JP2006078003A - パルス管冷凍機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 上下逆設置による据え付け姿勢でパルス管径dを増大させても自然対流が発生しない構成を採用することで可能な限りパルス管径dを大きくし、据え付け姿勢・パルス管の管長制限に影響されることなく、冷凍出力の増加を実現するパルス管冷凍機を提供する。
【解決手段】
少なくとも蓄冷器、低温端およびパルス管が直線状に接続されて直線状の流路となるように圧縮機、蓄冷器、低温端、パルス管および位相制御部が接続され、この直線状の流路を流れる作動ガスとの熱交換により低温端に寒冷を発生させるパルス管冷凍機において、
このパルス管10内では、流路方向に延長する内管11のような仕切り部により管内流路が分割形成され、複数の管内流路をガスが通流するようなパルス管冷凍機とした。
【選択図】 図1
【解決手段】
少なくとも蓄冷器、低温端およびパルス管が直線状に接続されて直線状の流路となるように圧縮機、蓄冷器、低温端、パルス管および位相制御部が接続され、この直線状の流路を流れる作動ガスとの熱交換により低温端に寒冷を発生させるパルス管冷凍機において、
このパルス管10内では、流路方向に延長する内管11のような仕切り部により管内流路が分割形成され、複数の管内流路をガスが通流するようなパルス管冷凍機とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、極低温冷凍機として用いられるパルス管冷凍機に関する。
まず、従来技術のパルス管冷凍機の構成について図を参照しつつ説明する。図7は従来技術のパルス管冷凍機の概略構成図である。
パルス管冷凍機1000は、図7に示すように、パルス管100、位相制御部200、低温端300、蓄冷器400、圧縮機500を備えている。
パルス管冷凍機1000は、図7に示すように、パルス管100、位相制御部200、低温端300、蓄冷器400、圧縮機500を備えている。
さらに位相制御部200は、バッファタンク210とイナータンスチューブ220とを備え、低温端300は、放熱部310と熱交換部320とを備え、また、圧縮機500は、シリンダ510とピストン520とを備えている。このようなパルス管冷凍機1000には流路が形成される。流路内には作動ガス(冷媒ガス)として、例えば、ヘリウムが封入されている。
続いて、パルス管冷凍機1000の動作原理について説明する。パルス管冷凍機1000を稼働すると、圧縮機500のシリンダ510内でピストン520が往復動作することにより、シリンダ510内の作動ガスが圧縮、膨張される。このような作動ガスは圧縮機500から蓄冷器400、低温端300、パルス管100を通り、位相制御部200との間を往復動流として流れる。
また、作動ガスは、位相制御部200のイナータンスチューブ220とバッファタンク210の中を、ほぼ正弦波的に圧力振幅を伴って流れる。
これにより、作動ガスの圧力変化と流量変化の間には位相差が発生する。
また、作動ガスは、位相制御部200のイナータンスチューブ220とバッファタンク210の中を、ほぼ正弦波的に圧力振幅を伴って流れる。
これにより、作動ガスの圧力変化と流量変化の間には位相差が発生する。
これら流体回路を電気回路に例えると、イナータンスチューブ220は電気回路のインダクタンス、レジスタンス、キャパシタンス成分に相当し、また、バッファタンク210はキャパシタンス成分に相当する。
このような位相制御部200は、作動ガスの圧力に対する流量の位相差を−90°から+90°まで変化させることができる。
このような位相制御部200は、作動ガスの圧力に対する流量の位相差を−90°から+90°まで変化させることができる。
このようにパルス管冷凍機1000の運転時には、パルス管100および位相制御部200による位相制御効果により、パルス管100内で作動ガスの圧力と流量の間に位相差が生じ、この圧力と流量とがなす仕事が低温部でのPV仕事となり、低温端300に寒冷を発生する。この発生寒冷を低温PV仕事と呼ぶ。
