JP2006077456A - 塔状建造物の架設方法および架設装置 - Google Patents

塔状建造物の架設方法および架設装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易かつ小型の架設装置を用い、高い安全性で塔状建造物を架設する。
【解決手段】架設装置10は、架設すべきタワー本体の周囲を取り囲む本体フレーム11と、本体フレーム11をタワー本体に支持させる支持部30と、発電装置5を支持する支持梁15と、セグメント4を揚重するための揚重部20と、本体フレーム11をタワー本体に沿って昇降させるための昇降機構とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、風力発電タワーや高架水槽など、タワー本体の頂部に、タワー本体によって支持される設備や構造物等の設置物を有する塔状建造物の架設方法および架設装置に関する。
タワー本体の頂部に設置物が設置された塔状建造物の一例として、風力発電タワーが挙げられる。風力発電タワーは、発電設備を構成するナセルおよびブレードが、タワー本体の頂部に設置された構成を有している。タワー本体は、強度や耐久性の観点からコンクリート製とされ、また、施工性の観点から、予め作製された複数のプレキャストセグメントを組み合わせて構成される場合が多い。
従来、この種の塔状建造物の架設方法としては、以下に示す方法が知られている。
(1)移動式クレーンによる方法:
この方法は、大型クレーン車両を用いて、セグメントを下から順次組み上げていってタワー本体を構築し、最後に、ナセルおよびブレードをタワー本体の頂部に設置する方法である。
(2)ウインドリフト工法:
この方法では、まず、架設すべき塔状建造物周囲を囲むような、クライミング装置付きのタワーマストを仮設する。そして、タワーマストに付属するクライミング装置を用いて、タワーマストに囲まれた空間内にセグメントを下から順次組み上げていく。タワー本体の頂部に設置されるナセルおよびブレードは、最後に、やはりクライミング装置を用いて持ち上げ、タワー本体の頂部に設置する。
(3)リフトアップ工法:
この方法では、タワー本体の基礎部に、リフトアップ機能を内蔵した仮設ガイドタワーを設置し、これを使用してセグメントを上部より順次接続しながら地上付近でせり上げてタワー本体を組立てる。
上述した方法はいずれも地上からの設備によりタワー本体を架設するものであるため、以下に述べるような問題点がある。例えば、移動式クレーンによる方法では、タワー本体の高さが高くなると、セグメントや設置物の重量だけでなく吊り上げ高さによっても使用するクレーンの機種が制限されるので、超大型クレーン車が必要となる。この方法ではクレーン車を全架設期間にわたって占用しなければならないので、このような超大型クレーン車を使用する場合は、使用場所が制限されるとともに、架設コストが増大する。ウインドリフト工法やリフトアップ工法では、架設用の設備自身が大掛かりであり、また、設備の組立てや解体に時間を要し、結果的に架設コストが増大する。特に、リフトアップ工法では、タワー本体の頂部への設置物の設置にクレーン車が用いられるので、タワー本体の高さが高い場合は、超大型クレーン車が必要となる。
そこで、こういった地上の設備を用いてタワー本体を架設することによる問題点を解消するために、特許文献1には、昇降機構およびクランプ部を有する基台にジブクレーンを備えたクライミングクレーン装置を、架設すべきタワー本体の基部に取り付け、ジブクレーンによるセグメントの設置と、昇降機構によるクライミングクレーン装置の上昇とを繰り返すことによってタワー本体を架設し、最後に、ジブクレーンによってナセルおよびブレードを取り付けることが開示されている。
特開平11−82285号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、ナセルやブレードの吊り上げをクライミングクレーンが備えるジブクレーン装置で行うので、ジブクレーンの性能(吊り上げ能力や作業半径等)は、セグメントの重量だけでなく、ナセルやブレードの重量も考慮して決定しなければならない。ナセルやブレードは、タワー本体のセグメントと比べて重量が大きい場合が多く、したがって、ジブクレーンも大型のものが必要となり、さらには基台についても、基台をタワー本体に支持させるためのクランプ部を、クライミングクレーン自身およびナセル等の重量を受けるのに十分な構造とする必要がある。結果的に、クライミングクレーンが大型のものとなるとともに、クライミングクレーンそのものの製作費が高価になる。
また、特許文献1に開示された方法をはじめ、前述した従来の技術ではいずれも、タワー本体の頂部に設置される設置物は、タワー本体の完成後に、地上から持ち上げてタワー本体の頂部に設置される。上記のように、タワー本体の頂部に設置される設置物は重量物であることが多く、このような重量物を地上から持ち上げて高所で設置作業を行うには慎重な作業が要求され、作業安全性の確保に多大な労力を必要とする。
