JP2006075274A - 電気炊飯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電気炊飯器にインターネットの情報端末機能を与える。
【解決手段】 マイクロコンピュータを有する電気炊飯器において、IPアドレスを付加することによってインターネット通信機能を付与し、所定のホストコンピュータ又は他のIPアドレスおよびインターネット通信機能を具備する電気機器とインターネット通信可能に構成した。
このような構成によれば、所定のIPアドレスを有する当該電気炊飯器と別のIPアドレスを有する電気炊飯器を含む各種電気機器との間又は電気炊飯器メーカーのホストコンピュータ等との間で、相互にインターネットによる所望の情報の送信および受信を行うことができるようになる。
【選択図】 図2

Description

本願発明は、所望の情報通信機能を備えた電気炊飯器に関するものである。
最近では家電製品その他の各種電気製品(以下、単に電気製品という)の多くにマイクロプロセッサが搭載されるようになり、その多機能化が進んでいる。また、パーソナルコンピュータを中心とする通信技術の進展に伴って、パーソナルコンピュータと電気製品とを相互に接続して必要なデータの交換を行うことも実用化されつつある。例えば電子レンジ(マイクロ波加熱調理器)のような比較的高機能の家庭用電気調理機器においては、そのようなネットワークを介して新しいレシピを取得するといったコンピュータ通信技術の応用が提案され、一部の製品では実用化されるようになっている。
このような状況の下にあって、例えば電気炊飯器や電気ポットのような一般的な家庭用電気調理機器間においても家庭内でのネットワーク化が検討されており、例えば用途上相互に関連する電気炊飯器と電気ポットの各々に相互に通信可能な通信手段を設け、電気ポット側の残湯量検知情報を電気炊飯器側の液晶表示部に表示するとともに、残湯量が少なく、給水が必要になっている場合には同電気炊飯器側の音声アラーム手段等を使ってユーザーに対して給水警告を出すようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
このような構成によれば、ユーザーは、電気炊飯器の炊飯開始又は炊飯予約設定操作を行ったときに、電気ポットの保温中の残湯量をその場で知ることができ、食事時に必要なお湯を予じめ再沸とう又は給水、湯沸しすることによって準備して置くことができる。
しかも、それを電気ポット側の湯量計を見るまでもなく、電気炊飯器側の炊飯設定操作のみで知ることができるので便利である。
特開2001−333859号公報(第1−6頁、図1−10)
しかし、これまでに提案されている従来の家庭用電気調理機器の場合、単に機器本来の機能の一部に関連した情報を当該ユーザーの家庭の中で相互に送受信し、他の製品の機能を借りて表示するといったものにすぎず、当該家庭内を超えて、例えば製造メーカー側のホストコンピュータや他の電気機器と幅の広い情報を、例えばインターネット回線を使って双方向通信できるようになっているわけではない。
ところで、現在使用されているインターネット通信では、各種のデータをパケットと呼ばれる小さな単位に分割し、パケットそれぞれに対してIPアドレスと呼ばれる送り先固有のタグを付けた上で、送信すべき宛先まで送る仕組みになっている。このIPアドレスは、コンピュータ1台ごとに設けられる住所となるもので、世界で固有の番号であることが要求される。
そして、これまで使われてきたインターネット通信を行うための約束事であるIPプロトコルは「IPv4(インターネットプロコトル・バージョン4)」と呼ばれ、IPアドレスに32bitの番号(実際には、8bitずつの10進数に分けて「192.168.72.54」などと表現する)を使っており、ホストアドレスを表わすためのフィールドが32bitしかないため、あと数年もすればアドレス空間が枯渇してしまう見込みとなっている。
そのため、例えばメーカーが製造販売した上述のような電気炊飯器や電気ポット等の極く一般的な家庭用電気調理機器の1台、1台に各々固有のIPアドレスを付すなどということは無理である。
