JP2006077699A - 過給装置の潤滑構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】過給装置の増速機構に十分な潤滑油を供給しつつ、潤滑油による攪拌抵抗を低減させることにより、動力損失を低減することができる過給装置の潤滑構造を提供すること。
【解決手段】エンジン18と過給機構33との間に設けられた第2ハウジング45内に収容されて、駆動軸37に連結されたプラネタリローラ43とプラネタリローラ43の回転を増速して伝達するリングローラ44とを備えた増速機構32と、増速機構32を潤滑するための潤滑油を貯留する貯油室35aと、潤滑油を増速機構32に供給するポンプ機構31とを有する過給装置の潤滑構造であって、第2ハウジング45の下部と貯油室35aとを連通孔42を介して連通させ、連通孔42および貯油室35aの底部がプラネタリローラ43よりも低い位置となるようにして、増速機構32に供給された潤滑油が貯油室35aに戻るようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】エンジン18と過給機構33との間に設けられた第2ハウジング45内に収容されて、駆動軸37に連結されたプラネタリローラ43とプラネタリローラ43の回転を増速して伝達するリングローラ44とを備えた増速機構32と、増速機構32を潤滑するための潤滑油を貯留する貯油室35aと、潤滑油を増速機構32に供給するポンプ機構31とを有する過給装置の潤滑構造であって、第2ハウジング45の下部と貯油室35aとを連通孔42を介して連通させ、連通孔42および貯油室35aの底部がプラネタリローラ43よりも低い位置となるようにして、増速機構32に供給された潤滑油が貯油室35aに戻るようにした。
【選択図】 図3
Description
本発明は、エンジンに圧縮空気を供給する過給装置の潤滑構造に関する。
従来から、エンジンの出力性能を向上させるためにエンジンの燃焼室内に圧縮空気を供給する過給装置が広く用いられている。このような過給装置として、エンジンの回転によって回転駆動される入力軸の回転数を増速機構により増速して出力軸に伝達し、同出力軸に設けられたロータを高速回転させて圧縮空気を生成するものがある(特許文献1参照)。
特開2003−049654号公報
この過給装置は、エンジンの動力によって回転駆動される第1ロータ軸の回転を、ハウジング内に収容されている互いに噛み合う2つの増速ギアによって増速して第2ロータ軸に伝達している。第1ロータ軸および第2ロータ軸は、それぞれロータを備えており、これらのロータが高速で回転駆動されることによって空気が圧縮されるようになっている。この増速ギアを収容するハウジング内には、高速で回転する増速ギアの噛み合いを円滑なものとするために、増速ギアを浸した状態で潤滑油が貯留されている。
しかしながら、増速ギアは前記したように潤滑油に浸された状態にあるため、増速ギアの回転駆動時においては、潤滑油の攪拌抵抗が大きく動力損失が大きいという問題がある。
本発明は前記問題に対処するためなされたもので、その目的は、増速機構に十分な潤滑油を供給しつつ、増速機構における潤滑油の攪拌抵抗を低減させることにより、動力損失を低減することができる過給装置の潤滑構造を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の特徴は、エンジンの回転により回転駆動される駆動軸と、過給機構が備えるタービンに連結された回転軸と、エンジンと過給機構との間に設けられたハウジング内に収容されて、駆動軸に連結された回転部と、回転部の回転力が伝達される被回転部とを備え、これらの回転部および被回転部によって駆動軸の回転を増速して回転軸に伝達する増速機構と、増速機構を潤滑するための潤滑油を貯留する貯油室と、駆動軸の回転により駆動されて貯油室に貯留される潤滑油を増速機構に供給するポンプ機構とを有する過給装置の潤滑構造であって、ハウジングの下部と貯油室とを連通流路を介して連通させるとともに、連通流路および前記貯油室の各底部が増速機構の回転部の最下部よりも低い位置になるようにして、増速機構に供給され増速機構を潤滑した潤滑油が前記連通流路を介して貯油室に自然落下により戻るようにしたことにある。この場合、過給装置は、ポンプ機構、増速機構および過給機構により構成されている。
このように構成した本発明の特徴によれば、増速機構に供給された潤滑油は自然落下によりハウジング内の底部に溜まるが、ハウジング内の底部に溜まった潤滑油は、連通流路を介して自然落下により貯油室内に流れ込む。この場合、連通流路を増速機構の回転部の最下端より下方に位置するように構成しているため、増速機構の回転部がハウジング内の底部に溜まった潤滑油に浸されることはない。この場合の増速機構としては、例えば、プラネタリローラを用いた機構を使用することができる。
具体的には、一例として、回転部を、駆動軸に支持部材を介して回転可能に支持された複数のプラネタリローラとする一方、被回転部を、ハウジング内に固定され前記複数のプラネタリローラと摩擦接触するリングローラとすることができる。これによると、駆動軸の回転によりプラネタリローラはリングローラ内で回転する。この場合、リングローラ内を回転するプラネタリローラは、ハウジング内の底部に溜まる潤滑油に浸されることがない。また、リングローラは、固定状態であるため潤滑油に浸されても支障はない。
