部(2.0〜5.0 mm部)の結晶分率の増加分0.2は、酸化に由来するものといえる。
次に、図5(c)より表面部(0〜0.5 mm部)の非結晶分率は0.3〜0.4であった。図3の非結晶分率−酸化度検量線3を参照すると、非結晶分率0.3〜0.4のとき酸化度はほぼ0と読み取れる。従って、UHMWPEコンポーネントの表面部はほとんど酸化を示していないことが分かる。
つまり、UHMWPEコンポーネント表面部は、ほとんど酸化を示さず、摺動運動による歪みを起こしていると判断できる。
次に、図5(c)より内部(2.0〜5.0 mm部)の非結晶分率は0.13〜0.15であった。図3の非結晶分率−酸化度検量線3を参照すると、非結晶分率0.13〜0.15のとき、0.8〜2.0の酸化度と読み取れる。
以上から、前記人工膝関節のUHMWPEコンポーネントは表面部は歪みを起こし、内部は酸化を起こしており、劣化が大きいことが判る。
本実施例のように、例えば高分子材料からなる人工関節部材について臨床上の物性値を解析することができるので、そのような物性値のデータを多数、入手することによって、特定の高分子材料の使用限界年数を推定することが可能となる。
ところで、人工股関節の摺動面にはセラミック製ボールと超高分子ポリエチレン製ソケットの組み合わせが臨床使用されている。また、人工膝関節の摺動面には大腿骨コンポーネントと超高分子ポリエチレン製トレーの組み合わせが臨床使用されている。臨床使用された人工関節が不具合のために取り出される場合がある。取り出された超高分子ポリエチレン製コンポーネントを本発明による解析方法で分析することで、臨床使用年数と超高分子ポリエチレンの変形・変性による劣化の程度の相関を求めることができ、この関係を基に、臨床使用年数を予測することができる。
レーザ光をプローブの探針で誘導することで埋入された人工関節の超高分子ポリエチレンの変形・変性による劣化の程度を取り出すことなく評価することができ、再施術の時期を判断することができる。
UHMWPEの結晶分率−歪み検量線1である。 UHMWPEの半値幅−歪み検量線2である。 UHMWPEの結晶分率, 非結晶分率−酸化度検量線3である。 UHMWPEの応力−歪み検量線4である。 実施例の臨床使用されたUHMWPEコンポーネントのラマン分光分析により得られたラマンスペクトルより算出した(a)結晶分率−測定部位曲線図、(b)半値幅−測定部位曲線図、(c)非結晶分率−測定部位曲線図である。
符号の説明
符号なし

Claims (9)

  1. 特定の高分子材料に関して予め準備されたラマンスペクトル値と物性値との関係を表す検量線をリファレンスとして前記特定の高分子材料と同種の被解析高分子材料の物性値を解析する方法であって、前記被解析高分子材料のラマンスペクトルを測定する工程と、このラマンスペクトルから前記リファレンスにおけるのと同種のスペクトル値を算出する工程と、このスペクトル値に対応する物性値を前記リファレンスを用いて解析する工程とからなる高分子材料の物性値解析方法。
  2. 前記物性値が歪みであり、前記スペクトル値が前記ラマンスペクトルのピーク高さが1/2のとなる幅であることを特徴とする請求項1記載の高分子材料の物性値解析方法。
  3. 前記スペクトル値として、前記ラマンスペクトルの1127cm-1近傍のピークについてピーク高さが1/2となる幅を算出することを特徴とする請求項2記載の高分子材料の物性値解析方法。
  4. 前記物性値が歪みあり、前記スペクトル値が前記ラマンスペクトルのピークの面積から求めた結晶分率であることを特徴とする請求項1記載の高分子材料の物性値解析方法。
  5. 前記結晶分率が、前記ラマンスペクトルのピーク(I1414、 I1293、 I1305)の面積を用いた結晶分率(ac)= I1414 /((I1293 + I1305) x 0.46)であることを特徴とする請求項4記載の高分子材料の物性値解析方法。
  6. 前記物性値がフーリエ赤外分光分析により測定されたスペクトルのピーク(I1360,I1720)の面積を用いた酸化度=I1720/I1360であり、前記スペクトル値がラマンスペクトルのピーク(I1414、 I1293、 I1305)の面積から求めた結晶分率(ac) = I1414 /((I1293 + I1305) x 0.46)または非結晶分率(aa) = I1080 /((I1293 + I1305) x 0.79)であることを特徴とする請求項1記載の高分子材料の物性値解析方法。
  7. 請求項2の物性値解析方法により歪みを解析した後、前記歪みに関する物性値と応力曲線との関係を表す予め準備された検量線を用いて、前記解析した歪みに対応する応力を解析することを特徴とする高分子材料の物性値解析方法。
  8. 前記被解析高分子材料が、人工関節用であることを特徴とする請求項1〜7の少なくともいずれかに記載の高分子材料の物性値解析方法。
  9. 前記被解析高分子材料が超高分子量ポリエチレンであることを特徴とする請求項1〜8少なくともいずれかに記載の高分子材料の物性値解析方法。