そこで、上記アドレス空間の拡大を図り、さらに従来のTCP/IPで問題となっていた部分を修正したり、欠けていた機能を追加して、新しいプロトコル体系が決められようとしている。それが「IPv6(インターネットプロコトル・バージョン6)」である。
このIPv6では、各ノードは128bitのアドレスフィールドを持ち、必要ならばこのアドレスの中にネットワークカードの物理アドレス(MACアドレス)やルーティング情報なども含めてしまうことが考えられている。セキュリティ機能(暗号化や認証など)やサービスに応じた確実な通信の保証(優先度を付けたデータの配信)などの機能を持たせたり、従来のTCP/IPプロトコルとの相互接続性も確保したりしようとしている(サイト内は従来のIPv4であるが、インターネットはIPv6で、などという運用)。
IPv6での最大の変更点は、IPアドレスが128bitの番号(16bit単位に区切った16進数で「27c0:12:d8ab:0:368:f4ff:fe5e:756a」などと表現する)に変更される。これで接続できるコンピュータの数は天文学的な量(およそ10の38乗)になる。
したがって、テレビやエアコン、冷蔵庫はもちろん、電子レンジ、電気炊飯器、電気ポットといったデジタル調理家電や自動車、携帯電話などを含めても、IPアドレスの枯渇の心配は解消される。
本願発明は、このような事情に基いてなされたもので、メーカーにより製造販売される電気炊飯器の各々に固有のIPアドレスを設け、当該製造メーカーのホストコンピュータ又は他の電気炊飯器その他の電気機器とインターネットを通じて幅広い情報の送受信を行えるようにした電気炊飯器を提供することを目的とするものである。
本願発明は、上記の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1) 第1の課題解決手段
この発明の第1の課題解決手段は、マイクロコンピュータを有する電気炊飯器において、IPアドレスを付加することによってインターネット通信機能を付与し、その製造メーカーのホストコンピュータ又は他のIPアドレスおよびインターネット通信機能を具備する電気炊飯器その他の電気機器とインターネット通信可能に構成したことを特徴としている。
このような構成によれば、所定のIPアドレスを有する当該電気炊飯器と別のIPアドレスを有する電気炊飯器その他の各種電気機器との間又は製造メーカーのホストコンピュータとの間で、相互にインターネットによる所望の情報の送信および受信を行うことができるようになる。
したがって、製造メーカーは、製造、販売後の当該電気炊飯器に関する情報(初期セット状態、使用状況、不具合、異常発生、クレーム相談、アフターサービスなど)を自動的に、または必要に応じて入手することができるようになり、適切な対応をとることができるとともに、ユーザーも安心して使用することができるようになる。
また、それと同時に同電気炊飯器を通じて、ユーザー同士の情報ネットワークを構築することもでき、電気炊飯器を利用して行える各種調理メニュー情報の交換なども可能となる。
(2) 第2の課題解決手段
この発明の第2の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段の構成において、当該電気炊飯器には炊飯又は保温の遂行に必要な処理機能を設ける一方、炊飯又は保温終了後の各種データの処理および他の電気炊飯器又は他の電気機器から受信した情報の処理は、所定のホストコンピュータで行うようにしたことを特徴としている。
このような構成によれば、電気炊飯器側のマイクロコンピュータ容量を複雑なものにすることなく、上述した各種の情報処理を行わせることが可能となる。
したがって、高度の機能を発揮させながも、電気炊飯器の製品コストを低く抑えることができる。
(3) 第3の課題解決手段
この発明の第3の課題解決手段は、上記第1又は第2の課題解決手段の構成において、当該電気炊飯器の使用開始後、最初のホストコンピュータとの通信は、当該電気炊飯器が通信手段に接続されたことを検知して自動的にセットアップされるとともに、同セットアップ完了後、セットアップが完了したことをホストコンピュータ側に自動的に又は以後の炊飯開始操作に連動して送信するようになっていることを特徴としている。
このような構成によれば、当該電気製品を購入した時の、最初のインターネット通信可能な状態へのセットアップ、その他炊飯機能の設定を含めた、初期設定を自動的に行わせることができる。
もちろん、この場合、必要に応じて手動によるセットアップが可能であるようにすることもできる。
そのようにすると、同セットアップ時に、ユーザー情報等の各種情報を手動で入力することができるようになる。また同入力時に、ホストコンピュータ側から、その入力手順を示すこともできる。
(4) 第4の課題解決手段
この発明の第4の課題解決手段は、上記第1,第2又は第3の課題解決手段の構成において、ホストコンピュータには、異常を判定する機能が設けられ、当該電気炊飯器が異常であると判断すると、異常回避の信号を同電気炊飯器に送信すると同時に、ユーザーの携帯電話に異常信号を送信するように構成されていることを特徴としている。
このような構成によると、例えばタイマー予約炊飯時のように、ユーザーが外出中で当該電気炊飯器の側にいないような時にも、容易にユーザーへの異常状態の通報が可能となり、ユーザーは必要な対応を取ることができるようになる。
(5) 第5の課題解決手段
この発明の第5の課題解決手段は、上記第1,第2,第3又は第4の課題解決手段の構成において、ホストコンピュータには、当該電気炊飯器の炊飯プログラムを修正する複数のランクの修正ソフトが準備されており、ユーザーからのアクセスにより所望のランクの修正ソフトがユーザー側の電気炊飯器にインストールされるように構成されていることを特徴としている。
このような構成によれば、一旦汎用的なクラスの電気炊飯器を購入した後に、より高機能の炊飯制御性能が欲しくなった時や、これまで無かった新たな炊飯制御機能が開発されたような時にも、それらを任意に取り込んで、性能アップすることが可能となる。
(6) 第6の課題解決手段
この発明の第6の課題解決手段は、上記第5の課題解決手段の構成において、ホストコンピュータはユーザー側電気炊飯器の不具合状態を把握した場合において、当該不具合の発生が所定のランク以下の低ランクの修正ソフトを使用して炊飯を行ったことが原因であると判明した時には、同修正ソフトよりも高いランクの修正ソフトのインストールを奨めるガイド情報を上記ユーザー側の電気炊飯器に送信するように構成されていることを特徴としている。
このような構成によれば、ソフト上の問題に起因する当該電気炊飯器の不具合を、新たにランクアップされた修正ソフトによって、適切に対応改善することができるようになる。
(7) 第7の課題解決手段
この発明の第7の課題解決手段は、上記第1,第2,第3,第4,第5又は第6の課題解決手段の構成において、炊飯開始操作を行うと、炊き上げ工程前の吸水工程中において、他のIPアドレスが設定された電気機器との通信を行って同電気機器から必要なデータを入手し、入手後はそのデータに基いて炊飯加熱制御を行うように構成されていることを特徴としている。
このような構成によれば、例えば当該電気炊飯器が室内気温センサー等を有していなくても、同じ室内にあるエアコンの室内気温センサー等の検知データを利用して炊飯時の吸水工程における初期水温の判定に反映させるなどといったことが可能となる。
以上の結果、本願発明の電気炊飯器の構成によると、次のような種々のメリットを得ることができるようになる。
(1) インターネットに接続可能な仕様の電気炊飯器全てに対して、製造時にIPアドレスを組み込んでおくか、又はユーザーが同様のIPアドレスを取得することができるようにしておくだけで、当該電気炊飯器がユーザーの手元に渡って実際に使用され、またインターネットに接続されたときに、当該電気炊飯器を製造したメーカーのホストコンピュータと通信して製品の使用状況等を自動的にチェックできるようにすることができる。
(2) また、その後、ユーザーからクラームや問い合わせがあったような時には、そのIPアドレスをベースに、それまでの製品の使用状況、発生している不具合状況を把握し、適切なアドバイスや対応処置を取ることができるようになる。
(3) さらに、一旦購入した電気炊飯器の新たに改良修正された炊飯ソフトを新たにインストールすることによって、製品機能をバージョンアップさせたり、ホストコンピュータ側の制御機能を使って、より高度な炊飯制御を行うようにすることも可能である。
図1〜図3は、本願発明の最良の実施の形態に係るインターネット機能を有したマイコン式電気炊飯器の構成を示している。
(電気炊飯器本体部分の構成・・・図1および図2参照)
すなわち、先ず当該電気炊飯器Aの炊飯器本体は、例えば図1に示すように、内部に誘起されるうず電流によって自己発熱が可能な例えばステンレス鋼板等の磁性金属板よりなる内鍋(飯器ないし保温容器)3と、該内鍋3を任意にセットし得るように形成された合成樹脂製の有底筒状の保護枠(内ケース)4と、該保護枠(内ケース)4を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース1と、該外ケース1と上記保護枠(内ケース)4とを一体化して形成された炊飯器器体Aの上部に開閉可能に設けられた蓋ユニット(蓋)2とから構成されている。
上記保護枠(内ケース)4の底壁部(底部)4aの下方側にはコイル台7が設けられ、その上部には、フェライトコアを介し、上記内鍋3の底壁部(底部)3aの中央部と側方部および内鍋3の側壁部3bの各位置に対応して各々リッツ線が同心状に巻成された3組のワークコイルC1,C2,C3が、それぞれ内鍋3の底壁部3aから側壁部3bに到る略全体を包み込むように設けられており、それらにより通電時には内鍋3の略全体にうず電流を誘起して、その全体を略均一に加熱するようになっている。そして、該ワークコイルC1,C2,C3は、それぞれ相互に直列に接続されている。そして、その一端は、整流回路および平滑回路を介したワークコイル駆動回路の電源ラインに、また他端は同回路中のIGBT(パワートランジスタ)にそれぞれ接続されている。
また、上記側壁部側ワークコイルC3の上方部には、保温時において加熱手段として機能する保温ヒータH1が設けられており、保温時において上記内鍋3の全体を有効かつ均一に加熱するようになっている。さらに、上記肩部材11の肩部内周側には、肩ヒータH2が設けられている。
また、上記保護枠(内ケース)4およびコイル台7の前方部側には、上記ワークコイルC1,C2,C3、保温ヒータH1、肩ヒータH2等を駆動制御する上記IGBTやヒータ駆動回路、マイコン制御ユニット、電源電圧整流用のダイオードブリッジよりなる整流回路、平滑回路などを備えた制御基板6Aおよび制御基板収納ボックス5Aが上下立設状態で設けられている。
また上記外ケース1は、例えば合成樹脂材で形成された上下方向に筒状のカバー部材1aと、該カバー部材1aの上端部に結合された合成樹脂製の肩部材11と、上記カバー部材1aの下端部に一体化された合成樹脂製の底部材1bとからなり、かつ上記保護枠(内ケース)4の底壁部4aとの間に所定の広さの断熱および通風空間部を形成した全体として有底の筒状体に構成されている。そして、該外ケース1の前面部上方には、例えば図3に示すような形状の操作パネル部20が設けられている。
該操作パネル部20面には、十分に広く大きな表示面積をもつ映像表示が可能な高精細の液晶画面よりなる液晶表示部(文字や図形等を任意に表示することができるキャラクタ表示可能なモニター部)21と、炊飯スイッチ22a、タイマー予約スイッチ22b、取消スイッチ22c、保温スイッチ22d、パン調理スイッチ22e、メニュー選択スイッチ22f、時スイッチ22g、分スイッチ22h等の炊飯又は保温機能設定用の各種入力スイッチが設けられている。
さらに、上記外ケース1内の上記操作パネル部20の内側部分(裏側空間)には、上記制御基板6Aの上端側位置から斜め前方に下降する格好で、例えばマイコン基板6Bが傾斜設置されている。このマイコン基板6Bは、上記モニター部21や各種入力スイッチ22a〜22hが設けられた操作基板部と、その下方側にあって、円形をなすマイコンのバックアップ用電源電池を有するマイコン用電源基板部とからなっている。
一方、符号2は蓋ユニットであり、該蓋ユニット2は、その外周面を構成する合成樹脂製の外カバー12と、該外カバー12と内枠14との間に設けられた金属製の断熱構造体13と、該断熱構造体13の内側にパッキン17を介して設けられた金属製の内カバー15と、該内カバー15の下方に設けられた金属製の放熱板16とによって内側が中空の断熱構造体に形成されている。また、上記断熱構造体13は上下2枚の金属板13a,13bを閉断面構造に対向させて一体化することにより形成されている。
この蓋ユニット2は、上記外ケース1上部の肩部材に対してヒンジ機構を介して回動自在に取付けられており、その開放端側には、該蓋ユニット2の所定位置に係合して該蓋ユニット2の上下方向への開閉を行うロック機構18が設けられている。
一方、上記制御基板6A上のマイコン制御ユニット(図示省略)には、上記入力スイッチ22a〜22hを介して入力されたユーザーの指示内容を判断する所望の認識手段が設けられており、該認識手段で認識されたユーザーの指示内容に応じて所望の炊飯又は蒸し、保温機能、所望の炊飯又は蒸し、保温メニュー、それら炊飯又は蒸し、保温メニューに対応した所定の加熱出力、加熱パターンを設定して、その炊飯加熱制御手段又は保温加熱制御手段としてのマイコン制御ユニット42を適切に作動させて所望の炊飯又は蒸し、保温を行う。
一方、炊飯、保温工程が終了した後の、以下に述べる各種のデータ処理や他の電気炊飯器、他の電気機器から受信したデータの処理は、後述するメーカー側のホストコンピュータHCで行う。
ところで、以上のようなIPアドレスを有し、インターネット通信可能なマイクロコンピュータを備えて構成される電気炊飯器Aは、各メーカーにおいて機種毎に所定台数ずつ製造されるが、それらの全てに対して、上述したインターネットプロトコルIPv6の採用を前提として、出荷時に当該各電気炊飯器固有のIPアドレスが付加される。
そして、同IPアドレスを用いて、同じ電気炊飯器メーカーの電気炊飯器A1〜An同士又は当該電気炊飯器メーカーのホストコンピューHCタとインターネット回線を通じて幅広い情報の送受信を行えるようになっている(図2参照)。
(電気炊飯器を中心として構成される情報ネットワークシステム)
すなわち、以上のように固有のIPアドレスを有し、インターネット通信機能を備えて製造された電気炊飯器A1〜Anが、全国の販売店を通して各ユーザーに販売されると、当該各電気炊飯器A1〜Anは、例えば図2に示されるように、当該電気炊飯器A1〜Anの製造メーカーのホストコンピュータHCとインターネット回線を通じて放射状に結ばれ、例えば先ずユーザーが販売店から電気炊飯器を購入した時には、購入時において先ず所定のユーザー登録が行われる。
このユーザー登録においては、先ずユーザー(製品所有者)の個人情報(住所・氏名・年齢・携帯電話・勤務先・家族等)および購入した製品(種類・型式・購入年月日・購入店等保証書記載事項)の登録が行われ、さらに本システムの概要、利用できるサービス、ユーザーにとってのメリット等が販売店の担当から十分に説明される。
そして、その後、ユーザーが購入したA1〜Anを自宅に持ち帰り(又は配達されて)、電話回線又はADSL,光ファイバー等専用回線に接続されるとともに家庭用AC電源に接続されて、マイコン部およびインターネット用OS部等に電源が供給されると、当該電話回線等の通信手段に接続されたことを検知して自動で送受信設定(セットアップ)がなされ、設定後にホストコンピュータHCに自動的に又はその後の炊飯操作に連動して送信する。これによりユーザーが初期設定を完了したことをホストコンピュータHC側に知らせて監視の準備をさせる。その結果、上記製造メーカー側のホストコンピュータHCとの通信が可能となる。
もちろん、以上の場合、上記自動セットアップ機能に併せて手動によるセットアップ機能を付加することもできる。そのようにした場合、当該セットアップ時に、ユーザー情報等の各種情報を手動で入力することができるようになる。また同入力時に、ホストコンピュータHC側から、その入力手順を示すこともできる。
また、当該電気炊飯器の使用に際して必要なその他のガイダンスは、当該メーカーが開設しているホームページにアクセスすることによっても得ることができる。
さらに、以上の場合において、ユーザーが上記のようなホストコンピュータHCとの通信を望まないような場合には、上記ホストコンピュータHCとの自動的な接続セットアップ機能を解除する解除手段(選択手段)も必要に応じて設けられる。
そして、実際に使用が開始されると、同使用状況(炊飯工程の開始から保温工程の終了まで)の電気炊飯器A1〜Anの使用状況(正常、異常を含む各種のデータ)が、逐次上記メーカー側のホストコンピュータHCのデータベースDBに蓄積される。ホストコンピュータHCは、この電気炊飯器A1〜Anの使用状態を示すデータに基いて当該電気炊飯器A1〜Anの作動状況の正常、異常を判定し、正常な場合には、そのまま炊飯を継続させるが、異常の場合には、その異常状態を回避するための制御情報を電気炊飯器A1〜An側のマイコン制御ユニットに送信して、適切な措置、例えば出力不足の時には出力アップ、出力過大の時には出力低減、また異常加熱時等のケースでは、電源OFF等の必要な措置を取る。
また、本システムでは、当該ホストコンピュータHCは、上記インターネット回線を通じて、当該電気炊飯器A1〜Anに対応してユーザー登録されている当該ユーザーの携帯電話S1〜Snとも所望の情報の送受信が行えるようになっている。
したがって、上記異常加熱判定時において、電源OFF指令信号を送信したにも拘わらず、電源がOFFにならないような時には、さらに当該ユーザーの携帯電話S1〜Snに音声又は電子メール(eメール)によって電気炊飯器が異常である旨を報知する。
これにより、ユーザーが自から帰宅して直接電源を切るなどの速やかな安全な措置を取ることができる。
また、上記メーカー側のホストコンピュータHCのデータベースDBには、上述した製品情報やユーザー情報だけでなく、製造、販売された各種電気炊飯器A1〜Anの機種に応じた製品機能拡張情報や新しい炊飯メニューに応じた炊飯プログラム修正ソフト、また不具合改善用の修理ソフトも逐次準備されるようになっている。
この修正ソフト、修理ソフトには、例えばメーカー側から見て、ユーザーに強くインストールすることを勧めたいもの(高ランク)とユーザーの希望に任せれば足りるもの(低ランク)との複数種のものがあり、ユーザーは、これらの各修正、修理ソフトを自からの判断で任意にインストールすることができる。
しかし、その場合において、もしも何らかの異常ないし不具合が発生した場合、それが当該機種とは合わない低ランクの修正、修理ソフトをインストールして炊飯を行ったために生じたミスマッチであることが判明したような場合には、ホストコンピュータHCは、自動的に改めて上記高ランクの修正、修理ソフトのインストールを強く指示する。これによって、当該機種に応じた適切な炊飯機能の実現を図る。
また、上述した各電気炊飯器A1〜Anは、例えば図2のA1とAnに示したように、上述したホストコンピュータHCとの関係だけでなく、それら相互の間でもインターネット通信を行うことができ、当該電気炊飯器A1〜Anの各々を情報端末とした全国ネットを形成することができるようになっている。この結果、例えば当該電気炊飯器A1〜Anを用いた炊飯メニュー以外の新たな調理メニューのユーザー間での情報交換なども可能となる。
また、すでに述べたように、インターネットプロトコルIPv6での最大のメリットは、IPアドレスが128bitの番号に変更されることで、これにより接続することができるコンピュータの数は天文学的な量(およそ10の38乗)になる。
したがって、上記のような電気炊飯器に限らず、テレビやエアコン、冷蔵庫はもちろん、電子レンジ、電気ポットといったデジタル調理家電を含めて、あらゆる電気機器にIPアドレスを付加することができる。
したがって、それら各電気機器が、上記電気炊飯器A1〜Anの周囲にあり、環境条件が一致するような場合、例えば図3のシステム例に示すように、各電気炊飯器A1〜Anにおいて、炊飯を開始するに際し、吸水工程での初期水温の判定に、同じ室内に設置されているルームエアコンRAの内気温センサTの検出温度tや湿度センサWの検出湿度wをそれぞれインターネット受信して反映させるということも可能となる。
また、同様のことは、クオーツタイプの電子時計又は電子レンジ等の時計装置を有する電気機器にIPアドレスを設けて、それらからタイマーデータを受信するようにすることもできる。
このような構成によれば、温湿度センサー機能や時計機能が不要となり、電気炊飯器A1〜An側には、炊飯および保温の基本的な機能を充実させるだけでよくなり、電気炊飯器A1〜Anをシンプルで低コストなものにすることができる。
(アフターサービスシステムの実現)
上述した図2のような構成によれば、各ユーザーの初期セット完了後の使用状況を継続的に監視し、状況に応じて不具合やクレームの相談にも応じることができ、また特別な異常検知時には携帯電話S1〜Snを通じてユーザーに通報することもできる。
この場合において、例えば上述した製品購入時のユーザー登録データ(住所/販売店)を活用すれば、さらに異常検知確認後に、その電気炊飯器A1〜Anの液晶表示部21に最寄りのアフターサービス店(メーカーの営業所その他の代理店等)M1〜Mnを通知して表示し、また必要に応じて携帯電話S1〜Snにも同様の通知を行うようにすることができる。
一方、それに対応してアフターサービス店M1〜Mnのコンピュータには、上記メーカー側のホストコンピュータHCから、すでに蓄積されている当該ユーザーの電気炊飯器A1〜Anの購入後の使用経過、その品質情報、不具合状況等のデータが転送され、そのデータベースD1,D2に入力される。
したがって、アフターサービス店M1〜Mnの修理担当者は、ユーザーから特別な説明を受けるまでもなく、容易に持ち込まれた電気炊飯器A1〜Anの適切なメンテナンスを行うことができる。
また、一方ユーザー宅への訪問修理時には、当該電気炊飯器とホストコンピュータHCと通信して、当該電気炊飯器の製造段階での電力、センサー温度、その他の必要な設定値(データ)等を受け取り、それを修理の参考情報として修理する。また必要に応じて新しい改良プログラムを入手する。
(新製品情報の提供)
また上記のような構成によれば、上記登録ユーザーの使用製品A1〜Anを基本として、その製品機能、使用方法/手入れ方法、不具合対策、クレーム受付、修理のアドバイス、アフターサービス店紹介などを行うことができるが、それら各製品A1〜Anもやがては、寿命を迎える。
そこで、その期間を勘案(カウント)して上記使用製品A1〜Anの買い替えニーズをベースにした新製品情報の提供(新製品紹介、セールスポイントの説明、価格・購入方法の説明など)を行う。
その結果、メーカーにとっては大きな販売促進効果を得ることができる。
(変形例)
なお、以上のようにルームエアコンRAその他の電気機器からのセンサ出力等の情報を受信するようにした場合、当該電気炊飯器A1〜Anが炊飯準備に入ることを示す動作、例えば内鍋3のセット(内鍋検知センサのON出力)をトリガーとして、温度データ、湿度データ、時刻データ等を受信入力するようにする。
また、この場合、IPアドレスが設定された他の電気機器との通信により入手した情報と、ユーザーにより直接入力された情報とを区別してホストコンピュータHCに送信し、ホストコンピュータHC側で必要なデータの処理を行う。
また、以上のように構成した場合においても、安定した炊飯動作を確保する見地から、少なくともワークコイルC1〜C3が駆動されている場合(炊飯中)には、上述した異常検出以外の情報の送受信は行わないようにすることが好ましい。
さらに、以上の場合、上記電気炊飯器使用開始時期のホストコンピュータHCとの通信は、前述のようにホストコンピュータHCとの通信を行うようにするか否かを、マニュアル的にユーザーが自由に選択するように構成してもよい。つまり、メーカー側ホストコンピュータHCとのインターネット通信を行うか否かは、あくまでもユーザーの自由であり、決して強制されるものではない。
(発展例)
上述のように、IPv6仕様の電気機器では、「各端末機器とホストコンピュータHC等サーバーとの双方向通信」、「各端末機器同士の双方向通信」が可能である。
そこで、この通信機能を利用して、例えば「電気ポットの湯を出した!」、「電気炊飯器の蓋を開けた!」等の各機器の操作情報を、上述の電気炊飯器側に直接伝えるようにする。
また電気ポットや電気炊飯器に対して、「おはよう」、「お休み」、「元気です」等の伝言ボタンを設け、それらのボタンを押すと相手側電気炊飯器等の液晶表示部に、その伝言が表示されるようにする。また、それに併せて報知機能を設け、同ボタンを押すと相手にブザーやライト等で報知するようにする。
このような連絡、伝言システムも、本願発明の発展形態として任意に実現することができる。
本願発明の最良の実施の形態に係る電気炊飯器本体の構成を示す一部切欠断面図である。 同電気炊飯器によって構成される情報ネットワークシステムの構成を示す図である。 同電気炊飯器の使用形態の一例を示す図である。
符号の説明
A,A1〜Anは電気炊飯器、C1〜C3はワークコイル、SWは電源スイッチ、H1は保温ヒータ、1は外ケース、2は蓋ユニット、3は内鍋、S1〜Snは携帯電話、HCはホストコンピュータ、M1〜Mnはアフターサービス店、RAはルームエアコン、Tは内気温センサ、Wは湿度センサである。

Claims (7)

  1. マイクロコンピュータを有する電気炊飯器において、IPアドレスを付加することによってインターネット通信機能を付与し、その製造メーカーのホストコンピュータ又は他のIPアドレスおよびインターネット通信機能を具備する電気炊飯器その他の電気機器とインターネット通信可能に構成したことを特徴とする電気炊飯器。
  2. 電気炊飯器には炊飯又は保温の遂行に必要な処理機能を設ける一方、炊飯又は保温終了後の各種データの処理および他の電気炊飯器又は他の電気機器から受信した情報の処理は、ホストコンピュータで行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の電気炊飯器。
  3. 電気炊飯器の使用開始後、最初のホストコンピュータとの通信は、当該電気炊飯器が通信手段に接続されたことを検知して自動的にセットアップされるとともに、同セットアップ完了後、セットアップが完了したことをホストコンピュータ側に自動的に又は以後の炊飯開始操作に連動して送信するようになっていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気炊飯器。
  4. ホストコンピュータには、異常を判定する機能が設けられ、当該電気炊飯器が異常であると判断すると、異常回避の信号を同電気炊飯器に送信すると同時に、ユーザーの携帯電話に異常信号を送信するように構成されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の電気炊飯器。
  5. ホストコンピュータには、当該電気炊飯器の炊飯プログラムを修正する複数のランクの修正ソフトが準備されており、ユーザーからのアクセスにより所望のランクの修正ソフトがユーザー側の電気炊飯器にインストールされるように構成されていることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の電気炊飯器。
  6. ホストコンピュータはユーザー側電気炊飯器の不具合状態を把握した場合において、当該不具合の発生が所定のランク以下の低ランクの修正ソフトを使用して炊飯を行ったことが原因であると判明した時には、同修正ソフトよりも高いランクの修正ソフトのインストールを奨めるガイド情報を上記ユーザー側の電気炊飯器に送信するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の電気炊飯器。
  7. 炊飯開始操作を行うと、炊き上げ工程前の吸水工程中において、他のIPアドレスが設定された電気機器との通信を行って同電気機器から必要なデータを入手し、入手後はそのデータに基いて炊飯加熱制御を行うように構成されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の電気炊飯器。
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