JP2006078826A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はパターン形成用に好適な感光性樹脂組成物に関し、特に液晶表示装置のスペーサーとして形成された場合、液晶汚染性に優れ、高い硬度を有し、安定した液晶表示装置のセルギャップを保持することの出来る感光性樹脂組成物に関する。
【解決手段】アクリルポリマー、アクリルモノマー、光重合開始剤及びシリカ微粒子のコロイド状スラリーを含有する感光性樹脂組成物であって、該シリカ微粒子の平均粒子径が50nm以下であり(比表面積換算法により測定)、該コロイド状スラリーのPHが6〜8で且つアルカリ金属分が5ppm以下であることを特徴とする、前記感光性樹脂組成物。

Description

本発明はパターン形成用に好適な感光性樹脂組成物に関し、特に液晶表示装置のスペーサーとして形成された場合、液晶汚染性に優れ、更に、高い硬度を有するスペーサーを提供するのに適した感光性樹脂組成物に関する。
液晶表示装置については、年々、高速応答性、高コントラスト比、広視野角等の要求が高まっている。これらの要求に対応するためには、液晶パネルの2枚の基板の間隔、すなわちセルギャップを小さくするのが有効なひとつの手段である。また近年、液晶テレビ等に代表されるよう、基板が大型化しており、ガラス基板がたわみやすくなるため、セルギャップを決定するスペーサーの役割が非常に重要となる。
従来、このスペーサーには、球状、或いは棒状のシリカやアルミナ等の微粒子をTFTアレイ基板上に多数散布して用いていたが、価格が高価であること、
均一散布が難しいこと、また、多数分散させるため、カラーフィルターの有効画素上にスペーサーが存在するとコントラスト比の低下等、液晶表示性能に支障をきたす恐れのあることより、近年、レジストでカラーフィルター基板側に柱状のパターンを形成することによりセルギャップを保つ方法も用いられている。
しかしながら、スペーサーには、セルギャップを厳密に保つため、熱により形状が変化しないよう、熱時における寸法安定性、及び、セル組み立て工程時にかかる外部圧力により、変形が起こらないよう高い圧縮強度が要求される。
この課題を解決するために、無機粉体微粒子を配合し、硬化物の硬度を高くする方法が提案されているが、このような微粒子をナノレベルまで安定して分散させるのは困難であるし、仮に分散出来たとしても、その分散状態を保存中安定して維持することも難しい。また、予め溶剤に分散されたコロイド状シリカスラリーを使用する方法も提案されているが(特許文献1参照)、一般的な市販のコロイド状シリカスラリーは、その製法上アルカリ金属分が混入し易いため、液晶を汚染しやすく、表示不良を引き起こす恐れがある。特にスペーサーは液晶層内に存在し、直接液晶と接するため、スペーサー中のイオン性物質等の不純物は大きな問題となる。
更には、一般に市販されているコロイド状シリカスラリー中のPHが酸性又はアルカリ性であるため、配合するポリマー種やモノマー種によっては、シリカ微粒子の分散が破壊され凝集が起こり、感光性樹脂組成物溶液の粘度が不安定になるため、安定したサイズのスペーサーを形成することが困難となる。
特開2002−116534号公報
本発明の目的は、良好な耐液晶汚染性、保存安定性を有し、特に液晶表示用装置のセルギャップを均一に保つためのスペーサーとして使用した場合の、高い硬度を有する硬化物を与える感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは前記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の物性を有するシリカ微粒子を分散させたコロイド状スラリーを用いることにより、良好な経時安定性を有し、形成したパターンにより安定したセルギャップを保つことが出来る感光性樹脂組成物及びその硬化物が得られることを見出した。
即ち、本発明は、
(1)アクリルポリマー、アクリルモノマー、光重合開始剤及びシリカ微粒子のコロイド状スラリーを含有する感光性樹脂組成物であって、該シリカ微粒子の平均粒子径が50nm以下であり(比表面積換算法により測定)、該コロイド状スラリーのPHが6〜8で且つアルカリ金属分が5ppm以下であることを特徴とする、前記感光性樹脂組成物、
(2)更に、溶剤を含有する1項に記載の感光性樹脂組成物、
(3)コロイド状スラリー中のシリカ微粒子(固形分)が、樹脂組成物の固形分に対し、10重量%〜80重量%である1又は2項に記載の感光性樹脂組成物、
(4)パターン形成用である1ないし3項のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、
(5)前記1ないし4項のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物、
(6)前記1ないし4項のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物をパターニングして得られたスペーサーを備えた液晶表示装置、
に関する。
本発明の感光性樹脂組成物は、保存安定性に優れているため作業性も良好であるうえ、硬度が高く、アルカリ金属等の不純物も少ないため、特にカラー液晶表示装置においてその信頼性を向上することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、以下において「%」および「部」は、特記しない限りそれぞれ「重量%」及び「重量部」を意味する。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられるシリカ微粒子のコロイド状スラリーは、比表面積換算法により測定されたシリカ微粒子の平均粒子径が50nm以下、好ましくは45nm以下、より好ましくは、35nm以下のものを用いる。50nm以上では、微粒子シリカの配合量によっては、膜の透明性が低下し結果、UV照射が充分に膜内部まで行き渡らず硬化不十分を起こしたり、ろ過工程時に、目詰まりを起こしたりしやすくなる。