JP2004267984A 2004-09-15 2004-09-15 高分子材料の物性値解析方法 Expired - Fee Related JP4384571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004267984A JP4384571B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 高分子材料の物性値解析方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004267984A JP4384571B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 高分子材料の物性値解析方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006084261A true JP2006084261A (ja) 2006-03-30
JP4384571B2 JP4384571B2 (ja) 2009-12-16

Family

ID=36162894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004267984A Expired - Fee Related JP4384571B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 高分子材料の物性値解析方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4384571B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018100943A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 国立大学法人金沢大学 結晶性高分子の劣化測定方法
WO2020055207A1 (ko) * 2018-09-12 2020-03-19 주식회사 엘지화학 고분자 컴파운드의 성분별 분자량 분석방법 및 이에 사용되는 분석 시스템
CN113552109A (zh) * 2020-04-23 2021-10-26 中国石油化工股份有限公司 存储器、基于拉曼光谱的反应热效应测试分析方法、装置和设备
US11371970B2 (en) 2018-09-12 2022-06-28 Lg Chem, Ltd. Method for analyzing molecular weight of each component of polymer compound, and analysis system used therefor
WO2022261781A1 (en) * 2021-06-18 2022-12-22 Ember Katie Methods and systems for interrogating a drop of saliva using raman spectroscopy
JP2023124795A (ja) * 2022-02-25 2023-09-06 株式会社プロテリアル 窒化珪素基板の評価方法、評価装置、及び評価システム

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0626945A (ja) * 1991-01-09 1994-02-04 Sumitomo Metal Ind Ltd 残留応力の測定方法及び該方法に使用する測定装置
JPH07294436A (ja) * 1994-04-27 1995-11-10 Mitsubishi Materials Corp 結晶体のひずみ測定装置およびその方法
JP2001004545A (ja) * 1999-06-17 2001-01-12 Nkk Corp 樹脂被覆層の評価方法
WO2002011780A1 (fr) * 2000-08-07 2002-02-14 Matsushita Electric Works, Ltd. Joint artificiel en ceramique composite de zircone-alumine
JP2003064525A (ja) * 2001-08-23 2003-03-05 Toyobo Co Ltd 高強度ポリエチレン繊維

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0626945A (ja) * 1991-01-09 1994-02-04 Sumitomo Metal Ind Ltd 残留応力の測定方法及び該方法に使用する測定装置
JPH07294436A (ja) * 1994-04-27 1995-11-10 Mitsubishi Materials Corp 結晶体のひずみ測定装置およびその方法
JP2001004545A (ja) * 1999-06-17 2001-01-12 Nkk Corp 樹脂被覆層の評価方法
WO2002011780A1 (fr) * 2000-08-07 2002-02-14 Matsushita Electric Works, Ltd. Joint artificiel en ceramique composite de zircone-alumine
JP2003064525A (ja) * 2001-08-23 2003-03-05 Toyobo Co Ltd 高強度ポリエチレン繊維

