JP2006082004A - 異形物を含む粒状スラグの処理方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高炉水砕スラグ等のような異形物を含む粒状スラグから主に異形物だけを効率的に除去する。
【解決手段】 液体と粒状スラグが供給された処理槽内に旋回上昇液流を生じさせて、この旋回上昇液流に粒状スラグ中の異形物を随伴させ、異形物を随伴した液流を槽上部側からオーバーフローさせて槽外に排出し、前記旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降した粒状スラグを、処理済みスラグとして回収する。
【選択図】 図1
【解決手段】 液体と粒状スラグが供給された処理槽内に旋回上昇液流を生じさせて、この旋回上昇液流に粒状スラグ中の異形物を随伴させ、異形物を随伴した液流を槽上部側からオーバーフローさせて槽外に排出し、前記旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降した粒状スラグを、処理済みスラグとして回収する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高炉水砕スラグ等のような異形物(異形状スラグ粒子)を含む粒状スラグから異形物を取り除くための処理方法及びその実施に好適な処理装置に関するものである。
近年、港湾その他の沿岸海域において、底質のヘドロ化による底質や水質の汚染、海砂の採取・流失による浅場や砂浜の消失等が問題となっている。なかでも、底質や水質の汚染等により直接又は間接に引き起こされる青潮や赤潮の発生、海藻や水中生物の生育・棲息環境の衰退、消失等の防止対策が大きな課題となっており、これを解決できる海洋環境改善技術の開発が望まれている。
従来、ヘドロ化した底質を改善するために海底を天然砂(海砂、山砂)を用いて覆砂する等の対策が採られることがあり、水底にヘドロが堆積している場合は同時にヘドロの浚渫が行われることもある。
また、天然砂で覆砂する場合には、同時に砂質水底に棲息する魚介類等の棲息場の造成も兼ねて行うことがあり、また築磯効果を期待して天然砂に代えて天然石を用いる場合もある。
また、天然砂で覆砂する場合には、同時に砂質水底に棲息する魚介類等の棲息場の造成も兼ねて行うことがあり、また築磯効果を期待して天然砂に代えて天然石を用いる場合もある。
しかし、覆砂材として天然砂や天然石を用いることは、その採取によって新たな環境破壊が引き起こされるおそれがある。また、天然砂や天然石は特に化学的な底質・水質浄化作用、すなわち底質から溶出する燐等の富栄養成分の除去作用や硫化水素の発生抑制・除去作用等を有していないため、これらでヘドロ化した水底を覆砂しても底質や水質の浄化効果はあまり期待できない。このため沿岸海域における赤潮や青潮の発生、生物や海藻の棲息・生育環境の減衰・消失等の問題を効果的に改善することができない。
また、近年、海岸の浸食等によって消失した砂浜の回復を目的とし、或いは海洋レクリエーションの場である人工ビーチの造成を目的として、海浜に大量の砂を投入する、所謂養浜が行われている。さらに、最近では干潟や浅場の優れた水質浄化機能が認識されつつあり、失われた干潟や浅場を人工的に復元したり、新たに造成する試みがなされているが、この場合にも覆砂や造成のために大量の砂等が投入される。しかし、このような養浜や干潟・浅場等の造成に用いる敷設材を天然砂や天然石に求めた場合、その採取により新たな環境破壊が引き起こされるおそれがある。
このような問題に対して、覆砂や養浜、或いは干潟、浅場の造成のための敷設材料として、鉄鋼製造プロセスで発生する高炉水砕スラグを用いることが提案されている(例えば、特許文献1)。高炉水砕スラグは、(1) 粒状で且つ白色であり、天然砂に近い性状及び外観を有しているため、砂地に棲息する生物に適した環境を提供できる、(2) 天然砂とは異なり、水底や水浜に敷設した場合に化学的な底質・水質浄化作用を有している、(3) ケイ酸を多量に含み、且つケイ酸塩イオンの溶出性が高いため、海藻類の生育、磯焼けや赤潮の発生防止に有効なケイ酸塩イオンの放出源として有効に機能する、(4) 鉄鋼製造プロセスにおいて副生成物として大量に生産され、しかも非常に安価な材料であるため水中や水浜への大量投入が可能である、などの理由から、水底や水浜への敷設材料として非常に好適なものであると言える。
特開2004−24204号公報
しかし、高炉水砕スラグは、その製法上の理由から針状物(針状スラグ粒子)が多く含まれており、この針状物は人や生物が触れると、刺さって傷を負わせるような鋭いものである。したがって、高炉水砕スラグを水底や水浜への敷設材料とするには、スラグ中に含まれる針状物を除去する必要がある。
粒度分布を有する粒状物を整粒する方法としては、篩による分級が一般的であるが、この方法を高炉水砕スラグに適用した場合、針状物は除去することができるものの、篩いにかけるスラグを乾燥処理するか、或いは大量の水を用意して水中で篩い分けを行う必要があり、しかも篩の目詰まりも生じやすいことから、処理効率が非常に悪く、水底や水浜への敷設材料に用いる大量のスラグの処理には不向きである。
粒度分布を有する粒状物を整粒する方法としては、篩による分級が一般的であるが、この方法を高炉水砕スラグに適用した場合、針状物は除去することができるものの、篩いにかけるスラグを乾燥処理するか、或いは大量の水を用意して水中で篩い分けを行う必要があり、しかも篩の目詰まりも生じやすいことから、処理効率が非常に悪く、水底や水浜への敷設材料に用いる大量のスラグの処理には不向きである。
一方、粒度分布を有する粒状物を分級する装置として、水力分級機が知られている。この水力分級機は、処理槽内において分級用液体を鉛直方向で上昇させ、この上昇液流に対して上方から分級すべき粒状物を投入し、液体流速よりも小さい沈降速度を有する細粒の粒子を上昇液流に随伴させて排出するとともに、液体流速よりも大きい沈降速度を有する粗粒の粒子を槽内に沈降させることで、粒状物を粗粒と細粒とに分級するものである。