ここで、低温端300は前記のように蓄冷器400とパルス管100との間に介装されている。パルス管冷凍機1000の運転時には、圧縮機500の圧縮工程で送り出された作動ガスは低温となってパルス管100に流入し、その内部で断熱膨張してこれにより吸熱して位相制御部200に流出する。また、前記とは逆に作動ガスが位相制御部200からパルス管100を通過して低温端300に還流する工程では、ほぼ一定体積で変化するため熱の発生または吸収は行わない。つまり低温端300では発熱がなく吸熱のみなされ、寒冷を発生することとなる。
この場合に作動ガスがPV仕事を効率よく行うためには、作動ガスがパルス管100内で、あたかも、ある二面の固定面により区画されたピストン(以下「ガスピストン」と呼称する)110として作用することが必要であり、少なくとも低温端300側では固定面を必ず形成する必要がある。このようなガスピストン110の形成のためには、パルス管100内で偏りのない一様な速度分布を形成させることが必要不可欠となっている。
そこで、低温端300ではパルス管100と熱交換部320に整流作用を持たせ、パルス管100内へ流入する作動ガスを整流し、整流済みの作動ガスによりガスピストン110を形成して、位相差に乱れがないようにする。従来技術のパルス管冷凍機1000はこのようなものであった。
また、他の従来技術例として、特許文献1にも類似した構成を有するパルスチューブ冷凍機が開示されている。
特開2003−279184号公報 (段落番号0007〜0014,図1)
パルス管冷凍機1000は、冷凍出力の増大が求められている。このような冷凍出力を増大させるためには圧縮機500の掃気量を増大させるとともに、パルス管100内で最低限必要なパルス管容積(以下最低パルス管容積という)を確保しつつガスピストン110を機能させる必要がある。すなわち、掃気量の増大(冷凍出力の増大)に比例して、必然的にパルス管100の容積を大きくしなければならない。そこで、パルス管100の管径dおよび管長lを大きくする必要がある。しかしながら、パルス管冷凍機1000の設置方向によっては管径dおよび管長lを単純に大きくできない場合があった。この点について説明する。
パルス管冷凍機1000の設置方向について、通常は、図7に示すようにパルス管100の高温側を上側に、また、低温側を下側に設置した状態で使用するのが一般的である。この向きで使用する場合には、パルス管100内では、密度の大きい作動ガス(低温ガス)が下側に、密度の小さい作動ガス(高温ガス)が上側に存在して、安定状態にあり、管径dおよび管長lの増加による冷凍出力の増大が可能である。
しかしながら、機械的な位置の制約等によりパルス管100の低温側を上側に、また、高温側を下側にする必要があって上下を逆に設置(以下、単に上下逆設置という)して使用する場合、密度の比が逆転して重力の作用により自然対流が発生する。自然対流が発生した場合、パルス管100内で温度混合が促進され冷凍出力が低下するという問題があった。このような据え付け姿勢に関する問題は特許文献1でも指摘されている。
この自然対流の発生は、流路幅(壁面管距離)、つまり管径dと管長lとが大きく関係し、アスペクト比l/dを大きくすることで自然対流を防止できる。つまり、パルス管100の管径dを小さくしたり、また、パルス管100の管長lを長くすることで自然対流の発生を抑制する必要がある。しかしながら、管径dを小さくすることは先に説明したように冷凍出力を低下させることとなる。
このようなパルス管冷凍機1000の上下逆設置では、dを小さくして自然対流の影響を低減することと、dを大きくして冷凍出力を大きくすることはトレードオフ(二律背反)の関係となり、dの変更では冷凍出力の増大と自然対流の抑止とを共に実現することは困難である。
このようなパルス管冷凍機1000の上下逆設置では、dを小さくして自然対流の影響を低減することと、dを大きくして冷凍出力を大きくすることはトレードオフ(二律背反)の関係となり、dの変更では冷凍出力の増大と自然対流の抑止とを共に実現することは困難である。
そこで、上下逆設置時で自然対流を発生させることなく冷凍出力を増大させるためには、パルス管100の管長lを可能な限り長くし、さらに自然対流が発生しないようなパルス管100の管径dの最大値を採用することで対処していた。
しかしながら、パルス管100の管長lを長くすることも機械的制約等により限界があり、また、パルス管100の管長lを短くしてパルス管冷凍機を小型化したいという要請もあってパルス管100の管長lも長くできず、自然対流の防止と機械的制約の満足という相反する条件を満たしつつ冷凍出力を大きくすることは限界があった。
しかしながら、パルス管100の管長lを長くすることも機械的制約等により限界があり、また、パルス管100の管長lを短くしてパルス管冷凍機を小型化したいという要請もあってパルス管100の管長lも長くできず、自然対流の防止と機械的制約の満足という相反する条件を満たしつつ冷凍出力を大きくすることは限界があった。
また、図示しないがパルス管を複数本用いて、必要な容積を確保する手段もあるが、この方法は各パルス管に流れる流量や流入時の整流が不安定になる等の問題があり、この場合も冷凍出力が低下するという問題が依然として残されている。
そこで、本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、上下逆設置による据え付け姿勢でパルス管径dを増大させても自然対流が発生しない構成を採用することで可能な限りパルス管径dを大きくし、据え付け姿勢・パルス管の管長制限に影響されることなく、冷凍出力の増加を実現するパルス管冷凍機を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明のパルス管冷凍機は、
少なくとも蓄冷器、低温端およびパルス管が直線状に接続されて直線状の流路となるように圧縮機、蓄冷器、低温端、パルス管および位相制御部が接続され、この直線状の流路を流れる作動ガスとの熱交換により低温端に寒冷を発生させるパルス管冷凍機において、
このパルス管内では、流路方向に延長する仕切り部により管内流路が分割形成され、複数の管内流路を作動ガスが通流することを特徴とする。
少なくとも蓄冷器、低温端およびパルス管が直線状に接続されて直線状の流路となるように圧縮機、蓄冷器、低温端、パルス管および位相制御部が接続され、この直線状の流路を流れる作動ガスとの熱交換により低温端に寒冷を発生させるパルス管冷凍機において、
このパルス管内では、流路方向に延長する仕切り部により管内流路が分割形成され、複数の管内流路を作動ガスが通流することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る発明のパルス管冷凍機は、
請求項1記載のパルス管冷凍機において、
前記パルス管は、各管内流路を流れる作動ガスの振幅が同一となるように、各管内流路の流体抵抗を略等しくすることを特徴とする。
請求項1記載のパルス管冷凍機において、
前記パルス管は、各管内流路を流れる作動ガスの振幅が同一となるように、各管内流路の流体抵抗を略等しくすることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る発明のパルス管冷凍機は、
請求項1または請求項2に記載のパルス管冷凍機において、
前記パルス管を厚肉に、前記仕切り部を薄肉に形成することを特徴とする。
請求項1または請求項2に記載のパルス管冷凍機において、
前記パルス管を厚肉に、前記仕切り部を薄肉に形成することを特徴とする。
このような本発明によれば、上下逆設置による据え付け姿勢でパルス管径dを増大させても自然対流が発生しない構成を採用することで可能な限りパルス管径dを大きくし、据え付け姿勢・パルス管の管長制限に影響されることなく、冷凍出力の増加を実現するパルス管冷凍機を提供することができる。
続いて、本発明を実施するための最良の形態について、図を参照しつつ説明する。本形態では、図7のパルス管冷凍機1000のうちパルス管100に代えて、改良を施したパルス管10を搭載する点が新規である。以下、このパルス管10を中心に説明し、他の箇所は従来技術の説明と同様であるとしてその重複する説明を省略する。
図1は本形態のパルス管冷凍機のパルス管10の概略図である。パルス管10は、図1で示すように、内管11、外管12を備えている。内管11は管径d1が小さく、外管12は管径d2が大きいものであり、内管11および外管12は同心円状に配置される。