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018100943A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 国立大学法人金沢大学 結晶性高分子の劣化測定方法
WO2020055207A1 (ko) * 2018-09-12 2020-03-19 주식회사 엘지화학 고분자 컴파운드의 성분별 분자량 분석방법 및 이에 사용되는 분석 시스템
US11371970B2 (en) 2018-09-12 2022-06-28 Lg Chem, Ltd. Method for analyzing molecular weight of each component of polymer compound, and analysis system used therefor
CN113552109A (zh) * 2020-04-23 2021-10-26 中国石油化工股份有限公司 存储器、基于拉曼光谱的反应热效应测试分析方法、装置和设备
CN113552109B (zh) * 2020-04-23 2023-12-29 中国石油化工股份有限公司 存储器、基于拉曼光谱的反应热效应测试分析方法、装置和设备
WO2022261781A1 (en) * 2021-06-18 2022-12-22 Ember Katie Methods and systems for interrogating a drop of saliva using raman spectroscopy
JP2023124795A (ja) * 2022-02-25 2023-09-06 株式会社プロテリアル 窒化珪素基板の評価方法、評価装置、及び評価システム
JP7420204B2 (ja) 2022-02-25 2024-01-23 株式会社プロテリアル 窒化珪素基板の評価方法、評価装置、及び評価システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4384571B2 (ja) 2009-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Pezzotti Raman spectroscopy of biomedical polyethylenes
Mathieu et al. Micro-Brillouin scattering measurements in mature and newly formed bone tissue surrounding an implant
Cramer et al. Earlywood and latewood elastic properties in loblolly pine
Park et al. Quasi-static and dynamic nanoindentation studies on highly crosslinked ultra-high-molecular-weight polyethylene
Morris et al. Bone tissue ultrastructural response to elastic deformation probed by Raman spectroscopy
Pezzotti Advanced materials for joint implants
Pezzotti Raman piezo-spectroscopic analysis of natural and synthetic biomaterials
Takahashi et al. Raman tensor analysis of ultra-high molecular weight polyethylene and its application to study retrieved hip joint components
Michel et al. In vitro evaluation of the acetabular cup primary stability by impact analysis
JP4384571B2 (ja) 高分子材料の物性値解析方法
Briones-Herrera et al. Evaluation of mechanical behavior of soft tissue by means of random laser emission
Kelleher et al. The anisotropic hyperelastic biomechanical response of the vocal ligament and implications for frequency regulation: A case study
IL160839A (en) Diamond test
Marchi et al. Fiberoptic microindentation technique for early osteoarthritis diagnosis: An in vitro study on human cartilage
Zhou et al. Tribological and nanomechanical properties of unmodified and crosslinked ultra-high molecular weight polyethylene for total joint replacements
Takahashi et al. Highly Cross‐Linked Polyethylene in Total Hip and Knee Replacement: Spatial Distribution of Molecular Orientation and Shape Recovery Behavior
Freihofer et al. Optical stress probe: in-situ stress mapping with Raman and Photo-stimulated luminescence spectroscopy
Giordano et al. Abrasive wear of polymer fibers investigated by reciprocal scratching in an atomic force microscope
Gilbert et al. Surface micromechanics of ultrahigh molecular weight polyethylene: Microindentation testing, crosslinking, and material behavior
Pezzotti et al. Confocal Raman spectroscopic analysis of cross-linked ultra-high molecular weight polyethylene for application in artificial hip joints
Young et al. Wear testing of UHMWPE tibial components: Influence of oxidation
Lagarón et al. Craze morphology and molecular orientation in the slow crack growth failure of polyethylene
Pezzotti et al. Non-destructively differentiating the roles of creep, wear and oxidation in long-term in vivo exposed polyethylene cups
Kumakura et al. In-depth oxidation and strain profiles in UHMWPE acetabular cups non-destructively studied by confocal Raman microprobe spectroscopy
Puppulin et al. Structural profile of ultra‐high molecular weight polyethylene in acetabular cups worn on hip simulators characterized by confocal Raman spectroscopy

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090619

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090901

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090925

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4384571

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees