JP2006078826A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクリルポリマー、アクリルモノマー、光重合開始剤及びシリカ微粒子のコロイド状スラリーを含有する感光性樹脂組成物であって、該シリカ微粒子の平均粒子径が50nm以下であり(比表面積換算法により測定)、該コロイド状スラリーのPHが6〜8で且つアルカリ金属分が5ppm以下であることを特徴とする、前記感光性樹脂組成物。
Description
均一散布が難しいこと、また、多数分散させるため、カラーフィルターの有効画素上にスペーサーが存在するとコントラスト比の低下等、液晶表示性能に支障をきたす恐れのあることより、近年、レジストでカラーフィルター基板側に柱状のパターンを形成することによりセルギャップを保つ方法も用いられている。
この課題を解決するために、無機粉体微粒子を配合し、硬化物の硬度を高くする方法が提案されているが、このような微粒子をナノレベルまで安定して分散させるのは困難であるし、仮に分散出来たとしても、その分散状態を保存中安定して維持することも難しい。また、予め溶剤に分散されたコロイド状シリカスラリーを使用する方法も提案されているが(特許文献1参照)、一般的な市販のコロイド状シリカスラリーは、その製法上アルカリ金属分が混入し易いため、液晶を汚染しやすく、表示不良を引き起こす恐れがある。特にスペーサーは液晶層内に存在し、直接液晶と接するため、スペーサー中のイオン性物質等の不純物は大きな問題となる。
即ち、本発明は、
(1)アクリルポリマー、アクリルモノマー、光重合開始剤及びシリカ微粒子のコロイド状スラリーを含有する感光性樹脂組成物であって、該シリカ微粒子の平均粒子径が50nm以下であり(比表面積換算法により測定)、該コロイド状スラリーのPHが6〜8で且つアルカリ金属分が5ppm以下であることを特徴とする、前記感光性樹脂組成物、
(2)更に、溶剤を含有する1項に記載の感光性樹脂組成物、
(3)コロイド状スラリー中のシリカ微粒子(固形分)が、樹脂組成物の固形分に対し、10重量%〜80重量%である1又は2項に記載の感光性樹脂組成物、
(4)パターン形成用である1ないし3項のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、
(5)前記1ないし4項のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物、
(6)前記1ないし4項のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物をパターニングして得られたスペーサーを備えた液晶表示装置、
に関する。
これらアクリルモノマーの添加量としては、樹脂組成物固形分中、5〜65重量%程度配合するのが好ましい。
カップリング剤を用いる場合の使用量はアクリル樹脂分100部に対して、0.1〜5部、好ましくは0.5〜4部程度である。
塗布する方法は、特に限定されるのもではなく、ロールコート法、スプレー法、カーテンコート法、スリットコート法等、各種塗布方法を用いることが出来るが、各種塗布方法に適した粘度調整を行う必要がある。
膜厚は通常、硬化後1〜10μmに、好ましくは3〜6μmになるような条件で塗布される。この際、塗布作業を効率的に行うため、本発明の組成物の25℃における粘度を2mPa・s以上、好ましくは4mPa・s以上、更に好ましくは5mPa・s以上で、かつ、30mPa・s以下、好ましくは15mPa・s以下、より好ましくは13mPa・s以下になるように、通常有機溶剤の使用量で調整する。塗布後の乾燥、硬化条件は組成物溶液中の成分割合配合比、溶剤の種類によって最適な条件を選択する必要があるが、通常、70〜100℃でプリベークを行い溶剤を除去した後、所定パターンマスクを介し、適当な露光機で照射し、アルカリ現像液により現像し不要部分を除去後、洗浄、乾燥工程を経てポストベークを行う。
感光性樹脂組成物として表1の実施例1の欄に示す組成(数値は「部」)のものをプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートに溶解して、粘度が8mPa・s〜12mPa・sの範囲になるよう調整し、本発明の感光性樹脂組成物を得た。次に厚さ0.7mmの無アルカリガラス上に、前記組成物をスピンコーターを用いて、硬化後の厚さが5μmになるように塗布し、100℃、100秒の条件でプリベークを行った後、ライン幅が20μmのストライプパターンのあるマスクを用いて、50mJ/cm2の照射エネルギーで露光し、現像後、200℃×5minでポストベークを行った。