そこで本発明は、タワー本体とその頂部に設置される設置物とを有する塔状建造物を架設するのに好適に用いられる、簡易な構造でかつ安全性が確保された架設装置、およびその架設装置を用いた塔状建造物の架設方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の塔状建造物の架設方法は、複数のセグメントが積み重ねられて構成されるタワー本体の頂部に塔頂設置物が設置された塔状建造物の架設方法であって、
架設すべきタワー本体の周囲を取り囲むように構成された本体構造と、前記本体構造を前記タワー本体に支持させるための本体支持部と、塔頂設置物を含む塔頂部構造を支持する塔頂部構造支持部と、セグメントを揚重するための揚重部とを有する架設装置を用い、
前記本体支持部によって、架設途中のタワー本体の最上部に前記架設装置を支持させる工程と、
タワー本体に支持された前記架設装置の塔頂部構造支持部に、前記塔頂部構造を支持させる工程と、
前記塔頂部構造を支持した前記架設装置の揚重部によって、前記セグメントを揚重し、架設途中のタワー本体の最上部に接合する工程と、
前記架設装置をクライミングさせる工程と、
前記セグメントを接合する工程を、前記架設装置をクライミングさせる工程を間に入れつつ、最後のセグメントを接合するまで繰り返す工程と、
前記最後のセグメントを設置した後、最後のセグメント上に前記塔頂部構造を接合する工程とを有する。
本発明の架設方法では、塔頂部構造を支持する架設装置を用い、架設装置をクライミングさせながら、架設装置によってセグメントを揚重し、下から順次接合していく。そして、最後のセグメントの接合が終了したら、架設装置に支持されている塔頂部構造と最後のセグメントとを接合することで、塔状建造物が完成する。したがって、塔頂部構造を最後に地上から揚重してタワー本体の頂部に設置する必要はなく、そのために地上に大型のクレーン装置を用意したり、架設装置に大型のクレーン装置を備えたりする必要はなくなる。また、塔頂設置物を服務塔頂部構造は、地上からの高さが低い段階で揚重されて架設装置に支持されるので、塔頂設置物の揚重に伴う危険性が大幅に減少する。
本発明の架設装置は、複数のセグメントが積み重ねられて構成されるタワー本体の頂部に塔頂設置物が設置された塔状建造物を架設するのに用いられる架設装置であって、
架設すべきタワー本体の周囲を取り囲むように構成された本体構造と、
前記本体構造を前記タワー本体に支持させるための本体支持部と、
塔頂設置物を含む塔頂部構造を支持する塔頂部構造支持部と、
セグメントを揚重するための揚重部と、
前記本体構造を前記タワー本体に沿って昇降させるための昇降機構とを有する。
本発明の架設装置を用いることにより、本発明の架設方法を容易に実施することができる。また、架設装置はそれ自身がクライミングするので、架設すべきタワー本体の全高にわたる高さは不要であり、架設装置の小型化が達成される。しかも、架設装置の各構成要素は、鋼材や汎用の機器等を用いて構成することができるので、架設装置自身の構成も簡易なものとなる。
上述のように、本発明によれば、タワー本体の高さに対して十分に低く、小型で簡易な架設装置を用いて塔状建造物を架設することができ、結果的に塔状建造物の架設コストを低減することができる。また、塔頂設置物は架設中のタワー本体の高さが低い段階で揚重されて架設装置に支持されるので、塔頂設置物の揚重に伴う危険性が大幅に減少し、作業の安全性を確保することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明の一実施形態による架設装置10の正面図および側面図が示される。図1に示す架設装置10は、頂部に設置物が設置された塔状建造物の一つである風力発電タワーの架設に好適に用いられる。
この架設装置10を用いて架設される風力発電タワーの一例は、図6に示されるとおりである。すなわち、風力発電タワー1は、地盤に打設された基礎2の上に形成されたタワー本体3と、タワー本体3の頂部に設置された塔頂設置物である発電装置5とを有する。タワー本体3は、円筒状に形成された複数のセグメント4を上下に積み重ねることによって形成されている。セグメント4は、コンクリート製とすることができるが、金属製であってもよい。発電装置5は、タワー本体3の最頂部を構成するセグメント4(以下、他のセグメント4と区別する場合はヘッドセグメント4”と称する)に水平面内で回転可能に取り付けられたナセル6と、ナセル6に取り付けられたローダーヘッド7と、ローダーヘッド7に取り付けられた複数のブレード8とを備える。
以下、本実施形態の架設装置10について図1を参照して詳細に説明する。
架設装置10は、本体フレーム11と、この本体フレーム11に設けられて、セグメント4を地上から吊り上げ、既に接合されているセグメント4の上に載せるための揚重部20と、本体フレーム11の下部に設けられた支持部30とを有する。また、本体フレーム11の上端部には、この架設装置10によって架設される風力発電タワー1(図6参照)のナセル6が取り付けられたヘッドセグメント4”が支持される塔頂部構造支持部である支持梁15が設けられている。支持梁15は互いに間隔をおいて平行に配設されている。ヘッドセグメント4”の底面には、これら支持梁15をそれぞれ収めることができる切り欠きが形成されており、ヘッドセグメント4”は、支持梁15が切り欠きに嵌め込まれた状態で支持される。切り欠きの深さは支持梁15の高さよりも深く、支持梁15上にヘッドセグメント4”が支持された状態では、支持梁15の底面はヘッドセグメント4”の底面から突出しない。
本体フレーム11は、架設中のタワー本体(図6参照)のセグメント4の周囲を取り囲むように鋼材を組み合わせることによって構成されている。本体フレーム11の高さは、本体フレーム11が支持部30によってセグメント4に支持された状態で本体フレーム11の内側空間に次のセグメント4を収容するのに必要な寸法とされる。
支持部30は、本体フレーム11をセグメント4に支持させるための構造であり、本体フレーム11に、本体フレーム11の中心軸線に対して進退移動可能に設けられた複数のピン31を備えている。図1およびこの図1のA−A断面である図2を参照すると、ピン31は、水平面内で互いに対向する方向、かつ上下2段に、合計4本設けられている。上下に配置されたピン31の中心間の間隔は、セグメント4の高さと等しい。
セグメント4には、その周面に2つの貫通孔4aが互いに対向して形成されている。各ピン31は、それぞれ上下に隣接する2つのセグメント4の各貫通孔4aに挿入され、これにより、架設装置10がセグメント4に支持される。ピン31の進退移動は、作業員が手動で行ってもよいし、油圧装置や電動装置などを用いて行なってもよい。また、図2に示すように、互いに対向する2組の油圧ジャッキ32が、本体フレーム11の四隅に設けられている。油圧ジャッキ32は、そのピストンの伸縮方向が本体フレーム11の中心軸線へ向かう方向になるように設置されており、各油圧ジャッキ32でセグメント4の周面を支持することで、ピン31による架設装置10の支持を補助し、架設装置10をより安定して支持することができる。このような油圧ジャッキ32は、本実施形態のように発電装置5といった非常に重量の大きい設置物を架設装置10上に載せる場合に特に好ましく用いることができる。
また本実施形態では、ナセル6のローダーヘッド7が設けられている側を前側、それと反対側を後側としたとき、発電装置5は前後方向の寸法が幅方向(水平面内で前後方向と直角な方向)の寸法と比べて非常に大きく、また、詳しくは後述するがセグメント4も後側で吊り上げる構造となっている。したがって、架設装置10には、幅方向に比べて前後方向に大きなモーメントが作用する。このような状況において、ピン31の対向する方向を、より大きなモーメントが作用する前後方向と直角な方向である幅方向とし、かつ、ピン31を上下に配することで、前後方向に作用するモーメントに対して良好に対抗することができる。
ピン31を貫通孔4aに挿入することによって架設装置10の荷重を支持した状態では、ピン31がセグメント4と接触している箇所においてセグメント4に集中荷重が作用する。そこで、図3に示すように、セグメント4の貫通孔4aに鋼製のリング4bを嵌め込み、荷重を分散させることが好ましい。なお、ピン31の数および配置については、本体フレーム11を、発電装置5およびヘッドセグメント4”が載置された状態でセグメント4に支持することができれば、本実施形態で示した数および配置に限られず、任意に定めることができおる。
再び図1を参照すると、揚重部20は、本体フレーム11の上部に固定されて後方に向かって水平に延びた2本のガイドレール21と、各ガイドレール21に沿って移動可能に設けられた電動チェーンブロック22と、電動チェーンブロック22でセグメント4吊り上げる際にセグメント4に取り付けられる吊り上げユニット24とを有する。電動チェーンブロック22を駆動するための電源(不図示)は架設装置10に備えられている。電源から電動チェーンブロック22への電力の供給は、ケーブル(不図示)介して行ってもよいし、ガイドレール21をトロリーとして構成し、このトロリーを介して行ってもよい。
吊り上げユニット24は、図4の平面図に示すように、互いに間隔をあけて平行に設けられた一対の吊り上げ梁25と、各吊り上げ梁25をその両端部でそれぞれ連結する連結梁26と、各吊り上げ梁25を跨ぐようにして吊り上げ梁25に取り付けられ、両端部にそれぞれピン28(図4では片方のみ示している)が着脱可能に設けられたピンブラケット27とを有する。
ピン28は、セグメント4の貫通孔4aに対応しており、各ピン28を貫通孔4aに挿入することによって吊り上げユニット24にセグメント4が保持される。各吊り上げ梁25にはワイヤ取付け部25aが設けられており、ここに取り付けられたワイヤ23を、図1に示すように電動チェーンブロック22のフックに引っ掛けることによって、吊り上げユニット24に保持されたセグメント4を吊り上げることができる。吊り上げられたセグメント4は、電動チェーンブロック22をガイドレール21に沿って本体フレーム11側へ移動させることによって、本体フレーム11の内側空間内に引き込ませることができる。そのために、本体フレーム11には、電動チェーンブロック22および電動チェーンブロック22によって吊り上げられたセグメント4が通過できる程度の開口面積を持つ開口部11aが形成されている。
架設装置10は、それ自身がクライミングしながらセグメント4を積み上げていく。そのため、架設装置10は、昇降機構を備えている。本実施形態では、架設装置10のクライミングは、上述した吊り上げユニット24を利用して行なう。すなわち、吊り上げユニット24は、昇降機構の一部を構成している。架設装置10をクライミングさせるための構成として、吊り上げユニット24はセンターホールジャッキ29を備えている。センターホールジャッキ29は、各吊り上げ梁25の両端部にそれぞれ1本ずつ固定されている。
架設装置10のクライミングは、接合したセグメント4上で、ワイヤ23による電動チェーンブロック22と吊り上げユニット24との連結を解除し、ピン28を貫通孔4aから引き抜くことによってセグメント4の上に吊り上げユニット24を載せた状態で行われる。実際にセグメント4の上に載せられるのは吊り上げ梁25であり、吊り上げユニット24をセグメント4の上に載せることができるようにするために、吊り上げ梁25の間隔は、セグメント4の外径よりも小さくされている。この状態で、センターホールジャッキ29のピストンには、外周面にネジ溝が形成された鋼棒(図1では不図示)が、ピストンを貫通してねじ込まれる。一方、本体フレーム11の適宜箇所には、ねじ込まれた鋼棒の下端が固定される鋼棒固定部が設けられており、この鋼棒固定部に鋼棒の下端を固定するとともに、支持部30の各ピン31をセグメント4の貫通孔4aから引き抜き、その後、センターホールジャッキ29のピストンを上昇させることで、架設装置10の本体フレーム11全体を上昇させることができる。この架設装置10のクライミング動作について詳しくは後述する。
次に、上述した架設装置10を用いた風力発電タワーの架設手順について、図5A〜図5Iを参照しつつ説明する。
まず、図5Aに示すように、地盤に基礎2を打設する。基礎2は、フーチング付きとすることが好ましい。そして、打設した基礎2の上に、1つのセグメント4を接合する。ここで、「接合する」とは、単に置くだけでなく、動かないように強固に固定することを意味する。基礎2には、上述した架設装置の支持部に設けられたピン31(図2参照)を挿入するための孔2aが形成されており、基礎2の上にセグメント4を接合することにより、架設装置を支持することが可能となる。この工程は、架設装置を支持させるための準備を行う工程であるので、基礎2に孔2aが上下2段に形成されている場合は、この工程でセグメント4を接合する必要はない。また、基礎2に孔2aを形成しない場合は、この工程でセグメント4を2段接合する。セグメント4の接合は、地上のクレーンによって行うことができる。この工程では高さはセグメント4の吊り上げ高さは低いので、比較的小型のクレーンを用いることができる。
次いで、図5Bに示すように、架設装置10を基礎2および接合したセグメント4に設置する。架設装置10の設置は、基礎2の孔2aおよびセグメント4の貫通孔4aにそれぞれピン31を挿入し、架設装置10を支持することによって行う。
架設装置10を設置したら、図5Cに示すように、架設装置10の支持梁15にヘッドセグメント4”を設置し、さらにその上に、ナセル6を取り付ける。ヘッドセグメント4”にはナセル6を取り付けるための部材(不図示)が設けられており、この工程でヘッドセグメント4”とナセル6とを連結する。ナセル6は、風力発電タワーを構成する各ユニットの中で最も重いユニットの一つであるが、まだこの段階ではナセル6の取付け位置はそれほど高くないので、ナセル6の取付け作業は比較的容易である。
次いで、図5Dに示すように、吊り上げユニット24に次のセグメント4を装着し、揚重部20の電動チェーンブロック22によって、セグメント4が装着されている吊り上げユニット24を吊り上げる。吊り上げユニット24へのセグメント4の装着は、吊り上げユニット24のピン28をセグメント4の貫通孔4a(図1(a)参照)に挿入することによって行う。
セグメント4を吊り上げていき、吊り上げられているセグメント4の下端の位置が、既に接合されているセグメント4の上端の位置よりも高くなるまでセグメント4が吊り上げられたら、電動チェーンブロック22によるセグメント4の上昇を停止し、図5Eに示すように、電動チェーンブロック22をガイドレール21に沿って本体フレーム11側へ向けて移動させる。さらに移動を続け、セグメント4が開口部11a(図1(a)参照)を通過して本体フレーム11の内側空間に入り、既に接合されているセグメント4の真上に位置したら、図5Fに示すように、電動チェーンブロック22の移動を停止し、その後、電動チェーンブロック22によってセグメント4を降下させる。そして、降下させたセグメント4を既に接合されているセグメント4の上に接合する。
セグメント4を接合したら、図5Gに示すように、架設装置10を1つのセグメント4の高さ分だけ上昇(クライミング)させる。以下に、架設装置10のクライミング手順について図7〜図11を参照して説明する。なお、図7〜図11では、各構造の位置関係等をわかりやすくするため、一部を断面でまたは省略して示している。
まず、図7(a)、(b)に示すように、ワイヤ23(図1(b)参照)による電動チェーンブロック22と吊り上げユニット24との連結を切り離すとともに、吊り上げユニット24のピンをセグメント4から引き抜く。これにより、吊り上げユニット24の吊り上げ梁25が最上位置のセグメント4上に載せられ、吊り上げユニット24はそのセグメント4上に支持される。のその後、前述した鋼棒41を各センターホールジャッキ29に取付け、その鋼棒41の下端部を、架設装置10の本体フレームの一部に設けた鋼棒固定部33に固定する。鋼棒41は、センターホールジャッキ29のピストンの上下端において、鋼棒41にナットを螺合することにより、ピストンに対して位置調整可能に取り付けられる。鋼棒41は、架設装置10のクライミングの都度、センターホールジャッキ29に取り付けたり取り外したりするので、予め架設装置10の適宜箇所に仮止めしておく。
次いで、図8(a)、(b)に示すように、支持部30のピン31をセグメント4の貫通孔4aから引き抜く。ピン31を引き抜くことで、本体フレーム11はセグメント4に支持されなくなるが、本体フレーム11の一部は鋼棒41を介して、最上位置のセグメント4上に支持された吊り上げユニット24と連結されている。つまり、架設装置10は、最上位置のセグメント4上に支持されている。
この状態で、センターホールジャッキ29のピストンを上昇させる。これにより、鋼棒41が上昇し、それに伴って本体フレーム11も上昇する。本体フレーム11は、最終的には、図9に示すように、1つのセグメント4の高さ分だけ上昇させる。
通常、セグメント4の高さは2m以上であるのに対し、センターホールジャッキ29のストロークは40〜50cm程度である場合が多い。そのため、1回のセンターホールジャッキ29の動作では、本体フレーム11を図9に示す位置まで上昇させることができない。そこで、本実施形態においては、鋼棒41が貫通するとともに鋼棒41をセンターホールジャッキ29に固定するためのナットのストッパとなるプレート等を有する盛り替えブラケット42を吊り上げ梁25に設けている。センターホールジャッキ29のピストンを上昇させたら、下側のナットの位置を調整してこの盛り替えブラケット42に鋼棒41の荷重を盛り替えてピストンを戻し、その後、両側のナットにより鋼棒41をセンターホールジャッキ29のピストンに固定し、再度ピストンを上昇させる。この動作を何回か繰り返すことにより、図9に示す位置まで本体フレーム11を上昇させることができる。
なお、図2に示したように、セグメント4の外周面は、支持部30の油圧ジャッキ32によって支持されている。したがって、本体フレーム11の移動(上昇および下降)時には、油圧ジャッキ32によるセグメント4の支持を解除する。または、油圧ジャッキ32のピストンの先端部にローラ(不図示)を回転自在に取り付け、このローラを常にセグメント4の外周面に押し付けながら本体フレーム11を移動させることにより、本体フレーム11を常に安定して支持することができ、しかも本体フレーム11の移動の都度、油圧ジャッキ32を動作させる必要もなくなる。油圧ジャッキ32に取り付けるローラの材質としては、セグメント4を損傷させないように樹脂製とすることが好ましい。
本体フレーム11が図9に示す所定の位置まで上昇したら、図10に示すように、最上位置およびその下段の2つのセグメント4の貫通孔4aに、ピン31を挿入する。その後、鋼棒固定部33への鋼棒41の固定を解除し、架設装置10の荷重を支持部30のピン31に盛り替える。架設装置10の荷重を盛り替えたら、センターホールジャッキ29から鋼棒41を取り外す。
次いで、図11に示すように、電動チェーンブロック22によって吊り下げユニット24をワイヤ23で吊り、地上へ降下させる。
以降は、図5D〜図5Fに示した手順によるセグメント4の接合と、図7〜図11に示した手順による架設装置10のクライミングとを繰り返し、タワー本体3(図6参照)を下から順に架設していく。
タワー本体3が所定の高さまで架設されたら、図5Hに示すように、地上からのクレーン作業によって、ナセル6にローダーヘッド7を取り付け、さらに、ローダーヘッド7にブレード8を取り付け、発電装置5を完成させる。この「所定の高さ」とは、ブレード8を取付けるのに必要な高さであり、まだこの段階では高さはそれほど高くないので、ブレード8の取り付け作業は容易である。
図5Cに示した段階ではなくこの段階で発電装置5を完成させるのは、図5Cに示した段階ではブレード8を取付けるのに十分な高さではなく、その一方で、最も重量の大きいナセル6は作業の安全性確保の観点からもできるだけ高さの低い位置で設置したいという理由によるものである。したがって、ナセル6の設置とブレード8の取り付けを別の工程で行うことは本発明において本質的なことではなく、この図5Hに示した段階で、架設装置10にナセル6を設置し、さらにローダーヘッド7およびブレード8を取付けてもよい。また、塔頂設置物がブレード8のような塔頂部から下方に延びる部分を含むものではない場合は、先に示した図5Cの段階で塔頂設置物を完成させてもよい。
発電装置5の完成後、再び、上述した手順に従って、図5Iに示すように、架設装置10によってセグメント4を下から順次接合していく。そして、最後のセグメント4の接合が終了したら、最後のセグメント4の上にヘッドセグメント4”を接合し、最後に、架設装置10を撤去することで、図6に示す風力発電タワー1が完成する。
最後のセグメント4へのヘッドセグメント4”の接合手順について、図12〜図16を参照して説明する。なお、以下の説明では、最後に接合するセグメントを、初期工程で架設装置10上に設置しておいたヘッドセグメント4”およびその他のセグメント4と区別して、最終セグメント4’と称す。
まず、図12に示すように、前述したのと同じ手順で最終セグメント4’を接合する。最終セグメント4’は、これまでに接合したセグメント4とは異なり、吊り上げユニットの吊り上げ梁25が上方から収容される切り込み4bが、最終セグメント4’の上面に形成されている。切り込み4bの深さは、吊り上げ梁25が切り込み4bに収容された状態で、吊り上げ梁25の上面が最終セグメント4’の上面から突出しない程度の深さとされる。最終セグメント4’の接合は、吊り上げ梁25を切り込み4b内に収容した状態で行う。最終セグメント4’の接合が終了したら、吊り上げユニットを、吊り上げ梁25およびセンターホールジャッキ29のみ残して解体し、地上へ降ろす。
次いで、図13に示すように、センターホールジャッキ29に鋼棒41を取り付け、鋼棒41の下端部を鋼棒固定部33に固定する。それとともに、ヘッドセグメント4”と最終セグメント4’とが対向する空間に部材が存在する場合は、その部材も撤去し地上へ降ろす。次いで、図14に示すように、ピン31をセグメント4の貫通孔4aから引き抜き、架設装置10の荷重を吊り上げ梁25に盛り替える。
次いで、図15に示すように、センターホールジャッキ29を用いて本体フレーム11を降下させる。本体フレーム11の降下によってヘッドセグメント4”も降下し、最終的には、図16に示すようにヘッドセグメント4”が最終セグメント4’の上に載る。この際、ヘッドセグメント4”は支持梁15上に支持され、かつ、最終セグメント4’の上には吊り上げ梁25が置かれているが、支持梁15はヘッドセグメント4”の切り込み内に収められており、かつ吊り上げ梁25も最終セグメント4’の切り込み内に納められているので、これら支持梁15および吊り上げ梁25が、ヘッドセグメント4”を最終セグメント4’の上に載せるのに障害にはならない。センターホールジャッキ29の1回の動作でヘッドセグメント4”を最終セグメント4’の上に載せることができない場合は、架設装置10の上昇時と同様に、盛り替えブラケット42に鋼棒41の荷重を盛り替えながら本体フレーム11を降下させていく。ヘッドセグメント4”が最終セグメント4’の上に載るまで本体フレーム11が降下したら、ヘッドセグメント4”を最終セグメント4’に接合する。
最後に、架設装置10を解体し、各部材を地上へ降ろし、図6に示した風力発電タワー1を完成させる。支持梁15および吊り上げ梁25はそれぞれ横方向に引き抜くことで、取り外すことができる。架設装置10には、各部材を降下させるのに用いるウインチ(不図示)等の降下装置が予め備えられており、の各部材を地上へ降ろす際は、電動チェーンブロック22を利用できる場合は電動チェーンブロック22を利用するが、電動チェーンブロック22を利用できない場合は、この降下装置を利用する。
通常、風力発電設備において、発電装置5のメンテナンスのために作業員が発電装置5にアクセスできるように、タワー本体3(図6参照)には、タラップや昇降用のリフトが備えられている。架設装置10の各部材を降下させるのに用いた降下装置は、このタラップやリフトを利用して地上へ降ろすことができる。また、タラップやリフトは、架設装置10の各部材の降下にも利用することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、架設装置10は、それ自身が架設中のタワー本体3をガイドとして上昇しながら、セグメント4を地上から揚重し、積み上げていく。したがって、架設装置10は、架設すべきタワー本体3の全高にわたる高さは不要であり、架設装置10の小型化が達成される。しかも、架設装置10は本体フレーム11や吊り上げユニット24等を構成する鋼材、および汎用の電動チェーンブロック22等を用いて構成することができるので、架設装置10自身の構成も簡易なものとなる。また、架設装置10は、ナセル6を搭載した状態でセグメント4を下から順次積み上げていく、すなわち、先に基礎2と塔頂設置物(または塔頂設置物とタワー本体の最上部を構成するセグメントとを組み合わせた塔頂部構造)とを作っておき、塔頂設置物を持ち上げながら、それらの間のタワー本体3を下から順次架設していくように構成されている。その結果、塔頂設置物を最後に地上から揚重してタワー本体3の頂部に設置する必要がなくなる。したがって、塔頂設置物を地上から揚重するために、地上に大型のクレーン装置を用意したり、架設装置10に大型のクレーン装置を備え付けたりする必要はない。以上のことから、タワー本体3の高さに対して十分に低く、小型で簡易な架設装置10を用いて風力発電タワー1を架設することができ、結果的に風力発電タワー1の架設コストを低減することができる。さらに、重量の重い塔頂設置物はタワー本体3の高さが比較的低い段階で揚重されて架設装置10に載せられるので、塔頂設置物の揚重に伴う危険性が大幅に減少し、作業の安全性が確保される。
特に本実施形態では、架設装置10はナセル6をヘッドセグメント4”と連結させた状態で搭載する構造となっている。したがって、慎重な作業を必要とするナセル6の連結作業を高所ではなく地上付近で行うことができるので、ナセル6の連結作業を容易に行うことができる。このことによっても作業の安全性が確保される。
上述した実施形態では、架設装置10は、塔頂設置物を本体フレーム11の最上部に搭載するように構成されていたが、塔頂設置物の支持構造は、架設装置の上昇時においても塔頂設置物を安定して支持することができる構造であれば任意の構造とすることができる。
図17に、塔頂設置物の支持構造が異なる架設装置の一変形例を示す。図17に示す架設装置50は、本体フレーム51を図1に示したものと比べてさらに上方に延ばし、本体フレーム51の上部でナセル6を側方から抱え込むような構造を有している。その他は図1に示したものと同様に構成される。このように本体フレーム51の一部でナセル6を抱え込むような構造とすることで、ナセル6をより安定して支持することができる。また、ナセル6をより安定して支持できることにより、ナセル6を単体で支持することも可能となる。
また、上述した実施形態では、センターホールジャッキを用いて架設装置のクライミングを行う例を示したが、架設装置のクライミング機構はこれに限られるものではない。例えば、図4に示す吊り上げユニット24において、センターホールジャッキ29の代わりに、吊り上げ用の電動チェーンブロック22(図1(b)参照)とは別の電動チェーンブロック(不図示)を吊り上げ梁25に取り付け、この電動チェーンブロックで架設装置の本体フレームを直接または間接的に引き上げることによって、架設装置をクライミングさせることができる。あるいは、セグメント4の貫通孔4aに対して進退可能なピンを備えたピストンを有するジャッキを架設装置自身に組み込んでおき、このジャッキのピンに荷重を盛り替えて、ジャッキの動作で本体フレームを持ち上げることによっても、架設装置をクライミングさせることができる。
さらに、上述した実施形態では、架設する建造物として風力発電タワー1(図6参照)を例に挙げて説明したが、本発明は、風力発電タワー1の架設のみに適用されるのではなく、特定の機能や構造を有する構造物あるいは設備が塔頂部に設置された塔状建造物、別の言い方をすれば、特定の機能や構造を有する構造物あるいは設備がタワー本体の頂部に支持された塔状建造物であれば、いかなる塔状建造物にも適用できる。その例としては、図18に示すような、支柱101の頂部にタンク102が設置された高架水槽や、図19に示すような脚部111の頂部に主桁柱頭部112が設置された、道路や鉄道における橋脚や、図示しないが、タワー本体の頂部に送受信アンテナが設置された電波塔などが上げられる。これらも、タンク102、主桁柱頭部112、あるいは送受信アンテナを架設装置に支持させた状態で、架設装置自身をクライミングさせながら、支柱101、脚部111、あるいはタワー本体のセグメントを下から順次接合していき、最後に、最終セグメント上にタンク102、主桁柱頭部112、あるいは送受信アンテナを設置することによって架設することができる。
本発明の一実施形態による架設装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 図1に示す架設装置のA−A線断面図である。 ピンによってセグメントに作用する荷重を分散させるように構成したセグメントの貫通孔部分の拡大図である。 図1に示す吊り上げユニットの平面図である。 図1に示す架設装置を用いた風力発電タワーの架設手順の一例を説明する図である。 図1に示す架設装置を用いた風力発電タワーの架設手順の一例を説明する図である。 図1に示す架設装置を用いた風力発電タワーの架設手順の一例を説明する図である。 図1に示す架設装置を用いた風力発電タワーの架設手順の一例を説明する図である。 図1に示す架設装置を用いた風力発電タワーの架設手順の一例を説明する図である。 図1に示す架設装置を用いた風力発電タワーの架設手順の一例を説明する図である。 図1に示す架設装置を用いた風力発電タワーの架設手順の一例を説明する図である。 図1に示す架設装置を用いた風力発電タワーの架設手順の一例を説明する図である。 図1に示す架設装置を用いた風力発電タワーの架設手順の一例を説明する図である。 本発明によって架設される塔状建造物の一例である風力発電タワーの側面図である。 図1に示す架設装置のクライミング手順を説明する図である。 図1に示す架設装置のクライミング手順を説明する図である。 図1に示す架設装置のクライミング手順を説明する図である。 図1に示す架設装置のクライミング手順を説明する図である。 図1に示す架設装置のクライミング手順を説明する図である。 最終セグメントへのヘッドセグメントの接合手順を説明する図である。 最終セグメントへのヘッドセグメントの接合手順を説明する図である。 最終セグメントへのヘッドセグメントの接合手順を説明する図である。 最終セグメントへのヘッドセグメントの接合手順を説明する図である。 最終セグメントへのヘッドセグメントの接合手順を説明する図である。 本発明による架設装置の他の例の側面図である。 本発明によって架設される塔状建造物の他の例である高架水槽の側面図である。 本発明によって架設される塔状建造物のさらに他の例である、橋梁の橋脚部の側面図である。
符号の説明
1 風力発電タワー
2 基礎
3 タワー本体
4 セグメント
4a 貫通孔
5 発電装置
6 ナセル
7 ローダーヘッド
8 ブレード
10,50 架設装置
11,51 本体フレーム
15 支持梁
20 揚重部
21 ガイドレール
22 電動チェーンブロック
24 吊り上げユニット
25 吊り上げ梁
28,31 ピン
29 センターホールジャッキ
30 支持部
32 油圧ジャッキ
41 鋼棒
101 支柱
102 タンク
111 脚部
112 主桁柱頭部

Claims (10)

  1. 複数のセグメントが積み重ねられて構成されるタワー本体の頂部に塔頂設置物が設置された塔状建造物の架設方法であって、
    架設すべきタワー本体の周囲を取り囲むように構成された本体構造と、前記本体構造を前記タワー本体に支持させるための本体支持部と、塔頂設置物を含む塔頂部構造を支持する塔頂部構造支持部と、セグメントを揚重するための揚重部とを有する架設装置を用い、
    前記本体支持部によって、架設途中のタワー本体の最上部に前記架設装置を支持させる工程と、
    タワー本体に支持された前記架設装置の塔頂部構造支持部に、前記塔頂部構造を支持させる工程と、
    前記塔頂部構造を支持した前記架設装置の揚重部によって、前記セグメントを揚重し、架設途中のタワー本体の最上部に接合する工程と、
    前記架設装置をクライミングさせる工程と、
    前記セグメントを接合する工程を、前記架設装置をクライミングさせる工程を間に入れつつ、最後のセグメントを接合するまで繰り返す工程と、
    前記最後のセグメントを設置した後、最後のセグメント上に前記塔頂部構造を接合する工程とを有する、塔状建造物の架設方法。
  2. 前記揚重部は、前記セグメントに着脱可能に連結される吊り上げユニットと、前記吊り上げユニットを吊り上げ、既に接合されているセグメントの上方へ移動させる吊り上げ機構とを有し、
    前記架設装置をクライミングさせる工程は、接合した前記セグメント上に前記吊り上げユニットを載せ、前記セグメント上に載せられた吊り上げユニットに前記本体構造の荷重を盛り替えた状態で、前記本体構造をクライミングさせることを含む、請求項1に記載の塔状建造物の架設方法。
  3. 複数のセグメントが積み重ねられて構成されるタワー本体の頂部に塔頂設置物が設置された塔状建造物を架設するのに用いられる架設装置であって、
    架設すべきタワー本体の周囲を取り囲むように構成された本体構造と、
    前記本体構造を前記タワー本体に支持させるための本体支持部と、
    塔頂設置物を含む塔頂部構造を支持する塔頂部構造支持部と、
    セグメントを揚重するための揚重部と、
    前記本体構造を前記タワー本体に沿って昇降させるための昇降機構とを有する架設装置。
  4. 前記揚重部は、前記セグメントに着脱可能に連結される吊り上げユニットと、前記吊り上げユニットを吊り上げ、既に接合されているセグメントの上方へ移動させる吊り上げ機構とを有する請求項3に記載の架設装置。
  5. 前記吊り上げ機構は、前記本体構造に固定され水平方向に延びたガイド部材と、前記ガイド部材に沿って移動可能に設けられた電動チェーンブロックとを有する請求項4に記載の架設装置。
  6. 前記セグメントの側面には孔が形成されており、
    前記吊り上げユニットは、前記セグメントの上に支持可能に配置された梁部材と、前記梁部材に取付けられ、前記セグメントとの連結のために前記孔に挿入される吊り上げ用ピンとを有し、
    前記昇降機構は、前記梁部材が前記セグメントの上に支持された状態で前記梁部材と前記本体構造とを連結し、前記梁部材に対して前記本体構造を昇降させる、請求項4または5に記載の架設装置。
  7. 前記昇降装置は、前記梁部材に取り付けられたセンターホールジャッキを有する請求項6に記載の架設装置。
  8. 前記セグメントのうち最後に接合されるセグメントの上面には切り込みが形成されており、
    前記梁部材は、最後に接合されるセグメントの上面から突出せずに前記切り込み内に収容される寸法を有する請求項6または7に記載の架設装置。
  9. 前記支持部は、前記セグメントの孔に挿入可能に設けられたピンを有する請求項6ないし8のいずれか1項に記載の架設装置。
  10. 前記塔頂部構造の底面には切り欠きが形成されており、
    前記塔頂部構造支持部は、前記塔頂部構造の底面から突出せずに前記塔頂部構造の切り欠きに嵌合し、これによって前記塔頂部構造を支持する支持梁を有する請求項3ないし9のいずれか1項に記載の架設装置。
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