しかし、この種の水力分級機を用いて高炉水砕スラグの針状物を除去しようとしても、針状物だけを適切に除去することは難しい。すなわち、図6(a)に示すように鉛直方向の上昇液流に対して針状物が横向きの状態であれば、液流から受ける力は大きいため、針状物は上昇液流に随伴されやすい。しかし、実際には多くの針状物が図6(b)に示すような鉛直方向に配向した状態(針状物長手方向が液流方向に揃う状態)になるため、上昇液流に随伴されにくい。針状物が上昇液流に随伴されるようにするには液流の流速を大きくする必要があるが、上昇液流の流速を大きくすると、針状物以外の粒状スラグの分級点が大きくなるため粒状スラグの除去率が増加し、製品回収率(針状物以外の粒状スラグの回収率)が悪くなる。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、高炉水砕スラグ等のような異形物を含む粒状スラグから主に異形物だけを効率的に除去することができる、粒状スラグの処理方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記処理方法の実施に好適な処理装置を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、高炉水砕スラグから水底又は水浜敷設用として好適な敷設用資材を製造することができる、水底又は水浜敷設用資材の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記処理方法の実施に好適な処理装置を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、高炉水砕スラグから水底又は水浜敷設用として好適な敷設用資材を製造することができる、水底又は水浜敷設用資材の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、以下のとおりである。
[1] 異形物を含む粒状スラグから異形物を除去するための処理方法であって、
液体と粒状スラグが供給された処理槽内に旋回上昇液流を生じさせて、該旋回上昇液流に粒状スラグ中の異形物を随伴させ、該異形物を随伴した液流を槽上部側からオーバーフローさせて槽外に排出し、
前記旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降した粒状スラグを、処理済みスラグとして回収することを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理方法。
[2] 上記[1]の処理方法において、粒状スラグを混合した液体を、液供給手段により、旋回液流を生じさせるように処理槽内に供給することを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理方法。
[1] 異形物を含む粒状スラグから異形物を除去するための処理方法であって、
液体と粒状スラグが供給された処理槽内に旋回上昇液流を生じさせて、該旋回上昇液流に粒状スラグ中の異形物を随伴させ、該異形物を随伴した液流を槽上部側からオーバーフローさせて槽外に排出し、
前記旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降した粒状スラグを、処理済みスラグとして回収することを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理方法。
[2] 上記[1]の処理方法において、粒状スラグを混合した液体を、液供給手段により、旋回液流を生じさせるように処理槽内に供給することを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理方法。
[3] 上記[1]の処理方法において、液体を、液供給手段により、旋回液流を生じさせるように処理槽内に供給するとともに、
粒状スラグを、スラグ供給手段により、前記旋回液流と接触するように処理槽内に供給することを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理方法。
[4] 上記[1]の処理方法において、液体と粒状スラグをそれぞれ単独で又は混合した状態で処理槽内に供給するとともに、
処理槽に設けられた旋回液流形成手段により、処理槽内に旋回液流を生じさせることを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理方法。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかの処理方法において、粒状スラグが高炉水砕スラグであることを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理方法。
粒状スラグを、スラグ供給手段により、前記旋回液流と接触するように処理槽内に供給することを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理方法。
[4] 上記[1]の処理方法において、液体と粒状スラグをそれぞれ単独で又は混合した状態で処理槽内に供給するとともに、
処理槽に設けられた旋回液流形成手段により、処理槽内に旋回液流を生じさせることを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理方法。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかの処理方法において、粒状スラグが高炉水砕スラグであることを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理方法。
[6] 槽上部側にオーバーフロー式の液排出部を有する処理槽と、粒状スラグを混合した液体を前記処理槽内に供給するための液供給手段とを備え、