また、他の例として、前記複数のプラネタリローラをハウジング内に支持部材を介して回転可能に支持させた被回転部とし、前記リングローラを駆動軸に支持部材を介して支持させ、前記被回転部と摩擦接触する回転部としてもよい。これによると、駆動軸の回転により回転部が被回転部と摩擦接触しながら、被回転部の外側を回転する。この場合、回転部内を回転する被回転部および回転部の双方ともハウジング内の底部に溜まる潤滑油に浸されることがない。この結果、回転するプラネタリローラおよびリングローラが潤滑油に浸かり攪拌抵抗によって動力損失が生じることが防止される。
また、本発明の他の特徴は、ポンプ機構は、駆動軸の外周面に同駆動軸を中心として螺旋状に設けられたスクリューと、駆動軸を支持手段を介して回転自在に支持するとともに同スクリューを収容する円筒体とから構成されており、スクリューの外周縁部と円筒体の内周面との間に隙間が形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、スクリューと円筒体とが非接触となるため、スクリューの回転に対する抵抗がなくなる。この結果、駆動軸の回転数を上げることができ、高回転数のエンジンにも使用できるようになる。
また、本発明の他の特徴は、駆動軸の外周面におけるスクリューの両端側部分に駆動軸の軸線方向と直交する方向に突出した略円板状の鍔部をそれぞれ設けたことにある。これによれば、円筒体の内側における駆動軸上に設けられた2つの鍔部に挟まれた空間によってスクリューを収容するポンプ室を簡単な構成でコンパクトに形成することができる。
また、本発明の他の特徴は、貯油室に貯留された潤滑油を冷却するための冷却液室を、貯油室に隔壁を介して設けたことにある。これによれば、簡単な構造で効果的に潤滑油を冷却することができる。
また、本発明の他の特徴は、冷却液室を貯油室を囲むように設けたことにある。これによれば、より効果的に潤滑油を冷却することができる。
また、本発明の他の特徴は、潤滑油が貯油室から潤滑油流路を介してポンプ機構に供給されるように構成し、潤滑油流路を流れる潤滑油を冷却するための冷却装置を設けたことにある。これによれば、増速機構に供給される潤滑油を冷却装置によって冷却することができるとともに、前記冷却液室に加えて冷却装置を設けることにより、さらに効果的に潤滑油を冷却することができる。
また、本発明の他の特徴は、駆動軸の軸方向に沿って、エンジン側からポンプ機構、増速機構および過給機構を並べて設けるとともに、ポンプ機構および増速機構の少なくともいずれか一方の下方に貯油室を設けたにある。これによれば、ポンプ機構または増速機構の少なくともいずれか一方の下方に貯油室を設けているため、過給装置の構成をコンパクトにすることができる。
また、本発明の他の特徴は、駆動軸と回転軸とを同軸上に対向配置し、前記駆動軸に、同駆動軸における回転軸に対向する端面から同端面とは反対側に向かって軸方向に延びる中心孔を設けるとともに、駆動軸に外周面から中心孔に通じる連通孔を設け、貯油室から供給される潤滑油が、連通孔を介して中心孔内に導かれるとともに、同中心孔を介して増速機構に供給されるようにしたにある。これによれば、貯油室から増速機構に潤滑油を供給するための流路を駆動軸内に形成することができるため、過給装置の構造を簡単かつコンパクトに構成することができる。
また、本発明の他の特徴は、駆動軸と回転軸との対向する端面部同士を接触させて配設し、回転軸の一端側に過給機構のタービンを設けるとともに、同回転軸の他端側に増速機構を設け、回転軸に、同回転軸における駆動軸に対向する端面部から過給機構側に向かって軸方向に延びる中心孔を設けるとともに、回転軸に外周面から中心孔に通じる連通孔を設け、駆動軸の中心孔と回転軸の中心孔を連通させて、駆動軸の中心孔から供給される潤滑油が回転軸の中心孔および連通孔を介して増速機構に供給されることにある。これによれば、貯油室から増速機構に潤滑油を供給するための流路を駆動軸内および回転軸内に形成することができるため、過給装置の構造を簡単かつコンパクトに構成することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記駆動軸と前記回転軸との互いに対向する端部同士を互いに回転自在に嵌め合わせた構造にしたことにある。これによれば、駆動軸と回転軸との端部を互いに回転可能な状態にして嵌め合わせたため、互いに回転速度が異なる軸同士であっても簡単な構造で駆動軸の孔と回転軸の孔とを連通させることができる。
例えば、駆動軸の外径を回転軸の外径よりも大きくして、駆動軸の端部に回転軸の外径より僅かに大きい孔径の孔を設け、同孔に回転軸の端部を挿入して嵌め合わせるようにしてもよいし、回転軸の外径を駆動軸の外径より大きくして、回転軸の端部に駆動軸の外径より僅かに大きい孔径の孔を設け、同孔に駆動軸の端部を挿入して嵌め合わせるようにしてもよい。また、駆動軸および回転軸のどちらか一方の軸の端部に凸部を設け、他方の軸の端部に凹部を設けて、一方の軸の凸部を他方の軸の凹部に挿入して嵌め合わせるようにしてもよい。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る過給装置の潤滑構造を備えた水ジェット推進艇10を示している。この水ジェット推進艇10では、デッキ11とハル12とが周縁部を液密的に接合して船体13が構成されている。そして、デッキ11の上部における中央よりもやや前側部分に操舵ハンドル14が設けられ、同デッキ11の上部における操舵ハンドル14の後方には、シート15が設けられている。
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る過給装置の潤滑構造を備えた水ジェット推進艇10を示している。この水ジェット推進艇10では、デッキ11とハル12とが周縁部を液密的に接合して船体13が構成されている。そして、デッキ11の上部における中央よりもやや前側部分に操舵ハンドル14が設けられ、同デッキ11の上部における操舵ハンドル14の後方には、シート15が設けられている。