得られた樹脂パターンの評価結果(評価方法は後述)を表2に示す。
感光性樹脂組成物として、表1の各々の欄に示す組成(数値は「部」)のものを用いた以外は実施例1と同様に行い樹脂パターンを作成した。これらの評価結果を表2に示した。
実施例1 実施例2 実施例3 比較例1
アクリルポリマー 11.8 11.8 11.8 11.8
アクリルモノマー 10.9 10.9 10.9 10.9
光重合開始剤 1.7 1.7 1.7 1.7
増感剤 0.57 0.57 0.57 0.57
シリカ微粒子スラリーA※ 32.8(8.3) 65.6(16.6) 148.2(37.5)
シリカ微粒子スラリーB※ 27.7(8.3)
溶剤 50.4 25.9 5.2 55.5
(固形分中シリカ濃度) (25%) (40%) (60%) (25%)
※ ()内の値は、シリカ微粒子スラリー中のシリカ分を示す。
アクリルポリマー :メタクリル酸とベンジルメタクリル酸の共重合体
アクリルモノマー :KAYARAD DPHA(日本化薬製:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
光重合開始剤:イルガキュア369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製:2−ベンジルー2−ジメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタンー1−オン)
増感剤 :ジエチルチオキサンタン
シリカ微粒子スラリーA: 扶桑化学工業製 PL−2L−PGME(Na濃度1ppm以下、平均粒子径19nm、PH7.3、シリカ固形分濃度25.3%)
シリカ微粒子スラリーB:日産化学製 PGM−ST(Na濃度6000ppm以下、平均粒子径14nm、PH4.7、シリカ固形分濃度30%)
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
実施例1 実施例2 実施例3 比較例1
硬度 450 525 656 480
パターン形状 良好 良好 良好 ハ゜ターン流れ、表面荒れ
組成物溶液外観 透明 透明 透明 白濁
保存安定性 ○ ○ ○ フ゜リン状で不良
シリカ微粒子のコロイド状スラリーを使用した本発明のものは、透明性を維持し、保存安定性が良いことが分かる。そのため配合割合を多くすることが出来るため、硬化物の硬度を上げることが可能となる。
1. 硬度
表面皮膜物性試験機((株)フィッシャー・インストルメンツ製フィッシャースコープH−100C−HCU)を使用し、ガラス基板に5μの膜厚になるよう作成した試験片の2mN荷重下でのヴィッカース硬度を測定した。
2. パターン形状
実施例で作成したパターンを500倍の光学顕微鏡で観察した際の外観を観察し、パターン流れや表面荒れの状態を観察した。
3. 組成物溶液外観
配合・溶解後の樹脂組成物溶液の外観を観察した。
4.保存安定性
感光性樹脂組成物溶液500gを1Lガラスコート瓶に入れ蓋を閉め、5℃で1ヶ月保管したあとの状態を観察し、粘度変化が初期粘度の5%以内であるものを○、5%〜10%であるものを△、10%以上増粘しているものを×とした。
Claims (6)
- アクリルポリマー、アクリルモノマー、光重合開始剤及びシリカ微粒子のコロイド状スラリーを含有する感光性樹脂組成物であって、該シリカ微粒子の平均粒子径が50nm以下であり(比表面積換算法により測定)、該コロイド状スラリーのPHが6〜8で且つアルカリ金属分が5ppm以下であることを特徴とする、前記感光性樹脂組成物。
- 更に、溶剤を含有する請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- コロイド状スラリー中のシリカ微粒子(固形分)が、樹脂組成物の固形分に対し、10重量%〜80重量%である請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- パターン形成用である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物をパターニングして得られたスペーサーを備えた液晶表示装置。
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