内管11および外管12は、熱伝導率が比較的小さく、許容応力が大きい材料であるステンレスなどの金属により形成される。内管11は、パルス管10内の流路方向に延長する仕切り部として機能し、内管11内の断面が円状の管内流路と、内管11および外管12により形成される断面が環状(ドーナツ状)の管内流路と、に分割形成され、これら複数の管内流路を作動ガスが通流する。
内管11および外管12は、熱伝導率が比較的小さく、許容応力が大きい材料であるステンレスなどの金属により形成される。内管11は、パルス管10内の流路方向に延長する仕切り部として機能し、内管11内の断面が円状の管内流路と、内管11および外管12により形成される断面が環状(ドーナツ状)の管内流路と、に分割形成され、これら複数の管内流路を作動ガスが通流する。
このように二重同心円管により管内流路を二経路形成したため、大型管径d2のパルス管10においても、自然対流の発生に影響する流路幅(壁面管距離)を小さくしてアスペクト比を大きくとることが可能となる。また、パルス管容積自体は大型の管径d2であるため、冷凍出力を大きくすることができる。
すなわち、本発明の構造をとることで、大型管径であっても自然対流の発生を抑え、パルス管10の据え付け姿勢に影響されることなく冷凍出力を増加させたパルス管冷凍機が実現できる。
すなわち、本発明の構造をとることで、大型管径であっても自然対流の発生を抑え、パルス管10の据え付け姿勢に影響されることなく冷凍出力を増加させたパルス管冷凍機が実現できる。
さらに好ましい形態について図を参照しつつ説明する。図2,図3はパルス管10の流体抵抗を説明する説明図である。パルス管10として多重同心円管を採用すると、通常は、図2で示すように、内側流路と外側流路とでは流体抵抗が異なると予想される。この流体抵抗の相違により、例えば内側の流体抵抗<外側の流体抵抗の場合には、内側のガス振幅>外側のガス振幅となり、内側と外側との管壁に温度差(内側の温度<外側の温度)が生じて、内側で下降流、外側で上昇流が発生する。それらの部分的な下降流と上昇流とが発達して、図2中に示すような二次流れが発生し、温度混合が起きて性能を低下させてしまう。
そこで、図3に示すように内側と外側の流体抵抗を同一にすることで、両流路を流れる作動ガスの振動振幅を同一にする。
一般的に流体抵抗は、圧力損失ΔPを指標として以下のように表される。
一般的に流体抵抗は、圧力損失ΔPを指標として以下のように表される。
このうち、水力直径dは流路の断面積を、流路の濡れ長さ(すなわち流路断面の周囲の長さ(周長))で割り、4を掛けたものである。流路断面の周長sと流路断面積Aとすると次の式で表される。
ここに円状流路と環状流路との両流路の流体抵抗ΔPが同じであるとすると、密度ρ,管摩擦係数λf ,管長l,平均流速は同じ作動ガスが流れるため共通であり、円状流路と環状流路とでは流路の水力直径についてdi=doを満たすときに流体抵抗が同じになるということができる。続いてこれら水力直径diとdoとを求める。
例えば、内側流路(円状流路)の水力直径diは図3のd1を用いると以下のようになる。
また、外側流路(環状流路)の水力直径doは図3のd1,d2およびt1を用いると、以下のようになる。
この数4では、分子となる流路断面積は環の面積であり、分母となる断面内濡れ長さは内径と外径の周長を足し合わせた長さである。
先に述べたように流体抵抗が等しい場合はdi=doであり、外管の内径d2と内管肉厚t1を定義するとdi=doを満たすようなd1を算出できる。
先に述べたように流体抵抗が等しい場合はdi=doであり、外管の内径d2と内管肉厚t1を定義するとdi=doを満たすようなd1を算出できる。
続いて、更に好ましい形態について図を参照しつつ説明する。図4,図5はパルス管10の内管11における管厚設計を説明する説明図である。パルス管冷凍機1000に封入されている作動ガスは高圧であるため、パルス管10の外管12はそれを支えるための強度が必要となる。そこで、図4で示すように外管12の管厚t2は高圧に耐えうるように充分な厚さを有し、そして、内管11の厚さt1’もt2と同じ厚さで構成されることが多かった。
しかし、外管12では内側が高圧で外側が大気圧であるのに対し、内管11の管壁の内外両側にかかる半径方向の圧力は共に高圧であって平衡しており、内管11は強度が小さくても圧力により破断することがない。したがって、図5で示すように、管壁の厚さt1を薄くすることが可能である。