船体13の内部における前部側と後部側には、それぞれ外部の空気を船体13内に導くための空気ダクト16a,16bが設けられている。これらの空気ダクト16a,16bは、船体13の上部から船体13内部の底部まで上下に延びるように形成され、デッキ11に設けた防水構造(図示せず)を介して船外の空気を上端部から吸い込み、下端部から船体13内に導く構成となっている。
船体13内の底部における前部側部分に燃料を収容するための燃料タンク17が設置され、同船体13内の底部における中央部に水ジェット推進艇10の動力源であるエンジン18が設置されている。エンジン18は、図2に示すように水冷式の直列4気筒4サイクルエンジンから構成されており、各気筒18aを構成する吸気弁と排気弁との開閉駆動により、吸気弁側に設けられた吸気装置19から供給される空気と、燃料タンク17から図示しない燃料供給装置を介して供給される燃料との混合気を取り込み、排気弁側に設けられた排気装置27に排気ガスを送り出す。
その際、吸気弁側からエンジン18内に供給される混合気は、エンジン18が備える点火装置の点火によって爆発し、この爆発によってエンジン18内に設けられたピストン18bが上下方向に往復移動する。そして、このピストン18bの移動によってクランク軸18cが回転駆動される。このクランク軸18cは、エンジン18の後部から後方に向かって延びており、カップリング18dを介してポンプ駆動軸20に連結され、回転力をポンプ駆動軸20に伝達してポンプ駆動軸20を回転駆動させる。
ポンプ駆動軸20の後端部は、船体13の後端部における船体13の幅方向の中央に設置されたジェットポンプ21のインペラ(図示せず)に連結されている。このインペラの回転によって水ジェット推進艇10に推進力が生じる。すなわち、ジェットポンプ21は、船体13の底部に開口する水導入口22aと船尾に開口する水噴射口22bとを備えており、水導入口22aから導入される水をインペラの回転により水噴射口22bから噴射させることにより船体13に推進力を生じさせる。また、水噴射口22bの後端部には、操舵ハンドル14の操作に応じて、水噴射口22bから噴射される噴流の向きを左右方向に変化させることができるディフレクタ22cが取り付けられており、このディフレクタ22cの向きを左右方向に変化させることにより、水ジェット推進艇10の進行方向を左右方向に旋回させることができる。
吸気装置19は、吸気ボックス24と、過給装置30と、インタークーラー(図示せず)と、スロットルボディー25および吸気管23cとから構成されている。
吸気ボックス24は、エンジン18と燃料タンク17との間におけるやや燃料タンク17に近い部分に、エンジン18と所定間隔を保って配置されており、空気ダクト16a,16bを介して船体13内に取り込まれた空気を空気通路23aを介して過給装置30に送る。過給装置30は、吸気ボックス24から供給される空気を圧縮してインタークーラーに送る。インタークーラーは、過給装置30から供給される圧縮空気を冷却して密度を大きくした後、空気ダクト23bを介してスロットルボディー25に送る。スロットルボディー25は、圧縮空気の流量を調節して吸気管23cを介してエンジン18の各気筒に圧縮空気を供給する。
この吸気装置19が備える過給装置30は、エンジン18の前端側にエンジン18に隣接して設置されている。すなわち、エンジン18のクランク軸18cの前端部にはフライホイール18eが取り付けられており、このフライホイール18eに駆動歯車37aを介して駆動軸37が連結されている。この駆動軸37は、エンジン18の作動によってクランク軸18cが回転すると、その回転力がフライホイール18eおよび駆動歯車37aを介して伝達され、その回転力によって回転するように構成されている。そして、駆動軸37の前端側部分に壁部36を介して過給装置30が設けられている。すなわち、駆動軸37の前端側部分は壁部36に形成された貫通孔36aを貫通して前方に延びており、過給装置30は、壁部36の前面側に設けられている。過給装置30は、図3に示すように、エンジン18側から船首側に向かってポンプ機構31、増速機構32および過給機構33を順に並べて構成されている。
ポンプ機構31は、駆動軸37の外周に形成された円筒状のポンプ室34と、ポンプ室34の下方に形成された貯油室35aと、ポンプ室34と貯油室35aとの外周に形成された冷却液室35bとを備えている。これらのポンプ室34、貯油室35aおよび冷却液室35bは、第1ハウジング35によって隔離された状態で形成されている。ポンプ室34は、大部分を占める後部側部分が小径部34aに形成され、前部側部分が大径部34bに形成されている。そして、ポンプ室34内における小径部34aの後端側部分と大径部34bの前端側部分とにそれぞれ大きさの異なるベアリング38a,38bが設けられており、このベアリング38a,38bを介して駆動軸37が回転可能な状態で支持されている。
すなわち、ベアリング38a,38bの外径および内径はそれぞれ対応する小径部34a,大径部34bの各内径および駆動軸37の外径に応じた径に設定されており、ベアリング38bの外径はベアリング38aの外径よりも大きく設定され、ベアリング38aの内径とベアリング38bの内径とは同じ径に設定されている。貯油室35aの後端部は、壁部36によって閉塞され、貯油室35aの前端部には、本発明に係る連通流路としての連通孔42が形成されている。この連通孔42の下端部42aは、貯油室35aの底面よりも高い位置に形成されている。
また、壁部36における貯油室35a底部の後部に対応する部分には貫通孔36bが形成され油導管41の一端が接続されている。油導管41は、貫通孔36b側から上方に延びた後、壁部36の貫通孔36aの下方に設けられた貫通孔36cを介して第1ハウジング35に設けられている油導孔34cに連通している。油導孔34cは、第1ハウジング35における小径部34aと貯油室35aとを隔てる隔壁内に設けられており、同隔壁の後端部からポンプ室34の上流側に向かって形成されている。したがって、貯油室35aは、油導管41および油導孔34cを介してポンプ室34に連通している。
ポンプ室34および貯油室35aの外周側には、第1ハウジング35aの一部を構成する隔壁35cを介して冷却液室35bが形成されている。冷却液室35bは、図4に示すようにポンプ機構31における左舷側(図4における左側)の底部側から上方に向かって形成された後、ポンプ室34の上部側を囲うように右舷側に湾曲して右舷側の底部側に向かって形成されている。そして、冷却液室35bにおける左舷側の側壁下部には、冷却水取入口35dが設けられ、冷却液室35bにおける右舷側の側壁下部には、冷却水吐出口35eが設けられている。冷却水取入口35dは、エンジン18から延びる配水管26bに接続され、冷却水吐出口35eは、船外に通じる排水管26cに接続されている。
すなわち、エンジン18の後部には、船体13の船尾に開口する冷却水取入管26aの前端部が接続されており、この冷却水取入管26aから送られる水によってエンジン18は冷却される。そして、エンジン18を冷却した水は、エンジン18の前部から前方に向かって延びる配水管26bによって過給装置30に送られる。すなわち、この配水管26bは、エンジン18の前部から前方に向かって延びた後に、下方に屈曲して冷却液室35bの冷却水取入口35dに接続されている。また、排水管26cは、冷却液室35bの冷却水吐出口35eから後方に向かって延びた後、船体13の船尾に開口している。
駆動軸37の外周面における小径部34aの前部側に対応する部分には、同駆動軸37を中心とする螺旋状に形成されたスクリュー39が設けられているとともに、同スクリュー39の前後両側方に、駆動軸37の径方向に突出した円板状の鍔部40a,40bがそれぞれ設けられている。スクリュー39は、ポンプ室34の小径部34a内に位置しており、その外径は、小径部34aの内径より僅かに小さい径に形成され、ポンプ室34内において小径部34aの内壁と非接触状態で回転するように構成されている。
鍔部40aは、ポンプ室34の小径部34a内に位置しており、スクリュー39の後端部と所定の間隔をおくとともにベアリング38aの前側面に隣接して設けられている。この鍔部40aの外径は小径部34aの内径より僅かに小さい外径となっており、鍔部40aの外周面と小径部34aの内周面との間に隙間が形成されている。鍔部40bは、ポンプ室34の大径部34b内に位置しており、スクリュー39の前端部およびベアリング38bの後側面との間にそれぞれ所定の間隔をおいて設けられている。この鍔部40bの外径は大径部34bの内径より僅かに小さい外径となっており、鍔部40bの外周面と大径部34bの内周面との間に隙間が形成されている。また、駆動軸37の外周面におけるベアリング38aのエンジン18側には、ベアリング38aとの間に所定の間隔をおいて環状のオイルシール38cが取り付けられ、ポンプ室34内からの潤滑油漏れが防止されている。
駆動軸37には、前端面中央からエンジン18側に向かって軸方向に延びる有底状の油孔37bが設けられている。そして、駆動軸37における鍔部40bとスクリュー39との間には、駆動軸37を径方向に貫通する貫通孔37cが設けられている。また、駆動軸37におけるベアリング38aとオイルシール38cとの間および鍔部40bとベアリング38bとの間には、油孔37bとポンプ室34とをそれぞれ連通する連通孔37d,37eがそれぞれ設けられている。
駆動軸37の前端部側には、図5に示したように本発明に係る回転部としての4つのプラネタリローラ43と、これら4つのプラネタリローラ43とそれぞれ摩擦接触する本発明に係る被回転部としてのリングローラ44とを備えた増速機構32が設けられている。4つのプラネタリローラ43は、それぞれ摩擦接触面が外周面に形成されており、支持部材46を介して駆動軸37の前端部に連結されている。支持部材46は、前後方向から見た形状が略十字状に形成されており、各先端側前部に支持軸46aが形成されている。そして、この支持軸46aにプラネタリローラ43が駆動軸37と同じ回転方向に回転可能な状態で支持されている。この支持部材46は、その中心部に設けられた孔に駆動軸37の前端部を圧入させることによって駆動軸37に結着されている。
リングローラ44は、プラネタリローラ43の外周側に配置され、内周面に摩擦接触面が形成された環状体からなり、第1ハウジング35に連結して形成された円筒状の第2ハウジング45の内周面に固定されている。すなわち、第2ハウジング45は、一端側が閉口した円筒状に形成されており、他端側の開口部が第1ハウジング35の前部側に組み付けられ、その内部に駆動軸37に連結した増速機構32を収容している。したがって、駆動軸37が回転すると支持部材46に支持された4つのプラネタリローラ43は、リングローラ44と摩擦接触することによって支持軸46aを中心として自転しながらリングローラ44の内周に沿って回転する。
また、プラネタリローラ43の中心部には、外周面に各プラネタリローラ43と摩擦接触するサンローラ47aが形成された回転軸47が配置されている。この回転軸47は、駆動軸37の前端側に駆動軸37と同軸的に配置され、第2ハウジング45を貫通して前方に延びている。回転軸47の外周面における軸線方向の略中央部にベアリング48aが取り付けられ、そのベアリング48aを介して回転軸47は第2ハウジング45に回転可能な状態で支持されている。回転軸47の後端側部分は、駆動軸37の油孔37b内に回転可能な状態で挿入されている。したがって、4つのプラネタリローラ43が自転しながら回転することにより、回転軸47が回転駆動される。この場合、リングローラ44とプラネタリローラ43との増速比およびプラネタリローラ43と回転軸47のサンローラ47aとの増速比に応じて、回転軸47が増速されて回転する。
回転軸47には、後端面中央から前方に向かって軸方向に延びる有底状の油孔47bが設けられている。そして、回転軸47のサンローラ47aの外周面には、回転軸47の径方向に貫通する貫通孔47cが油孔47bと連通して設けられ、回転軸47の外周面におけるベアリング48aの前部側部分には、油孔47bと連通する連通孔47dが設けられている。そして、回転軸47の外周面における連通孔47dの前方には、ベアリング48aとの間に所定の間隔をおいて環状のオイルシール48bが取り付けられ、第2ハウジング45内部からの潤滑油漏れが防止されている。
また、第2ハウジング45の下部は、前述した連通孔42を介して貯油室35aに連通している。この連通孔42の下端部42aは、第2ハウジング45内部の底部よりも高い位置であるとともに、リングローラ44の最下部における摩擦接触面よりも低い位置となっている。すなわち、連通孔42の下端部42aは、プラネタリローラ43の何れかが最も低い位置にあるときのプラネタリローラ43の最下部よりも低い位置となっている。また、第2ハウジング45の底面は、貯油室35aの底面よりも高い位置になるように設定されている。
回転軸47の前端部側には、過給機構33が設けられている。過給機構33は、空気通路23aを介して吸気ボックス24から送られる空気を取り込む吸気口49aと、吸気口49aから取り込んだ空気をインタークーラー側に送る吐出口49bとを有する第3ハウジング50を備えている。そして、第3ハウジング50の内部には、吸気口49aから取り込んだ空気を圧縮するタービン51が、回転軸47の前端部に取り付けられている。このタービン51は、回転軸47の回転とともに回転して、吸気口49aから取り込んだ空気を吐出口49bに送り込む。
また、排気ガスを船外に排出するための排気装置27は、排気管28およびウォーターロック29等から構成されている。排気管28は、上流端がエンジン18の右舷側側面に開口する各気筒の排気口に接続されており、エンジン18の右舷側側面、前端面および左舷側側面を屈曲しながら延びた後、下流端がウォーターロック29に接続されている。
ウォーターロック29は、大径の円筒状タンクで構成されており、その後部上面から排気ガス管29aが後方に向かって延びている。この排気ガス管29aの上流端部は、ウォーターロック29の上面に連通しており、下流側が一端上方に延びた後に下方後方に延びている。そして、排気ガス管29aの下流端部は、船体13の後端部から外部に通じている。
前記のように構成した本実施形態の作動について説明する。まず、水ジェット推進艇10の操舵者がシート15を跨いで座り、スタートスイッチ(図示せず)を投入することにより、水ジェット推進艇10は走行可能な状態となる。そして、操舵者による操舵ハンドル14や各操作子の操作により、水ジェット推進艇10は各操作に応じた所定の方向に所定の速度で走行する。
この場合、エンジン18の作動により過給装置30は、吸気ボックス24から供給される空気を圧縮してエンジン18に送り込む。その際、過給装置30のポンプ機構31は、増速機構32に潤滑油を供給して、増速機構32の作動を円滑にする。具体的には、エンジン18が作動して駆動軸37が回転すると、回転軸37とともにスクリュー39が回転し、ポンプ室34内に上流側(図3の右側)から下流側(図3の左側)に流れる空気流が発生する。これによって、貯油室35a内の潤滑油は油導管41および油導孔34cなどを介してポンプ室34内に吸引される。さらに、潤滑油は、貫通孔37cを介して油孔37bに送り込まれる。
油孔37bに導入された潤滑油は、その一部が連通孔37d,37eを介してベアリング38a,38bに供給される。連通孔37dを介してベアリング38aに供給された潤滑油は、ベアリング38aを潤滑した後、鍔部40aの外周面と小径部34aの内周面との間の隙間を介してポンプ室34の上流側に戻る。また、ベアリング38bには、油孔37eからだけでなくポンプ室34内からも鍔部40bの外周面と大径部34bの内周面との間の隙間を介して潤滑油が供給される。そして、ベアリング38bに供給された潤滑油は、ベアリング38bを潤滑した後、自然落下により第2ハウジング45の底部に溜まる。そして、潤滑油の液面が連通孔42の下端部42aよりも高くなると、下端部42aを超える分が貯油室35aに自然落下により流れる。
また、油孔37bに導入された潤滑油の他の一部は、回転軸47と油孔37bとの嵌め合い部に侵入するとともに、回転軸47の油孔47b内に導かれる。回転軸47と油孔37bとの嵌め合い部に侵入した潤滑油は、同嵌め合い部を潤滑した後、自然落下により第2ハウジング45の底部に溜まる。
油孔47b内に導入された潤滑油は、貫通孔47cおよび連通孔47dを介してサンローラ47aおよびベアリング48aにそれぞれ供給される。サンローラ47aに供給された潤滑油は、サンローラ47aとプラネタリローラ43との摩擦接触面を潤滑するとともに、プラネタリローラ43に付着した潤滑油が、プラネタリローラ43とリングローラ44との摩擦接触面も潤滑する。これらサンローラ47aとプラネタリローラ43との摩擦接触面およびプラネタリローラ43とリングローラ44との摩擦接触面を潤滑した潤滑油は、自然落下により第2ハウジング45の底部に溜まる。また、ベアリング48aに供給された潤滑油は、ベアリング48aを潤滑した後、自然落下により第2ハウジング45の底部に溜まる。
この場合、連通孔42の下端部42aがリングローラ44の最下部における摩擦接触面より低い位置となっているため、リングローラ44の同摩擦接触面以上の高さに潤滑油が溜まることがない。これにより、リングローラ44の内側を回転するプラネタリローラ43が潤滑油に浸されることが防止され、プラネタリローラ43の回転駆動時における潤滑油の攪拌抵抗による動力損失を低減することができる。そして、貯油室35aに回収された潤滑油は、再度油導管41等を介して増速機構32の潤滑等に利用される。すなわち、潤滑油はポンプ機構31と増速機構32との間を循環することになる。この場合、図3に示すように、貯油室35a内の潤滑油は、その液面Lが連通孔42の下端部42aより低い位置を維持する状態でポンプ機構31と増速機構32との間を循環する。
一方、冷却液室35b内には、配水管26bを介してエンジン18から冷却水が導かれており、この冷却水は、冷却液室35b内を循環する間に貯油室35aおよびポンプ室34内の潤滑油を冷却して排水管26cから船外に排水される。これにより、潤滑油が高温となることが防止される。
前記作動説明からも理解できるように、前記実施形態によれば、リングローラ44の内側を回転するプラネタリローラ43が潤滑油に浸されなくなるため、プラネタリローラ43の回転駆動時における潤滑油の攪拌抵抗による動力損失を低減することができる。
また、駆動軸37の軸線方向に沿ってポンプ機構31、増速機構32および過給機構33を配設し、これらのうちポンプ機構31の下方に貯油室35aを設けた。これにより、コンパクトに過給装置30を構成することができる。
また、ベアリング38a,38b,48aおよび増速機構32に潤滑油を供給するための流路を駆動軸37および回転軸47内に形成しているため、過給装置30の構造が簡素化されコンパクトな構成とすることができる。また、この場合、回転軸47を駆動軸37の油孔37bに回転可能な状態で嵌め込んで回転軸47の油孔47bを駆動軸37の油孔37bに連通させたため、互いに回転数の異なる両軸の油孔47bと油孔37bとを簡単な構造で連通させることができるとともに、同両軸間への潤滑油の供給も簡単な構成で行うことができる。
また、スクリュー39の外周縁部と小径部34aの内周面とを非接触としたため、駆動軸37の回転数を上げることができ、高回転数のエンジン18にも使用することができる。
また、駆動軸37の外周面におけるスクリュー39の前後両端側方にそれぞれ鍔部40a,40bを設けて、小径部34aおよび大径部34b内における鍔部40a,40bに挟まれた空間によってスクリュー39を収容するポンプ室34を形成したため、簡単な構成でコンパクトにポンプ室34を形成することができる。これにより、過給装置30の組み付けも容易となる。
また、本実施形態においては、ポンプ室34および貯油室35aを囲む状態で冷却液室35bを設けた。これにより、簡単な構造で効果的に潤滑油を冷却することができる。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係る潤滑構造を備えた過給装置30’を示している。この過給装置30’においては、ポンプ機構31および貯油室35aに設けられた冷却液室35bに加えて増速機構32’にも冷却液室35b’が設けられている。すなわち、増速機構32’の外周部を囲んだ状態で冷却液室35b’が設けられ、冷却液室35bと冷却液室35b’の下部側部分が前後に連通している。したがって、冷却液室35bに導入された冷却水は冷却液室35b’にも導かれる。
図6は、本発明の第2実施形態に係る潤滑構造を備えた過給装置30’を示している。この過給装置30’においては、ポンプ機構31および貯油室35aに設けられた冷却液室35bに加えて増速機構32’にも冷却液室35b’が設けられている。すなわち、増速機構32’の外周部を囲んだ状態で冷却液室35b’が設けられ、冷却液室35bと冷却液室35b’の下部側部分が前後に連通している。したがって、冷却液室35bに導入された冷却水は冷却液室35b’にも導かれる。
また、増速機構32’は、本発明に係る回転部としてのリングローラ44’が支持部材46’を介して駆動軸37の前端部に連結されるとともに、本発明に係る被回転部としての4つのプラネタリローラ43’(2つのみ図示)が、第2ハウジング45’に取り付けられた支持棒44a’に回転可能な状態で支持されて構成されている。この支持棒44a’は、第2ハウジング45’の前面部の後部から支持部材46’に向かって延びており、回転軸47を中心とする円周に沿って一定間隔で設けられている。そして、リングローラ44’の内周面と4つのプラネタリローラ43’の外周面とが摩擦接触している。また、4つのプラネタリローラ43’の中心部には、同4つのプラネタリローラ43’と摩擦接触するサンローラ47aを有する回転軸47が配置されている。したがって、駆動軸37が回転することにより、リングローラ44’が回転し、同リングローラ44’の回転力がプラネタリローラ43’に伝達される。さらに、プラネタリローラ43’の回転力が回転軸47に伝達されて回転軸47は高速回転する。
この増速機構32’では、リングローラ44’が回転するため、貯油室35aに連通する連通孔42の下端部42aは、リングローラ44’の外周面より低い位置になるように形成されている。この第2実施形態に係る過給装置の潤滑構造のそれ以外の部分の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
この第2実施形態に係る過給装置の潤滑構造によれば、冷却液室35bに加えて増速機構32’を囲む状態で冷却液室35b’を設けて構成されているため、増速機構32’内の潤滑油も冷却することができる。このため、より効果的に潤滑油を冷却することができる。この第2実施形態に係る過給装置の潤滑構造のそれ以外の作用効果については上記第1実施形態に係る過給装置の潤滑構造と同様である。
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係る過給装置の潤滑構造を備えた水ジェット推進艇10’を示している。この水ジェット推進艇10’においては、船体13内のエンジン18の左舷側側面に隣接してオイルクーラー60が設置されている。オイルクーラー60は、エンジン18内の潤滑油を冷却するために設けられた冷却装置であり、本実施形態では、このオイルクーラー60を過給装置30の潤滑油を冷却するためにも利用している。オイルクーラー60は、冷却水が通る配管(図示せず)とエンジン18内および過給装置30内の潤滑油がそれぞれ通る配管(図示せず)とを備えている。また、船体13の内部には、船外からの水を冷却水としてオイルクーラー60に導く冷却水取入管26a’、オイルクーラー60内を通った冷却水を過給装置30に導く配水管26b’および過給装置30内を通った冷却水を船外に排水する排水管26c’が設けられている。
図7は、本発明の第3実施形態に係る過給装置の潤滑構造を備えた水ジェット推進艇10’を示している。この水ジェット推進艇10’においては、船体13内のエンジン18の左舷側側面に隣接してオイルクーラー60が設置されている。オイルクーラー60は、エンジン18内の潤滑油を冷却するために設けられた冷却装置であり、本実施形態では、このオイルクーラー60を過給装置30の潤滑油を冷却するためにも利用している。オイルクーラー60は、冷却水が通る配管(図示せず)とエンジン18内および過給装置30内の潤滑油がそれぞれ通る配管(図示せず)とを備えている。また、船体13の内部には、船外からの水を冷却水としてオイルクーラー60に導く冷却水取入管26a’、オイルクーラー60内を通った冷却水を過給装置30に導く配水管26b’および過給装置30内を通った冷却水を船外に排水する排水管26c’が設けられている。
冷却水取入管26a’は、オイルクーラー60の下面の後部から後方に向かって延びた後、船体13の船尾に開口している。また、配水管26b’は、オイルクーラー60の下面の前部から前方に向かって延びており、過給装置30の左舷側側面の下部に設けられた冷却水取入口(図示せず)に接続されている。また、排水管26c’は、過給装置30の右舷側側面の下部に設けられている冷却水吐出口(図示せず)から後方に向かって延びた後、船体13の船尾に開口している。したがって、船外から取り入れられた冷却水は、オイルクーラー60および過給装置30を通って潤滑油の冷却に用いられた後、船外に排水される。
また、船体13内には、過給装置30内の潤滑油をオイルクーラー60に導く油導管41aおよびオイルクーラー60に導入された潤滑油を過給装置30に導く油導管41bが接続されている。油導管41aは、オイルクーラー60の船首側側面から前方に向かって延び、過給装置30の貯油室35aに接続されている。また、油導管41bは、オイルクーラー60の船尾側側面から屈曲して前方側に延び、過給装置30の油導孔34cに接続されている。したがって、過給装置30の貯油室35aに貯油されている潤滑油は、駆動軸37の回転駆動により、オイルクーラー60を介してポンプ室34の下流側に供給される。
この場合、オイルクーラー60内に導かれた潤滑油は、冷却水によって熱交換、すなわち冷却されて過給装置30のポンプ室34に供給される。なお、このオイルクーラー60には、エンジン18内の潤滑油も図示しない配管を介して導かれており、過給装置30の潤滑油と同様に冷却水により冷却されてエンジン18内に戻される。この第3実施形態に係る過給装置の潤滑構造を備える水ジェット推進艇10’のそれ以外の部分の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
この第3実施形態に係る過給装置の潤滑構造によれば、冷却液室35bに加えてオイルクーラー60でも潤滑油を冷却することができるため、潤滑油をより効果的に冷却することができる。また、元々水ジェット推進艇10’が備えているオイルクーラー60を過給装置30の潤滑油の冷却にも利用できるため、別途冷却装置を設ける必要がない。このため、コストアップすることなく潤滑油の冷却を効果的に行えるようになる。この第3実施形態に係る過給装置の潤滑構造のそれ以外の作用効果については上記第1実施形態に係る過給装置の潤滑構造と同様である。
なお、上記第3実施形態に係る過給装置の潤滑構造においては、オイルクーラー60によってエンジン18内および過給装置30内の潤滑油を冷却するように構成したが、これに代えて、オイルクーラー60を過給装置30内の潤滑油専用の冷却装置として構成してもよい。この場合、エンジン18内の潤滑油の冷却は、エンジン18内の潤滑油専用のオイルクーラーを別途設けてもよいし、上述した第1実施形態のように冷却水をエンジン18内に導く構成としてもよい。これによれば、オイルクーラー60は、過給装置30内の潤滑油専用の冷却装置となるので、より効果的に潤滑油を冷却することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲において種々の変更が可能である。例えば、前記実施形態においては、増速機構32として互いに摩擦接触するプラネラリローラ43とリングローラ44およびプラネタリローラ43とサンローラ47aを備える回転軸47を用いた。しかし、これに限定されるものではなく、プラネタリローラ43およびサンローラ47aを外歯歯車によって構成してプラネタリギアおよびサンギアとし、リングローラ47aを内歯歯車によって構成してリングギアとして増速機構32を構成してもよい。この場合、プラネタリギアとリングギアが噛み合うとともにプラネタリギアとサンギアが噛み合い、各噛み合い部が潤滑油により潤滑された状態で、駆動軸37の回転が増速されて回転軸47に伝達される。