また、カラーフィルターの液晶表示装置に使用する際に液晶の汚染が起こりにくいよう、本発明の感光性樹脂組成物に用いられるシリカ微粒子のコロイド状スラリーの原子吸光法で測定したアルカリ金属分(Na等)は、5ppm以下、好ましくは3ppm以下、より好ましくは1ppm以下である。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられるシリカ微粒子のコロイド状スラリーは、その溶液のPHが6〜8、好ましくは6.5〜7.5の中性領域であるが、シリカ微粒子のコロイド状スラリーのPHが、アルカリや酸性の状態では、樹脂組成物溶液の保存安定性に悪影響を与える恐れがあるためである。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられるシリカ微粒子のコロイド状スラリーは、特開2004−91220号公報に記載の製造方法に準じて、アルコキシシラン類をアルコール水溶液中で加水分解し、濃縮後、シランカップリング剤にて処理し、次いでPHを中性に調製した後に水分を有機溶媒に置換して得られる。また、例えば、扶桑化学工業製 クォートロンPLシリーズとして市販されているものを購入して使用することもできる。
シリカ微粒子のコロイド状スラリーの配合量としては、組み合わせる樹脂成分により効果が異なるが、シリカ微粒子固形分として、樹脂組成物固形分(アクリルポリマー、アクリルモノマー、光重合開始剤、シリカ微粒子固形分、添加剤等)に対して、通常10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%、更に好ましくは20〜65重量%配合するのが良い。80重量%より多いと、シリカ微粒子の分散状態が悪くなったり、凝集を起こしやすくなるため保存安定性が悪くなり、また、パターン化における現像の際、現像液が浸透しにくくなり、現像障害を起こしやすくなる場合がある。また10重量部より少ない場合は、十分な硬度を付与することが困難になる場合がある。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられるアクリルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカー8−イル=メタクリラート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等)と多価カルボン酸化合物の酸無水物(例えば、無コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等)の反応物であるハーフエステル,ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬(株)製、KAYARAD HX−220、HX−620、等)、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンの反応物のポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、モノ又はポリグリシジル化合物(例えば、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、グリセリンポリグリシジルエーテル、グリセリンポリエトキシグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリエトキシポリグリシジルエーテル等と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン、トリシクロデカンジメタノール、シクロヘキサンジメタノール等と(メタ)アクリル酸との反応物を挙げることができる。
これらアクリルモノマーの添加量としては、樹脂組成物固形分中、5〜65重量%程度配合するのが好ましい。
アクリルポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ベンジルメタクリル酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸、及びこれらジカルボン酸の無水物と、前記に選択された適当な各種アクリルモノマーを、溶媒中で重合開始剤の存在下にラジカル重合することで製造することが出来る。アクリルポリマー中、モノカルボン酸の場合は、10モル%〜60モル%、ジカルボン酸無水物の場合は、15モル%〜50モル%の配合割合であるのが好ましい。アクリルポリマー中これらカルボン酸類の割合が少ないと解像性に劣り、逆にカルボン酸類の割合が多いと、現像耐性が悪くなる。溶剤への溶解性等を考慮すると、重量平均分子量で10000から50000程度のもので、例えばメタクリル酸とベンジルメタクリレート、及びメタクリル酸とトリシクロ[5,2,1,02,6]デカ−8−イル−メタクリラートの共重合体等が好ましい。
アクリルモノマー、アクリルポリマーは、これらに限定されるものではないが、感光性を付与させるためには、樹脂組成物の固形分中、アクリルポリマーを10〜70重量%程度配合するのが望ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる光重合開始剤の具体例としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシンクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、4,4'−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等が挙げられる。これらは、単独、または組み合わせて使用することが出来、添加割合としては、樹脂組成物の固形分を100重量%としたとき、通常1〜30重量%、好ましくは、2〜25重量%である。
本発明の感光性樹脂組成物に必要により使用されうる溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、好ましくは炭素数1〜4の低級アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3―メトキシブタノール、3―メチル―3―メトキシブタノール等のグリコールエーテル類、好ましくは炭素数1〜4のアルキレングリコールの炭素数1〜4の低級エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3―メトキシブチルアセテート、3―メチル―3―メトキシブチルアセテート、エチルエトキシプロピオラート等のアルキレングリコールエーテルアセテート類、好ましくは炭素数1〜4のアルキレングリコールの炭素数1〜4の低級エーテルアセテート、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4―ヒドロキシ―4―メチル−2―ペンタノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸プロピル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル等のエステル類、好ましくヒドロキシ基、炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい炭素数2〜4の脂肪酸の炭素数1〜4のアルキルエステル、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。
これらの溶剤のうち、アクリルポリマー、アクリルモノマー、光重合開始剤の溶解性、及び有機溶剤との反応性、揮発による濃度的な経時変化、人体に対する毒性等を考慮すると、コロイド状スラリー中の微粒シリカの単分散を破壊しないものを選択する必要があり、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の炭素数2〜3のアルキレングリコールの炭素数1〜4の低級エーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、エステル類が好ましい。
又、これら溶剤の使用量については特に限定はされず、所望膜厚、表面平滑性、成膜方法等に応じ、調節し、塗布適性を付与すればよい。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、増感剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化安定剤、光安定剤、耐湿性向上剤、チキソトロピー付与剤、消泡剤、他の各種の樹脂、粘着付与剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤等の添加剤を配合することもできる。
用いうる増感剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル4−ジメチルアミノベンゾエート、トリアチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン等が挙げられ、単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。これらの含有割合は、樹脂組成物の全重量中、通常0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
用いうるカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤、Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニウムジルコニウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−プロピオネート等のジルコニウム、或いはアルミニウム系カップリング剤が挙げられる。カップリング剤を使用する事により基材との密着性が向上し、かつ耐湿信頼性に優れた硬化膜が得られる。
カップリング剤を用いる場合の使用量はアクリル樹脂分100部に対して、0.1〜5部、好ましくは0.5〜4部程度である。
又、界面活性剤は感光性樹脂組成物の塗布適性を向上させるために用いることが出来る。例えばシリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が用いられ、用いる場合のその添加量としては、樹脂組成物100部に対し、通常0.001〜1.0部、好ましくは0.08〜0.5部である。
本発明の感光性樹脂組成物は、例えば、コロイド状シリカスラリー、アクリルポリマー、アクリルモノマー、光重合開始剤、並びに必要に応じ各種添加剤を有機溶媒中に均一に溶解させることによりワニスとして得ることができる。この場合、通常、固形分濃度が10%以上、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上で、かつ50%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下になるよう調製すればよい。これらの濃度は樹脂組成物により適宜調整すればよく、塗布などの効率化等を考えれば25℃における粘度が2〜30mPa・s、好ましくは4〜15mPa・sになるように調製するのがよい。
このようにして得られる本発明の感光性樹脂組成物はカラー液晶表示装置のスペーサーとして使用されるが、通常、スピンコート法により塗布が行われる。
塗布する方法は、特に限定されるのもではなく、ロールコート法、スプレー法、カーテンコート法、スリットコート法等、各種塗布方法を用いることが出来るが、各種塗布方法に適した粘度調整を行う必要がある。
膜厚は通常、硬化後1〜10μmに、好ましくは3〜6μmになるような条件で塗布される。この際、塗布作業を効率的に行うため、本発明の組成物の25℃における粘度を2mPa・s以上、好ましくは4mPa・s以上、更に好ましくは5mPa・s以上で、かつ、30mPa・s以下、好ましくは15mPa・s以下、より好ましくは13mPa・s以下になるように、通常有機溶剤の使用量で調整する。塗布後の乾燥、硬化条件は組成物溶液中の成分割合配合比、溶剤の種類によって最適な条件を選択する必要があるが、通常、70〜100℃でプリベークを行い溶剤を除去した後、所定パターンマスクを介し、適当な露光機で照射し、アルカリ現像液により現像し不要部分を除去後、洗浄、乾燥工程を経てポストベークを行う。
上記のようにして本発明の感光性樹脂組成物は、パターンを形成し、液晶表示装置のセルギャップを保つためのスペーサーとして好適に使用することができる。通常の液晶表示装置はカラーフィルター部、液晶部、バックライト部及び偏光フィルム部から構成されるので、そのカラーフィルター部に本発明のスペーサーを施したカラーフィルターを使用することにより、本発明の液晶表示装置とすることができる。
以下、実施例を以って本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
感光性樹脂組成物として表1の実施例1の欄に示す組成(数値は「部」)のものをプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートに溶解して、粘度が8mPa・s〜12mPa・sの範囲になるよう調整し、本発明の感光性樹脂組成物を得た。次に厚さ0.7mmの無アルカリガラス上に、前記組成物をスピンコーターを用いて、硬化後の厚さが5μmになるように塗布し、100℃、100秒の条件でプリベークを行った後、ライン幅が20μmのストライプパターンのあるマスクを用いて、50mJ/cm2の照射エネルギーで露光し、現像後、200℃×5minでポストベークを行った。
得られた樹脂パターンの評価結果(評価方法は後述)を表2に示す。
実施例2、3、比較例1
感光性樹脂組成物として、表1の各々の欄に示す組成(数値は「部」)のものを用いた以外は実施例1と同様に行い樹脂パターンを作成した。これらの評価結果を表2に示した。
表1
実施例1 実施例2 実施例3 比較例1
アクリルポリマー 11.8 11.8 11.8 11.8
アクリルモノマー 10.9 10.9 10.9 10.9
光重合開始剤 1.7 1.7 1.7 1.7
増感剤 0.57 0.57 0.57 0.57
シリカ微粒子スラリーA※ 32.8(8.3) 65.6(16.6) 148.2(37.5)
シリカ微粒子スラリーB※ 27.7(8.3)
溶剤 50.4 25.9 5.2 55.5
(固形分中シリカ濃度) (25%) (40%) (60%) (25%)

※ ()内の値は、シリカ微粒子スラリー中のシリカ分を示す。
表1中の各成分の詳細は、次のとおりである。
アクリルポリマー :メタクリル酸とベンジルメタクリル酸の共重合体
アクリルモノマー :KAYARAD DPHA(日本化薬製:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
光重合開始剤:イルガキュア369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製:2−ベンジルー2−ジメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタンー1−オン)
増感剤 :ジエチルチオキサンタン
シリカ微粒子スラリーA: 扶桑化学工業製 PL−2L−PGME(Na濃度1ppm以下、平均粒子径19nm、PH7.3、シリカ固形分濃度25.3%)
シリカ微粒子スラリーB:日産化学製 PGM−ST(Na濃度6000ppm以下、平均粒子径14nm、PH4.7、シリカ固形分濃度30%)
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
表2
実施例1 実施例2 実施例3 比較例1
硬度 450 525 656 480
パターン形状 良好 良好 良好 ハ゜ターン流れ、表面荒れ
組成物溶液外観 透明 透明 透明 白濁
保存安定性 ○ ○ ○ フ゜リン状で不良

シリカ微粒子のコロイド状スラリーを使用した本発明のものは、透明性を維持し、保存安定性が良いことが分かる。そのため配合割合を多くすることが出来るため、硬化物の硬度を上げることが可能となる。
表2において評価方法、及び判定基準は以下のとおりである。
1. 硬度
表面皮膜物性試験機((株)フィッシャー・インストルメンツ製フィッシャースコープH−100C−HCU)を使用し、ガラス基板に5μの膜厚になるよう作成した試験片の2mN荷重下でのヴィッカース硬度を測定した。
2. パターン形状
実施例で作成したパターンを500倍の光学顕微鏡で観察した際の外観を観察し、パターン流れや表面荒れの状態を観察した。
3. 組成物溶液外観
配合・溶解後の樹脂組成物溶液の外観を観察した。
4.保存安定性
感光性樹脂組成物溶液500gを1Lガラスコート瓶に入れ蓋を閉め、5℃で1ヶ月保管したあとの状態を観察し、粘度変化が初期粘度の5%以内であるものを○、5%〜10%であるものを△、10%以上増粘しているものを×とした。

Claims (6)

  1. アクリルポリマー、アクリルモノマー、光重合開始剤及びシリカ微粒子のコロイド状スラリーを含有する感光性樹脂組成物であって、該シリカ微粒子の平均粒子径が50nm以下であり(比表面積換算法により測定)、該コロイド状スラリーのPHが6〜8で且つアルカリ金属分が5ppm以下であることを特徴とする、前記感光性樹脂組成物。
  2. 更に、溶剤を含有する請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. コロイド状スラリー中のシリカ微粒子(固形分)が、樹脂組成物の固形分に対し、10重量%〜80重量%である請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. パターン形成用である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
  6. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物をパターニングして得られたスペーサーを備えた液晶表示装置。
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