内管11の管壁の厚さt1を薄くすると、ガスピストンの容積が若干ながら増大するため、冷凍出力の増大に貢献する。
しかし、外管12では内側が高圧で外側が大気圧であるのに対し、内管11の管壁の内外両側にかかる半径方向の圧力は共に高圧であって平衡しており、内管11は強度が小さくても圧力により破断することがない。したがって、図5で示すように、管壁の厚さt1を薄くすることが可能である。
内管11の管壁の厚さt1を薄くすると、ガスピストンの容積が若干ながら増大するため、冷凍出力の増大に貢献する。
また、内管11の管壁の厚さt1を薄くすると、低温側から高温側までの熱伝導による熱侵入を抑止できる。この点について説明する。一般的に熱伝導による熱侵入量Qthは、以下の式で表される。
ここに内管11の管壁が薄くなると、管内肉厚部断面積Ac も小さくなり、侵入量Qthが低減する。このように熱伝導による高温側から低温側への熱侵入を低減させることでより大きな冷凍出力を可能とし、良好な性能を確保することが可能となる。
続いて他の形態について図を参照しつつ説明する。図6は、仕切り部の各種形態を説明する説明図である。
例えば、図6(a)で示すような多重同心円管によるパルス管を採用しても良い。この図6(a)では、例えば、パルス管となる外管に、内管、中管による仕切り部を形成して三重同心円のパルス管を形成し、中央内側に円状の分割流路を、中側および外側に環状の分割流路を形成したものである。また、上記した数1〜数5を応用して、流体抵抗を同一にするような内管、中管、外管の管径および管厚を算出して流体抵抗を同一にすることもできる。また、この際、内管および中管の管厚を、外管の管厚よりも薄くして熱侵入を抑止することもできる。さらにまた、図示しないが、四重同心円、五重同心円としてより多くの分割流路を形成しても良い。
例えば、図6(a)で示すような多重同心円管によるパルス管を採用しても良い。この図6(a)では、例えば、パルス管となる外管に、内管、中管による仕切り部を形成して三重同心円のパルス管を形成し、中央内側に円状の分割流路を、中側および外側に環状の分割流路を形成したものである。また、上記した数1〜数5を応用して、流体抵抗を同一にするような内管、中管、外管の管径および管厚を算出して流体抵抗を同一にすることもできる。また、この際、内管および中管の管厚を、外管の管厚よりも薄くして熱侵入を抑止することもできる。さらにまた、図示しないが、四重同心円、五重同心円としてより多くの分割流路を形成しても良い。
また、図6(b)で示すような単純仕切板による仕切り部を採用しても良い。この図6(b)では、例えば、パルス管内に横板、縦板により十字形の仕切部を形成し、扇型の分割流路を四個形成したものである。図示しないが、三枚の仕切板を等角60°で六叉状の配置した仕切部とすることで六分割円の流路を六個形成したり、四枚の仕切板を等角45°で八叉状の配置した仕切部とすることで八分割円の流路を八個形成しても良い。この場合、流路断面積および流路周長が同じとなって、流体抵抗は各流路で等しく、自然対流の発生を抑止できる。また、外管の管厚に対して、仕切板を薄肉にして、熱侵入を抑止するようにしても良い。
また、図6(c)で示す多軸円管により仕切では、例えば、外管内に三軸の管を配置することにより、三輪状の仕切部を形成し、円状・銀杏葉状の分割流路等を形成したものである。図示しないが、四軸円管、五軸円管としてより多くの分割流路を形成しても良い。また、各流路で流体抵抗を同じにしたり、仕切り部を薄くして熱侵入を防止するようにしても良い。
また、図6(d)で示す複合形による仕切りでは、例えば、中央に円管を、四方に横板、縦板が半径方向に伸びる仕切部を形成し、円状の分割流路を一個および分割環状の分割流路を四個形成したものである。図示しないが、円状の分割流路をさらに多重円としたり、分割環状の分割流路を6個,8個というように多数個形成しても良い。また、各流路で流体抵抗を同じにしたり、仕切り部を薄くして熱侵入を防止するようにしても良い。