また、前記実施形態においては、小型船舶である水ジェット推進艇10に搭載されたエンジン18の過給装置30に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、小型船舶以外、例えば、2輪または4輪車両等に搭載されるエンジンの過給装置に本発明を適用してもよい。
10…水ジェット推進艇、13…船体、18…エンジン、19…吸気装置、24…吸気ボックス、25…スロットルボディー、26a…冷却水取入管、26b…配水管、26c…排水管、27…排気装置、30…過給装置、31…ポンプ機構、32…増速機構、33…過給機構、34…ポンプ室、34a…小径部、34b…大径部、35…第1ハウジング、36…壁部、35a…貯油室、35b…冷却液室、37…駆動軸、37b…油孔、37c…貫通孔、37d,37e…連通孔、39…スクリュー、40a,40b…鍔部、41…油導管、42…連通孔、43…プラネタリローラ、44…リングローラ、45…第2ハウジング、47…回転軸、47a…サンローラ、47b…油孔、47c…貫通孔、47d…連通孔、50…第3ハウジング、51…タービン、60…オイルクーラー。
Claims (10)
- エンジンの回転により回転駆動される駆動軸と、
過給機構が備えるタービンに連結された回転軸と、
前記エンジンと前記過給機構との間に設けられたハウジング内に収容されて、前記駆動軸に連結された回転部と、前記回転部の回転力が伝達される被回転部とを備え、これらの回転部および被回転部によって前記駆動軸の回転を増速して前記回転軸に伝達する増速機構と、
前記増速機構を潤滑するための潤滑油を貯留する貯油室と、
前記駆動軸の回転により駆動されて前記貯油室に貯留される潤滑油を前記増速機構に供給するポンプ機構とを有する過給装置の潤滑構造であって、
前記ハウジングの下部と前記貯油室とを連通流路を介して連通させるとともに、前記連通流路および前記貯油室の各底部が前記増速機構の回転部の最下部よりも低い位置になるようにして、前記増速機構に供給され前記増速機構を潤滑した潤滑油が前記連通流路を介して前記貯油室に自然落下により戻るようにしたことを特徴とする過給装置の潤滑構造。 - 前記ポンプ機構は、前記駆動軸の外周面に同駆動軸を中心として螺旋状に設けられたスクリューと、前記駆動軸を支持手段を介して回転自在に支持するとともに同スクリューを収容する円筒体とから構成されており、
前記スクリューの外周縁部と前記円筒体の内周面との間に隙間が形成されている請求項1に記載の過給装置の潤滑構造。 - 前記駆動軸の外周面における前記スクリューの両端側部分に前記駆動軸の軸線方向と直交する方向に突出した略円板状の鍔部をそれぞれ設けた請求項2に記載の過給装置の潤滑構造。
- 前記貯油室に貯留された潤滑油を冷却するための冷却液室を、前記貯油室と隔壁を介して設けた請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の過給装置の潤滑構造。
- 前記冷却液室は、前記貯油室を囲むように設けたものである請求項4に記載の過給装置の潤滑構造。
- 前記潤滑油が前記貯油室から潤滑油流路を介して前記ポンプ機構に供給されるように構成し、前記潤滑油流路を流れる前記潤滑油を冷却するための冷却装置を設けた請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の過給装置の潤滑構造。
- 前記駆動軸の軸方向に沿って、エンジン側から前記ポンプ機構、前記増速機構および前記過給機構を並べて設けるとともに、前記ポンプ機構および前記増速機構の少なくともいずれか一方の下方に前記貯油室を設けた請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の過給装置の潤滑構造。
- 前記駆動軸と前記回転軸とを同軸上に対向配置し、前記駆動軸に、同駆動軸における前記回転軸に対向する端面から同端面とは反対側に向かって軸方向に延びる中心孔を設けるとともに、前記駆動軸に外周面から前記中心孔に通じる連通孔を設け、
前記貯油室から供給される潤滑油が、前記連通孔を介して前記中心孔内に導かれるとともに、同中心孔を介して前記増速機構に供給されるようにした請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の過給装置の潤滑構造。 - 前記駆動軸と前記回転軸との対向する端面部同士を接触させて配設し、
前記回転軸の一端側に前記過給機構のタービンを設けるとともに、同回転軸の他端側に前記増速機構を設け、
前記回転軸に、同回転軸における前記駆動軸に対向する端面部から前記過給機構側に向かって軸方向に延びる中心孔を設けるとともに、前記回転軸に外周面から前記中心孔に通じる連通孔を設け、
前記駆動軸の中心孔と前記回転軸の中心孔とを連通させて、前記駆動軸の中心孔から供給される潤滑油が前記回転軸の中心孔および前記連通孔を介して前記増速機構に供給されるものである請求項8に記載の過給装置の潤滑構造。 - 前記駆動軸と前記回転軸との互いに対向する端部同士を互いに回転自在に嵌め合わせた構造にした請求項9に記載の過給装置の潤滑構造。
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