前記液供給手段は、粒状スラグを混合した液体を旋回液流を生じさせるように槽内に吐出する液吐出部を有することを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。
[7] 上記[6]の処理装置において、液供給手段が、処理槽外部から槽内に導かれる液供給管を備え、該液供給管は、粒状スラグを混合した液体を槽内で旋回液流を生じさせるように吐出する液吐出口を有することを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。
[8] 上記[7]の処理装置において、液供給管が、処理槽の略筒心位置で槽上方から槽内に導かれ、下端部が槽内の下部領域に達する管体により構成され、該管体の下端部に、粒状スラグを混合した液体を槽内で旋回液流を生じさせるように吐出する液吐出口が形成されていることを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。
前記液供給手段は、粒状スラグを混合した液体を旋回液流を生じさせるように槽内に吐出する液吐出部を有することを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。
[7] 上記[6]の処理装置において、液供給手段が、処理槽外部から槽内に導かれる液供給管を備え、該液供給管は、粒状スラグを混合した液体を槽内で旋回液流を生じさせるように吐出する液吐出口を有することを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。
[8] 上記[7]の処理装置において、液供給管が、処理槽の略筒心位置で槽上方から槽内に導かれ、下端部が槽内の下部領域に達する管体により構成され、該管体の下端部に、粒状スラグを混合した液体を槽内で旋回液流を生じさせるように吐出する液吐出口が形成されていることを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。
[9] 上記[6]の処理装置において、液供給手段が、処理槽内の下部領域において槽内壁の周方向複数箇所に形成された液吐出部と、この液吐出部に粒状スラグを混合した液体を供給する手段とを備え、
前記液吐出部は、粒状スラグを混合した液体を槽内で旋回液流を生じさせるように吐出するものであることを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。
[10] 槽上部側にオーバーフロー式の液排出部を有する処理槽と、液体を前記処理槽内に供給するための液供給手段と、粒状スラグを前記処理槽内に供給するためのスラグ供給手段とを備え、
前記液供給手段は、液体を旋回液流を生じさせるように槽内に吐出する液吐出部を有し、
前記スラグ供給手段は、粒状スラグを前記旋回液流に接触させるように供給するものであることを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。
前記液吐出部は、粒状スラグを混合した液体を槽内で旋回液流を生じさせるように吐出するものであることを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。
[10] 槽上部側にオーバーフロー式の液排出部を有する処理槽と、液体を前記処理槽内に供給するための液供給手段と、粒状スラグを前記処理槽内に供給するためのスラグ供給手段とを備え、
前記液供給手段は、液体を旋回液流を生じさせるように槽内に吐出する液吐出部を有し、
前記スラグ供給手段は、粒状スラグを前記旋回液流に接触させるように供給するものであることを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。
[11] 槽上部側にオーバーフロー式の液排出部を有する処理槽と、液体と粒状スラグをそれぞれ単独で又は混合した状態で前記処理槽内に供給するための供給手段と、処理槽内に旋回液流を生じさせるための旋回液流形成手段とを備え、
少なくとも、粒状スラグを槽内に供給する前記供給手段は、粒状スラグを前記旋回液流に接触させるように供給するものであることを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。
[12] 針状物を含む高炉水砕スラグから針状物を除去することで、水底又は水浜敷設用資材を製造する方法であって、
液体と高炉水砕スラグが供給された処理槽内に旋回上昇液流を生じさせて、該旋回上昇液流に高炉水砕スラグ中の針状物を随伴させ、該針状物を随伴した液流を槽上部側からオーバーフローさせて槽外に排出し、
前記旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降した高炉水砕スラグを、水底又は水浜敷設用資材として回収することを特徴とする、水底又は水浜敷設用資材の製造方法。
少なくとも、粒状スラグを槽内に供給する前記供給手段は、粒状スラグを前記旋回液流に接触させるように供給するものであることを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。
[12] 針状物を含む高炉水砕スラグから針状物を除去することで、水底又は水浜敷設用資材を製造する方法であって、
液体と高炉水砕スラグが供給された処理槽内に旋回上昇液流を生じさせて、該旋回上昇液流に高炉水砕スラグ中の針状物を随伴させ、該針状物を随伴した液流を槽上部側からオーバーフローさせて槽外に排出し、
前記旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降した高炉水砕スラグを、水底又は水浜敷設用資材として回収することを特徴とする、水底又は水浜敷設用資材の製造方法。
本発明において、被処理スラグ中の異形物(異形状スラグ粒子)とは、一般には、被処理スラグ中の主要なスラグ粒子のような粒形状ではなく、針状、板状、盤状、楕円状、柱状等のように長短辺比(長辺/短辺)が相当程度大きい特異な形状のスラグ粒子を指すが、異形物であるか否かは、あくまで被処理スラグ中の他のスラグ粒子(主要なスラグ粒子)の形状との相対的な関係で決まるものである。そして、本発明の処理方法では、旋回上昇液流の流速を適宜選択することにより、被処理スラグ中で他のスラグ粒子(主要なスラグ粒子)に較べて相対的に異形なスラグ粒子を、旋回上昇液流に随伴させて除去することができる。
なお、一般的な異形物(異形状スラグ粒子)除去の必要性の観点からは、長短辺比(長辺/短辺)が3.0程度以上であるような異形状スラグ粒子が除去の対象とされるのが通常であり、また、スラグ粒子が少なくともそのような長短辺比(長辺/短辺)を有していれば、本発明法により容易に分離除去される。
なお、一般的な異形物(異形状スラグ粒子)除去の必要性の観点からは、長短辺比(長辺/短辺)が3.0程度以上であるような異形状スラグ粒子が除去の対象とされるのが通常であり、また、スラグ粒子が少なくともそのような長短辺比(長辺/短辺)を有していれば、本発明法により容易に分離除去される。
本発明の粒状スラグの処理方法及び処理装置によれば、粒状スラグから主として異形物だけを効率的に除去することができる。
また、本発明の水底又は水浜敷設用資材の製造方法によれば、高炉水砕スラグから水底又は水浜敷設用として好適な敷設用資材を効率的に製造することができる。
また、本発明の水底又は水浜敷設用資材の製造方法によれば、高炉水砕スラグから水底又は水浜敷設用として好適な敷設用資材を効率的に製造することができる。
本発明の粒状スラグの処理方法は、異形物を含む粒状スラグ(被処理スラグ)から異形物を除去する方法であり、液体(処理用液体)と粒状スラグが供給された処理槽内に旋回上昇液流を生じさせて、この旋回上昇液流に粒状スラグ中の異形物を随伴させ、この異形物を随伴した液流を槽上部側からオーバーフローさせて槽外に排出し、一方、前記旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降した粒状スラグを、処理済みスラグとして回収するものである。
通常、液体(処理用液体)としては水が用いられるが、水溶液や水系以外の液体を用いてもよい。
通常、液体(処理用液体)としては水が用いられるが、水溶液や水系以外の液体を用いてもよい。
本発明により処理される粒状スラグの種類に特別な制限はなく、鉄鋼スラグ(鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ)、廃棄物溶融スラグ等の各種スラグを処理対象とすることができる。鉄鋼スラグとしては、例えば、高炉スラグ(高炉水砕スラグ等)、製鋼スラグ(脱炭スラグ、脱珪スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ等)、鉱石溶融還元スラグ、電気炉スラグ等が挙げられる。また、廃棄物溶融スラグとしては、都市ゴミ焼却灰溶融スラグ、汚泥焼却灰溶融スラグ、石炭灰溶融スラグ、廃棄物直接溶融スラグ等が挙げられる。これらのスラグには、元々或いは冷却固化条件等の生成条件によって異形物(異形状のスラグ粒子)が含まれることがある。異形物を含む代表的なスラグとしては高炉水砕スラグが挙げられ、製造上の理由からほとんどの高炉水砕スラグは針状物を含んでいる。
また、処理される粒状スラグは、鉄鋼製造プロセスや他のプロセスにおいて得られたままのスラグ、或いはスラグを地鉄(鉄分)除去したもの、破砕処理したもの、地鉄除去の前又は後に破砕処理したもの等あってもよく、また、何らかの理由で篩等により分級したものであってもよい。また、スラグは、水和処理、炭酸化処理、エージング、水和硬化、炭酸化硬化等を経たものであってもよい。
高炉水砕スラグ等のような異形物(異形状スラグ粒子)を含む粒状スラグが旋回上昇液流と接触すると、多くの異形物は液流方向に配向しようとするが、落下方向が液流方向と重力方向の和の方向となるため、落下時に液流によって姿勢をランダムに変化させられる。そのため、他の粒状のスラグ粒子に較べて旋回上昇液流に対する随伴性がかなり高く、このため異形物または異形物と細粒のスラグ粒子だけが旋回上昇液流に随伴し、液体とともに槽上部側からオーバーフローして槽外に排出されることになる。一方、他の粒度の大きい粒状のスラグ粒子は旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降し、この沈降した粒状スラグは処理済みスラグとして回収される。
ここで、旋回上昇液流の流速は、除去すべき異形物及び除去すべきでないスラグ粒子の旋回上昇液流への随伴性(スラグ粒子の形状、大きさ、比重)等を考慮して、除去すべき異形物が随伴され、且つ除去すべきでないスラグ粒子がなるべく随伴されないよう適宜選択される。
処理槽に供給される粒状スラグと液体との比率は、処理の効率性と異形物の除去性能との関係で、質量比[粒状スラグ/液体]=0.05〜0.2程度とすることが好ましい。この好ましい比率は、処理槽内に粒状スラグと液体を混合した状態で供給する場合、粒状スラグと液体を別々に供給する場合、のいずれの場合についても同様である。
処理槽に供給される粒状スラグと液体との比率は、処理の効率性と異形物の除去性能との関係で、質量比[粒状スラグ/液体]=0.05〜0.2程度とすることが好ましい。この好ましい比率は、処理槽内に粒状スラグと液体を混合した状態で供給する場合、粒状スラグと液体を別々に供給する場合、のいずれの場合についても同様である。
また、処理槽は、針状物が旋回上昇液流に随伴して確実に分離除去されるような高さを有することが好ましく、一般には、処理槽内での旋回上昇液流の幅(平面幅)の5倍以上の高さとすることが好ましい。
また、処理槽内での旋回上昇液流の傾き(流れの傾き)は、処理槽内に供給される液体の流量、流速、吐出方向、処理槽の内径などにより決まるが、鉛直方向からの旋回上昇液流の傾き(鉛直方向と旋回上昇液流方向とがなす角度)が30°未満では、針状物の分離効率が低下する。このため鉛直方向からの旋回上昇液流の傾き(鉛直方向と旋回上昇液流方向とがなす角度)は、30°以上とすることが好ましい。
また、処理槽内での旋回上昇液流の傾き(流れの傾き)は、処理槽内に供給される液体の流量、流速、吐出方向、処理槽の内径などにより決まるが、鉛直方向からの旋回上昇液流の傾き(鉛直方向と旋回上昇液流方向とがなす角度)が30°未満では、針状物の分離効率が低下する。このため鉛直方向からの旋回上昇液流の傾き(鉛直方向と旋回上昇液流方向とがなす角度)は、30°以上とすることが好ましい。
本発明において、処理槽内で旋回上昇液流を生じさせる方式には、例えば、以下のようなものがある。
(イ)粒状スラグを混合した液体を、液供給手段により旋回液流を生じさせるように処理槽内に供給する方式
(ロ)液体を、液供給手段により旋回液流を生じさせるように処理槽内に供給する方式
(ハ)処理槽に設けられた旋回液流形成手段により旋回液流を生じさせる方式
図1は、上記(イ)の方式を用いた本発明の処理方法および処理装置の一実施形態を示すもので、粒状スラグを混合した液体(以下、「スラグ混合液体」という)を、液供給手段により旋回液流を生じさせるように処理槽内に供給するものである。図1(A)は処理槽を縦断面した状態で示す説明図、図1(B)は処理槽を水平断面した状態で示す説明図である。図において、1は処理槽、2はスラグ混合液体を処理槽1内に供給するための液供給手段である。
(イ)粒状スラグを混合した液体を、液供給手段により旋回液流を生じさせるように処理槽内に供給する方式
(ロ)液体を、液供給手段により旋回液流を生じさせるように処理槽内に供給する方式
(ハ)処理槽に設けられた旋回液流形成手段により旋回液流を生じさせる方式
図1は、上記(イ)の方式を用いた本発明の処理方法および処理装置の一実施形態を示すもので、粒状スラグを混合した液体(以下、「スラグ混合液体」という)を、液供給手段により旋回液流を生じさせるように処理槽内に供給するものである。図1(A)は処理槽を縦断面した状態で示す説明図、図1(B)は処理槽を水平断面した状態で示す説明図である。図において、1は処理槽、2はスラグ混合液体を処理槽1内に供給するための液供給手段である。
前記処理槽1は筒状に構成され、その上部側(上端側部)にオーバーフロー式の液排出部5が設けられている。また、処理槽1の底部は処理済みスラグを沈降させ、これを槽外に抜き出すためのスラグ回収部である。このため槽底部100は中心に向かって下向きに傾斜したコーン状に構成されるとともに、槽底部に処理済みスラグの抜き出し機構4が接続されている。本実施形態の抜き出し機構4は、槽底部100の中央に接続された抜き出し管6と、この抜き出し管6の途中に設けられた開閉手段7(開閉バルブ)等で構成されている。
なお、この抜き出し機構4としては、処理済みスラグをバッチ式に抜き出す方式のものでもよいし、連続式に抜き出す方式のものでもよく、連続式とする場合には、例えばスクリューフィーダ等を設けて連続抜出しを行うようにしてもよい。
なお、この抜き出し機構4としては、処理済みスラグをバッチ式に抜き出す方式のものでもよいし、連続式に抜き出す方式のものでもよく、連続式とする場合には、例えばスクリューフィーダ等を設けて連続抜出しを行うようにしてもよい。
前記液供給手段2は、スラグ混合液体を旋回液流を生じさせるように処理槽1内に吐出する液吐出部を有するものであり、本実施形態の液供給手段2は、処理槽1の略筒心位置で槽上方から槽内に導かれ、下端部が槽内の下部領域に達する管体3(液供給管)により構成されている。この管体3は、その下端部に、スラグ混合液体を槽内で旋回液流を生じさせるように吐出する液吐出口8を有している。本実施形態では、管体3の下端部が略水平に延出する複数の支管30(180°反対方向に延びる2本の支管)に分岐し、各支管30の先端に、槽内周と同心円の接線方向にスラグ混合液体を吐出するように構成された液吐出口8が設けられている。なお、上記支管30は3本を放射状に設けてもよい。
また、本処理装置は、液体に粒状スラグを混合するための混合部(図示せず)を有しており、この混合部からスラグ混合液体が前記液供給手段2に供給される。
前記液吐出口8からのスラグ混合液体の吐出方向は、水平であるか若しくは水平よりも上向きの傾きを持つ方向であることが好ましい。
以上のような処理装置による粒状スラグの処理を、高炉水砕スラグを例に説明する。高炉水砕スラグを水などの液体に混合したスラグ混合液体が液供給手段2である管体3に供給され、このスラグ混合液体は、管体3を下降して液吐出口8から槽内の下部領域に旋回液流を生じるように吐出される。このように旋回液流を生じるように吐出されたスラグ混合液体は、オーバーフローする槽上部方向に向かう流れになるため、槽内全体の流れとしては「旋回上昇液流」となる。
前記液吐出口8からのスラグ混合液体の吐出方向は、水平であるか若しくは水平よりも上向きの傾きを持つ方向であることが好ましい。
以上のような処理装置による粒状スラグの処理を、高炉水砕スラグを例に説明する。高炉水砕スラグを水などの液体に混合したスラグ混合液体が液供給手段2である管体3に供給され、このスラグ混合液体は、管体3を下降して液吐出口8から槽内の下部領域に旋回液流を生じるように吐出される。このように旋回液流を生じるように吐出されたスラグ混合液体は、オーバーフローする槽上部方向に向かう流れになるため、槽内全体の流れとしては「旋回上昇液流」となる。
ここで、高炉水砕スラグに含まれる針状物が、どのような姿勢で旋回上昇液流に随伴するかを図5に基づいて説明する。図5(c)は針状物が液流方向に配向した状態を示し、この姿勢が液流に最も随伴しにくい場合であるが、単純な上昇流とは異なり、旋回上昇液流中では針状物は図5(a),(b)のように姿勢をランダムに変化させつつ、液流から大きな力を受ける。このため他の粒状のスラグ粒子に較べて旋回上昇液流に対する随伴性がかなり高くなる。したがって、旋回上昇液流の流速を適宜選択することにより、針状物または針状物と細粒のスラグ粒子だけが旋回上昇液流に随伴し、槽上部側の液排出部5からオーバーフローにより槽外に排出される。槽外に排出された液体からはスラグ粒子(針状物または針状物を主体とするスラグ粒子)が分離され、通常、液体は循環使用される。
一方、他の粒状のスラグ粒子は旋回上昇液流に随伴することなく処理槽1の底部100に沈降・堆積する。この粒状スラグは、抜き取り機構4を通じて処理済みスラグとして槽外に回収される。
高炉水砕スラグ以外の粒状スラグを処理する場合でも、上記と同様にして異形物の除去が行われる。
高炉水砕スラグ以外の粒状スラグを処理する場合でも、上記と同様にして異形物の除去が行われる。
図2は、上記(イ)の方式を用いた本発明の処理方法および処理装置の他の実施形態を示すものであり、図2(A)は処理槽を縦断面した状態で示す説明図、図2(B)は処理槽を水平断面した状態で示す説明図である。この実施形態では、液供給手段2が、処理槽1内の下部領域において槽内壁の周方向複数箇所(周方向で180°対向した2箇所)に形成された液吐出部9と、この液吐出部9にスラグ混合液体を供給する液供給管10とからなり、前記液吐出部9は、吐出したスラグ混合液体が槽内で旋回液流となるよう、槽内周と同心円の接線方向にスラグ混合液体を吐出するよう構成されている。なお、上記液吐出部9は、槽内壁の周方向の3箇所以上に設けてもよい。
前記液吐出部9からのスラグ混合液体の吐出方向は、水平であるか若しくは水平よりも上向きの傾きを持つ方向であることが好ましい。
また、処理槽1内で旋回上昇液流が適切に形成されるようにするため、処理槽1内に槽筒心に沿った筒部14を設け、その回りに旋回上昇液流の流路が形成されるようにしてもよい。
その他の構成は図1と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
また、処理槽1内で旋回上昇液流が適切に形成されるようにするため、処理槽1内に槽筒心に沿った筒部14を設け、その回りに旋回上昇液流の流路が形成されるようにしてもよい。
その他の構成は図1と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以上のような処理装置による粒状スラグ(高炉水砕スラグを例に説明する)の処理では、スラグ混合液体は液供給手段2である液供給管10および液吐出部9を通じて、槽内の下部領域に旋回液流を生じるように吐出され、図1と同様に旋回上昇液流となる。そして、図1の場合と同様に、針状物または針状物を主体とするスラグ粒子だけが旋回上昇液流に随伴して液排出部5から槽外に排出され、他の粒状のスラグ粒子は旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降・堆積し、抜き取り機構4を通じて処理済みスラグとして槽外に回収される。
図3は、上記(ロ)の方式を用いた本発明の処理方法および処理装置の一実施形態を示すもので、液体を、液供給手段により旋回液流を生じさせるように処理槽内に供給するとともに、粒状スラグを、スラグ供給手段により前記旋回液流と接触するように処理槽内に供給するものである。図3(A)は処理槽を縦断面した状態で示す説明図、図3(B)は処理槽を水平断面した状態で示す説明図である。
本実施形態の液供給手段2aは、スラグ混合液体ではなく、主に液体を供給するものであるが、その構造は図2と同様に、処理槽1内の下部領域において槽内壁の周方向複数箇所(周方向で180°対向した2箇所)に形成された液吐出部9aと、この液吐出部9aに液体を供給する液供給管10aからなり、前記液吐出部9aは、吐出した液体が槽内で旋回液流となるよう、槽内周と同心円の接線方向に液体を吐出するよう構成されている。なお、上記液吐出部9aは、槽内壁の周方向の3箇所以上に設けてもよい。
前記液吐出部9aからの液体の吐出方向は、水平であるか若しくは水平よりも上向きの傾きを持つ方向であることが好ましい。
前記液吐出部9aからの液体の吐出方向は、水平であるか若しくは水平よりも上向きの傾きを持つ方向であることが好ましい。
スラグ供給手段であるスラグ供給管11(本実施形態では複数本)は、処理槽1の上方から槽内に導かれて、下端部が槽内の下部領域に達しており、この下端部から供給される粒状スラグが、前記液供給手段2aから供給される液体の旋回液流に接触できるようにしている。
その他の構成は図1および図2と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
その他の構成は図1および図2と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以上のような処理装置による粒状スラグ(高炉水砕スラグを例に説明する)の処理では、液体が液供給管10aおよび液吐出部9aを通じて、槽内の下部領域に旋回液流を生じるように吐出され、図1と同様に旋回上昇液流となる。一方、上記のように液吐出部9aから液体が吐出される槽内下部領域にスラグ供給管11から高炉水砕スラグが供給され、このスラグが旋回上昇液流と接触する。そして、図1の場合と同様に、針状物または針状物を主体とするスラグ粒子だけが旋回上昇液流に随伴して液排出部5から槽外に排出され、他の粒状のスラグ粒子は旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降・堆積し、抜き取り機構4を通じて処理済みスラグとして槽外に回収される。
なお、スラグ供給管11から槽内に供給される高炉水砕スラグは、粒状スラグのままであってもよいし、液体と混合されたスラグであってもよい。
なお、スラグ供給管11から槽内に供給される高炉水砕スラグは、粒状スラグのままであってもよいし、液体と混合されたスラグであってもよい。
図4は、上記(ハ)の方式を用いた本発明の処理方法および処理装置の一実施形態を示すもので、液体と粒状スラグをそれぞれ単独で又は混合した状態で処理槽内に供給するとともに、処理槽に設けられた旋回液流形成手段により、処理槽内に旋回液流を生じさせるものである。図4(A)は処理槽を縦断面した状態で示す説明図、図4(B)は処理槽を水平断面した状態で示す説明図である。
処理槽1の下部には、スラグ混合液体を槽内に供給するための液供給手段2xである液供給管13が接続されている。旋回液流形成手段は撹拌プロペラ12により構成されており、この撹拌プロペラ12は液供給管13からスラグ混合液体が供給される槽下部領域で槽内を撹拌し、旋回液流を生じさせるようにしている。
処理槽1の下部には、スラグ混合液体を槽内に供給するための液供給手段2xである液供給管13が接続されている。旋回液流形成手段は撹拌プロペラ12により構成されており、この撹拌プロペラ12は液供給管13からスラグ混合液体が供給される槽下部領域で槽内を撹拌し、旋回液流を生じさせるようにしている。
なお、本実施形態では液供給管13からスラグ混合液体が槽内に供給されるようにしているが、液体と粒状スラグは別々の手段により、それぞれ槽内に供給されるようにしてもよい。但し、この場合でも、粒状スラグを槽内に供給する供給手段は、粒状スラグを旋回液流に接触させるように供給するものであることが必要である。また、旋回液流形成手段としては、本実施形態のような撹拌プロペラ以外に種々の形式の機械的手段やその他の手段を用いることができる。
その他の構成は図1及び図2と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
その他の構成は図1及び図2と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以上のような処理装置による粒状スラグ(高炉水砕スラグを例に説明する)の処理では、スラグ混合液体が液供給管13を通じて槽内の下部領域に供給される。このスラグ混合液体が供給された槽内下部領域では、旋回液流形成手段である撹拌プロペラ12の回転により旋回液流が生じる。そして、図1の場合と同様に、針状物または針状物を主体とするスラグ粒子だけが旋回上昇液流に随伴して液排出部5から槽外に排出され、他の粒状のスラグ粒子は旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降・堆積し、抜き取り機構4を通じて処理済みスラグとして槽外に回収される。
液体の旋回上昇液流を生じさせる方式として先に挙げた(イ)〜(ハ)は、2つ以上の方式を併用してもよく、例えば、(イ)、(ロ)の方式(図1〜3の実施形態)において、さらに(ハ)方式の旋回液流形成手段を併用してもよい。また、(イ)の方式(図1,図2の実施形態)において、さらに別の手段を通じて液体を旋回液流を生じさせるように処理槽内に供給する方式や、同じく(イ)の方式(図1,図2の実施形態)において、さらに別の手段を通じて粒状スラグを槽内に供給する方式等でもよい。
次に、本発明の水底又は水浜敷設用資材の製造方法について説明する。
この製造方法は、針状物を含む高炉水砕スラグから針状物を除去することで、水底又は水浜敷設用資材を製造する方法であって、液体と高炉水砕スラグが供給された処理槽内に旋回上昇液流を生じさせて、この旋回上昇液流に高炉水砕スラグ中の針状物を随伴させ、針状物を随伴した液流を槽上部側からオーバーフローさせて槽外に排出し、前記旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降した高炉水砕スラグを、水底又は水浜敷設用資材として回収するものである。
この製造方法は、針状物を含む高炉水砕スラグから針状物を除去することで、水底又は水浜敷設用資材を製造する方法であって、液体と高炉水砕スラグが供給された処理槽内に旋回上昇液流を生じさせて、この旋回上昇液流に高炉水砕スラグ中の針状物を随伴させ、針状物を随伴した液流を槽上部側からオーバーフローさせて槽外に排出し、前記旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降した高炉水砕スラグを、水底又は水浜敷設用資材として回収するものである。
この製造方法において、旋回上昇液流に随伴して針状物が除去される原理、好ましい処理条件、具体的な実施形態は、先に説明した粒状スラグの処理方法および処理装置と同様であり、(イ)〜(ハ)方式、図1〜図4の実施形態もそのまま当てはまる。
本発明で製造された水底又は水浜敷設用資材は、高炉水砕スラグに特有の針状物が適切に除去されたものであるため、水底又は水浜敷設した際に底棲生物や人間が針状物で傷つけられることがなく、先に(1)〜(4)として挙げたような高炉水砕スラグ特有の敷設用資材としての機能(詳細は特許文献1参照)を最大限に発揮することができる。
本発明で製造された水底又は水浜敷設用資材は、高炉水砕スラグに特有の針状物が適切に除去されたものであるため、水底又は水浜敷設した際に底棲生物や人間が針状物で傷つけられることがなく、先に(1)〜(4)として挙げたような高炉水砕スラグ特有の敷設用資材としての機能(詳細は特許文献1参照)を最大限に発揮することができる。
本発明で製造された水底又は水浜敷設用資材は、例えば、覆砂材、養浜材、浅場造成材、干潟造成材、藻場造成材、磯焼け防止材、赤潮防止材、青潮防止材の中から選ばれる材料の少なくとも1つとして、水底又は水浜に敷設される。
ここで、養浜とは、海岸の浸食等により砂浜が消失した海岸や人工ビーチを造成する海岸に外部から砂を供給することである。また、干潟とは、満潮時には水没するが干潮時には干上がり、表面に砂泥が堆積している平坦な場所のことである。また、浅場とは文字通り水深が数m以下の浅い海域のことである。また、藻場とはアマモが生育するような砂泥質の浅海のことである。
ここで、養浜とは、海岸の浸食等により砂浜が消失した海岸や人工ビーチを造成する海岸に外部から砂を供給することである。また、干潟とは、満潮時には水没するが干潮時には干上がり、表面に砂泥が堆積している平坦な場所のことである。また、浅場とは文字通り水深が数m以下の浅い海域のことである。また、藻場とはアマモが生育するような砂泥質の浅海のことである。
1 処理槽
2,2a,2x 液供給手段
3 管体
4 抜き出し機構
5 液排出部
6 抜き出し管
7 開閉手段
8 液吐出口
9,9a 液吐出部
10,10a 液供給管
11 スラグ供給管
12 撹拌プロペラ
13 液供給管
14 筒部
30 支管
100 槽底部
2,2a,2x 液供給手段
3 管体
4 抜き出し機構