以上、本発明のパルス管冷凍機について説明した。本発明のパルス管冷凍機によれば、パルス管において、管内流路を仕切り板により分割して構成することで、自然対流の影響を小さくして、設置方向に対する冷凍出力の低下を抑制する。
また、各流路の流体抵抗が同一になるようにして構成することで、両流路を流れる作動ガスの振動振幅を同一にして不要な熱ロスを抑制する。
さらにまた、各流路を隔てる仕切り板の肉厚を薄くすることで熱伝導によるロスを低減する。
以上のことを実施することで、パルス管の長さに縛られない自由な設計で設置方向による性能低下を抑制したパルス管冷凍機を提供することができる。
また、各流路の流体抵抗が同一になるようにして構成することで、両流路を流れる作動ガスの振動振幅を同一にして不要な熱ロスを抑制する。
さらにまた、各流路を隔てる仕切り板の肉厚を薄くすることで熱伝導によるロスを低減する。
以上のことを実施することで、パルス管の長さに縛られない自由な設計で設置方向による性能低下を抑制したパルス管冷凍機を提供することができる。
1000:パルス管冷凍機
10,100:パルス管
11:内管
12:外管
110:ガスピストン
200:位相制御部
210:バッファタンク
220:イナータンスチューブ
300:低温端
310:放熱部
320:熱交換部
400:蓄冷器
500:圧縮機
510:シリンダ
520:ピストン
10,100:パルス管
11:内管
12:外管
110:ガスピストン
200:位相制御部
210:バッファタンク
220:イナータンスチューブ
300:低温端
310:放熱部
320:熱交換部
400:蓄冷器
500:圧縮機
510:シリンダ
520:ピストン
Claims (3)
- 少なくとも蓄冷器、低温端およびパルス管が直線状に接続されて直線状の流路となるように圧縮機、蓄冷器、低温端、パルス管および位相制御部が接続され、この直線状の流路を流れる作動ガスとの熱交換により低温端に寒冷を発生させるパルス管冷凍機において、
このパルス管内では、流路方向に延長する仕切り部により管内流路が分割形成され、複数の管内流路を作動ガスが通流することを特徴とするパルス管冷凍機。 - 請求項1記載のパルス管冷凍機において、
前記パルス管は、各管内流路を流れる作動ガスの振幅が同一となるように、各管内流路の流体抵抗を略等しくすることを特徴とするパルス管冷凍機。 - 請求項1または請求項2に記載のパルス管冷凍機において、
前記パルス管を厚肉に、前記仕切り部を薄肉に形成することを特徴とするパルス管冷凍機。
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JP2004259259A JP2006078003A (ja) | 2004-09-07 | 2004-09-07 | パルス管冷凍機 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008286507A (ja) * | 2007-05-21 | 2008-11-27 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | パルス管冷凍機 |
JP2010071642A (ja) * | 2008-09-22 | 2010-04-02 | Oxford Instruments Superconductivity Ltd | 伝熱部材を備えたスリーブを用いる極低温冷却装置及び方法 |
CN105042923A (zh) * | 2015-08-24 | 2015-11-11 | 上海理工大学 | 带有狭缝式脉管装置的脉管制冷机脉管 |
CN107166793A (zh) * | 2017-07-12 | 2017-09-15 | 中国科学院上海技术物理研究所 | 一种脉管制冷机多层脉管及设计方法 |
CN107192154A (zh) * | 2017-05-27 | 2017-09-22 | 同济大学 | 一种高脉管膨胀效率的脉管制冷机 |
-
2004
- 2004-09-07 JP JP2004259259A patent/JP2006078003A/ja not_active Withdrawn
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