5 液排出部
6 抜き出し管
7 開閉手段
8 液吐出口
9,9a 液吐出部
10,10a 液供給管
11 スラグ供給管
12 撹拌プロペラ
13 液供給管
14 筒部
30 支管
100 槽底部
Claims (12)
- 異形物を含む粒状スラグから異形物を除去するための処理方法であって、
液体と粒状スラグが供給された処理槽内に旋回上昇液流を生じさせて、該旋回上昇液流に粒状スラグ中の異形物を随伴させ、該異形物を随伴した液流を槽上部側からオーバーフローさせて槽外に排出し、
前記旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降した粒状スラグを、処理済みスラグとして回収することを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理方法。 - 粒状スラグを混合した液体を、液供給手段により、旋回液流を生じさせるように処理槽内に供給することを特徴とする、請求項1に記載の異形物を含む粒状スラグの処理方法。
- 液体を、液供給手段により、旋回液流を生じさせるように処理槽内に供給するとともに、
粒状スラグを、スラグ供給手段により、前記旋回液流と接触するように処理槽内に供給することを特徴とする、請求項1に記載の異形物を含む粒状スラグの処理方法。 - 液体と粒状スラグをそれぞれ単独で又は混合した状態で処理槽内に供給するとともに、
処理槽に設けられた旋回液流形成手段により、処理槽内に旋回液流を生じさせることを特徴とする、請求項1に記載の異形物を含む粒状スラグの処理方法。 - 粒状スラグが高炉水砕スラグであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の異形物を含む粒状スラグの処理方法。
- 槽上部側にオーバーフロー式の液排出部を有する処理槽と、粒状スラグを混合した液体を前記処理槽内に供給するための液供給手段とを備え、
前記液供給手段は、粒状スラグを混合した液体を旋回液流を生じさせるように槽内に吐出する液吐出部を有することを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。 - 液供給手段が、処理槽外部から槽内に導かれる液供給管を備え、該液供給管は、粒状スラグを混合した液体を槽内で旋回液流を生じさせるように吐出する液吐出口を有することを特徴とする、請求項6に記載の異形物を含む粒状スラグの処理装置。
- 液供給管が、処理槽の略筒心位置で槽上方から槽内に導かれ、下端部が槽内の下部領域に達する管体により構成され、該管体の下端部に、粒状スラグを混合した液体を槽内で旋回液流を生じさせるように吐出する液吐出口が形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の異形物を含む粒状スラグの処理装置。
- 液供給手段が、処理槽内の下部領域において槽内壁の周方向複数箇所に形成された液吐出部と、この液吐出部に粒状スラグを混合した液体を供給する手段とを備え、
前記液吐出部は、粒状スラグを混合した液体を槽内で旋回液流を生じさせるように吐出するものであることを特徴とする、請求項6に記載の異形物を含む粒状スラグの処理装置。 - 槽上部側にオーバーフロー式の液排出部を有する処理槽と、液体を前記処理槽内に供給するための液供給手段と、粒状スラグを前記処理槽内に供給するためのスラグ供給手段とを備え、
前記液供給手段は、液体を旋回液流を生じさせるように槽内に吐出する液吐出部を有し、
前記スラグ供給手段は、粒状スラグを前記旋回液流に接触させるように供給するものであることを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。 - 槽上部側にオーバーフロー式の液排出部を有する処理槽と、液体と粒状スラグをそれぞれ単独で又は混合した状態で前記処理槽内に供給するための供給手段と、処理槽内に旋回液流を生じさせるための旋回液流形成手段とを備え、
少なくとも、粒状スラグを槽内に供給する前記供給手段は、粒状スラグを前記旋回液流に接触させるように供給するものであることを特徴とする、異形物を含む粒状スラグの処理装置。 - 針状物を含む高炉水砕スラグから針状物を除去することで、水底又は水浜敷設用資材を製造する方法であって、
液体と高炉水砕スラグが供給された処理槽内に旋回上昇液流を生じさせて、該旋回上昇液流に高炉水砕スラグ中の針状物を随伴させ、該針状物を随伴した液流を槽上部側からオーバーフローさせて槽外に排出し、
前記旋回上昇液流に随伴することなく槽下部側に沈降した高炉水砕スラグを、水底又は水浜敷設用資材として回収することを特徴とする、水底又は水浜敷設用資材の製造方法。
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JP2004269048A JP2006082004A (ja) | 2004-09-15 | 2004-09-15 | 異形物を含む粒状スラグの処理方法及び装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100955847B1 (ko) | 2008-09-11 | 2010-05-04 | 황영규 | 미사 회수장치를 포함하는 샌드 유니트 |
KR100985277B1 (ko) | 2010-06-15 | 2010-10-04 | 김종근 | 암석 미사 회수장치 |
JP2011236473A (ja) * | 2010-05-11 | 2011-11-24 | Hitachi Metals Ltd | メッキ装置 |
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-
2004
- 2004-09-15 JP JP2004269048A patent/JP2006082004A/ja active Pending
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